JP5114759B2 - 石炭乾留ガス熱間処理設備及びコークス炉ガス熱間処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭乾留装置から抽気した高温の石炭乾留ガスを熱間で処理する石炭乾留ガス熱間処理設備に関する。より詳しく言うと、本発明は、この石炭乾留ガス熱間処理設備の中でも、コークス炉窯から抽気した高温のコークス炉ガスを熱間で処理するコークス炉ガス熱間処理設備に関する。
本願は、2010年03月31日に、日本国に出願された特願2010−082294号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば製鉄用のコークス炉では、石炭の乾留時に発生するコークス炉ガス(Coke Oven Gas。以下、「COG」と称する)を集合管で回収して燃料に使用している。発生するCOGは、1200℃程度まで達する高温状態にあるので、ガスの顕熱を回収する、又は、その高温を利用してガスの改質を図る等の利用が可能である。以下、このような高温COGを処理する装置を、高温コークス炉ガス処理設備と呼ぶ。例えば、特許文献4には、高温COGの改質を行うガス改質装置が開示されている。また、特許文献5には、COGの顕熱回収装置が開示されている。
コークス炉においては、個々のコークス炉窯でバッチ式に石炭の乾留を行うため、一般的には乾留初期に多量のCOGが発生する。続いて、COGは、その発生量が徐々に低下し、それに伴ってその成分も変化するという非定常なパターンで発生する。そのため、互いに隣接する多数のコークス炉窯を、それらの乾留開始時刻を互いにずらすことが行われている。これにより、コークス炉窯全体として平均化した場合にCOGの発生量が時間的に平準化できる。高温コークス炉ガス処理設備において、流入するガス量や成分が大きく変動すると、処理上の大きな阻害要因となり得る。よって、可能な限り、多数のコークス炉窯から抽気したCOGを混合することで、その発生量及び成分の変動を少なくするニーズがある。
特許文献2には、複数のコークス炉窯のそれぞれに対して抽気管及び遮断弁を設けて、これらを集合管に接続してCOGを集めるCOG処理装置(熱回収装置)が提案されている。
従来のコークス炉の一例を、図1を用いて説明する。同図に示すように、本例のコークス炉に備えられている複数のコークス炉窯21には、上昇管25と、この上昇管25に接続された水封弁22及びスプレー装置23とが、それぞれ設けられている。そして、全ての上昇管25を通して抽気されたCOGは、集合管であるドライメーン24に集められた後、図示しないCOG処理装置へと送られる。水封弁22とスプレー装置23は、通常、一体構造のものが使用される。各水封弁22は、各コークス炉窯21とドライメーン24との間におけるCOGの流通を必要に応じて阻止する。各スプレー装置23は、COGの冷却と、各コークス炉窯21内の圧力調整とを行う。
前述の特許文献2の装置では、図2に示すように、図1に示した従来のコークス炉窯21に対して抽気管26及び遮断弁37を設け、これらを介して各コークス炉窯21よりCOGを抽気して集合管28に集めている。さらに、この集められたCOGは、集合管28の下流にあるCOG処理装置29へと供給される。
尚、「石炭乾留ガス」とは、石炭または石炭由来の原料を乾留して発生するタール蒸気およびその他の可燃性ガスを含む混合ガスのことであり、COG、キルン等の連続または半連続式加熱炉で石炭を乾留したガスや、ピッチ等のコーキングガスを含む。
日本国特開2004−107466号公報 日本国実公昭62−39077号公報 日本国実開昭58−7847号公報 日本国特開2003−55671号公報 日本国特開昭63−3088号公報
しかし、この図2に示す従来技術には、以下の問題があった。
第1の問題は、各コークス炉窯21から抽気した高温COG(以下、「ウェットCOG」と称する)に接する、遮断弁37を含む管路内に、大量の付着物が生じるという問題である。具体的には、ウェットCOG中には高沸点ガスであるタールが含有されているため、700℃未満にウェットCOGの温度が低下すると、タールが凝縮する。一旦凝縮した後のタールは性質が変化しており、再度加熱しても容易には蒸発しない場合が多い。また、ウェットCOG中にメタン等の炭化水素の形で含有されていた炭素が、700℃以上の高温で分解して固体の炭素(煤)として析出する(この現象を「コーキング」と称する)。一旦析出した固体炭素は、互いに強固に結合しているため、その温度を再度低下させても容易には炭化水素化しない。
従来技術においては、ウェットCOGを流通させると、これに含まれるタールや固体炭素が、管路系設備(管路、弁、送風機等)中の接触面に多量に付着するため、管路系設備の操作が困難となる場合がある。このような事情があるため、従来では、各コークス炉窯21で発生したウェットCOGは、各上昇管25から排出されると直ちに水冷されて常温化されていた。この際、タールは凝縮してウェットCOGから分離されて冷却水中に混和して除去されるので、常温のウェットCOG中の低沸点ガス(以下、「ドライCOG」と称する)のみが燃料として回収される。このドライCOGを流通させる際に、特段の問題は生じないので、一般的な産業用の管路系設備を適用することができる。よって、管路内のガス流れを自由に制御できる。
一方、各上昇管25の内面は、タールが除去されていないウェットCOGと接触せざるを得ないので、これら上昇管25の内面へのコーキングは避けられない。また、ウェットCOGは、一連の石炭乾留作業のプロセスにおいて低温化する場合がある。この場合、ウェットCOG中のタールの凝縮物が各上昇管25の内面に付着して強固な固着層を形成することもある。これらの付着物は、操業を継続すると増え続けて各上昇管25の管路を閉塞させるので、一定短周期毎、例えば、毎日、上昇管25の内面に付着した炭素を焼き取る作業を必要とする。このような、上昇管25で生じるタール付着やコーキングの問題は、上昇管25に限らず、ウェットCOGを流通させる管路系全体で起こりえる問題である。
また、ウェットCOG中には、粉石炭に由来する、直径数μmから数mm程度の煤塵が、例えば1g/m以上といった高濃度で浮遊している。このため、ウェットCOGをシールするために精緻なメカニカルシールを採用したとしても、前記煤塵がメカニカルシールのシール部に容易に噛みこんでシール性を極端に悪化させる問題がある。
このため、従来技術においては、タール付着やコーキング、さらにはガス中の煤塵に起因する問題が有るため、ウェットCOGの顕熱は殆ど利用されることなく、速やかに水冷されていた。例えば特許文献1に示すような、上昇管25とドラインメーン24との間に流量調整弁を設置する方法においては、流量調整弁を流通するウェットCOGが、スプレー水の散布によって既に低温化されたものであり、また、流量調整弁単独ではガスの流通を遮断することができないので、別途、水封弁を必要とする。
