JP5117690B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用の原料燃料中の硫黄分を除去する脱硫器を備えた燃料電池システムに関し、詳しくは、エネルギー利用効率に優れた燃料電池システムに関する。
燃料電池はエネルギー利用効率の良い発電システムとして開発が活発化している。この中でも固体高分子形燃料電池は高い出力密度、取り扱いの容易さなどから特に注目を集めている。
燃料電池は水素と酸素との電気化学的な反応により発電するシステムであるため、水素供給手段の確立が必須である。この方法の一つとして炭化水素燃料などの水素製造用原料を改質し水素を製造する方法があり、炭化水素燃料の供給システムがすでに社会的に整備されている点で、純水素を用いる方法より有利である。
炭化水素燃料としては、都市ガス、ガソリン、灯油、軽油などがある。ガソリン、灯油、軽油などの液体燃料は取り扱い、保存および輸送が容易であること、安価であることなどの特徴から燃料電池用燃料として注目されている。これらの炭化水素燃料を燃料電池で用いるためには炭化水素から水素を製造することが必要であるが、このために、改質器で炭化水素を水と反応させ、主に一酸化炭素と水素に分解し、続いてシフト反応器で大部分の一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換し、最後に選択酸化反応器において微量の残存一酸化炭素を酸素と反応させ二酸化炭素にすることが行われている。また、硫黄が改質触媒などの被毒物質となるため、水素製造用原料中の硫黄を除去するための脱硫器が設けられる場合も多い。このような燃料電池システムは例えば特許文献1に開示されている。
脱硫器に用いられる脱硫剤には適切な作動温度範囲があり、脱硫剤をこの作動温度範囲まで加熱することが行われている。特許文献2には、燃料改質装置のバーナーの燃焼排ガスを脱硫器に導き、これにより脱硫器内の触媒を加熱することが開示されている。
また、液体燃料を脱硫する技術としては、例えば、特許文献3に灯油の一部又は全部を液相の状態で脱硫することが記載されている。
特許文献4では、脱硫器の脱硫剤が効果的に加熱、昇温されて、早期に起動操作が進行し、かつ改質システムの次段以降の改質触媒の被毒を防止する液体燃料の脱硫器の運転方法が開示されている。この方法は、液体燃料を改質器の加熱用バーナーとの熱交換、或いはCO変成器との熱交換により加熱し、加熱された液体燃料を脱硫器に導入し、脱硫器の起動の際には、脱硫器の温度が規定温度に達するまで、脱硫器より排出される液体燃料を元の液体燃料タンクに戻して循環させるシステムである。
さらに、特許文献5には、液体燃料を加熱液相脱硫するに好適な、突沸や圧力変動を抑制可能な脱硫システムを用いることにより、燃料電池システムの安定的運転を行うことが開示されている。ここでも、改質器バーナーの排ガスを気化器、脱硫器、燃料予熱に利用している。
また、燃料電池では、電力と共に熱エネルギー(アノードオフガスの燃焼を含む)が発生するため、発生した熱エネルギー(排熱)を、給湯や暖房等に使用するコージェネレーションシステムが数多く提案されている。
さらに、燃料電池内の水素不足を短期間で検出して、水素不足を解消させるために、負荷に取り込まれる負荷電流が増加して発電電圧が低下したときに、現在の発電電圧から目標定常電圧となるまでの目標電圧低下応答軌道を作成し(ステップS2)、水素不足が発生した場合の実電圧の軌道と比較する(ステップS3)。そして、目標電圧低下応答軌道と実電圧との偏差が所定値となったら、燃料電池スタックの水素極の水素が不足していることを検出して、水素利用率低下処理(ステップS6)、空気流量低下処理(ステップS7)、加湿量低下処理(ステップS8)等を行って、燃料電池スタックの水素極の水素不足を解消することが特許文献6に示されている。
特開2003−187832号公報 特開平5−3043号公報 特開2002−201478号公報 特開2004−31025号公報 特開2005−255896号公報 特開2005−93111号公報
燃料電池の起動時には、燃料電池からの排熱は無いため、他の加熱手段を用いるが、燃料電池の起動後には排熱を有効活用することが望まれる。脱硫器においてもこの排熱を有効活用すべきであるが、負荷により排熱エネルギー量が異なるため、所定の温度範囲に保つべき脱硫器においては、熱量が多すぎたり、熱量が不足したりする場合があり、排熱エネルギーのみを加熱に使用することが困難であった。また、コージェネレーションシステムでは、排熱利用機器側の熱要求量が増加した場合にも脱硫器への排熱供給が不足する場合がある。
