JP2005166271A - 移動体用改質型燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池への負荷増加時に素早く応答する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素リッチな改質ガスを改質する改質システム2と、改質ガス中の水素と、酸素によって発電する燃料電池1を備える。また、燃料電池1の出力応答遅れの出力を補う二次電池6と、燃料電池1と二次電池6からの出力で車両を駆動させるモータ5を備える。また、改質ガス中の可燃ガスを燃焼する燃焼器4と、燃焼器4で生じた熱によってガソリンと水を加熱する蒸発器3を備える。そして、アクセルによって検出された要求負荷が増えた場合に、二次電池6から出力を補い、燃料電池1で使用される水素量を減少させ、その分の可燃ガスを燃焼器4によって燃焼させ、増加したガソリンと水を加熱する。
【選択図】 図1

Description

本発明は改質型燃料電池システムに関するものである。
近年、電源の一つとして燃料電池が着目されている。燃料電池とは、燃料として最終的に供給される水素やメタノールなどの酸化により発電を行う装置をいい、高効率で発電できる特長がある。また、水素を燃料とする燃料電池から排出されるのは水蒸気であり、有害な成分が含まれないため環境性に非常に優れるという利点もある。
また、メタノールやガソリンなどの炭化水素系燃料から水素を生成し、前記燃料電池に供給する改質器を備える改質型燃料電池システムの研究も盛んに行われている。このような従来の燃料電池システムとしては、例えば、特開2002−124287に示すものがある。
この改質器の内部には改質反応用の触媒が充填されている。例えばメタノールのATR(オートサーマルリフォーミング)反応では、次の二つの反応で表される。
CHOH+HO→CO+3H (1)
CHOH+1/2O→CO+2H (2)
(1) 式は吸熱反応であり、(2)式が発熱反応である。
改質触媒にはこの反応を起こすための最適温度が存在し、メタノールにおいては400℃付近、ガソリンにおいては700℃付近である。
また、200℃以下で作動する燃料電池においては、電極の白金などの触媒が一酸化炭素(CO)により被毒されるため、その燃料電池に供給する水素ガス中のCO濃度は1%以下にする必要がある。また、特に100℃以下で作動する固体高分子型燃料電池に供給する水素含有ガス中のCO濃度は少なくとも数十ppm以下、好ましくは数ppm以下にする必要がある。このため、メタノールやガソリンなどの炭化水素系燃料から水素を生成する改質器を備える改質型燃料電池システムにおいては、一般的に改質器と燃料電池の間に改質器で生成された改質ガス中のCO濃度を低減するためのCO除去触媒を備えたCO除去部が設けられる。
CO除去部の反応としては以下のシフト反応(3)と選択酸化触媒反応(PROX反応)(4)が用いられている。
CO+HO→CO+H (3)
2CO+O→2CO (4)
それぞれの除去部にはシフト反応触媒、PROX反応触媒が存在し、最適触媒温度はそれぞれ、約250℃〜400℃、約200℃である。
液体炭化水素と水は蒸発器によって気化されて改質システムに供給される。この際に蒸発に必要な気化熱として、燃料電池からの排ガスを触媒燃焼器において燃焼させることで得られる燃焼熱を用いる。また、改質器で燃料と水、空気の化学反応によって得た水素は燃料電池にて電気エネルギーに変換される。そこで得た電気エネルギーはモーターなどの電気負荷装置にて使用される。この際に移動体の要求負荷と燃料電池で発生する電気エネルギーのアンマッチを補うためにバッテリーやキャパシタなどの電気貯蔵装置を設ける。
蒸発器においてガソリンと水を蒸発させ、さらに任意温度(ガソリンの場合はガソリン蒸気を300℃程度まで加熱して改質器に供給する。)まで蒸発させるための熱は、燃料電池からのオフガス中の水素が持つ熱量で補うため、蒸発器に供給する燃料および水流量を急激に増やすと燃料および水を気化できない、または、燃料蒸気および水蒸気温度が所定の温度より大幅に低いということになり、燃料改質器内部触媒の温度が急激に下がる。この場合、改質器で生成される改質ガス中の水素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素などのガス成分濃度は、改質器内部温度に依存するので、それらが変動することになる。
そこで改質器負荷応答は通常の場合、要求負荷が起こった時点から、燃料流量および水流量を漸増させる。燃料流量および水流量を増やすと、蒸発器に供給される熱量はそれ以前の出力で熱バランスを保つようになっているので、燃料蒸気および水蒸気温度が所定よりも低い値となる。そこで、発熱反応であるガソリンの酸化反応を促進するために改質器に供給する燃料に対する酸素の割合(O2/C)を上げる。しばらくして、燃料電池からのオフガス量が増大し、燃料および水の蒸発に用いる熱量が増えてくるとまた、燃料流量および水流量を漸増する。この操作を繰り返すことで乗員の負荷応答に応える。この際に改質器内部温度を一定に保つように緩やかな反応を起こすので、乗員の要求負荷に対して、改質システムの応答が遅れる、つまり、バッテリーにかかる負担が大きくなる。このため、乗員の要求負荷に応えるためには大きなバッテリー容量を必要とする問題があり、この問題を解決するため、燃焼器に補助燃料を供給することで蒸発器の応答遅れを防ぐものが特許文献1に記載されている。
特開2002−343402号公報
しかし、上記の発明では、触媒燃焼させるには、補助燃料をあらかじめ気化させるか、または、燃料を直接気相燃焼させるための燃焼器を設ける必要があり、システムが複雑化する問題がある。また、直接燃料を気相燃焼させる場合には、システムから放出される未燃炭化水素や一酸化炭素などの有害排気成分が増加するといった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、簡単な構成で要求出力に素早く応じた燃料電池の出力を達成することを目的とする。
