JP5117065B2 - 担体投入型生物処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、原水を生物反応槽に導入して生物処理する担体投入型生物処理装置において、特に生物反応槽内に流動機を設置し、槽内の水を流動させて生物処理を行う担体投入型生物処理装置に関するものである。
従来より、廃水等を原水として微生物によって浄化処理する窒素やリンの除去が可能な生物処理装置は、硝化菌による硝化処理やリン蓄積菌によるリン取り込みの処理を行う好気槽、リン蓄積菌からリンを吐き出させる処理を行う嫌気槽、脱窒菌による脱窒処理を行う無酸素槽等の各生物反応槽を、単独処理あるいはこれらの内から複数の処理を組み合わせて構成されている。いずれの生物反応槽の場合においても、効率的に処理を行うためには、槽内の原水の分布状況(有機物濃度分布、浮遊物質濃度分布、微生物分布等)が均一な状態に近づくことが望ましく、槽内に原水を流動させる流動機が設置されているのが一般的である。
好気性処理を行う好気槽の場合、原水中に空気(酸素)を送って好気性状態を維持する必要があるので、槽内底部に散気管を設置し、槽外からブロワ等によって空気を送り込むことで原水中に散気するようになっている。このとき、散気管から吐出される気泡は同時に散気管直上の原水に上昇流を与えるので、槽内全体の原水を流動させることができ、散気管は流動機の役割も同時に果たしている。
また、嫌気槽や無酸素槽の場合、リン蓄積菌は、嫌気性状態では体内からリンを吐き出す特性があり、脱窒菌は酸素のない状態では、原水中のNOx等の結合酸素を使用して呼吸する特性があり、これらの特性を利用して浄化処理していることから、原水中に酸素が極力ない状態とする必要があり、前述の散気管による流動機は不適である。このため、嫌気槽や無酸素槽の場合には、原水に機械動力で流動を付与する機械式の流動機が用いられる。
一方、微生物を保持する担体が槽内に投入されている担体投入型の生物反応槽を用いた生物処理装置も広く利用されている。この担体が投入されている生物処理装置の場合においても槽内の原水分布状況の均一化ももちろん重要であるが、担体の槽内分布が均一であることが処理効率の向上に繋がるので非常に重要となる。担体は、嫌気槽や無酸素槽に対しても適用可能であるが、この場合においても前記の通常の嫌気槽や無酸素槽の場合と同様に、機械式の流動機が設置されている。
機械式の流動機には種々の構造のものがある。図20に一例として、比較的優れた流動特性を有する流動機を備えた生物処理装置1の断面図を示す。この生物処理装置1は、上方が開放されており、槽側壁及び底面が地中に埋設されている上方から見て矩形の躯体水槽を生物反応槽2としている。生物処理装置1は、原水導入口3aから原水4を導入し、生物反応槽2内で微生物による生物処理を行い、図21に示す処理水流出口3bから処理水を排出するようになっており、流動機5によって生物反応槽2内の原水4を流動させるようになっている。生物処理槽2の上方の躯体床上面には断面コの字状の固定材6がアンカーボルト・ナット7によって固定されており、両固定材6に複数本の支持梁8が開放部分9を跨ぐように掛けられている。支持梁8の上面には、作業点検通路を兼ねた床板10が取付けられ、生物処理槽2の中央部分の床板10上に流動機5の機械動力部である回転駆動機11が設置され、回転駆動機11の駆動軸12が床板10を貫通するように設けられている。駆動軸12には、生物反応槽2内を垂下するように配設された回転シャフト13がその上端を駆動軸12と連結継ぎ手14で接続されている。そして、スリーブ状のハブ15,16と、そのハブ15,16の外周に設けられた複数の回転翼17,18とからなる回転羽根19,20が2段、回転シャフト13にハブ15,16を貫通させ、間隔を設けてビス止め等で取り付けられている。
上方の回転羽根19は、その回転翼17が回転シャフト13の回転軸と直交する仮想平面p1から迎角α1だけ傾斜させて設けられている。また、下方の回転羽根20は、その回転翼18が、回転シャフト13の回転軸と直交する仮想平面p2から迎角α2だけ傾斜させて設けられている。上方の回転羽根19の回転翼17の迎角α1と下方の回転羽根20の回転翼18の迎角α2はほぼ等しい角度となっている。また、上方および下方の回転羽根19,20の回転翼17,18において、ハブ15,16との付け根の位置と先端の位置とは、回転シャフト13の回転軸と直交する仮想平面p1,p2に対して概ね平行に設けられている。また、上方の回転羽根19と下方の回転羽根20とは、直上から見た回転翼17,18の位置が重なるように配置されている。なお、仮想平面p1,p2は互いに平行な関係にあるので、回転羽根19と回転羽根20とは、回転翼17と回転翼18とが互いに概ね平行な状態で回転シャフト13に配置されていることはいうまでもない。また、本例では回転羽根19,20は、それぞれ回転翼17,18が4枚設けられたものを用いている。
図21は、図20に示した生物処理装置1について、流動機5を作動させたときにおける生物反応槽2内の原水4の流動状態を示す。図21は、回転シャフト13の回転軸上であり、かつ生物反応槽2の左右側壁面に対して上方から見て垂直方向の切断面で切られた断面図であり、流動機5の回転羽根19,20の位置は、回転翼17,18がその切断面上に位置する状態としている。このときの槽内の原水4の流動状態が矢印のベクトル線で示されている。流動機5は、図示の通り、回転シャフト13が原水4の液面上方から見て時計回りに低速回転しており、上方および下方の各回転羽根19,20も時計回りに低速回転している。各回転羽根19,20の回転翼17,18は、それぞれ迎角α1およびα2だけ傾斜している(回転翼17,18ともに進行方向に対して前方側が高く、後方側が低くなる傾斜を有している)ため、回転羽根19,20が時計方向(図20上で見ると回転翼17,18が右側から左側の方向に移動する。)に低速回転することで原水4に対して斜め下方向に押し出す力が働き、同時に回転羽根19,20の回転運動による遠心力によって回転翼17,18の先端から外側に向かう力も同時に働く。すなわち、生物反応槽2内では、図21に示した切断面上においては、槽内の原水4に対して白矢印w1で示した方向に力が働き、上方の回転羽根19も下方の回転羽根20も原水4に対して基本的に下降流を発生させることになる。
具体的に述べると、図21の白矢印w1で示された力によって、下方の回転羽根20周辺では、まず、生物反応槽2の槽側壁2b側の斜め下方に向かって水流a0が発生する。生物反応槽2の底面2aと槽側壁2bとが交わる辺部に斜めにハンチ2cが設けられていることから、その斜め下方に向かう水流a0は、ハンチ2cにぶつかって、底面2aに平行に向かう水流c0と、槽側壁2bに沿って上方に向かう水流b0に分かれる。このとき、水流a0は、ハンチ2cにぶつかった際、水流b0側に力がより多く伝わるので、水流b0の速度の方が、水流c0の速度よりも流速が速くなる。
一方、上方の回転羽根19周辺の原水は、まず、前記の白矢印w1で示された力によって、槽側壁2b側の斜め下方に向かう水流d0が発生する。水流d0は、前記の下方の回転羽根20からの上昇流である水流f0とぶつかり、回転シャフト13方向の上方に向かう水流e0に変化し、上方の回転羽根19の回転翼17に取り込まれていく。また、水流f0も回転シャフト13方向の下方に向かう水流に変化し、下方の回転羽根20の回転翼18に取り込まれる。一方、上方の回転羽根19周辺では、水流d0のほかに、水勢は弱いが遠心力によって槽側壁2bに向かう水流g0が発生する。この水流g0は、槽側壁2bにぶつかって上昇流に変化するが、重力の影響を受け次第に速度が低下していき、下降流である水流h0に変化し、上方の回転羽根19の回転翼17に取り込まれていく。
図20および図21に示した従来の流動機5を備えた生物処理装置1においては、上下2段の回転羽根19,20によって、槽内の原水4に上昇流や下降流が発生することで、原水4の分布状況にある程度の均一化が図れ、それなりの効果を得ることはできていた。
また、この他にも例えば特許文献1では、特に担体投入型の(生物)反応槽に適用する低速担体浮遊機(流動機)が示されている。この担体浮遊機は、回転軸(回転シャフト)に上下2段で間隔を設けて羽根(回転羽根)を有しているが、上段羽根の回転外径が下段羽根の回転外径に比べて、小径としているところに特徴がある。これにより、低速担体浮遊機によって槽内に下向流を発生させ、それによって反応槽の底面の外周部から側壁に沿って上昇流を発生させた場合、上段羽根が下段羽根と回転外径が同じであると、それによって上昇流が阻害されて下向流に変えてしまうことを防止できるようになっている。さらに、これによって、上昇流を反応槽の液面付近まで発生させることができ、担体が反応槽底部に沈降して堆積しまうことを防止でき、液面付近に担体がなくなってしまう状態を回避することができるようになっている。
さらに、特許文献2では、活性汚泥法の反応槽に適用する、槽内の汚泥の沈殿を防止することができる低速撹拌機(流動機)が示されている。この低速撹拌機は、特許文献1記載の低速担体浮遊機の下段羽根の回転外径を上段羽根の回転外径と同様に小径とし、反応槽内にドラフトチューブを立設し、下段羽根部分がドラフトチューブ内に配置されるように、低速撹拌機を設けている。これにより、小径とすることで駆動部の所要動力を小さくできるメリットを有しつつ、ドラフトチューブの作用によって、槽内を満遍なく撹拌することができるようになっている。また、反応槽の深さが、10mもあるような深層反応槽においても、槽内を確実に撹拌することができるようになっている。
