JP5118094B2 - 繊維補強樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

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Description

本発明は繊維補強樹脂組成物に関し、さらに詳しくは射出成形などの製造原料として好ましく使用され、耐衝撃性に優れる成形品となる繊維補強樹脂組成物に関する。
樹脂単独ではその強度等の物性を充分に満たすことが困難なために、繊維を樹脂に複合した繊維補強樹脂が産業用材料として広く用いられている。繊維は延伸して配向度等を高めることにより、樹脂と比較して極めて高い物性を確保することができ、そのような繊維を用いることにより複合体としても高い物性を確保することができるからである。
このとき繊維によって補強するためには繊維とマトリックス樹脂とを、空隙が存在しないように十分に混合させることが必要とされる。しかし、樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合、含浸しやすいようにマトリックス樹脂の粘度を下げるためには、高温条件で溶融したり、混練等の強い物理的な力を加えることが必要とされている。しかし高温にさらされると繊維は熱劣化を起こし、また物理的な混合を行った場合にはその衝撃により繊維が損傷を受ける、という問題があった。例えばガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維は耐熱性には優れるが、溶融混練時に折れて短くなるために、機械的強度劣化は起こりやすく、充分な補強効果が得られない。一方、柔軟な有機繊維としてポリエステル繊維などの汎用の合成繊維を用いた場合、このような機械的な強度劣化は比較的少ないものの、寸法安定性、耐熱性に劣るという問題があり、十分な物性は得られていなかった。
以上のような課題解決のために、特許文献1ではポリエチレンナフタレート繊維を熱可塑性樹脂の補強繊維として用いることが提案されている。しかしながら、成形温度が繊維の融点近傍と高いため、補強繊維の熱収縮が大きく、樹脂成型品の表面平滑性、寸法安定性に課題があり、また、得られた補強効果も十分なものではなく、さらなる剛性、耐衝撃性の向上が求められていた。
特開2005−272754号公報
本発明は、工程での熱劣化や機械的劣化が起こりにくく、剛性及び耐衝撃性に優れた成形物となる繊維補強樹脂組成物を提供することにある。
本発明の繊維補強樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とポリエチレンナフタレート繊維からなる繊維補強樹脂組成物であって、繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることを特徴とする。
さらには、該ポリエチレンナフタレート繊維の融点が285〜315℃であることや、
該ポリエチレンナフタレート繊維が、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであること、リン原子が、フェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸由来のものであること、該ポリエチレンナフタレート繊維が、金属元素を含むものであり、該金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。また、該ポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が25.5〜27.0度であることや、ポリエチレンナフタレート繊維の180℃の乾熱収縮率が0.5〜4.0%未満であること、ポリエチレンナフタレート繊維のtanδのピーク温度が150〜170℃であることが好ましい。
さらに該熱可塑性樹脂がポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミドの群から選ばれるいずれか一つであることが好ましく、該ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはポリブチレンナフタレートあるいはそれらの共重合体からなるものであることや、該ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11またはナイロン12あるいはそれらの共重合体からなるものであること、該ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンあるいはそれらの共重合体からなるものであることが好ましい。
また繊維補強樹脂組成物の最大長さが20mm以下のペレット状であることや、繊維:樹脂の混合比率が、10:90〜60:40の範囲であることが好ましい。
さらに本発明の成形体は、上記本発明の繊維樹脂組成物を溶融、成形することを特徴とする。
本発明によれば、工程での熱劣化や機械的劣化が起こりにくく、剛性及び耐衝撃性に優れた成形物となる繊維補強樹脂組成物が提供される。
本発明の繊維補強樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とポリエチレンナフタレート繊維からなるものである。
そして本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、繊維による補強効果が得られるものであれば特に制限は無いが、中でもポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミドの群から選ばれるいずれか一つであることが好ましい。
より具体的に例示するとすれば、例えば熱可塑性樹脂がポリエステルである場合には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリブチレンナフタレート(PBN)あるいはそれらの共重合体からなるものであることが好ましい。また熱可塑性樹脂がポリアミドである場合には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11またはナイロン12あるいはそれらの共重合体からなるものであることが好ましい。そして熱可塑性樹脂がポリオレフィンである場合には、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンあるいはそれらの共重合体からなるものであることが好ましい。より詳細な好ましいポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(PE−UHMW)あるいはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンやそれらの共重合体、アタクチックポリスチレン(APS)、イソタクチックポリスチレン(IPS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)やそれらの共重合体などのポリオレフィン系樹脂、あるいは不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性ポリオレフィン系樹脂、またはそれらの2種類以上のブレンド物を例示することができる。さらにはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンあるいはそれらの共重合体からなるポリオレフィンを主とするものであることが、物性と価格のバランスの点では好ましい。