本発明では、炭化水素系の原料と水と酸素から水素リッチな改質ガスを生成する改質器を備えた改質システムと、改質システムから供給される改質ガス中の水素と、酸素によって発電を行う燃料電池を備える。また、燃料電池の出力の一部を蓄える蓄電手段と、燃料電池と蓄電手段からの電力によって作動する負荷手段を備える。更に燃料電池から排出された改質ガス中の可燃ガスを燃焼する燃焼手段と、燃焼手段で発生した熱により原料と水を加熱する加熱手段と、燃料電池に要求される出力を検知する出力検出手段と、出力検出手段によって検出された燃料電池の要求出力が増加した場合に、蓄電手段からの電力供給量を一時的に増加させ、燃料電池で消費される水素量を制限して、燃料電池から排出される排出可燃ガス量を増加させる水素使用制限手段と、を備える。
本発明によると、例えば燃料電池への要求負荷が増加した場合に、燃料電池で使用する水素量を制限することで燃料電池から排出された排出水素ガス中の水素などの可燃原料を燃焼手段で燃焼し、その燃焼熱によって原料と水を素早く加熱できる。
本発明の第1実施形態の構成を図1のブロック図を用いて説明する。
本発明のパワープラントシステムは、炭化水素系の原料と水と酸化剤から水素を生成する改質システム2と、改質システム2によって改質された水素リッチな改質ガスと空気中に含まれる酸素によって、発電を行う燃料電池1を備える。また、改質システム2に供給する原料と水を蒸発させる加熱手段である蒸発器3と、燃料電池1から排出される未燃水素を含んだ排出水素ガスを燃焼する燃焼手段である燃焼器4を備える。更に、燃料電池1で発電した電力によって動作し、例えば車両の駆動力源として機能するモータ5(負荷手段)と、燃料電池1と共にモータ5を作動させる電力を蓄える蓄電手段である二次電池6を備える。
蒸発器3は、水タンク7と燃料タンク8から供給された水とガソリンを、燃焼器4によって発生した高温の燃焼ガスによって加熱、気化し、改質システム2へ供給する。なお、本発明では炭化水素系の原料としてガソリンを使用する。
改質システム2は、蒸発器3によって気化したガソリンと水と、コンプレッサ9によって外部から供給される空気とから、一酸化炭素濃度が数ppm以下の水素リッチな改質ガスを生成する。改質システム2には改質システム2の温度を検出する温度センサ11を備える。また、改質システム2と燃料電池1との間には、改質ガス中の水素濃度を検出する水素濃度センサ12を備える。改質システム2は、例えばATR反応器、シフト反応器、選択酸化反応器などから構成される。
燃焼器4は、燃料電池1のアノードから排出された排出ガス中に含まれ、燃料電池1の発電に使用されなかった水素を燃焼し、高温の燃焼ガスを生成し、その燃焼ガスを蒸発器3へ供給する。ここで、燃焼器4は、例えば触媒を使用した触媒燃焼器である。
また、本発明のパワープラントシステムを制御するコントローラ20を備える。
要求負荷(要求出力)が増加したときに、二次電池6からの電力供給を一時的に増やす一方で、コントローラ20は、燃料電池1から取り出す電力を一時的に抑えて燃料電池1の排出水素ガス中の未燃水素量を一時的に増やし、蒸発器3を急速に暖めてから要求負荷が増加した分のガソリンと水を蒸発器3に供給することで蒸発器3において、ガソリンと水を素早く加熱する。これにより、改質システム2での改質ガスの生成量を応答よく増加可能とする。
次にコントローラ20が行う制御動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
ここで、パワープラントシステムの起動後に燃料電池1に対する要求負荷がPであるとする。この要求負荷Pでは、パワープラントシステムのエネルギーバランスが平衡にあり、燃料電池1の図示しないアノードから排出された未燃の水素を含んだ排出水素ガスを、燃焼器4によって燃焼した時の燃焼器4による燃焼エネルギー(発熱量)は、蒸発器3で燃料と水を蒸発させるために必要なエネルギーに等しいものとする。また、この時の蒸発器3の温度はTである。なお、モータ5を駆動するための電力は、全て燃料電池1の発電によって賄われているものとする。
ステップS20では、要求負荷が変化したかどうか判断する。要求負荷が変化している場合は、ステップS21へ進み、要求負荷が変化していないときは、現在の状態を維持する。
ステップS21では、要求負荷が増加したか、それとも減少したかを判断し、要求負荷が増加したときには、ステップS22へ進み、減少したときにはステップS23へ進む。
ステップS22は要求負荷増加サブルーチンであり、ステップS23は要求負荷減少サブルーチンである。
まず、要求負荷増加サブルーチンについて図3のフローチャートを用いて説明する。要求負荷増加サブルーチンは、ステップS31で水素使用制限手段である要求負荷応答サブルーチンを行った後に、ステップS32で蒸発器温度低下サブルーチンを行う。
ここでは、要求負荷応答サブルーチンについて、図4のフローチャートを用いて説明し、更に蒸発気温度低下サブルーチンについては、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず要求負荷応答サブルーチンでは、ステップS41において、要求負荷の変化を検出する。ここでは要求負荷がPからPdemに変化(P<Pdem)したものとする。なお、要求負荷は出力検出手段である運転者のアクセルの踏み込み量によって検出する。
ステップS42では、燃料電池1の出力をPよりも小さいPに設定し、二次電池6の出力をPに設定する。ここで、燃料電池1の出力Pと二次電池6の出力Pの決定方法について説明する。なお、PとPの合計エネルギー量は要求負荷が変化する前の要求負荷Pとなる。
要求負荷の増加により、改質システム2において改質に必要なガソリンの流量をFdemとし、要求負荷がPのときのガソリン流量をFとするとガソリンの発熱量と要求負荷変化の間には式(1)が成り立つ。ここで、ガソリン流量Fは、燃料電池1で出力Pを発電するために燃料電池1で消費される水素流量と、蒸発器3でガソリンと水を蒸発させ、かつ所定の温度まで加熱するために燃焼器4で消費される水素流量の合計流量を改質システム2において改質する流量である。また、Fdemは同様に要求負荷増加によって、改質システム2において改質する流量である。
(Fdem−F)×H×ηref×ηFC=(Pdem−P) 式(1)
ここで、H:ガソリンの低発熱量、ηref:改質システム2のエネルギー効率、ηFC:燃料電池3のエネルギー効率とする。
