JP5114669B2 - コークス炉におけるコークス押出し時の炉壁荷重の評価方法 - Google Patents

コークス炉におけるコークス押出し時の炉壁荷重の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば水平室炉式コークス炉のコークス押出し時において、特に、炉壁に凹凸がある場合の炉壁荷重を評価する方法に関するものである。
近年のコークス炉操業では、炭化室内への石炭の装入密度が上昇しており、コークスを押し出す際に炉壁にかかる荷重が上昇する傾向にあり、また、建設されて30年以上が経過して炉体の老朽化が進展しているコークス炉も増えており、このため、コークス炉の炭化室における炉壁補修の必要性が高まっていると同時に、炉壁煉瓦の破孔や炉壁損壊等のトラブルが発生する恐れも高くなっている。
コークスを炭化室から押し出す際には、押し出し機ラムによる押出し力の一部が側圧として炉壁面にかかる(例えば、非特許文献1参照)。この押し出し側圧は、コークスの押し出しに必要な力が大きいほど高くなり、時として炉壁煉瓦の破孔や損壊等のトラブルを発生させる原因となる。
従来、コークスケーキを押出す際に炉壁に作用する荷重を評価する方法に関し、例えば、特許文献1、2には、水平室炉式コークス炉において、コークスを押出し機により炭化室から押出す際に、炭化室の少なくとも一方側の炉壁全体にかかる荷重または圧力、および、炭化室炉壁の局部にかかる荷重または圧力を、離散要素法(粒子要素法)を用いた計算により推算することが提案されている。
さらに、このような計算による方法とは別に、押出し負荷の評価装置を用い、試験用のコークスケーキを押出す時の炉壁にかかる荷重分布を実際に測定して評価することも特許文献3により提案されている。
特許文献1〜3に提案されている評価方法では、炉壁表面が平滑であることを前提としたものであり、炉壁に押出し時の抵抗となる凹凸がある場合に、その凹凸が押出し力や炉壁荷重に与える影響については特段に考慮されていない。
一方、近年ではコークス炉の老朽化が進展し、図9に示すように、コークス炉の炭化室30では、その炉壁33にカーボンが付着して凸部34が形成されたり、炉壁が損傷してえぐれ(凹部)35が形成されたりしている場合も多く、炉壁表面の凹凸の度合いが増加している。
コークスケーキ31がこの凹凸部を通過する際、凸部の押出し機ラム32側の斜面36や凹部のガイド車側の斜面37から反力を受け、この反力に相当する荷重が炉壁33に作用する。
このため、炉壁煉瓦の破孔や炉壁損壊等のトラブルを防止するためには、炉壁に形成された凹凸部の影響を考慮した炉壁荷重の検討が必要となっている。
また、コークス炉の老朽化に伴い、炭化室の炉壁の状況などを把握するために、炭化室内の高さ方向および炉長方向の全域について炉壁のプロファイルを測定して、炉壁に形成された凹凸の位置と形状を調査することも、例えば、特許文献4などで提案されている。
そこで、そのような炉壁のプロファイル情報に基づいて、コークスを押出す際の炉壁凹凸部にかかる荷重をあらかじめ評価することができれば、計算した荷重から、炉壁の耐圧限界を超えないようにコークス炉の操業条件や装入石炭の性状を管理したり、炉壁修復の必要性などを判断したりすることができるようになる。
特開2003−277759号公報 特開2000−144139号公報 特開平10−332501号公報 特開2005−249698号公報 「Ironmaking Conference Proceedings」 AIME、1998年、1155−1159頁
以上のような状況に鑑み、本発明は、コークス炉の炭化室炉壁に形成された凹凸の形状や存在位置の違いが炉壁荷重に与える影響を評価できるようにして、実際の炭化室において、炉壁の形状を測定して得られた炉壁プロファイル情報から炉壁にかかる荷重を推定することができるようにすることを課題とする。
