JP5118281B2 - 両親媒性ポリマーベシクル - Google Patents
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Description
(関連出願) 本出願は、1999年11月5日に出願された米国特許仮出願第60/163,678号、2000年7月13日に出願された米国特許出願第09/615,305号に対する優先権を請求する。
【0002】
(発明の技術分野)本発明は、一般にベシクルの分野にある。さらに詳細には、本発明は、安定性が向上した自己集合性ポリマーベシクルの分野にある。
【0003】
(発明の背景) 自己組織性または自己集合性構造は既知である。一般的な例は、リポソームである。リポソームは、好ましくは界面活性剤がの存在下で、水中での両親媒性(場合によっては疎水性または親油性)分子を乳化することによって作成される。リポソームは、様々な脂質から製造される単層または多層球のどちらかである。例えば薬剤は、リポソーム内にカプセル化するか、リポソーム膜内に捕捉することができる。
【0004】
従来技術で既知の自己集合性構造の安定性は、限定されていることが多く、例えば静脈投与後に、血液からの薬剤装填ベシクルの急速クリアランスが誘導される。安定性向上のためのさまざまな方法には、分解に対してさらに耐性である架橋リポソームが含まれる。表面を「PEG化した」、すなわち、表面にポリエチレングリコールを被覆するか、または結合させたリポソームは、患者への投与後の循環時間が長くなる。安定性を高めたリポソームを調製する他の方法は、乳化重合および界面重合などの調製技術を含む。しかし、これらの技術はかなり攻撃的な反応条件を必要とするため、これらの手順では感受性の物質を使用できない。リポソームの安定性は、ベシクル凝集体における親水性ポリマーの表面グラフトによってまたは反応の脂質分子の重合によって向上させることができる。最近、ベシクルの脂質二重層を疎水性モノマーによって膨潤させ、次に重合させることによって、同様のベシクルの機械的安定化が得られた。
【0005】
ナノメータおよびマイクロメータの大きさの球状ポリマー殻を調製するための別の方法は、マイクロメーターのサイズの球面のポリマーに荷電したナノ粒子の表面への高分子電解質の層ごとの堆積、次いでテンプレート粒子の溶解または両親媒性ジブロックコポリマーのミセル内への自己集合、それらの親水性殻の選択の架橋、およびその後の疎水性核の分解が含まれる。適切な条件の下で両親媒性ブロック共重合体が自発的にベシクル構造に凝集できることは数年間の既知であったが、中空球形態を用いた凝集体のこのような直接形成は、ポリマーナノカプセルを調製するある1つのケースで使用されただけである。しかし本方法は、むしろ複雑な方法を使用した。ヘキサン中でのポリ(イソプレン)−ブロック−ポリ(2−シナモイルエチルメタクリラート)(PI−PCEMA)ジブロックコポリマーの形成に続いて、PCEMAブロックの光架橋、さらに水溶性の中空ナノ球体を作成するためのPIブロックの選択的ヒドロキシル化を行った。
【0006】
したがって本発明の目的は、両親媒性分子の自己組織性の概念を使用して、機械的および化学的に安定な新しい種類のベシクルおよびナノカプセルを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、これらの構造物を製造するために、両親媒性コポリマー、1つの実施例においては、架橋可能なトリブロックコポリマーを提供することである。
【0008】
さらなる目的は、両親媒性コポリマーからベシクルおよびナノカプセルを作成する方法を提供することである。
【0009】
さらなる目的は、両親媒性コポリマーから作成された、膜壁に分子が挿入されたベシクルおよびナノカプセルを提供することである。
【0010】
(発明の概要) ベシクルはセグメント化された両親媒性A+Bコポリマーから作成され、ここでAは親水性であり、Bは疎水性であり、油または水に分散させると自己集合する。1つの態様において、ベシクルはABAトリブロックコポリマーから作成され、ここで内核は親水性であり、中間層は疎水性であり、外殻は親水性である。別の態様において、ベシクルはBABトリブロックコポリマーから作成される。別の態様において、ベシクルはABジブロックコポリマーによって作成される。コポリマーはベシクルに形成して、次にナノカプセル作成のために安定化させる目的で、重合または架橋した。
【0011】
ベシクルは、末端基重合によっておよび/または内部基を架橋することによって安定化できる。重合および架橋は、イオン結合、共有結合および/または他の種類の結合によって行える。1つの態様において、コポリマーの末端基が重合される。重合は、通常は光開始剤の存在下での光重合、またはレドックス重合などの、多くの手段によって行える。1つの態様において、ベシクルを架橋して、送達する薬剤をカプセル化した後、ナノカプセルを形成する。
【0012】
ベシクルまたは架橋ナノカプセルは、多くの目的に使用できる。1つの態様において、ナノカプセルを用いて、治療用、予防用または診断用薬剤を必要とする患者に送達する。例えばABAコポリマーを使用する場合、親水性薬剤をベシクル内にカプセル化するか、疎水性薬剤をベシクルの中間層にカプセル化することができる。
【0013】
別の態様において、脂質膜タンパクなどの分子をベシクル膜に挿入する。続く膜の重合/架橋は、分子を不活性にしない。
【0014】
別の局面においては、両親媒性コポリマーからベシクルおよびナノカプセルを作成する方法を開示する。 (好ましい態様の詳細な説明)
【0015】
定義 ベシクルという語は本明細書で使用されるように、一般に球面の形で、内部に空隙を有する、自然に形成される凝集体のことを指す。
【0016】
ナノスフィアおよびナノカプセルという語は、本明細書では同義的に使用され、架橋によって安定化されるベシクルを指す。ナノカプセルが一般にナノメータサイズ範囲である一方、それらは約20ミクロンもの大きさになることがある。したがってこの語は、ナノメータサイズ範囲のカプセルに限定されていない。カプセルは、球形であっても、他のどんな形状でもよい。
【0017】
重合という語は本明細書で使用されるように、両親媒性コポリマーの末端への給合を指す。
【0018】
架橋という語は本明細書で使用されるように、他のコポリマーへの、コポリマーの任意部分の共有またはイオン結合と同様、末端への結合を含むすべての型に結びつく内部ポリマーを表している。架橋は、末端基または内部基によることが可能であり、共有、イオンあるいは他の種類の結合でもよい。
【0019】
1以上の親水性Aセグメントおよび1以上の疎水性Bセグメントを含み、ベシクルを形成するために自己集合するセグメント化コポリマーと、そのようなベシクルを作成する方法を開示する。主に本明細書で述べるコポリマーは、ブロックコポリマーである。この語が直鎖状ブロックコポリマーはもちろんのこと、AおよびBセグメントの両方を含むグラフトおよびコーム構造などの、他の各種の構造を指すことも理解される。
【0020】
様々な種類の両親媒性コポリマーを使用できる。1つの態様において、コポリマーはABAコポリマーであり、ここでAは親水性であり、Bは疎水性である。親水性内部層および外部層および中間疎水性層を有するベシクルが作成される。別の態様において、BABコポリマーが使用され、疎水性内部層および外部層および中間親水性層を有する「逆ベシクル」が作成される。Aが水/油混合物において親水性である、ABAコポリマーを用いた別の態様において、親水性、U字形分子を有するベシクルが形成され、コポリマーの各親水性末端はベシクルの外面にあり、コポリマーの疎水性中間セグメントはベシクルの内部空隙に向かっている。ベシクルの内部には、油が充填されている。使用する液相によって、ベシクルの外側または内側が親水性であり、反対側が疎水性である、ABセグメント化コポリマーも使用することもできる。
【0021】
コポリマーによるベシクルの形成は、セグメント化されたコポリマーの両親媒性性質の結果である。凝集は非共有相互作用を経て発生するため、可逆的である。ベシクルは、安定性をさらに与えるために架橋することができる。コポリマーは末端基によって重合されるか、内部の架橋可能な基によって架橋されるか、末端基および内部基の重合/架橋の組合せを使用することができることが理解されるべきである。ベシクルが架橋される場合、結果として生じるナノカプセルはさらに安定かつ形状持続性であり、水溶液から取り出された後でさえ、中空形態を維持することができる。
