JP5116355B2 - 定着装置、定着装置を有する画像形成装置、及び定着装置における加熱方法 - Google Patents

定着装置、定着装置を有する画像形成装置、及び定着装置における加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置が有する定着装置に関するものである。
複写機(MFP:Multifunction Peripheral)、プリンタ、FAX(Facsimile)などに代表される画像形成装置は、普通紙やOHP(Over Head Projector)用のシートなどの画像形成媒体上に画像を形成する工程を有しており、様々な方式によって実現されている。
その中でも速度、品質、コストなどの面で優れていることから、現在の画像形成装置に広く採用されているのが電子写真方式である。
この電子写真方式には、画像形成媒体上に未定着のトナー像を形成し、熱と圧力によって画像形成媒体に定着させる工程があり、その方式には、高速性、安全性などの面からヒートローラ方式が最も多く採用されている。
ヒートローラ方式とは、ハロゲンヒータなどの発熱部材により加熱される加熱ローラと、これに対向配置される加圧ローラを圧接して、ニップ部と呼ばれる相互圧接部を形成し、両ローラ間に未定着のトナー像が形成された画像形成媒体を通過させることによって、画像形成媒体にトナー像を定着する方式である。
加熱ローラは、鉄やアルミなどの金属ローラを主に使用しており熱容量が大きい。このため、使用可能温度である約180℃前後まで昇温するには数分から十数分の長い立ち上げ時間を必要とするという欠点がある。
そこで、画像形成装置では、ユーザが印刷を行っていない待機時にも、加熱ローラに電力を供給し、加熱ローラの温度を使用可能温度よりやや低い予熱温度に保っている。これにより、ユーザから印刷実行を要求された場合、加熱ローラが短時間で使用可能温度に達するため、ユーザは、印刷要求をしてから印刷を開始するまでの待ち時間(加熱ローラの使用可能温度到達までの待ち時間)を与えることなく印刷を行うことができる。
しかし、加熱ローラの温度を使用可能温度よりやや低い予熱温度に保っていることから、画像形成装置を使用していないとき(待機時)にも、画像形成には直接必要のない余分な電力が消費されていることになる。
近年、環境保護意識の高まりから、例えば、日本の経済産業省とアメリカの環境保護庁(EPA)によって進められているエナジースターなどのようなOA機器の省エネルギーに関する仕様や制度が制定されている。
このような背景から、今日の画像形成装置では、省エネの仕様や制度に対応するため省電力化を図る必要があり、それを実現する有効な方法として、先に述べた「画像形成には直接必要い余分な電力消費を削減」する方法が挙げられる。このため、待機時の定着装置への電力供給をゼロにすることが望ましい。
しかし、従来の装置構成のままで待機時の電力をゼロにすると、再立ち上げ時に加熱ローラの使用可能温度までの到達時間がかかってしまい、印刷要求を受け付けてから印刷を開始するまでの待ち時間が長くなり、ユーザにストレスを与えてしまう。このため、速やかに加熱ローラの温度を使用可能温度に到達させる構成が、省エネ対応の画像形成装置を実現する上で必要とされ、例えば、ZESM(Zero Energy Star Mode)などの省エネプログラムでは、再立ち上げにかかる時間を10秒以下にすることが要求されている。
そこで、加熱ローラの使用可能温度到達時間を短くするための方法としては、単位時間の投入エネルギー、すなわち定格電力を大きくする方法が挙げられる。実際に、印刷速度の速い画像形成装置では、電源電圧が200(V)に対応している装置もある。
しかし、国内のオフィス環境の電源は、100(V)・15(A)が一般的で、消費電力1500(W)が上限であり、オフィス環境が200(V)に対応するためには、現在の電源環境に特別な工事を施す必要があり一般的な解決法とはいえない。また、100(V)・15(A)を2系統用いて全投入電力を上げる画像形成装置も実用化されているが、2系統のコンセントが近くにあるところでないと使用することができない。
このため、これまでは、加熱ローラを短時間に使用可能温度まで昇温させようとしても、投入エネルギー(供給電力)の上限を上げられないのが実状であった。
そこで、最大供給電力を増やすことで省エネを実現する方法として、充電可能な補助電源を用いる方法が提案されている。
充電可能な補助電源として代表的なのは、鉛蓄電池やカドニカ電池などである。
しかし、これらの電池(二次電池)は、充放電を繰り返すと電池が劣化し蓄電可能な容量が低下し、大電流で放電するほど電池としての寿命が短くなるという性質を持つ。一般的に大電流で長寿命とされているカドニカ電池においても、充放電の繰り返し回数は約500〜1000回程度であり、例えば、1日に20回の充放電を繰り返すと1ヶ月程度で電池の寿命が来てしまうことになる。これでは、電池交換の手間がかかるとともに、電池代などのランニングコストも高い。さらに、充電時間も大容量をフルに充電するには、数時間を要するため1日に何度も充放電を繰り返す用途には使用できず、実用上は実現が困難であった。
そこで、特許文献1には、実用上実現が困難であった二次電池にかわり、電気二重層キャパシタなどの大容量コンデンサ(キャパシタ)を補助電源として用いる技術が提案されている。
このように、キャパシタを補助電源として用いると、定着装置の使用可能温度到達時間(立ち上がり時間)が数秒から数十秒の短い時間でありながら、商用電源から供給される電力の上限を超える電力を定着装置に供給することができる。
また、特許文献2には、特許文献1に提案された定着装置の構成に、補助電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路を加え、補助電源の出力電圧を高める技術が提案されている。
特開2000−315567号公報 特開2003−297526号公報
画像形成装置において必要な補助電力は、その装置の稼働条件や補助電源であるキャパシタの特性に応じて大きく変化する。
例えば、朝一番に電源を投入したときは、定着装置が冷えているので、ほぼ最大の補助電力を供給する必要がある。しかし、連続印刷中や連続印刷をして間もないときは、既に定着装置が使用可能温度に達しているため、供給する補助電力が少なくてすむ。
しかしながら、特許文献2に限らず従来の定着装置及び定着装置を有する画像形成装置では、省電力化を実現するための方法として、例えば、発熱部材のオン・オフ制御や補助電源への充電電圧を下げることによる発熱部材の消費電力低下などの方法を採用しており、発熱部材のオン・オフ制御によるスイッチロスの増加やスイッチの寿命が短くなる問題点や、温度のオーバーシュートも発生しやすいという問題点がある。