本発明では、予めコークス押出し試験によって、炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置に対する局部的な炉壁荷重の関係を求めておき、炉壁プロファイル測定で得られた炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置についての情報から、予め求めておいた前記炉壁荷重との関係を用いてコークス押出し時の炉壁凹凸部に局部的に作用する荷重を推定するようにして上記課題を解決した。
そのような本発明の要旨は、次のとおりである。
(1) 炉壁に相当する一方の側壁に凹凸が形成された押出し試験装置を用いたコークス押出し試験であって、コークスに作用する押出し力に対する反力およびコークスに載置する荷重を変化させることにより、炉壁凹凸の存在する位置を変化させるようにしたコークス押出し試験によって、炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置に対する炉壁荷重の関係を予め求めておき、コークス炉の炭化室における炉壁プロファイルを測定し、炉壁プロファイルの測定で得られた炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置から、予め求めておいた前記関係に基づき、コークス押出し時の炉壁凹凸部に作用する荷重を推定することを特徴とするコークス炉における炉壁荷重の評価方法。
(2) 炉壁凹凸の形状として凹凸部の斜面の傾斜角を用いることを特徴とする(1)に記載の炉壁荷重の評価方法。
本発明によれば、炉壁のプロファイル情報から得られた炉壁の凹凸状態を考慮して、コークス押出し時における炉壁に作用する局所荷重の推定が可能となり、炉壁の耐圧限界を超えないようにコークス炉の操業条件や装入石炭の性状を管理することが可能となる。また、炉壁破孔に至る恐れのある部位を精度良く推定することができ、炉壁補修の優先順位を的確に定めることが可能となり、補修効率の向上を図ることができる。さらには、炉壁に対する負荷が低下することにより、コークス炉本体の寿命延長という相乗効果が得られる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
コークス押出し時には、前述のように押し出し機ラムによる押出し力の一部が側圧として炉壁面にかかる。その際の荷重は、炉壁の表面に前述のような凹凸がある場合、凹凸の状態によって異なっており、凹凸の状態を考慮して凹凸部に作用する力とそれに伴って発生する炉壁荷重を評価することが必要である。
本発明者は、炉壁に形成された凹凸の状態を評価する際、凹凸によって形成される斜面の形状とその凹凸が存在する位置に着目した。
そして、図1に示すように、炉壁に相当する一方の側壁に凸部に相当する突起が形成された押出し試験装置を用いて、コークスケーキが任意の位置に設けられた突起を通過する際の側壁に作用する最大荷重について検討した。
図1において、試験用のコークスケーキ2(長さ:約600mm、幅:約400mm、高さ:約380mm)が左右の側壁に挟まれた狭小部を通過しようとするとき、次のような力が作用している。
まず、コークスケーキ2には、押出し側から押出し機ラムによる押力Fpが作用している。
また、コークス炉の炭化室は、押出し機ラム側(PS)からコークガイド車側(CS)の炉長方向に炉幅が広がっている。このため、炭化室からコークスを押出す際には、炉長方向において押出し機ラム側からコークガイド車側に行くにしたがって、コークスケーキ内を伝達する押出し力が減衰し、これに伴って炉壁にかかる側圧が減少する。この炉長方向の押出し力の減衰を前述の試験用のコークスケーキ2に対して擬似的に再現するため、コークスケーキの押出し側と反対の受け側から、実際のコークス炉の炭化室炉壁の炉長方向における凹凸の存在位置に応じた反力(CS反力)Frを作用させる。
さらに、実際のコークス炉では、コークスケーキの高さ方向に自荷重による荷重分布があるので、炭化室の炉高方向の凹凸の存在位置に応じた荷重が発生するように、コークスケーキ上部に錘を積載し、下向きの力Wcを上方から作用させる。