【0022】
特定のベシクルの安定性は、大部分が、コポリマー間の疎水性および親水性相互作用の強さに依存する。強度も、親水性および疎水性セグメント間の結合の安定性に依存し、親水性または疎水性セグメントと重合とユニット間の接合部にも、使用される場合には依存する。安定性はさらに、重合または架橋の強度にも依存する。ベシクルの安定性は、親水性および疎水性セグメント間、親水性または疎水性セグメント内、あるいは親水性または疎水性セグメントおよび重合単位の間に、生分解性結合またはイオン性架橋などの弱い結合を導入すると低下させることができる。
【0023】
架橋は、例えば、光重合開始剤の存在下での、またはアルキル化剤の使用によるアクリレート基の光重合を含め、多くの標準技術を使用して行える。架橋はまた、フリーラジカル重合によって重合できる側鎖基および末端基、カチオン重合によって重合できる側鎖基、および開環重合によって重合できる側鎖基を使用して行える。
【0024】
親水性および疎水性セグメントに加え、膜は、反応性基を有するモノマーまたはマクロマーなどの架橋剤、界面活性剤および架橋開始剤、特に光開始剤と同様に、追加の疎水性および/または親水性成分も含むことができる。標的または生体信号分子は、ベシクルの外側表面に結合できる。
【0025】
1.両親媒性コポリマー ベシクルは、親水性および疎水性セグメントを含む両親媒性セグメント化コポリマーによって形成される。1つの態様において、コポリマーはABAコポリマーであり、Aは同一または異なる親水性セグメントであり、Bは疎水性セグメントである。
【0026】
適切な重合材料の1つのクラスは、Hirtらへの米国特許第5,807,944号に記載されている。そこで開示される物質は主としてコンタクトレンズ用であるため、物質が酸素およびイオン透過性であることはたいへん望ましい。このことはドラッグデリバリーなどの、他の用途の要求事項ではないが、実際は一部の用途において望ましくない。1つの態様において、両親媒性ポリマーは、生体適合性である。多くの適切な両親媒性コポリマーならびに疎水性および親水性コポリマーが、国際公開公報第97/49387号に記載されている。
【0027】
A.親水性および疎水性セグメント 両親媒性セグメント化コポリマーは、疎水性ポリマーを含む1以上のセグメントBを含む。これに限定されるわけではないが、ポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサンなどのポリシロキサン、ペルフルオロポリエーテル、ポリスチレン、ポリオキシプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリオキシブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルアクリレート(PAA)、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、PTHF、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリビニルエーテルおよびポリ(プロピレンオキシド)およびそのコポリマーなどの、多数の疎水性ポリマーのいずれでも使用できる。
【0028】
疎水性セグメントは、支配的な量の疎水性モノマーを好ましくは含む。疎水性モノマーは、通常、水に不溶性のホモポリマーを与えるモノマーであって、水の10重量%未満を吸収できる。
【0029】
適切な疎水性モノマーは、C1−C18のアルキルおよびC3−C18シクロアルキルアクリレートおよびメタクリレート、C3−C18アルキルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルC1−C18アルカノエート、C2−C18アルケン、C2−C18ハロアルケン、スチレン、(低級アルキル)スチレン、C4−C12アルキルビニルエーテル、C2−C10ペルフルオロアルキルアクリレートおよびメタクリレートならびに対応する部分的にフッ素化されたアクリレートおよびメタクリレート、C3−C12ペルフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、アクリロキシおよびメタクリロキシアルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、酢酸ビニル、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート、ビニル吉草酸、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリストリメチルシリロキシシリルプロピルメタクリレート(TRIS)および3−メタクリロキシプロピルペンタメチルジオキサンのC1−C12アルキルエステルである。
【0030】
1つの態様において、これに限定されるわけではないが、ポリシロキサン、ペルフルオロアルキルエーテル、特定の不飽和ポリマーおよびポリスルホンなどの疎水性ポリマーは比較的高い、それを通過する酸素拡散速度を示す。1つの態様において、疎水性ポリマーは端子アルキレン基を有するポリシロキサンブロックである。
【0031】
もう1つの態様において、疎水性ポリマーは、ペルフルオロアルキル−ポリエーテルブロックを含む。もう1つの態様において、疎水性ポリマーは、ハロゲンまたは低級アルキルによって置換される共役脂肪族または脂環式ジエンなどの不飽和ポリマーを含み、これらは低級アルキルまたはトリメチルシリル、共役ジエンおよび親水性か疎水性ビニルモノマーのコポリマーによって、またこれらの化合物の部分的に水和された誘導体によって置換されることがある。
【0032】
共役ジエンの好ましい具体例は、シス、トランス、イソまたはシンジオタクチックポリ1,2−ブタジエン、ポリ1,4−ブタジエンまたはポリイソプレン、ポリペンテナマー、ポリクロロプレンおよびポリピペリレンである。コポリマーの好ましい例は、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸またはヒドロキシメチルメタクリレートなどの親水性または疎水性ビニルモノマーを有するブタジエンたはイソプレン−コポリマーである。ポリアルキンの例は、ポリ−1−トリメチルシリル−プロピンである。特に好ましい不飽和ポリマーは、シンジオタクチックポリ−1,2−ブタジエン、ポリ−1,4−ブタジエンおよびポリイソプレンである。特に好ましい不飽和ポリマーは、ポリ−1−トリメチルシリル−プロピンである。特に好ましい他の不飽和ポリマーは、ポリ−1,4−ブタジエンである。
【0033】
疎水性ポリマーは、1種類のポリマー、または上述の2種以上のポリマーなどの、2種類以上のポリマーを含むことがある。1個のセグメントBの平均分子量は、約500〜約50,000の範囲、好ましくは約800〜約15,000の範囲、より好ましくは、約1,000〜12,000の範囲、特に好ましくは約5,000〜約12,000の範囲である。
【0034】
疎水性セグメントBに加えて、両親媒性セグメント化コポリマーは、これに制限されるわけではないが、ポリオキサゾリン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアルキレンイミン、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などのポリヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレート、ポリオールおよび上述の2以上のポリマーの共重合体混合物、多糖類およびポリペプチドなどの天然高分子およびそのコポリマー、およびポリアリルアンモニウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム、ポリアニリン、スルホン化ポリアニリン、ポリピロールおよびポリピリジニウムなどのポリイオン分子、ポリチオフェン−酢酸、ポリスチレンスルホン酸、両性イオン分子、塩およびそのコポリマーなどの、1以上の疎水性ポリマーを含む1以上のセグメントAを含む。
【0035】
親水性セグメントは、親水性モノマーによって好ましくは支配的な量を含む。親水性コモノマーは、通常、水に可溶であるか、10重量%の水を吸収できるホモポリマーを与えるモノマーである。