要求負荷変化に応じてガソリンを蒸発させ、かつ所定温度まで上昇させるために必要な熱量ΔPgvapは、次式で表す。ここで所定温度は、蒸発させたガソリンを改質システム2に供給しても、改質システム2の温度を下げ過ぎないガソリンの温度である。この温度は実験などによって予め設定されている。
ΔPgvap=(Fdem−F)×Hgvap 式(2)
ここで、Hgvapは次式で表される定数である。
gvap=ΔTgliq×Cpgliq+Δhgvap+ΔTggas×Cpggas 式(3)
ここで、ΔTgliq:ガソリンの沸点と室温の温度差、Cpgliq:ガソリン(液体)の比熱、Δhgvap:ガソリンの蒸発熱、ΔTggas:ガソリンの沸点と所定温度の温度差、Cpggas:ガソリン(気体)の比熱とする。
また、水についてもガソリンと同様に増加し、水を蒸発、かつ所定温度まで上昇させるために必要な熱量ΔPwvapは、次式で表す。ここで所定温度はガソリンと同様に定義され、実験などによって予め設定されている。
ΔPwvap=S×(Fdem−F)×Hwvap 式(4)
ここで、Hwvapは次式で表される定数である。
wvap=ΔTwliq×Cpwliq+Δhwvap+ΔTwgas×Cpwgas 式(5)
ここで、ΔTwliq:水の沸点と室温の温度差、Cpwliq:水(液体)の比熱、Δhwvap:水の蒸発熱、ΔTwgas:水の沸点と所定温度の温度差、Cpwgas:水(気体)の比熱とする。また、Sは改質システム2で改質ガスを生成する際にガソリンに対して改質に必要な水の流量比であり、ここでは20とする。
要求負荷Pでは、パワープラントシステムのエネルギーバランスが平衡にあり、燃料電池1から排出された未燃の水素を含んだ排出水素ガスを、燃焼器4によって燃焼した時の燃焼器4による燃焼エネルギー(発熱量)は、蒸発器3で燃料と水を蒸発させるために必要なエネルギーに等しい。そのため燃料電池1の出力をP1と低下させ、その分の水素を燃焼器4で蒸発器3を加熱するために使用すると、二次電池6は減少した燃料電池1の出力を補わなければならない。そして、燃料電池1の低下した分の出力、すなわち二次電池6が必要とされる出力Pは、要求負荷増加によって増えるガソリンと水を蒸発器3で蒸発させ、かつ所定温度まで加熱するために必要な熱量であるので、Pは次式のように表すことができる。
=(ΔPgvap+ΔPwvap)×ηFC 式(6)
ここで、式(1)、式(2)、式(4)、式(6)から二次電池6がモータ5へ供給するエネルギーPは次式で表すことができる。
=(Pdem−P)×(Hgvap+S×Hwvap)/(H×ηref) 式(7)
また、燃料電池1のこのときの出力Pは次式で表すことができる。
=P−P 式(8)
このようにステップS42では、要求負荷が増加したときにガソリンと水の流量を増やす前に、蒸発器3を加熱する際に設定する燃料電池1の出力Pと、二次電池6の出力Pを算出する。なお、ηref及び、ηFCは改質システム2と燃料電池1の出力によって変化する値であり、予め改質システム2の出力とηref、及び燃料電池1とηFCの関係をマッピングしておき、燃料電池出力がP、Pのときの各ηref、ηFCをマップから読み出す。
ステップS43では、燃料電池1の出力をステップS42で算出されたPと設定する。これによって燃料電池1へ供給される改質ガスの流量は増加しないが、燃料電池1の出力を減少させるので、燃料電池1のアノードから排出される排出水素ガス中の水素量は増加する。この排出水素は燃焼器4によって燃焼し、高温の燃焼ガスを蒸発器3へ供給する。ここで燃焼器4で燃焼する水素量が増えるので、蒸発器3でガソリンと水に与える熱量が多くなり、蒸発器3の温度は上昇する。
ステップS44では、蒸発器3の温度を熱電対11によって検出し、蒸発器3の温度上昇率Rを或る所定の温度上昇率Rdemと比較する。そしてRがRdemよりも大きくなった場合には、燃焼器4からの高温ガスで蒸発器3の温度が十分に上昇したと判断し、ステップS45へ進む。ここで或る所定の温度上昇率Rdemは例えば、1℃/秒と設定する。
ステップS45では、蒸発器3へ供給するガソリンと水の流量をそれぞれFdemとS×Fdemまで増加させる。燃料電池1で使用されなかった水素を燃焼器4で燃焼して発生した発熱量が、ガソリンの流量Fdemと水の流量S×Fdemを蒸発させ、かつ所定温度まで昇温させるように設定しているので、ガソリンと水の流量がそれぞれFdemとS×Fdemとなると、蒸発器3の温度上昇は停止する。
ステップS46では、燃料電池1のアノード入口に設けた水素濃度センサ12によって水素濃度を検出し、水素濃度とガソリン流量もしくは水流量をかけることで、燃料電池1へ流入する水素量Qを算出する。そして改質システム2によって改質された改質ガス中の水素量Qが、下記式(9)で表される或る所定値Qdemよりも大きくなったかを判断する。すなわち、要求負荷増加によって要求された改質ガスの流量が、改質システム2によって改質されたかどうかを判断する。そして、QがQdemよりも大きくなると要求負荷を満たす改質を行っていると判断して要求負荷サブルーチンを終了し、ステップS32の蒸発器温度低下サブルーチンを開始する。Qdemは要求負荷Pdemに対応した水素量であり、次式で表すことができる。
dem=(Pdem/ηFC+Fdem×(Hgvap+S×Hwvap))/HH2 式(9)
ここで、HH2は水素の低発熱量である。なお、水素量Qは、予め燃料電池負荷電流と電圧とストイキ比(燃料電池1に供給される水素量/燃料電池1において消費される水素量)を3次元マッピングしておき、負荷電流と電圧から求められるストイキ比から供給水素量を演算してもよい。
次に蒸発器温度低下サブルーチンについて図5を用いて説明する。
ステップS50では、燃料電池1の出力を要求負荷Pdemよりも高いPに設定する。燃料電池1の出力を要求負荷Pdemよりも高くすると燃焼器4へ供給される水素量が低下するので、燃焼器4で発生する高温ガスの温度が低下し、蒸発器3の温度も低下する。また、燃料電池1の出力を要求負荷Pdemよりも高くするので、余剰の出力(発電量)P=P−Pdemを二次電池6に充電する。これにより、要求負荷増加サブルーチンにおいて消費した二次電池6の電力を補充し、更に、燃焼器4の温度を素早く下げることができる。