特開2000−237780号公報 特開2005−296850号公報
ところで、生物反応槽内を満遍なく流動させるためには、流動機で槽内の原水に下降流と上昇流を発生させる必要がある。図20および図21に示した従来の生物処理装置1では、流動機5の上方の回転羽根19が下降流(水流d0)を主として発生させるようになっており、上昇流(水流g0)の流速が遅い。また、下方の回転羽根20によって発生する上昇流(水流b0)については、下降流(水流d0)とぶつかってほとんどが下降流(水流f0)に変化してしまい、上方の回転羽根19を超えて上昇する上昇流(水流d0)は非常に少ない。このため、上方の回転羽根19の上方の原水4の上昇流(g0)は、ほとんどが水面にまで到達せずに下降流(h0)に変化してしまい、水面付近の原水4の流動が非常に小さい。このため、水面付近に気泡や脱窒菌が原水中のNOxを使用して呼吸することで発生する窒素ガスを含んで水よりも比重が軽くなった汚泥や担体が停滞し易く、それがスカムに変化してしまうと水面下に再度沈降しなくなってしまうので大きな問題となっていた。汚泥や担体がスカムに変化してしまうと、原水を浄化処理する能力を失ってしまい、槽外に取り出して廃棄処分するしかなく、処分費用等も嵩み、問題となっていた。汚泥や担体がスカム化することによって、生物処理装置の原水浄化処理能力が低下してしまうという問題もあった。特にこの生物反応槽2で生物処理する前に、原水4を流量調整等のために貯留槽で一時貯留する場合、腐敗防止のためにばっ気されていると、原水4中の汚泥に気泡が残存し、見かけ上の比重が水よりも軽くなることがある。また、好気槽で担体が投入された原水4をばっ気して好気性処理を行った後、その原水4がこの生物反応槽2に導入された場合においても汚泥や担体に気泡が残存し、見かけ上の比重が水よりも軽くなることがある。これらのような場合、特に生物反応槽2の水面付近に汚泥や担体が滞留し易く、問題となっていた。
また、生物反応槽2内の上方と下方の回転羽根19,20の間の領域にある原水4においては、上方の回転羽根19による下降流(水流d0)は、重力によって加速されて流速が速くなっていくのに対して、下方の回転羽根20による上昇流(水流b0)は、重力によって減速されて流速が遅くなっていくので、上方の回転羽根19による水流d0,e0による旋回流が大きな領域を占め、下方の回転羽根20による水流b0,f0による旋回流は小さな領域内に留まってしまい、流動分布のバランスが悪く、原水4の分布状況(有機物濃度分布、浮遊物質濃度分布、微生物分布等)にばらつきが生じ、原水4の生物処理効率が低下するという問題があった。
さらに、下方の回転羽根20の下側の生物反応槽2の底面2a付近の原水4については、下降流(水流a0)の一部が分岐した水流c0によって流動させているが、その流速は遅く、底面2aに汚泥や担体が滞留し易く、原水4の分布状況にばらつきが生じ、原水4の生物処理効率が低下するという問題があった。生物反応槽2の底面2aに汚泥や担体が滞留することを防止するために、流動機5の回転駆動機11の回転数を上げて回転羽根19,20の回転速度を上げることで槽内の原水4の流動速度を速めることは物理的に可能ではある。しかし、回転駆動機11の消費電力が増加してしまうので、ランニングコストが増大する問題があった。また、回転羽根19,20の回転速度が速くなると、回転翼17,18で汚泥フロックを破壊してしまう場合があり、汚泥フロックの破壊は生物処理能力の低下を招くという問題もあった。さらに、生物反応槽2内に担体が投入されている場合においても、硬質樹脂等の硬質素材製の担体では、高速回転する回転翼17,18と衝突して破損してしまう恐れがあり、スポンジ状等の軟質素材製の担体では、回転翼17、18に衝突したり、速い流速で生物反応槽2内の槽側壁2bや底面2aに接触したりして、短期間で磨耗してしまい、寿命が短くなってしまうという問題もあった。
特許文献1記載の低速担体浮遊機においては、反応槽内の水流を下段羽根で発生させた下降流が槽底面から側壁を沿って変化した上昇流によって、液面付近の担体を浮遊移動させることができる。しかし、羽根によって流れを与える力は、羽根の根元部分が最も小さく、逆に羽根の先端部分が最も大きい。つまり、回転軸からの距離が長いほど周囲の原水に与える力が大きくなる。上段羽根の長さを短くしたことによって、上段羽根が周囲の原水に与える力が大幅に小さくなってしまっており、それと同時に、上段羽根が下降流を発生させるために上段羽根の上方(液面付近)の原水を下方に引き込む力も小さくなってしまっている。下段羽根による上昇流も液面付近では、その流速は大幅に低下することから、液面付近での原水の流速は不十分である。気泡や窒素ガスを含んだ汚泥や担体は、水よりも見かけ上の比重が軽く、液面付近に浮遊し易く、槽内の流速の遅い下降流で引き込むことが難しく、問題となっていた。
特許文献2記載の低速撹拌機が有効に機能するためには、反応槽内にドラフトチューブを立設することが必須であるが、ドラフトチューブは重量が重く、また、ドラフトチューブの内外で発生する水流により様々な方向から力が掛かるので、ドラフトチューブは反応槽の底面と支持材等で確実に固定してやる必要がある。支持材にコストが掛かり、何よりもドラフトチューブを立設する作業は多大な労力が必要であり、設置コストが嵩んでしまうという問題があった。一般に躯体水槽は、コンクリートでは水分が浸透してしまうことから、周壁の内部に防水材が埋め込まれており、これによって、躯体水槽の防水が確保されている。躯体水槽にドラフトチューブを設置する場合、槽底面に支持材を固定するためのアンカーボルトを埋め込む必要がある。防水材料による防水機能を維持しつつ、アンカーボルトを埋め込む作業は多大な労力が必要であり、大きな問題となっていた。
また、反応槽の深さが10mを超えるような深層反応槽の場合においては、これらの問題があっても、この低速撹拌機を適用する作用・効果のほうが大きく、費用対効果は大きい。しかし、通常の反応槽に対して、この低速撹拌機を適用するには、費用対効果に欠けるという問題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、生物反応槽の水面付近においても、流動機によって上下方向に確実に水流を発生させることにより、槽内の原水の浮遊物質、汚泥および微生物の分布をより均一化することができ、生物処理の効率が大幅に向上した担体投入型生物処理装置を提供することを目的とする。また、スカム等が水面上に滞留することのない担体投入型生物処理装置を提供することを目的とする。さらに、この発明は、生物反応槽の底面においても、流動機によって上下方向に確実に水流を発生させることにより、沈降汚泥や担体が槽底面に滞留することのない担体投入型生物処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の担体投入型生物処理装置は、原水を担体投入型生物反応槽に導入し、該生物反応槽の上方に設けられた回転駆動機、該回転駆動機に接続して前記生物反応槽内を垂下する回転シャフトおよび該回転シャフトに間隔を空けて設けられた複数の回転羽根からなる流動機により、前記生物反応槽を流動させて生物処理を行う担体投入型生物処理装置において、前記複数の回転羽根は、前記回転シャフトの上方に配設された上昇流を発生させる回転羽根および前記回転シャフトの下方に配設された下降流を発生させる回転羽根であり、前記回転羽根を構成する回転翼の先端と前記生物反応槽の側壁との距離が、前記回転羽根の羽根径の0.15倍から0.5倍の範囲にあることを特徴とする担体投入型生物処理装置としたものである。
また、本発明の請求項担体投入型生物処理装置は、少なくとも1つの回転羽根は、他の回転羽根に対し、回転シャフトの軸を中心に回転位相を有していることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項担体投入型生物処理装置は、前記回転羽根を構成する回転翼は、上り勾配を有していることを特徴とする。
この発明の請求項1に係る担体投入型生物処理装置は、原水を担体投入型生物反応槽に導入し、該生物反応槽の上方に設けられた回転駆動機、該回転駆動機に接続して前記生物反応槽内を垂下する回転シャフトおよび該回転シャフトに間隔を空けて設けられた複数の回転羽根からなる流動機により、前記生物反応槽内を流動させて生物処理を行う担体投入型生物処理装置において、前記複数の回転羽根は、前記回転シャフトの上方に配設された上昇流を発生させる回転羽根および前記回転シャフトの下方に配設された下降流を発生させる回転羽根からなる構成としたので、上方の回転羽根から強力な上昇流が発生することにより、水面付近にも上昇流が到達し、水面付近では回転シャフトに向かう流れに変わり、さらに回転シャフト付近では下降流に変化するという旋回流が上方の回転羽根の上側と生物反応槽の水面との間の領域で発生させることができる。これにより、気泡や腐敗ガスを含んで水よりも見かけ上の比重が軽い汚泥や担体が水面上に滞留することを防止でき、汚泥や担体がスカム化してしまうことを防止できるという大きな効果がある。