ここで熱可塑性樹脂の融点としては、本発明の他の必須成分であるポリエチレンナフタレート繊維の融点よりも低いことが好ましい。具体的には融点が270℃以下であることが好ましく、150℃から250℃の範囲であることが最適である。熱可塑性樹脂の融点が繊維よりも低いことにより、組成物成形加工時の熱による繊維の物性低下を有効に防止することができる。
また本発明で使用する熱可塑性樹脂には、用途に応じて分散剤、滑剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック、結晶化促進剤(増核剤)、可塑剤、顔料や染料のごとき着色剤などを含有させることが可能であることはいうまでも無い。さらに本発明では、必要に応じて適量の無機フィラー、例えばタルク、クレー、マイカ、ウォラストナイトなどを熱可塑性樹脂に添加しても良い。
一方、本発明の繊維補強樹脂組成物に用いられるポリエチレンナフタレート繊維としては、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートである繊維であることが重要である。さらにはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80%以上、特には90%以上含むポリエチレンナフタレート繊維であることが好ましい。他に少量であれば、適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。
また、前記ポリエチレンナフタレート中には、各種の添加剤、たとえば二酸化チタンなどの艶消剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、可塑剤、耐衝撃剤の添加剤、または補強剤としてモンモリナイト、ベントナイト、ヘクトライト、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、板状ベーマイト、あるいはカーボンナノチューブなどの添加剤が含まれていてもよい。
本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートからなる繊維であって、さらにX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることを必須とする。さらには結晶体積が600〜1000nmであることが好ましい。また結晶化度としては35〜55%であることが好ましい。
ここで繊維の結晶体積とは、繊維の広角X線回折において、回折角が15〜16度、23〜25度、25.5〜27度の回折ピークから得られる結晶サイズの積である。ちなみにこのそれぞれの回折角はポリエチレンナフタレート繊維の結晶面(010)、(100)、(1−10)における面反射によるものであり、理論的には各ブラッグ反射角2θに対応するものであるが、全体の結晶構造の変化により若干シフトしたピークを有するものである。また、このような結晶構造はポリエチレンナフタレート繊維に特有のものであり、例えば同じポリエステル繊維ではあってもポリエチレンテレフタレート繊維などには存在しない。
また、繊維の結晶化度(Xc)とは、比重(ρ)とポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度(ρa)と完全結晶密度(ρc)とから下記の数式(1)により求めた値である。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(1)
式中
ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)。
本発明で用いられるこのポリエチレンナフタレート繊維は、従来の高強力繊維と同様の高い結晶化度を維持しながら、さらに従来に無い高い結晶体積を実現することにより、高い熱安定性と高い融点を得ることができたことに特徴がある。結晶体積が550nm(55万オングストローム)未満では、このような高い融点を得ることができない。結晶体積は高くするほど熱安定性に優れ好ましいが、一般にその場合には結晶化度が低下し強度が低下する傾向にあるため、1200nm(120万オングストローム)が上限となる。また結晶化度が30%未満では樹脂成形時に非晶部位が熱劣化を起こしやすく充分な樹脂の補強効果が得られない。
繊維の結晶体積を大きくするためには、紡糸時の口金下温度を低く保ちながら、紡糸する方法が有効である。また、紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高め、繊維を引き伸ばすことによっても大きい結晶体積を得ることができる。ただし、紡糸ドラフト比を高くすると剛直な繊維であるポリエチレンナフタレート繊維は断糸しやすくなるため、紡糸ドラフト比は100〜5000程度に留め、延伸倍率を高めることが特に有効である。通常は紡糸時の口金下温度を低く保った状態で結晶体積を大きくするようなドラフトを行った場合には、紡糸時に断糸が発生し、繊維を製造することが困難である。本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、後に述べる特定のリン化合物を用いることによって、このような結晶体積を実現できるようになったものである。
繊維の結晶化度を高めるためには、結晶体積を大きくするのと同じく、紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高め、繊維を高倍率に引き伸ばすことによって得ることができる。しかし結晶体積が大きくなるとともに結晶化度が高くなると剛直な繊維であるポリエチレンナフタレート繊維はますます断糸しやすくなる。そこで本発明に用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、相反する性質である結晶体積を550〜1200nmの範囲内としながら、結晶化度を30〜60%とするために、紡糸前のポリマーの段階で、均一な結晶構造を形成させることが重要となる。例えば後述する特有のリン化合物をポリマーに含有させることによってそのような均一な結晶構造を実現させることが可能となる。
さらに本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維としては、X線広角回折の最大ピーク回折角が25.5〜27.0度の範囲にあることが好ましい。理由は定かではないが、結晶面である(010)、(100)、(1−10)のうち、繊維軸上にこの(1−10)面の結晶が大きく成長することにより耐熱性が大幅に向上される。このような繊維軸と平行な結晶の大きさは、特に繊維を一定方向に高倍率で引き伸ばすことによって高めることができ、たとえば紡糸ドラフト比や延伸倍率等を高めることによって得ることができる。
また本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることが好ましい。さらには、リン原子の含有量が10〜200mmol%であることが好ましい。リン化合物により結晶性をコントロールすることが容易になるからである。逆に多すぎる場合には紡糸時の異物欠点が発生するために製糸性が低下し、併せて物性が低下する傾向にある。
