JP5118618B2 - 高純度形状記憶合金ターゲット及び同合金薄膜 - Google Patents
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しかしながら、この形状記憶合金薄膜は、時としてエッチングの不良や不均質なエッチングが発生することがあり、エッチング不良は、設計されたパターン成形を阻害するため、設計された機能を十分に果たすことができず、機能部品としての歩留まりを大きく損なうことがあった。
これまで形状記憶合金中の不純物については、酸素が耐食性や疲労特性に影響するということが触れられており(特許文献1参照)、また薄膜形成時に基盤材等からの不純物の混入により形状記憶特性が著しく低下するという報告がある(特許文献2参照)
また、スパッタリングにより成膜する場合においては、スパッタターゲットの平均結晶粒径を小さくすることによりエッチング時の欠陥形成を抑制できることがわかった。
また、最近ではFe-Mn-Siのような鉄系の形状記憶合金も実用化間近の段階に至っている。本発明は、これらの形状記憶合金に適用できる。
形状記憶合金の新しい用途としてマイクロマシニングやマイクロエレクトロニクスマシニングにおいて薄膜化した形状記憶合金をパターニングして駆動部品とする技術が開発されている。
これらのエッチング不良について系統的な解析を続けてきた結果、薄膜の中あるいは表面に存在する析出物や介在物あるいは異物がエッチングを阻害もしくは異常に促進させ不良を形成する原因になっていることがわかった。
すなわち、薄膜形成時若しくは形成後の熱処理時に材料中に存在する不純物が薄膜中の粒界に選択的に析出物や介在物として形成され、これらの存在がエッチング不良を生じさせることがわかった。
また同時に、薄膜がスパッタで形成される場合は、薄膜中や薄膜上に異物として存在する場合が有るが、この異物がスパッタターゲットから飛来するいわゆるパーテイクルと呼ばれるものであることがわかった。
さらにこれらのターゲット中の介在物又は析出物は、ターゲットを製造する過程の溶解、凝固若しくは粉末の固化、熱処理等のさまざまな熱履歴や塑性加工等のプロセスの間に、ターゲット中に含まれる不純物から形成されるものであることが分かった。
そして、これらの析出物や介在物の大きさは、ターゲットの結晶粒径に依存することが判明しており、微細な組織若しくは未再結晶組織の場合に、より小さくなり、その影響が小さくなることが分かった。
NiTi系の形状記憶合金については、特にAlとSnの不純物が問題となり、これらの含有量をそれぞれ100massppm以下に抑えることが有効である。これにより、安価かつエッチング特性に優れた形状記憶合金薄膜を形成することができる。
Fe-Mn系についてはAlおよびCrの含有量を、それぞれ100massppm以下とすることが有効である。
さらに、ターゲットの場合、粒界に形成される析出物や介在物の大きさを小さくするために、不純物含有量が1000massppm以下で、かつ結晶粒径が最大でも1000μm以下、好ましくは未再結晶組織に至るまで微細化することがパーテイクル発生数を低減する上で、また粗大なパーテイクルの発生を防止する上で有効である。
実施例においては、いずれも純度99.9%以上もしくは99.99%以上の原料を真空中で高周波誘導溶解し、インゴットを作製、これを塑性加工まま、若しくは適当な熱処理をして結晶粒径を調整し、直径330mmで厚みは6mmのターゲットを製造した。
これらのターゲットをスパッタリングしてSi基板上に成膜、その後フォトリソグラフイによるパターン形成後エッチングを行い、パターン数当たりのエッチング不良率を評価した。
ターゲットの不純物量および薄膜中の不純物量は、GDMSを用いて分析した。
比較例においては、純度99%以上の原料をAr中で高周波誘導溶解し、実施例と同様にしてエッチング不良率と不純物量を評価した。
エッチング液としては、フッ化水素酸(20%)+硝酸エッチング(20%)液を使用した。
以上の実施例及び比較例の不純物の量並びにエッチング不良率を表1〜表3に示す。
この実施例1−10は、本願の発明に直接関係するものではないが、参考のために例示するものである。
このNi-Ti系の形状記憶合金において、特にAlおよびSnの含有量がそれぞれ100massppm以下であるものについては、エッチング不良率は低い。
また、実施例6−7に示すように、全体の不純物量が100massppm以下であるものについては、エッチング不良が抑制され、さらに向上した特性を示している。そして、これは不純物の量により大きく影響を受けていることが分かる。
比較例1−7については、いずれも構成元素及びガス成分を除いた不純物成分が1000massppmを超え、本発明の範囲外のものである。エッチング不良率は、いずれの場合も高くなっている。そして、平均結晶粒径が、上記の範囲を超えている場合には、さらにエッチング不良率が高くなり、悪化していることが分かる。
このCu-Al系の形状記憶合金において、Ag、S及びClの含有量がそれぞれ50massppm以下であるものについては、エッチング不良率は低い。
また、実施例12−14に示すように、全体の不純物量が100massppm以下であるものについては、エッチング不良率が抑制され、さらに向上した特性を示している。そして、これは不純物の量により大きく影響を受けていることが分かる。
比較例11−14については、いずれも構成元素及びガス成分を除いた不純物成分が1000massppmを超え、本発明の範囲外のものである。エッチング不良率は、いずれの場合も高くなっている。そして、平均結晶粒径が、上記の範囲を超えている場合には、さらにエッチング不良率が高くなり、悪化していることが分かる。
エッチング不良率は、構成元素及びガス成分を除いた不純物成分の量によって強く影響され、より不純物成分が少ない場合には、エッチング不良率は減少傾向にあることが分かる。
このFe-Mn系の形状記憶合金において、AlおよびCrの含有量がそれぞれ100massppm以下であるものについては、さらにエッチング不良率は低い。
エッチング不良率は、いずれの場合も高くなっている。そして、平均結晶粒径が、上記の範囲を超えている場合には、さらにエッチング不良率が高くなり、悪化していることが分かる。
以上については、代表的な形状記憶合金の例を示したが、他の形状記憶合金の薄膜についても、同等の傾向を示した。
Claims (1)
- Cu-Al-Ni系形状記憶合金ターゲットであって、構成元素及びガス成分を除いた不純物成分が1000massppm以下、Ag、S及びClの含有量がそれぞれ50massppm以下であり、平均結晶粒径が1000μm以下であるか若しくは未再結晶組織を有することを特徴とするCu-Al-Ni系高純度形状記憶合金ターゲット。
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