また、補助電源であるキャパシタは、長期的な使用を続けると蓄電容量が減少し電力供給時間が短くなってしまうという問題点や、劣化に伴うキャパシタの内部抵抗の増加による出力低下という問題点があり、このような給電能力の変化が発生すると、定着装置の温度を安定した状態に制御することが難しく、特にカラー画像出力においては、温度制御が出力品質に大きな影響を与えることとなる。
本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、定着装置及び/又は定着装置を有する画像形成装置の状態や画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御することで、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる定着装置、定着装置を有する画像形成装置、及び定着装置における加熱方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の定着装置は、キャパシタで構成される補助電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、主電源装置から供給される電力と前記昇圧回路を介して前記補助電源装置から供給される電力によって発熱する発熱部材と、前記発熱部材によって加熱される加熱部材とを有する定着装置であって、前記補助電源装置から取得したキャパシタ状態情報と前記キャパシタの劣化を判定するために予め設定しておいたキャパシタ劣化判定基準情報とから、前記キャパシタが劣化していると判定された場合に、前記昇圧回路の昇圧倍率を低くする制御手段を有することを特徴とする。
これによって、本発明の定着装置は、定着装置及び/又は定着装置を有する画像形成装置の状態や画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、昇圧回路の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御することができる。
よって、本発明の定着装置は、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、感光体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した感光体に潜像形成する露光装置と、前記潜像形成された像にトナーを付着させトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を画像形成媒体上に転写する転写装置と、転写されたトナー像を熱と圧力によって前記画像形成媒体に定着させる請求項1に記載の定着装置とを備えることを特徴とする。
これによって、本発明の画像形成装置は、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
上記目的を達成するため、本発明の定着装置における加熱方法は、昇圧回路によってキャパシタで構成される補助電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧手順と、前記昇圧手順により前記補助電源装置の出力電圧を昇圧するときに、前記補助電源装置から取得したキャパシタ状態情報と前記キャパシタの劣化を判定するために予め設定しておいたキャパシタ劣化判定基準情報とから、前記キャパシタが劣化していると判定された場合に、前記昇圧回路の昇圧倍率を低くする制御手順と、前記制御手順により昇圧倍率が制御された前記昇圧回路を介して前記補助電源装置と主電源装置とから供給される電力によって発熱部材を発熱する発熱手順と、前記発熱部材によって加熱部材を加熱する加熱手順とを有することを特徴とする。
これによって、本発明の加熱方法は、定着装置及び/又は定着装置を有する画像形成装置の状態や画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、昇圧回路の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御し、定着装置が有する加熱部材を加熱することができる。
よって、本発明の加熱方法は、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
本発明によれば、定着装置及び/又は定着装置を有する画像形成装置の状態や画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、昇圧回路の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御し、余分な消費電力の削減及び安定した機械性能を維持する定着装置、定着装置を有する画像形成装置、及び定着装置における加熱方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」と言う。)について、図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<画像形成装置のハードウェア構成について>
まず、本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る定着装置を有する画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100には、図中の矢印1が示す方向に回転する像担持体であるドラム形状の感光体101の周辺に、感光体101の周面を帯電する帯電ローラを備えた帯電装置102と、感光体101の周面に潜像を形成するために露光装置(図示せず)から照射されたレーザビーム(露光光)Lbを帯電した感光体101の周面を走査するように誘導するミラー103と、潜像形成された像にトナーを付着させ感光体101の周面にトナー像(トナーによって可視化した像)を形成する現像ローラ104aを備えた現像装置104と、画像形成媒体Pとしての転写紙にトナー像を転写する転写装置105と、画像形成媒体Pにトナー像を転写した後、感光体104の表面に残留したトナーを、感光体101の周面に摺接するブレード106aを備えたクリーニング装置106などが配置されている。
感光体101の周面において、帯電装置102と現像ローラ104aとの間に存在する、ミラー103によって誘導されたレーザビームLbの照射位置を露光部201という。
また、感光体101の周面と転写装置105との間に存在する部位を転写部202という。
転写装置105のさらに上流側には、一対のレジストローラ49が設けられている。このレジストローラ107に向けて、給紙トレイ(図示せず)に収納された画像形成媒体Pが、搬送ガイド(図示せず)に案内されて給紙コロ108から送り出される。
