JP5115389B2 - 界磁コイル型回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば車両用交流発電機等に用いられる界磁コイル型回転電機に関し、特にランデル型ロータコアを有する界磁コイル型回転電機の改良に関する。
いわゆるクローポール構造を有する車両交流発電機のランデル式ロータコアは、互いに軸方向に隣接して回転軸に嵌着される一対のポールコアにより構成されている。各ポールコアは、界磁コイルが巻装されて界磁束が軸方向に流れるボス部と、このボス部の軸方向外端部から周方向所定ピッチで径方向外側へ突出した後、軸方向界磁コイル囲繞向きに延在する複数の爪極部とにより構成されている。ステータコアは積層鋼板により構成されており、一定のティースピッチで周方向へ配置された多数のティースを有する。各爪極部の径方向外端面は、ティースの径方向内端面を連ねてなるステータコアの内周面より所定の小ギャップ(電磁ギャップ)の径方向幅だけ径小に形成されて、爪極磁極面を構成している。
これにより、一方のポールコアの爪極磁極面からティースに入った界磁束は、ステータコアのバックヨークを周方向に約電気角πだけ流れた後、ティースから他方のポールコアの爪極磁極面に流入し、その後、ボス部を通じて元の位置に戻る。
一般に、爪極は軸方向基端側から軸方向先端側に向けて先細形状とされ、これにより、爪極磁極面は略台形状の周方向展開形状をもつ。これは、爪極の耐遠心力性能の向上と、ステータコイル鎖交する界磁束の変化率を円滑とするためである。これに対して、爪極の軸方向基端側から軸方向先端側に向けての先細率すなわち周方向幅減少率を減らして、爪極磁極面の周方向展開形状を従来よりも角形化することが、特許文献1により提案されている。これにより、一つの爪極磁極面の面積を増大できるため、出力アップが可能となる。
特開2007−209198号公報
しかしながら、上記した従来のランデル型ロータコアでは、ステータコアのティースピッチによる磁気抵抗の周方向変化に起因するトルクリップルや振動が存在することが知られている。このティースピッチ起因のトルクリップルや振動は、上記した特許文献1のような角形の爪極磁極面を採用することにより顕著となってしまう。すなわち、爪極磁極面を角形化することにより出力アップが可能となるもののトルクリップルや振動の低減がその広い実用化を阻んでいた。
一方、上記した台形の爪極磁極面は、トルクリップルや振動の点で相対的に角形の爪極磁極面よりも有利であるが、界磁束のうち、ステータコア中を軸方向に流れる成分(軸方向成分とも言う)が大きいため、渦電流が増大するため鉄損が大きいという問題があった。
ティースピッチ起因のトルクリップルや振動の低減のために、ステータのティースにスキューを与えることは広く知られている技術であるが、ステータコアの製造工程が複雑となり、ステータコイル導体長も増大するという問題を派生させる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、損失、トルクリップル(特にティーストルクリップル)及び振動の増大を抑止しつつ、出力向上が可能なランデル型ロータコアをもつ界磁コイル型回転電機を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る界磁コイル型回転電機の爪極部の形状又は空間配置形態に関して以下に記載する態様が考えられる。これらの態様は、特にティース配置に起因するトルクリップルや磁気振動の低減という共通の発明課題を有しており、かつ、同時実施により相乗的なティーストルクリップル低減効果も奏する。
本発明の界磁コイル型回転電機は、界磁コイルが巻装されて界磁束が軸方向に流れるボス部と、前記ボス部の軸方向外端部から周方向所定ピッチで径方向外側へ突出した後、軸方向界磁コイル囲繞向きに延在する複数の爪極部とをそれぞれ有し、互いに軸方向に隣接して回転軸に嵌着される一対のポールコアを有するランデル型ロータと、一定のティースピッチで周方向へ配置される多数のティースを有する積層鋼板製のステータコアとを有し、前記各爪極部の径方向外端面は、前記ティースの径方向内端面を連ねてなる前記ステータコアの内周面に対して所定の小ギャップだけ径小に形成された爪極磁極面を構成する界磁コイル型回転電機に適用される。この種の界磁コイル型回転電機は、車両用交流発電機として広く実用されており、周知であるため、説明は省略される。
