JP5114759B2 - 石炭乾留ガス熱間処理設備及びコークス炉ガス熱間処理設備 - Google Patents
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Description
本願は、2010年03月31日に、日本国に出願された特願2010−082294号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来のコークス炉の一例を、図1を用いて説明する。同図に示すように、本例のコークス炉に備えられている複数のコークス炉窯21には、上昇管25と、この上昇管25に接続された水封弁22及びスプレー装置23とが、それぞれ設けられている。そして、全ての上昇管25を通して抽気されたCOGは、集合管であるドライメーン24に集められた後、図示しないCOG処理装置へと送られる。水封弁22とスプレー装置23は、通常、一体構造のものが使用される。各水封弁22は、各コークス炉窯21とドライメーン24との間におけるCOGの流通を必要に応じて阻止する。各スプレー装置23は、COGの冷却と、各コークス炉窯21内の圧力調整とを行う。
尚、「石炭乾留ガス」とは、石炭または石炭由来の原料を乾留して発生するタール蒸気およびその他の可燃性ガスを含む混合ガスのことであり、COG、キルン等の連続または半連続式加熱炉で石炭を乾留したガスや、ピッチ等のコーキングガスを含む。
第1の問題は、各コークス炉窯21から抽気した高温COG(以下、「ウェットCOG」と称する)に接する、遮断弁37を含む管路内に、大量の付着物が生じるという問題である。具体的には、ウェットCOG中には高沸点ガスであるタールが含有されているため、700℃未満にウェットCOGの温度が低下すると、タールが凝縮する。一旦凝縮した後のタールは性質が変化しており、再度加熱しても容易には蒸発しない場合が多い。また、ウェットCOG中にメタン等の炭化水素の形で含有されていた炭素が、700℃以上の高温で分解して固体の炭素(煤)として析出する(この現象を「コーキング」と称する)。一旦析出した固体炭素は、互いに強固に結合しているため、その温度を再度低下させても容易には炭化水素化しない。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る石炭乾留ガス熱間処理設備は、複数の石炭乾留装置から抽気した石炭乾留ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することで、炭素含有固形物を乾留する設備であって、前記石炭乾留装置毎に設けられた抽気管と;これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;前記各抽気管が接続された集合管と;この集合管に接続された石炭乾留ガス処理装置と;を備え、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記石炭乾留ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;前記各石炭乾留装置、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記石炭乾留ガス処理装置の順で、前記石炭乾留ガスが流される。
仕切弁は、要求される機能に応じてその各部品間で互いに異なる材料を組み合わせて用いることが一般的である。このような仕切弁が広い温度範囲で使用される場合、前記各部品間で熱膨張差が生じるので、これら部品間の接触、例えば、弁座と弁体との間の接触において、機械加工で言うところの嵌め合いを広い温度範囲で同一状態に維持することは困難である。また、900℃といった高温で弁が使用される場合、長期的には、クリープによって材料が変形することが避けられないので、作動温度が一定であっても、長期間に渡って同一の嵌め合いを維持することは困難である。従来の仕切弁は、弁体を弁座に締め付けることによって作動流体の封止を行う構造であるので、弁座に対する弁体の嵌め合いが変化すると、弁体と弁座との間に隙間を生じて封止が不完全となることや、逆に、弁体と弁座との間の接触力が過大となって、弁体が動かなくなるといった問題が起きる。一方、本態様では、可動性の高い、比較的厚い封止材の層内に弁体を埋没させることによって封止を行うので、嵌め合いを考慮する必要はなく、上記の問題を回避することができる。