ステップS51では、温度センサ11によって蒸発器3の温度Tを検出し、Tと蒸発器3の初期温度Tを比較する。そしてTがTとなるとステップS52へ進み、燃料電池1の出力を要求負荷Pdemに設定し、二次電池6の充電を停止する。
以上が、ステップS22の要求負荷増加サブルーチンであり、これらの制御を行うことによって、燃料電池1への負荷が増加したときに、素早く要求負荷に応じた出力を供給することができる。また、改質にガソリンと水を使用すると、上記式(4)のSをS=20と仮定するとPの値はPdemと比較すると約1/4となり、二次電池6の容量を小さくすることができる。
次に、要求負荷増加サブルーチンを図6(a)から(e)のタイムチャートを用いて説明する。
t0において、燃料電池1は負荷変化の無い運転を行っている。この時の要求負荷はP、ガソリンと水の流量はそれぞれF、S×Fである。また、燃料電池1の出力はP、二次電池6の出力は0である。更に蒸発器3の温度はTである。
t1において、燃料電池1への要求出力がPdemに変化すると、ガソリンと水の流量は変化させずに、燃料電池1の出力をPに下げる。そして、PからPへ減少した燃料電池1の出力分を二次電池6からの出力Pによって補う。これによって、燃料電池1のアノードから排出される排出ガス中の未燃の水素量が増え、この増加した水素を燃焼器4によって燃焼するので、蒸発器3へ供給する熱量が増加し、蒸発器3の温度が上昇する。
t2において、蒸発器3の温度が高くなり、所定温度(ステップS44)となると、ガソリンと水の流量を要求負荷に応じたFdemとS×Fdemに設定する。
増加したガソリンと水が蒸発器3によって加熱され、その後改質システム2によって改質され、改質ガスが燃料電池1に供給されるので、ガソリンと水の流量を増加しても燃料電池1の出力が高くなるまでには時間がかかる。t3において、改質システム2において、改質システム2が要求負荷に応じた改質ガスを改質し、その改質ガスによって燃料電池1の出力がPとなる。また、燃料電池1で余剰に発電された電力Pを二次電池6に充電する。燃料電池1は要求負荷Pdemよりも高い出力Pで発電を行うので、燃焼器4へ供給される水素量が減少し、それに伴って、蒸発器3の温度が下がり始める。t1からt3の時間の要求負荷に対する応答遅れが存在するが、本発明によって、この応答時間を短くすることができる。
t4において、蒸発器3の温度がTとなると燃料電池1の出力を要求負荷Pdemに設定し、二次電池6の充電を終了する。
次にステップS23の要求負荷低下サブルーチンについて図7を用いて説明する。
要求負荷増加サブルーチンでは、ステップS70において、要求負荷がPからPdem’に変化(P>Pdem’)する。ここで、要求負荷は運転者のアクセルの踏み込み量によって検出する。
ステップS71では、要求負荷Pdem’に応じてガソリンと水の流量をそれぞれFdem’、S×Fdem’と設定する。
ステップS72では、ステップS71で設定されたガソリンと水を蒸発器3において蒸発させ、かつ所定温度まで上昇させるために必要な熱量を算出し、燃料電池1の出力を調整する。なお、ガソリンと水を蒸発器3において蒸発させ、かつ所定温度まで上昇させるために必要な熱量は、それぞれ上記式(2)、(4)から次式で表される。
gvap’=Fdem’×Hgvap 式(10)
wvap’=S×Fdem’×Hwvap 式(11)
また、燃料電池1の出力P’は、次式で表せる。
’=(QH2×HH2−(Pgvap’+Pwvap’))×ηFC 式(12)
ここで、QH2は燃料電池1へ供給される改質ガス中の水素量であり、水素濃度センサ12によって水素濃度を検出し、また、図示しない流量計によって改質ガスの流量を検出し、これらより算出される。そして燃料電池1の出力をP’と設定する。燃料電池1の余剰の電力P’=P’−Pdem’は二次電池6に充電される。これによって、蒸発器3で要求負荷に応じて必要なガソリンと水を蒸発させる熱量を燃焼器4によって発生させることができる。
ステップS73では、燃料電池1の出力P’と要求出力Pdem’を比較し、P’とPdem’が等しければ、要求負荷低下サブルーチンを終了する。
次に、要求負荷低下サブルーチンを図8(a)から(e)のタイムチャートを用いて説明する。
t0において、燃料電池1は負荷変化の無い運転を行っているものとする。この時の要求負荷はP’、ガソリンと水の流量はそれぞれF’、S×F’である。また、燃料電池1の出力はP’、二次電池6の出力は0である。更に蒸発器3の温度はT’である。
t1において、要求負荷がPdem’に変化すると、それに伴ってガソリンと水の流量をそれぞれFdem’、S×Fdem’と設定する。また、燃料電池1の出力をP’と設定し、発電された余剰の電力P’=P’−Pdem’を二次電池6によって充電する。
t2において、燃料電池1の出力P’が要求負荷Pdem’となり、二次電池6に充電される電力は0となる。
以上によって、要求負荷低下サブルーチンでは、要求負荷に応じて蒸発器3へ供給するガソリンと水の流量を素早く調整し、燃料電池1のアノードから排出される排出水素量を調整し、燃焼器4での発熱量をガソリンと水の流量に応じた発熱量とすることで、燃料電池1が素早く応答することができる。
また、要求負荷低下サブルーチンでは、要求負荷増加サブルーチンと同様に、燃焼器3での発熱量を要求負荷のガソリンと水を蒸発させる熱量とした後に、流量を要求負荷の流量としても良い。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
ここで、本発明を用いない場合の制御方法について説明する。図9のフローチャートを用いて簡単に説明する。
ステップS90では、要求負荷Pdemを感知する。ステップS91では、現在のガソリンと水の流量からΔQ、ΔQ増加させる。このとき不足する出力は、二次電池6で補うものとする。
ステップS92では、増加したガソリンと水によって、改質システム2内部の温度Trefが下がり、所定の温度よりも低くなる。
ステップS93では、ステップS92で温度の下がった改質システム2の温度を上げるために、改質システム2へ供給している酸素量を増やし、改質システム2で発熱反応を促進させ、改質システム2の温度を上昇させる。
ステップS94では、改質システム2の温度がTref0まで上昇すると、ステップS95へ進む。