これらの問題に対処するため、特許文献2には、遮断弁内部における大量のタール付着を避けられないものと考え、図2に示すように、高温の酸化性ガスを別途発生させる熱風発生装置38を設けて、個々の遮断弁37に対して熱風導管39を通じて、弁箱内に高温の酸化性ガスを導入する構成が開示されている。この構成によれば、弁箱内の非シール部に付着したタールを焼き飛ばす処理を、弁の閉止毎に行うことができる。しかしながら、操業が煩雑、かつ、頻繁な開閉が困難である。また、この装置では、不可避であるタール付着を積極的に利用して、弁の閉止時に高い接触圧力を付与しながら弁体を弁座上で回転摺動させることによって、弁座や弁体に付着したタールを変形させて封止材として利用して弁の封止を行う。そのため、特許文献2の技術ではタールの付着が必須条件であり、タールを凝縮させるための条件である、少なくとも700℃未満、望ましくは600℃以下の温度にウェットCOGを冷却する必要がある。
同時に、開閉動作のために大きな力を弁体や弁座に付与することが必要なので、弁構成材料の機械強度を確保するためには、弁箱内の温度(即ち、ウェットCOGの温度)を600℃以下の低い温度に保持する必要がある。さらに、遮断弁への熱供給は、弁箱内を通過する酸化性の熱風、又は、ウェットCOGの顕熱による内部加熱により行うので、特に、抽気管を通過するウェットCOGの流量が小さい場合には、遮断弁に供給できる熱量が不足してしまう。この場合、遮断弁内面の温度が極端に下がってウェットCOG中のタールの大半が遮断弁の内面に凝縮して弁を閉塞させてしまう虞がある。
第2の問題は、特許文献2の方法では、ウェットCOGがCOG処理装置に至るまでの間にタールが管路系内に凝縮してしまうので、COG処理装置に到達するタールの量が減ってしまうことである。COG処理装置の主な用途は、COG中のタールの改質であるので、少なくとも、この用途に上記抽気系装置を応用することはできない。
第3の問題は、上記特許文献2の技術では、弁の予熱やタールの焼き落としのために、遮断弁37内に酸化性熱風ガスを供給し、その排気を集合管28経由でCOG処理装置29に供給せざるを得ないことである。ウェットCOGは還元性のガスであるので、このような酸化性熱風ガスと混合すると、ウェットCOG中の有用成分が燃焼して、CO、CO、又は、水蒸気といった、用途として低級なガス成分をウェットCOG中で増大させてしまうので好ましくない。
第4の問題は、上記特許文献2の装置では、遮断弁の開閉操作を各コークス炉窯21におけるウェットCOGの発生量に基づいて判断しているが、後述のように、このような操作では、各コークス炉窯21への抽気COGの逆流を生じる可能性があることである。
すなわち、上昇管25の管路を開閉する必要があるので、付着物析出によって上昇管25の蓋(不図示)が上昇管25に固着してしまうことを避けるために、上昇管25と蓋との間に予め隙間を設けて完全にはウェットCOGを封止しない構造もかつては採用されてきた。しかし、このような蓋では、高温のウェットCOGを直接、流通させることができるが、蓋を閉止した際にガスの流通を阻止する機能が低く、ダンパ並みの閉止力しか得られない。そして、コークス炉窯21内よりも下流側の方が圧力の高い場合には、前記蓋の周囲の隙間を通じて、大量にガスが逆流することを防止できないことを、本願発明者らは見出した。抽気ガス中には、一般に外気が混入しているので、外気中の酸素を含んだ抽気ガスを1000℃以上の高温になり得るコークス炉窯21に流入させることは、COG品質や操業性悪化等の様々な観点から好ましくない。また、本発明が対象とするようなCOG処理装置では抽気COGを抽気温度よりも高温に加熱する場合があり、このような高温COGがコークス炉窯に逆流すると、炉材を損傷するなどの問題がある。また、各コークス炉窯21はバッチ式生産を行うので、各コークス炉窯21へのコークスの装入、取り出し、又は、炉内清掃のために、コークス炉窯21は、しばしば大気に対して開放される。このように大気に開放されたコークス炉窯21に対して、抽気されたウェットCOGが逆流することは、これを大気中に放散することになるので好ましくない。このようなコークス炉操業プロセスの中で特定の窯が外気に対して開放されている以外の場合(即ち、全ての窯が外気に対して密閉されている場合)にも特定の窯から弁の窯へのCOGの逆流は生じ得る。各窯でのCOG発生速度は非定常に変動し、これにともない窯内の圧力も変化するため、このような逆流の発生は予測し難い。このため、逆流発生タイミングを予測して、予め抽気を中断するような作業方法を適用することもできない。
複数のコークス炉窯21からウェットCOGを抽気してCOG処理を行う際には、抽気したウェットCOGを低温化させてタールを大量に凝縮させるか、あるいは、閉止時の隙間が大きいダンパを採用してガスの逆流を許容するかの何れかを選択するしかなかった。このため、各コークス炉窯21から抽気されたウェットCOGが熱的にも成分的にも質が低く、コークス炉ガスを700℃以上で熱間処理することは極めて制約が大きいため、殆ど実用化されていなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ウェットCOGを高温に維持したままコークス炉ガス処理装置に供給すると共に、そのコークス炉への逆流を防止することが可能な、石炭乾留ガス熱間処理設備及びコークス炉ガス熱間処理設備の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、以下の態様を採用した。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る石炭乾留ガス熱間処理設備は、複数の石炭乾留装置から抽気した石炭乾留ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することで、炭素含有固形物を乾留する設備であって、前記石炭乾留装置毎に設けられた抽気管と;これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;前記各抽気管が接続された集合管と;この集合管に接続された石炭乾留ガス処理装置と;を備え、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記石炭乾留ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;前記各石炭乾留装置、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記石炭乾留ガス処理装置の順で、前記石炭乾留ガスが流される。
(2)また、本発明の他の態様に係るコークス炉ガス熱間処理設備は、複数のコークス炉窯から抽気したコークス炉ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理する設備であって、前記コークス炉窯毎に設けられた抽気管と;これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;前記各抽気管が接続された集合管と;この集合管に接続されたコークス炉ガス処理装置と;を備え、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記コークス炉ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;前記各コークス炉窯、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記コークス炉ガス処理装置の順で、前記コークス炉ガスが流される。