すなわち、本態様では、比較的多量の粒状体からなる封止材を用いるので、ウェットCOGに接触する材料で避けることのできない、材料へのコーキングやタール凝縮固化による封止性への悪影響を受け難い。即ち、本態様では、表層の封止材の一部にコーキングを生じた場合でも、弁体の開閉動作等による封止材の撹拌によって速やかに層内に析出カーボンを分散化するので、封止材の封止性・流動性悪化の影響を低減することができる。また、本態様では、弁体を頻繁に封止材に埋没させることにより、封止材による弁体の研磨効果を得ることが出来るので、弁体表面の付着物を除去することができる。
すなわち、金属ガリウムなどを封止材に用いることにより、本態様では、ほぼ常温から900℃といった広い温度範囲で動作可能で、かつ、完全な封止ができる仕切弁を実現することができる。従来のメタルタッチによる封止構造を持つ弁の場合、このような広い温度範囲で動作可能なものは、弁座と弁体が接触可能な特定の温度以外の温度域では、各部品間の熱膨張率差によって弁座及び弁体間で隙間を生じる虞があるため、確実な封止性を確保することはできない。
すなわち、本態様では弁の構成要素の大半を加熱雰囲気内(例えば加熱炉内)に配置するので、弁の各部品間の温度差を低減することができる。従来の高温ガスを流通させる弁では、高温ガスとの接触部位である内側を高温に保ち、かつ、弁の外側を低温に保つことにより、弁の強度と作業性とを確保することが指向されてきた。このような設計前提で、弁に加熱装置を設けない場合、弁を通過する高温ガスは弁によって冷却されるので、例えばウェットCOGを流通させる際にタールが弁内面に析出するのを避けられない。また、弁の内部に加熱装置を設けることによって弁を通過する高温ガスからの抜熱を避ける方法も考えられるが、この場合、弁の内部と外部との間で温度差が大きくなるため、弁の内部を一様に一定温度に制御することが困難である。また、これら従来の方法では、弁の各部品間に大きな温度差が生じるので、900℃といった高温で弁を使用する場合、大きな熱応力を生じて弁の寿命を著しく短くしてしまう問題も生じる。本態様では、弁を通過する高温ガスとほぼ同一の温度に保持された加熱雰囲気内(例えば加熱炉内)に弁を配置することによって弁全体の温度を一様、かつ、一定に保持できるので、上記の従来技術での問題を回避することができる。
<装置構成>
図3を用いて、本実施形態に係る高温コークス炉ガス熱間処理設備を説明する。図3に示す高温コークス炉ガス熱間処理設備では、図1に示した従来の各コークス炉窯21に対応する各コークス炉窯21a〜21cのそれぞれに対して抽気管26と逆止弁27を設けるとともに、これらを介してウェットCOG(以下、単にCOGと称する場合がある)を集合管28に集めている。そして、この集合管28に接続されたCOG処理装置29にCOGを供給している。これら一連の機械要素、すなわち、抽気管26、逆止弁27、集合管28、COG処理装置29は、加熱炉33内に収納されており、COGの改質時には、加熱炉33の炉内温度(加熱雰囲気温度)を700℃以上、より好ましくは、800℃以上に保持して、配管系内でのタールの凝縮を防止する。
各コークス炉窯21a〜21c内において発生するCOGの温度(発生COG温度)は概ね1200℃以下であるので、加熱炉33内の温度は、この発生COG温度を維持できるように1200℃以下とすることが好ましい。また、大半の操業時間において、発生するCOGの温度は900℃以下であるので、COGの通気に用いる装置の耐熱性を考慮すると、本実施形態での加熱炉33の炉内温度を900℃以下に維持することが好ましい。この場合、発生したCOG温度を常に測定して、この温度が900℃を超えた場合に逆止弁27を閉止することによって、その下流側の装置への高温COGの供給を遮断することができる。
COG処理装置29には、例えば、特許文献4に示されるCOG改質装置や、特許文献5に示されるCOG排熱回収装置を適用することができる。これらの装置では、供給されるCOG温度が700℃から900℃〜1200℃程度であることが好ましいので、本実施形態の装置を好適に適用することができる。
