JP6351429B2 - 水素ガス製造装置および水素ガス製造方法 - Google Patents

水素ガス製造装置および水素ガス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、触媒を用いた流体の化学反応を行うための技術に関する。より詳しく言えば、本発明は、省エネルギ条件での水素ガスの製造を可能にする新しい水素ガス製造装置と方法に関する。
都市大気汚染対策や、地球温暖化対策として省CO2化を図る目的で、水素ガスを大量、安価、かつ、省エネルギの製造条件で製造する技術が求められている。例えば、高炉法を用いた製鉄において発生するCO2を削減するために、水素ガスを製造してこれを高炉シャフト部に供給することによって鉄鉱石を水素によって還元して銑鉄を製造し、還元材および燃料として高炉で併用されるコークス等の炭材の使用量(カーボンインプット:銑鉄1tを生産する際に投入されるカーボン量)を削減する技術が非特許文献1、2に開示されている。ここで、水素ガスを高炉羽口からではなく、シャフト部から供給する理由は、高炉羽口からは既に供給可能な限界量の微粉炭が通常、吹きこまれており、これに追加して水素ガスを羽口から供給した場合、空間体積的にも熱的にも効率的な高炉操業が困難であるので、残存酸素の少なく、かつ、熱的に余裕のある高炉シャフト部から水素を供給することが有利だからとされている。
高炉へのガスの供給に関連したこのほかの先行技術文献として、特許文献1〜5、非特許文献3を挙げることができる。
特許文献1には、タールおよびメタンを含むガスを触媒を用いて水蒸気改質して水素を製造する技術が開示されている。
特許文献2には、天然ガス等を部分酸化によって昇温した後、触媒を通過させて水蒸気改質を行う技術(オートサーマル)が開示されている。
特許文献3には、高炉シャフト部から、天然ガスまたは精製COG(精製コークス炉ガス)を部分酸化したガスを供給する技術が開示されている。
特許文献4には、コークス炉ガス、水蒸気および酸素を改質炉内に導入して無触媒で部分酸化および水蒸気改質反応させる技術が開示されている。
特許文献5には、コークス炉ガス、燃料ガスおよび酸素をミキシングエンリアに供給し、次いで反応室内に導入して改質反応(部分酸化反応)させることによってメタンに富むガスを製造する技術が開示されている。
非特許文献3には、石炭の水分低減手段として、DAPS(Dry−cleaned and Agglomerated Precompaction System)や、SCOPE21(Super Coke Oven for Productivity and Environmental enhancement toward the 21th century)の技術が記載されている。
特開2011−212552号公報 特開2003−306306号公報 特公昭37−8804号公報 特開2011−11959号公報 特開2001−220584号公報
CAMPS−ISIJ, vol.23(2010), pp.1025 CAMPS−ISIJ, vol.25(2012), pp.886 加藤健次: 日本エネルギー学会誌, vol.87(2008), pp.344−352
水素ガスを高炉シャフト部に供給することによって、高炉単体でのカーボンインプットは減少する。しかし、供給する水素ガスは、工業的に生産される必要があり、水素ガスを製造する際には一般にエネルギを消費する。この消費されるエネルギを化石燃料を用いて得る限り、水素製造に伴って必ずCO2が生成する(単位水素ガス製造量(mol)当たりの消費エネルギを、「水素製造時消費エネルギ」と呼ぶことにする)。従って、水素製造時消費エネルギは、十分に小さいものでなければならない。この観点からは、製鉄所で大量に発生し、かつ、H2含有濃度も高いコークス炉ガス(COG)を原料に、水素ガスを製造することは、有利である。
例えば、コークス炉ガス(COG)を原料とした高炉供給用の水素ガス製造を例にするならば、非特許文献2では、銑鉄1t製造当たり水素5.22kmolの水素ガスを模擬高炉に供給して、銑鉄1t製造当たり約10kg(即ち、0.83kmol)のカーボンインプットを減少させたと記載されている。従って、供給した5.22kmolの水素ガスを全て生産したとすると、水素ガス1molを製造する際に許容される水素製造時生成CO2量は、高々、0.16mol(=0.83/5.22)であり、これに相当する燃料消費(水素製造時消費エネルギ)でなければならない。例えば、水素製造時のエネルギ源を天然ガスの燃焼によるものとし(発熱量900kJ/mol)、総合熱効率50%の水素製造プロセスを仮定した場合、天然ガス燃焼によって生成するCO2量が上記の上限値0.16mol以下を満足するためには、水素製造時消費エネルギは、72kJ/mol製品ガス中H2(=1mol天然ガス燃焼/molCO2生成 × 900kJ/mol天然ガス燃焼 × 50% × 0.16molCO2生成/mol製品ガス中H2)以下でなければならない。
水素をもともと含有するガス、例えばコークス炉ガス(COG)をそのまま高炉シャフト部に供給すれば、水素製造に伴うCO2発生はない。しかし、COGには、高炉シャフト部での操業を阻害しうるメタンガス等の低沸点炭化水素(メタン・エタン・プロパン・エチレン等、常温常圧で気相で存在しうる炭化水素。以下、簡単のために単に「メタン」と呼ぶことにする)が多量に含有されており、そのまま高炉シャフト部に供給することはできないので、COGからメタンを除去する必要がある。COGからメタンを除去する方法には、膜分離、物理吸着、化学吸収を用いる方法等が考えられるが、いずれもメタン除去に要するエネルギが大きく(CO2が多量に発生)、かつ、これらの方法では水素を新たに製造するわけではないので、水素製造(精製)時消費エネルギは大きい(省エネルギではない)。このため、COGのメタンを分解することによって除去するとともに、この際、水素を発生させるメタン改質法によって水素ガスを製造することが適当である。
天然ガス、重油、COG等の炭化水素を改質して炭化水素の大半を分解する従来技術では、高炉シャフト部供給用のガス成分(高純度の水素(例えば、70vol%以上)、メタンをほとんど含まない(例えば、メタン濃度が5vol%以下))を満足する供給ガスを省エネルギ条件で製造ことはできなかった。
例えば、COG触媒改質による水素ガス製造(特許文献1等)の場合を説明すると、精製COG(コークス炉で生成した粗COGからタールや水分等の高沸点物質を除去したドライなガスであり、製鉄所内での燃料に用いられる)中のメタンを水蒸気改質する手法では、十分な反応速度を得るためには、一旦、常温まで冷却された精製COGを再加熱して少なくとも700℃以上に保持する必要があり、省エネルギな製造を行うことができない。特に、水蒸気改質に必要な水を精製COG並みの流量で外部から添加する必要があり、この添加水の加熱を行うために、さらに省エネルギ性が低下する。また、精製COG中に残留する100ppm程度のH2Sによって触媒が被毒されるため、メタンの完全な分解は困難である。
また、粗COGを高温下で直接、水蒸気改質する方法の場合には、粗COG中に水分が含まれているので必ずしも外部からの水の供給は必要ないため、省エネルギ条件での水素製造は可能である。しかし、粗COG中に含まれるタールが熱分解を生じてコーク(固体の炭化水素)を生じ、触媒間に堆積して通気を妨げる問題が存在する。また、粗COG中に含有される数千ppmのH2Sは、触媒を著しく被毒するので、メタンの分解速度は極めて緩慢である。
粗COGの水蒸気改質においてコークおよびメタン分解の問題を改善するためには、外部から粗COG相当の流量(例:S/C(H2O分子数/炭化水素中C原子数)=2相当)で水を供給する必要があり、水を蒸発・昇温させるためのエネルギが必要となるため、省エネルギ性は著しく低下する。また、この条件においてもメタンを完全に分解することはできない。
別の例として、精製COGの部分酸化による水素ガス製造(特許文献3等)の場合は、常温精製COG中のメタンを触媒なしに熱分解可能な温度(例:1200℃以上)まで昇温するための熱量を必要とする。通常、この昇温に要する熱量は、精製COG中に酸素を供給して燃焼させる燃焼熱によって賄うので、改質反応に必要な化学量論値以上の酸素供給が必要である。酸素供給の増大は、酸素製造に消費するエネルギの増大と部分酸化の結果生じる燃焼ガス中のCO2を増大するので、省エネルギ性は低い。また、水素ガス製造時の水素源は、主にメタン中の水素に依存するため、燃焼ガス中の水素濃度が一般に低いという問題も存在する(これに対して、水蒸気改質では、供給水中の水素も水素ガス供給源になる)。