また、この発明の請求項に係る担体投入型生物処理装置は、前記生物反応槽を担体投入型に構成したので、以下に示す効果がある。すなわち、従来の生物処理装置において、流動機の回転羽根の回転速度を速くして前記の汚泥や担体の滞留防止を図ろうとした場合、槽内に投入されている担体が硬質素材製の場合では担体自体や回転翼が損傷する恐れがあり、担体が軟質素材製の場合では速い流速で接触することで担体が短期間で摩耗して寿命を迎えてしまう恐れがあった。また、回転羽根の回転速度を上げるには、回転駆動機の回転数を上げてやる必要があり、消費電力が増大するという問題があった。しかし、この発明の請求項に係る担体投入型生物処理装置の場合では、流動機の回転羽根の回転数を従来の低速回転で作動させても、生物反応槽内の原水の分布状況を良好な状態に保つことができるという効果がある。
この発明の請求項に係る担体投入型生物処理装置は、少なくとも1つの回転羽根を他の回転羽根との間で回転軸を中心に回転位相を有するように配置した構成としたので、以下に示す効果がある。すなわち、全ての回転羽根が上方から見て、回転翼が重なる位置(これを同位相とする。)とした場合、上下で隣り合う各回転羽根の回転翼によって生じる水流が直接干渉し合い、その隣り合う上下の回転羽根間の領域の原水の分布状況に多少のばらつきが発生していた。しかし、この発明の請求項に係る担体投入型生物処理装置の場合、上下で隣り合う各回転羽根の回転翼から水流が発生する時期にタイムラグができるので、各水流による直接干渉を弱めることができ、原水の分布状況を一層の均一化が図れ、生物処理能力が大幅に向上するという大きな効果がある。
この発明の請求項に係る担体投入型生物処理装置は、前記回転羽根を構成する回転翼が上り勾配を有している構成としたので、特に下方の下降流を発生させる回転羽根においては、この回転羽根によって発生する下降流が生物反応槽の底部やハンチでぶつかって変化した上昇流が回転翼に当たって流速が減速してしまうことを防止することができる効果がある。

実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1にかかる生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断した断面図であり、本発明の主要部である流動機5の全体が図示されているものである。図2は実施の形態1の生物処理装置1を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図、図3は回転シャフト13に配置される複数個の回転羽根21,22の状態を示す平面図であり、図1のB−B線に沿って切断した断面図である。図4は図1、図2に示される回転羽根21,22の斜視図、図5は実施の形態1の槽内での原水4の流動状態を示す説明図であり、図2のC−C線に沿って切断した断面図である。
図1から図5に示される実施の形態1の生物処理装置1においては、流動機5の回転羽根21,22の迎角(ハブ15,16に設けられている回転翼17,18の仮想平面p1,p2からの傾斜角度)が図20、図21に示した従来の生物処理装置1と根本的に異なっており、回転羽根21,22以外の構成は、図20、図21の生物処理装置1と概ね同様であるので、その符号と説明を援用する。実施の形態1の生物処理装置1を概略説明すると、生物処理装置1は、図2に示すように、平面的に矩形の躯体水槽が生物反応槽2として配置されている。
生物反応槽2は、底面2aと長手方向の各槽側壁2bとの頂点部分に斜めにハンチ2cがそれぞれ設けられており、天井側と槽側壁2bとの頂点部分にも同様に斜めにハンチ2dが設けられて内側に切れ込んでいるが、ハンチ2dより上方は槽側壁2eが開放部分9まで続いており、開放状態となっている。短手方向の槽側壁2fには、それぞれ原水導入口3aおよび処理水流出口3bが設けられている。図2の上流側の原水導入口3aから原水4が導入され、槽内で微生物による生物処理が行われ、図2の下流側の処理水流出口3bから処理水が排出される。生物反応槽2内の原水4は流動機5によって強制的に流動させられる。生物反応槽2の躯体上部には、固定材6がアンカーボルト・ナット7によって固定され、固定材6に複数本の支持梁8が掛けられている。
なお、この実施の形態1を含む本発明では、生物反応槽2を槽内水中のリン蓄積菌からリンを吐き出させる処理を行う嫌気槽や、脱窒菌による脱窒処理を行う無酸素槽として使用している場合において、特に効果が得られるが、硝化処理やリン取り込み処理を行う好気槽等、他の処理方式の水槽に対しても適用は可能である。また、この実施の形態1では生物反応槽2としてコンクリートで形成され、上方が全面的に開放されている開放型の躯体水槽を適用しているが、天井面を有する躯体水槽であってもよく、その場合には天井面に天井の外側に回転駆動機11を設置した際に駆動軸12が天井面を挿通できるように開口穴を設けるとよい。さらに、生物反応槽2は、FRP樹脂等の樹脂、耐食性を有するステンレス鋼板、接液面を樹脂等でコーティングした炭素鋼板で製作しても本発明による作用・効果に相違はない。天井面を有する水槽に流動機5を設置する場合においては、その天井面だけで流動機の重量を支持することが可能であれば、支持梁8や床板10は必ずしも必要とはされない。
図1に示すように、支持梁8上の床板10の中央部分には流動機5が固定され、流動機5は、電動モーター等の駆動力発生源から発生する回転駆動力を内蔵する減速機で回転数を減速させ、駆動軸12から低速の回転駆動力を出力する構成である回転駆動機11と、回転シャフト13と、回転シャフト13に取り付けられた回転羽根21,22からなる。回転駆動機11は床板10に取り付けられ、回転シャフト13は回転駆動機11の駆動軸12に連結継ぎ手14を介して接続されている。回転シャフト13は生物反応槽2内を鉛直方向に垂下するように配設されている。回転シャフト13には、スリーブ状のハブ15,16と、そのハブ15,16の外周に設けられた複数の回転翼23,24とからなる回転羽根21,22が2段、回転シャフト13にハブ15,16を貫通させ、間隔を設けてビス止め等で取り付けられている。
なお、回転駆動機11は、回転羽根21,22を所定の回転速度で回転させることが可能な駆動力を回転シャフト13に伝達できるのであれば、どのような構成のものでもよく、電動モーターに限らず、例えばガソリン、軽油、メタノール等の液体燃料、あるいは天然ガス等を使用するエンジン機関のようなものであってもよい。回転シャフトは、処理対象の原水の腐食性が高く、また回転羽根に駆動力を伝達する必要があり、高い剛性が必要であるので、ステンレスやチタン等の耐食性を有する金属材で形成することが望ましい。回転羽根についても同様の理由から耐食性を有する金属材で形成するとよい。特に回転羽根の場合には、回転翼が金属材剥き出しであると、槽内の汚泥フロックを切断してしまったり、担体が槽内に存在するとそれを傷つけてしまう恐れがあるので、炭素鋼等の剛性の高い金属で形成し、外面を樹脂等でコーティングするか、あるいはFRP樹脂等の外力に強い樹脂材で形成するとより好ましい。
図1は図2のA−A線に沿って切断した断面図であり、回転羽根21の回転翼23にあっては、図3に示されているようにハブ15に十字状に4枚設けられており、回転羽根22の回転翼24も同様に4枚設けられているが、角度の関係で、回転翼23,24のうちそれぞれ2枚が前面に表示され、それらに隠れて残りの2枚があり、一部のみ表示されている。また、図2の下流側の流動機5では、回転羽根21,22の十字型に設けられた回転翼23,24のうち一対しか表示されていないが、これは、床板10の下方に一対の回転翼が隠れた状態となっているからである。なお、1つの回転羽根21あるいは22に設けられる回転翼23あるいは24の枚数は、この実施の形態1のように十字型(90度間隔)の4枚配置が最も望ましいが、120度間隔の3枚配置や180度間隔の2枚配置であってもよく、逆に5枚配置以上であってもよい。
基本的に流動機5が生物反応槽2内の原水4に対して、効果的な流動を付与するには、回転翼23,24の先端と槽側壁2d,2fとの間の距離が、回転羽根21,22の羽根径(回転羽根21,22の回転翼23,24が回転することで描かれる軌跡の直径)の0.15倍から0.5倍までの間の範囲にあることが望ましい。槽側壁2d,2fが回転翼23,24の先端から回転羽根21,22の羽根径の0.15倍より近い位置にあると、回転翼23,24の先端付近から外側に向かって発生する水流がすぐに槽側壁2d,2fに衝突してしまい、回転翼23,24に直接跳ね返ってしまい、互いの水流で流れが阻害されてしまうので好ましくない。逆に、槽側壁2d,2fが回転翼23,24の先端から回転羽根21,22の羽根径の0.5倍より遠い位置にあると、回転翼23,24の先端付近から外側に向かって発生する水流の流速が槽側壁2d,2fに到達したときには大幅に低下してしまっており、そこから方向転換して発生する上昇流や下降流では流速が遅く、生物反応槽2内の上下方向で水流が非常に弱くなってしまうので好ましくない。生物反応槽2の平面上での形状が前記の範囲を超える場合には、2台以上の流動機5を配置して対応することになる。