図1において、コークスケーキを押出し側から受け側に移動させる際にコークスケーキに作用する力は、底面との間に摩擦力fs、両側壁との摩擦力fw1、fw2、さらに、突起の部分では、突起の水平面23(図6参照)との摩擦力fw4、及び突起の斜面22からの反力Ftである。
すなわち、図1に示すように、凹凸の狭小部を通過するコークスケーキに作用する力のうち、側壁に平行な方向の力は、ラム押力Fp、CS反力Frの他に、摩擦力fs、fw1、fw2、fw4及び突起斜面からの反力Ftの側壁に平行な方向の成分fw3である。
これらの力の釣り合いから次の(1)式が得られる。
Fp=Fr+fw1,2+fw3+fw4+fs ・・・(1)
ここで、
fw1,2 =fw1 +fw2
である。
側壁との摩擦力fw1,2は、左右の側壁にかかる荷重(炉壁荷重)をFw1、Fw2とし、コークスと側壁の摩擦係数をγ1としたとき、次の(2)式で表される。
fw1,2=γ1(Fw1 +Fw2) ・・・(2)
また、炉底との摩擦力fsは、コークスと炉底の摩擦係数をγ2とし、底面への荷重(上部の錘による荷重とコークス重量の合計)をWsとしたとき、次の(3)式で表される。
fs =gγ2Ws ・・・(3)
なお、gは重力加速度である。
一方、コークスケーキが突起斜面から受ける反力Ftは、図1(c)で示すように、反力Ftの垂直成分Fw2'とfw3の合力であるから、FtとFw2'が成す角度βは突起斜面の傾斜角αと等しくなる。
従って、突起斜面の傾斜角αは下記の(4)式で求めることができる。
α=β=tan -1 (fw3/Fw2') ・・・(4)
側面に斜面角度αを有する突起をコークスケーキが通過する時のFp、Fr、Fw1、Fw2、Ws、及びfw4を、コークス押出し試験を行うことによって求めることができれば、(1)〜(3)式からfw3を知ることができ、突起の斜面角度αとfw3の値から(4)式を用いて突起反力の垂直成分Fw2'を求めることができる。
この突起による反力の垂直成分Fw2'は、炉壁荷重Fw2と等しいといえるので、結局、炉壁荷重Fw2は突起斜面の傾斜角αによって整理することができる。
炉壁荷重Fw2と突起斜面の傾斜角αとの対応を確認するために、後述する試験装置によるコークスケーキの押出し試験によって、コークスケーキの先端が突起上面に乗り上げた位置とコークスケーキが突起上面に乗り上げた位置(ストローク最大時)においてFp、Fr、Fw1、Fw2、Ws、fw4の値を求め、それらの値から(1)〜(3)式を用いてfw3を求め、さらに(4)式を用いて斜面の傾斜角αの値を求めた。
このように測定値から計算で求めた傾斜角と、押出し試験に用いた突起の実際の斜面の傾斜角との関係を調べた結果、図2に示すように両者は良好に一致していた。
なお、図2の試験においては、図6に示す形状の突起を用い、水平面の厚みhが30mm、傾斜面22の長さdが182.5mm、水平面の長さwが220mm、底面からの高さが400mmとした。
このため、様々な斜面角度αを有する突起を用い、CS反力Frと上部錘を変化させて、突起が様々の位置にあるときの炉壁荷重Fw2を予め試験装置によって求めておけば、突起の斜面角度αや位置とFw2との対応関係を求めることができる。
その際、突起の水平面の長さw1や底面と垂直な方向の長さw2による影響については、基本的に比例関係が成り立つと考えることができるので、上記の考え方により同様に扱うことができる。
したがって、実際のコークス炉の炉壁プロファイルの測定から、炉壁に存在する凹凸部の斜面の傾斜角αと炭化室内の存在位置についての情報を得ることができれば、コークス押出し時に、その凹凸部が存在する炉壁に局部的に作用する荷重が推定できることになる。
以上では、突起(凸部)の場合について説明したが、炉壁に形成された凹部の場合も同様であり、図9に示すように凹部35が形成されている場合、ガイド車側の斜面37をコ−クスケーキが乗り越えるときについても、同様に試験装置を用いて凹部の斜面の傾斜角などと炉壁荷重の関係を予めの求めておくことにより、同様に炉壁プロファイルの測定から、炉壁荷重を推定することができる。