特許文献2では、燃料改質装置内の燃焼バーナーからの燃料排ガスと、スチームドラム内の水蒸気とを組み合わせて、燃焼排ガス温度が高くなった場合には、脱硫器への燃焼排ガス供給流量を絞り、水蒸気流量を増加させて脱硫器温度が一定以上に高くならないように管理している。従って、特許文献2では、燃料改質装置内の燃焼バーナーからの燃料排ガスが常に一定以上の温度を有することを前提としている。特許文献2では、燃焼バーナーの燃料として、アノードオフガスを戻して使用できることが記載されているが、アノードオフガスは補助的な加熱源であり、不足の場合には燃料が供給されて燃焼バーナーを稼働しており、脱硫器を加熱する熱源が不足することは全く想定していない。
本発明の目的は、燃料電池からの排熱を有効利用して、熱量の過不足に対しても問題なく燃料の脱硫操作が行われる燃料電池システムを提供することにある。
本発明者らは、脱硫器の操作の観点から燃料電池における排熱の有効利用を図ることを目的に鋭意検討した結果、以下の本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の第1は、液体燃料を脱硫器にて脱硫した後、改質して水素含有ガスとし、燃料電池のアノード側にアノードガスとして供給し、カソード側に供給される酸素含有ガスと電気化学反応させて発電し、前記脱硫器の熱源として燃料電池からの排熱エネルギーを用いる燃料電池システムであって、脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンクを有し、該二次タンク内の燃料液レベルを検知するレベル検知手段と、前記脱硫器への排熱供給による温度変化を検知する脱硫器温度検知手段と、レベル検知手段および/又は脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて脱硫器の運転/停止を制御する脱硫制御手段を備え、かつ、前記二次タンク内の燃料液レベルを、前記脱硫器の停止期間中であっても燃料電池への脱硫後の燃料が供給可能な所定の範囲内に制御するように、前記脱硫器の運転中は前記範囲の下限値よりも高い液レベルを保持し、前記範囲の上限値に達した場合に前記脱硫器を停止し、前記脱硫器の停止期間中に前記範囲の下限値に達した場合に前記脱硫器の運転を再開することを特徴とする燃料電池システムに関する。
さらに、本発明の第2は、液体燃料を脱硫器にて脱硫した後、改質して水素含有ガスとし、燃料電池のアノード側にアノードガスとして供給し、カソード側に供給される酸素含有ガスと電気化学反応させて発電し、前記脱硫器および脱硫器以外の排熱利用機器の熱源として燃料電池からの排熱エネルギーを用いる燃料電池システムであって、脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンクを有し、該二次タンク内の燃料液レベルを検知するレベル検知手段と、前記脱硫器への排熱供給による温度変化を検知する脱硫器温度検知手段と、レベル検知手段および/又は脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて脱硫器の運転/停止を制御する脱硫制御手段と、前記脱硫器以外の排熱利用機器の熱要求量を検知する熱要求量検知手段と、該熱要求量検知手段からの情報に基づいて前記脱硫器および脱硫器以外の排熱利用機器への排熱供給量比率を制御する排熱比率制御手段と、前記脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて、燃料電池に投入する燃料を増加させつつ、同時に燃料電池における水素利用率を低減させることで、発電量を一定に保持したまま必要な熱量を供給する手段を備え、かつ、前記二次タンク内の燃料液レベルを、前記脱硫器の停止期間中であっても燃料電池への脱硫後の燃料が供給可能な所定の範囲内に制御するように、前記脱硫器の運転中は前記範囲の下限値よりも高い液レベルを保持し、前記範囲の上限値に達した場合に前記脱硫器を停止し、前記脱硫器の停止期間中に前記範囲の下限値に達した場合に前記脱硫器の運転を再開することを特徴とする燃料電池システムに関する。
本発明によれば、燃料電池からの排熱エネルギーを脱硫器又は脱硫器および他の排熱利用機器への熱源として有効利用するに際し、脱硫器への熱量の過不足が生じた場合にも、燃料電池の運転に支障を来すことが無く、安定に操業することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態になる燃料電池システムの概念図であり、実際の装置配置とは異なる。これは、以下の第2および第3の実施形態においても同様である。