本発明の界磁コイル型回転電機は、前記各爪極部は、軸方向に長い略長方形の周方向展開形状を有しており、前記各爪極磁極面の軸方向一端側半部の中心が、前記各爪極磁極面の軸方向他端側半部の中心よりも周方向同一向きに所定の周方向幅だけ偏位していることを、その特徴としている。すなわち、この発明のランデル型ロータコアを有する界磁コイル型回転電機は、各爪極磁極面の軸方向一端側半部を軸方向他端側半部よりも周方向同一向きに偏設した点にその特徴がある。なお、留意されたいことは、爪極が軸方向一端側(以下、前端側とも言う)から軸方向他端側(以下、後端側とも言う)へ突出する場合には、軸方向一端側半部は爪極部(爪極とも言う)の基端側の半部を意味し、軸方向他端側半部は爪極部(爪極とも言う)の先端側の半部を意味する。逆に、爪極が軸方向他端側(後端側)から軸方向一端側(前端側)へ突出する場合には、軸方向一端側半部は爪極部(爪極とも言う)の先端側の半部を意味し、軸方向他端側半部は爪極部(爪極とも言う)の基端側の半部を意味する。
つまり、軸方向一端側のポールコアの爪極部を前側爪極、軸方向他端側のポールコアの爪極部を後側爪極と呼ぶ時、前側爪極の先端側の半部はその基端側の半部に対して周方向一方側へ偏位し、後側爪極の先端側の半部はその基端側の半部に対して周方向他方側へ偏位する。これにより、各爪極部はスキューされることになるため、一つの爪極部の界磁束に対するステータコイルの鎖交量の変化は緩慢となり、トルクリップルや磁気振動を低減することができる。また、ティースとスロットの周方向交互配置に起因するティーストルクリップルも低減することができる。なお、この発明は、本質的に積層鋼板製のティースを斜設してスキューを与えるのと本質的に同じであるが、ティースにスキューを与えるのに対して、ステータ組み立て工程が簡単となり、ステータコイルの導体長が増大することが無いという利点が生まれる。なお、一般にロータコアの爪極部はボス部と一体に鍛造されるため、上記形状とすることによる工程増大はほとんど無視することができる。
また、上記トルクリップルの低減効果により、本発明の各爪極部の爪極磁極面の周方向展開形状を一辺が軸方向に延在する長方形の形状とすることができるため、一つの爪極部の磁極面面積を増大することができる。これにより、出力増大が可能となる。更に、従来のようにトルクリップル低減のために爪極部を台形化する必要がないため、ステータコア中を軸方向に流れる成分(軸方向成分とも言う)による渦電流の増大を減らすことができ、鉄損を低減することもできる。
好適な態様において、前記各爪極磁極面の軸方向一端側半部の中心は、前記各爪極磁極面の軸方向他端側半部の中心よりも周方向同一向きに前記ティースピッチの略半分(更に言えばティースピッチ(Pt)の0.4〜0.6倍)に等しい周方向幅だけ偏位している。これにより、爪極部の前半部と後半部とで略逆相となるため、ティースピッチ起因のトルクリップルや振動を大幅に低減することができる。
好適な態様において、前記各爪極の軸方向一端側半部は、周方向一端側に位置して前記爪極磁極面から所定深さだけ径方向内側へ凹設され、前記各爪極の軸方向他端側半部は、周方向他端側に位置して前記爪極磁極面から所定深さだけ径方向内側へ凹設されている。これにより、各爪極部の径方向内側部分は、爪極部の軸方向前半部が軸方向後半部に対して周方向に偏位させないため、爪極部の軸方向前半部と軸方向後半部との間の境界部における磁路直角断面積が減少して界磁束の流れが阻害されることがない。また、上記凹設は、通常の鍛造工程により容易に実施することができるため、製造工程の増大も回避することができる。