また、転写装置106のさらに下流側には、本実施形態に係る定着装置10が配置されている。
<画像形成装置の動作について>
図1に示すハードウェアで構成された本実施形態に係る画像形成装置100は、以下に説明する電子写真方式の画像形成手順によって画像形成媒体Pに印刷を行う。
(A)帯電と露光
感光体101が図中の矢印1に示す方向に回転を始め、帯電装置102が備える帯電ローラによって回転中の感光体101の周面を帯電し、露光装置(図示せず)からミラー103を介してレーザビームLbが露光部201に照射され、帯電した感光体101の周面を走査して印刷する画像に対応した潜像を形成する。
(B)現像と転写
形成された潜像は、感光体101の回転により現像装置104と対向する位置に移動し、現像装置104が備える現像ローラ104aによって、潜像形成された像にトナーを付着させ感光体101の周面にトナー像を形成する。
また、このタイミングで、給紙コロ108により給紙トレイ(図示せず)に収納された画像形成媒体Pの給紙が開始され、図中の矢印2に示す搬送経路を経て一対のレジストローラ107の位置で一旦停止し、回転して移動した感光体101の周面に形成されたトナー像と転写部202で合致するように送り出しのタイミングを待つ。
係る好適なタイミングが到来するとレジストローラ107に停止していた画像形成媒体Pは、レジストローラ107から送り出され、転写部202に向けて搬送される。
感光体101の周面に形成されたトナー像と画像形成媒体Pとは、転写部202で合致し、転写装置105によってトナー像が画像形成媒体Pに転写される。
(C)定着
トナー像を担持した画像形成媒体Pは、定着装置10に向けて送り出される。その後、画像形成媒体Pのトナー像は、定着装置10を通過する間に当該画像形成媒体Pに定着され、排紙トレイ(図示せず)に排紙される。
(D)クリーニング
また、転写装置105によって画像形成媒体Pに転写されず、感光体41の周面上に残った残留トナーは、感光体101の回転とともにクリーニング装置106が備えるブレード106aが配置された位置に至り、クリーニング装置106を通過する間に除去される。
このように、本実施形態に係る定着装置10を有する画像形成装置100は、上記に説明した電子写真方式の手順(A)〜(D)によって、画像形成媒体Pである普通紙やOHP用のシートなどに、画像を印刷することができる。
<定着装置のハードウェア構成について>
次に、本実施形態に係る定着装置10のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置10には、主に、トナー像を担持した画像形成媒体Pに熱を加える加熱ローラ(加熱部材)12と、加熱ローラ(加熱部材)12に接するように配置され、トナー像を担持した画像形成媒体Pに圧力を加える加圧ローラ(加圧部材)13とから構成されている。
さらに、加熱ローラ(加熱部材)12は、ローラ内部の空間に、電源から供給される電力によって発熱する主発熱体11aと補助発熱部材11bとから構成される発熱部材11を備えている。
主発熱体11aと補助発熱体11bとから構成される発熱部材11は、例えば、ハロゲンヒータによる主発熱体11aと補助発熱体11bとから構成され、輻射熱で金属性の加熱ローラ12の内側周面を加熱する。
加熱ローラ(加熱部材)12は、加圧による変形などの耐久性という点から、例えば、アルミや鉄などの金属製であることが望ましい。また、加熱ローラ(加熱部材)12の外側周面には、画像形成媒体Pに担持したトナーtの固着を防止するための離型層を形成していることが望ましく、加熱ローラの内側周面には、発熱部材11からの熱を効率よく吸収するために黒化処理されていることが望ましい。
このように、本実施形態に係る定着装置10は、図中の矢印に示す方向に加熱ローラ(加熱部材)12及び加圧ローラ(加圧部材)が回転し、回転中の加熱ローラ(加熱部材)と加圧ローラ(加圧部材)との間にトナー像を担持した画像形成媒体Pを送り出すことで、熱と圧力により画像形成媒体Pにトナー像を定着させることができる。
<定着装置の回路構成について>
次に、本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路構成について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10を動作させる回路構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路1は、主に、商用電源を用いて電力を供給する主電源装置2と、例えば、複数のキャパシタセルから構成される充放電可能な補助電源装置3と、主電源装置2から供給される電力によって補助電源装置3を充電する充電器4と、補助電源装置3の出力電圧を昇圧する昇圧回路7と、電源装置2及び3から供給される電力によって発熱する発熱部材11とから構成され、発熱部材11の主発熱体11aが、スイッチ(主電力制御手段)6がオンの状態(通電状態)となった場合に主電源装置2から電力が供給され、発熱部材11の主発熱体11bが、スイッチ(補助電力制御手段)5がオンの状態(通電状態)となった場合に昇圧回路7を介して補助電源装置3から電力が供給され発熱するよう回路上に配置されている。
ここで、本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路1に配置された発熱部材11及び補助電源装置3について、以下に詳しく説明する。
<<発熱部材について>>
本実施形態に係る定着装置10が有する発熱部材11は、ハロゲンサイクルにより寿命が長く、高い効率で発熱することができるハロゲンヒータであり、ガラス管の中にある電熱線が電力の供給によって発光し、図2に示した加熱ローラ(加熱部材)12を加熱する。
主発熱体11aは、日本国内では100(V)である主電源装置2につながれ、画像形成装置100が有する機能や性能により異なる要求電力に応じて抵抗値が異なる。例えば、120(W)が要求されている画像形成装置100では、主発熱体11aの抵抗値が約8(Ω)であり、700(W)が要求される画像形成装置100では、約14(Ω)である。
また、本実施形態に係る定着装置10では、補助発熱体11bに複数のハロゲンヒータを用いて、ヒータ1本の構成よりも補助発熱体11b全体の抵抗値を小さくすることで大電流・大電力を得ることが可能であり、通電する本数を減らすことで電力を減らすことが可能な構成としている。
本実施形態に係る補助発熱体11bは、複数のハロゲンヒータが並列に配置されており、主発熱体11aと補助発熱体11bとは、スイッチ(主電力制御手段)6及びスイッチ(補助電力制御手段)5によって独立にオン・オフ制御(通電を制御)することができる。