本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池の主要部を構成するアノードAおよびカソードCを含むセルスタック1、セルスタック1からの熱輻射を受ける位置に燃料を改質する改質器2が配されており、同図では、セルスタック1と改質器2が一つの容器に収められてモジュール化(FCモジュール3)された、いわゆる、間接内部改質型燃料電池、特に固体酸化物形燃料電池を示しているが、これに限定されるものではない。
脱硫器4は、FCモジュール3からの排熱エネルギー(以下、単に「排熱」という)が供給可能に配されており、同図では、モジュール3内でアノードオフガスとカソードオフガスを混合し、アノードオフガス中の可燃分を燃焼(不図示)させ、その排ガスの流れの中に脱硫器4を配している。本発明において定義する排熱エネルギーとは、上記のアノードオフガスの燃焼による熱エネルギーの他、アノードオフガス又はカソードオフガス(混合せずにとりだす)の顕熱、セルスタック1からの輻射熱の余剰分を熱交換により取り出しものなどが挙げられる。
脱硫器4へ供給される燃料は、燃料タンク5から燃料供給ポンプ8を介して供給される。
本実施形態の最も特徴とするところは、脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンク6を有する点にある。そのため、本発明では燃料として液体燃料を用いる。
脱硫後の液体燃料は、二次タンク6より脱硫燃料供給ポンプ9を介し、気化装置(不図示)を用いて気化し、気化された燃料を改質器2によって改質して改質ガスを得、必要に応じてさらに処理して水素含有ガスを製造することができる。さらに、水素含有ガスをセルスタック1のアノードAに供給し、カソードCに空気などの酸素含有ガスを供給し、水素と酸素の電気化学反応により発電を行うことができる。
気化装置で気化された燃料は改質器2に供給される。ここでは水蒸気改質を行うために改質器2に水蒸気も供給される(不図示)。部分酸化改質を行うためには酸素(純酸素のみならず、空気などの酸素含有ガスでもよい)が改質器2に供給される(不図示)。改質器2において、燃料が改質され、水素を含有する改質ガスが得られる。
改質ガスはアノードガスとしてセルスタック1のアノードAに供給される。セルスタック1のカソードCには、空気などの酸素含有ガスがカソードガスとして供給される。セルスタック1において、アノードガスに含まれる水素とカソードガスに含まれる酸素とが電気化学的に反応し、発電が行われる。アノードから排出されるアノードオフガスには可燃分が含まれるため、それを燃焼させることで排熱として利用することができる。またアノードオフガスや、カソードから排出されるカソードオフガスの顕熱も排熱として利用される。
二次タンク6にはレベルセンサ等の液レベル検知手段が設けられており、上限量の脱硫燃料が蓄えられると、その情報が制御ラインC3により制御装置7に伝達される。その情報に基づき、燃料供給ポンプ8を停止する指令が制御ラインC1を介して伝達される。燃料供給ポンプ8の停止中は脱硫操作が行われないため、その間、排熱の供給比率を他の排熱利用機器へ多めに振り分けるようにバルブ10の開度を大きくする指令が制御ラインC2を介して伝達される。また、二次タンクの液レベルが下限値に達すると、その情報が制御ラインC3により制御装置7に伝達され、燃料供給ポンプ8を運転する指令が制御ラインC1を介して伝達され、脱硫操作が再開される。
ここで、脱硫器4には、温度センサTCとの脱硫器温度検知手段が設けられており、脱硫器内部の温度情報が制御ラインC4を介して制御装置7に伝達され、制御装置7ではその温度情報と予め設定された脱硫器の最適温度範囲とを比較し、脱硫器運転に支障を来す上限温度に到達する前に他の排熱利用機器への排熱供給量を増やすようにバルブ10の開度を上げる指令を制御ラインC2を介して発する。一方、電力負荷の変動により、排熱量が低下し始めた場合には脱硫器内温度が下がり始めるが、その場合には最適温度範囲の下限値に到達する前に、制御装置7は、バルブ10の開度を下げる指示を制御ラインC2を介して発する。さらに脱硫器内温度が最適温度範囲の下限値を下回る場合、制御ラインC1を介して燃料供給ポンプ8に脱硫器4への燃料供給を停止する指令を発する。本実施形態では、脱硫器の停止期間中であっても、二次タンク6に脱硫燃料が蓄えられていることから、燃料電池の操業を続けることができる。
なお、脱硫器4の停止期間中に二次タンク6内の脱硫燃料の液レベルが下限値に達しないように、二次タンク6には十分な余裕を持たせて容量を決定することが必要であることは言うまでもない。