(3)また、上記(2)に記載のコークス炉ガス熱間処理設備が、前記各コークス炉窯から前記各逆止弁の入口までの間にそれぞれ設けられ、前記各コークス炉窯内における第1の圧力を測定する炉内圧力計と;前記各逆止弁の出口から前記集合管までの間に設けられ、前記集合管内における第2の圧力を測定する集合管圧力計と;前記第1の圧力及び前記第2の圧力の差圧を算出して前記各抽気管における逆流の発生を検知すると共に、前記各抽気管のうち、前記コークス炉ガスの逆流が発生している抽気管が有る場合に、この抽気管に設けられている前記逆止弁を閉じる逆止弁制御装置と;をさらに備えてもよい。
(4)上記(3)に記載のコークス炉ガス熱間処理設備の場合、前記各逆止弁のそれぞれが、弁箱と;この弁箱内の底部に設けられ、常温から900℃までの温度範囲で耐熱性を有する封止材と;前記弁箱の内部でかつ前記封止材の表面よりも上方の内部空間で開口するように、前記弁箱及び前記封止材を貫通するとともに、前記各コークス炉窯からの前記コークス炉ガスが流れ込むガス流入管と;前記内部空間で開口するとともに、前記内部空間から前記集合管を介して前記コークス炉ガス処理装置に向かって前記コークス炉ガスを排出するガス流出管と;前記ガス流入管の開口を覆った状態で少なくともその開口部が前記封止材内に埋没する閉止位置と、前記封止材より前記開口部が取り出された開放位置との間で移動自在に配置された弁体と;この弁体を、前記閉止位置と前記開放位置との間で移動させる弁体移動装置と;を備えてもよい。
なお、上記(2)に記載の態様の特徴について説明すると、逆止弁を含むコークス炉ガス(以下、ウェットCOG)を流通させる管路系を加熱雰囲気内に配置することによって、ウェットCOGを高温に維持したままコークス炉ガス処理装置に供給することと、抽気管に逆止弁を設けることによって、抽気したウェットCOGがコークス炉窯へ逆流してしまうのを防止することとの2つの技術を初めて両立させ、その結果、コークス炉ガスを確実に熱間処理可能としたことにある。前述したように、従来では、この両立が困難であり、コークス炉ガスの熱間処理を実施できなかった。
また、上記(3)に記載の場合では、複数のコークス炉窯から同時にウェットCOGの抽気を行って集合管に集める場合に、ドライメーン側の水封弁の開閉状態の如何に係らず、抽気したウェットCOGが特定のコークス炉窯に逆流するという従来知られていなかった問題を本発明者らが初めて見出し、この解決策を講じたことに特徴がある。すなわち、単に、各コークス炉窯からのウェットCOGの発生量を把握するだけではなく、コークス炉窯と集合管での圧力差に応じて逆流を防止する逆止弁を抽気管に設けたことにある。
また、上記(4)に記載の場合の仕切弁の特徴について説明すると、まず、第1の特徴は、常温から900℃程度までの温度範囲で物理的な性質が大きく変化しない粒状材料を仕切弁の封止材として用いることで、広い動作範囲における弁の封止性を確保できる点にある。これに対して、従来技術の封止方法、例えば水封弁の場合は、高温では水を液相として維持できないので、これを適用することができない。
上記仕切弁の第2の特徴は、次の通りである。
仕切弁は、要求される機能に応じてその各部品間で互いに異なる材料を組み合わせて用いることが一般的である。このような仕切弁が広い温度範囲で使用される場合、前記各部品間で熱膨張差が生じるので、これら部品間の接触、例えば、弁座と弁体との間の接触において、機械加工で言うところの嵌め合いを広い温度範囲で同一状態に維持することは困難である。また、900℃といった高温で弁が使用される場合、長期的には、クリープによって材料が変形することが避けられないので、作動温度が一定であっても、長期間に渡って同一の嵌め合いを維持することは困難である。従来の仕切弁は、弁体を弁座に締め付けることによって作動流体の封止を行う構造であるので、弁座に対する弁体の嵌め合いが変化すると、弁体と弁座との間に隙間を生じて封止が不完全となることや、逆に、弁体と弁座との間の接触力が過大となって、弁体が動かなくなるといった問題が起きる。一方、本態様では、可動性の高い、比較的厚い封止材の層内に弁体を埋没させることによって封止を行うので、嵌め合いを考慮する必要はなく、上記の問題を回避することができる。
上記仕切弁の第3の特徴は、次の通りである。
すなわち、本態様では、比較的多量の粒状体からなる封止材を用いるので、ウェットCOGに接触する材料で避けることのできない、材料へのコーキングやタール凝縮固化による封止性への悪影響を受け難い。即ち、本態様では、表層の封止材の一部にコーキングを生じた場合でも、弁体の開閉動作等による封止材の撹拌によって速やかに層内に析出カーボンを分散化するので、封止材の封止性・流動性悪化の影響を低減することができる。また、本態様では、弁体を頻繁に封止材に埋没させることにより、封止材による弁体の研磨効果を得ることが出来るので、弁体表面の付着物を除去することができる。
上記仕切弁の第4の特徴は、次の通りである。
すなわち、金属ガリウムなどを封止材に用いることにより、本態様では、ほぼ常温から900℃といった広い温度範囲で動作可能で、かつ、完全な封止ができる仕切弁を実現することができる。従来のメタルタッチによる封止構造を持つ弁の場合、このような広い温度範囲で動作可能なものは、弁座と弁体が接触可能な特定の温度以外の温度域では、各部品間の熱膨張率差によって弁座及び弁体間で隙間を生じる虞があるため、確実な封止性を確保することはできない。
上記仕切弁の第5の特徴は、次の通りである。
すなわち、本態様では弁の構成要素の大半を加熱雰囲気内(例えば加熱炉内)に配置するので、弁の各部品間の温度差を低減することができる。従来の高温ガスを流通させる弁では、高温ガスとの接触部位である内側を高温に保ち、かつ、弁の外側を低温に保つことにより、弁の強度と作業性とを確保することが指向されてきた。このような設計前提で、弁に加熱装置を設けない場合、弁を通過する高温ガスは弁によって冷却されるので、例えばウェットCOGを流通させる際にタールが弁内面に析出するのを避けられない。また、弁の内部に加熱装置を設けることによって弁を通過する高温ガスからの抜熱を避ける方法も考えられるが、この場合、弁の内部と外部との間で温度差が大きくなるため、弁の内部を一様に一定温度に制御することが困難である。また、これら従来の方法では、弁の各部品間に大きな温度差が生じるので、900℃といった高温で弁を使用する場合、大きな熱応力を生じて弁の寿命を著しく短くしてしまう問題も生じる。本態様では、弁を通過する高温ガスとほぼ同一の温度に保持された加熱雰囲気内(例えば加熱炉内)に弁を配置することによって弁全体の温度を一様、かつ、一定に保持できるので、上記の従来技術での問題を回避することができる。
以上に説明したように、本発明の上記(1)や(2)に記載の態様によれば、石炭乾留ガス(ウェットCOG)の顕熱を利用する各種ガス改質技術や顕熱回収技術の適用が可能になり、石炭乾留ガス(ウェットCOG)を、高温を維持したまま、石炭乾留ガス処理装置(コークス炉ガス処理装置)に供給すると共に、抽気石炭乾留ガス(抽気COG)の石炭乾留装置(コークス炉)への逆流を防止可能することが可能な、石炭乾留ガス熱間処理設備(コークス炉ガス熱間処理設備)を提供することができる。