ステップS95では、燃料電池1の出力PFCを検出し、その出力が要求出力Pdemまで達していないときにはステップS91へ戻り、燃料電池1が要求出力Pdemとなるまで、上記制御を繰り返す。
また、この場合のタイムチャートを図10(a)から(d)を用いて簡単に説明する。
t0において、要求負荷Pであるとする。そして、t1において、要求負荷がPdemになる。そして、ガソリンと水の流量をΔQ、ΔQ増加させる。このとき、不足する負荷は二次電池6で補う。t2において、増加したガソリンと水を改質し、改質ガスによって、燃料電池1の出力が、徐々に上昇する。また、燃料電池1の出力上昇に伴って、二次電池6の出力が低下する。t3において、要求負荷Pdemに応じたガソリンと水の流量に達し、t4において、要求負荷Pdemに応じた改質ガスを燃料電池1へ供給し、燃料電池1の出力PFCが、要求出力Pdemとなる。従って、t1からt4までが、応答遅れ時間である。
本発明では、燃料電池1への要求負荷が増加した場合に、燃料電池1の出力を低くし、燃料電池1から排出される排出水素ガス中の水素量を多くし、その水素を燃焼器4で燃焼させる。そして、蒸発器3を加熱した後に要求負荷に応じたガソリンと水の流量を流し、蒸発させ改質システム2に供給する構成としたので、燃料電池システムの出力応答をシステムを複雑化することなく早めることができる。
また、燃料電池1の出力を下げたときの出力を二次電池6で補充し、改質システム2が要求負荷に応じた改質ガスを改質するようになった後に、燃料電池1の出力を要求負荷よりも高くし、排出水素ガス中の水素量を減少する。これによって、燃焼器4の温度を素早く下げることができ、このときの燃料電池1の余分な出力を二次電池6に充電することができるので、二次電池6の容量を少なくすることができ、燃料電池システムを小型にすることができる。
燃焼器4へ供給する水素量が、燃料電池1での水素利用を制限することで行うために、新たな制御装置を用いる必要がなく、簡単な構成で燃焼器4への水素量を調整することができる。
次に本発明の第2実形態について図11のブロック図を用いて説明する。
第2実施形態については図1と異なる部分を中心に説明する。この実施形態では改質システム2にガソリンと水と空気によって水素リッチな改質ガスを生成するATR反応器21と、ATR反応器21で生成された改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する水成一酸化炭素低減装置であるシフト反応器22と、シフト反応器22で一酸化炭素濃度を低減した改質ガス中の一酸化炭素濃度を更に低減する選択酸化反応器23を備える。また、コンプレッサ9からATR反応器21へ供給する空気量を制御する空気流量制御手段である流量制御弁13と、選択酸化反応器23へ供給する空気量を制御する流量制御弁14を備える。
ATR反応器21は、燃料タンク8と水タンク7から供給され、蒸発器3によって蒸発、加熱されたガソリンと水と、コンプレッサ9から流量制御弁13によって流量を制御された空気によって水素リッチな改質ガスを生成する。ATR反応器21はATR反応器21内の温度を検出する温度センサ16を備える。
シフト反応器22は、ATR反応器21で生成された改質ガス中の一酸化炭素を水タンク7から蒸発器3を介し、蒸発器3によって蒸発された水蒸気で約1%程度まで低減する。なお、水蒸気の流量は流量制御弁15によって制御される。
選択酸化反応器23は、シフト反応器22で低減した改質ガス中の一酸化炭素を、コンプレッサ9から流量制御弁14によって流量を制御された空気(酸素)によって数十ppm以下に低減する。
その他の構成については第1実施形態と同じである。これらの構成とすることで、要求負荷の増加時に素早く出力応答することができる。
次にコントローラ20が行う要求負荷(要求出力)の増加時の制御動作について図12のフローチャートを用いて説明する。
ステップS120では、燃料電池1に要求される要求負荷を検出する。要求負荷は運転者のアクセルの踏み込み量によって検出する。なお、以下の制御において、要求負荷に対する燃料電池1の出力応答の遅れ分は、二次電池6で補うものとする。
ステップS121では、要求負荷を満たすために必要なガソリンと水の流量を現在の蒸発器3において、蒸発できるかどうか判断する。ガソリンと水の全流量を蒸発可能であれば、ステップS123へ進み、全流量を蒸発不可能であれば、ステップS122の増加負荷大サブルーチンへ進む。つまり、現在の燃焼器4の発熱量から、要求負荷を満たすために必要なガソリンと水の流量を蒸発できるどうか判断する(ステップS121が蒸発判断手段である)。
ステップS121で要求負荷を満たすガソリンと水の全流量を蒸発できないと判断すると、ステップS122へ進む。ここでは、ステップS122の増加負荷大サブルーチンについて図13のフローチャートを用いて説明する。
ステップS130では、要求負荷増加前の燃料電池1のアノードから排出されている排出水素ガス中の水素を燃焼器4によって燃焼した高温ガスを用いて、蒸発器3で蒸発可能なガソリンと水の流量を算出する。これは図示しない温度センサによって燃焼器4の温度を検出し、予め実験などによって求められたマップなどから燃焼器4の温度と蒸発器3で蒸発可能なガソリンと水の流量を算出する。
ステップS131では、ステップS130で算出された燃焼器4で発生する高温ガスの発熱量で蒸発させることのできるガソリンと水の流量を蒸発器3へ供給し、蒸発させ、その後ATR反応器21へ供給する。すなわち、要求負荷を満たすために必要なガソリンと水流量よりも少ないガソリンと水の流量を蒸発器3で蒸発させ、ATR反応器21へ供給する。
ステップS131でATR反応器21へ供給されたガソリンと水は、定常運転状態の温度である所定温度T、Tよりも低いので、ATR反応器21の温度は低下する。ステップS132では、ATR反応器21の温度TATRを温度センサ16によって検出し、TATRを閾温度TATR1と比較する。そしてTATRがTATR1よりも低い場合は、ステップS133の急速負荷応答サブルーチンへ進み、高い場合はステップS134の通常負荷応答サブルーチンへ進む。ここで所定温度Tは、蒸発させたガソリンをATR反応器21に供給しても、ATR反応器21の温度を下げないガソリンの温度である。この温度は実験などによって予め設定されている。Tも同様に、ATR反応器21の温度を下げない水の温度である。ここで要求負荷の増加が小さい場合には、後述する通常負荷応答サブルーチンで応答した方が応答は早く、要求負荷の増加が大きい場合には、後述する急速負荷応答サブルーチンで応答した方が応答は早くなる。つまり、通常負荷応答サブルーチンと急速負荷応答サブルーチンを切り換える温度がTATR1である。なお、閾温度TATR1は実験などによって求められ、約500℃から約700℃の間で決まる温度(例えば600℃)である。