また、脱硫器4内部の温度が上昇した場合、脱硫器4への燃料供給量を増大させて脱硫器の温度を制御することも可能であり、この場合、二次タンク6がバッファとなり脱硫器4への燃料供給量が増大してもFCモジュール3への脱硫燃料の供給量を一定に保持することができる。従って、第1の実施形態では他の排熱利用機器並びにバルブ10は必須ではなく、任意に設けられるものと理解される。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、図2の概念図を参照して説明する。セルスタック1,改質器2を含むCFモジュール3、脱硫器4,燃料タンク5、燃料供給ポンプ8、温度センサTCは図1と同じであり説明を省略する。
図2に示す第2の実施形態では、排熱利用機器11への排熱利用を優先的に行う構成を示しており、排熱利用機器、例えば給湯器などの要求熱量が増加するとバルブ10の開度を上げて排熱利用機器11への排熱供給比率を高める必要がある。排熱利用機器の要求熱量の検知手段としては、個々の排熱利用機器の制御系を利用することができる。つまり、排熱利用機器11での要求熱量の増大が制御ラインC5を介して制御装置7に伝達されると、バルブ10に対して制御ラインC2を介してバルブ開度を上げる指令が発せられる(排熱比率制御手段)。排ガス熱量に十分な余裕があれば、脱硫器4での脱硫操作は問題なく実施されるが、TCより制御ラインC4を介して制御装置7に伝達される脱硫器内温度が最適温度範囲の下限値に近づいていることが検知されると、制御装置7は、制御ラインC1を介して燃料の供給量を増大させる指示を燃料供給ポンプ8に指令し、脱硫器、気化器、改質器を介してセルスタック1のアノードAへの改質ガス導入量を増加させると同時に、セルスタック1の制御系(不図示)に対して、制御ラインC6を介して発電量(電力負荷)が一定となる電流値を指示する。燃料の供給量増大に対してセルスタック1での電力負荷を一定とすることにより、セルスタック1での水素利用率が低下し、アノードオフガス中の未使用水素濃度が増大することとなり、必要な熱量を供給することができる。
特許文献6では、電力負荷の変動に基づく水素不足を解消するように水素利用率を低減させているが、本実施例では排熱利用の観点から水素利用率を低減させており、そのため、制御形態が全く異なるものである。
第2の実施形態では、燃料は液体燃料に限定されず、水素ガスやLPガスなどの気体燃料において、脱硫すべき付臭剤(メルカプタン類等)が添加されている場合にも適用可能である。その場合、第1の実施形態で説明した気化器は不要となり、また、水素ガスを使用する場合には改質器も不要となる。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について、図3の概念図を参照して説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせた構成であり、同じ符号については前記第1および第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
上記第2の実施形態では、排熱利用機器11での要求熱量の急激な増大によって、脱硫器4での熱量不足を水素利用率の低減によって賄うものであるが、若干のタイムラグにより脱硫器4での脱硫操作が十分に実施できない場合が想定される。そこで、第1の実施形態でも示したように、脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンク6を設けることにより、このような状況にも対処することができる。つまり、排熱利用機器11の要求(C5)によりバルブ10の開度を上げて排熱供給比率を変更(C2)した場合、脱硫器4への排熱供給量が不足する。その排熱供給量の不足は脱硫器内温度の低下として現れることから、制御ラインC4を介して制御装置7に伝達された脱硫器内温度が最適温度範囲の下限値に到達する前に、制御ラインC1を介して燃料供給ポンプ8を停止させ、脱硫操作を一時中断する。二次タンク6には、脱硫された燃料が蓄えられており、制御ラインC7を介して脱硫燃料供給ポンプ9へ供給量の増大を指示すると同時に、制御ラインC6を介して、セルスタック1の制御系(不図示)に第2の実施形態と同様に、電力負荷が一定となる電流値を指示し、水素利用率の低減を図る。その後、水素利用率低減の効果が現れ、脱硫器4への排熱供給量が十分となったところで、制御ラインC1を介して燃料供給ポンプ8に燃料供給再開を指示する。また、脱硫器内温度が高くなる場合には、第1の実施形態と同様の処理が行われる。
以下、本発明の燃料電池システムを構成する各構成要素について詳細に説明する。
〔液体燃料〕