好適な態様において、前記各爪極は、軸方向に長い略長方形の周方向展開形状を有している。これにより、上述したように爪極部当たりの界磁束発生量を増大することができ、トルクや出力を増大することができる。
好適な態様において、前記各爪極の少なくとも径方向外側部分は、互いに平行に配置されるとともに、それぞれ周方向及び軸方向に対してそれぞれ斜設されている。端的に言えば、この態様の爪極部(爪極)の磁極面(爪極磁極面)の周方向展開形状は、平行四辺形の形状とされる。これにより、上記と同じく、爪極当たりの界磁束発生量を増大しつつトルクリップルを低減することができる。
好適な態様において、前記ステータコアの前記ティースは、前記爪極の斜設向きに対して周方向逆向きに斜設されている。このようにすれば、ティースの周方向斜設角(スキュー角)及び爪極の周方向斜設角(スキュー角)を増大しなくても、上記したティースと爪極との間の相対的なスキュー角を増大することができるため、製造の容易化や爪極の耐遠心力性能の低下を抑止しつつトルクリップル及び磁気振動の低減を実現することができる。
発明の好適な態様において、偶数番目の前記爪極磁極面の磁極中心と、周方向一方側に隣接する奇数番目の前記爪極磁極面の磁極中心との間の奇数番目磁極中心ピッチ(P1)は、前記偶数番目の爪極磁極面の磁極中心と、周方向他方側に隣接する奇数番目の前記爪極磁極面の磁極中心との間の偶数番目磁極中心ピッチ(P2)よりも所定幅2τだけ偏位している。なお、ここで言う磁極中心は、磁気的な中心を言う。
このようにすると、トルクリップル及び磁気振動を大幅に低減できることがわかった。更に説明すると、ティースがティースピッチ(Pt)で周方向に配列されているため、奇数番目の爪極部から次の偶数番目の爪極部までのティース・爪極部間の磁気抵抗変化Rxと、偶数番目の爪極部から次の奇数番目の爪極部までのティース・爪極部間の磁気抵抗変化Ryにより、トルクリップルや磁気振動が生じる。RxとRyとの周方向幅が異なるため、結局、上記トルクリップルや磁気振動は、複数の周波数成分の和となる。このため、この和の平均値は、各爪極部間の爪極部ピッチが等しい場合に較べて低減される。このことが、シミュレーション及び実験により判明した。
すなわち、本発明に係る界磁コイル型回転電機の爪極部の形状及び空間配置形態に関して、好適な態様が同時に実施される。このようにすれば、両態様の効果を同時に奏するとともに、爪極部の形状に関する本発明の実施後にも残るトルクリップルの所定周波数成分と、空間配置形態に関する態様の実施後にも残るトルクリップルの所定周波数成分とが逆相関係となってうち消し合う効果を生じるため、トルクリップルを一層低減できることがわかった。つまり、両態様を同時実施することにより、隣合う爪極部の界磁束に対するステータコイルの鎖交量の変化に差が生じ、トルクリップルや磁気振動を良好に低減することができることがわかった。
適な態様において、所定幅2τは、ティースピッチ(Pt)に対して0.8〜1.2倍に設定される。これにより、ティースピッチによる界磁束リップルが、隣り合う爪極とで略逆位相となるため、トルクリップルを良好に低減することができることがわかった。
に好適な態様において、所定幅2τは、ティースピッチ(Pt)に対して0.9〜1.1倍に設定される。これにより、トルクリップルを更に良好に低減することができることがわかった。
(その他の態様)
その他、従来同様に、各爪極部の間の周方向隙間に永久磁石を介挿してもよく、この永久磁石を保持するための保護カバーをロータコアに設けても良い。
以下、この発明の界磁コイル型回転電機の好適な実施形態を図面を参照して具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の技術思想を他の公知技術又はそれと同等の必要機能を有する他の技術を組み合わせて実現してもよい。
(実施例1)
(全体構造)
実施例1のランデル式ロータコアを採用した車両用交流発電機を図1を参照して説明する。図1はこの車両用交流発電機の要部軸方向半断面図である。