また、通常ポリエチレンナフタレート繊維は触媒としての金属元素を含むものであるが、この繊維に含まれる金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。理由は定かではないが、これらの金属元素をリン化合物と併用した場合に特に結晶体積のばらつきが少ない均一な結晶が得られやすくなる。
このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。P/M比が小さすぎる場合には、金属濃度が過剰となり、過剰金属成分がポリマーの熱分解を促進し、熱安定性を損なう傾向にある。逆にP/M比が大きすぎる場合には、リン化合物が過剰のため、ポリエチレンナフタレートポリマーの重合反応を阻害し、繊維物性が低下する傾向にある。さらに好ましいP/M比としては0.9〜1.8であることが好ましい。
そして本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維の強度としては4.0〜10.0cN/dtexであることが好ましい。さらには5.0〜9.0cN/dtex、より好ましくは6.0〜8.0cN/dtexであることが好ましい。強度が低すぎる場合にはもちろん、高すぎる場合にも耐久性に劣る傾向にある。また、ぎりぎりの高強度で生産を行うと製糸工程での断糸が発生し易い傾向にあり工業繊維としての品質安定性に問題がある傾向にある。
繊維の融点としては285〜315℃であることが好ましい。さらには290〜310℃であることが最適である。融点が低すぎる場合には耐熱性、寸法安定性が劣る傾向にある。一方高すぎても溶融紡糸が困難になる傾向にある。繊維が高い融点を有する場合には、繊維の耐熱強力維持率を高く保つことができ、高温雰囲気下で用いられる複合材料用の補強用繊維として最適である。
また180℃の乾熱収縮率は、0.5〜4.0%未満であることが好ましい。さらには1.0〜3.5%であることが好ましい。乾熱収縮率が高すぎる場合、加工時の寸法変化が大きくなる傾向にあり、繊維を用いた成形品の寸法安定性が劣るものとなりやすい。このような高融点、低乾熱収縮率は本発明の繊維を構成するポリマーの結晶体積を大きくすることにより達成されたものでである。
また、本発明にて用いられるポリエチレンナフタレート繊維のtanδのピーク温度は150〜170℃であることが好ましい。従来のポリエチレンナフタレート繊維のtanδは通常180℃近辺であるが、本発明のポリエチレンナフタレート繊維は高配向結晶化に伴いtanδの値が低温シフトしたもので、本発明の繊維補強樹脂組成物を成形品とした場合において、耐衝撃性の面で有利な特性を発揮することができる。
またポリエチレンナフタレート繊維の複屈折率(ΔnDY)としては、0.15〜0.35の範囲であることが好ましい。そして密度(ρDY)としては、1.350〜1.370であることが好ましい。複屈折率(ΔnDY)や密度(ρDY)が小さい場合には、十分発達した繊維構造が形成されておらず、繊維の耐熱性や寸法安定性が低下する傾向にあり、最終成形品の物性も低下する傾向にある。一方、複屈折率(ΔnDY)や密度(ρDY)を上げ過ぎた場合、製造工程において延伸倍率を破断延伸倍率付近にまで高くするなどの条件を採用する必要があり、断糸が起こりやすく、安定した繊維を得ることが困難なため最終成形品の物性が向上しにくい傾向にある。さらにはポリエチレンナフタレート繊維の複屈折率(ΔnDY)としては0.18〜0.32、密度(ρDY)としては1.355〜1.365の各範囲であることが好ましい。
本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維の単糸繊度としては0.1〜100dtex/フィラメントであることが好ましい。特に本発明の熱可塑性樹脂を補強する繊維としては、1〜30dtex/フィラメントであることが繊維補強効果を発揮するために特に好ましい。また、後に述べるように長繊維をロービング法にて用いる場合には、総繊度を100〜100万dtexとすることが好ましく、特には500〜20万dtexであることが好ましい。このような太い総繊度の繊維を得るためには、例えば1,000dtexの繊維を10本合糸して総繊度10,000dtexとするように、紡糸、延伸の途中、あるいはそれぞれの終了後に2〜20本の合糸を行うことが好ましい。
上記のような特徴を有するポリエチレンナフタレート繊維は、従来のポリエチレンナフタレート繊維に比べ融点が高く、高温条件下での使用の際にも充分に性能を発揮しうる補強用繊維であり、本発明の繊維補強樹脂組成物を高物性とするために有効に用いられるものである。
このようなポリエチレンナフタレート繊維は、例えば以下の製造方法により得ることが可能である。すなわち、主たる繰り返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出するポリエチレンナフタレート繊維の製造方法であって、溶融時のポリマー中に下記一般式(1)であらわされる少なくとも1種類のリン化合物添加した後に紡糸口金から吐出し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の温度の保温紡糸筒を通過し、かつ延伸する製造方法により得ることできる。
Figure 0005118094
[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は炭素数の1〜20個の炭化水素基であるアルキル基、アリール基又はベンジル基、Xは、水素原子または−OH基である。]
製造に用いられる主たる繰返し単位がエチレンナフタレートであるポリマーは、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造することができる。すなわち、酸成分として、ナフタレン−2,6―ジメチルカルボキシレート(NDC)に代表される2,6−ナフタレンジカルボン酸のジアルキルエステルとグリコール成分であるエチレングリコールとでエステル交換反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造することができる。あるいは、酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸とジオール成分であるエチレングリコールとでエステル化させることにより、従来公知の直接重合法により製造することもできる。
エステル交換反応を利用した方法の場合に用いるエステル交換触媒としては、特に限定されるものではないが、ポリエステルの溶融安定性、色相、ポリマー不溶異物の少なさ、紡糸の安定性の観点から、マンガン、マグネシウム、亜鉛化合物が好ましい。また重合触媒も、特に限定されるものではないが、ポリエステルの重合活性、固相重合活性、溶融安定性、色相に優れ、かつ得られる繊維が高強度で、優れた製糸性、延伸性を有する点で、アンチモン化合物が特に好ましい。