なお、発熱部材11に、セラミックヒータなどを用いる構成でもよく、この場合には、薄いフィルムなどを介して加熱ローラ(加熱部材)12の内側周面に接触して加熱する構成となる。
<<補助電源装置について>>
補助電源装置3は、充放電可能な電源であり、大容量化が容易なコンデンサである電気二重層キャパシタを用いている。コンデンサは、二次電池と異なり、化学反応を伴わないため下記のような優れた特性を持っている。
・充電時間が短い
二次電池として一般的なニッケル−カドミウム電池を用いた補助電源では、急速充電を行っても数時間の時間を要するため、1日の大電力供給可能回数が数時間おきに数回しか実現できず、実用的ではない。これに対してコンデンサを用いた補助電源では、数十秒〜数分程度の急速な充電が可能であるため、補助電源を用いた加熱の回数を実用的な回数にまで増やすことができる。
・寿命が長い
ニッケル−カドミウム電池は、充放電の繰り返し回数が500から1000回であるため、加熱などの大電力供給を目的とする補助電源としては寿命が短く、交換の手間やコストが問題となる。これに対して、コンデンサを用いた補助電源は、1万回以上の寿命を有し、繰り返しの充放電による劣化も少ない。また、鉛蓄電池のように液交換や補充なども必要ないため、限られたメンテナンス作業を行うだけでよい。
本実施形態では、このような特性をもつキャパシタを、図中の3にその一例を示すように複数個備えている。例えば、容量2000(F)で内部抵抗3m(Ω)のキャパシタセルを10個直列にした構成による補助電源装置3を用いる。キャパシタセルの定格電圧が2.5(V)であることから、全セル(10個のセル)を組み合わると25(V)の定格電圧となる。
また、詳しくは図示していないが各キャパシタセルの電圧を検知して、過充電及び過放電しないように充電電流及び放電電流をバイパスする回路を設けることが、長期的な信頼性を確保するためには望ましい。なお、使用するキャパシタとしては、電気二重層キャパシタに限らず、さらに、複数のキャパシタセルから構成される補助電源装置3は、電気二重層キャパシタ、非活性炭電極キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、疑似容量キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなど異なる種類のキャパシタを組み合わせる構成としてもよい。
図3に戻り、補助電源装置3は、充電器4によって主電源装置2から供給される電力を蓄え、蓄えた電力の電圧(補助電源装置3の出力電圧)を昇圧回路7によって昇圧し、スイッチ(補助電力制御手段)5をオンの状態(通電状態)にすることで、補助発熱体11bへ電力を供給する。
このような回路構成にすることで、本実施形態に係る定着装置10は、図3に示したような、主発熱部体11aに対して主電源装置2から電力を供給し、補助発熱体11bに対して昇圧回路7を介して補助電源装置3から電力を供給可能なように構成されており、主電源装置2及び補助電源装置3の両方からの電力を同時に発熱部材11に供給することで、従来の主電源装置2による供給電力を上回る電力を発熱部材11に供給することできる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10の立ち上がり時における加熱ローラ12の昇温特性の一例を示す図である。
よって、本実施形態に係る定着装置10は、図4に示すように、加熱ローラ(加熱部材)12が一定の温度に達するまでの昇温時間が、主電源装置2のみを用いたときよりも、主電源装置2と補助電源装置3とを同時に用いたときの方が昇温時間を短縮することができることから、朝一番の電源投入時や再立ち上げ時など、短時間で定着装置10の使用可能温度に達し、印刷性能に1つであるファーストプリント性能を維持することができる。
図3に戻り、本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路1は、図3に示すように、「定着装置10及び/又は定着装置10を有する画像形成装置100の状態などに応じて、補助電源装置3から定着装置10が有する発熱部材11に供給される電力を制御することで、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持する」という機能を実現するため、制御手段21及び装置状態情報取得手段22とを有している。
制御手段21及び装置状態情報取得手段22については、以降の本実施形態に係る定着装置10における動作例で詳しく説明する。
<定着装置の動作について>
以下に、本実施形態に係る定着装置10の動作について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10の動作の一例を示す図であり、短時間に昇温可能であることや短時間に充電可能であることなどの動作特徴の一例を示している。
本実施形態に係る定着装置10は、図中のaに示す、補助電源装置3が十分に充電されていない朝一番の電源投入による朝一昇温時に、商用電源である主電源装置2から発熱部材11(主発熱体11a)に電力が供給される。そして、図中のbに示す、加熱ローラ(加熱部材)12の温度を高くする必要がない待機時に、主電源装置2から充電器4を介して補助電源装置3に電力を供給し充電する。
次に、定着装置10は、図中のcに示す、発熱部材11によって加熱ローラ(加熱部材)12の温度を使用可能温度に昇温する印刷時など、多量の電力を必要とするときに、主電源装置2と補助電源装置3とからの電力を同時に発熱部材11(主発熱体11a及び補助発熱体11b)へ供給し、発熱部材11に供給される総電力を主電源装置2のみから供給されたときよりも多く供給することで、短時間に加熱ローラ(加熱部材)12の温度を昇温させることができる。さらに、印刷動作中にも電力供給を継続することで、印刷速度の高速化が可能となる。
このように、本実施形態に係る定着装置10の補助電源としてキャパシタを用いることにより、二次電池では得られなかった効果を得ることができる。
次に、先に述べた制御手段21及び装置状態情報取得手段22について説明する。
本実施形態に係る定着装置10は、昇圧回路7の昇圧倍率を制御する制御手段21と、定着装置10及び/又は定着装置10を備える画像形成装置100の装置状態情報を取得する装置状態情報取得手段22とを有している。
画像形成装置100において必要な補助電力は、例えば、図中のaに示すような加熱ローラ(加熱部材)12を昇温する必要がある場合には、補助発熱体11bの両方を使用して約2000(W)の補助電力を10秒程度供給し、また、連続印刷中などのような加熱ローラ(加熱部材)12を昇温する必要がない場合には、補助発熱体11bのどちらか一方を使用して数百(W)程度の補助電力を長く供給するなど、装置の稼働条件に応じて大きく変化する。