【0036】
適切な親水性モノマーは、ヒドロキシル置換低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、(低級アルキル)アクリルアミドおよびメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、エトキシル化ヒドロキシル置換アクリレートおよびメタクリレート、ポリエチレングリコール−モノメタクリリレートおよびポリメチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、ヒドロキシル置換(低級アルキル)アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4′−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−ビニルピリジン、合計3〜5の炭素原子を有するビニル不飽和カルボン酸、アミノ(低級アルキル)−(アミノという語が四級アンモニウムも含む場合)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)およびジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)アクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコール、3−トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロライド(例えばNippon OilによるBlemer.QA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、グリセリロールメタクリレートおよびN−(1、1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドである。
【0037】
1つの態様においてセグメントAを含むポリマーは、比較的高い、それを通過する水またはイオン拡散速度を示す。このようなポリマーを作成できる親水性モノマーの具体例は、環状イミノエーテル、ビニルエーテル、エポキシドを含む環状エーテル、環式不飽和エーテル、N−置換アジリジン、β−ラクトンおよびβ−ラクタムである。さらに適切なモノマーは、ケテンアセタール、ビニルアセタールおよびホスホランを含む。適切な環状イミノエーテルは、2−オキサゾリンを含む。2つの位置にアルケニル基を有する2−オキサゾリンが親水性モノマーとして使われる場合、重合可能な不飽和基は、両親媒性セグメント化されたコポリマーによってセグメントA(側鎖の)内に供給され、ポリマー生成物を得るための最終重合に必要な重合可能不飽和基として、またはポリマーの調製において直接架橋を可能にする追加の重合可能不飽和基として作用する。最も好ましい環状イミノエーテルは、2−メチルオキサゾリンである。最も好ましいビニルエーテルは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびメトキシエチルビニルエーテルである。
【0038】
1個のセグメントAの平均分子量は、約500〜約50,000の範囲、好ましくは約800〜約15,000の範囲、より好ましくは、約1,000〜12,000の範囲、特に好ましくは約5,000〜約12,000の範囲である。
【0039】
B.両親媒性コポリマーの調製 セグメントAおよびBは、加水分解性または非加水分解性である結合により共に結合されている。非加水分解性結合は、例えば酸性または塩基性条件下で、通常の水溶または溶媒加水分解反応によって切断されない共有結合である。加水分解性の特異的結合は、当業者にとって周知である。
【0040】
両親媒性セグメント化コポリマーのセグメントAおよびB間の非加水分解性結合は、親水性モノマーの単位ブロックが親水性ポノマーの官能基化部位から成長するように、適切に官能基化された疎水性モノマー(セグメントBによる)の存在下で適切な親水性モノマー(セグメントAによる)を重合させるか、あるいは、疎水性モノマーの単位ブロックが疎水性ポノマーの官能基化部位から成長するように、適切に官能基化された親水性モノマーの存在下で適切な疎水性モノマーを重合させることによって作成することができる。
【0041】
官能基化するセグメントは高分子開始剤とも呼ばれる。適切な高分子開始剤は、熱的にまたは光化学的に活性可能な陽イオン性またはアニオン性基、あるいは熱的にまたは光化学的に活性可能なラジカル開始剤基を含む。アニオン重合、重縮合および重付加も使用できる。好ましい光化学的に活性可能なカチオン開始剤基によって具体例は、トリフレート(−O−SO2−CF3)、−I(ヨウ化物)−O−メシル、−O−トシルおよび−CI+/−AgSbF6である。最も好ましい開始剤基は、トリフレート基である。開始剤基は、両親媒性セグメント化コポリマーを調製するために、開始セグメントの末端基とグラフト共重合中に開始セグメントに結合する成長セグメントを形成する最初のモノマーの間に、共有非加水分解性結合を設けて開始セグメントに結合する。グラフトとは、ポリマー鎖が、別の事前形成されたポリマーに対して、末端位置または懸垂位置のモノマーから成長することを意味する。
【0042】
開始基は事前形成されたポリマーに適切な方法で、例えばカチオンまたは熱開始基の結合によって、開始モノマーに存在する官能基に導入される。懸垂開始基を与えるためには、後者の方法のみが適している。好ましいトリフレート基は、末端または懸垂官能ヒドロキシル基と(CF3SO)2Oなどの活性化トリフル酸誘導体との反応によって導入できる。
【0043】
ベシクルまたはナノカプセルを分解するために、AセグメントおよびBセグメント間の分解性結合を使用できる。AまたはBセグメント内の分解性結合も使用できる。生分解性領域は、生分解を受けやすい結合を使用するポリマーまたはモノマーにから作成することができる。単一の分解性結合または1以上の分解性領域より成る分解性領域の包含によって、分解性を付与することができる。分解性結合および分解性領域という語は、以後、互換的に用いられる。
【0044】
分解性領域は、好ましくはインビボ条件の下で分解可能である。例えば、分解可能な領域は、グリコリド、ラクチド、ε−カプロラクトンのポリマーまたはオリゴマー、あるいは非毒性または体内に通常の代謝物として存在する物質を生じる他の生分解性ポリマーから作成されるような、加水分解性領域でもよい。酵素分解によって生分解する領域も使用できる。好ましいポリ(α−ヒドロキシ酸)は、ポリ(グリコール酸)、ポリ(DL−乳酸)およびポリ(L−乳酸)である。他の有用な物質は、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスファジン)およびポリ(ホスホエステル)である。例えばポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)およびポリ(γ−ブチロラクトン)などのポリラクトンも有用である。生分解性領域は、1から実質的に非水溶性の生成物を生じる値までの範囲の重合度になる場合がある。それゆえモノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーおよびポリマー領域を使用できる。
【0045】
したがって、両親媒性セグメント化されたコポリマーは、1つの態様において、セグメントA1個およびセグメントB1個(A−B型、ジブロック)、または、セグメントA1個およびセグメントB2個(B−A−B型、トリブロック)で構成されるか、セグメントA1個から複数のセグメントBが懸垂していて、セグメントAがさらに1個または2個の末端セグメントBを有するコーム型構造を有することがある。もう1つの態様において、両親媒性セグメント化コポリマーは、1個のセグメントBおよび、みずからの末端に結合する2個のセグメントAからなることがある(A−B−A型、トリブロック)。もう1つの態様において、両親媒性セグメント化コポリマーは、1個のセグメントBから複数のセグメントAが懸垂しており、さらにBが1個または2個の末端セグメントAを有するコーム型構造を有することがある。好ましくは、コポリマーはABAトリブロックコポリマーである。
【0046】