溶融時のポリマー中に含まれるリン化合物である一般式(1)の好ましい化合物としては、例えばフェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸モノメチル、フェニルホスホン酸モノエチル、フェニルホスホン酸モノプロピル、フェニルホスホン酸モノフェニル、フェニルホスホン酸モノベンジル、(2−ヒドロキシエチル)フェニルホスホネート、2−ナルフチルホスホン酸、1−ナフチルホスホン酸、2−アントリルホスホン酸、1−アントリルホスホン酸、4−ビフェニルホスホン酸、4−メチルフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸エチル、フェニルホスフィン酸プロピル、フェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸ベンジル、(2−ヒドロキシエチル)フェニルホスフィネート、2−ナルフチルホスフィン酸、1−ナフチルホスフィン酸、2−アントリルホスフィン酸、1−アントリルホスフィン酸、4−ビフェニルホスフィン酸、4−メチルフェニルホスフィン酸、4−メトキシフェニルホスフィン酸などを挙げることができる。
さらに一般式(1)中で用いられているRの炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、ベンジル基であることが好ましく、それらは未置換のもしくは置換されたものであっても良い。このときRの置換基としては立体構造を阻害しないのであることが好ましく、例えば、ヒドロキシル基、エステル基、アルコキシ基等で置換されているものが好ましい。また上記(1)のArで示されるアリール基は、例えば、アルキル基、アリール基、ベンジル基、アルキレン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
中でも結晶性を向上させるためにはこのリン化合物としては、下記一般式(2)で表されたフェニルホスホン酸およびその誘導体あることが好ましい。
Figure 0005118094
[上の式中、Arは炭素数6〜20個の炭化水素基であるアリール基であり、Rは水素原子又は未置換もしくは置換された1〜20個の炭素元素を有する炭化水素基である。]
本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、これら特有のリン化合物を溶融ポリマー中に直接添加することにより、ポリエチレンナフタレートの結晶性が向上し、その後の製造条件の下で結晶化度を高く保ちながら、結晶体積の大きいポリエチレンナフタレート繊維を得ることができたのである。これはこの特有のリン化合物が、紡糸及び延伸工程で生じる粗大な結晶成長を抑制し結晶を微分散化させる効果であると考えられる。また従来ポリエチレンナフタレート繊維を高速紡糸することは非常に困難であったが、これらのリン化合物が添加されることにより、紡糸安定性が飛躍的に向上し、かつ断糸が起きない点から実用的な延伸倍率を高めることによって繊維を高強度化することができるようになった。
また安定生産のためには、式(1)を例に説明すると、Rの炭素数としては4個以上、さらには6個以上であることが好ましく、特にアリール基であることが好ましい。またXが水素原子または水酸基であるために、工程中の真空下では飛散しにくい効果がある。
また、高い結晶性向上の効果を示すためには、Rがアリール基であることが、さらにはベンジル基やフェニル基であることが好ましく、本発明の製造方法では、リン化合物がフェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸であることが特に好ましい。中でもフェニルホスホン酸およびその誘導体であることが最適であり、作業性の面からもフェニルホスホン酸が最も好ましい。フェニルホスホン酸は水酸基を有するため、そうでは無いフェニルホスホン酸ジメチルなどのアルキルエステルに比べて沸点が高く、真空下で飛散しにくいというメリットもある。つまり、添加したリン化合物のうちポリエステル中に残存する量が増え、添加量対比の効果が高くなる。また真空系の閉塞が発生しにくい点からも有利である。
このような製造方法にて本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維は得られるが、ポリエチレンナフタレート繊維としては、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものであることが好ましい。
また、このようなリン化合物と共に、周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素が溶融ポリマー中に添加されていることが好ましい。特には繊維に含まれる金属元素が、Zn、Mn、Co、Mgの群から選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であることが好ましい。これらの金属元素は、エステル交換触媒や重合触媒として添加しても良いし、別途添加することも可能である。このような金属元素の含有量としては、エチレンナフタレート単位に対して10〜1000mmol%含有するものであることが好ましい。そして前述のリン元素Pと金属元素Mの存在比であるP/M比としては0.8〜2.0の範囲であることが好ましい。
本発明で用いられる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であるポリエチレンナフタレート繊維は、上記のようなポリエチレンナフタレートポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出後の紡糸ドラフト比が100〜5000であり、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過し、かつ延伸することなどによって得ることができる。
ここで紡糸ドラフトとは、紡糸巻取速度(紡糸速度)と紡糸吐出線速度の比として定義され、下記の数式(2)で表されるものである。
紡糸ドラフト=πDV/4W (数式2)
(式中、Dは口金の孔径、Vは紡糸引取速度、Wは単孔あたりの体積吐出量を示す)。
紡糸ドラフト比を大きくすることによって、ポリマー中の結晶体積や結晶化度を上げることができる。このような高紡糸ドラフトとするためには、紡糸速度が高いことが好ましく、1500〜6000m/分、さらには2000〜5000m/分であることが好ましい。
さらにこのようなポリエチレンナフタレート繊維を得るためには、紡糸口金から吐出直後に溶融ポリマー温度のプラスマイナス50℃以内の範囲内に設定された保温紡糸筒を通過することが好ましい。さらには保温紡糸筒の設定温度は溶融ポリマー温度以下であることが好ましい。また、保温紡糸筒の長さとしては10〜300mmであることが好ましく、さらには30〜150mmであることが好ましい。保温紡糸筒の通過時間としては、0.2秒以上であることが好ましい。
通常ポリエチレンナフタレート繊維の製造方法においては、上記のように高ドラフト条件を採用した場合、溶融ポリマー温度よりも数十度高い加熱紡糸筒を使用している。剛直なポリマーであるポリエチレンナフタレートポリマーは、紡糸口金から吐出された直後にすぐに配向しやすく、単糸切れを発生しやすいため、加熱紡糸筒をもちいて遅延冷却させる必要があるからである。そして紡糸筒温度が溶融ポリマー温度付近の場合には、吐出するポリマーの速度が速いために、遅延冷却状態とならないからである。