そのため、定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置状態に応じて、補助電源装置3から発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力を制御しなければならない。
そこで、制御手段21は、図3に示したように、補助電源装置3と発熱部材11(補助発熱体11b)との間に配置された補助電源装置3の出力電圧を昇圧する昇圧回路7の昇圧倍率を制御することによって、補助電源装置3から発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力を制御する。
制御手段21による昇圧倍率の制御について、補助電力装置3の出力電圧と昇圧回路7の出力電圧との関係を示す図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その1)を示す図であり、印刷性能が速い画像形成装置100や、主電源装置2から供給される電力が少ないため定着装置10が有する発熱部材11への供給電力も少なく画像形成装置100において、数十枚程度の連続印刷を行った場合の動作例を示したものである。
制御手段21は、例えば、画像形成装置100において、連続印刷後から次の印刷要求を受け付けるまでに経過した時間が長かったときなど、昇圧回路7の出力電圧、すなわち補助電源装置3から昇圧回路7を介して発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力量を多くしなければならない装置状態の場合、図6中段の破線に示すように高い昇圧倍率aに変化させる(切り替える)。
その結果、図6下段の破線に示すように、高い出力電圧を発生し、発熱部材11(補助発熱体11b)に多くの電力が供給され、図6上段の破線に示すように、一定の電圧低下時における補助電源装置3の放電時間が、低い昇圧倍率bを設定したときに比べて短くなる(Δt<Δt)。
また、制御手段21は、例えば、画像形成装置100において、連続印刷時など、昇圧回路7の出力電圧、すなわち補助電源装置3から昇圧回路7を介して発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力量が少なくてもよい装置状態の場合、図6中段の実線に示すように、低い昇圧倍率bに変化させる(切り替える)。
その結果、図6下段の実線に示すように、低い出力電圧を発生し、発熱部材11(補助発熱体11b)に使用可能温度を保持するためだけに必要な電力(少ない電力)が供給され、図6上段の実線に示すように、一定の電圧低下時における補助電源装置3の放電時間が、高い昇圧倍率aを設定したときに比べて長くなる(Δt<Δt)。
例えば、制御手段21は、朝一番に電源を投入した場合、装置が冷えているので加熱ローラ(加熱部材)12を使用可能温度に昇温させなければならないため、ほぼ最大の補助電力を供給する必要があり、昇圧倍率の高い条件で実行する。
また、制御手段21は、数百枚程度の連続印刷を実行後の場合、加熱ローラ(加熱部材)12の温度を維持するだけでよいため、最小の補助電力を供給するように昇圧倍率の低い条件で実行する。
このように、制御手段21は、図3に示す状態情報取得手段22により取得した、定着装置10及び/又は画像形成装置100が備えるセンサ類など装置各部の装置状態情報を基に、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させる(切り替える)。
装置状態情報取得手段22は、例えば、センサ類による検知や定期的に装置各部から装置状態情報を取得する。取得される装置状態情報は、例えば、補助電源装置3の残電力量や各キャパシタセルの充電状態、補助電源装置3の充電時における充電電力、定着装置10や昇圧回路7の温度、補助電源装置3からの入力電流や電圧値、最新の印刷要求による連続印刷枚数や印刷後の経過時間などである。
装置状態情報取得手段22によって取得するこれらの装置状態情報は、定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置特性や性能を考慮して予め決めておく。
また、装置状態と昇圧倍率とを対応付けるため、本実施形態では、定着装置10又は画像形成装置100が有するNVRAM(Non-volatile Random Access Memory)などの不揮発性の記憶装置(図示せず)に、装置状態情報取得手段22によって取得する装置状態情報の情報項目を識別する識別情報(例えば、項目IDなど。)と、制御手段21によって昇圧倍率を変化させる(切り替える)判断条件となるデータ(例えば、閾値となる数値や装置状態を示す文字列など。)と、設定する昇圧倍率及び実行時間とを、テーブルなどのデータ形式によって関連付けて格納しておく。
これによって、制御手段21は、例えば、以下に説明する手順により、定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置状態に応じて、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させる(切り替える)。
まず、制御手段21は、装置状態情報取得手段22により取得した装置状態情報の情報項目を識別する識別情報を基に、不揮発性の記憶装置(図示せず)に格納されたデータを参照する。
次に、制御手段21は、その参照結果から該当する装置状態情報の情報項目があった場合に、その情報項目に関連付けられた昇圧倍率を変化させる(切り替える)判断条件となるデータを参照する。
次に、制御手段21は、該当した情報項目に関連付けられた昇圧倍率を変化させる(切り替える)判断条件が、閾値によるものである場合に、取得した装置状態情報と閾値とを比較する。制御手段21は、その比較結果から昇圧倍率を変化させる(切り替える)と判断された場合(例えば、閾値を超過している場合。)に、該当した情報項目に関連付けられた昇圧倍率及び実行時間を参照し、参照した実行時間の間、昇圧回路7に対して、参照した昇圧倍率を設定する制御信号を送信する。
また、制御手段21は、該当した情報項目に関連付けられた昇圧倍率を変化させる(切り替える)判断条件が、装置状態の一致によるものである場合に、取得した装置状態情報と参照したデータが示す装置状態とが一致しているか否かを判定する。制御手段21は、その判定結果から昇圧倍率を変化させる(切り替える)と判断された場合(例えば、一致していた場合。)に、該当した情報項目に関連付けられた昇圧倍率及び実行時間を参照し、参照した実行時間の間、昇圧回路7に対して、参照した昇圧倍率を設定する制御信号を送信する。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置10の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その2)を示す図である。