液体燃料としては、ガソリン、ナフサ、灯油等の石油系燃料、メタノール等のアルコールなど常温、常圧(25℃、0.1MPa)で液体である炭化水素系の燃料、あるいは液化石油ガスを用いることができる。なかでも灯油は工業用としても民生用としても入手容易であり、その取り扱いも容易なため、好ましい。
脱硫後の液体燃料中の硫黄濃度は、改質装置に液体燃料を供給する場合に改質触媒の被毒を抑制する観点から、好ましくは0.1質量ppm以下、より好ましくは50質量ppb以下とする。
脱硫に供する液体燃料中の硫黄濃度には特に制限はなく、脱硫工程において上記硫黄濃度に転換できる液体燃料であれば使用することができる。ただし、脱硫剤の寿命の観点からは、液体燃料の硫黄濃度は、150質量ppm以下が好ましく、50質量ppm以下がより好ましい。
〔脱硫剤〕
脱硫剤としては、収着型脱硫剤など公知の脱硫剤を用いればよいが、例えば、Ni、Cu、ZnおよびFeから選ばれる少なくとも1種類の金属を含み、担体にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアおよびその複合酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いたもの、またはこれらの成分を共沈で生成したものを使用できる。なかでも少なくともNiを含有する収着剤が触媒寿命の観点から好ましい。
脱硫剤形状としては、特に限りはないが、円柱、三つ葉、四葉などの押し出し成型体、円柱、ドーム状の錠剤成型体、球状成型体が好ましい。
〔脱硫器〕
脱硫器は、特に制限されるものではなく、従来公知の脱硫器が使用できる。図1〜3では、脱硫器を排ガスの流れの中において外部から加熱する構成を示しているが、脱硫器内部に熱流路を設け、内部加熱を行うようにしても良い。また、システムの立ち上げ時には排熱は存在しないことから、別途、ヒータ等の加熱手段を有して立ち上げ時の脱硫器温度を得るようにしても良い。或いは、立ち上げ時の改質器や気化器等からの排熱や水蒸気発生器からの水蒸気によって加熱するようにしても良い。
〔脱硫条件〕
脱硫剤に対する液体燃料の供給量は、装置サイズ、経済性および脱硫速度の観点から、LHSV(液空間速度)で0.05hr-1以上5.0hr-1以下が好ましく、0.1hr-1以上3.0hr-1以下がより好ましく、0.5hr-1前後が特に好ましい。
脱硫を行う温度、即ち脱硫温度は、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命の観点から100℃〜300℃が好ましく、150℃〜250℃がより好ましく、130℃〜200℃がさらに好ましい。低温であると、収着型脱硫剤を用いる場合に液体燃料中の硫黄化合物が化学反応を伴わずそのままの形で表面に吸着し脱離が起こらず、脱硫剤寿命が短くなるなど、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命が低下する傾向があるという点で不利である。高温であると、炭素析出により、脱硫剤上の脱硫サイトが減少し、寿命が短くなるなど、脱硫剤の脱硫能あるいは寿命が低下する傾向があるという点で不利である。
脱硫は、加熱下にも沸騰しない条件で行うことが望ましいため、脱硫器への燃料供給を100kPa−G(Gはゲージ圧であることを示す。)以上の加圧条件で実施することが好ましい。昇圧に要するエネルギーを抑える観点から500kPa−G以下とすることが好ましい。このような圧力を実現するためには、ポンプなどの昇圧手段を適宜用いて脱硫器に所定の圧力で液体燃料を供給すればよい。また、脱硫器の出口側に絞り弁やオリフィス等を設けて内部の加圧を促進するようにしても良い。
また、脱硫に供する原燃料は、脱硫器に導入する前に予熱してもよく、この予熱にも排熱の一部を割り当てることができる。予熱には、予熱器を脱硫器と同様に排ガスの流れの中においたり、高温操作を行う固体酸化物形FCモジュールでは、モジュール外壁に燃料供給ラインを張り巡らし、輻射熱の一部を予熱に割り当てたりすることも可能である。
〔水素製造装置・燃料電池システム〕
水素製造装置や燃料電池システムにおいて、改質器から得られる改質ガスを、必要に応じてさらに処理することができる。例えば、一酸化炭素濃度を低減し水素濃度を高めるためのシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)、一酸化炭素濃度低減のための選択酸化反応(2CO+O2→2CO2)、加湿または除湿などの処理を行うことができる。従って、改質器から得られる水素含有ガスを用いて燃料電池により発電を行う場合、改質器から得られる改質ガスを直接燃料電池で用いてもよいし、改質ガスをシフト反応等の処理をした後に燃料電池で用いてもよい。