しかし本発明で用いられるポリエチレンナフタレート繊維では、上記のような特定のリン化合物を用いて微小結晶を形成させることにより、同じ配向度であっても均一な構造とすることが可能となった。そして均一構造であるがゆえに加熱紡糸筒を用いなくても単糸切れが発生せず、高い製糸性を確保することが可能となったのである。そして、このような低温の保温紡糸筒を用いることによりポリエチレンナフタレート繊維の結晶体積をより有効に大きくすることができるようになった。高温の紡糸筒ではポリマー中の分子運動が激しく、大きな結晶の生成が阻害されるためである。そして大きな結晶体積を有することにより、得られる繊維の融点や耐熱疲労性を有効に高めることができるようになったのである。
保温紡糸筒を通過した紡出糸条は、次いで30℃以下の冷風を吹き付けて冷却することが好ましい。さらには25℃以下の冷風であることが好ましい。冷却風の吹出量としては2〜10Nm/分、吹出長さとしては100〜500mm程度であることが好ましい。次いで、冷却された糸状については、油剤を付与することが好ましい。
このようにして紡糸された未延伸糸は、複屈折率(ΔnUD)としては0.10〜0.28、密度(ρUD)としては1.345〜1.365の範囲であることが好ましい。複屈折率(ΔnUD)や密度(ρUD)が小さい場合には、紡糸過程での繊維の配向結晶化が不充分となり、耐熱性及び優れた寸法安定性が得られない傾向にある。一方、複屈折率(ΔnUD)や密度(ρUD)が大きすぎる場合、紡糸過程で粗大な結晶成長が発生していることが推測され、紡糸性を阻害し断糸が多発する傾向にあり、実質的に製造が困難となる傾向にある。また、その後の延伸性も阻害されるため高物性の繊維の製造が困難となる傾向にある。さらには紡糸された未延伸糸の複屈折率(ΔnUD)としては0.11〜0.26、密度(ρUD)としては1.350〜1.360の範囲であるこいとがより好ましい。
本発明の繊維を得るためには上記のように高紡糸ドラフトを行うことが好ましい。通常程度のドラフトを行った場合には、結晶体積が小さくなり融点も低く、本発明のように高い寸法安定性を得ることができない。一方、高紡糸ドラフトであっても加熱紡糸筒を用いて遅延冷却を行った場合には、同じく結晶体積が小さくなり融点も低く、本発明の保温紡糸筒を用いた場合と違い高い寸法安定性を得ることができないからである。
その後延伸を行うが、このような条件にて製造を行った場合、均一な結晶を有する繊維に対し高紡糸ドラフトを行っているために、断糸が有効に防止される。そして結晶化度が高いにもかかわらず、大きい結晶体積の繊維を得ることができるのである。延伸は、引取りローラーから一旦巻取って、いわゆる別延伸法で延伸してもよく、あるいは引取りローラーから連続的に延伸工程に未延伸糸を供給する、いわゆる直接延伸法で延伸しても構わない。また延伸条件としては1段ないし多段延伸であり、延伸負荷率としては60〜95%であることが好ましい。延伸負荷率とは繊維が実際に断糸する張力に対する、延伸を行う際の張力の比である。延伸倍率や延伸負荷率を上げることによって、結晶体積や結晶化度を有効に大きくすることができる。
延伸時の予熱温度としては、ポリエチレンナフタレート未延伸糸のガラス転移点以上、結晶化開始温度の20℃以上低い温度以下で行うことが好ましく、120〜160℃が好適である。延伸倍率は紡糸速度に依存するが、破断延伸倍率に対し延伸負荷率60〜95%となる延伸倍率で延伸を行うことが好ましい。また、繊維の強度を維持し寸法安定性を向上させるためにも、延伸工程で170℃から繊維の融点以下の温度で熱セットを行うことが好ましい。さらには延神時の熱セット温度が170〜270℃の範囲であることが好ましい。このような高温での熱セットにより、有効に延伸倍率を上げることができ結晶体積を大きくすることができるようになる。
上記の製造方法では、特定のリン化合物を用いることによって、高ドラフト率かつ保温紡糸筒による冷却条件を採用することができ、高い製糸性の製造方法でありながら、高い寸法安定性と耐疲労性を有する本発明に最適な繊維を得ることができたのである。ちなみに上記の特定のリン化合物を用いない場合には、紡糸するためにドラフト率を下げるか、加熱紡糸筒を用いて遅延冷却させる必要があり、本発明で必要とされる高物性、高融点の繊維を得ることはできないのである。
このような製造方法にて得られたポリエチレンナフタレート繊維は、結晶体積が大きいと共に高い結晶化率を実現しており、高強度とともに高い融点と高い寸法安定性を有し、さらには優れた耐疲労性をも満たす繊維となり、本発明の繊維補強樹脂組成物に有効に用いることができる。
本発明の繊維補強樹脂組成物は、上記のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であるポリエチレンナフタレート繊維と、熱可塑性樹脂からなるものである。
本発明で用いるポリエチレンナフタレート繊維には、繊維とマトリクス樹脂との接着性に優れた各種の変性樹脂を、成形前に繊維に付与したり添加することも好ましい。例えば、マトリクス樹脂としてポリオレフィンを用いる場合、オキサゾリン変性ポリオレフィンやメタクリル酸グリシジルエステル変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどであり、これらを添加すると、繊維補強樹脂成形品の機械物性を一段と高めることができる。
本発明の繊維補強樹脂組成物の形態としては、特に限定されるものではないが、繊維をカットファイバーとし、樹脂と混練するコンパウンディングによる繊維補強樹脂組成物であることが好ましい。混練りの際には二軸押出機を用いて溶融混練したものであることが好ましい。また、より高い繊維補強効果を得るために樹脂中の繊維長さをより長くすることも好ましい。そのためには、例えば繊維の形態をロービング(長尺の繊維束)とし、繊維束に溶融したマトリックス樹脂を含浸させて引き抜き、得られるストランド状物を切断する方法が好ましく、繊維に樹脂を含浸して引き抜き切断することで長繊維補強樹脂組成物からなるペレットを作成することができる。本発明の繊維補強樹脂組成物からなるペレットは、これらに通常の繊維を含有しない樹脂を同時に用いて溶融成形することにより、最終的な繊維で補強された樹脂成形品を得ることが可能となる。
このような繊維補強樹脂組成物からなるペレットの長さは2〜24mmであることが好ましく、小さ過ぎると十分な機械的物性が得られ難く、大き過ぎると成形時に押出機での噛み込み不良を引き起こし易く、ペレットの供給安定性、成形性が劣るようになる。より好ましいペレット長は3〜15mm、更に好ましくは4〜12mmである。ペレット径は、生産性やハンドリング性を考慮すると1〜4mmが好ましく、より好ましくは2〜3mmである。
また、好ましいペレット長(L)とペレット径(D)を両者の関係で表現すると、L/Dで1〜6以下が好ましく、該ペレットのL/Dが1未満では、ペレット切断時に割れを起こし易く、強化繊維の毛羽立ちが発生してハンドリング性が悪くなる傾向が生じてくる。逆にL/Dが6を超えると、細長いペレットになって生産性が悪くなるばかりでなく、たとえば射出成形を行う際のスクリューヘの噛込み時にペレットが折損し易くなり、強化繊維長が短くなって十分な機械的物性値が確保し難くなる。こうした観点から、より好ましいペレットのL/D値は2〜4の範囲である。