制御手段21は、先に説明した手順によって、図7に示すように、定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置状態に応じて、昇圧倍率を段階的(図中では2段階)に変化させる(切り替える)こともできる。
また、制御手段21は、例えば、装置状態情報取得手段22によって取得された複数の装置状態情報を総合的に判断し(複数の装置状態情報の組み合わせによって判断し)、所定時間において、複数の昇圧倍率を段階的に変化させる(切り替える)パターンや昇圧倍率を連続的に変化させるパターンなど、予め定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置特性や性能を考慮し用意しておいた複数の昇圧倍率切替パターンから、適切な切替パターンを選択し、選択した切替パターンに従って、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させる(切り替える)こともできる。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る昇圧倍率を切り替えるパターンの一例を示す図である。
本実施形態では、例えば、図8に示す、昇圧倍率を段階的に変化させる(切り替える)切替パターン1〜3や連続的に変化させる切替パターン4のような昇圧倍率の制御をデータ化し、そのデータを、想定される装置状態の組み合わせと対応付けて、定着装置10又は画像形成装置100が有する不揮発性の記憶装置に格納しておく。
これによって、制御手段21は、装置状態情報取得手段22によって取得された複数の装置状態情報を基に、該当する装置状態の組み合わせに対応付けて記憶装置に格納された昇圧倍率切替パターンのデータを参照し、参照したデータを基に、昇圧回路7に対して、複数の昇圧倍率を順に設定する制御信号を送信する。
このように、本実施形態に係る定着装置10は、装置状態情報取得手段22により取得した装置状態情報に基づいて、制御手段21により昇圧回路7の昇圧倍率を適宜変化させる(切り替える)ことで、定着装置10及び/又は画像形成装置100の装置状態に応じて、補助電源装置3から発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力を制御することができる。
また、本実施形態に係る定着装置10は、昇圧回路7の昇圧倍率の設定を複数有する構成とすることで、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る定着装置10が有する機能を、以下の処理手順により実現している。
(手順1)装置状態情報の取得
本実施形態に係る定着装置10は、装置状態情報取得手段22により、定着装置10及び/又は定着装置10を備える画像形成装置100の装置状態情報を取得する。
(手順2)昇圧倍率の制御
本実施形態に係る定着装置10は、制御手段21により、装置状態情報取得手段22によって取得された装置状態情報を基に、該当する装置状態に対応付けて記憶装置に格納された昇圧倍率に関するデータ(昇圧倍率と実行時間に関するデータなど)を参照し、参照したデータを基に、昇圧回路7に対して昇圧倍率を設定する制御信号を送信する。
(手順3)出力電圧の昇圧
本実施形態に係る定着装置10は、補助電源装置3の出力電圧を、昇圧回路7を介して昇圧し、装置状態に応じて制御された電力を発熱部材11に供給する。
このように、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記(手順1)〜(手順3)によって、定着装置10及び/又は定着装置10を有する画像形成装置100の状態などに応じて、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源装置3から定着装置10が有する発熱部材11に供給される電力を制御することができる。
よって、本実施形態に係る定着装置10は、加熱動作を行うときの余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態は、画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、昇圧回路の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御し、余分な消費電力の削減及び安定した機械性能を維持するものである。
第1の実施形態と本実施形態と異なる点は、昇圧回路の昇圧倍率を変化させ、補助電源から定着装置が有する発熱部材に供給される電力を制御するときに、「画像形成装置が有する補助電源であるキャパシタの特性変化」に応じて行う点である。
よって、以降に行う本実施形態の説明では、第1の実施形態と同じ事項について、同一の図面及び図中の符号をもってその説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について、図9〜11を用いて説明する。
<定着装置の回路構成について>
本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路構成について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る定着装置10を動作させる回路構成の一例を示すブロック図である。
図3と図9とを比較して分かるように、本実施形態に係る定着装置10を動作させる回路1において第1の実施形態と異なる点は、「画像形成装置100が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、補助電源装置3から定着装置10が有する発熱部材11に供給される電力を制御することで、余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持する」という機能を実現するため、制御手段21のほか、キャパシタ状態情報取得手段23及びキャパシタ劣化判定手段24とを有している。
キャパシタ状態情報取得手段23及びキャパシタ劣化判定手段24については、以降の本実施形態に係る定着装置10における動作例で詳しく説明する。
<定着装置の動作について>
以下に、本実施形態に係る定着装置10の動作について説明する。
本実施形態に係る定着装置10は、昇圧回路7の昇圧倍率を制御する制御手段21のほか、画像形成装置100が有する補助電源であるキャパシタの状態情報(以下、「キャパシタ状態情報」という。)を取得するキャパシタ状態情報取得手段23、取得されたキャパシタ状態情報を基にキャパシタが劣化しているか否かを判定するキャパシタ劣化判定手段24とを有している。