その後、ステップS120へ戻り、上記ステップを繰り返す。すなわち、増加負荷大サブルーチン(ステップS130〜ステップS134)は、要求負荷増加に対して段階的にガソリンと水の流量を増加させ、要求負荷増加に応えていくサブルーチンである。
ここで、ステップS133の急速負荷応答サブルーチンについて図14のフローチャートを用いて説明する。
ステップS140では、ステップS132で検出したATR反応器21の温度TATRと閾値TATR2を比較する。そしてTATRがTATR2ではない場合(高い場合)はステップS141へ進み、TATRがTATR2となった場合はステップS142へ進む。ここでTATR2はTATR1よりも低い温度であり、例えば400℃と設定する。
ステップS141では、流量制御弁13によってコンプレッサ9からATR反応器21へ供給される空気流量を減少して、ATR反応器21の発熱反応を低下し、ATR反応器21の温度を低下させ、TATR2となるようにする。ここで、空気流量を制御する代わりに、ATR反応器21へ供給する水の流量を増加して、ATR反応器21の温度を低下させてもよい。
ATR反応においては、反応温度が700℃より低いと、改質ガス中のガス成分濃度が変化する。温度が低い場合は、水素濃度、一酸化炭素濃度が低下し、メタン濃度が高くなる。ステップS140とステップS141ではATR反応器21の温度TATRを低下させることで、ATR反応器21で生成する改質ガスの成分を変化させる。ステップS140で設定したTATR2(400℃)は、特に一酸化炭素濃度が約1%程度となる温度である。ここで、ATR反応器21で生成される改質ガス中の一酸化炭素濃度をATR反応器21の温度によって推定したが、この代わりにATR反応器21の下流に一酸化炭素濃度センサを設け、一酸化炭素濃度センサによって一酸化炭素濃度を検出してもよい(ステップS140、S141が水素濃度制御手段を構成する)。
ステップS140、S141でATR反応器21によって改質された改質ガス中の一酸化炭素濃度が約1%となっているので、シフト反応器22でのシフト反応は必要ではなく、その下流の選択酸化反応器23で改質ガス中の一酸化炭素を更に低減する。ステップS142では、そのためにシフト反応器22へ供給している水蒸気の流量を制御する流量制御弁15を全閉とし、シフト反応器22でのシフト反応による一酸化炭素低減反応を停止する。これにより、蒸発器3でシフト反応器22へ供給する水を蒸発させるために必要な熱量をATR反応器21へ供給するガソリンと水を加熱するために使用することができる。
また、ATR反応器21の温度を調整することで、改質ガス中の水素濃度が低下し、メタン濃度が上昇するが、燃料電池1でメタンは消費されずに燃料電池1から排出され、燃焼器4によって燃焼する。これによって、燃焼器4で発生する発熱量が多くなり、蒸発器3でATR反応器21へ供給するガソリンと水を加熱し、ガソリンと水の温度を素早く上昇させることができる。
ステップS143では図示しない温度センサによって蒸発器3下流でのガソリン温度Tgvapと水の温度Twvapを検出し、これらの温度Tgvap、Twvapを定常状態の所定温度T、Tと比較する。そして、Tgvap、Twvapの両温度がそれぞれT、Tを超えると、ガソリンと水が十分に加熱されたと判断し、ステップS144へ進む。
ステップS144では、流量制御弁13を調整し、コンプレッサ9からATR反応器21へ供給する空気流量を増加させる。これによって、ATR反応器21の発熱反応が活性化され、ATR反応器21の温度が上昇する。
ステップS145では、ATR反応器21の温度TATRを温度センサ16によって検出し、閾値TATR2と比較する。そしてTATRがTATR2よりも大きくなると、ステップS146へ進む。
ステップS146では、ATR反応器21の温度上昇に伴って、ATR反応器21から排出される改質ガス中の一酸化炭素濃度が高くなるので、流量制御弁15を開いて、蒸発器3から水をシフト反応器22に供給し、シフト反応を開始する。これによって、シフト反応器22で改質ガス中の一酸化炭素濃度を約1%程度まで低減する。
ステップS147では、ATR反応器21の温度TATRを温度センサ16によって検出し、ATR反応器21の定常状態での温度TATR0と比較する。ここで、TATR0は予め設定された温度であり、例えば700℃である。そして、TATRがTATR0となると、急速負荷応答サブルーチンを終了する。
以上の急速負荷応答サブルーチン(ステップS140〜ステップS147)では、蒸発器3から供給されたガソリンと水によってATR反応器21の温度の低下が大きいときには、一時的にATR反応器21の温度を下げることで、ATR反応器21の改質成分を変化させる。これによって燃料電池1での発電量を低下させ、燃焼器4での発熱量を上昇させ、燃焼器4で発生する高温ガスによって、蒸発器3でガソリンと水を素早く加熱することができ、供給されているガソリンと水を素早く加熱することができる。
次にステップS134の通常負荷応答サブルーチンについて図15のフローチャートを用いて説明する。
ステップS150では、流量制御弁13を調整し、コンプレッサ9からATR反応器21へ供給する空気流量を増加させる。これによって、ATR反応器21の発熱反応を活性化させ、ATR反応器21の温度を上昇させる。
ステップS151では、ATR反応器21の温度TATRを温度センサ16によって検出し、ATR反応器21の定常状態での所定温度TATR0と比較する。そして、TATRがTATR0となると、通常負荷応答サブルーチンを終了する。
以上の通常負荷応答サブルーチンによって蒸発器3から供給されたガソリンと水によってATR反応器21の温度の低下が小さいときには、流量制御弁13によってATR反応器21へ供給する空気流量を増やすことによって、ATR反応器21の発熱反応を活性化し、ATR反応器21の温度を素早く上昇させる。