図1において、1はロータ、2はステータ、3はモータフレーム、4はロータコア、5は界磁コイル、6は回転軸、7はステータコア、8はステータコイルである。ロータ1は、ロータコア4に界磁コイル5を巻装してなる。ロータ1は回転軸6に嵌着されている。ステータ2は、積層鋼板からなるステータコア7にステータコイル8を巻装してなり、ステータ2はモータフレーム3の周壁部の内周面に固定されている。ロータ1は、ステータ2の径方向内側に配置されていわゆるインナーロータ構造を有している。回転軸6は、モータフレーム3の両側の端壁部に図略の軸受けを介して回転自在に支持されている。
ロータコア4は、いわゆるランデル型ロータコア構造を有している。すなわち、ロータコア4は、それぞれ軟鋼製のポールコア4A、4Bを軸方向に隣接した状態にて回転軸6に嵌着されている。ポールコア4Aは、一つの円筒状のボス部41Aと、N(Nは2以上の自然数)のディスク部42Aと、N(Nは2以上の自然数)の爪極部43Aとによりそれぞれ構成されている。ただし、いままでの説明では、ディスク部42A及び爪極部43Aは、「爪極部」として定義されている。同じく、ポールコア4Bは、一つの円筒状のボス部41Bと、N(Nは2以上の自然数)のディスク部42Bと、N(Nは2以上の自然数)の爪極部43Bとによりそれぞれ構成されている。ただし、いままでの説明では、ディスク部42B及び爪極部43Bは、「爪極部」として定義されている。
ディスク部42A、42は、ボス部41A、41Bの軸方向外端から径方向外側へ周方向等ピッチで突出している。爪極部43A、43Bは、ディスク部42A、42Bの径方向外端から軸方向界磁コイル囲繞向きに延在している。爪極部43A、43Bの径方向外端面のうちステータコア7の径方向内側に存在する領域は、爪極磁極面と呼ばれ、ステータコア7の図略のティースと磁束を授受する。つまり、爪極部43A、43Bのうち、ステータコア7の軸方向長Lと重なる領域が爪極磁極面を構成している。周知のように、ポールコア4Aの爪極部43Aと、ポールコア4Bの爪極部43Bとは、爪極部の周方向ピッチの略半分、好適には爪極部の周方向ピッチの0.4〜0.6倍更に好適には0.45〜0.55倍だけ周方向にずれている。界磁コイル5へ直流電流を通電すると、爪極部のピッチごとに反転する界磁束がステータコア7に与えられ、ステータコイル8がこの界磁束と鎖交する。以上説明した構造は、ランデルロータ構造の界磁コイル型回転電機として周知であるため、これ以上の説明は省略する。
(爪極部43A、43Bの詳細形状)
次に、この実施例の特徴をなす爪極部43A、43Bの形状について図2及び図3を参照して詳しく説明する。図2は爪極磁極面の模式周方向展開図、図3は爪極部の周方向展開径方向断面図である。すなわち、(A−A)は図2のA-A線矢視断面図、図3(B−B)は図2のB-B線矢視断面図である。ただし、この図2は、爪極部43A、43Bのうちステータコア7の内周面に対面可能な領域(すなわち本発明で言う爪極磁極面)だけを周方向に展開して図示している。
図2において、爪極部43Aと爪極部43Bとは、周方向(PH)へ配置されている。P1は、奇数番目磁極中心ピッチ(P1)であり、P2は、偶数番目磁極中心ピッチである。ここで言う磁極中心とは、爪極部の磁極面の特に周方向における磁気的中心を言う。
この実施形態では、爪極磁極面44の前半部に凹部45が形成され、爪極磁極面44の後半部に凹部46が形成されている。なお、留意されたいことは、凹部45は、爪極部43Aの基端側に形成され、爪極部43Bの先端側に形成されている点である。同じく、凹部46は、爪極部43Aの先端側に形成され、爪極部43Bの基端側に形成されている点である。凹部45は、爪極部43A、43Bの前半部のうち、その周方向一方側の角部を落とすように形成されている。同じく、凹部46は、爪極部43A、43Bの後半部のうち、その周方向他方側の角部を落とすように形成されている。この実施形態では、凹部45,46の周方向幅は、長方形に形成されて軸方向に延在する爪極部43A、43Bの爪極磁極面44の周方向幅の約1/3に形成されている。もちろん、凹部45,46の周方向幅は適宜設定可能である。凹部45,46の径方向深さは、爪極磁極面44とステータコア7の径方向内周面との間の電磁ギャップの径方向幅の10倍以上に設定されているが、適宜設定可能である。