従来のコークス炉の模式図である。 従来のコークス炉ガス処理設備の模式図である。 本発明の一実施形態に係る高温コークス炉ガス処理設備の模式図である。 同高温コークス炉ガス処理設備に用いる弁を示す図であって、弁を開放した状態を示す模式図である。 同高温コークス炉ガス処理設備に用いる弁を示す図であって、弁を閉止した状態を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、本願明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することによりそれらの重複説明を省略する。
(高温コークス炉ガス熱間処理設備)
<装置構成>
図3を用いて、本実施形態に係る高温コークス炉ガス熱間処理設備を説明する。図3に示す高温コークス炉ガス熱間処理設備では、図1に示した従来の各コークス炉窯21に対応する各コークス炉窯21a〜21cのそれぞれに対して抽気管26と逆止弁27を設けるとともに、これらを介してウェットCOG(以下、単にCOGと称する場合がある)を集合管28に集めている。そして、この集合管28に接続されたCOG処理装置29にCOGを供給している。これら一連の機械要素、すなわち、抽気管26、逆止弁27、集合管28、COG処理装置29は、加熱炉33内に収納されており、COGの改質時には、加熱炉33の炉内温度(加熱雰囲気温度)を700℃以上、より好ましくは、800℃以上に保持して、配管系内でのタールの凝縮を防止する。
各コークス炉窯21a〜21c内において発生するCOGの温度(発生COG温度)は概ね1200℃以下であるので、加熱炉33内の温度は、この発生COG温度を維持できるように1200℃以下とすることが好ましい。また、大半の操業時間において、発生するCOGの温度は900℃以下であるので、COGの通気に用いる装置の耐熱性を考慮すると、本実施形態での加熱炉33の炉内温度を900℃以下に維持することが好ましい。この場合、発生したCOG温度を常に測定して、この温度が900℃を超えた場合に逆止弁27を閉止することによって、その下流側の装置への高温COGの供給を遮断することができる。
各抽気管26の途中(コークス炉窯21a〜21cと集合管28との接続部以外の任意の位置)には、逆止弁27が設けられている。この逆止弁27は、その入側−出側間の圧力差に応じて開閉する。COG処理装置29で処理されたCOGは、適宜、冷却装置30で冷却されてCOG精製装置32、又は、COG貯留装置(図示せず)に供給される。COG処理装置29内での通気抵抗が大きい場合には、冷却後のCOGをブロワ31で吸引して所要流量を確保してもよい。冷却装置30によって常温程度まで冷却されたCOGは、タール分が除去されたドライな状態にあるので、ブロワ31としては、市販の一般的なブロワや弁等を用いることができる。また、冷却装置30には、市販のスクラバ等を用いることができる。また、管路系の途中に適宜、サイクロン等の集塵機を設けてもよい。
抽気するコークス炉窯21a〜21cの窯数は、COGの発生量と成分を平準化する観点から、3窯以上であることが好ましい。抽気する窯数の最大値に特に制約はないが、窯数を多くするとCOG集合管の長さが長くなり、COG送気時の加熱・保温が不効率になる場合があるので、コークス炉1炉当たりの窯数は、例えば、100窯以下とすることができる。
<COG処理装置>
COG処理装置29には、例えば、特許文献4に示されるCOG改質装置や、特許文献5に示されるCOG排熱回収装置を適用することができる。これらの装置では、供給されるCOG温度が700℃から900℃〜1200℃程度であることが好ましいので、本実施形態の装置を好適に適用することができる。
<抽気管、集合管>
抽気管26及び集合管28は、耐熱ステンレス製、耐熱ニッケル合金製、又は、耐熱セラミックス製の管を使用することができる。各コークス炉窯21a〜21c内の炉内温度が900℃を超える場合には、耐熱セラミックス等の材料を用いることが好ましい。本実施形態では、抽気COGを700℃以上に保持するのでタールの凝縮が生じないものの、高温でのCOG熱分解による管路内面への炭素の析出が多少は避けられないので、閉塞防止の観点から、抽気管及び集合管の内径は、100mm以上であることが好ましい。また、配管径が大き過ぎると各コークス炉窯21a〜21c間に配管が設置できなくなるので、抽気管の外径は、各コークス炉窯21a〜21c間の平均間隔、例えば、1m未満であることが好ましい。集合管の管径の最大値に特段の制約はないが、極端に大きい管径の場合、加熱炉が巨大となって非効率なので、例えば、直径3m以下とすることが好ましい。
<加熱炉>
加熱炉33としては、市販の電気炉や燃焼炉を用いることができる。上記の加熱されるべき機械要素の全てを1台の加熱炉33に収めてもよいし、抽気管26及び逆止弁27、集合管28、COG処理装置29のそれぞれについて個別に加熱炉33を設けてもよい。さらに、各コークス炉窯21a〜21cの抽気管26及び逆止弁27毎に個別に加熱炉33を設けてもよい。
<COGの流れ>
図3において、各コークス炉窯21a〜21cから抽出されたCOGが好適な条件にある場合、各抽気管26の逆止弁27がそれぞれ開放されて、コークス炉窯21a〜21cからCOG処理装置29までウェットCOGが供給される。ここで言う、好適な条件とは、少なくとも、集合管28側の圧力がコークス炉窯21a〜21c側の圧力よりも小さい状態であり、この他、後述のように、逆止弁27として仕切弁を用いて任意のタイミングで開閉できる機能とする場合には、COGが所定温度以上にあることも好適なCOGの条件に加えてよい。
各コークス炉窯21a〜21c内でのCOG温度は、従来のコークス炉窯21に標準的に備えられている炉温計と同等ものを用いて測定すればよい。逆止弁27が開放されている状態では、そのコークス炉窯21a〜21cの水封弁22は開放されていてもよいし、閉止されていてもよい。ここで、水封弁22が開放されている場合には、コークス炉窯21a〜21cから集合管28とドライメーン24の双方にCOGが流出するように、図示されない、スプレー装置の圧力調整機構等を操作することが好ましい。
全ての逆止弁27が開放され、かつ、全ての水封弁22が閉止されている状態では、コークス炉窯21a〜21c内でCOGが発生し続けている限りにおいて、長時間平均的に、各コークス炉窯21a〜21cで発生したCOGは全て集合管28に放出されるので、長時間平均的に逆流は生じない。即ち、平均的に、[コークス炉窯21a〜21c内圧力]−[集合管28内圧力]で定義されるコークス炉窯−集合管間の圧力差は正であり、かつ、この圧力差は各コークス炉窯21a〜21cでのCOG発生量に比例(1次の比例とは限らない)した値となる。しかしながら、瞬時でみると、コークス炉窯21a〜21c内でのCOG発生速度は一定ではなく、短時間でも大きく変動する。この変動要因としては、例えば、加熱された焼結コークス塊が部分的に変形、断裂する際に、瞬間的にそのコークス炉窯21a〜21c内でCOG発生量が急増し、これに伴って集合管28の内圧も急上昇することが挙げられる。従って、このような逆止弁・水封弁設定条件であっても、非定常的に、コークス炉窯−集合管間の圧力差は特定のコークス炉窯21a〜21cで負の値となって、抽気COGのコークス炉窯21a〜21cへの逆流が生じる場合がある。