図2、図3に示されるように、この発明の実施の形態1においては、生物反応槽2の形状は長手方向が短手方向に比べて1.5倍以上長く、前記の設置方法にしたがって、生物反応槽2の内部には2台の流動機5が設置されている。生物反応槽2内に2台以上の流動機5を設置する場合には、生物反応槽2全体でバランスよく水流を発生させるために各流動機5の上方の回転羽根21同士、下方の回転羽根22同士は、同一の羽根径としている。さらに、各流動機5から発生する水流同士の干渉をできるだけ低減させるため、各流動機5の回転翼23,24の先端同士の距離は、羽根径の0.25倍から0.75倍の距離を確保するように配置し、かつ、その上方の回転羽根21の回転翼23同士、および下方の回転羽根22の回転翼24同士が、平面上から見て常に45度程度ずれた状態(2台の流動機の回転翼23同士が常に接近しない状態)となるように45度程度の回転位相が設けられており、各流動機5の回転速度も概ね同一速度としている。
上方の回転羽根21の回転翼23の仰角α1と下方の回転羽根22の回転翼24の仰角α2は、回転シャフト13の回転軸に直交する仮想平面p1,p2(回転羽根21,22が回転する面であり、仮想平面p1,p2は互いに平行の関係にある。)から見てほぼ逆向きの傾斜角度とされている。すなわち、上方の回転羽根21は、回転翼23が前記仮想平面p1に対して迎角α1だけ傾斜している。この実施の形態1では、流動機5は駆動軸12および回転シャフト13を通じて回転羽根21,22を上方(図2および図3)から見て時計回り(図1で見て回転翼23,24が右から左へ向かう方向に)に低速回転させるが、迎角α1は回転翼23が回転するときの進行方向に対して長手方向の前方側が低い位置となり、後方側が高い位置に位置するように設定され、原水4に下から上に上昇させる上昇流を発生させる。
下方の回転羽根22は、その回転翼24が、回転シャフト13の回転軸と直交する仮想平面p2に対して迎角α2だけ傾斜している。迎角α2は回転翼24が回転する際の進行方向に対して長手方向の前方側が高い位置に位置し、後方側が低い位置に位置するように設定され、原水4に上から下に下降させる下降流を発生させる。上方の回転羽根21の回転翼23の迎角α1と下段の回転羽根22の回転翼24の迎角α2は、正負方向は逆ではあるがほぼ等しい角度となっている(例えば図1の場合、仮想平面p1,p2と平行な状態の仰角を0°とし、右肩上がりの仰角を正の角度数値、左肩上がりの仰角を負の角度数値として、仰角α1=45°としたとき、仰角α2=−45°とする状態をいう。)。回転翼24の迎角α1は約15°から75°の範囲、回転翼25の仰角α2は約−15°から−75°の範囲の範囲で概ね機能を発揮できるが、迎角α1=45°,α2=−45°のときが最も効率がよく上昇流および下降流を発生させることができ、最適である。
上方および下方の回転羽根21,22の回転翼23,24は、ハブ15,16との付け根の位置と先端の位置とは、回転シャフト13の回転中心軸線と直交する仮想平面p1,p2に対して概ね平行に設けられている。回転羽根21,22の回転シャフト13への取り付け位置は、生物反応槽2の水深と密接に関係しており、槽水面から底面2aまでの水深に対して、槽水面から2/5の深さの位置に上方の回転羽根21を設置し、上方の回転羽根21の取り付け位置からさら2/5の深さに下方の回転羽根22を設置し、下方の回転羽根22から底面2aまで1/5の深さと概ねなるようにすることが最も望ましい。この実施の形態1では、上方の回転羽根21と下方の回転羽根22とは、上方から見た回転翼23,24の平面的な位置が重なるように配置(これを同位相の状態、あるいは回転位相がない状態という。)されている。なお、この実施の形態1における流動機5の回転羽根21,22の回転数は、5rpmから12rpm(1分間に5回転から12回転)の間の低速回転であることが望ましく、6rpm(1分間に6回転)程度が最適である。また、回転翼23,24の先端部分における回転速度(周速)が2m/sec以下となることが望ましい。
図5は、生物処理装置1について、流動機5を作動させたときの生物反応槽2内部の原水4の流動状態を示している。図5は回転シャフト13の回転軸上であり、上方から見て生物反応槽2の左右の槽側壁2bに対して直交方向である図2に示すC−C線で示す切断面で得た断面図である。図5において、流動機5の回転羽根21,22の位置は、回転翼23,24が図2でC−C線で示された切断面上に位置する状態である。このときの槽内における原水4の流動状態が矢印のベクトル線で示されている。
流動機5の回転シャフト13は、上方及び下方の各回転羽根21,22が原水4の水面上方から見て時計回りに回転するように回転している。上方の回転羽根21の回転翼23は、上述のように前記仮想平面p1に対して回転進行方向であり翼長手方向前方側が下向きの仰角α1をもって傾斜している。このため、図5において回転羽根21が時計方向に回転することによって原水4を斜め上方向に押し出す力が作用し、同時に回転羽根21の遠心力によって回転翼23の長手方向の先端から外側に向かう力も同時に発生する。すなわち、生物反応槽2内部では、槽内の原水4に対して、図5中の白矢印w2で示した方向に力が働き、上方の回転羽根21は原水4に対して基本的に上昇流を発生させる。
下方の回転羽根22の回転翼24は、上述のように前記仮想平面p2に対して回転進行方向であり翼長手方向前方側が上向きの仰角α2をもって傾斜している。このため、図5において回転羽根22が原水4の水面上方から見て時計方向に回転すると、原水4を回転羽根22の斜め下方向に押し出す力が発生すると共に、回転羽根22の遠心力によって回転翼24の長手方向の先端から外側に向かう力も同時に発生する。すなわち、生物反応槽2内部では、槽内の原水4に対して、図5中の白矢印w1で示した方向に力が働き、下方の回転羽根22は原水4に対して基本的に下降流を発生させる。図5において水流を示す曲線の太さは水流の強さを示している。
図5によって、槽内の流れをより詳しく説明すると、下方の回転羽根22周辺では、白矢印w1で示された力によって、まず、生物反応槽2の側壁部2bの斜め下方に向かって水流a1が発生する。生物反応槽2の底面2aと側壁部2bとが交わる部分に斜めのハンチ2cが設けられているので、斜め下方に向かう水流a1はハンチ2cに当たって、槽2の底面2aに平行に向かう水流c1と、槽2の側壁部2bに沿って上方に向かう水流b1に分かれる。このとき、水流a1は、ハンチ2cに当たった際に、水流b1側に力がより多く伝わるので、水流b1の速度の方が水流c1の速度よりも流速が速くなる。
一方、上方の回転羽根21周辺の原水は、まず、前記の白矢印w2で示された力によって、槽の側壁部2b側の斜め上方に向かう水流g1と水平方向に向かう流れd1が発生する。水流g1は白矢印w2の力を受けているので、流速が早く、生物反応槽2の水面付近にまで到達し、水面付近で下降流h1に転じ、上方の回転羽根21に取り込まれる。この上下方向の旋回流によって、上方の回転羽根21の上方の原水4の分布状況が均一化できる。また、槽の側壁部2bに当たって下方に流れる水流d1の流速は遅く、前記の下方の回転羽根22からの上昇流である流速の早い水流b1は、下降流d1とぶつかり、水平に回転シャフト13の回転面方向へ向かう水流f1に変化し、さらに重力の影響によって、下降流j1に変化して下方の回転羽根22の回転翼24に取り込まれてゆく。一方、水流d1も水流f1とぶつかったときに水平に回転シャフト13に向かう方向に変化し、さらに上方の回転羽根21の回転翼23の周囲の水を掻き込む力の影響を強く受け、水流e1に変化して取り込まれてゆく。
このように、上方の回転羽根21では上昇流を形成するために、生物反応槽2の液面付近に中間部の原水4が上昇してくるため、原水4の水面付近に滞留部分が生ずることが防止される。また、下方の回転羽根21では槽の底面2aに向かって下降流が形成されるために、底面2aに汚泥等が堆積することが防止され、原水4の均一化が促進され、生物反応槽2において滞留物が生じることなく原水の浄化処理ができる。
以上説明したように、実施の形態1の生物処理装置1は、処理対象の原水4を導入する生物反応槽2と、生物反応槽2の水面の上方に設けられた回転駆動機11、回転シャフト13および複数の回転羽根21,22からなる流動機5とを備え、流動機5を回転させて生物反応槽2内の原水4を流動させて生物処理を行う生物処理装置であり、流動機5の回転シャフト13の中間部には、上方に上昇流を発生させる回転羽根21を配設し、回転シャフト13の下部には、下方に下降流を発生させる回転羽根22を配設した構成を有している。
以上のように、この実施の形態1の生物処理装置1によれば、上方の回転羽根21から強力な上昇流が発生することにより、水面付近にも上昇流が到達し、水面付近では回転シャフト13に向かう流れに変わり、さらに回転シャフト13付近では下降流に変化するという旋回流が上方の回転羽根21の上側と生物反応槽2の水面との間の領域において発生させることができる。これにより、気泡や腐敗ガスを含んで水よりも見かけ上の比重が軽い汚泥や担体が水面上に滞留することを防止でき、汚泥や担体がスカム化してしまうことを防止できる大きな効果がある。また、回転シャフト13の下部では、回転羽根22が回転羽根21,22の間の原水4を底面2a側に下降させる下降流を発生させるので、槽の底面2aに汚泥等が堆積することを防止でき、原水4の濃度を均一にして処理水流出口3bから原水4を排出できる。