ポールコア4Aと4Bの位置設定により、爪極部43Bの爪極磁極面の周方向における中心n2は、爪極部43Aの爪極磁極面の周方向における中心n1と、爪極部43Aの爪極磁極面の周方向における本来の中心Q よりも周方向へティースピッチ(Pt)の半分に相当する幅τだけずれている。
これにより、ティースピッチ起因のトルクリップル(磁束リップル)のうち、爪極部43A、43Bにより生じるトルクリップル(及び磁気振動)成分が互いに打ち消し合うようになる。
また、凹部45,46の設定により、爪極部43A、43Bの爪極磁極面44の前半部の中心m1は、爪極部43A、43Bの爪極磁極面44の後半部の中心m2に対して、周方向へティースピッチの半分だけずれている。
これにより、ティースピッチ起因のトルクリップル(磁束リップル)のうち、爪極部43A、43Bの前半部の回転により生じるトルクリップル(及び磁気振動)成分と、爪極部43A、43Bの後半部の回転により生じるトルクリップル(及び磁気振動)成分とは、逆位相となり、互いにうち消し合う。
シミュレーションした結果を図9を参照して説明する。
このシミュレーションは、周方向展開形状が長方形の各爪極部磁極面を用い、ティースのスキューは無しの状態にて、爪極部のピッチ及び形状を変更した場合のトルクリップルをシミュレーションにより求めたものである。
101は、図2において、爪極部43Bの周方向中心n2がQ点に一致しており、しかも、各爪極部の軸方向前半部の周方向中心m1と、軸方向後半部の周方向中心m2とが周方向に等しい場合、すなわち、従来の爪極部構造でのティーストルクリップル波形を示す。
102は、図2において、τをティースピッチ(Pt)の半分に設定し、かつ、各爪極部の軸方向前半部の周方向中心m1と、軸方向後半部の周方向中心m2とが周方向に等しい位置とした場合のティーストルクリップル波形を示す。
103は、図2において、τをティースピッチ(Pt)の半分に設定し、かつ、各爪極部の軸方向前半部の周方向中心m1と軸方向後半部の周方向中心m2とが周方向へτだけ偏位している場合のティーストルクリップル波形を示す。
図9から、τをティースピッチ(Pt)の半分に設定することによりトルクリップルを大幅に低減できることがわかった。更に、τをティースピッチ(Pt)の半分に設定し、そのうえ各爪極部の軸方向前半部の周方向中心m1と、軸方向後半部の周方向中心m2とをτだけ周方向に偏位させることにより、トルクリップルを更に一層低減できることがわかった。
なお、図9は、シミュレーション結果の一例を示すものであり、τは、ティースピッチ(Pt)の0.4〜0.6倍、更に好適には0.45〜0.55倍とすることにより、上述したトルクリップル低減効果及び磁気振動低減効果が得られることがわかった。
更に説明すると、互いに隣接する2つの爪極部の間の周方向間隔である爪極部ピッチのうち、奇数番目の爪極部ピッチと偶数番目の爪極部ピッチとを変更した場合、上記に説明したが、N(Nは自然数)番目の爪極部ピッチと、N+1番目の爪極部ピッチと、N+2番目の爪極部ピッチとを異ならせても良い。更に、N(Nは自然数)番目の爪極部ピッチと、N+1番目の爪極部ピッチと、N+2番目の爪極部ピッチと、N+3番目の爪極部ピッチとを異ならせても良い。
奇数番目の爪極部ピッチと偶数番目の爪極部ピッチとを変更した場合にトルクリップルを低減することができる理由について、たとえば発電作用を例として更に下記に説明する。Pを発電電力とする。トルクTは、P/ωに等しく、PはV・V/rに等しいと見なすことができる。Vは発電電圧、rは負荷抵抗である。Vは発電電圧であり、コイル鎖交磁束φの変化に比例する。ここで、磁束φを爪極部と一つのティースとの間の授受磁束と仮定する。奇数番目の各ティースと爪極部との間の磁束をφ1、偶数番目の各ティースと爪極部との間の磁束をφ2とすれば、互いに位相が異なるφ1、φ2の変化(d(φ1+φ2)/dtがティースに生じていることになる。したがって、ひとつのティースに作用するトルクは、上記関係からティース磁束変化量(d(φ1+φ2)/dt)の2乗に比例する。つまり、φ1、φ2をそれぞれ正弦波の関数とすれば、奇数番目の爪極部ピッチと偶数番目の爪極部ピッチとを変更することにより、(d(φ1+φ2)/dt)の2乗値は、多くの高調数成分を含み、各高調数成分が打ち消し合うことにより全体としてトルクリップルが低減されることが予想される。