以上のステップS130〜S134、ステップS140〜S147、ステップS150、S151がステップS122の増加負荷大サブルーチンを説明するものである。
これによって、ATR反応器21温度によって、急速負荷応答サブルーチンと通常負荷応答サブルーチンに分けて応答することで、素早くガソリンと水、またはATR反応器21を加熱することができ、その後、ATR反応器21へ供給するガソリンと水の流量を増やすことができる。
ステップS121でガソリンと水を全て蒸発することが可能な場合は、ステップS123へ進む。ステップS123では、要求負荷を満たすガソリンと水の全流量を蒸発器3によって蒸発させ、ATR反応器21に供給した後に、ATR反応器21が定常状態になる温度を算出する。これは、ガソリンと水の流量と、ガソリンと水の温度と、ATR反応器21の温度の関係をマッピングしたものを予め実験などによって求め、記憶させておき、そのマップより温度TATRを読み出す。ここでは、要求負荷が増加するので、ガソリンと水の流量を増加させると、ATR反応器21の温度は下がり、予想される温度TATRが閾値TATR1よりも高温かどうか判断する。TATRがTATR1よりも高い場合は、要求負荷の増加量が多くないと判断し、ステップS124の増加負荷小サブルーチンへ進む。TATRがTATR1よりも低い場合は、要求負荷の増加量が多いと判断し、ステップS125の増加負荷中サブルーチンへ進む。
次に、ステップS124の増加負荷小サブルーチンについて図16のフローチャートを用いて説明する。
増加負荷小サブルーチンでは、ステップS121で蒸発器3によって要求負荷に応じたガソリンと水を蒸発可能と判断したので、ステップ160において、要求負荷に応じたガソリンと水を蒸発器3へ供給し、ガソリンと水を蒸発させる。
ステップS161では、ステップS123で予想したATR反応器21の温度低下が少ないので、通常負荷応答サブルーチンを行う。この通常負荷応答サブルーチンは図15で説明したステップS150とステップS151と同じなので、ここでの説明は省略する。
また、ステップS125の増加負荷中サブルーチンについて図17のフローチャートを用いて説明する。
ステップS121で蒸発器3によって要求負荷に応じたガソリンと水を蒸発可能と判断したので、ステップ170において、要求負荷に応じたガソリンと水を蒸発器3へ供給し、ガソリンと水を蒸発させる。
ステップS171では、ステップS123で予想したATR反応器21の温度低下が大きいので、急速負荷応答サブルーチンを行う。この急速負荷応答サブルーチンは図14で説明したステップS140〜S147と同じなので、ここでの説明は省略する。
なお、要求負荷が減少した場合については、第1実施形態で説明した制御と同じ制御を行う。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
燃料電池1への要求負荷が増加した場合に、ATR反応器21の温度に応じて急速負荷応答サブルーチンと通常負荷応答サブルーチンの2つの制御方法のうち、出力応答時間の短い制御を選択し、行うことで、燃料電池システムの出力応答を素早く行うことができる。
急速負荷応答サブルーチンでは、ATR反応器21の温度を下げることで、ATR反応器21で燃料電池1で消費されないメタンを生成し、このメタンを燃焼器4で燃焼させ、その発熱によって改質原料であるガソリンと水を加熱するので、モータ5などの電子負荷装置を制御せずに、簡単な構成で燃料電池システムの出力応答を素早く行うことができる。また、このとき、ATR反応器21で生成される改質ガス中の一酸化炭素濃度が十分に低くなるので、シフト反応器22において一酸化炭素を低減する必要がない。このためシフト反応器22で必要な水蒸気発生させるための熱量をATR反応器21に必要なガソリンと水を蒸発させるために使用することができ、ガソリンと水を素早く加熱することができ、燃料電池システムの出力応答を素早く行うことができる。
ATR反応器21の温度制御をATR反応器21へ供給される水または空気の流量で行うので、ATR反応器21の温度を正確に、素早く制御することができる。
本発明では、要求負荷の検出にアクセルの踏み込み量(アクセル開度)を用いたが、オートクルーズなどの自動運転モードにおいて本発明を用いる場合には、ナビゲーションシステムなどの経路予測手段を用いてもよい。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
本発明は、移動体に搭載された燃料電池システムに利用することができる。
本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の基本フローチャートである。 本発明の第1実施形態の負荷増加サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の要求負荷応答サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の蒸発気温度低下サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の負荷増加のときのタイムチャートであり、(a)要求負荷のタイムチャートである。(b)ガソリン、水のタイムチャートである。(c)燃料電池出力のタイムチャートである。(d)二次電池のタイムチャートである。(e)蒸発器温度のタイムチャートである。 本発明の第1実施形態の要求負荷減少サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の負荷減少のときのタイムチャートであり、(a)要求負荷のタイムチャートである。(b)ガソリン、水のタイムチャートである。(c)燃料電池出力のタイムチャートである。(d)二次電池のタイムチャートである。(e)蒸発器温度のタイムチャートである。 本発明を用いない場合の負荷増加を説明するフローチャートである。 本発明を用いない場合の負荷増加を説明するタイムチャートであり、(a)要求負荷のタイムチャートである。(b)ガソリン、水のタイムチャートである。(c)燃料電池出力のタイムチャートである。(d)二次電池のタイムチャートである。 本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態の負荷増加のときの基本フローチャートである。 本発明の第2実施形態の負荷増加大サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の急速負荷応答サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の通常負荷応答サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の負荷増加小サブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の負荷増加中サブルーチンを説明するフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