画像形成装置100が有する補助電源であるキャパシタ(コンデンサ)は、電池と比較して寿命が長いことを特徴としているが長期間使用すれば劣化する。
そこで、本実施形態に係る定着装置10では、キャパシタ状態情報取得手段23により、蓄電容量の減少や内部抵抗の増加などのキャパシタのキャパシタ状態情報を取得し、キャパシタ劣化判定手段24により、取得されたキャパシタ状態情報によるキャパシタの特性変化から劣化の状態を判断する。
キャパシタ状態情報取得手段23は、例えば、蓄電容量の減少をキャパシタ状態情報として取得する場合、主電源装置2から充電器4を介して充電される際の充電時間や、昇圧回路7を介して発熱部材11に電力を供給する際の放電時間を取得する。
次に、キャパシタ劣化判定手段24は、キャパシタ状態情報取得手段23により取得された充電時間や放電時間(キャパシタ状態情報)を基に、所定の期間(例えば、ユーザに使用され始めてから現在までの期間など。)にどのように変化したか(例えば、時間が長くなった/短くなったなど。)に基づいて、キャパシタが劣化しているか否かなどの劣化状態を判定する。
キャパシタが劣化した場合の充電時間は、補助電源装置3の使用初期段階において、1.5(V)から2.3(V)への充電に60秒かかっていたものが、劣化が進むと、同じ充電電力でも50秒程度に短くなるという特性の変化に現れる。
また、キャパシタ状態情報取得手段23は、例えば、内部抵抗の増加をキャパシタ状態情報として取得する場合、放電して一定の時間が経過したときの昇圧回路7の入力電圧、もしくは昇圧回路7の出力電圧の値を取得する。
次に、キャパシタ劣化判定手段24は、キャパシタ状態情報取得手段23により取得された電圧値(キャパシタ状態情報)と放電開始直後の電圧値とを比較し、キャパシタが劣化しているか否かなどの劣化状態を判定する。
キャパシタが劣化した場合の昇圧回路7の出力電圧値は、放電開始直後の昇圧回路7の出力電圧値に比べて小さくなるという特性の変化に現れる。
また、発熱部材11(補助発熱体11b)への放電回路とは別に、一定の電流を流した場合の端子間における電圧低下を検知する検知回路(図示せず)を有し、内部抵抗の増加を検知する回路構成としてもよい。
制御手段21は、例えば、キャパシタ状態情報取得手段23により放電時間を取得し、キャパシタ劣化判定手段24によりキャパシタが劣化していると判断した場合、キャパシタの蓄電容量が減少すると放電時間が短くなるため、昇圧回路7の昇圧倍率を低く変化させる(切り替える)。
このことにより、本実施形態に係る定着装置10は、補助電源であるキャパシタが劣化したときに、補助電源装置3から昇圧回路7を介して発熱部材11(補助発熱体11b)へ供給される電力の放電時間を延長させることができる。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る定着装置10の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その1)を示す図である。
しかし、キャパシタが劣化している判定結果に基づいて、予め決めておいた一定の昇圧倍率を用いて昇圧回路7の出力電圧を下げると、本来装置が有している機械性能を実現するために必要な電力を満たせない状況になる可能性がある。
このため、本実施形態に係る定着装置10は、制御手段21により、図10に示すように、放電開始からの経過時間に応じて、昇圧倍率を段階的(図中では2段階)に変化させる(切り替える)こともできる。
そこで、本実施形態では、昇圧倍率を段階的に変化させる(切り替える)複数の昇圧倍率のデータを、想定されるキャパシタの状態情報と放電開始からの経過時間とに対応付けて、定着装置10又は画像形成装置100が有する不揮発性の記憶装置に格納しておく。
これによって、制御手段21は、放電開始からの経過時間を基に、対応付けて記憶装置に格納された昇圧倍率のデータを参照し、参照したデータを基に、昇圧回路7に対して、昇圧倍率を設定する制御信号を送信する。
このように、本実施形態に係る定着装置10は、図10中段の実線に示す放電初期(キャパシタが劣化していないとき)の昇圧倍率と破線に示す劣化していると判断された後の昇圧倍率のように、放電開始直後は、放電初期(キャパシタが劣化していないとき)と同じ昇圧倍率を設定し、所定の時間が経過した後、放電初期(キャパシタが劣化していないとき)と異なる昇圧倍率に変化させる(切り替える)ことで、機械性能を実現するために必要な電力供給と供給時間の延長とをバランスよく実現することができる。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る定着装置10の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その2)を示す図である。
また、本実施形態に係る定着装置10は、図11に示すように、キャパシタが新品時のパターンと劣化時のパターンなど、キャパシタの特性を考慮し用意しておいた複数の昇圧倍率切替パターンから、適切な切替パターンを選択し、選択した切替パターンに従って、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させる(切り替える)こともできる。
本実施形態では、例えば、図11に示す、昇圧倍率を段階的に変化させる(切り替える)切替パターンA〜C(図中の実線、破線1及び2)のような昇圧倍率の制御をデータ化し、そのデータを、想定されるキャパシタの状態情報と対応付けて、定着装置10又は画像形成装置100が有する不揮発性の記憶装置に格納しておく。
これによって、制御手段21は、キャパシタ状態情報取得手段23によって取得されたキャパシタ状態情報を基に、キャパシタ劣化判定手段24によってキャパシタの劣化状態が判断された場合、該当する劣化状態に対応付けて記憶装置に格納された昇圧倍率切替パターンのデータを参照し、参照したデータを基に、昇圧回路7に対して、複数の昇圧倍率を順に設定する制御信号を送信する。
このように、本実施形態に係る定着装置10は、キャパシタ状態情報取得手段23により取得したキャパシタ状態情報に基づいて、キャパシタ劣化判定手段24によりキャパシタが劣化していると判定された場合、制御手段21により昇圧回路7の昇圧倍率を適宜変化させる(切り替える)ことで、補助電力であるキャパシタの特性変化に応じて、補助電源装置3から発熱部材11(補助発熱体11b)に供給される電力を制御することができる。
また、本実施形態に係る定着装置10は、昇圧回路7の昇圧倍率の設定を複数有する構成とすることで、補助電源であるキャパシタが劣化した場合においても余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