従来の生物処理装置の流動機5は、上方の回転羽根19による流速の速い下降流の水流d0が影響して、下方の回転羽根20によって発生する上昇流の水流b0の上昇力が抑制されてしまい、流速が遅くかつ水量も少ない下降流の水流f0に変化し、少ない水量しか下方の回転羽根20が掻き込むことができなかった。そして、上方の回転羽根19は、上昇流の水流b0とぶつかった後、流速が速くかつ水量も多い上昇流の水流e0に変化し、多くの水量を上方の回転羽根19に掻き込むことができていた。このため、上方の回転羽根19と下方の回転羽根20との間の原水4の流動が上方側に偏ったアンバランスな状態となってしまい、しかも下方の回転羽根20の下方の水流c0の流速および水量も少なくなってしまい問題となっていた。
この実施の形態1における生物処理装置1の流動機5では、上方の回転羽根21によって発生する下降流の水流d1は、従来の下降流の水流d0に比べて、大幅に流速が遅くなり、下方の回転羽根22によって発生する上昇流b1の上昇力を抑制する力が少なくなる。このため、速い流速でかつ水量の多い水流f1になり、多くの水量が水流j1によって下方の回転羽根22に掻き込むことができ、上方の回転羽根21と下方の回転羽根22との間の原水4の流動バランスが大幅に改善され、原水4の分布状況がより均一化されるという効果がある。さらに、下方の回転羽根22が掻き込む水量が増加することから、水流a1の水量も増加し、その結果、底面2aを流れる水流c1の流速や水量が増加するので、底面2aに汚泥等が堆積することを防止することができる効果もある。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2にかかる生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断された断面図であり、本発明の主要部である流動機5の全体が図示されているものである。生物処理装置1を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図については図2と概ね同様であり、回転シャフト13に形成される複数個の回転羽根21,22の配置状態を示す平面図については図3と概ね同様であり、回転羽根21,22の斜視図については図4と概ね同様である。また、槽内での原水4の流動状態を示す説明図についても、槽内に担体25が存在する以外は概ね同様である。この実施の形態2の生物処理装置1は、実施の形態1の生物反応槽2に担体25を投入した担体投入型としたものであり、その他の構成は実施の形態1の生物処理装置1と同様であるので、その説明を用いる。
従来、特に担体25を投入して原水を浄化処理する担体投入型の生物反応槽2を用いる生物処理装置においては、流動機5の回転数を上げて原水4の流動速度を速くすることで、槽内の原水4の分布状況の改善や槽内水面付近に担体25等が滞留する状況を改善することは、塩化ビニル樹脂等の硬質素材の担体では、高速回転する回転翼17,18で破損してしまう恐れがあり、またスポンジ状等の軟質素材の担体では磨耗し易く寿命が短くなってしまう問題があり、デメリットの方が大きく問題となっていた。実施の形態2に係る生物処理装置1によれば、実施の形態1に示した流動機5の構成を用いることで、流動機5の回転数を上げることなく、生物反応槽2内の原水4の流動状態のバランスを改善できるので、槽内を浮遊している担体25に関しても同様に流動状態のバランスを改善できる。
この実施の形態2における本発明は、生物反応槽2を槽内水中のリン蓄積菌からリンを吐き出させる処理を行う嫌気槽や、脱窒菌による脱窒処理を行う無酸素槽において、担体25が投入されている場合に特に効果が得られるが、硝化処理やリン取り込み処理を行う好気槽に担体25が投入されている場合等、他の処理方式の水槽に対しても適用は可能である。また、原水を無酸素槽によって脱窒処理を行い、さらに担体25が投入されている好気槽による硝化処理やリン取り込み処理を行う生物処理システムであり、好気槽内の硝化処理水と担体25を返送手段によって無酸素槽に返送する生物処理システムにおいて、その無酸素槽に本発明の生物処理装置を適用すると、特に優れた効果が得られる。さらに、原水を嫌気槽でリン蓄積菌からリンを吐き出させる処理を行い、その処理水を前記の生物処理システムで生物処理を行う生物処理システムにおいて、嫌気槽に実施の形態1の生物処理装置を適用し、無酸素槽に実施の形態2の生物処理装置をそれぞれ適用すると、特に優れた効果が得られる。
以上のように、この実施の形態2に係る生物処理装置1によれば、担体25が投入されている担体投入型の生物反応槽2においても、流動機5の回転数を上げることなく、生物反応槽2内の原水4および流動している担体25の流動状態のバランスを改善できることから、担体25が微生物を保持する機能を有することによる生物反応槽2における原水4の浄化処理能力が大幅に上昇する効果に加えて、生物反応槽2内の流動状態のバランスを改善できる等の実施の形態1に示した各効果を実現可能としながらも硬質素材の担体25が破損されるのを防止し、スポンジ状の軟質素材の担体25における担体の磨耗を抑制することができるという大きな効果がある。
なお、実施の形態2の生物処理装置1の担体投入型の生物反応槽2は後述する実施の形態3から実施の形態6に示す生物処理装置1、および実施の形態8から実施の形態10に示す生物処理装置1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態3.
図7は実施の形態3にかかる生物処理装置1の上方および下方の各回転羽根26,27を示したものである。この実施の形態3の生物処理装置1では実施の形態1の生物処理装置1とは、回転羽根26,27の構成が異なっている。その他の構成は実施の形態1の生物処理装置1と同様に構成されているので、回転羽根26,27以外の同一部分または相当部分の説明は上記実施の形態1のものを用いる。また、回転羽根26,27以外の構成については、生物処理装置1を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図については図2と概ね同様であり、生物処理装置1を図2に示すA−A線に沿って切断された断面図については、図1と概ね同様であり、生物処理装置1を図1に示すB−B線に沿って切断された平面図については図3と概ね同様であり、また、槽内での原水4の流動状態を示す説明図については図5と概ね同様であるのでそれらを援用する。
生物処理槽内2では、微生物を多く含んでいる汚泥が底面2aに沈降して滞留する等、槽内に片寄って存在することは、処理能力の低下を招く。しかし、汚泥は、他の水槽(沈殿池等)での最終処理段階で処理水と汚泥に分離する必要があるので、分離時のことを考慮すると、汚泥は、微粒子状態で水中に浮遊するよりもある程度の大きさの集合体(汚泥フロック)として浮遊していることが望ましい。しかし、実施の形態1および2に示した流動機5の場合、回転羽根21,22の回転翼23,24の頂点部が鋭角になっているが、その部分が水中に最も大きな力を付与する。その部分に汚泥フロックが接触すると、少ない接触点で大きな力が汚泥フロックに掛かってしまい、汚泥フロックの解体を招いてしまう問題があった。特に、生物処理槽2内に担体25が投入されている場合においては、回転翼23,24の頂点部に担体25が接触することで、硬質素材で形成されている場合では損傷させてしまう恐れがあり、スポンジ状等の軟質素材で形成されている場合では、損傷の恐れの他に、磨耗を促進されてしまう恐れもあった。
この実施の形態3の回転羽根26,27では、回転翼28,29の回転半径方向の先端部28a,29aは面取りされて丸く形成されている。これにより、汚泥フロックが回転翼28,29の先端部28a,29aに接触しても、力が面で汚泥フロックに掛かるので汚泥フロックの解体度合いが軽減される。同様に、担体25を投入した場合でも、回転翼28,29からの力が面で担体25に掛かるので担体25の損傷を防止できる。スポンジ状の担体の場合においては、磨耗を遅らせることができる。
以上のように、この実施の形態3の生物処理装置1では、実施の形態1、2の生物処理装置1のように回転シャフト13が時計方向に回転するときに、上方の回転羽根21によって原水4の上昇流が形成され、下方の回転羽根22によって原水4の下降流が形成されるので、原水4の撹拌効果が向上し、液面近傍に気泡等を含んで浮かんだ汚泥や担体が滞留することが防止されると共に、底面2a近傍で汚泥が滞留することも防止できるのみならず、汚泥フロックの解体度合いを軽減することができる効果がある。また、担体25を損傷させないという効果や、特にスポンジ状の担体においては、磨耗を遅らせることができ、寿命を延ばす効果を得ることができる。なお、回転翼28,29の長手方向の長辺部についても面取りすると、汚泥フロックの解体の抑制、担体の損傷防止・長寿命化の効果をさらに向上させることができる。また、実施の形態3の生物処理装置1の構成は、実施の形態1、2及び後述する実施の形態4から実施の形態10と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4.