また、粗COGの部分酸化による水素ガス製造(特許文献4等)の場合は、部分酸化プロセスでの反応速度は触媒改質に比べてかなり遅いので、反応容器は一般に大型なもの、例えば、ガスの反応器内での見かけ平均滞留時間([反応器容積]/[処理ガス流量(標準状態)])が例えば、60秒以上といった大容積を必要とする。このため、装置の小型化を目的として、工業的な部分酸化反応器は、通常、1.5MPa以上の高圧反応を前提として設計される(一定質量の原料ガスに対する体積が減るので)。しかし、常圧で操業されるコークス炉から粗COGを抽気して高温のまま部分酸化反応を行うプロセスの場合、このような高温(例:700℃以上)でCOGを昇圧可能な手段が存在しないため、常圧での部分酸化反応を行わざるをえない。このため、粗COGの部分酸化反応器は、精製COGの部分酸化反応器よりも1桁以上大きな容量を必要とし、極めて高価な設備になるという問題がある。
また、粗COG中には高分子量な芳香族有機物であるタールが多量に含有されており、酸素量の不足する部分酸化反応においては、多量の煤(例:数十g/Nm3)を発生して、下流の装置を閉塞させる等の問題も発生する。
さらに、天然ガスの部分酸化後に触媒改質を行う方法(オートサーマル)による水素ガス製造(特許文献2等)は、触媒改質に必要な原料ガスの昇温を原料ガスの部分酸化によって賄う方法である。触媒耐熱性の制約から通常、部分酸化は1000℃以下で行われるため、部分酸化後の天然ガスの水蒸気改質速度は極めて緩慢であり、部分酸化後ガス中の残留メタンは、その後の触媒との接触によって水蒸気改質される。部分酸化時の過昇温を防止するために、水蒸気を事前に原料ガスまたは酸素ガスに混合する場合もある。部分酸化によるメタンの改質に期待しないため、反応器は全体として、部分酸化単独のプロセスのものよりも大幅に縮小できる。
しかし、この方法の場合、改質は主に触媒によってなされるので、原料を天然ガスではなくCOGとした場合には、部分酸化ガス中残留メタン(COG中メタンに由来)を十分には触媒改質できないという問題が生じる(前述のようにCOG中H2Sに由来する残留H2Sによる触媒被毒の影響)。
本発明は、上記の実情に鑑み、高濃度の水素ガスを含有する有用なガスを省エネルギ条件で製造する新しい装置および方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者の研究の結果、以下の解決手段を発明するに至った。
(1)1)コークス炉と、
2)酸素ガスの供給手段を備え、それにより供給される酸素ガスを混和したコークス炉から抽気したコークス炉ガスを燃焼させて、部分酸化による改質を行うための部分酸化改質反応装置と、
3)部分酸化改質反応装置からのガスを冷却する水冷装置と、
4)水冷装置で冷却したガスを加熱し、触媒と接触させてさらに改質するための触媒改質反応装置と、
5)触媒改質反応装置からのガス中の凝縮ガスの少なくとも一部分を除去して製品水素ガスを製造するためのガス精製装置と、
6)上記1)〜5)をこの順に連結する通気管と、
を含むとともに、
7)その順の方向のガスの流れを生起するためのガス搬送装置、
を含んで構成されることを特徴とする、水素ガス製造装置。
(2)前記コークス炉が、前記コークス炉ガス中の水分を低減させるための手段を備えることを特徴とする、上記(1)に記載の水素ガス製造装置。
(3)前記触媒改質反応装置が、前記触媒間に堆積する夾雑物をオンラインで除去する夾雑物分離手段を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の水素ガス製造装置。
(4)前記夾雑物分離手段が、前記触媒改質反応装置の内壁に接する前記触媒層を保持する保持器と、前記保持器を昇降させることにより前記触媒層を昇降させるための駆動機構とから構成されることを特徴とする、上記(3)に記載の水素ガス製造装置。
(5)前記部分酸化改質反応装置の直後に前記水冷装置が直結されていることを特徴とする、上記(1)から(4)のいずれかに記載の水素ガス製造装置。
(6)前記ガス搬送装置が前記ガス精製装置の下流に設置されていることを特徴とする、上記(1)から(5)のいずれかに記載の水素ガス製造装置。
(7)(a)石炭を原料にコークス炉で製造したコークス炉ガスに酸素ガスを混和し、1200℃以上の温度でコークス炉ガスを部分酸化することにより、1200〜1500℃の温度の部分酸化ガスを製造する工程、
(b)製造した部分酸化ガスに水を添加して、700〜900℃まで冷却するとともに、ガス中の水蒸気濃度を増大させて、1次改質ガスを製造する工程、
(c)1次改質ガスを、650〜900℃の温度で改質触媒と接触させてさらに改質して、2次改質ガスを製造する工程、
(d)2次改質ガスを精製して、2次改質ガス中の凝縮性ガスの少なくとも一部分を除去する工程、
を含むことを特徴とする、水素ガス製造方法。
(8)含有水分量を4質量%未満に調整した石炭を、前記コークス炉のための原料として使用することを特徴とする、上記(7)に記載の水素ガス製造方法。
(9)前記部分酸化ガスの冷却に使用する水を、水蒸気、ミスト、またはそれらの混合物として供給することを特徴とする、上記(7)または(8)に記載の水素ガス製造方法。
本発明の利点として、次のものを挙げることができる。
(1)高温COGの顕熱を利用して部分散化を行うため,部分酸化のための予熱の必要がなく、常圧での改質反応であって昇圧に要する電力も必要ないので、省エネルギ条件で水素ガスを製造できる(最低限必要なのは酸素製造時の電力のみ)。
(2)下流に水冷装置を備えているため、部分酸化改質反応装置でのガス温度を、オートサーマルでのように1000℃以下に下げる必要はなく、メタンの無触媒での水蒸気改質が可能な1200℃以上の温度に設定することができる。この結果、メタンの水蒸気改質反応速度が向上して、粗COGに由来するメタンの大半を分解できる。
(3)同時に、部分酸化時の1200℃以上、かつ、高濃度水蒸気(主にCOG中の水素や炭化水素の部分酸化時の生成物)雰囲気下では、粗COGに由来する触媒毒物質であるH2Sが分解して無毒な硫化物(SO2等)となるため、部分酸化ガス中のH2S濃度を大幅に低減できる。
(4)粗COG中水素ガス及び炭化水素の部分酸化に由来して存在する水蒸気の効果、1200℃以上まで昇温した部分酸化ガスへの水の混和に由来して存在する水蒸気の効果、並びに、1200℃以上での部分酸化によるH2S濃度の低減効果によって、700℃以上の高温、かつ、高い水蒸気濃度(例:S/C=2)、かつ、少ない触媒被毒成分のガスを、外部からのエネルギ供給なく製造して触媒改質反応装置に供給できるので、触媒反応時のメタン改質反応速度を向上でき、触媒改質反応にともなうコークの生成も抑制できる。
(5)本発明での部分酸化改質反応装置出口でのタール濃度は依然高く、引用文献4でのようにこれを部分酸化単独で改質しようとすれば、前述のように、部分酸化改質反応装置は、原料ガス量1m3/h当たり0.5m3といった膨大な容積を必要とする。これは、広く工業化されている、天然ガスやナフサ等の水素ガスをほとんど含まない原料ガス用の部分酸化改質反応装置とは大きく異なる点である。即ち、例えばメタンの部分酸化改質では、まず、次のメタン燃焼反応が卓越して生じてメタンの大半を分解することができる。
CH4 + 1.5O2 → CO + 2H2O (1)
この後、比較的低温でも反応の進行する、次の水性シフト反応によって水素ガスを製造することができる(但し、高圧かつ高濃度水蒸気雰囲気下)。
CO + H2O → CO2 + H2 (2)
このため、短時間の反応(=小型の反応装置)または低温の反応でも相応の水素製造を行うことができ、例えば、オートサーマルのような小型の反応装置内でも部分酸化の際に水素ガスを生成できる。もし、部分酸化ガスを高温で長時間保持することができれば、次の水蒸気改質反応によって残留メタンから水素を製造できるので、比較的少ないO2ガス供給で(例:O2/C=0.5)多量の水素を製造することができる。
CH4 + H2O → CO + 3H2 (3)
一方、粗COGを原料とする場合は反応の様相が異なる。即ち、粗COGは約50%の水素を含有しており、これを原料として部分酸化反応を行う場合には、まず、次の水素ガスの消費される反応が卓越する。
2 + 0.5O2 → H2O (4)
多量のO2を供給すれば、粗COG中のメタンを燃焼させることも可能ではあるものの、省エネルギ性の観点から好ましくない。ここで、粗COGの部分酸化は常圧で行われるため、水性シフト反応をほとんど生じない。従って、粗COGから水素を製造するためには(さらに、部分酸化で消費された水素ガスの補償も必要)、部分酸化ガス中のメタンを水蒸気改質して分解するほかなく、部分酸化ガスを水蒸気改質可能な高温に長時間保持する必要がある。部分酸化ガスを1200℃以上まで昇温すれば、初期には高速にメタンの水蒸気改質が進行するものの、水蒸気改質反応は強い吸熱反応であるため、1200℃程度まで急速にガス温度が低下し、これ以降は、緩慢にしか水蒸気改質反応は進行しない(1050〜1100℃まで温度低下すると反応はほぼ停止する。特許文献4でのように、部分酸化単独の場合、通常、1100℃程度まで反応装置内で反応を継続させる)。このため、粗COGの部分酸化によるメタン分解には、特別に大型の反応容器が必要になり、ガスを高温化するために供給O2所要量もメタン原料の場合に比べて多い(例:O2/C=0.8)という不利な点が存在する。