抽気管26及び集合管28は、耐熱ステンレス製、耐熱ニッケル合金製、又は、耐熱セラミックス製の管を使用することができる。各コークス炉窯21a〜21c内の炉内温度が900℃を超える場合には、耐熱セラミックス等の材料を用いることが好ましい。本実施形態では、抽気COGを700℃以上に保持するのでタールの凝縮が生じないものの、高温でのCOG熱分解による管路内面への炭素の析出が多少は避けられないので、閉塞防止の観点から、抽気管及び集合管の内径は、100mm以上であることが好ましい。また、配管径が大き過ぎると各コークス炉窯21a〜21c間に配管が設置できなくなるので、抽気管の外径は、各コークス炉窯21a〜21c間の平均間隔、例えば、1m未満であることが好ましい。集合管の管径の最大値に特段の制約はないが、極端に大きい管径の場合、加熱炉が巨大となって非効率なので、例えば、直径3m以下とすることが好ましい。
加熱炉33としては、市販の電気炉や燃焼炉を用いることができる。上記の加熱されるべき機械要素の全てを1台の加熱炉33に収めてもよいし、抽気管26及び逆止弁27、集合管28、COG処理装置29のそれぞれについて個別に加熱炉33を設けてもよい。さらに、各コークス炉窯21a〜21cの抽気管26及び逆止弁27毎に個別に加熱炉33を設けてもよい。
図3において、各コークス炉窯21a〜21cから抽出されたCOGが好適な条件にある場合、各抽気管26の逆止弁27がそれぞれ開放されて、コークス炉窯21a〜21cからCOG処理装置29までウェットCOGが供給される。ここで言う、好適な条件とは、少なくとも、集合管28側の圧力がコークス炉窯21a〜21c側の圧力よりも小さい状態であり、この他、後述のように、逆止弁27として仕切弁を用いて任意のタイミングで開閉できる機能とする場合には、COGが所定温度以上にあることも好適なCOGの条件に加えてよい。
各コークス炉窯21a〜21c内でのCOG温度は、従来のコークス炉窯21に標準的に備えられている炉温計と同等ものを用いて測定すればよい。逆止弁27が開放されている状態では、そのコークス炉窯21a〜21cの水封弁22は開放されていてもよいし、閉止されていてもよい。ここで、水封弁22が開放されている場合には、コークス炉窯21a〜21cから集合管28とドライメーン24の双方にCOGが流出するように、図示されない、スプレー装置の圧力調整機構等を操作することが好ましい。
<逆止弁の構成>
逆止弁(以下、仕切弁と呼ぶ場合もある)27は、加熱炉33内の高温環境(700℃以上、より好ましくは800℃以上)に耐え、コーキングによるカーボンの析出によっても動作が阻害されず、かつ、逆止弁27の入側−出側間の圧力差に応じて、コークス炉窯21a〜21cへの抽気ガスの逆流を防止できるものであれば、どのような形式のものでも採用することができる。
ここで、逆止弁27として用いる弁が、ダンパ等の流量調整弁ではなく、仕切弁に限定されるのは、以下の理由による。前述のように、ウェットCOGを操作する際には、タールやカーボンの析出・付着が多かれ少なかれ避けられないので、弁体と弁座との間に常に隙間を設けることが前提とされるが、ダンパ等の流量調整弁では、このようなタールやカーボンの析出・付着によって弁体の動作を阻害しないように、隙間幅を大きく設定せざるを得ない。一方、前述のように、ウェットCOGが通過する抽気管26及び逆止弁27の内径は、十分に大きく設定しなければならない。このため、ダンパの隙間の面積(≒隙間幅×管の円周)は、ウェットCOGの流量に対して、十分に小さく設定することが困難であり、ダンパの隙間を通過するウェットCOGの流速を十分に高めることができない。ダンパでは、ダンパ隙間での作動ガスの増速による圧力損失によって流量を制御する原理であるので、このようなウェットCOGの流れ条件では、ダンパは流量調整装置として機能し得ないので、逆止弁27には適用できないからである。これに対して、仕切弁であれば、ウェットCOGの動圧が低くても、その流れを阻止することができるので、逆止弁27への適用に好適である。