図8は、実施の形態4にかかる生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断した断面図である。この実施の形態4の生物処理装置1においては、流動機5の回転シャフト13の回転方向が上方から見て反時計方向に回転するように設定されている。回転シャフト13の中間部に設けられた回転羽根30においてハブ321に設けられた回転翼32の仰角α1と回転シャフト13の下段に設けられた回転羽根31においてハブ331に設けられた回転翼33の仰角α2は、実施の形態1から実施の形態3の生物処理装置1の回転羽根21,22における回転翼23,24の仰角α1,α2とは逆の角度に設定されている(例えば、実施の形態1の回転翼23の迎角α1=45°、回転翼24の迎角α2=−45°であれば、この実施の形態4の回転翼32の迎角α1=−45°、回転翼33の迎角α2=45°。)が、上方の回転羽根30が原水4の上昇流を作り、下方の回転羽根31が原水4の下降流を作る点において実施の形態1から実施の形態3の生物処理装置1と同じである。
即ち、実施の形態4の生物処理装置1では、流動機5の駆動軸12の回転方向が実施の形態1乃至実施の形態3の流動機5の回転方向と逆に設定されているが、回転羽根30,31の仰角α1,α2もそれに併せて逆に設定されている。従って、上方の回転羽根30の回転翼32は、回転する進行方向の翼長手方向前方側の位置が後方側の位置より低く、下方の回転羽根31の回転翼33は、回転する進行方向の翼長手方向前方側の位置が後方側の位置より高く設定されている。これによって、上方の回転羽根30が主として上昇流を作り、下方の回転羽根31が主として下降流を作ることができる。
実施の形態4の生物処理装置1によれば、実施の形態1から実施の形態3までの生物処理装置1と同様に、上の回転羽根30で原水4の上昇流を主に発生させ、下の回転羽根31で原水4の下降流を主に発生させるので、原水4の液面付近や底面2aに汚泥や担体等の滞留が生じることを防止でき、槽内の原水の分布状況を均一化することで効率的に生物処理を行うことができる。流動機5の回転方向及び回転羽根30,31の仰角が実施の形態1から実施の形態3のものと異なる他は同様な構成であるので、その説明を用いる。また、説明図についても図2から図5を援用する。
実施の形態5.
図9は実施の形態5にかかる生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断された断面図を示す。この実施の形態5の生物処理装置1では、生物反応槽2が実施の形態1から4の生物反応槽2より水深の深いタイプのものとされており、このため、回転シャフト34も回転シャフト13より長いものとされている。さらに、回転シャフト34には、ハブ381,391,401に十字型に回転翼38,39,40が設けられた3個(上方、中央、下方)の回転羽根35,36,37が取り付けられている。回転羽根35,36,37は平面的な位置が重なるよう(回転位相がない状態)に回転シャフト34に取り付けられている。回転シャフト34は、実施の形態1から実施の形態3の場合と同様、上方から見て時計回りに回転するように設定されている。回転翼38,39は回転時に原水4の上昇流を主に発生させるように、仮想平面p1,p3(仮想平面p3は、仮想平面p1,p3と平行)に対して仰角α1,α3をもってハブ381,391に設けられている。回転翼40は回転時に原水の下降流を主に発生させるように、仮想平面p2に対して仰角α2をもってハブ401に設けられている。即ち、上方および中央の回転羽根35,36の回転翼38,39は、回転する進行方向の翼長手方向前方側が翼長手方向後方側より低く、下方の回転羽根37の回転翼40は、回転する進行方向の翼長手方向前方側が翼長手方向後方側より高く設定されている。これによって、上方および中央の回転羽根35,36が主として上昇流を作り、下方の回転羽根37が主として下降流を作ることができる。
以上のように、実施の形態5の生物処理装置1によれば、上方および中央の回転羽根35,36が原水4の上昇流を形成するので、生物反応槽2が水深の深いタイプのものであっても、原水濃度の分布を均一にすることができる。実施の形態1から3で示したような2個の回転羽根の流動機5を適用する場合、この実施の形態5のような水深が深い生物反応槽2では、槽内の底面2aでの汚泥や担体25の滞留防止や、水面付近の汚泥や担体25の滞留防止を考慮すると、例えば、回転シャフト34に上方と下方の回転羽根35,37のみを取り付けた構成とする必要がある。しかし、この場合、上方の回転羽根35と下方の回転羽根37だけでは間が空くため、その間の原水4に水流がほとんど発生しない部分が発生してしまい、原水4の分布状況が不均一になってしまう。回転シャフト34の中央に回転羽根36を取り付けることにより、回転羽根36から強い上昇流が発生し、上方の回転羽根35から発生する下降流とぶつかって下降流に変化して回転羽根36に取り込まれる旋回流が発生し、また回転羽根36から弱い下降流が発生し、下方の回転羽根37から発生する上昇流とぶつかって上昇流に変化して回転羽根36に取り込まれる旋回流も同時に発生して、上方の回転羽根35と下方の回転羽根37との間の原水の均一化を図ることができる。
なお、実施の形態1から3で示した水深の生物反応槽2に実施の形態5の回転シャフト34及び回転羽根35,36,37を適用すると、原水4に流動を付与する力が加わるポイントが増えるので、さらに低速回転して汚泥フロックや担体25の損傷防止や運転コストを低減化することも可能である。実施の形態5の生物処理装置1のその他の構成は、実施の形態1のものと同様であるのでその説明を用いる。また、説明図についても図2から図5を援用する。さらに、この実施の形態5の上方、中央および下方の回転羽根35,36,37の構成及び上方および中央の回転羽根35,36を上昇流形成用の羽根構造とすることは、実施の形態2から後述する実施の形態10までの生物処理装置1と組み合わせることが可能である。
実施の形態6.
図10から図15は実施の形態6の生物処理装置1を示したものであり、図10は実施の形態6の生物処理装置1を図11に示すA−A線に沿って切断した断面図、図11は実施の形態6の生物処理装置1を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図、図12は回転シャフト13に配置される各回転羽根の回転位相の違いを示す平面図であり、図10のB―B線に沿って切断した断面図、図13は実施の形態6の回転羽根の斜視図である。また、図14は図11のC−C線に沿って切断した断面図であり、下方の回転羽根42の回転翼44の位置が切断面にある状態での槽内における原水4の流動状態を示す説明図、図15は図11のC−C線に沿って切断した断面図であり、上方の回転羽根41の回転翼43の位置が切断面にある状態での槽内における原水4の流動状態を示す説明図である。
この実施の形態6の生物処理装置1では、図11、図12、図13に示すように、回転シャフト13に取り付けた回転羽根41,42の上方から見た回転翼43,44の位置が異なっている状態、換言すると回転羽根41,42間で回転位相を有する構成となっており、図13に示すように、回転翼43と回転翼44との間には回転シャフト13の回転軸を中心に位相角θの回転位相が生じるように構成されている。これによって、図14、図15に示すように、生物反応槽2の回転羽根41,42に挟まれた領域内の決められた位置において、原水4の上昇流と下降流とが交互に発生し、原水4が撹拌される。回転シャフト13に取り付けられる回転羽根41の仮想平面p1対する仰角α1及び回転羽根42の仮想平面p2に対する仰角α2は実施の形態1の生物処理装置1の回転羽根21,22と同様である。また、生物処理装置1の生物反応槽2や流動機5の構成も実施の形態1と同様であるのでその説明を用いる。
この実施の形態6の生物処理装置1では、図11、図12の平面図及び図13の斜視図に示すように、回転羽根41の回転翼43と回転羽根42の回転翼44の平面上の取付位置は45°離れている。すなわち、回転翼43,44の間には、位相角θ=45°が設定されている。このため、この実施の形態6に示す生物処理装置1では、流動機5の回転シャフトが時計回りに45°回転する度に、槽内の原水4が図14に示す流動状態と図15に示す流動状態に交互に変化するようになっている。
図14は、下方の回転羽根42の回転翼44がC−C線の断面上にあり、付近の原水4に対して流動する力を付与しているときにおける槽内の原水4の流動状態を示すものである。図14の状態でのC−C線の断面上では、上方の回転羽根41による回転翼43の下方から水を掻き込む力はなく、下方の回転羽根42による回転翼44の上方からの水を掻き込む力のみになる。このため、回転翼42の直上では実施の形態1における水流j1よりも速い水流k2が発生する。そして、回転翼44による白矢印w1で示された力と遠心力によって、斜め下方の水流a2が発生するが、これも実施の形態1における水流a1よりも速い流速になる。水流a2は、ハンチ2cに当たって速い上昇流b2と底面2aに沿った速い水流c2に分かれる。水流c2は水流a2から分岐した水流であるので、当然実施の形態1の水流c1よりも速い流れになり、より底面2aに汚泥が滞留しにくくなる。また、上昇流b2は、回転翼44の水を掻き込む力によって引っ張られ、さほど上昇せずに水流f2から水流j2に変化し、水流k2となり、回転翼44に掻き込まれていく旋回流を形成する。
一方、回転シャフト13の回転位相が45°前のときに上方の回転羽根41の回転翼43が発生させた水流(上方の回転羽根41の回転翼43がC−C線の断面上にあったときに付近の原水4に発生させた水流)の余韻が水流e2,d2,m2,n2からなる旋回流として残っているが、上昇流b2や水流j2が回転翼44の水を掻き込む力によって引っ張られる影響から、水流m2,n2も実施の形態1の場合の水流d1に比べ下の水位まで下がっている。その結果、回転羽根41周辺から回転羽根41と回転羽根42の中間水位よりも下方の水位までの広い範囲で旋回流が発生する。また、回転羽根41の上方では、回転シャフト13の回転位相が45°前のときに回転翼43が発生させた水流の余韻が、水流g2,p2,h2,q2からなる旋回流として残っており、回転羽根41の上方の原水4の分布状況の均一化を促進している。