また、例えば第1の親水性セグメントAを事前形成した疎水性セグメントB上で成長させた後、疎水性セグメントB′を前に調製したセグメントAの末端に結合させて、グラフト共重合の間、モノマーを変更することも可能である。また異なる親水性モノマーを使用して、異なる親水性セグメントA′を親水性セグメントAの末端に作成することもできる。再び、両親媒性セグメント化コポリマーの他の態様は、官能基化親水性セグメントAから開始して生成されることがある。
【0047】
開始セグメント(AまたはB)を作成するポリマーの数平均分子量Mnは通常、約500〜約50,000の範囲であり、好ましくは約800〜約15,000の範囲であり、より好ましくは、約1,000〜12,000の範囲であり、特に好ましくは約5,000〜約12,000の範囲である。開始セグメント上にグラフト共重合される1個以上のセグメントA、B、A′またはB′は、グラフト共重合用に添加するモノマー(親水性または疎水性)の量を制御することによって容易に制御できる。このような方法で、セグメントのサイズおよびそれらの比を、容易に制御できる。
【0048】
両親媒性セグメント化コポリマーは、溶媒があってもなくても作成することができる。実質的に不活性の溶媒、すなわち反応に関与しない溶媒を使用することが有利である。適切な例は、クロロホルムまたはメチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素、アセトニトリルアセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)などの両極性の中性溶媒、トルエンまたはキシレン、ピリジンまたはN−メチルモルホリンなどの炭化水素、およびその混合物である。
【0049】
本発明の両親媒性セグメント化コポリマーの調製において、反応温度は例えば、−60℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃となりうる。反応時間は、約15分〜7日の範囲であり、好ましくは約2〜48時間である。反応は、必要に応じて、保護ガスとしてアルゴンまたは窒素下で実施する。適切な触媒、例えばジラウリル酸ジブチルスズ(DBTDL)は、ウレタン形成末端官能基化反応に添加される。
【0050】
C.重合基 セグメント化コポリマーは、例えば、疎水性セグメントBがポリブタジエンまたはポリイソプレンなどのジエンポリマーを含む場合や、親水性セグメントの作成に使用するモノマーが例えば2−アリル−オキサゾリンなどの不飽和側鎖を含んでいる場合など、すでに疎水性および/または親水性セグメント内に重合可能な基を含んでいることがある。存在していてもいなくても、例えば成長セグメントからの懸垂末端に、適切な反応によって重合可能な基を導入することは可能である。このため、成長セグメントのグラフト重合は、適切な連鎖長に達し、および鎖末端に存在する開始剤基が、例えばヒドロキシスチレン、アリルアルコール、HEMA、プロパルギルアルコール、アリルアミンおよびプロパギルアミンなどの特定試薬を用いて、またはKOH/EtOHまたは−OHまたは−NH−基を残す1級アミンまたは成長セグメント端の不飽和基を使用して、キャップ形成された後に停止する。ヒドロキシル基は、グラフト共重合において、例えば2−ヒドロキシアルキルオキサゾリンなどの適切なコモノマーを使うことによってコポリマーに導入できる。ヒドロキシル、または−NH−基は次に、例えば重合可能な不飽和基を有するイソシアネートと反応させてもよい。このような二官能化合物の好ましい例は、特に好ましい2−イソシアナートエチルメタクリレート(IEM)およびビニルイソシアナート、アリルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、スチレンイソシアネート、ビニルベンジルイソシアネート、プロパギルイソシアネートおよび(メタ)アクリル無水物である。他の重合可能な基は、当業者に既知の方法によって導入されることができる。
【0051】
重合/架橋のいかなる型も使用できる。例には、光重合、レドックス重合、アニオン重合、縮合反応、付加反応および連鎖重合反応が含まれる。
【0052】
D.その他のモノマー 好ましいポリマー生成物において、両親媒性セグメント化コポリマーの重量比は全ポリマー生成物に基づいて、100〜50%の範囲にあり、詳細には100〜80%の範囲にあり、好ましくは100〜90%の範囲にある。ポリマー生成物は、適切な開始剤の存在下でコモノマーを添加しない、両親媒性セグメント化コポリマーの直接熱または光化学重合あるいは架橋反応によって得られる。しかし、一部の場合では、コモノマーの包含が好ましいこともある。望ましいタイプのコモノマーは、疎水性または親水性コモノマー、あるいはカチオン性またはアニオン性コモノマーを含む。架橋可能基などの特異官能性基、または以下で述べるように、膜の内部または表面に包含される分子に対して特別の親和性を有する基を含むコモノマーを包含することも望ましい。適切な疎水性および親水性コモノマーは、上で議論したものを含む。
【0053】
コモノマーは、両親媒性ポリマーネットワーク内に包含させるか、両親媒性ポリマーによって相互貫入または半相互貫入網目構造として架橋させることもできる。架橋は、例えば多価不飽和コモノマーなどの、コモノマーおよび/または架橋剤の添加によって行える。
【0054】
E.架橋剤 ポリマー網目は必要に応じて、例えば多価不飽和コモノマーなどの架橋剤を添加して補強することができる。必要ならば、両親媒性セグメント化コポリマーと1以上のビニルコモノマーおよび1以上の架橋剤との重合および架橋反応による生成物を含む架橋ポリマー生成物も作成できる。架橋は、多くの各種手段、例えばこれに限定されるわけではないが、フリーラジカル架橋、レドックス架橋および塩架橋によって行うことができる。
【0055】
適切な架橋剤の例は、アリルメタクリレート、低級アルキレングリコールジメタクリレート、ポリ(低級アルキレン)グリコール時メタクリレート、低級アルキレンジメタクリレート、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジおよびトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルフタレートおよびジアリルフタレート、ビス(メタクロキシ)テトラメチルジシロキサンなどのα−ω−ビス(メタアクリロキシアルキル)−オリゴシロキサンおよびペルフルオロアルキル−またはペルフルオロアルキルエーテル−ビスメタクリレートを含む。
【0056】
使用する架橋剤の量は、全ポリマーに基づく重量の比で表され、20〜0.05%の範囲にあり、詳細には10から0.1%の範囲にあり、好ましくは5〜0.1%の範囲にある。
【0057】
F.架橋開始剤 ポリマー生成物は、当業者に慣習的な重合反応によって、対応するモノマー(モノマーという語はここでは、両親媒性セグメント化コポリマーも含む)によって、当業界で周知の方法で架橋される。
【0058】
フリーラジカル架橋によって架橋されるモノマーの場合、モノマー混合物は、フリーラジカルフォーマーを添加しながら通常加温される。そのようなフリーラジカルフォーマーの例は、アゾイソブチロニトリル(AIBN)、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化ジベンゾイル、過酸化水素および過炭酸ナトリウムである。例えば、化合物が加温されると、ホモリシスによってフリーラジカルが生成し、次に重合が開始する。
【0059】
重合反応は、フリーラジカル重合および/または架橋を開始できる光重合開始剤を使用して実施できる。適切な光重合開始剤の例は、ベンゾインメチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびDarocureおよびIrgacure生成物、好ましくはDarocure1173(登録商標)およびIrgacure2959(登録商標)を含む。例えばマクロマーに包含可能であるか、特異コモノマーとして使用可能な反応性光重合開始剤も適している。例は、欧州特許第0632329号に記載されている。光重合は次に、例えば光、特に適切な波長を有するUV光などの化学線放射によって開始できる。スペクトル要求事項は、必要に応じて、適切な光増感剤の添加によって適切に制御できる。
【0060】
重合可能領域は、最も好ましくは可視または長波長紫外線放射におけるフリーラジカル生成による光重合開始によって重合できる。重合可能領域は、アクリレート、ジアクリレート、オリゴアクリレート、ジメタクリレート、オリゴメタクリレートまたは他の生物学的に許容可能な光重合可能な基である。好ましい第三級アミンは、トリエタノールアミンである。