このような構造の逆止弁27の場合、弁の構造体が900℃以上である場合には、適用可能な材料の制約が大きくなる。一方、ウェットCOGが逆止弁27を通過する時間は比較的短く、かつ、逆止弁27の温度が700℃程度以上と比較的高温であれば、一般に逆止弁27中でCOGの平均温度は大きくは変動しない。そこで、900℃以上の加熱炉33内に逆止弁27を設ける場合には、逆止弁27を冷却して、少なくとも、弁構造体の一部を900℃未満に維持してもよい。加熱炉33内で弁を冷却する手段として、弁箱の外側にガス冷却ジャケットを設け、これに加熱炉33外から導入したガスを流通させて弁の冷却を行うことができる。また、前記の駆動装置を用いる逆止弁27の場合、ガスシリンダ等の駆動装置自身は、ウェットCOGと接触するわけではないので、この部分のみ、700℃未満に冷却してもよい。さらに、駆動装置のみ加熱炉33の外に設けて、加熱炉33の壁を貫通する伝導機構(コネクティングロッド等)を用いて、加熱炉33内の弁体を駆動してもよい。即ち、逆止弁27を加熱炉33内に設けて700℃以上の温度に維持するとは、少なくとも、弁箱を加熱炉33内に設けて700℃以上の温度に維持すればよい。
これに対して、もし、逆止弁27を加熱炉33(加熱装置)内に設けず、保温材等のみを逆止弁27の周囲に設ける場合には、仮に、逆止弁27を通気するCOGが700℃以上であっても、逆止弁27のCOGとの接触部において、固体(または液体)タール等の析出物が顕著となる、700℃未満の領域が発生することを防止することは困難である。なぜならば、このような構造の場合、逆止弁27の加熱源は、COGから伝熱される熱量のみであるからである。通常、バッチ式生産を行う、コークス炉の操業において発生する(即ち、抽気可能な)COGは、しばしば、少量化または停止する。このため、いかに保温を厳重に行ったとしても、逆止弁27にCOGから供給される時間当たり熱量がほとんど0になることが生じる。このとき、逆止弁27の弁箱は外部に放熱する一方であるので、弁箱全体の温度が低下し、通気部位にも700℃未満の領域を生じうる。弁内のCOG接触部に700℃未満の低温部位を生じた場合、仮にCOGの平均温度を大きく低下させないとしても、少なくともこの低温部位近傍のCOGは700℃未満に低下し、固体または液体タールを生じて低温部位に付着しうる。この結果、この低温部位で選択的に固体または液体タール付着物が成長して弁内流路を閉塞させる問題を生じる。一方、本実施形態でのように、弁箱を700℃以上に保持された加熱炉33内に設ける場合には、通気COG流量にかかわらず、常に弁内のCOG接触部全域を700℃以上に保つことができる。
集合管圧力計35及び炉内圧力計34としては、例えば、市販のマノメータやダイヤフラム型圧力計を用いることができる。マノメータを用いる場合には、炉内や管内のガスを直接作動流体に接触させるのではなく、間に不活性ガス等の断熱流体を介することによって、高温のウェットCOGであっても圧力を計測することができる。
逆止弁27として採用した仕切弁を、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4が弁の開放状態を示し、図5が弁の閉止状態を示す。
まず、図4に示すように、弁体2の開口2aが封止材5の表面5aよりも上方にある弁開放状態のとき、高温の作動ガスは、ガス流入管3から弁箱1内に流入し、流出口4から流出する。このときの弁体2の位置を、以下、弁体上昇位置と呼ぶ。なお、ガス流入管3が、前記抽気管26のコークス炉窯21a〜21c側に接続された部分であり、流出口4が、前記抽気管26の集合管28側に接続された部分である。
一方、図5に示すように、弁が閉止状態のとき、弁体2の開口2aを含む下端が上方より下方に向かって封止材5内に埋没した弁体2によって、弁箱1内は、ガス流入管3が有る側の空間19と、それ以外のガス流出管側の空間20とに隔てられる。その結果、ガス流入管3からガス流出管4への高温の作動ガスの流通が遮断される。このときの弁体2の位置を、以下、弁体下降位置と呼ぶ。微量の作動ガスは、封止材5の隙間を通じて流通し得るが、弁体2の封止材5への埋没深さが十分である場合には、通気抵抗の十分に大きい封止材5を用いれば、実質的なガス封止を実現できる。弁体2の封止材5への埋没深さは、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。これよりも浅い埋没量である場合には、封止材5による封止性能が不足し、一方、これ以上の深さの埋没量である場合には、実現できる封止能力に比べて装置が高価になり過ぎる。ガス流入管3の上端の開口3aに接触して弁体2が降下するときの下端位置を固定するストッパ18の位置を調整することによって、この弁体2の封止材5への埋没深さを所望の深さに設定することができる。