2 改質システム
3 蒸発器(加熱手段)
4 燃焼器(燃焼手段)
5 モータ(負荷手段)
6 二次電池(蓄電手段)
11 温度センサ
12 水素濃度センサ
13 流量制御弁
14 流量制御弁
15 流量制御弁
16 温度センサ
20 コントローラ
21 ATR反応器
22 シフト反応器(水成一酸化炭素除去装置)
23 選択酸化反応器

Claims (12)

  1. 炭化水素系の原料と水と酸素から水素リッチな改質ガスを生成する改質器を備えた改質システムと、
    前記改質システムから供給される改質ガス中の水素と、酸素によって発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の出力の少なくとも一部を蓄える蓄電手段と、
    前記燃料電池と前記蓄電手段からの電力で作動する負荷手段と、
    前記燃料電池から排出された前記改質ガス中の可燃ガスを燃焼する燃焼手段と、
    前記炭化水素系の原料と前記水を前記燃焼手段で発生した熱により加熱する加熱手段と、
    前記燃料電池の要求出力を検知する出力検出手段と、
    前記出力検出手段によって検出された前記燃料電池の要求出力が増加した場合に、前記要求出力に応じて前記蓄電手段からの電力供給量を一時的に増加すると共に、前記燃料電池で消費される水素量を制限して、前記燃料電池から排出される排出可燃ガス量を増加させる水素使用制限手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水素使用制限手段は、前記要求出力の増加時に前記燃料電池で消費される前記改質ガス中の水素利用率を一時的に下げることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池での前記水素利用率の制限により増加する前記燃焼器での発熱量は、前記増加した要求出力に必要な前記原料と前記水を、前記改質器で前記改質ガスを生成するために必要な蒸気温度まで昇温する発熱量であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水素使用制限手段は、前記改質器で発生する前記改質ガス中の水素濃度を制御する水素濃度制御手段を備え、前記要求出力の増加時には前記改質器で発生する水素濃度を一時的に下げることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水素濃度制御手段は、前記改質器の温度を調整することによって、前記改質器で発生する水素濃度を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記改質器に供給する空気流量を制御する空気流量制御手段を備え、
    前記水素濃度制御手段は、前記原料の流量と前記空気流量の流量比を制御することで前記改質システムの温度を制御することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記改質システムは、前記改質器に加え、少なくとも前記加熱手段によって加熱された水との反応により前記改質ガス中の一酸化炭素を低減する水成一酸化炭素低減装置を備え、
    前記改質器の運転状態に応じて、前記加熱手段を介して前記水成一酸化炭素低減装置に供給する前記水の供給を停止することを特徴とする請求項4から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記改質器に温度センサを備え、
    前記改質器の運転状態は、前記温度センサによって判断され、
    前記改質器の温度が或る所定温度より低くなると、前記水成一酸化炭素低減装置への水供給を停止することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記改質器の下流かつ前記水成一酸化炭素低減装置上流に一酸化炭素濃センサを備え、
    前記改質器の運転状態は前記一酸化炭素濃度センサによって判断され、
    前記改質ガス中の一酸化炭素濃度が、或る所定濃度よりも高くなると前記水の供給を停止することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記増加した要求出力に必要な前記原料と前記水を前記加熱手段によって蒸発可能かを判断する蒸発判断手段を備え、
    前記増加した要求出力に必要な前記原料と前記水を前記加熱手段によって蒸発可能な場合には、前記加熱手段で前記原料と前記水の全流量を前記改質システムに供給し、
    前記増加した要求出力に必要な前記原料と前記水を前記加熱手段によって蒸発不可能な場合には、前記加熱手段で蒸発可能な前記原料と前記水を蒸発させ、前記改質器へ前記原料と前記水を供給することを特徴とする請求項4から9のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記出力検出手段が、アクセルの開度であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  12. 前記出力検出手段が、経路予測手段であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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