【0061】
有用な光重合開始剤は、細胞毒性がなく、短い時間枠内、最高でも数分間、最も好ましくは数秒以内でマクロマーのフリーラジカル生成によって開始するために使用できる光重合開始剤である。LWUV開始の選択の開始剤として好ましい染料は、エチルエオシン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、他のアセトフェノン誘導体およびカンフルキノンである。すべての場合において、架橋および重合は、コポリマー間で、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンまたはエチルエオシン(10-4−10-2mM)およびトリエタノールアミン(0.001〜0.1M)の組合わせなどの光活性化フリーラジカル重合開始剤によって開始される。
【0062】
光重合開始剤の選択は、光重合可能領域に大きく依存する。例えば、マクロマーが1以上の炭素−炭素二重結合を含む場合、染料による光吸収によって染料に三重項状態をとらせ、次にアミンと反応している三重項状態が、重合を開始するフリーラジカルを形成する。これらの物質と使用するのに好ましい染料は、エオシン染料および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの開始剤およびカンフルキノンを含む。このような開始剤を用いて、例えば、長波長紫外光または約514nmのレーザ光によって、コポリマーをその場所で重合することができる。レーザを用いると、レーザによって精密な制御が可能となるため、光重合可能な溶液からどんなナノスフィアも重合することができる。したがって、両親媒性ポリマーを含まなくても、本明細書に記載されているように、ナノスフィアを作成することができる。
【0063】
重合開始は、約200〜700nmの波長、最も好ましくは長波長紫外範囲または可視範囲の320nm以上、最も好ましくは約514nmまたは365nmにおける光による照射によって行う。光感応性フリーラジカル重合開始剤は、単一化合物(例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)または染料および助触媒の組合せ(例えば、エチルエオシンおよびトリエタノールアミン)でもよい。
【0064】
G.溶媒 重合/架橋は、溶媒があってもなくても実施できる。適切な溶媒は、使用するモノマーを溶解するすべての溶媒である。例えば水、エタノールまたはメタノールなどの低級アルコールなどのアルコール、ジメチルホルムアミドなどのカルボキサミド、ジメチルスルホキシドまたはメチルエチルケトンなどの双極性非プロトン溶媒、アセトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン、トルエンなどの炭化水素、THF、ジメトキシエタンまたはジオキサンなどのエーテル、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、例えば、水/エタノールまたは水/メタノール混合物など、水およびアルコールの混合物などの適切な溶媒の混合物である。
【0065】
II.両親媒性コポリマーによって形成されるベシクル 一般にベシクルは、当業者に既知の多くの手段によって作成できる。自己集合技術は好ましい。1つの態様において、両親媒性コポリマーを約5%〜30%の濃度でエタノールなどの溶媒に溶解させる。次に水溶液にポリマー溶液を撹拌しながら加える(ABAコポリマーの場合)。本手順によって通常、かなり広範囲のサイズ分布のトリブロックコポリマーの分散液が生成される。サイズ分布は、ベシクル調製の当業者に既知の方法によって制御できる。さらにサイズ分布は、多分散ベシクルを規定の孔径を有する1以上のフィルタに通過させることによって選択できる。得られたベシクル寸法は、フィルタ膜の孔径によって直接に決定される。
【0066】
重合 両親媒性コポリマーは両方の鎖末端に重合可能な基を有し、および/または内部の重合可能な基を有することができる。これらの重合可能な基は、自己集合性ベシクルの形成後に重合することができる。さらに、疎水性セグメント中の架橋可能基などの、架橋可能な基をコポリマーに包含させることによって、重合ベシクルをさらに架橋することができる。
【0067】
ナノカプセルは水性溶媒から取り出したときでも、その形状を維持する。これらのナノカプセルの形持続性は、特に一部の用途による状況にて大いに興味深い。この形状の安定性によって、例えば、有機溶媒中で疎水性薬剤を粒子に装填し、装填したポリマー殻を単離し、次に水性溶媒中でカプセル化物質を放出することができる。重合ベシクルは、凍結乾燥によって水性溶液から単離することもできる。これによりロウ状固体が生成する非重合系に対して、重合ベシクル分散液は細かい無色粉末を生じるため、有機溶媒(クロロホルムまたはエタノールなど)または水に、容易に再分散させることができる。
【0068】
サイズ ベシクルの直径は約50nm〜約20μmの範囲である。好ましいサイズ範囲は、具体的な用途によって変化する。例えば、口紅または自動車用の染料は、マイクロメーター領域内で粒子によってカプセル化できる。これに対して、製薬物質は、マイクロメーター以下の粒子にカプセル化することが好ましい。
【0069】
ベシクルのクリアランス 架橋されていないベシクルは、溶解および腎臓によるクリアランスによって分解される。架橋粒子の分解は、架橋結合の加水分解によって発生する。分解速度を上昇させるために、無水物などのさらに分解性の結合、または上述の他の結合を含むことができる。
【0070】
ブロック共重合体ベシクルは、Stealth(登録商標)リポソームに匹敵するインビボ半減期を有する(DD Lasic: Liposomes: from physics to application, Eleservier Science Publishers B.V., 1993を参照)。
【0071】
III.ベシクルへの分子の組込 ベシクル、特に架橋ナノカプセルは、ほぼすべてのタイプの治療用、診断用または予防用薬剤(集合的に「治療薬」または「薬剤」と称する)の送達に適している。1つの態様において、治療薬はベシクルの分解ではなく、ベシクルを通じた拡散によって標的部位に送達される。カプセル化薬剤を適切に送達するために、ポリマーは薬剤に対して透過性である必要がある。
【0072】
親水性および疎水性薬剤、および高分子量および低分子量化合物はどちらも送達できる。薬剤は、タンパク質またはペプチド、多糖類、脂質、核酸分子または合成有機分子でもよい。親水性分子の例は、大部分のタンパク質および多糖を含む。疎水性化合物の例は、サイクロスポリンおよびタキソールなどの一部の化学療法剤を含む。これらは、ホルモン、化学療法剤、抗生剤、抗ウイルス性、抗真菌剤、血管作用、免疫調節化合物、ワクチン、局所麻酔剤、抗血管形成剤、抗体、神経伝達物質、精神作用薬、生殖器官に影響を及ぼす薬剤およびアンチセンスオリゴヌクレオチドでもよい。診断薬は、ガス、放射性標識、磁性粒子、放射線不透過化合物および当業者に周知の他の物質を含む。
【0073】
本明細書では主に薬剤に関して述べているが、治療薬または診断薬だけではなく、多種多様な薬剤の送達にベシクルが使用可能なことを理解する必要がある。例は、香料、染料、光活性化合物、化学反応用試薬、および制御送達系を必要とする他の物質を含む。
【0074】
大量の治療用物質を、ベシクルの中央空隙に組込むことができる。ポリマー殻の体積が比較的小さいため、比較的少量の治療用物質を外殻に組込むことができる。
【0075】
薬剤は2以上の異なる経路でポリマー内にカプセル化できる。1つの方法では、コポリマーの調製時に薬剤を直接コポリマーに添加することができる。例えば薬剤は、エタノール中にポリマーとともに溶解させることができる。
【0076】
第2の方法では、薬剤は、共有架橋の後、コポリマーに組込まれる。架橋ベシクルは、水溶液から単離させ、エタノールなどの溶媒中に再溶解させることができる。エタノールは一般に、ポリマーの親水性および疎水性部の良溶媒である。それゆえ、ベシクルのポリマー殻は、エタノール中で膨潤し、透過性となる。粒子を水に戻すと、殻透過性が低下する。
【0077】