このような本発明の繊維補強樹脂組成物からなるペレットを得るための製法を、ロービング(長尺の繊維束)による方法を例に説明すると、連続する長繊維束を帯状に拡幅させ、拡幅させた状態を保持しながら、適正な温度で加熱溶融された熱可塑性樹脂浴中を通過させ、次いで溶融した該熱可塑性樹脂浴中で前記拡幅させた長繊維束を集束させ、集束後の前記長繊維束をノズルを通して抜き出し、冷却後、一定の長さに切断することにより補強繊維を内部に含むペレットを製造することができる。この際、強化用の繊維が溶融樹脂浴中に入り、ノズルを通して取り出されるまでの時間は、耐熱性の観点から6秒を超えない含浸時間であることが好ましい。さらには含浸浴での浸漬時間は好ましくは4秒、更に好ましくは3秒を超えない様に、浸漬走行速度をコントロールすることが望ましい。また十分な含浸状態を確保するには、0.2秒程度以上、より好ましくは0.5秒程度以上を確保することが望ましい。含浸を行った後は、溶融樹脂浴から含浸ロービング繊維束として引き出し、得られた含浸ロービング繊維束を冷却後適当な長さに切断すると繊維強化複合樹脂ペレットが得られる。
補強繊維に熱可塑性樹脂を溶融含浸させる工程では、熱可塑性樹脂が十分に補強繊維に含浸する様に、適当な溶融粘度になるものを選択し、可能な範囲で溶融粘度が十分小さくなる温度にまで熱可塑性樹脂を加熱溶融する。また、成形品の機械的物性値も考慮して熱可塑性樹脂の種類を選択することが望ましい。目安としてメルトフローレート(MFR)(230℃2.16kgf)で5g〜200g/10分、より好ましくは10〜150g/10分以下、更に好ましくは25〜100g/10分以下のものを選択することが好ましい。
熱可塑性樹脂のMFRが低い場合には、長繊維補強樹脂組成物のペレットや樹脂成型品の生産性が悪くなる傾向があらわれると共に、たとえ製造できたとしても補強繊維への樹脂の含浸性が悪くなり、得られる樹脂ペレットあるいは樹脂成型品から補強繊維の脱落が起こってハンドリングに問題を生じたり、樹脂成形品中の補強繊維が分散不良となって機械物性低下や外観不良を起こしてしまう。一方、MFRが大きすぎる場合には、強度や弾性、耐クリープ特性、耐疲労特性、耐熱性といった材料特性が低下するため、満足のいく物性、特に高温特性の成形品が得られ難くなる。
最終成形前の本発明の繊維樹脂組成物中における繊維の熱可塑性樹脂組成物に対する配合量は、熱可塑性樹脂90〜30重量部に対して繊維を10〜70重量部含有させることが好ましく、さらには熱可塑性樹脂75〜45重量部に対して繊維を25〜55重量部であることが好ましい。樹脂組成物ペレット中の繊維含有量が高いほど、物性向上には好ましいがあまり高いと繊維への樹脂の含浸性が低下する傾向がある。
そしてこのような本発明の繊維補強樹脂組成物を用いた最終的な成形体における、繊維の熱可塑性樹脂組成物に対する配合量は、熱可塑性樹脂99〜50重量部に対して繊維が1〜50重量部となることが好ましく、さらには熱可塑性樹脂90〜60重量部に対して繊維を10〜40重量部であることが好ましい。最終的な成形体中への繊維の配合量が少なすぎる場合には樹脂成型品の機械特性、寸法安定性、耐衝撃性が低下する傾向にある。一方繊維の配合量が多すぎる場合には樹脂への繊維分散性が低下する傾向にあり、繊維補強樹脂組成物の成形性や、表面外観に悪影響をもたらす。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(1)極限粘度IVf
樹脂あるいは繊維をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒(容量比6:4)に溶解し、35℃でオストワルド型粘度計を用いて測定して求めた。
(2)繊維の強度、伸度、中間荷伸
JIS L1013に準拠して測定した。
(3)繊維の乾熱収縮率
JIS L1013 B法(フィラメント収縮率)に準拠し、180℃で30分間の収縮率とした。
(4)繊維の比重、結晶化度
比重は四塩化炭素/n−ヘプタン密度勾配管を用い、25℃で測定した。得られた比重から下記の数式(1)より結晶化度を求めた。
結晶化度 Xc={ρc(ρ−ρa)/ρ(ρc−ρa)}×100 数式(1)
式中 ρ :ポリエチレンナフタレート繊維の比重
ρa :1.325(ポリエチレンナレフタレートの完全非晶密度)
ρc :1.407(ポリエチレンナレフタレートの完全結晶密度)。
(5)繊維の複屈折(Δn)
浸漬液としてブロムナフタリンを使用し、ベレックコンペンセーターを用いてレターデーション法により求めた。(共立出版社発行:高分子実験化学講座 高分子物性11参照)。
(6)繊維の結晶体積、最大ピーク回折角
繊維の結晶体積、最大ピーク回折角はBruker社製D8DISCOVER with GADDS Super Speedを用いて広角X線回折法により求めた。
結晶体積は、繊維の広角X線回折において2Θがそれぞれ15〜16°、23〜25°、25.5〜27°に現れる回折ピーク強度の半価幅より、それぞれの結晶サイズをフェラーの下記(数式3)、
Figure 0005118094
(ここで、Dは結晶サイズ、Bは回折ピーク強度の半価幅、Θは回折角、λはX線の波長(0.154178nm=1.54178オングストローム)を表す。)
より算出し、下式により結晶1ユニットあたりの結晶体積とした。
結晶体積(nm)=結晶サイズ(2Θ=15〜16°)×結晶サイズ(2Θ=23〜25°)×結晶サイズ(2Θ=25.5〜27°)
最大ピーク回折角は、広角X線回折において強度が最も大きいピークの回折角を求めた。
(7)融点Tm
TAインスツルメンツ社製Q10型示差走査熱量計を用い、試料量10mgのサンプルを窒素気流下、20℃/分の昇温条件で320℃まで加熱して現れた吸熱ピークの温度を融点Tmとした。
(8)樹脂成形品の引張強度、弾性率
ASTM−D−638法に準拠し、試料厚み3.2mm、試験速度10mm/分、23℃で測定した。
(9)樹脂成形品の曲げ強度
ASTM−D−790法に準拠し、試料厚み3.2mm、試験速度2mm/分、支点間距離50mm、23℃で測定した。
(10)樹脂成形品のアイゾッド衝撃強度(ノッチ付き)
ASTM−D−256法に準拠し、試料厚み3.2mm、23℃で測定した。
(11)樹脂成形品の荷重たわみ温度
ASTM−D−648法に準拠し、18.5kgf/cm負荷で測定した。
[使用材料]
(ア)ポリアミド6:
密度1.14g/cm、メルトフローレート34g/10分(230℃ 、2.16kgf荷重)融点220℃、引張降伏強度83MPa、引張破断伸び18%、引張弾性率3100MPa、曲げ強度119MPa、曲げ弾性率3000MPa、シャルピー衝撃強度4kJ/m(23℃、ノッチ付き)、荷重たわみ温度177℃(0.45MPa荷重)。
(イ)ポリブチレンテレフタレート:
密度1.31g/cm、メルトフローレート27g/10分(250℃ 、2.16kgf荷重) 融点228℃、引張降伏強度54MPa、引張破断伸び120%、引張弾性率2400MPa、曲げ強度85MPa、曲げ弾性率2400MPa、シャルピー衝撃強度5kJ/m(23℃、ノッチ付き)、荷重たわみ温度136℃(0.45MPa荷重)。
(ウ)ポリプロピレン:
密度0.91g/cm、メルトフローレート45g/10分(230℃ 、2.16kgf荷重)、融点170℃、引張降伏強度40MPa、引張破断伸び20%、引張弾性率2000MPa、シャルピー衝撃強度2kJ/m(23℃、ノッチ付き)、荷重たわみ温度120℃(0.45MPa荷重)。
(エ)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂):
密度1.05g/cm、メルトフローレート55g/10分(220℃ 、10.0kgf荷重)、引張降伏強度42MPa、曲げ強度70MPa、曲げ弾性率2300MPa、シャルピー衝撃強度25kJ/m(23℃、ノッチ付き)、荷重たわみ温度76℃(1.8MPa荷重)。
(オ)ポリアセタール:
密度1.41g/cm、メルトフローレート27g/10分(190℃ 、2.16kgf荷重)、引張降伏強度64MPa、引張破断伸び25%、引張弾性率2900MPa、曲げ強度91MPa、曲げ弾性率2700MPa、シャルピー衝撃強度6kJ/m(23℃、ノッチ付き)、荷重たわみ温度156℃(0.45MPa荷重)。
(カ)ポリエチレンナフタレート繊維1(結晶体積952nm
繊度1,080dtex、結晶体積952nm、結晶化度47%、融点297℃ 、強度7.4cN/dtex、弾性率27GPa、180℃乾熱収縮率2.6%
(キ)ポリエチレンナフタレート繊維2(結晶体積480nm
繊度1,100dtex、結晶体積480nm、結晶化度51%、融点278℃ 、強度8.4cN/dtex、弾性率26GPa、180℃乾熱収縮率6.2%
(ク)ガラス繊維:
シランカップリング剤で表面処理した無アルカリグラス(Eグレード)のロービングを使用した。密度2.3g/cm、繊度29890dtex、フィラメント数1988本、引張強度657N、破断伸度5%、乾熱収縮率0%。
[参考例1]
((カ)ポリエチレンナフタレート繊維1の製造方法)
以下の方法でポリエチレンナフタレート繊維1(繊度1,080dtex、結晶体積952nm、結晶化度47%、融点297℃、強度7.4cN/dtex、弾性率27GPa、180℃乾熱収縮率2.6%)を作製した。
すなわち、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチレングリコール50重量部との混合物に酢酸マンガン四水和物0.030重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.0056重量部を攪拌機、蒸留搭及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、150℃から245℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを反応器外に留出させながら、エステル交換反応を行い、引き続いてエステル交換反応が終わる前にフェニルホスホン酸(PPA)を0.03重量部(50ミリモル%)を添加した。その後、反応生成物に三酸化二アンチモン0.024重量部を添加して、攪拌装置、窒素導入口、減圧口及び蒸留装置を備えた反応容器に移し、305℃まで昇温させ、30Pa以下の高真空下で縮合重合反応を行い、常法に従ってチップ化して極限粘度0.62のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを65Paの真空度下、120℃で2時間予備乾燥した後、同真空下240℃で10〜13時間固相重合を行い、極限粘度0.74のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。
このチップを、孔数249ホール、孔径0.7mm、ランド長3.5mmの円形紡糸孔を有する紡糸口金からポリマー温度310℃で吐出し、紡糸速度2,500m/分、紡糸ドラフト962の条件で紡糸を行った。紡出した糸状は口金直下に設置した長さ50mm、雰囲気温度330℃の保温紡糸筒を通じ、さらに、保温紡糸筒の直下から長さ450mmにわたって、25℃の冷却風を6.5Nm/分の流速で吹き付けて、糸状の冷却を行った。その後、油剤付与装置にて一定量計量供給した油剤を付与した後、引取りローラーに導き、巻取機で巻取った。この未延伸糸の極限粘度IVfは0.70、複屈折率(ΔnUD)0.179、密度(ρUD)1.357であった。
次いでこの未延伸糸を用い、以下の通り延伸を行った。すなわち、未延伸糸に1%のプリストレッチをかけた後、130m/分の周速で回転する150℃の加熱供給ローラーと第一段延伸ローラーとの間で第一段延伸を行い、次いで180℃に加熱した第一段延伸ローラーと180℃に加熱した第二段延伸ローラーとの間で230℃に加熱した非接触式セットバス(長さ70cm)を通し定長熱セットを行った後、全延伸倍率が1.08となるように巻取機に巻き取った。得られた延伸糸は繊度1,080dtex、結晶体積952nm(952000オングストローム)、結晶化度47%、tanδのピーク温度160℃(加振周波数10Hz、測定速度5℃/分)、X線広角回折の最大ピーク回折角は26.4度、密度(ρDY)は1.362、複屈折率(ΔnDY)は0.272であった。
[参考例2]
((キ)ポリエチレンナフタレート繊維2の製造方法)
以下の方法でポリエチレンナフタレート繊維2(繊度1,100dtex、結晶体積480nm、結晶化度51%、融点278℃、強度8.4cN/dtex、弾性率26GPa、180℃乾熱収縮率6.2%)を作製した。
まず、リン化合物として前述のポリエチレンナフタレート繊維1に用いたフェニルホスフィン酸の代わりに正リン酸を40mmol%添加し、それ以外はポリエチレンナフタレート繊維1と同様に実施して極限粘度0.74のポリエチレンナフタレート樹脂チップを得た。このチップを、孔数249ホール、孔径0.5mm、ランド長2.0mmの円形紡糸孔を有する紡糸口金からポリマー温度320℃で吐出し、紡糸速度459m/分、紡糸ドラフト83の条件で紡糸を行った。紡出した糸状は口金直下に設置した長さ250mm、雰囲気温度400℃の加熱紡糸筒を通じ、さらに、保温紡糸筒の直下から長さ450mmにわたって、25℃の冷却風を6.5Nm/分の流速で吹き付けて、糸状の冷却を行った。その後、油剤付与装置にて一定量計量供給した油剤を付与した後、引取りローラーに導いて、極限粘度IVf0.70、複屈折率(ΔnUD)0.007、密度(ρUD)1.326の未延伸糸を得た。次いでこの未延伸糸を一旦巻き取ることなく、1%のプリストレッチをかけた後、165℃の加熱供給ローラーと第一段延伸ローラーとの間で第一段延伸を行い、次いで175℃に加熱した第一段延伸ローラーと220℃に加熱した第二段延伸熱セットローラーとの間で第二段延伸・熱セットを行った後、全延伸倍率が5.6倍となるように巻取機に巻き取った。得られた延伸糸は繊度1,100dtex、結晶体積480nm(480000オングストローム)、結晶化度51%、tanδのピーク温度180℃(加振周波数10Hz、測定速度5℃/分)、X線広角回折の最大ピーク回折角は15.5度、複屈折率(ΔnDY)は0.33であった。
[実施例1、2、比較例1〜3](短繊維コンパウンディング法)