<まとめ>
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、本実施形態に係る定着装置10が有する機能を、以下の処理手順により実現している。
(手順1)キャパシタ状態情報の取得
本実施形態に係る定着装置10は、キャパシタ状態情報取得手段23により、補助電源であるキャパシタの状態情報を取得する。
(手順2)キャパシタの劣化判定
本実施形態に係る定着装置10は、キャパシタ劣化判定手段24により、キャパシタ状態情報取得手段23によって取得されたキャパシタ状態情報から、キャパシタが劣化しているか否かを判定する。
(手順3)昇圧倍率の制御
本実施形態に係る定着装置10は、制御手段21により、キャパシタ劣化判定手段24によってキャパシタが劣化していると判断された場合、キャパシタ状態情報を基に、該当する状態情報に対応付けて記憶装置に格納された昇圧倍率に関するデータ(昇圧倍率と経過時間に関するデータなど)を参照し、参照したデータを基に、昇圧回路7に対して昇圧倍率を設定する制御信号を送信する。
(手順4)出力電圧の昇圧
本実施形態に係る定着装置10は、補助電源装置3の出力電圧を、昇圧回路7を介して昇圧し、装置状態に応じて制御された電力を発熱部材11に供給する。
このように、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記(手順1)〜(手順4)によって、画像形成装置100が有する補助電源であるキャパシタの特性変化などに応じて、昇圧回路7の昇圧倍率を変化させることにより、補助電源装置3から定着装置10が有する発熱部材11に供給される電力を制御することができる。
よって、本実施形態に係る定着装置10は、補助電源であるキャパシタが劣化した場合においても加熱動作を行うときの余分な消費電力を削減し、安定した機械性能を維持することができる。
最後に、上記各実施形態に挙げた形状に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
本発明の第1の実施形態に係る定着装置を有する画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置を動作させる回路構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の立ち上がり時における加熱ローラの昇温特性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の動作の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その1)を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その2)を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る昇圧倍率を切り替えるパターンの一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置の回路構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その1)を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置の動作時における補助電源出力電圧と昇圧倍率と昇圧回路出力電圧の一例(その2)を示す図である。
符号の説明
1 定着装置の回路
2 主電源装置
3 補助電源装置
4 充電器
5 補助電源制御スイッチ
6 主電源制御スイッチ
7 昇圧回路
10 定着装置
11 発熱部材
11a 主発熱体
11b 補助発熱体
12 加熱ローラ(加熱部材)
13 加圧ローラ(加圧部材)
21 制御手段
22 装置状態情報取得手段
23 キャパシタ状態情報取得手段
24 キャパシタ劣化判定手段
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電装置
103 ミラー
104 現像装置
104a 現像ローラ
105 転写装置
106 クリーニング装置
106a ブレード
107 レジストローラ
108 給紙コロ
201 露光部
202 転写部
P 画像形成媒体(転写紙)
Lb レーザビーム(露光光)
t トナー

Claims (3)

  1. キャパシタで構成される補助電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、
    主電源装置から供給される電力と前記昇圧回路を介して前記補助電源装置から供給される電力によって発熱する発熱部材と、
    前記発熱部材によって加熱される加熱部材とを有する定着装置であって、
    前記補助電源装置から取得したキャパシタ状態情報と前記キャパシタの劣化を判定するために予め設定しておいたキャパシタ劣化判定基準情報とから、前記キャパシタが劣化していると判定された場合に、前記昇圧回路の昇圧倍率を低くする制御手段を有することを特徴とする定着装置。
  2. 感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した感光体に潜像形成する露光装置と、
    前記潜像形成された像にトナーを付着させトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を画像形成媒体上に転写する転写装置と、
    転写されたトナー像を熱と圧力によって前記画像形成媒体に定着させる請求項1に記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 昇圧回路によってキャパシタで構成される補助電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧手順と、
    前記昇圧手順により前記補助電源装置の出力電圧を昇圧するときに、前記補助電源装置から取得したキャパシタ状態情報と前記キャパシタの劣化を判定するために予め設定しておいたキャパシタ劣化判定基準情報とから、前記キャパシタが劣化していると判定された場合に、前記昇圧回路の昇圧倍率を低くする制御手順と、
    前記制御手順により昇圧倍率が制御された前記昇圧回路を介して前記補助電源装置と主電源装置とから供給される電力によって発熱部材を発熱する発熱手順と、
    前記発熱部材によって加熱部材を加熱する加熱手順とを有することを特徴とする定着装置における加熱方法。
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