また、特定の逆止弁27を閉止した際に、これに対応するコークス炉窯21a〜21c内でCOGが発生している場合には、水封弁22を開放して発生COGをコークス炉窯21a〜21cから排出する必要がある。
複数の逆止弁27が開放されていて、これに対応するコークス炉窯21a〜21cのうちの複数において水封弁22が開放されている場合(これは、発生COG量がCOG処理装置29の処理能力を超えた場合等に生じる)には、各コークス炉窯21a〜21cでのCOG発生量とその圧力との関係は予測できない。即ち、より大量にCOGが発生しているコークス炉窯21a〜21cの方が、内圧が高いとは限らない。これは、従来技術におけるスプレー装置によるコークス炉窯圧力設定技術では、高精度での炉圧調整を行い得ないため、コークス炉窯21a〜21c間で本来、大きな圧力差を生じ得ることによる。この結果、集合管28の圧力、即ち、各コークス炉窯21a〜21cの中で、これらの平均的圧力よりも低圧になるものの発生が避けられず、逆止弁27を適宜動作しない限り、抽気COGがコークス炉窯21a〜21cに向かって逆流することが定常的に生じ得る。従って、特許文献2に示される、コークス炉窯21a〜21c内でのCOG発生量に応じた遮断弁の開閉操作のみでは、抽気COGのコークス炉窯21a〜21cへの逆流を防止できない。
以上の点から、抽気管26に設けられる弁には、前後の圧力差に応じて開閉する逆止弁の機能を少なくとも有していることが、高温コークス炉ガス熱間処理設備では必須である。このことは、本願発明者による詳細な調査の結果、初めて明らかになった事項である。
(逆止弁)
<逆止弁の構成>
逆止弁(以下、仕切弁と呼ぶ場合もある)27は、加熱炉33内の高温環境(700℃以上、より好ましくは800℃以上)に耐え、コーキングによるカーボンの析出によっても動作が阻害されず、かつ、逆止弁27の入側−出側間の圧力差に応じて、コークス炉窯21a〜21cへの抽気ガスの逆流を防止できるものであれば、どのような形式のものでも採用することができる。
但し、一般的に使用される、バネ式で弁体を弁座に押し付けておき、作動ガスが順流れ時には流れの動圧によって、弁体−弁座間の隙間を押し広げる形式のものを用いる場合には、微小な力で弁体−弁座間の隙間が押し広げられるように、特に設計には配慮を払う必要がある。なぜならば、作動ガスとしてウェットCOGを用いる場合、コーキングによる閉塞防止のため、抽気管及び逆止弁の内径は一般に大きく設定せざるを得ないので、作動ガスの動圧が一般に微小となることが避けられないからである。また、少なくとも900℃程度まで弾性を維持し得るバネ材料を探すことも容易ではない。
より汎用的に、ウェットCOGに対して適用できる逆止弁27は、図3において、逆止弁27を仕切弁とし、コークス炉窯21a〜21cからこれら逆止弁27の流入口の間に設けられる各炉内圧力計34と、逆止弁27の流出口から集合管28までの間に設けられる集合管圧力計35と、逆止弁制御装置36とを設ければよい。この逆止弁27の構成を採用した場合、逆止弁制御装置36に対し、各炉内圧力計34の測定値と集合管圧力計35の測定値とが入力され、これらの差圧を算出して、集合管圧力計35での測定値が炉内圧力計34での測定値よりも大きい場合には、抽気管26において逆流が発生したものと検知する。そして、逆流検知時には、逆流が発生した抽気管26に接続されている仕切弁27を閉止する指令をこの仕切弁27に出力することによって、抽気ガスがコークス炉窯21a〜21cに逆流してしまうのを防止することができる。
また、上記構成の場合、逆止弁制御装置36が逆流を検知しない状態では、仕切弁27を開放してもよいし、他の操業上の理由によって閉止状態としてもよいので、運用の選択肢を増やすことができる。ここで言う他の操業上の理由とは、例えば、個々の逆止弁27に対応するコークス炉窯21a〜21cが大気に対して開放状態にある場合であり、その期間は、逆止弁27を逆流検知の有無にかかわらず、常に閉止することができる。
ここで、逆止弁27として用いる弁が、ダンパ等の流量調整弁ではなく、仕切弁に限定されるのは、以下の理由による。前述のように、ウェットCOGを操作する際には、タールやカーボンの析出・付着が多かれ少なかれ避けられないので、弁体と弁座との間に常に隙間を設けることが前提とされるが、ダンパ等の流量調整弁では、このようなタールやカーボンの析出・付着によって弁体の動作を阻害しないように、隙間幅を大きく設定せざるを得ない。一方、前述のように、ウェットCOGが通過する抽気管26及び逆止弁27の内径は、十分に大きく設定しなければならない。このため、ダンパの隙間の面積(≒隙間幅×管の円周)は、ウェットCOGの流量に対して、十分に小さく設定することが困難であり、ダンパの隙間を通過するウェットCOGの流速を十分に高めることができない。ダンパでは、ダンパ隙間での作動ガスの増速による圧力損失によって流量を制御する原理であるので、このようなウェットCOGの流れ条件では、ダンパは流量調整装置として機能し得ないので、逆止弁27には適用できないからである。これに対して、仕切弁であれば、ウェットCOGの動圧が低くても、その流れを阻止することができるので、逆止弁27への適用に好適である。
このような構造の逆止弁27の場合、弁の構造体が900℃以上である場合には、適用可能な材料の制約が大きくなる。一方、ウェットCOGが逆止弁27を通過する時間は比較的短く、かつ、逆止弁27の温度が700℃程度以上と比較的高温であれば、一般に逆止弁27中でCOGの平均温度は大きくは変動しない。そこで、900℃以上の加熱炉33内に逆止弁27を設ける場合には、逆止弁27を冷却して、少なくとも、弁構造体の一部を900℃未満に維持してもよい。加熱炉33内で弁を冷却する手段として、弁箱の外側にガス冷却ジャケットを設け、これに加熱炉33外から導入したガスを流通させて弁の冷却を行うことができる。また、前記の駆動装置を用いる逆止弁27の場合、ガスシリンダ等の駆動装置自身は、ウェットCOGと接触するわけではないので、この部分のみ、700℃未満に冷却してもよい。さらに、駆動装置のみ加熱炉33の外に設けて、加熱炉33の壁を貫通する伝導機構(コネクティングロッド等)を用いて、加熱炉33内の弁体を駆動してもよい。即ち、逆止弁27を加熱炉33内に設けて700℃以上の温度に維持するとは、少なくとも、弁箱を加熱炉33内に設けて700℃以上の温度に維持すればよい。
これに対して、もし、逆止弁27を加熱炉33(加熱装置)内に設けず、保温材等のみを逆止弁27の周囲に設ける場合には、仮に、逆止弁27を通気するCOGが700℃以上であっても、逆止弁27のCOGとの接触部において、固体(または液体)タール等の析出物が顕著となる、700℃未満の領域が発生することを防止することは困難である。なぜならば、このような構造の場合、逆止弁27の加熱源は、COGから伝熱される熱量のみであるからである。通常、バッチ式生産を行う、コークス炉の操業において発生する(即ち、抽気可能な)COGは、しばしば、少量化または停止する。このため、いかに保温を厳重に行ったとしても、逆止弁27にCOGから供給される時間当たり熱量がほとんど0になることが生じる。このとき、逆止弁27の弁箱は外部に放熱する一方であるので、弁箱全体の温度が低下し、通気部位にも700℃未満の領域を生じうる。弁内のCOG接触部に700℃未満の低温部位を生じた場合、仮にCOGの平均温度を大きく低下させないとしても、少なくともこの低温部位近傍のCOGは700℃未満に低下し、固体または液体タールを生じて低温部位に付着しうる。この結果、この低温部位で選択的に固体または液体タール付着物が成長して弁内流路を閉塞させる問題を生じる。一方、本実施形態でのように、弁箱を700℃以上に保持された加熱炉33内に設ける場合には、通気COG流量にかかわらず、常に弁内のCOG接触部全域を700℃以上に保つことができる。