各補強用長繊維(カ)〜(ク)をギロチンカッターを用いて長さ8mmに切断した。得られたカットファイバー30部と、上記の樹脂(ア)ポリブチレンテレフタレートの70部を、表1に示す混練温度で二軸押出機を用いて溶融混練し(処理時間1分)、得られたストランドをペレタイザーで切断して、直径3mm、長さ8mmの繊維補強樹脂ペレットを得た。
得られた繊維補強樹脂ペレットから射出成形機を用いて表1に示す成形温度で処理時間2分にて物性測定用試験片を成形し、各試験片について評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3、比較例4](短繊維コンパウンディング法)
実施例1(繊維(カ)PEN1)、比較例1(繊維(キ)PEN2)で用いた樹脂を(ア)ポリブチレンテレフタレートから、(イ)ポリアミド6に変更し、表に示す混練温度に変更した以外は実施例1、比較例1と同様にして繊維補強樹脂ペレットを得た。得られた繊維補強樹脂ペレットから射出成形機を用いて表1に示す成形温度で物性測定用試験片を成形し、評価を行った。評価結果を表1にあわせて示す。
Figure 0005118094
[実施例4、比較例5,6](長繊維ロービング法)
(ウ)ポリプロピレン中にて各補強用長繊維(カ)〜(ク)を10本合糸して、表に示す樹脂含浸温度にて引抜き成形し、樹脂含浸有機長繊維を作製した。樹脂と補強繊維の混合割合は50:50(重量比)、樹脂含浸処理時間は2秒とした。得られた樹脂含浸有機長繊維をペレタイザーで切断し、直径3mm、長さ8mmの繊維補強樹脂ペレットを得た。処理時間は約1分だった。なお、繊維として(キ)ポリエチレンナフタレート2を用いた比較例6では、混練温度が240℃では、繊維強度劣化のため引き抜き成形が行えなかったので混練温度を210℃に低下させて実施した。
得られた繊維補強樹脂ペレットと、繊維補強していない樹脂(ホモポリマー)を混合し、樹脂と補強繊維の混合割合が最終的に70:30になるよう調整した後、射出成形機を用いて表2に示す成形温度で処理時間2分にて物性測定用試験片を成形し、各試験片について評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例5、比較例7](長繊維ロービング法)
(ウ)ポリプロピレンの代わりに(エ)ABS樹脂を用いた以外は、実施例4、比較例5と同様にして繊維補強樹脂ペレットを得た。その後、樹脂と補強繊維の混合割合が最終的に80:20になるよう調整した以外は実施例4、比較例5と同じく、射出成形機を用いて物性測定用試験片を成形し、各試験片について評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例6、比較例8](長繊維ロービング法)
(ウ)ポリプロピレンの代わりに(オ)ポリアセタールを用いた以外は、実施例4、比較例5と同様にして繊維補強樹脂ペレットを得て、樹脂と補強繊維の混合割合が最終的に70:30になるよう調整して成形し、各試験片について評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005118094
本発明の繊維補強樹脂組成物は、成形加工時の補強繊維の熱劣化、機械的劣化が起こりにくく、剛性、耐衝撃性、寸法安定性が大幅に向上し、軽量性、リサイクル性にも優れた成型品に成形することができる。
すなわち、本発明の繊維補強樹脂組成物は、用途や成形品形状に応じ、適時射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、加熱成形等により成形し成形品を得ることができ、そのような最終製品としては、例えばバンパーフェイシア、サイドモール、バッテリートレー、ファンシュラウド、エンジンカバー、インスツルメントパネル、コンソールボックス、シフトレバーベース、ホイールカバー、エアスポイラーの如き自動車用の内外装部品、コンクリートパネルや防音壁の如き土木建築資材、パレットやコンテナなどの輸送部品、椅子や机などの家具部品などに有効に活用できる。

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂とポリエチレンナフタレート繊維からなる繊維補強樹脂組成物であって、繊維のX線広角回折より得られる結晶体積が550〜1200nmであり、結晶化度が30〜60%であることを特徴とする繊維補強樹脂組成物。
  2. 該ポリエチレンナフタレート繊維の融点が285〜315℃である請求項1記載の繊維補強樹脂組成物。
  3. 該ポリエチレンナフタレート繊維が、リン原子をエチレンナフタレート単位に対して0.1〜300mmol%含有するものである請求項1または2記載の繊維補強樹脂組成物。
  4. 該ポリエチレンナフタレート繊維中のリン原子が、フェニルホスフィン酸またはフェニルホスホン酸由来のものである請求項3記載の繊維補強樹脂組成物。
  5. 該ポリエチレンナフタレート繊維が、金属元素を含むものであり、該金属元素が周期律表における第4〜5周期かつ3〜12族の金属元素およびMgの群より選ばれる少なくとも1種以上の金属元素である請求項1〜4のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  6. 該ポリエチレンナフタレート繊維のX線広角回折の最大ピーク回折角が25.5〜27.0度である請求項1〜5のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  7. 該ポリエチレンナフタレート繊維の180℃の乾熱収縮率が0.5〜4.0%未満である請求項1〜6のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  8. 該熱可塑性樹脂がポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミドの群から選ばれるいずれか一つである請求項1〜7のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  9. 該ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはポリブチレンナフタレートあるいはそれらの共重合体からなるものである請求項8記載の繊維補強樹脂組成物。
  10. 該ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11またはナイロン12あるいはそれらの共重合体からなるものである請求項8記載の繊維補強樹脂組成物。
  11. 該ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンあるいはそれらの共重合体からなるものである請求項8記載の繊維補強樹脂組成物。
  12. 最大長さが2〜24mmのペレット状である請求項1〜11のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  13. 繊維:樹脂の混合比率が、10:90〜70:30の範囲である請求項1〜12のいずれか1項記載の繊維補強樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載された繊維樹脂組成物を溶融、成形することを特徴とする成形体。
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