図15は、上方の回転羽根41の回転翼43がC−C線の断面上にあり、付近の原水4に対して流動する力を付与しているときにおける槽内の原水4の流動状態を示すものである。図15の状態でのC−C線の断面上では、下方の回転羽根42による回転翼44の上方から水を掻き込む力はなく、上方の回転羽根41による回転翼43の下方からの水の掻き込む力のみになる。このため、回転翼43の直下では実施の形態1における水流e1よりも速い水流t3が発生する。そして、回転翼43による白矢印w2で示された力によって、上昇流g3および水流d3が発生するが、これも実施の形態1における上昇流g1および水流d1よりも速い流速になる。強い上昇流g3は、生物反応槽2の槽側壁2bに沿って上昇した後、水面付近を回転シャフト13の方へ水平に流れ、重力等の影響によって下降流h3に変化する旋回流を形成するが、この旋回流の全体の流速が実施の形態1の場合よりも速い流れであるので、回転羽根41の上方の原水4の分布状況の均一化がより促進される。また、水流b3は、回転翼43の水を掻き込む力によって引っ張られ、さほど下降せずに水平方向の水流e3に変化し、水流t3となり、回転翼44に掻き込まれていく旋回流を形成する。
一方、回転シャフトの回転位相が45°前のときに下方の回転羽根42の回転翼44が発生させた水流(上方の回転羽根42の回転翼44がC−C線の断面上にあったときに付近の原水4に発生させた水流)の余韻が水流b3,f3,j3,k3からなる旋回流として残っているが、水流d3や水流e3が回転翼44の水を掻き込む力によって上方に引っ張られる影響から、水流f3,j3も実施の形態1の場合の水流f1,j1に比べ上の水位まで上がっている。その結果、回転羽根42周辺から回転羽根41と回転羽根42の中間水位よりも上方の水位までの広い範囲で旋回流が発生する。また、回転羽根42の下方では、回転シャフトの回転位相が45°前のときに回転翼44が発生させた水流の余韻が、水流a3,c3,r3,s3からなる旋回流として残っており、回転羽根42の下方の原水4の分布状況の均一化を促進している。
以上のように、実施の形態6の生物処理装置1によれば、上方の回転羽根41と下方の回転羽根42の間に位相角45°の回転位相を設けたことによって、回転シャフト13が45°回転する度に図14に示した槽内の流動状態と図15に示した槽内の流動状態が交互に繰り返される。図14の槽内流動状態で実施の形態1の水流c1よりも流速の速い水流c2が発生することにより、より底面2aに汚泥が滞留しにくくすることができる効果がある。また、図15の槽内流動状態で実施の形態1おける上昇流g1および下降流h1により形成される旋回流よりも流速の速い上昇流g3および下降流h3により形成される旋回流が発生することにより、水面付近に汚泥や担体がより滞留しにくくすることができる効果や、回転羽根41の上方の原水4の分布状況の均一化をより促進できる効果がある。さらに、図14の槽内流動状態では、上方の回転羽根41の水位から上方の回転羽根41と下方の回転羽根42との中間水位よりも低い水位までの間で水流e2,d2,m2,n2からなる旋回流が発生し、図15の槽内流動状態では、下方の回転羽根42の水位から前記の中間位置よりも高い水位までの間で水流b3,f3,j3,k3からなる旋回流が発生し、この2つの旋回流が交互に発生するので、上方の回転羽根41と下方の回転羽根42の間の領域の原水4の分布状況の均一化がより促進されるという効果がある。
なお、この実施の形態6では、回転位相の位相角θを45°とし、図14の槽内流動状態と図15の槽内流動状態が同じ時間ずつ交互に発生する通常最大の効果が期待できる構成としたが、これに限定されるわけではない。生物反応槽2の形状、流動機5の平面上の設置位置、処理対象の原水4の種類等、状況に応じて、位相角θを変えて、図14と図15の槽内流動状態の発生時間の比率を変えてもよい。実施の形態6の生物処理装置1の構成は、他の実施の形態2から実施の形態5あるいは実施の形態7から実施の形態10のものと組み合わせることが可能である。
実施の形態7.
図16は実施の形態7にかかる生物処理装置1であって、図11に示すA−A線に沿って切断された断面図を示している。実施の形態7の生物処理装置1は、実施の形態6の生物処理装置1の生物反応槽2に担体25を投入するタイプのものとしたものである。その他の構成は実施の形態6のものと同様であるので、その説明を用いる。また、説明図についても図11から図15を援用する。実施の形態7の生物処理装置1によれば、実施の形態6の生物処理装置1と同様に上下の回転羽根41,42に取付位置の位相が設けられているので、実施の形態1に比べて原水の分布状況のさらなる均一化が図れるが、実施の形態2に比べて生物反応槽2内の担体25の分布状況のさらなる均一化も同時に図ることができる。これにより、生物処理装置1の原水4を浄化する処理能力が向上する。実施の形態7の生物処理装置1の担体投入型の生物反応槽2は実施の形態3から実施の形態5および後述する実施の形態8から実施の形態10の生物処理装置1と組み合わせることが可能である。
実施の形態8.
図17は実施の形態8の生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断された断面図を示したものである。この実施の形態8の生物処理装置1では、回転シャフト13の下方に設けられた回転羽根45の構成が、実施の形態1の生物処理装置1と異なっており、その他の構成は実施の形態1の生物処理装置1と同様である。説明図についても図2から図5と概ね同様であるのでこれを援用する。すなわち、回転シャフト13の下方に取り付けられて固定されたハブ46の外周側面には、回転羽根45の回転翼47が4枚突出して設けられている。回転翼47は、回転シャフト13の軸方向に対して直交方向に延びる仮想平面p2に対し、角度β2の勾配を持つ仮想平面p22に概ね平行に設けられており、ハブ46との付け根位置から先端に向かって上り勾配になっている。また、同時に回転翼47は、仮想平面p22から仰角α2だけ傾斜している。すなわち、回転翼47は、回転の進行方向であり長手方向の前方側が後方側よりも高い位置となるように、仮想平面p22に対してα2の仰角をもって設けられている。なお、上方の回転羽根21については、実施の形態1の場合と同様に回転翼23がハブ15に仮想平面p1から仰角α1の傾斜角度で設けられている。
回転シャフト13が上方から見て時計回りに回転すると、上方の回転羽根21は、原水4に上昇流を発生させ、下方の回転羽根49は、原水4に下降流を発生させる。しかし、下方の回転羽根45は、回転翼47が付け根から先端までβ2の上り勾配が設けられているので、回転翼47の先端から発生する下降流は、実施の形態1の下降流a1に比べて、水平方向側に近い傾斜角で下降流が発生し、概ね45°の斜面のハンチ2cに対してより斜めの方向から当たる。このため、実施の形態1の場合よりも、下降流がハンチ2cで反射して回転翼47に戻ってきてしまうことで水流量が低減され、下降流a1を阻害して速度を低下させてしまう要因を低減できる。
以上のように、実施の形態8の生物処理装置1によれば、下方の回転羽根45の回転翼49が仰角α2の他に付け根側から先端側に向かって上り勾配β2を有していることにより、回転シャフト13が時計回りに回転して回転翼49から下降流を発生させ、その下降流がハンチ2cに当たって複数の方向の水流に向きを変える際、下降流a1側に跳ね返ってくる水流量を低減させることができ、下降流a1の速度をより速くすることができる効果がある。これにより、下降流a1がハンチ2cに当たって分かれてできる上昇流b1や底面2aに沿って流れる水流c1の速度も上昇させる効果もある。
実施の形態8の生物処理装置1のように、下方の回転羽根45が仰角α2の他に勾配β2を与える構成は、実施の形態2から実施の形態7の生物処理装置1の構成と組み合わせることができる。
実施の形態9.
図18は実施の形態9にかかる生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断された断面図を示している。この生物処理装置1では、回転シャフト13の中間部に取り付けられる上方の回転羽根48の回転翼49にハブ491との付け根から先端に向かって下向きの勾配β1が設けられている点において、実施の形態7の生物処理装置1と異なっており、その他の構成は、実施の形態7の生物処理装置1と同様である。説明図についても図2から図5と概ね同様であるのでこれを援用する。上方の回転羽根48には、回転翼49が4枚設けられている。回転翼49は、回転シャフト13の軸方向に対して直交する仮想平面p1に対し、角度β1の勾配を持つ仮想平面p12に概ね平行に設けられており、ハブ491との付け根位置から先端に向かって下り勾配となっている。また、同時に回転翼49は、仮想平面p12から迎角α1だけ傾斜している。すなわち、回転翼49は、回転の進行方向であり長手方向の前方側が後方側よりも低い位置となるように、仮想平面p12に対してα1の迎角をもって設けられている。
以上のように、実施の形態9の生物処理装置1によれば、上方の回転羽根48の回転翼49が仰角α1の他に付け根側から先端側に向かって下り勾配β1を有していることにより、回転シャフト13が時計回りに回転して回転翼48から上昇流を発生させた際には、下り勾配を有さない回転翼21等の場合と比べて、槽側壁2bよりの水流g1となる。これにより、実施の形態1の場合よりも水流g1が槽側壁2bに沿った流れとなり、上方の回転羽根48の上方の原水4の分布状況がより改善できる効果がある。なお、実施の形態9の生物処理装置1の構成は、他の実施の形態2から実施の形態6の生物処理装置1の構成と組み合わせることができる。
実施の形態10.