また、粗COGに含まれるタール濃度を部分酸化単独で改質しようとすれば、改質時間が長時間化するため、タール由来の煤が多量に発生し、配管の閉塞等をまねく。
それに対し、本発明では、比較的少ないO2供給条件(例:O2/C=0.5)での粗COG部分酸化において、部分酸化ガス温度が1200℃まで低下した後、直ちに水冷(部分酸化ガスと水の混合)することによって、メタンの大半を分解するとともに、残留メタンおよび残留タールの触媒改質をより容易にする条件のガス(H2Sが低濃度(数百ppmレベル)、水蒸気が高濃度(S/C=2レベル))を生成し、触媒改質によって残留メタンおよび残留タールを分解したうえで、部分酸化単独よりも多量の水素ガスを製造することができる。同時に部分酸化改質反応装置を小型化できる。なお、上述のO2供給条件の“O2/C”とは、ガス中に含まれる炭素に対する、供給する酸素のモル比を表し、上述の触媒改質条件のガスの“S/C”とは、ガス中に含まれる炭素に対する、改質反応前に存在する水蒸気のモル比を表す。
(6)粗COG中には元々20%以上の水蒸気が含有されているが、粗COG中の水分を低減する手段をコークス炉に付随させることによって、より少ないO2供給量で高温の部分酸化ガスを発生させることができ、CO2発生量を削減できる。
(7)粗COGの部分酸化時にはタールに由来する煤の発生が避けられない。ここで発生した煤は微小であるため、サイクロン等の高温に適用可能な集塵機では除去することは困難であり、下流の設備、例えば、触媒層に付着堆積して触媒層を閉塞させる問題を生じる。この問題に対して、本発明では、部分酸化時の高温時間の短縮によって煤の発生量を低減すること、並びに、触媒層に堆積した煤をオンラインで除去する手段を用いることで、煤による触媒層閉塞の問題を回避できる。
まとめると、従来技術による粗COGの触媒改質単独では、メタンの分解が不十分であり、また、粗COGの部分酸化単独では水素製造量および改質ガス中の水素濃度が過小であり、さらに、部分酸化と触媒改質の単純な組み合わせであるオートサーマルでは、部分酸化温度が過小なために粗COG中のメタン改質を行えない。本発明では、粗COG中の水分低減、高温部分酸化によるメタン改質およびH2S濃度低減、部分酸化改質後の早期の強制冷却、触媒層内夾雑物(煤、コーク等)のオンライン除去等の技術を考案することによって、粗COGの部分酸化と触媒改質の単純な組み合わせでは到達できない高い改質性能を省エネルギ条件で発揮することができた。
本発明によって、例えば製鉄所の高炉などで利用できる、高濃度の水素ガスを含有する有用なガスを省エネルギ条件で製造することが可能になる。
本発明の水素ガス製造装置の典型的な実施形態を示す模式図である。 本発明で用いる部分酸化改質反応装置を説明する模式図である。 水冷装置を直結した部分酸化改質反応装置を説明する模式図である。 部分酸化改質反応装置近傍でのガス温度の時間推移を示すグラフである。 本発明で用いる触媒改質反応装置を説明する模式図である。 夾雑物分離機構を備えた触媒改質反応装置を説明する模式図である。 夾雑物分離機構を備えた触媒改質反応装置の別の実施形態を説明する模式図である。 夾雑物分離機構を備えた触媒改質反応装置のさらに別の実施形態を説明する模式図である。 夾雑物分離機構を備えた触媒改質反応装置のもう一つの実施形態を説明する模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示した本発明の水素ガス製造装置の典型的な実施形態を参照して、その基本的な全体構成の一例を説明する。
(全体構成)
本発明の水素ガス製造装置は、コークス炉1、部分酸化改質反応装置2、ガス水冷装置3、触媒改質反応装置4、ガス精製装置5、ガス搬送装置6が上流からこの順に連結されることによって構成される。これらの装置は、通気管などの手段を用いて連結することができる。部分酸化改質反応装置2には、酸素ガスを供給する酸素供給管7が接続している。図1には、ガス搬送装置6からのガス搬送先として、ガスホルダ8が示されている。それ以外に、ガス搬送装置6からのガス(製品ガス)は、それを消費する設備に供給することも可能である。一例を挙げれば、高炉に対して製品ガスを予熱・昇圧操作を行った上で直接供給してもよい。
(コークス炉)
コークス炉1としては、製鉄業等で用いられる一般的なコークス炉を適用することができる。あるいは、より小型のシステムであれば、キルン等の加熱炉に石炭を連続的に供給して加熱し、COGを連続的に発生させてもよい。
コークス炉1には、必要に応じて、発生するコークス炉ガス(COG)の水分低減手段1Aが付帯する。例えば、石炭の水分を低減するためのDAPSやSCOPE21等を水分低減手段1Aとして使用し、脱水された石炭はベルトコンベヤ等の石炭搬送手段1Bによってコークス炉1まで輸送することができる。
(石炭)
COGを発生させるための石炭には、高炉法による鉄鋼精錬に適したコークスの原料となる石炭である、水分濃度6質量%以上、かつ、15%以下の瀝青炭を用いることができる。あるいは、COGの発生量や品質を重視して、亜瀝青炭や褐炭を用いてもよい。これらの石炭は、採掘、取引、輸送、保管等の際の火災や飛散を防止するために、一般に、コークス炉に供給される直前まで、所定の水分濃度以上を維持するように保持される。このような所定水分濃度下限値は、上記6質量%とすべきである。また、石炭中の過剰な水分濃度は、作業性や作業コストの点で問題があるので、製鉄用の瀝青炭に関しては、概ね上記15質量%以下とすべきである。
(コークス炉ガス(COG))
コークス炉での石炭乾留時に発生するコークス炉ガス(「粗COG」とも呼ばれる)には、メタン・エタン等の脂肪族有機物ガス、ベンゼン・トルエン等の芳香族炭化水素軽質油ガス、芳香族重質炭化水素を主体とするタールガス等が含有されている。また、使用する石炭に付着または含有された水分がコークス炉内で蒸発することにより、コークス炉ガス中には一般に水蒸気が含まれる。
コークス炉ガスは、部分酸化のために後述の部分酸化改質反応装置へ供給される。場合によっては、コークス炉ガスの一部を部分酸化改質反応装置をバイパスしてガス水冷装置(後述)や触媒改質反応装置(後述)に供給することもできる。
(COGの水分低減手段)
COGの水分低減手段1Aとしては、従来技術であるDAPSやSCOPE21炉を用いて、コークス炉に供給される石炭を事前に乾燥させておくことができる。乾燥した石炭を乾留すれば、発生する粗COG中の水分を減少させることができる。あるいは、より小型のシステムの場合には、数カ月以上といった長期間、石炭を石炭庫で保管し、その間に水分を自然に蒸発させてもよい。
また、石炭の水分を減少させることなく、コークス炉で発生した高濃度の水蒸気を含む粗COGを抽気して、高温用ゼオライト等の吸着剤を通過させることによって粗COG中の水分を低減させてもよい。
粗COGの部分酸化改質反応装置2での水素生成反応において、水分低減手段を用いて石炭の水分(全水分)濃度を4質量%未満とすることが好ましい。その理由は、第1に、省エネルギのため、より少ない供給O2によって所要の部分改質ガス温度(例えば1200℃)に到達させることができるからである。即ち、粗COG中で無視できない割合を占める水蒸気を削減することによって、粗COG中の炭化水素当たりの熱容量を低減できるので、より少ない供給O2でよい。第2の理由として、水蒸気濃度を低くすることで部分酸化改質時のシフト反応を抑制してCO2発生量を低減できるからである。
このように、石炭中の水分を低減するほど、O2供給量を低減できるので、工業的に可能な範囲で石炭水分量をできるだけ低減することが好ましい。例えば、DAPSを用いれば、1質量%弱まで、石炭の水分量を低減することが可能である。また、ラボレベルの乾燥装置であれば、石炭の水分量をほぼ0にすることもできる。これらから、本発明においては、水分(全水分)含有量を4質量%未満、例えば0質量%超4質量%未満、あるいは1質量%以上4質量%未満、あるいは2質量%以上4質量%未満、あるいは1質量%以上3質量%以下、あるいは1質量%以上2質量%以下、に調整した石炭、特に瀝青炭、を使用するのが好ましい。但し、石炭の水分量を低減するためには、一般により多くのエネルギを消費する。特に、石炭の固有水分(瀝青炭の場合、約2%)未満の水分濃度を得ようとする場合には、石炭を105℃以上に加熱しなければならないので、石炭乾燥工程でエネルギ消費が増加し易い。従って、石炭乾燥工程でのエネルギ消費と、水素製造工程でのエネルギ消費とを合計した得失を考慮して、石炭の目標水分レベルは決定されるべきである。