その他、この実施形態では、爪極部43A、43Bが軸方向に延在し、爪極磁極面44が長方形の形状をもつため、一個の爪極磁極面44が発生する界磁束を増大することができる。その結果としてモータ出力を向上することができる。更に、この実施形態では、爪極部43Aと爪極部43Bとの周方向幅が軸方向各部においてほぼ等しくなっている。このため、たとえば爪極部43Aからステータコア7の一枚の鋼板に入った界磁束は、この鋼板内を周方向かつ径方向に流れて、爪極部43Bに流れることができる。つまり、積層鋼板製のステータコア7を軸方向に流れる界磁束成分を大幅に低減することができる。その結果として、ステータコア7の鉄損を大幅に低減することができる。これに対して、図8に示す従来の先細形状の爪極磁極面440では、ステータコアの一枚の鋼板700と対面する爪極部43Aの周方向幅L2と、爪極部43Aの周方向幅L1とは大幅に異なるため、原理的に、ステータコア7の内部を軸方向に流れる界磁束の軸方向成分が大きい。このため、大きな鉄損が発生する。なお、図8において、Wdはディスク部の軸方向幅である。図3は、図2の爪極部43A、43Bの径方向断面図であり、(A−A)は、図2のA-A線矢視断面図、(B−B)は図2のB-B線矢視断面図である。一つの爪極部43Aの部分斜視図を図4に示す。
(実施形態2)
実施形態2の爪極部43A、43Bを図6を参照して説明する。図6は爪極磁極面の模式周方向展開図である。図6において、Wdはディスク部42A、42Bの軸方向幅、Lは爪極部43A、43Bのうちステータコア7に対面する爪極磁極面44の軸方向幅である。
この実施形態では、爪極部43A、43Bは前端側から後端側へ向かうにつれて周方向一方側へ斜設されている。これにより、爪極部43A、43Bの爪極磁極面44の前半部の中心は、爪極部43A、43Bの爪極磁極面44の後半部の中心に対して周方向に所定幅だけずれることになる。これにより、実施形態1と同じ効果を奏することができる。更に、この実施形態によれば、爪極部43A、43Bの形状が単純であるので、ロータコア4の製造が容易となり、かつ、爪極部43A、43Bの耐遠心力性能を実施形態1よりも向上することができるという効果を奏することもできる。
なお、この実施形態においても、上記τをたとえばティースピッチ(Pt)の半分に設定することにより、トルクリップル低減効果を増大することができる。
(実施形態3)
実施形態3の爪極部43A、43Bを図7を参照して説明する。図7は爪極磁極面の模式周方向展開図である。図7において、Wdはディスク部42A、42Bの軸方向幅、Lは爪極部43A、43Bのうちステータコア7に対面する爪極磁極面44の軸方向幅である。100は、ステータコアのティースの周方向斜設方向を示す仮想線である。
すなわち、この実施形態では、爪極部43A、43Bは前端側から後端側へ向かうにつれて周方向一方側へ斜設されている。また、ステータコアのティースは、前端側から後端側へ向かうにつれて周方向他方側へ斜設されている。このようにすれば、ティースの周方向斜設角(スキュー角)及び爪極の周方向斜設角(スキュー角)を増大しなくても、上記したティースと爪極との間の相対的なスキュー角を増大することができるため、製造の容易化や爪極の耐遠心力性能の低下を抑止しつつトルクリップル及び磁気振動の低減を実現することができる。
なお、この実施形態においても、上記τをたとえばティースピッチ(Pt)の半分に設定することにより、トルクリップル低減効果を増大することができる。