図19は、実施の形態10の生物処理装置1であって、図2に示すA−A線に沿って切断された断面図を示したものである。この生物処理装置1は、回転シャフト13の下端部に取り付けられる回転羽根50の構成が、図17のものと異なっており、その他の構成は、実施の形態7の生物処理装置1と同様であるので、その説明を用いて詳細な説明を省略する。説明図についても図2から図5と概ね同様であるのでこれを援用する。実施の形態10の回転シャフト13の下端部に取り付けられて固定されたハブ51の外周側面には、回転羽根50の回転翼52が4枚突出している。回転翼52のハブ51の付け根から中間部までは、回転シャフト13の直交方向に延びる仮想平面p2に沿って概ね平行に延びており、回転翼52の中間部から先端にかける部分は、中間部から角度β21の勾配を持つ仮想平面p23に沿った、上方に向かって反り上がるような形状となっている。また同時に、回転翼52は、ハブ51との付け根部分において仮想平面p2から仰角α2の傾斜角度を有するように設けられている。
以上のように、実施の形態10の生物処理装置1によれば、回転翼52の付け根から中間部までの部位は勾配なく回転シャフト13の直交方向に延びており、回転翼52の中間部から先端部までの部位は、勾配β2が設けられているので、以下の効果がある。通常、回転運動する回転羽根の回転翼が槽内の原水4に与える力は、回転翼の先端部が最も大きく、回転シャフトに近づくにつれて徐々に小さくなっていく。本来、下降流を発生させるための力を回転翼の下方の原水4に最も効率よく力を与えるには、実施の形態1の回転羽根22のような回転羽根22の回転運動の中心である回転シャフトに直交する仮想平面p2に対して平行に設けられるのが最適である。しかし、実施の形態8において記載した通り、回転羽根22の先端部分付近は、ハンチ2cで跳ね返った水流の影響を受け易いので、先端部分は、上り勾配β2を設ける方がよい。この実施の形態10の生物処理装置の回転翼52は、ハンチ2cによる影響を受けにくいハブ51との付け根から中間部までは仮想平面p2と平行に設けることで、最も効率よく下方の原水に下降流の基となる力を付与でき、ハンチ2cの影響を受け易い回転翼52中間部から先端部までを角度β2の上り勾配とすることにより影響を軽減して、下降流の流速をより速い状態に維持することができる効果がある。
なお、実施の形態10のように、回転羽根50の中間部から先端部の部位にかけて、仰角α2の他に勾配β2を与えられる構成は、実施の形態2から実施の形態6までの他の実施の形態の生物処理装置1の構成と組み合わせることができる。
上記の実施の形態10の生物処理装置1において、途中から「く」の字型に反る回転羽根50を下方に設けたが、これを上下逆(回転翼52の中間部から先端までを角度β2の上り勾配とする。)にして上方の回転羽根21に代えて設置しても良い。
以上、実施の形態1から実施の形態10の生物処理装置1について説明したが、この発明の生物処理装置1は、上方に配設される回転羽根が上昇流を形成するものであり、下方に配設される回転羽根が下降流を形成する構成を有するものであれば、上述の生物処理装置1に限定されるものではなく、回転シャフト13に設けられる回転羽根の形状、段数、枚数等についても様々な変形例を考慮することが可能である。実施の形態8から10の回転羽根の勾配についても、適宜選択可能であり、回転翼が根元から先端に向かってカーブするものでも良い。
実施の形態1(図1〜図5参照)および実施の形態6(図10〜図15参照)に示した生物処理装置1の構成を用いて、実際に原水4を浄化処理したときの槽内流動状態について、以下の実施条件で従来の生物処理装置(図20,図21参照)と比較を行った。その結果を表1に示す。

〔共通の実施条件〕
(1)生物反応槽
・幅2000mm×奥行き2000mm×高さ3000mm
・ハンチ2cは、300mmで面取り
・ハンチ2aは、槽頂部から1000mm下の位置で300mm面取り
・生物反応槽内の水位は、2000mm
(2)流動機
・生物反応槽2の平面上で中央に配置
・回転駆動機11:電動モーター 0.2kW
・回転方向:上方から見て時計回り
・回転数:10rpm(1分間に10回転)
・回転翼形状:直方体:幅120mm×長さ700mm×厚さ10mm
・下方回転羽根の高さ位置:底面2aから400mm上方
・上方回転羽根の高さ位置:底面2aから1200mm上方
Figure 0005117065
槽内平均流速Vaは、生物反応槽2内の各地点の流速の平均値であり、これが速いほど、槽内全体の原水4の流動が活発であるといえる。底部平均流速Vbは、底面2a付近一面の平均流速であり、これが速いほど槽底部の原水4の流動が活発であるといえる。水面平均流速Vuは、原水4の水面付近一面の平均流速であり、これが速いほど水面付近の原水4の流動が活発であるといえる。表1の各流速値を比較すると明らかであるが、実施の形態6の水処理装置1が槽内平均流速Va、底部平均流速Vb、水面平均流速Vuのいずれも最も速い流速となっており、最も原水4の分布状況を均一化するのに適した構成といえる。この実施の形態6には及ばないが、実施の形態1の水処理装置1についても、従来の水処理装置1と比較すると、いずれの流速も大幅に優れた数値であり、原水4の分布状況は大幅に改善することができることが実証できた。
図1は本発明の実施の形態1にかかる生物処理装置の主要部である回転羽根の全体が示されている断面図であり、図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図2は実施の形態1の生物処理装置を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図である。 図3は実施の形態1の回転シャフトに形成される複数個の回転羽根の配置状態を示す平面図であり、図1のB−B線に沿って切断した断面図である。 図4は図1、図2に示される回転羽根の斜視図である。 図5は実施の形態1の槽内での原水の流動状態を示す説明図であり、図2のC−C線に沿って切断した断面図である。 図6は実施の形態2の生物処理装置における図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図7は実施の形態3の生物処理装置における回転羽根部分の斜視図である。 図8は実施の形態4の生物処理装置における図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図9は実施の形態5の生物処理装置における図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図10は実施の形態6の生物処理装置における図11のA−A線に沿って切断した断面図である。 図11は実施の形態6の生物処理装置を上方から見た全体の平面的構成を示す平面図である。 図12は図10の生物処理装置をB―B線に沿って切断した断面図である。 図13は実施の形態6の生物処理装置の回転羽根部分の斜視図である。 図14は実施の形態6の生物処理装置にかかる図11のC−C線に沿って切断した断面図であり、下方の回転羽根42の回転翼44の位置が切断面にある状態での槽内流動状態の説明図である。 図15は実施の形態6の生物処理装置にかかる図11のC−C線に沿って切断した断面図であり、上方の回転羽根41の回転翼43の位置が切断面にある状態での槽内流動状態の説明図である。 図16は実施の形態7にかかる生物処理装置の図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図17は実施の形態8にかかる生物処理装置の図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図18は実施の形態9にかかる生物処理装置の図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図19は実施の形態10にかかる生物処理装置の図2のA−A線に沿って切断した線断面図である。 従来の生物処理装置の構成を示す断面図である。 従来の生物処理装置の回転羽根により生じる原水の流動状態を示す説明図である。
符号の説明
1 生物処理装置
2 生物反応槽
2a 底面
2b,2e,2f 槽側壁
2c,2d ハンチ
3a 原水導入口
3b 処理水流出口
4 原水
5 流動機
11 回転駆動機
12 駆動軸
13 回転シャフト
14 連結継ぎ手
15,321 ハブ
16,331 ハブ
21,26,30 上昇流を形成する上方の回転羽根
22,27,31 下降流を形成する下方の回転羽根
23,28,32 上方の回転翼
24,29,33 下方の回転翼
25 担体
35 上昇流を形成する上方の回転羽根
36 上昇流を形成する中央の回転羽根
37 下降流を形成する下方の回転羽根
38 上方の回転翼
39 中央の回転翼
40 下方の回転翼
381,391,401 ハブ
41 上昇流を形成する上方の回転羽根
42 下降流を形成する下方の回転羽根
43 上方の回転翼
44 下方の回転翼
431,441 ハブ
45 下降流を形成する下方の回転羽根
46 ハブ
47 下方の回転翼
48 上昇流を形成する上方の回転羽根
49 上方の回転翼
491 ハブ
50 下降流を形成する下方の回転羽根
51 ハブ
52 下方の回転翼
p1 仮想平面
p2 仮想平面
p12 仮想平面
α1 上方の回転翼の仰角
α2 下方の回転翼の仰角
α3 中央の回転翼の仰角
β1 上方の回転翼の勾配
β2,β21 下方の回転翼の勾配
θ 回転位相の位相角

Claims (3)

  1. 原水を担体投入型生物反応槽に導入し、
    該生物反応槽の上方に設けられた回転駆動機、
    該回転駆動機に接続して前記生物反応槽内を垂下する回転シャフト
    および
    該回転シャフトに間隔を空けて設けられた複数の回転羽根からなる流動機により、前記生物反応槽を流動させて生物処理を行う担体投入型生物処理装置において、
    前記複数の回転羽根は、
    前記回転シャフトの上方に配設された上昇流を発生させる回転羽根
    および
    前記回転シャフトの下方に配設された下降流を発生させる回転羽根
    であり、
    前記回転羽根を構成する回転翼の先端と前記生物反応槽の側壁との距離が、
    前記回転羽根の羽根径の0.15倍から0.5倍の範囲にある
    ことを特徴とする担体投入型生物処理装置。
  2. 少なくとも1つの回転羽根は、
    他の回転羽根に対し、回転シャフトの軸を中心に回転位相を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の担体投入型生物処理装置。
  3. 前記回転シャフトの下方に配設された下降流を発生させる回転羽根を構成する回転翼は、
    上り勾配を有している
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の担体投入型生物処理装置。
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