(部分酸化改質反応装置)
部分酸化改質反応装置2は、コークス炉1からの粗COGに酸素ガスを混合して、粗COGを1200℃を大幅に超える温度(例:1500℃)に昇温することによって反応速度を高め、粗COG中のメタン等の炭化水素を化学平衡に基づいて触媒を用いることなく分解して水素ガスやCOガスを生成する装置である。部分酸化改質反応装置2としては、これらの要件を満たす限り、どのようなものを用いてもよい。
本発明において用いることができる部分酸化改質反応装置の1つの実施形態を、図2を参照して説明する。
部分酸化改質反応装置2の本体は、内面をアルミナ成形体やケイ石煉瓦等の耐火物で覆われた、鋼製の耐圧容器であり、一端に接続した通気管68から粗COGを導入して、部分酸化改質反応により生じた部分酸化ガスを他端から通気管69を通して排気する。改質反応装置2内の酸素供給口近傍の空間が燃焼領域65となり、そこで発生した燃焼ガスにより、粗COGの部分酸化改質反応に必要な熱が供給される。
部分酸化改質反応装置2には酸素供給管7が接続しており、これを通じて酸素ガスが部分酸化改質反応装置2の入口近傍に供給される。
酸素ガスは、純酸素の形で供給することが2次改質ガス品質上好ましいが、空気や、酸素富化させた空気等の酸素含有ガスも、酸素ガスとして供給することができる。
酸素ガスの供給流量(mol流量)は、粗COG中炭化水素(メタン・タール等)に含まれるカーボン原子のmol流量の合計値の0.4〜0.7倍程度(即ち、O2/C=0.4〜0.7)であることが、部分酸化ガス品質上好ましい。
粗COGが自身の発火温度以下で供給される場合には、部分酸化改質反応装置2内、または、部分酸化改質反応装置2の上流に燃焼器等の着火手段(図示せず)を設ける必要がある。
酸素ガスの部分酸化改質反応装置2への供給箇所は、複数設けてもよい。例えば、装置の周方向に均等間隔で4〜8箇所の供給口を設けることができる。このようにすることで、酸素ガスと粗COGの混合・反応をより均一化することができる。
部分酸化改質反応装置2内での燃焼による昇温後のガス温度は、1200℃以上であることが好ましく、ガスの最高温度は、1250〜1800℃の範囲にすることがより好ましい。1200℃未満のガス温度では化学反応速度が過小なため、この範囲の温度で改質を進めようとすると装置寸法が巨大になる問題を生じる。最高温度が1250℃以上になると、ガスの反応装置内平均滞留時間を十分に確保でき、装置寸法の増大を抑制できる。ガスの最高温度が1800℃を超えると、ガスに接触する反応装置内壁温度が高すぎて炉材寿命を著しく短縮する問題がある。
反応器としての部分酸化改質反応装置2の容積は、ガスの見掛け平均滞留時間([反応容器容積]/([処理COG流量(標準状態)]+[COGに予め添加される外部からの水蒸気流量(常圧、100℃乾き蒸気換算)]+[外部からの供給酸素流量(標準状態]))が5秒以上60秒未満が好ましい。この範囲未満では、処理ガスの改質反応装置滞留時間が過少であってメタンの改質反応が十分に進まない問題を生じる。またこの範囲を超えると、改質反応装置滞留時間が過大であって、過剰な設備費を必要とする問題を生じる。
部分酸化改質反応装置2内に温度計64を設けて、装置内でのガスの温度を測定し、この測定値に基づいて、装置内ガスの温度管理を行うことができる。温度計には、セラミック等の耐熱材料で被覆保護されたR型またはB型熱電対等を用いることができる。
(ガス水冷装置)
部分酸化改質反応装置2から流出した部分酸化ガスは、通気管経由で水冷装置3に流入し、外部から供給された水蒸気や水のミストによって冷却されるとともに、ガス中の水蒸気濃度を増大させる。1200℃以上の部分酸化ガスに接するので通気管の内面は、セラミックス等の耐熱材料を用いるべきである。また、部分酸化改質反応装置2から水冷装置3への通気管を省略して、部分酸化改質反応装置の直後に水冷装置を直結してもよい。このような形式の水冷装置の例を図3に示す。
図3において、水冷装置71は、外壁72と多数のノズル(貫通孔)74を備えた隔壁73とから主に構成され、外壁72と隔壁73との間の空間がヘッダ75であり、隔壁73に囲まれた空間がチャンバ76である。ヘッダ75には水蒸気供給管77が接続し、この水蒸気供給管を通って、水蒸気やミストがヘッダ75内に供給される。ヘッダ75内の水蒸気やミストは、隔壁73のノズル74を通過してチャンバ76内に供給される。部分酸化ガスは、チャンバ76の中心軸に沿ってチャンバ内に流入し、チャンバ内面から噴出した、より低温の水蒸気やミストと混合して部分酸化冷却されるとともに水蒸気濃度を増大し、1次改質ガスとしてチャンバ76から通気管78を通って流出する。ここでのチャンバの「中心軸」とは、チャンバ76の水平断面の図心を鉛直方向に連ねたものと定義する。
チャンバ76の出口における1次改質ガスの温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。この温度範囲は、後続する触媒改質反応装置4におけるガス温度の好適な条件だからである。水蒸気供給管77から供給する水蒸気は、100℃以上600℃以下が好ましく、より好ましくは、100℃以上200℃以下のものを用いることができる。100℃近傍温度の水蒸気を供給する場合には、微小な水滴であるミストと水蒸気が共存できる。ミストは、予め噴霧器等(図示せず)によって常温の水から製造して供給水蒸気に混入させてもよいし、水蒸気を湿り蒸気状態にして、自然に凝縮した水滴を用いてもよい。ミストは、部分酸化ガスと混合する際に蒸発潜熱を部分酸化ガスから奪うので、効率的に部分酸化ガスを冷却することができる。また、常温の水を噴霧してミストを供給する場合には、予め水蒸気を製造する熱量がミストの分だけ不要になるので、省エネルギ性を高めることができる。1次改質ガス中のS/Cを1以上4以下とするように水蒸気やミストの供給量を設定することが好ましく、より好ましくは、2以上3以下のS/Cとすることができる。このS/C範囲は、後続の触媒改質反応装置4での好適な条件だからである。尚、ミストを含まない水蒸気のみをチャンバ76内に供給してもよい。また、ミストを輸送するガスは、水蒸気に限らない。例えば、別途、常温の窒素ガス供給源を準備し、ミストをこの窒素ガスに混合して水蒸気供給管77経由でチャンバ内に供給してもよい。
隔壁73の材質にはセラミックスを用いてもよい。しかし、高温の部分酸化ガスが接近するともにより低温の水蒸気やミストが接触するので、隔壁73は時間的・空間的温度変動を受けやすい。このため、隔壁73の材料には熱疲労耐性のより高い、金属材料を用いることが好ましい。ここで、約1200℃の部分酸化ガスに隔壁73が直接に接触すると、隔壁73の寿命が極端に低下する問題を生じるの。図3の実施形態では、隔壁73の内面全体から水蒸気やミストを噴射してチャンバ76内の隔壁近傍に低温ガス層を形成し、部分酸化ガスの隔壁73への直接接触を抑制している。隔壁73の材料には、耐熱ニッケル合金等を用いることができる。
従来技術においても例えば、特許文献4にみられるように部分酸化改質反応装置内の下流側でガス冷却を行うものがある。この技術と本発明との違いについて説明する。
図4に、部分酸化改質反応装置への粗COGの供給温度を800℃とした場合について、部分酸化改質反応装置周辺でのガス温度の時間推移(装置及びその近傍のガスの進路方向における位置に対応)を示す。この図において、破線のグラフで示す特許文献4の技術(従来法)の場合は、部分酸化単独で改質を行うため、部分酸化改質反応装置での改質反応は改質反応の終了する温度(1100℃未満)まで継続される。この後、改質ガスは改質反応装置内で冷却される。このため、長時間の装置内滞留時間を必要とし、すなわち大きな装置容積を必要とする。特に、煤の発生を抑制するために、一般に粗COGに水蒸気を予め添加したうえで部分酸化改質がなされるため、ガス全体の熱容量が増大してガスの昇温速度および最高到達温度は低めとなり、装置内平均滞留時間を一層延長することになる。