<圧力計>
集合管圧力計35及び炉内圧力計34としては、例えば、市販のマノメータやダイヤフラム型圧力計を用いることができる。マノメータを用いる場合には、炉内や管内のガスを直接作動流体に接触させるのではなく、間に不活性ガス等の断熱流体を介することによって、高温のウェットCOGであっても圧力を計測することができる。
また、集合管圧力計35を常に負圧に、かつ、抽気すべきコークス炉窯21a〜21cの炉窯内圧力を常に正圧に設定する前提であれば、炉内圧力計34として簡易な圧力検出手段を採用することができる。例えば、コークス炉窯21a〜21cの一部を外気に対して常に開放し(例えば、上昇管25の上蓋部の隙間を開放する)、ここでのガス流れの向きを吹き流し法等で求める。そして、コークス炉窯21a〜21c内から大気中にガスが流出する場合は、コークス炉窯21a〜21c内が正圧であり、流れが逆向きであればコークス炉窯21a〜21c内が負圧であるという方法等を、コークス炉窯21a〜21c内の圧力の簡易な検出手段として用いればよい。
<仕切弁の構造>
逆止弁27として採用した仕切弁を、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4が弁の開放状態を示し、図5が弁の閉止状態を示す。
まず、図4に示すように、弁体2の開口2aが封止材5の表面5aよりも上方にある弁開放状態のとき、高温の作動ガスは、ガス流入管3から弁箱1内に流入し、流出口4から流出する。このときの弁体2の位置を、以下、弁体上昇位置と呼ぶ。なお、ガス流入管3が、前記抽気管26のコークス炉窯21a〜21c側に接続された部分であり、流出口4が、前記抽気管26の集合管28側に接続された部分である。
一方、図5に示すように、弁が閉止状態のとき、弁体2の開口2aを含む下端が上方より下方に向かって封止材5内に埋没した弁体2によって、弁箱1内は、ガス流入管3が有る側の空間19と、それ以外のガス流出管側の空間20とに隔てられる。その結果、ガス流入管3からガス流出管4への高温の作動ガスの流通が遮断される。このときの弁体2の位置を、以下、弁体下降位置と呼ぶ。微量の作動ガスは、封止材5の隙間を通じて流通し得るが、弁体2の封止材5への埋没深さが十分である場合には、通気抵抗の十分に大きい封止材5を用いれば、実質的なガス封止を実現できる。弁体2の封止材5への埋没深さは、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。これよりも浅い埋没量である場合には、封止材5による封止性能が不足し、一方、これ以上の深さの埋没量である場合には、実現できる封止能力に比べて装置が高価になり過ぎる。ガス流入管3の上端の開口3aに接触して弁体2が降下するときの下端位置を固定するストッパ18の位置を調整することによって、この弁体2の封止材5への埋没深さを所望の深さに設定することができる。
弁体上昇位置と弁体下降位置との間で弁体2を移動させるためには、弁体2に接続された弁体昇降装置8を動作させる。弁箱1の密閉を維持するために、弁体2と弁箱1との間にベローズ14を設け、弁体2と弁箱1との間での相対移動量の影響をここで吸収する。
<弁箱>
弁箱1は、高温の加熱炉33内に設置される。弁箱1の高さは、例えば、100mm以上4m以下とすることができる。封止材5の層厚は、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。ガス流入管3及びガス流出管4の弁箱1内での開口径は、例えば、10mm以上300mm以下とすることができる。
<弁体昇降装置>
弁体昇降装置8を加熱炉33外に設置する場合には、昇降運動可能な市販のアクチュエータを使用することができる。例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、ラックアンドピニオン推進装置、ボールねじ推進装置、又は、リニアモータを用いることができる。耐熱性のアクチュエータを弁体昇降装置8に用いて、これを加熱炉33内に設置し、設備の小型化を図ってもよい。弁体2の昇降位置を調整する方法は、手動で行ってもよいし、別途、距離計又は荷重計、並びに、制御装置を設けて自動制御してもよい。弁体昇降装置8のストロークは、例えば、20mm以上2m以下とすることができる。
<構造材の材質>
加熱炉33内に配置される装置は、炉温を900℃以下に限定する場合には、常温から900℃程度までの高温環境において、所要の強度、剛性、耐久性を有したものであればどのようなものでも使用することができる。例えば、変形する部品であるベローズ14には、耐熱ステンレス鋼、又は、インコネルやハステロイ等の耐熱ニッケル合金等の金属を、これ以外の部品に関しては、前記の材料に加えて、黒鉛、カーボンコンポジット、アルミナ、カルシア、マグネシア、炭化ケイ素、又は、窒化ケイ素等を用いることができる。尚、黒鉛等、耐酸化性の低い材料を用いる場合には、加熱炉33内を非酸化性雰囲気、例えば、窒素雰囲気に維持することで、これらの材質を適用することができる。また、加熱炉33内の炉温を、900℃を超える値に設定し得る場合には、構造材の材料として、耐熱セラミックス等の材料を用いることが好ましい。
封止材5に金属ガリウムを用いる場合には、金属材料との間で合金を生じ得るので、金属ガリウム接液部には、上述の各種セラミックスを用いた構造材、又は、上述の各種セラミックス材を金属材料に被覆した構造材を用いることができる。
<封止材>
封止材5には、常温から900℃〜1200℃程度の高温において、流動化に耐え得る強度を有し、かつ、作動ガスとの化学反応、自身の熱分解、焼結、相変態を生じない粒状の材料であれば、どのような材質のものでも用いることができる。
封止材5に粒体を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする材質を用いることができる。これらの物質は、工業的に容易に得られ、常温から900℃〜1200℃までの温度範囲で安定であり、ウェットCOGとの反応性が低く、さらに、この温度域では焼結性も低いので粒体の流動性が損なわれることが少ないので好適である。他の物質、例えば、珪砂の場合、この温度域で変態を生じるため、粒子が崩壊し易く、封止材5として好適ではない。また、ソーダガラス粒を用いる場合、この温度域では軟化、焼結を生じ得ることから、粒体の流動性を確保できずに、弁体2の封止材5への挿入を阻害し得るので、封止材5として好適ではない。