弁箱1は、高温の加熱炉33内に設置される。弁箱1の高さは、例えば、100mm以上4m以下とすることができる。封止材5の層厚は、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。ガス流入管3及びガス流出管4の弁箱1内での開口径は、例えば、10mm以上300mm以下とすることができる。
弁体昇降装置8を加熱炉33外に設置する場合には、昇降運動可能な市販のアクチュエータを使用することができる。例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、ラックアンドピニオン推進装置、ボールねじ推進装置、又は、リニアモータを用いることができる。耐熱性のアクチュエータを弁体昇降装置8に用いて、これを加熱炉33内に設置し、設備の小型化を図ってもよい。弁体2の昇降位置を調整する方法は、手動で行ってもよいし、別途、距離計又は荷重計、並びに、制御装置を設けて自動制御してもよい。弁体昇降装置8のストロークは、例えば、20mm以上2m以下とすることができる。
加熱炉33内に配置される装置は、炉温を900℃以下に限定する場合には、常温から900℃程度までの高温環境において、所要の強度、剛性、耐久性を有したものであればどのようなものでも使用することができる。例えば、変形する部品であるベローズ14には、耐熱ステンレス鋼、又は、インコネルやハステロイ等の耐熱ニッケル合金等の金属を、これ以外の部品に関しては、前記の材料に加えて、黒鉛、カーボンコンポジット、アルミナ、カルシア、マグネシア、炭化ケイ素、又は、窒化ケイ素等を用いることができる。尚、黒鉛等、耐酸化性の低い材料を用いる場合には、加熱炉33内を非酸化性雰囲気、例えば、窒素雰囲気に維持することで、これらの材質を適用することができる。また、加熱炉33内の炉温を、900℃を超える値に設定し得る場合には、構造材の材料として、耐熱セラミックス等の材料を用いることが好ましい。
封止材5には、常温から900℃〜1200℃程度の高温において、流動化に耐え得る強度を有し、かつ、作動ガスとの化学反応、自身の熱分解、焼結、相変態を生じない粒状の材料であれば、どのような材質のものでも用いることができる。
(1)すなわち、本実施形態のコークス炉ガス熱間処理設備(石炭乾留ガス熱間処理設備)は、複数のコークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21cから抽気したウェットCOG(コークス炉ガス、石炭乾留ガス)を700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することによって所望の物質またはエネルギを得る。そして、このコークス炉ガス熱間処理設備は、コークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21c毎に設けられた抽気管26と;これら抽気管26のそれぞれに設けられた逆止弁27と;各抽気管26が接続された集合管28と;この集合管28に接続されたCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29と;を備える。さらに、各抽気管26、各逆止弁27、集合管28、及びCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29が、加熱炉33内に形成される700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられている。そして、各コークス炉窯(石炭乾留装置)21a〜21c、各抽気管26、各逆止弁27、集合管28、そしてCOG処理装置(石炭乾留ガス処理装置)29の順で、ウェットCOG(石炭乾留ガス)が流される。