一方、実線のグラフで示す本発明の場合は、粗COGに予め水蒸気を加えることはなく、むしろ粗COG中の水分低減手段によって水蒸気濃度を低下させた粗COGを原料に用いるため、ガスの熱容量は小さく、部分酸化時の昇温は速やかに、かつ、より高温まで到達する。このため、粗COG中のメタンの大半も速やかに分解し、熱容量が小さいこともあってガス温度は、1200℃まで速やかに低下する。この時点で粗COG中にはかなりのタール等の炭化水素が残留しており、改質反応は依然進行する温度ではあるものの、この顕熱を従来法でのように残りの残留炭化水素の分解に使うのではなく、水冷装置での強制冷却により、ガス中の水蒸気濃度を増大させて、省エネルギ条件で水蒸気濃度の高い、1次改質ガスを製造する点が本発明の特徴である。部分酸化改質反応装置において1200℃で大半のメタンガスの改質を終了すれば、装置の容積を従来法の1/5から1/3程度に縮小することができ、設備費を大幅に削減することができる。また、粗COG中に多量に含まれ、触媒毒物質であるH2Sは、高温で分解することが知られているが、本発明ではこのような高温まで部分酸化ガスの温度を上昇させるため、1次改質ガス中のH2S量を粗COG中のものの数十分の1から数分の1程度まで低減することができる。このように、本発明では、後続の触媒改質反応にとって好適な高水蒸気濃度、かつ、低H2S濃度のガスを1次改質ガスとして触媒改質反応の原料に適用するので、粗COGを元々の原料としたものとしては異例に高い触媒活性を実現できる。部分酸化改質反応の終了温度は、1200〜1500℃の範囲が好適である。1200℃より低い場合は、反応速度が過小なために装置の大型化する問題を生じ、1500℃より高い場合は、メタン分解が不十分で残留メタンが過大になるからである。部分酸化改質反応のより好ましい終了温度は、1200〜1350℃である。
次に、本発明における触媒改質反応装置4について、図5に例示した態様を参照して具体的に説明する。
(触媒改質反応装置)
触媒改質反応装置4は、部分酸化改質反応装置2から水冷装置3を経由して連続的に供給される1次改質ガス中の炭化水素(主にタールガスおよびメタン)を水蒸気改質して、水素の富化された触媒改質ガスとして下流に排出するための反応装置である。装置内温度を触媒改質反応に好適な温度に保持し、かつ、触媒反応熱を供給するために、触媒改質反応装置4は、装置外部から(あるいは、装置内に発熱体等を設け装置内から)熱供給を行うための熱供給手段32によって、熱供給を受ける。高温で供給される1次改質ガスの顕熱も、触媒改質反応装置4で必要とされる熱の少なくとも一部分の供給のために、利用することができる。熱供給手段32には、一般的な電気ヒータ加熱や直火加熱を用いることができる。触媒改質反応装置4は、堆積したコーク等がその場で燃焼しないように、酸化源となる酸素・空気・水蒸気等の流入を極力避ける構造とする。タールおよびメタンの水蒸気改質反応に好適な反応温度は、改質触媒を用いる場合には、概ね650〜900℃の範囲である。この温度範囲以下で1次改質ガスを触媒改質反応装置に通気させると、タールの凝縮が生じ、この凝縮液が触媒粒子間の空間を塞ぐ問題を生じる一方で、この温度範囲以上では、触媒が改質機能を消失するからである。また、触媒改質反応装置内の圧力は、少なくともコークス炉内圧よりも低くなければならず、例えば、コークス炉内圧は通常、10Pa(ゲージ圧)超であるので、触媒改質反応装置内圧力を10Pa(ゲージ圧)以下として、COGの通気を維持することができる。触媒改質反応装置内圧力の下限は特に存在しないが、触媒改質反応装置の耐圧性、触媒改質反応装置内のガス密度、必要な真空装置能力等の観点から、−20000Pa(ゲージ圧)以上とすることができる。
触媒改質反応装置4の中には、保持器12によって保持された触媒層13から構成される触媒保持機構30が設けられる。触媒層13は、改質反応の好適に進行する温度に加熱、保温されるとともに、部分酸化改質後の水冷装置3からの1次改質ガスが常に通気するので、COGの改質反応の促進領域(反応領域)である。
触媒改質反応装置4の内壁11は、上下両端近傍に開口16、17を有し、これらの開口間に触媒保持機構30を収納できるものであればどのような形状でもよい。開口16は、触媒改質反応装置4への1次改質ガス14の流入口であり、水冷装置3(図1)からの通気管33に接続する。開口17は、触媒改質反応装置4からの改質ガス(2次改質ガス)15の流出口であり、ガス精製装置5(図1)に連結する通気管34に接続する。触媒改質反応装置4内に導入された1次改質ガスは、触媒層13を矢印18の方向に下方から上方へ流れて水素生成反応を受け、改質ガス(2次改質ガス)として流出する。触媒改質反応装置4の内壁11は、例えば、円筒状、角型ダクト状などの形状であることができる。以下では、角型ダクト状の触媒改質反応装置の内壁11を例に説明する。
「触媒改質反応装置厚」は、水平断面における触媒改質反応装置内壁11の代表長さのうちの最小の長さに相当し、「触媒改質反応装置幅」は、水平平面における触媒改質反応装置内壁11の代表長さのうちの最大の長さに相当する。触媒改質反応装置内壁11が円筒の場合には、触媒改質反応装置内壁11の「幅」および「厚」を「直径」と置き換えればよい。「触媒改質反応装置高さ」は、触媒改質反応装置内壁11に囲まれた空間の代表高さのうちの最大の高さに相当する。
触媒改質反応装置内壁11の材質は、触媒のような粒状体を保持する強度、触媒反応に関与する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料(煉瓦に加工されたものを含む)、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料を使用することができる。
触媒改質反応装置厚は、内蔵する触媒保持機構30の代表厚(例えば、触媒層の厚み)よりも大きくなければならず、また、炭化水素の水素生成反応で一般的に生じる吸熱反応熱を外部からの伝熱で供給可能なように十分薄くなければならない。これらの観点から、触媒改質反応装置厚は、10mm以上、かつ、500mm以下とすることができ、より好ましくは、50mm以上、かつ、200mm以下とすることができる。触媒改質反応装置幅には、機能上、特段の制約はない。保持すべき触媒層の体積、触媒改質反応装置厚を基に、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
触媒改質反応装置高さは、触媒保持機構30の高さよりも大きくなければならない。一方、触媒改質反応装置内壁高さの上限については、機能上の制約はなく、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
(触媒保持機構)
触媒保持機構30は、触媒改質反応装置内壁11で構成される反応領域(ガス流路)内に設けられ、1次改質ガスと接触するように触媒を保持する機構である。
触媒保持機構30は、図5に示すように、積層された複数の触媒(粒状体)で構成される触媒層13を触媒改質反応装置4の流路内に設ける機構であることができる。触媒層13を、流入口16や流出口17をうずめることなく触媒改質反応装置4の流路内の低位置に保持するために、その下端に個々の触媒の落下を防止するとともに通気性を備えた保持器12を設ける。
触媒層13を支持する保持器12には、網、パンチングメタル、複数の棒を用いて棒の間に空間を生じるように水平方向に各棒を互いに平行に並べて棒の両端を固定したもの等を用いることができる。保持器12の材質は、耐熱・耐腐食性・強度を備えた金属材料が好ましい。そのような金属材料の例として、ステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)やインコネル(登録商標)等のNi合金、チタン、チタン合金等を挙げることができる。
触媒層の通気方向の厚みは、通気性の確保と触媒保持の観点から、10〜3000mmの範囲とすることができる。
(触媒)
触媒改質反応装置4の触媒には、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl24、CeO2の結晶相からなる触媒を用いることができる。
本発明の触媒改質反応装置4で好適に使用できる触媒の具体的な例としては、例えば、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む酸化物であって、少なくとも1種の複合酸化物を含み、単独化合物としてアルミナを含まないタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(国際公開第2010/134326号パンフレット)。この複合酸化物の好適な例は、NiMgO、MgAl24、CeO2の結晶相からなり、さらには、各結晶相の内、X線回折測定により求めたNiMgO結晶相の(200)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、MgAl24結晶相の(311)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、CeO2結晶相の(111)面の結晶子の大きさが1nm〜50nmである。この触媒は、炭素質原料を熱分解した際に発生する多量の硫化水素を含み、炭素析出を起こし易い縮合多環芳香族主体のタール含有ガスであっても、随伴するタール等の重質炭化水素を高効率に改質して、水素、一酸化炭素、メタンを主体とする軽質炭化水素に変換すること、また、触媒性能が劣化した際、水蒸気又は空気の少なくともいずれかを高温下で触媒に接触させることにより、触媒上の析出炭素や吸着硫黄を除去して触媒性能を回復させ長期間安定した運転が可能になるという特徴を有する。なお、CeO2を含まない以外の条件を上記の触媒と同様にして製造した、より安価な触媒(Ni−MgO系触媒)でも上記の触媒に近い性能を得ることができる。