ベシクルは、分子が特異的にまたは優先的に特定の細胞または組織特性部位に結合する場合、表面に結合した、またはベシクル内から表面に突出した標的分子を用いて、特定部位にターゲッティングできる。標的分子の例は、炭水化物、タンパク質、葉酸、ペプチド、ペプトイドおよび抗体を含む。粘膜型組織への結合を促進する有用なリガンドのリストには、シアル酸、ノイラミン酸、n−アセチルノイラミン酸、n−グリコリルノイラミン酸、4−アセチル−n−アセチルノイラミン酸、ジアセチル−n−アセチルノイラミン酸、グルクロン酸、イズロン酸、ガラクトース、グルコース、マンノースおよびフコースを含む。抗体は特異性細胞表面分子、または例えば癌マーカーなど、細胞種が病気にかかった場合に発現される抗原に向けられる。
【0078】
別の態様において、分子はベシクル膜壁に挿入される。ペプチドおよびタンパク、脂質、多糖類、無機分子、有機分子、核酸を含む、多くの異なる種類の分子をベシクル壁に挿入できる。疎水性または両親媒性分子は、ABAコポリマーで作成されており、Bが疎水性である場合に、さらに容易に壁に組込まれる。組込み可能な分子の量は、分子量、疎水性および電荷を含め、多くの因子に依存し、当業者によってただちに決定できる。1つの態様において、分子は、タンパク質など生体分子であり、特に好ましくは、膜タンパクまたは生体膜内に通常存在するタンパク質である。
【0079】
したがって、組込み分子を有するベシクルまたはナノカプセルは、分子がゲーティング機能またはさらに有効な機能を担うナノリアクタとして機能することができる。
【0080】
膜タンパクの例は、細菌ポーリンOmpFなどの一般輸送タンパク質、マルトポーリンおよびLamBなどの特異性輸送タンパク質、Na−K−ポンプ、ホスホトランスフェラーゼおよびバクテリオロドプシンなどの活性輸送タンパク質、およびIgG、T−細胞受容体、CD4、CD8およびN−CAMなどの免疫グロブリンを含む。
【0081】
分子は、ベシクル形成の間にポリマー溶液に加えて組込むことができる。分子はあるいは、ベシクル形成後にベシクル壁に組込むこともできる。1つの態様において、ベシクル形成後にベシクルの片側の溶液中に分子を包含させて、生体分子をベシクル壁に組込む。ベシクル壁への分子挿入は、膜を越えてポテンシャルを加えることによって、加速されることが多い。
【0082】
場合によっては大型の分子が重合時または架橋時にベシクルから排出されることがあるが、膜の重合/架橋の前後に分子をベシクルに組込むことができる。
【0083】
IV.ベシクルおよびナノカプセルの使用 上でさらに詳細に説明したように、ベシクルおよびナノカプセルは薬剤送達に使用できる。他の用途は、水性または非水性溶液からの汚染物質の除去、記録材料、油圧液、コーティング、クロマトグラフィー、触媒およびプラスチック用充填剤および補強剤が含まれる。
【0084】
以下の非制限的な例を参照すると、本発明がさらに理解される。
【0085】
(実施例) 両方の鎖末端に重合可能な基を有するポリ(2−メチルオキサゾリン)−ブロック−ポリ(ジメチルシロキサン)−ブロック−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(PMOXA−PDMS−PMOXA)トリブロック共重合体を実施例1で説明する。本物質の合成は、Nardin, C., Hirt, T., Leukel, J., Meier, W., Langmuir 2000, 16, 1035にも記載されている。
【0086】
本トリブロックコポリマーによるベシクルの形成は、ポリマーの次の重合と同様に、実施例2に記載されている。
【0087】
重合の前後のベシクルの物理特性は実施例3で特性付けされており、結果を従来のリポソームと比較した。
【0088】
ベシクルへのタンパク質の組込は、実施例4に記載されている。
【0089】
実施例1:PMOXA−PDMS−PMOXAジブロックおよびトリブロックコポリマーの合成
二官能ポリ(ジメチルシロキサン)
(モレキュラーシーブ(4A)を充填した)ソックスレー抽出器、復水器および第2すり合わせ連結部に隔壁を備えた250mLの丸底二つ口フラスコに、34.2g(6.34mmol)のα−ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(1<15、Wacker Chemie,薄膜蒸発器でさらに精製;MW=5400gmol-1)を90mLのヘキサンに溶解させ、窒素雰囲気下で17時間還流させて蒸留した。本乾燥手順の後、溶液はなお、21ppmの水を含んでいた。次に溶液を60mLのヘキサンに濃縮し、0℃まで冷却して、3.6g(45.5mmol)の無水ピリジンを加えた。さらに12.4g(43.9mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を15分にわたって加え、混合物を0℃にてさらに30分間撹拌した。20mLのクロロホルム(含水量<10ppm)を加えた後、残りの懸濁液をG4ガラスフィルタ漏斗を用いて真空下で濾過した。溶媒は高真空下で蒸発させた。
【0090】
収量は、橙色油21.5gであった。この油を次に、40mLの無水ヘキサンに溶解させ、活性炭を添加し、混合物を次に約2分間撹拌して、再度濾過した。溶媒の蒸発後、収量は無色透明油19.0gであった。
1H−NMR(CDCL3,250MHz):0ppm(CH3−Si)、0.5ppm(−CH2−CH2−Si)、1.8ppm(−CH2−CH2−CH2−)、4.4ppm(CF3SO3CH2−CH2−)。官能基性>95%は、1H−NMRデータに基づく。
【0091】
遊離末端基を有するポリ(2−メチルオキサゾリン)−ブロック−ポリ(ジメチルシロキサン)−ブロック−ポリ(2−メチルオキサゾリン)(PMOXA−PDMS−PMOXA)トリブロックコポリマー
【0092】
5.04g(59.2mmol)の新たに蒸留した2−メチル−2−オキサゾリンおよび8.05g(1.4mmol)の二官能性PDMSを、室温で15mLの1,2−ジクロロエタン(含水量<5ppm)に添加した。溶液を1.5時間撹拌し、次に40℃まで加熱した。48時間後、溶液を再度室温まで冷却し0.5MのKOHエタノール溶液を加えた。生じた溶液を1時間撹拌し、次に溶媒を高真空下で蒸発させた。収量は、無色固体ポリマー12.0gであった。
1H−NMR(CDCL3,250MHz):0ppm(CH3−Si),2.0−2.1ppm(CH3CON<),3.3−3.5ppm(>N−CH2−CH2−N<)。官能基性>95%は、OH滴定(>0.4mEqg-1)による。THF中でのGPCによって、トリブロックコポリマーの分子量Mn=9000gmol-1と多分散性Mw/Mnが明らかになった。結果として、2つのポリ−2−メチルオキサゾリンブロックの分子量はそれぞれ、Mn=1800gmol-1であった。
【0093】
重合可能な末端基を有するPMOXA−PDMS−PMOXAトリブロックコポリマー
丸底フラスコに、7.68g(1.32mmol)のヒドロキシ官能基化PMOXA−PDMS−PMOXAトリブロックコポリマーを室温にて、20mLの無水酢酸エチル(含水量<10ppm)に溶解させた。この溶液に420mg(2.7mmol)の2−イソシアナート−エチルメタクリレート(IEM)と約40mgのジラウリル酸ジブチルスズを加えた。光に当てないようにして、溶液を48時間撹拌した。その後、溶媒を高真空下にて、温度0℃で5時間蒸発させた。粗生成物は不純物を除去するために、水/エタノール混合物中で限外濾過を用いて精製した。6.89gの無色固体ポリマーが得られた。
1H−NMR(CDCL3,250MHz):0ppm(CH3−Si),2.0−2.2ppm(CH3−CO),3.3−3.5ppm(>N−CH2−CH2−N<,>N−CH2−CH2−O<),5.5ppm(CH2=),6.1ppm(CH2=)。官能基性>95%は、1H−NMRによる。
物質の分子量(Mw)は9000gmol-1であり、分子は5400gmol-1の可撓疎水性PDMS中間ブロック1個とそれぞれ1800gmol-1の親水性PMOXAブロック2個を含んでいる。多分散性はMw/Mn=1.7と決定された。
【0094】
直鎖状PMOXA−PDMS−PMOXAトリブロックコポリマーは、濃縮水溶液中で離液性液晶相を示す。ポリマーは室温では、相図の水が多い側に、約50wt%のポリマーまで広がる、広範な混和性ギャップを示した。この濃度を超えると、ポリマーは層状液晶相に従う。
【0095】