ここで、前記主体とは、上記の粒体が50質量%以上を占めるものを指し、上記の粒体の性質、特に、常温から900℃〜1200℃までの温度範囲で安定であり、ウェットCOGとの反応性が低く、さらに、この温度域では焼結性も低いという利点を大きく損なわない範囲で、微量の不純物又は添加物が上記の粒体に、粒子として、又は、上記粒体の個別粒子の成分として含まれ得る。例えば、窒化ホウ素の粒体を上記粒体に、例えば5質量%程度以下の範囲で添加することができる。窒化ホウ素は高温での固体潤滑性が高いので、上記の粒体に少量添加することによって、粒体の流動性を向上する効果が期待できる。但し、窒化ホウ素粒体は機械的強度が低く、容易に崩壊するので、以下に示す望ましい粒体範囲を長期に維持することが困難であるため、大量に添加することには問題がある。また、上記流体の粒子として、必ずしも高純度の粒体を用いる必要はなく、例えば、酸化珪素を含有し、ムライト化させたアルミナ−シリカ組成である粒子によって構成される粒体であっても、上記の粒体の性質を大きく損なわないシリカ含有比率範囲(例えば、30質量%以下)であれば、適用することができる。
封止材5の粒径は、好ましくは直径10μm以上500μm以下が好ましい。この粒径範囲よりも小さい場合、弁体2の開閉動作時の弁箱1中に、弁体2に随伴して粒体の巻き上げを生じ、作動ガスと共にガス流出管4から粒体が流出するので好ましくない。また、粒体の粒径がこの範囲よりも大きい場合、粒体による封止性が極端に悪化するので好適でない。封止材5の形状は、大半の粒体において、略球形であることが好ましい。略球形とは、粒体の個々の粒子の真球度(粒子の表面に外接する最小球面と粒子表面との半径方向の最大距離)が粒子半径の概ね20%以下の粒子であり、かつ、鋭利な角部を有しない形状であればよい。このような粒子は、積層した際の充填率を高くすることができるので、封止性を確保する観点から封止材5として好適であり、また、流動性に優れるので弁体2を封止材5に埋没させる際の抵抗が小さい点でも封止材5として有利である。
略球形の粒子は、転動造粒法、噴霧乾燥造粒法、又は、溶射法等によって形成することができ、市販のものを用いることができる。一方、例えば、破砕法によって製造された粒子は、粒子表面に鋭利な部位を有するので、封止材5として好適ではない。好ましい粒子の粒体を用いた場合、例えば、弁閉止の状態で、ガス流入管側空間19とガス流出管側空間20との間で例えば100Paの差圧が与えられた場合でも、封止材層を通じて流通する作動ガスの流速を1mm/秒以下にすることができ、弁の高い封止性を確保することができる。
封止材5には、金属ガリウムを主体とした液体金属を用いることができる。金属ガリウムの融点は29℃であり、沸点は2000℃以上であるので、加熱炉33の炉温を上記融点以上に維持することにより、作動ガス温度が常温から1200℃の範囲で封止材5が液相を維持できる。例えば、900℃における金属ガリウムの蒸気圧は、0.1Pa程度以下と極めて低いので、封止材5の蒸発によって生じ得る数々の不具合、例えば、逆止弁27の下流側設備内で封止材5が凝固した付着物となることを回避することができる。
ここで、前記主体とは、液体金属中の金属ガリウムが50質量%以上を占めるものを指し、上記の金属ガリウムの性質、特に、常温程度以下の低温融点、かつ、ウェットCOGの操作温度よりも十分に高温の沸点を有するという利点を大きく損なわない範囲で、微量の不純物又は添加物が金属ガリウムに含まれ得る。例えば、金属ガリウム68.5質量%、インジウム21.5質量%及び錫10質量%を含有する液体金属は、成分中でガリウムが大半を占め、かつ、融点が−19℃、沸点が1300℃以上であり、金属ガリウムの性質を大きく損なうとは言えないので、本実施形態でいうところの金属ガリウムを主体とした液体金属に含まれる。また、不純物を合計約1質量%のオーダで含み得る再生ガリウム等の材料も、常温程度以下の低温である融点、かつ、ウェットCOGの操作温度よりも十分の高温である沸点という条件を満たす限り、本実施形態でいうところの金属ガリウムを主体とした液体金属に含まれる。
封止材5に金属ガリウムを用いる場合、酸化性の作動ガスに対しては、液体ガリウムが表面から酸化して酸化ガリウムの硬い表層が生じ、弁の開閉動作を阻害し得ると共に、金属ガリウムの損耗を生じる問題がある。また、金属ガリウムは凝固する際に膨張するため、弁の不使用時に弁を周囲から均一に冷却すると、金属ガリウム表面から凝固を生じ、内部に閉じ込められた液体が後に凝固する際、強い圧力を発生して容器を破壊する可能性がある。
これらの問題を回避するために、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素のうち、1種又は2種以上の組み合わせを主体とした粒体を、封止材5である金属ガリウムの上に積載することができる。これらの粒体は、いずれも金属ガリウムよりも密度が小さいので、金属ガリウム上に安定した層を形成する。粒体を積載する際には、強く撹拌すると金属ガリウム中に粒体が取り込まれてしまうので、粒体は、金属ガリウム上に静置すべきである。このような粒体を金属ガリウム上に積載することで、金属ガリウム表面上での通気を阻害して金属ガリウムの酸化を抑制することができる。また、金属ガリウム上の粒体層は断熱材として機能して、弁を冷却する際に金属ガリウム表面を保温するので、凝固は、表面以外の容器壁から生じて最後に金属ガリウム表面が凝固する。よって、上述の容器破損の問題を回避することができる。なお、金属ガリウム上の粒体は、互いに自由に分離可能なので、弁体2の粒体層の通過を妨げないように粒体を配置することができる。
粒体層(封止材5)の厚みは、1mmから100mmの範囲が好ましい。この範囲よりも薄い粒体層の場合、通気性が高く、保温性も低いので粒体層の効果が著しく減少する。この範囲よりも厚い粒体層の場合、弁体2が粒体層を通過する際の抵抗が大きくなり、弁の開閉を阻害する可能性があるので好ましくない。粒体の粒子直径は、10μm以上かつ500μm以下であることが好ましい。この範囲よりも小さい粒子の場合、弁箱1内部で粒子の飛散を生じ易いので好ましくない。また、この範囲よりも大きい粒子の場合、通気性を阻害する能力が極端に低くなるので好ましくない。
なお、封止材5は、本実施形態において述べた種類のみに限定されるものではない。例えば、高純度の酸化タングステンは高温で安定性の高い物質であるので、これを所定の粒径で大量に製造できれば、本発明での封止材に適用することができる。
以上説明のように、本実施形態の骨子は以下の通りである。
(1)すなわち、本実施形態のコークス炉ガス熱間処理設備(石炭乾留ガス熱間処理設備)は、複数のコークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21cから抽気したウェットCOG(コークス炉ガス、石炭乾留ガス)を700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することによって所望の物質またはエネルギを得る。そして、このコークス炉ガス熱間処理設備は、コークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21c毎に設けられた抽気管26と;これら抽気管26のそれぞれに設けられた逆止弁27と;各抽気管26が接続された集合管28と;この集合管28に接続されたCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29と;を備える。さらに、各抽気管26、各逆止弁27、集合管28、及びCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29が、加熱炉33内に形成される700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられている。そして、各コークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21c、各抽気管26、各逆止弁27、集合管28、そしてCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29の順で、ウェットCOG(石炭乾留ガス)が流される。