触媒および触媒の担体には、熱分解反応条件における耐熱性、耐食性、耐ガス汚染性、並びに、触媒層を保持可能な強度を有するものであれば、どのような材質のものでも使用できる。例えば、シリカガラス、アルミナのようなセラミックス粒子や、銅やニッケルの粒体を使用することができる。また、個々の担体の寸法は、ガスの通気性を阻害しないように極端に小径のものは好ましくなく、かつ、触媒を担持可能なように極端に粗大なものも好ましくない。代表寸法(例えば、直径)が0.1〜50mmのものを使用することができる。
(夾雑物分離手段)
本発明で用いる触媒改質反応装置4は、触媒層13に堆積した装置内温度に相当する温度の夾雑物の一部または全部を触媒改質反応装置4内の少なくとも反応領域から分離・除去して回収するための夾雑物分離手段を有することができる。ここでの「夾雑物」とは、触媒改質反応装置4の触媒層13内に流入した煤や、触媒層13で生成した固体カーボン(コーク)の堆積物を指す。触媒改質反応装置4に供給される1次改質ガスにはタールが含まれており、それは触媒改質反応装置4における1次改質ガスの改質反応の際に一部が熱分解される。尚、炭化水素Cnmの熱分解反応は、次の式で表わされ、コークCnm'(m≫m')と水素ガスを生じる。
nm → Cnm' + (m−m’)/2H2
タールの主成分である芳香族炭化水素が熱分解されると、水素を放出した残りの炭化水素が二次元的芳香族多環組織からなる巨大分子として容易に成長して、直径が数μm〜数mmの固体カーボン粒(コーク)を形成する。生成した固体カーボンを炭化炉内に一定時間保持することによって、固体カーボン中に残留していた水素も徐々に水素ガスとして離脱するので、熱分解は、一層促進される。
本発明では、このような夾雑物分離手段を用いることによって夾雑物を分離・回収できるので、多量の煤が流入する場合でも、下流側の設備に悪影響を与えることはない。このため、省エネルギ操業に有利ではあるものの煤の発生が制約となって従来技術では採用できなかったような、低O2/C、かつ、低S/Cの条件(例えば、O2/C<0.6、かつ、S/C<0.8)での改質反応を実施できる。
例えば、図6に示す、触媒改質反応装置4の内壁11に接する触媒層13を保持する保持器12と、保持器12を昇降させることにより触媒層13を昇降させるための保持器駆動機構20と、分離した夾雑物25を貯留するための非反応部35とを含む夾雑物分離機構31を用いることができる。
触媒改質反応装置4の中には、保持器12によって保持された触媒層13から構成される触媒保持機構30が設けられる。また、触媒改質反応装置4の下部には、保持器12を昇降させるための保持器駆動機構20と、保持機構30から落下した夾雑物25を貯留するための非反応部35とを含む、夾雑物分離機構31が設けられる。触媒層13は、供給される1次改質ガス14のさらなる改質反応が好適に進行する温度に加熱、保温されるとともに、1次改質ガスが常に通気するので、1次改質ガスのさらなる改質反応の促進領域(反応領域)である。一方、落下した夾雑物を貯留する領域は、温度を反応温度域よりも低く維持するとともに、通気を淀ませて1次改質ガスを供給しない、あるいは触媒から遠ざける等の手段によって、水素生成反応や酸化反応を進ませないための非反応部35である。
雑物分離手段31は、保持器12、保持器駆動機構20、並びに非反応部35から構成され、図6に示した実施形態では、保持器12を保持器駆動機構20により昇降させることによって保持器12上の触媒層13を触媒改質反応装置内壁11内で昇降させる。触媒層13が昇降する際には、触媒間に相対運動を生じて、触媒間に堆積していた夾雑物が触媒層から落下して除去され、非反応部35に貯留される。非反応部35は、触媒改質反応装置4内の下部に配置してもよく、または図6に示したように触媒改質反応装置4の下方に配置してもよい。いずれの場合も、非反応部35は、上述のように、触媒改質反応装置4内の反応領域から区分されるとともに、供給される1次改質ガス14の流れとの接触の抑制された空間である。保持器駆動機構20には、駆動装置21が装備され、伝導軸22を経由して保持器12に接続し、駆動装置21の昇降動作によって、保持器12および触媒層13の全体が昇降する。駆動装置21には、エアシリンダ、ラックピニオン等の歯車を利用した機構などの、一般的な駆動装置を用いることができる。
少なくとも、伝導軸22の保持器12側の一部は、触媒改質反応装置4の中の反応領域内に設置する必要がある。一方、駆動装置21は、触媒改質反応装置4の外部に設けることができる。この場合、市販の昇降装置を使える一方で、伝導軸22が触媒改質反応装置4を貫通する部分を高温用パッキン等で封止する必要がある。
保持器12の上昇時に、保持器12の一部が触媒層13に食い込んで夾雑物が自由落下しなくなる場合があるので、夾雑物の自由落下を促進するために保持器12は上昇時だけでなく下降時も駆動することが好ましい。
触媒間の相対運動を十分行うため、また、装置の大型化を回避する観点から、保持器12の昇降ストロークを、触媒外面の代表寸法(例:直径)の0.1倍以上、かつ、10倍以下とすることができ、さらに好ましくは、1倍以上、かつ、5倍以下とすることができる。
保持器12とともに触媒層13を上昇させるのに要する所要上昇力は、上昇速度が小さいほど小さいので、低速が好ましい。本発明者らの調査の結果、10mm/sで保持器12とともに触媒層13を上昇させるときの所要上昇力は、1mm/sで上昇させる場合の2倍が必要であることがわかった。また、大きな上昇速度では、触媒が破壊しやすくなる。但し、1mm/sで上昇させる場合と0.5mm/sで上昇させる場合の所要上昇力の差は小さいので、1mm/sよりも遅くする必要は必ずしもない。また、10mm/sの上昇速度であっても、触媒が破壊しないのであれば、適用してよい。
保持器12の下降速度は大きいことが好ましい。特に、最下端での触媒の自由落下速度よりも大きい速度(例:100mm/s)で保持器12を下降すれば、触媒は保持器12から離脱して触媒間の拘束が小さくなり、触媒間の相対運動を大きくとれるので好ましい。但し、触媒の自由落下速度よりも極端に大きな速度で保持器12を下降させても得られる効果に差はない。
触媒層13の上昇時に、触媒層13では上方ほど触媒間に働く反力が等方化し、触媒層13を押し上げるための上下方向の力と同程度の力がこれ以外の方向にも生じ、この力に比例した摩擦力が触媒間で生じる。この摩擦力の下向き成分が触媒層押し上げの抵抗力として働く。例えば、触媒層13のアスペクト比(触媒層高さ/触媒改質反応装置厚比)が2を超えると、押し上げ荷重が急激に上昇して、最下段で触媒を破壊しうることを本発明者らは見出した。従って、触媒層の高さは低いほどよく、触媒層のアスペクト比(触媒層高さ/触媒改質反応装置厚比)が2以下であることが好ましい。一方、昇降によって触媒間の相対運動を生じるために触媒層13に最低限必要な高さが存在するので、触媒層高さは、平均的に触媒の3層分以上の長さであることが好ましい。
触媒層13から分離されて非反応部35に貯留された夾雑物25は、オフラインで個別に回収することができる。回収された夾雑物は、焼却することなく工業原料等に利用することによって、CO化やCO2化することを回避でき、水素製造時に発生するCO及びCO2の生成量を従来法に比べて大幅に削減できる。
夾雑物分離手段は、上記の方式に限るものではなく、触媒層中に堆積する夾雑物を触媒改質反応装置の運転中に除去できるものであればどのような形式のものでも適用することができる。
例えば、図7に示す流動層方式の触媒層13’を夾雑物分離手段に適用することができる。触媒改質反応装置4内で保持器12によって保持された触媒層13’に1次改質ガス流入口16から導入された1次改質ガス14を上向きに通気する。1次改質ガス14は、触媒層13’を通過する際に熱分解して2次改質ガス15と夾雑物を生成する。この際、触媒層13’の流動化流速を超えるようにガス流れ18の流速を設定すると、触媒層13’は流動化して流動層を形成する。ガス流れ18の流速が過大でないように設定すれば、触媒は、下流に飛散することなく、触媒改質反応装置内で安定して流動層を形成できる。この流動層の中では夾雑物は比較的自由に移動する。一般に、触媒よりも密度の小さく、かつ、小径である、夾雑物の粒は、より下流に移動しやすく、ついには流動層から離脱して夾雑物流れ47を形成し、改質ガス流出口17を通じて触媒改質反応装置4から流出する。非反応領域である、触媒改質反応装置4より下流領域に除塵装置46を設けることによって、夾雑物25を回収することができ、夾雑物を触媒層からオンラインで分離・回収することができる。除塵装置46を通過した2次改質ガス15は、ガス精製装置5(図1)に供給される。