2 弁体
3 ガス流入管
4 ガス流出管
5 封止材
7 弁箱
8 弁体昇降装置
9 下流側主管路
14 ベローズ
16 炉壁
18 蓋
19 流入管側の空間
20 流出管側の空間
21 コークス炉窯
22 水封弁
23 スプレー装置
24 ドライメーン
25 上昇管
26 抽気管
27 逆止弁
28 集合管
29 COG処理装置
30 冷却装置
31 ブロワ
32 COG精製装置
33 加熱炉
34 コークス炉内圧力計
35 集合管圧力計
36 制御装置
37 遮断弁
38 熱風発生装置
39 熱風導管
Claims (4)
- 複数の石炭乾留装置から抽気した石炭乾留ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理することで、炭素含有固形物を乾留する設備であって、
前記石炭乾留装置毎に設けられた抽気管と;
これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;
前記各抽気管が接続された集合管と;
この集合管に接続された石炭乾留ガス処理装置と;
を備え、
前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記石炭乾留ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;
前記各石炭乾留装置、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記石炭乾留ガス処理装置の順で、前記石炭乾留ガスが流される;
ことを特徴とする石炭乾留ガス熱間処理設備。 - 複数のコークス炉窯から抽気したコークス炉ガスを700℃以上かつ1200℃以下の流入温度で熱間処理する設備であって、
前記コークス炉窯毎に設けられた抽気管と;
これら抽気管のそれぞれに設けられた逆止弁と;
前記各抽気管が接続された集合管と;
この集合管に接続されたコークス炉ガス処理装置と;
を備え、
前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、及び前記コークス炉ガス処理装置が、700℃以上かつ1200℃以下の加熱雰囲気内に設けられ;
前記各コークス炉窯、前記各抽気管、前記各逆止弁、前記集合管、そして前記コークス炉ガス処理装置の順で、前記コークス炉ガスが流される;
ことを特徴とするコークス炉ガス熱間処理設備。 - 前記各コークス炉窯から前記各逆止弁の入口までの間にそれぞれ設けられ、前記各コークス炉窯内における第1の圧力を測定する炉内圧力計と;
前記各逆止弁の出口から前記集合管までの間に設けられ、前記集合管内における第2の圧力を測定する集合管圧力計と;
前記第1の圧力及び前記第2の圧力の差圧を算出して前記各抽気管における逆流の発生を検知すると共に、前記各抽気管のうち、前記コークス炉ガスの逆流が発生している抽気管が有る場合に、この抽気管に設けられている前記逆止弁を閉じる逆止弁制御装置と;
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコークス炉ガス熱間処理設備。 - 前記各逆止弁のそれぞれが、
弁箱と;
この弁箱内の底部に設けられ、常温から900℃までの温度範囲で耐熱性を有する封止材と;
前記弁箱の内部でかつ前記封止材の表面よりも上方の内部空間で開口するように、前記弁箱及び前記封止材を貫通するとともに、前記各コークス炉窯からの前記コークス炉ガスが流れ込むガス流入管と;
前記内部空間で開口するとともに、前記内部空間から前記集合管を介して前記コークス炉ガス処理装置に向かって前記コークス炉ガスを排出するガス流出管と;
前記ガス流入管の開口を覆った状態で少なくともその開口部が前記封止材内に埋没する閉止位置と、前記封止材より前記開口部が取り出された開放位置との間で移動自在に配置された弁体と;
この弁体を、前記閉止位置と前記開放位置との間で移動させる弁体移動装置と;
を備えることを特徴とする請求項3に記載のコークス炉ガス熱間処理設備。
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