(2)さらに、このコークス炉ガス熱間処理設備は、コークス炉窯21a〜21cから各逆止弁27の入口までの間にそれぞれ設けられ、各コークス炉窯21a〜21c内における第1の圧力を測定する炉内圧力計34と;各逆止弁27の出口から集合管28までの間に設けられ、集合管28内における第2の圧力を測定する集合管圧力計35と;前記第1の圧力及び前記第2の圧力が入力され、これらの差圧を算出して各抽気管26における逆流の発生を検知すると共に、各抽気管26cのうち、コークス炉ガスの逆流が発生している抽気管26が有る場合に、この抽気管26に設けられている逆止弁(仕切弁)27を閉じる逆止弁制御装置36と;をさらに備える。
(3)さらに、このコークス炉ガス熱間処理設備では、各逆止弁(仕切弁)27のそれぞれが、弁箱1と;この弁箱1内の底部に設けられ、常温から900℃までの温度範囲で耐熱性を有する封止材5と;弁箱1の内部でかつ封止材5の表面5aよりも上方の内部空間A1で開口するように、弁箱1及び封止材5を貫通するとともに、各コークス炉窯21a〜21cからのコークス炉ガスが流れ込むガス流入管3と;前記内部空間A1で開口するとともに、前記内部空間A1からCOG処理装置(コークス炉ガス処理装置、石炭乾留ガス処理装置)29に向かってコークス炉ガスを排出するガス流出管4と;ガス流入管3の開口3aを覆った状態で少なくともその開口部2aが封止材5内に埋没する閉止位置と、封止材5より開口部2aが取り出された開放位置との間で移動自在に配置された弁体2と;この弁体2を、前記閉止位置と前記開放位置との間で移動させる弁体昇降装置(弁体移動装置)8と;を備える。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例のみに限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明によれば、ウェットCOGを高温に維持したままコークス炉ガス処理装置に供給すると共に、抽気COGのコークス炉への逆流を防止することが可能な、高温石炭乾留ガス熱間処理設備及び高温コークス炉ガス熱間処理設備を提供することができる。
1 弁箱
2 弁体
3 ガス流入管
4 ガス流出管
5 封止材
7 弁箱
8 弁体昇降装置
9 下流側主管路
14 ベローズ
16 炉壁
18 蓋
19 流入管側の空間
20 流出管側の空間
21 コークス炉窯
22 水封弁
23 スプレー装置
24 ドライメーン
25 上昇管
26 抽気管
27 逆止弁
28 集合管
29 COG処理装置
30 冷却装置
31 ブロワ
32 COG精製装置
33 加熱炉
34 コークス炉内圧力計
35 集合管圧力計
36 制御装置
37 遮断弁
38 熱風発生装置
39 熱風導管

Claims (4)

  1. 複数の石炭乾留装置から抽気した石炭乾留ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することで、炭素含有固形物を乾留する設備であって、
    前記石炭乾留装置毎に設けられた抽気管と;
    これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;
    前記各抽気管が接続された集合管と;
    この集合管に接続された石炭乾留ガス処理装置と;
    を備え、
    前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記石炭乾留ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;
    前記各石炭乾留装置、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記石炭乾留ガス処理装置の順で、前記石炭乾留ガスが流される;
    ことを特徴とする石炭乾留ガス熱間処理設備。
  2. 複数のコークス炉窯から抽気したコークス炉ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理する設備であって、
    前記コークス炉窯毎に設けられた抽気管と;
    これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;
    前記各抽気管が接続された集合管と;
    この集合管に接続されたコークス炉ガス処理装置と;
    を備え、
    前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記コークス炉ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;
    前記各コークス炉窯、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記コークス炉ガス処理装置の順で、前記コークス炉ガスが流される;
    ことを特徴とするコークス炉ガス熱間処理設備。
  3. 前記各コークス炉窯から前記各逆止弁の入口までの間にそれぞれ設けられ、前記各コークス炉窯内における第1の圧力を測定する炉内圧力計と;
    前記各逆止弁の出口から前記集合管までの間に設けられ、前記集合管内における第2の圧力を測定する集合管圧力計と;
    前記第1の圧力及び前記第2の圧力の差圧を算出して前記各抽気管における逆流の発生を検知すると共に、前記各抽気管のうち、前記コークス炉ガスの逆流が発生している抽気管が有る場合に、この抽気管に設けられている前記逆止弁を閉じる逆止弁制御装置と;
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコークス炉ガス熱間処理設備。
  4. 前記各逆止弁のそれぞれが、
    弁箱と;
    この弁箱内の底部に設けられ、常温から900℃までの温度範囲で耐熱性を有する封止材と;
    前記弁箱の内部でかつ前記封止材の表面よりも上方の内部空間で開口するように、前記弁箱及び前記封止材を貫通するとともに、前記各コークス炉窯からの前記コークス炉ガスが流れ込むガス流入管と;
    前記内部空間で開口するとともに、前記内部空間から前記集合管を介して前記コークス炉ガス処理装置に向かって前記コークス炉ガスを排出するガス流出管と;
    前記ガス流入管の開口を覆った状態で少なくともその開口部が前記封止材内に埋没する閉止位置と、前記封止材より前記開口部が取り出された開放位置との間で移動自在に配置された弁体と;
    この弁体を、前記閉止位置と前記開放位置との間で移動させる弁体移動装置と;
    を備えることを特徴とする請求項3に記載のコークス炉ガス熱間処理設備。
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