触媒を流動化させるためには、触媒の直径に適切な範囲が存在する。例えば、50〜300μmに設定すればよい。夾雑物のうち、触媒改質反応装置4内で生成するコークの直径は、少なくとも生成初期には50μmであって触媒直径よりも小さいので、触媒を飛散させず、かつ、コークを飛散させることのできるガス流れ18の流速範囲が存在する。この流速範囲は、装置の設計条件として適宜決めればよく、例えば0.1〜1m/sとすることができる。
保持器12には、触媒直径よりも小さな孔径を有する多孔質材料を用いることができる。例えば、微小なアルミナ粉の焼結体を用いることができる。
除塵装置46には、例えば、バグフィルタ、スクラバ、あるいは、電気集塵装置等を用いることができる。
流動層方式の触媒層を利用するもう一つの夾雑物分離手段の例を、図8に示す。運転開始前(触媒層の流動化前)の触媒改質反応装置4内には、図6と同様の構成の触媒層13、触媒回収器55、並びに、触媒還流路56が配置され、加熱・保温される。触媒改質反応装置4内の触媒層13に1次改質ガス14を供給し、触媒層13における所定値以上のガス流れ18の流速に設定すると、触媒層13は流動層化して、触媒が流動化するだけではなく、一部の触媒は下流に飛散して触媒流れ48を生じる。併せて、流動層内で生成した夾雑物の一部も下流へ飛散して、夾雑物流れ47を形成する。触媒流れ48および夾雑物流れ47は、ガス流れ18とともに触媒回収器55に流入する。触媒回収器55は、下流での流路断面積が大きく、ここでの流速が触媒を上昇させるほどには大きくないため、触媒は触媒回収器55を通過することはできず、下方に落下する。一方、比較的粒径の小さく、かつ、密度も小さい、夾雑物粒子は、ここでの低い流速のガス流れであっても上昇することができ、触媒改質反応装置4から下流へ流出できる。触媒改質反応装置4から流出した夾雑物は、非反応領域において除塵器46で捕集され、夾雑物25を触媒層からオンラインで分離・回収することができる。除塵器46は、例えば、図7を参照して先に説明したタイプのものでよい。
触媒回収器55から落下した触媒は、触媒還流路56内に堆積するともに、重力によって触媒還流路56内を落下して、流動化した触媒層13に戻る。即ち、触媒は、触媒改質反応装置内を循環して流れる。
触媒を飛散させる、かつ、触媒改質反応装置内で循環させるためのガス流れ18の流速範囲は、装置の設計条件として適宜決めればよく、例えば、2〜10m/sとすることができる。
あるいは、図9に示す機構を夾雑物分離手段に適用することができる。触媒改質反応装置4には頂部に触媒供給口50が、底部に触媒排出口51が設けられており、触媒供給口50から供給された触媒は、触媒改質反応装置4内で側方を通気性を有する保持器12によって保持され、触媒層13を形成する。触媒改質反応装置4内は、触媒層13によって、入側空間57および出側空間58に隔てられ、入側空間57には1次改質ガス14が流入し、触媒層13をガス流れ18として通過する際に熱分解されて出側空間58に流入し、2次改質ガス15として触媒改質反応装置4から流出する。
操業中に触媒層13中に夾雑物が堆積するので、触媒改質反応装置4内に所定時間滞留した触媒を堆積した夾雑物とともに、それぞれ触媒流れ48および夾雑物流れ47として、触媒排出口51を通じて触媒改質反応装置4の外へ排出する。触媒の排出タイミングや排出速度の制御は、触媒排出手段52を用いて行う。触媒の排出は、断続的であってよく、また、連続的に行ってもよい。改質操業中には、排出された触媒の量と等しい量の触媒を触媒供給口から速やかに補填する。
触媒改質反応装置4から排出された触媒および夾雑物の混合物から夾雑物のみを分離して回収する。その手段としては、例えば、触媒と夾雑物の混合物を篩53を用いて篩分けして小径の夾雑物25を回収することができる。このように回収された夾雑物25は、当然のことながら、非反応部35に存在する。夾雑物25を分離後に篩53上に残った触媒54は、篩上から適宜取り除かれる。
このような手法に用いられる触媒には特段の制約はない。粒径として、例えば1mm〜30mmのものを使用できる。ガス流れの流速の制約も少ない。例えば、0.01〜10m/sとすることができる。
触媒改質反応装置4への触媒の供給には、例えば、ベルトコンベアやスクリューフィーダ等の市販の装置(図示せず)を用いることができる。
触媒の排出手段52としては、ロータリーバルブやスクリューフィーダ等の市販の装置を用いることができる。触媒排出手段52には、触媒が必要以上に落下することを防止することを防ぐはたらきもある。従って、図9の触媒改質反応装置4においては、保持器12および触媒排出手段52によって囲まれた領域が触媒保持機構30である。
(ガス精製装置)
ガス精製装置5は、触媒改質反応装置4から排出された2次改質ガス中の、少なくとも、タール・軽油・ベンゼン等の高沸点炭化水素や水分等の凝縮性ガスを除去してドライな製品ガスとする装置である。凝縮性ガスの除去は、スクラバ等によるガスの水冷装置や、蒸留塔を用いて行うことができる。必要に応じて、脱硫処理や脱アンモニア処理を追加してもよい。
(ガス搬送装置)
ガス搬送装置6は、本発明の水素ガス製造装置の配管系全体のガス流れを生起するため、ガスを吸引するための装置である。吸引を行う場所は、ガス搬送装置6の耐熱性・耐食性を満足する場所であればどこでもよいが、装置の信頼性・汎用性の観点から、高沸点炭化水素や凝縮性ガスを除去するための冷却操作(水冷等)を伴う装置をガスが通過した下流側に設置されることが好ましい。図1に示した実施形態では、ガス搬送装置6は、触媒改質反応装置4からの2次改質ガスを処理するガス精製装置5の下流に設置している。
(製品水素ガスの搬送先)
本発明の水素製造装置で製造した製品水素ガスの搬送先は、特に限定されるものではない。例えば、一時的な貯留のために、図1に示したようにガスホルダ8に搬送して、そこから必要に応じ製品水素ガスのユーザーに供給することができる。あるいは、製品ガスを、それを消費する設備に直接供給することも可能である。例えば、高炉に対して製品ガスを予熱・昇圧操作を行った上で直接供給してもよい。
(製品水素ガスの用途)
本発明により得られる製品水素ガスの用途は、先に言及した高炉の還元用ガスにとどまらない。例えば、それを、燃焼時にCO2や浮遊粒子状物質発生量の少ない都市型燃料として各種燃焼器の燃料に使用してもよい。また、本発明の製造装置に引き続いて製品ガス中のCO、CO2等の不純物を除去する工程を設けることによって、純水素ガスを安価・省エネルギ条件で製造することもできる。
(水素ガス製造方法)
本発明はまた、先に説明したように粗COGの部分酸化と水冷による1次改質と、それにより得られた1次改質ガスの触媒改質による2次改質によって、水素ガスを製造する方法にも関するものであり、この水素ガス製造方法の要旨は、次のとおりである。
すなわち、本発明の水素ガス製造方法は、
(a)石炭を原料にコークス炉で製造したコークス炉ガスに酸素ガスを混和し、1200℃以上の温度でコークス炉ガスを部分酸化することにより、1200〜1500℃の温度の部分改質ガスを製造する工程、
(b)製造した部分酸化ガスに水や水蒸気を添加して、700〜900℃まで冷却するとともに、ガス中の水蒸気濃度を増大させて、1次改質ガスを製造する工程、
(c)1次改質ガスを、650〜900℃の温度で改質触媒と接触させてさらに改質して、2次改質ガスを製造する工程、
(d)2次改質ガスを精製して、2次改質ガス中の凝縮性ガスの少なくとも一部分を除去する工程、
を含むことを特徴とする。
コークス炉のための原料の石炭としては、その含有水分量を4質量%未満に調整したものを使用するのが好ましい。
部分酸化ガスの冷却に使用する水は、水蒸気、ミスト、またはそれらの混合物であることができる。
以下の実施例により本発明をさらに説明する。とは言え、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
部分酸化改質反応装置(図2のものに相当)を有する系列1の水素ガス製造装置と、触媒改質反応装置(図6のものに相当)を有する別の系列2の水素ガス製造装置との組み合わせにより、本発明の水素ガス製造装置を擬製した。具体的には、系列1の装置でコークス炉からの粗COGを部分酸化し水冷して1次改質ガスを製造する一方で、その1次改質ガスに近い成分・温度の模擬ガスとして、乾留末期のコークス炉から抽気したコークス炉ガスを、系列2の装置で触媒改質して2次改質ガスを製造する構成を擬製した。
系列1の装置では、DAPSにより水分を4%に低減させた石炭をコークス炉に挿入した。こうして減水処理した石炭をベルトコンベアでコークス炉上の貯炭槽に搬送後、市販の装入車を用いて貯炭槽からコークス炉内へ搬送した。コークス炉のコークス上昇管に設けた分岐管から、表1に示す組成の約800℃の粗COGを吸引して抽気した(90Nm3/h)。抽気した粗COGを、その温度低下抑制のため周囲を保温した通気管により部分酸化改質反応装置に供給した。