改質器2としては水蒸気改質、部分酸化改質またはオートサーマルリフォーミング(水蒸気改質反応と部分酸化改質反応の両者を行う)を行うことのできる公知の改質器を適宜利用することができる。間接内部改質型固体酸化物形燃料電池では、前記したようにセルスタック1からの輻射熱により改質器2を加熱するが、外部改質型燃料電池システムでは、改質器において熱源を必要とする場合は、例えば、利用可能な高温ガスを適宜利用することができる。具体例としては、液体燃料やアノードオフガスを燃焼させた燃焼ガスを熱源とすることができる。
燃料電池としては、水素を電気化学反応させる燃料電池を適宜利用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。特に高温にて稼働される溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池において、本発明のシステムを採用することは有利である。
〔排熱利用機器〕
排熱利用機器としては、給湯装置、暖房装置などの熱利用機器、温度差により発電を行う温度差電池など、従来公知の排熱利用機器が含まれる。
本発明の第1の実施形態を説明する概念図である。 本発明の第2の実施形態を説明する概念図である。 本発明の第3の実施形態を説明する概念図である。
符号の説明
1 セルスタック
2 改質器
3 FCモジュール
4 脱硫器
5 燃料タンク
6 二次タンク
7 制御装置
8 燃料供給ポンプ
9 脱硫燃料供給ポンプ
10 バルブ
11 排熱利用機器
A アノード
C カソード
TC 温度センサ
C1〜C7 制御ライン

Claims (2)

  1. 液体燃料を脱硫器にて脱硫した後、改質して水素含有ガスとし、燃料電池のアノード側にアノードガスとして供給し、カソード側に供給される酸素含有ガスと電気化学反応させて発電し、前記脱硫器の熱源として燃料電池からの排熱エネルギーを用いる燃料電池システムであって、
    脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンクを有し、該二次タンク内の燃料液レベルを検知するレベル検知手段と、前記脱硫器への排熱供給による温度変化を検知する脱硫器温度検知手段と、レベル検知手段および/又は脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて脱硫器の運転/停止を制御する脱硫制御手段を備え、
    かつ、前記二次タンク内の燃料液レベルを、前記脱硫器の停止期間中であっても燃料電池への脱硫後の燃料が供給可能な所定の範囲内に制御するように、前記脱硫器の運転中は前記範囲の下限値よりも高い液レベルを保持し、前記範囲の上限値に達した場合に前記脱硫器を停止し、前記脱硫器の停止期間中に前記範囲の下限値に達した場合に前記脱硫器の運転を再開することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 液体燃料を脱硫器にて脱硫した後、改質して水素含有ガスとし、燃料電池のアノード側にアノードガスとして供給し、カソード側に供給される酸素含有ガスと電気化学反応させて発電し、前記脱硫器および脱硫器以外の排熱利用機器の熱源として燃料電池からの排熱エネルギーを用いる燃料電池システムであって、
    脱硫後の燃料を一時的に貯留する二次タンクを有し、該二次タンク内の燃料液レベルを検知するレベル検知手段と、前記脱硫器への排熱供給による温度変化を検知する脱硫器温度検知手段と、レベル検知手段および/又は脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて脱硫器の運転/停止を制御する脱硫制御手段と、前記脱硫器以外の排熱利用機器の熱要求量を検知する熱要求量検知手段と、該熱要求量検知手段からの情報に基づいて前記脱硫器および脱硫器以外の排熱利用機器への排熱供給量比率を制御する排熱比率制御手段と、前記脱硫器温度検知手段からの情報に基づいて、燃料電池に投入する燃料を増加させつつ、同時に燃料電池における水素利用率を低減させることで、発電量を一定に保持したまま必要な熱量を供給する手段を備え、
    かつ、前記二次タンク内の燃料液レベルを、前記脱硫器の停止期間中であっても燃料電池への脱硫後の燃料が供給可能な所定の範囲内に制御するように、前記脱硫器の運転中は前記範囲の下限値よりも高い液レベルを保持し、前記範囲の上限値に達した場合に前記脱硫器を停止し、前記脱硫器の停止期間中に前記範囲の下限値に達した場合に前記脱硫器の運転を再開することを特徴とする燃料電池システム。
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