好適には、ティースの周方向斜設角(スキュー角)と爪極の周方向斜設角(スキュー角)とは同程度とされる。好適には、ティースの軸方向前端と爪極の軸方向前端との位置関係に対して、ティースの軸方向後端と爪極の軸方向後端との位置関係は、0.5〜1ティースピッチだけずれている。これにより、ティーストルクリップルを含むトルクリップルや磁気振動を良好に低減することができる。
実施例1のランデル式ロータコアを採用した車両用交流発電機の要部軸方向半断面図である。 図1の爪極部の模式周方向展開図である。 爪極部の周方向展開径方向断面図であり、(A−A)は図2のA-A線矢視断面図、(B−B)は図2のB-B線矢視断面図である。 図2,図3の爪極部の部分斜視図である。 図4の爪極部の角部を面取りした変形態様を示す部分斜視図である。 実施形態2の爪極部の模式周方向展開図である。 実施形態3の爪極部の模式周方向展開図である。 従来の典型的な爪極部の模式周方向展開図である。 実施例1のトルクリップル低減効果を示すシミュレーション結果を示すトルクリップル波形図である。
符号の説明
1 ロータ
2 ステータ
3 モータフレーム
4A ポールコア
4B ポールコア
4 ロータコア
5 界磁コイル
6 回転軸
7 ステータコア
8 ステータコイル
41A ボス部
41B ボス部
42A ディスク部
42B ディスク部
43A 爪極部
43B 爪極部
44 爪極磁極面
45 凹部
46 凹部

Claims (6)

  1. 界磁コイルが巻装されて界磁束が軸方向に流れるボス部と、前記ボス部の軸方向外端部から周方向所定ピッチで径方向外側へ突出した後、軸方向界磁コイル囲繞向きに延在する複数の爪極部とをそれぞれ有し、互いに軸方向に隣接して回転軸に嵌着される一対のポールコアを有するランデル型ロータと、一定のティースピッチで周方向へ配置される多数のティースを有する積層鋼板製のステータコアとを有し、前記各爪極部の径方向外端面は、前記ティースの径方向内端面を連ねてなる前記ステータコアの内周面に対して所定の小ギャップだけ径小に形成された爪極磁極面を構成する界磁コイル型回転電機において、
    前記各爪極部は、軸方向に長い略長方形の周方向展開形状を有しており、
    前記各爪極磁極面の軸方向一端側半部の中心は、前記各爪極磁極面の軸方向他端側半部の中心よりも周方向同一向きに所定の周方向幅だけ偏位していることを特徴とする界磁コイル型回転電機。
  2. 請求項記載の界磁コイル型回転電機において、
    前記各爪極磁極面の軸方向一端側半部の中心は、前記各爪極磁極面の軸方向他端側半部の中心よりも周方向同一向きに前記ティースピッチ(Pt)の0.4〜0.6倍に等しい周方向幅だけ偏位していることを特徴とする界磁コイル型回転電機。
  3. 請求項記載の界磁コイル型回転電機において、
    前記各爪極の軸方向一端側半部は、周方向一端側に位置して前記爪極磁極面から所定深さだけ径方向内側へ凹設され、前記各爪極の軸方向他端側半部は、周方向他端側に位置して前記爪極磁極面から所定深さだけ径方向内側へ凹設されている界磁コイル型回転電機。
  4. 請求項記載の界磁コイル型回転電機において、
    偶数番目の前記爪極磁極面の磁極中心と、周方向一方側に隣接する奇数番目の前記爪極磁極面の磁極中心との間の奇数番目磁極中心ピッチ(P1)は、前記偶数番目の爪極磁極面の磁極中心と、周方向他方側に隣接する奇数番目の前記爪極磁極面の磁極中心との間の偶数番目磁極中心ピッチ(P2)よりも所定幅2τだけ偏位していることを特徴とする界磁コイル型回転電機。
  5. 請求項記載の界磁コイル型回転電機において、
    前記所定幅2τは、ティースピッチ(Pt)に対して0.8〜1.2倍に設定されている界磁コイル型回転電機。
  6. 請求項記載の界磁コイル型回転電機において、
    前記所定幅2τは、ティースピッチ(Pt)に対して0.9〜1.1倍に設定されている界磁コイル型回転電機。
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