Figure 0006351429
部分酸化改質反応装置には、粗COGの部分酸化のために25Nm3/hの酸素ガスを供給した。部分酸化改質反応装置におけるガスの見掛け平均滞留時間は15秒であった。部分酸化改質反応装置から排出するガスを、部分酸化改質反応装置の後段に直結した水冷装置で、約100Nm3/hの水蒸気を供給して約800℃まで冷却した。この結果、約90Nm3/h(dry)の1次改質ガスが製造され、粗COG中CH4の約1/3が1次改質ガス中に残留していた。ガス組成の分析は、反応装置の入側・出側の各通気管に分岐を設けて抽気したガスを市販のガスクロマトグラフィ装置に供給するオンライン成分分析により行った。
系列2の装置では、系列1の装置の1次改質ガスに近い成分・温度を得るため、乾留末期のコークス炉から抽気したコークス炉ガス(ガス中のH2:約60%、CH4:約20%、いずれもドライ条件)に、S/C=2となるように加熱水蒸気を添加して約800℃としたものを、1次改質模擬ガスとして使用した。このS/C=2の条件は、触媒改質反応装置における好適な条件の一例であり、触媒改質反応装置へ供給するガス(1次改質ガス)において、事前にガス中の酸素量を調整しておいた上で、そのガスに水蒸気を添加することにより調整した。
使用した触媒改質反応装置は、通気断面(水平面)が120mm×900mm、通気方向高さが1200mmであった。反応装置内の底部すのこ状の保持器上に、触媒(直径15mmのNi−MgO系触媒)を600mmの高さまで充填して、触媒層を形成した。保持器は夾雑物分離手段の保持器駆動機構に連結し、定期的に昇降させて、反応により生じた夾雑物を除去した。保持器駆動機構は、伝導軸が触媒改質反応装置壁を貫通するタイプであり、伝導軸の装置外末端にエアシリンダを装着してこれを30mmのストロークで往復動させた。
外部加熱によって800℃の温度を維持した触媒改質反応装置に30Nm3/hの1次改質模擬ガスを導入し、1次改質模擬ガス中のCH4の35%、C24の70%、C26の70%、タールの70%を分解して、2.4Nm3/hの水素を製造できた。ガス組成の分析は、反応装置の入側・出側の各通気管に分岐を設けて抽気したガスを市販のガスクロマトグラフィ装置に供給するオンライン成分分析により行った。
反応装置で製造したガスをその後段のスクラバで精製してガス中のタールと水分の大半を除去した。スクラバ通過後のガス温度は約50℃であった。
本発明の水素ガス製造装置を擬製する系列1と2の装置の組み合わせの総合改質性能を、系列間での処理流量差の影響を補正(系列1からの流量が系列2への流量と一致するようにする)して求めた。処理ガスへの供給水蒸気は、主に水冷装置で発生させるものとした。得られた結果は次のとおりであった。
CH4の分解率:80%以上
タール分解率:90%
水素増幅率([製品ガス中のH2流量]/[粗COG中のH2流量]):2.4
エネルギ消費:35kJ/mol製品ガス中H2
本発明により、省エネルギで高炉供給に適した製品ガスを製造できたことが分かる。
〔比較例1〕
実施例1の系列2の装置において、コークス炉からの粗COGに外部から水蒸気を添加したものを原料ガス(1次改質ガス相当)として実施例1と同様の触媒改質反応による改質を行った。水蒸気は、原料ガスの流量30Nm3/h、S/C=2となるように、原料ガスに添加した。得られた結果は次のとおりであった。
CH4の分解率:35%
タールの分解率:70%
水素増幅率:1.8
エネルギ消費:90kJ/mol製品ガス中H2
ここで製造したガスでは、CH4の分解率が低く、H2濃度も十分でないので、高炉供給に適した製品ガス組成ではない。また、エネルギ消費量も本発明(実施例1)に比べて遥かに大きい。
〔比較例2〕
実施例1の系列1の装置において、水冷装置(DAPS)を省略し、水分低減操作を施していない粗COGを原料に部分酸化を行った。原料の粗COGには外部から水蒸気を添加して、O2/C=0.65、S/C=1.2となるようにした(本比較例の方法では煤の発生を抑制する必要があるため、このレベルの量での外部からの水蒸気添加が必須である)。処理流量を各種変更して見掛け平均滞留時間の条件差を与えた。
結果として、CH4を80%以上分解するためには、80秒以上の見掛け平均滞留時間が必要であった。即ち、本発明(実施例1)での部分酸化改質反応装置の数倍の容量の設備が必要である。また、エネルギ消費は51kJ/mol製品ガス中H2と、本発明よりも大きい値であった。
以上の結果から、代表的な従来法(比較例1、2)では省エネルギ条件で効率的に水素ガスを製造することは困難であり、本発明の優位性は明らかである。
1 コークス炉
1A 水分低減手段
1B 石炭搬送手段
2 部分酸化改質反応装置
3 ガス水冷装置
4 触媒改質反応装置
5 ガス精製装置
6 ガス搬送手段
7 酸素ガス供給管
8 ガスホルダ
11 触媒改質反応装置内壁
12 保持器
13、13’ 触媒層
14 1次改質ガス
15 2次改質ガス
16、17 触媒改質反応装置の開口
18 ガス流れ
20 保持器駆動機構
21 駆動装置
22 伝導軸
25 夾雑物
30 触媒保持機構
31 夾雑物分離手段
32 熱供給手段
33、34 通気管
35 非反応部
46 除塵装置
47 夾雑物流れ
48 触媒流れ
50 触媒供給口
51 触媒排出口
52 触媒排出手段
53 篩
54 触媒
55 触媒回収器
56 触媒還流路
57 入側空間
58 出側空間
64 温度計
65 燃焼領域
68、69 通気管
71 水冷装置
72 外壁
73 隔壁
74 ノズル
75 ヘッダ
76 チャンバ
77 水蒸気供給管
78 通気管

Claims (9)

  1. 1)コークス炉と、
    2)酸素ガスの供給手段を備え、それにより供給される酸素ガスを混和したコークス炉から抽気したコークス炉ガスを燃焼させて、部分酸化による改質を行うための部分酸化改質反応装置と、
    3)部分酸化改質反応装置からのガスを冷却する水冷装置と、
    4)水冷装置で冷却したガスを加熱し、触媒と接触させてさらに改質するための触媒改質反応装置と、
    5)触媒改質反応装置からのガス中の凝縮ガスの少なくとも一部分を除去して製品水素ガスを製造するためのガス精製装置と、
    6)上記1)〜5)をこの順に連結する通気管と、
    を含むとともに、
    7)その順の方向のガスの流れを生起するためのガス搬送装置、
    を含んで構成されることを特徴とする、水素ガス製造装置。
  2. 前記コークス炉が、前記コークス炉ガス中の水分を低減させるための手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の水素ガス製造装置。
  3. 前記触媒改質反応装置が、前記触媒間に堆積する夾雑物をオンラインで除去する夾雑物分離手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水素ガス製造装置。
  4. 前記夾雑物分離手段が、前記触媒改質反応装置の内壁に接する前記触媒層を保持する保持器と、前記保持器を昇降させることにより前記触媒層を昇降させるための駆動機構とから構成されることを特徴とする、請求項3に記載の水素ガス製造装置。
  5. 前記部分酸化改質反応装置の直後に前記水冷装置が直結されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の水素ガス製造装置。
  6. 前記ガス搬送装置が前記ガス精製装置の下流に設置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の水素ガス製造装置。
  7. (a)石炭を原料にコークス炉で製造したコークス炉ガスに酸素ガスを混和し、1200℃以上の温度でコークス炉ガスを部分酸化することにより、1200〜1500℃の温度の部分酸化ガスを製造する工程、
    (b)製造した部分酸化ガスに水を添加して、700〜900℃まで冷却するとともに、ガス中の水蒸気濃度を増大させて、1次改質ガスを製造する工程、
    (c)1次改質ガスを、650〜900℃の温度で改質触媒と接触させてさらに改質して、2次改質ガスを製造する工程、
    (d)2次改質ガスを精製して、2次改質ガス中の凝縮性ガスの少なくとも一部分を除去する工程、
    を含むことを特徴とする、水素ガス製造方法。
  8. 含有水分量を4質量%未満に調整した石炭を、前記コークス炉のための原料として使用することを特徴とする、請求項7に記載の水素ガス製造方法。
  9. 前記部分酸化ガスの冷却に使用する水を、水蒸気、ミスト、またはそれらの混合物として供給することを特徴とする、請求項7又は8に記載の水素ガス製造方法。
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