実施例2:PMOXA−PDMS−PMOXAからのベシクルの調製 以下の手順にしたがって、トリブロックコポリマーから小単層ベシクルを作成した。
【0096】
末端基官能基化PMOXA−PDMS−PMOXAブロックコポリマーをエタノールに溶解させ、17wt%のポリマーを含む透明な均質溶液を得た。本溶液は、それぞれの体積の2回蒸留した水に激しく撹拌しながら滴下した。手順によって、幅広いサイズ分布のトリブロックコポリマーベシクルの分散液が得られた。
【0097】
孔径が200nmのNucleoporeフィルタ(Millipore)でベシクル分散液を押し出すことによって、多分散性が低下した。 ベシクルの重合は、UVランプ(Ultratech 400W、波長=254nm、Osram AG)によって分散液に15分間照射することによって行った。PMOXA−PDMS−PMOXAは、重合を防止するために暗所に保管される場合、数週間は安定であり、この期間の後も実験精度内でのサイズおよびサイズ分布の変化は示されなかった。
【0098】
実施例3:PMOXA−PDMS−PMOXAによるベシクルのキャラクタリゼーション 凍結破壊複製透過電子顕微鏡法
【0099】
約10マイクロリットルのベシクル分散液のをサンプルを室温にて金小平板上に乗せ、15%の2−メチルブタンおよび85%のプロパンの混合物中へ83Kにて手動で投入して失活させた。失活後、サンプルを液体窒素中に移し、黄銅ブロック(Balzer)上にクランプした。それをBalzer凍結エッチング装置(BAF300)に取付け、次に圧力を5×10-9mbarに減圧した。排気の後、サンプルは液体窒素で冷却されたマイクロトームによって破壊した。表面構造の対比を向上させるために、サンプルを153Kに加温して、10分間エッチングした。その後、サンプルを液体窒素によって再度冷却し、30°の角度でW/Taを用いて投影した。サンプルを室温に加温し、大気圧にされた後、複製をクロロホルムで洗浄し、400メッシュの銅TEMグリッド上に置いて、100keVで動作している日立H−8000電子顕微鏡を用いて検査した。
【0100】
顕微鏡写真は、調製手順によって球状ベシクルをが得られたことを明らかに示した。表示された粒子の直径は、約50nm〜約250nmの範囲であった。
【0101】
静的および動的光散乱(それぞれSLSおよびDLS) 静的および動的光散乱実験は、30°と150°の間の散乱角に、倍周波数NdYAgレーザ(ADLAS、波長=532nm)を備えた市販のゴニオメータ(ALV-Langen)を用いて実施した。ALV−5000/E相関計は、光子強度自己相関関数g2(1)を計算する。サンプルは、Milliporeフィルタ(HN0.45μm)を用いて溶液を10mm石英セル内に濾過して調製した。これらのセルは、温度精度T=0.02Kのサーモスタット付き光学マッチングバット内に配置した。実験は、T=293Kで実施した。
【0102】
屈折率増分dn/dcは、市販のALV−DR−1示差屈折率検出器を用いて、光散乱実験の該当する温度および波長にて得られた。DLSのデータはWilliam−Wats関数を用いて分析した〔WilliamsらTrans. Faraday Soc., 1970, 66, 80; WilliamsらTrans. Faraday Soc., 1971,67,1323; LindseyらJ. Chem. Phys., 1980, 73, 3348〕。ベシクルのサイズ多分散性は、参考文献に従って決定した〔Van Zanten. In Vesicles: Rosoff, M.; Marcel Dekker, Inc.: New York, 1996; Vol.62, p240; Van Zantenら、J. Colloid and Interface Science, 1991, Vol.146, 330; Ruf. et al. Methods in Enzymology, 1989, Vol. 172,364〕。
【0103】
結果として得られたベシクルの多分散性は、動的光散乱から約20%であると決定され、これは、低分子量脂質分子から構成されている従来の押し出されたベシクルについて報告された値とよく一致している。
ゼロ散乱角に外挿値のみをプロットした代表的なZimm図は、静的光散乱の濃度依存において、約1.7×10-3gmL-1の最小限の非重合トリブロックコポリマーが見られることを示している。この濃度付近では、回転半径Rgは最大値を示す。相互並進拡散係数Dmは、濃度曲線の傾きの中断を示す。この挙動は、モノマーが特定の濃度まで凝集するミセル形成においてと同様に、閉じた会合の典型である。この場合は、それ以下ではベシクル凝集物が個々に溶解したトリブロックコポリマー分子に分解する、臨界凝集濃度(cac)があることを意味している。凝集体、すなわちトリブロックコポリマーベシクルの詳細は、測定値をc>2×10-3gmL-1に外挿して得ることができる。同様に、cac未満の領域にデータを外挿することによって、個々のトリブロックコポリマー分子に関する情報が得られなければならない。cac付近で個々のトリブロックコポリマー分子とベシクルが共存すると仮定すると、散乱光の強度は、それぞれの成分による強度の和として表すことができる。臨界凝集濃度は、cac=0.15×10-3gL-1(すなわち1.6×10-5molL-1)として計算され、これは、代表的な低分子量脂質の値に匹敵し、トリブロックコポリマー分子のそれぞれの親水性および疎水性ブロックの長さに著しく依存する。この濃度でcacが生じることは、ベシクル分散液の表面張力測定によっても確認された。これはトリブロックコポリマー分子のメタクリレート末端基のUV誘起架橋重合によるものである。重合はむしろ高度の変換を引き起こす。結果として、すべてのトリブロックコポリマー分子は、ベシクル内の新たに形成されたポリマー網目構造に共有結合され、そのために希釈しても凝集物からもはや離れることができない。重合および非重合ベシクルの両方に対する静的および動的光散乱の結果を表1にまとめる。
【0104】
【表1】
【0105】
重合時には、凝集物の平均分子量、寸法または多分散性は見られなかった。このことは、それぞれのトリブロックコポリマー分子によって、平均凝集数pのベシクル間交換(すなわち粒子の分子量)、ベシクルの粒径寸法およびサイズ多分散性が起こるため、フリーラジカル重合がベシクル内のみで発生することを反映している。さらに光散乱データも、粒子の中空球形態を支持している。静的光散乱による回転半径Rおよび動的光散乱による流体力学半径Rhが、非重合および重合トリブロックコポリマーベシクルの両方でほぼ同一であることがわかったため、それぞれp=1.097の比p=R/Rhとなる。いわゆるp−パラメータは、散乱粒子の放射密度分布を反映している構造感受性特性である。p=1の比は、球状殼の特性である。
【0106】
凍結乾燥され、エタノール中で再分散されるナノカプセルの動的光散乱により、流体力学半径Rh−90nmが得られた。これは、Rh=113nmと決定された、水中での元の重合粒子の値と合理的に良好に一致している。
走査型電子顕微鏡(SEM)
【0107】
水中の非押出型架橋ベシクル分散液の1滴を、シリコンウェファに置いた。水を蒸発させた後、サンプルをPhilips SL30 SEMによって検査した。非押出型ベシクルの重合によって生成されたベシクルのSEM顕微鏡写真は、ナノカプセルが形状維持性であり、水溶液から単離の後でも、その中空球状形態を保存するという結論を裏付けている。 透過型電子顕微鏡(TEM)
【0108】
サンプルは、架橋ベシクル分散液を2%酢酸ウラニル溶液によって陰性染色して調製した。それらを炭素被覆銅グリッド上に堆積させ、Philips EM400によって検査した。凍結乾燥によって水から単離し、エタノール中に再分散させたナノカプセルの顕微鏡写真は、球状ナノカプセルの最密充填を反映している。粒径は、約50nm〜約250nmの範囲にある。より小さい粒子が相当量存在し、より大きい粒子が存在しないことは、粒子の氷晶が仲介した分裂の仮定を裏付けている。
【0109】
表面張力測定 重合および非重合ベシクル分散液の表面張力γは、Du-Nouy環法を用いて、25℃に温度設定したKruss K8張力バランス界面張力計を用いて決定した。トリブロックコポリマー分散液の臨界凝集濃度(cac)は、γ(ln cpolymer)曲線の不連続から推定し、0.15 10-3gmL-1(または1.6 10-5molL-1)であることがわかり、光散乱データと一致している。重合ベシクルの場合、調査した濃度領域ではcacは検出できなかった。
実施例4:ABAトリブロックコポリマーベシクルにおけるチャネルタンパク質の再構成
【0110】
再構成実験の場合、よく特徴づけられた細菌ポーリンOmpFをモデル系として使用した〔Nikaido, H., Molecular Microbiology, 1992, 6, 4, 435; Winterhalter, M., Colloids and Surfaces A, 1999, 149, 547; Schiermer, T., Keller, T. A., Wang, Y-F., Rosenbusch, J.P., Science, 1995, 267, 512; Eisenberg, B., Acc. Chem. Res., 1998, 31, 117〕。このポーリンは、グラム陰性菌の外膜にトリマーチャネルを形成する膜貫通タンパク質である。これらの水充填チャネルによって、イオン、栄養素または抗生物質などの小型の溶質が膜を通じて受動拡散することが可能となる。ポーリンのベシクルへの組込は、β−ラクタマーゼがアンピシリンをアンピシリン酸に加水分解する機能を用いて、直接監視することができる。アンピシリンとは対照的に、アンピシリン酸はヨウ素を微量ヨード滴定によって、すなわちデンブンヨウ素錯体の脱色によって、測定可能なヨウ化物に還元することができる。
【0111】
ポーリン原液(1wt%オクチルポリオキシエチレン、100mMNaClおよび2.5mMHepes、pH7.4中に13.3mgmL-1)を、トリブロックコポリマーの17wt%エタノール溶液に混合すると、最終モル比は1:1000となった(タンパク質:ポリマー)。酵素β−ラクタマーゼをベシクル内部にカプセル化するために、溶液をβ−ラクタマーゼ水性溶液(10mMHepes,100mMNaCl、pH7.4中の0.024mg/ml)にゆっくりと加え、最終コポリマー濃度は1wt%であった。生じた懸濁液は、孔径200nmのNucleopore Filtersによって押出し、平均直径250nm3を有するベシクルの単分散集合が生じた。カプセル化されなかったタンパク質はSephadex G-200でのクロマトグラフィーによって除去した。
【0112】
ベシクルは、UV光をによってベシクル分散液に2分間照射して重合した。
【0113】
10μlの1mMアンピシリン溶液(10mMHepes,100mMNaCl、pH7.4中)をナノカプセル分散液に添加し、混合物を30分間インキュベートした。デンプンヨウ素試薬は、5mlの8mMヨウ素、320mMヨウ化カリウム溶液を、2M酢酸中の20mlの1Mウォルフラム酸ナトリウムと混合し、次に、3分間静かに煮沸して1M酢酸に溶解させた5mlの2wt%可溶性デンプンを加えた。次に、0.5mlのデンプンヨウ素試薬をナノカプセル混合物に加え、デンプンヨウ素錯体の623nmの吸収を時間の関数として測定した。結果を図2に示し、プラス記号は作成されたナノリアクタを表し、黒三角は遊離した、組込まれていない酵素を示し、黒菱形は組込酵素も遊離酵素もないナノカプセルを表す。
【0114】
ポーリンが組込まれていないナノカプセルでは、吸収は一定のままであった。これに対して、ポーリン組込ナノカプセルの場合、吸収は時間とともにゆっくり低下した。しかし、ベシクル組込ポーリンの反応速度は遊離酵素の場合よりも遅かった。
【0115】
本発明によって修正および変更は、上述の詳細な説明から当業者にとって明らかである。すべての修正および変更は、以下の請求項に含まれているものとする。本明細書で引用したすべての刊行物、特許および特許出願は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、水中のPMOXA−PDMS−PMOXAトリブロックコポリマーベシクルと、ナノカプセルを作成するためのトリブロックコポリマーの重合可能な末端基のUV照射による、個々のトリブロックコポリマーのベシクル内架橋の概略図である。
【図2】 図2は、10μlの1mMアンピシリン溶液が存在下で、30分インキュベーションした後の、623nmにおけるデンプン−ヨウ素複合体の吸収度の時間座標図である。プラス記号は、作成されたナノリアクタを示し、黒三角形は、遊離した、包含されていない酵素を示し、黒菱形は包含された酵素または遊離酵素を含まないナノカプセルを示す。
Claims (27)
- 疎水性および親水性セグメントを有する両親媒性コポリマーから形成される膜を含むベシクルであって、前記コポリマーが、ABAトリブロックコポリマーであり、AおよびBのうち一方が前記疎水性セグメントであり、もう一方が前記親水性セグメントである、ベシクル。
- 前記疎水性セグメントが、ポリシロキサンであり、
前記親水性セグメントが、環状イミノエーテルから作成される、
請求項1記載のベシクル。 - 請求項1又は2記載のベシクルの安定化によって形成されるナノカプセル。
- 疎水性および親水性セグメントを有する両親媒性コポリマーから形成される膜を含むベシクルの安定化によって形成されるナノカプセルであって、前記コポリマーが、末端基重合によって安定化される、ナノカプセル。
- 前記疎水性セグメントが、ポリシロキサンであり、
前記親水性セグメントが、環状イミノエーテルから作成される、
請求項4記載のナノカプセル。 - 前記ナノカプセルが、前記コポリマーの架橋によって安定化される、
請求項3記載のナノカプセル。 - 前記コポリマーが、ABコポリマーであり、AおよびBのうちの1つが疎水性であり、もう1つが親水性である、
請求項4又は5記載のナノカプセル。 - 前記ナノカプセルが、前記コポリマーの架橋によって安定化される、
請求項4又は5記載のナノカプセル。 - 活性剤が、前記ベシクル内にカプセル化される、請求項1又は2記載のベシクル。
- 活性剤が、前記ベシクル内にカプセル化される、請求項3記載のナノカプセル。
- 活性剤が、前記ベシクル内にカプセル化される、請求項4又は5記載のナノカプセル。
- 前記ベシクルが、親水性内部層、疎水性中間層および親水性外部層を含む、請求項1又は2記載のベシクル。
- 前記コポリマーが、U字形であり、前記ベシクルが、疎水性内部層および親水性外部層、または親水性内部層および疎水性外部層を有する、請求項1又は2記載のベシクル。
- 前記重合が、光重合による、請求項4又は5記載のナノカプセル。
- 分子が、前記ベシクル膜内に組み込まれる、請求項1又は2記載のベシクル。
- 前記ナノカプセルの乾燥時に、前記ナノカプセルの中空形態が、維持される、請求項3〜5のいずれか1項記載のナノカプセル。
- 前記ベシクルが、生分解性である、請求項1又は2記載のベシクル。
- 前記ナノカプセルが、生分解性である、請求項3〜5のいずれか1項記載のナノカプセル。
- 疎水性および親水性セグメントを有する両親媒性コポリマーからベシクルを形成すること、ここで、前記コポリマーは、ABAトリブロックコポリマーであり、AおよびBのうち一方は、疎水性であり、もう一方は、親水性である、および
前記ベシクルを安定させること
を含む、ナノカプセルの作成方法。 - 前記疎水性セグメントが、ポリシロキサンであり、
前記親水性セグメントが、環状イミノエーテルから作成される請求項19記載の方法。 - 前記ベシクルが、前記コポリマーを相互に架橋することによって安定化される、請求項19又は20記載の方法。
- 前記コポリマーが、重合可能な末端基を含み、前記ベシクルが、末端基を重合させることによって安定化される、請求項19又は20記載の方法。
- 前記安定化の工程が、さらに、前記コポリマーを内部で架橋させることを含む、請求項22の方法。
- 前記ベシクル表面に結合した標的分子をさらに含む、請求項1、2、9、12、13、15、17いずれか1項記載のベシクル。
- 前記標的分子が、炭水化物、タンパク質、葉酸、ペプチド、ペプトイドおよび抗体からなる群より選択される、請求項24記載のベシクル。
- 前記ベシクル表面に結合した標的分子をさらに含む、請求項3〜8、10、11、14、16、18いずれか1項記載のナノカプセル。
- 前記標的分子が、炭水化物、タンパク質、葉酸、ペプチド、ペプトイドおよび抗体からなる群より選択される、請求項26記載のナノカプセル。
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