つぎに、炉壁面に斜面角度αの凸部あるいは凹部が生成され場合を想定して、Fp、Fr、Fw1、Fw2、Ws、fw4を、コークス押出し試験装置を用いたオフラインでの試験により求める方法を説明する。
図2、3に示すコークス押出し試験装置において、その基台14上には、一定の間隔を置いて左右の側面支持体7、7が対向して設置され、押出し方向前後にも一定の間隔を置いて前後の支持体15、16が対向して設置されており、支持体15には、押出し用の油圧シリンダ1が、支持体16には反力付加用の油圧シリンダ3がそれぞれ取り付けられている。
左右の側面支持体間には、左右の側壁となる一対の側面パネル5、5が配置され、また、対向する各シリンダ間には、可動壁となる前後パネル11、12が配置されており、これら側面パネルと前後パネルにより、試験用のコークスケーキ2の押出し空間が形成される。
なお、前後パネル11、12の下端部には、それぞれローラー21が取り付けられており、基台14上を円滑に移動できるようになっている。
油圧シリンダ1は、そのロッド先端のシリンダヘッド10によって前パネル11に押力を伝えるようになっており、油圧シリンダ3も同様に後パネル12に押し力に対抗する反力を伝えるようになっている。
前述のように、コークスケーキ内の炉長方向の押出し力の減衰を擬似的に再現するため、油圧シリンダ1によって各パネルによって囲まれたコークスケーキ2を押出すとき、油圧シリンダ3による反力の大きさを変えるようにする。これにより、実際に押出されるコークスケーキ2の炉長方向の存在位置を変えた条件で、押出し試験を行うことが可能となる。
油圧シリンダ1、3のシリンダヘッド10、10とそれぞれに対向する前後パネル11、12の間には、それぞれ荷重検出手段としてロードセル17、17が設置され、各ロードセルによって、油圧リンダ1の押出し力、油圧シリンダ3が受ける受力が検出される。
側面パネル5、5は、コークスケーキの押出し方向と垂直な方向に変位できるように、側面用油圧シリンダ4、4で保持された中間可動壁6、6を介して設置される。
側面用油圧シリンダ4は複動式であり、それぞれ側面支持体7に設置され、その作動は油圧ポンプ(図示せず)によって制御されるようになっている。
実際のコークス炉においては、炉壁面とコークスケーキが常に接触しているとは限らないので、これを想定して図3の試験装置においては、炉長さ方向前後に所定の間隔を置いて設けられた位置検出器8、8の測定値に基づいて、炉長さ方向前後における側面パネル5、5とコークスケーキ2との間隔を調整する。炉長さ方向前後における側面パネル5、5とコークスケーキ2との間隔は、炉長さ方向前後に設けられたそれぞれの側面用油圧シリンダ4、4によって中間可動壁6、6を移動させることにより適宜調整することができる。
また、中間可動壁6、6と側面パネル5、5の間には、側面パネル5、5が受ける荷重を測定するためのロードセル18、18が複数個設置される。左右の側面パネル5、5が受ける荷重(受力)は、それぞれのロードセルの測定値の合計値として検出される。
側面パネル5、5は、コークス押出し時にコークスケーキ2と一緒にコークス押出し方向に移動するおそれがある。それを防止するために、側面パネル5、5のコークス押出し方向の両端部に、図1及び図5に示すように、リニアモーションガイド(LMガイド)19を取り付け、このLMガイド19を基台14に固定されたLMガイド支持体20に取り付ける。これにより、側面パネル5、5は、LMガイド19によってコークス押出し方向と垂直な方向(幅方向)には移動できるが、コークス押出し方向の移動はLMガイド支持体20によって規制される。
なお、図3、4に示した実施形態では、左右両方の側面パネルが、コークスケーキの押出し方向と垂直な方向に移動できる構成としたが、いずれか一方の側面パネルは、固定した構成としてもよい。
また、側面パネルをシリンダ手段によって移動できる構成としたが、側面支持体7を基台14に対して移動できるように取り付ける構成としてもよい。
コークス炉炭化室の炉壁に局部的に発生する凹凸の影響を評価するために、側面パネル5のコークスケーキ2と対向する面には、図6に示されるような突起9が、例えば溶接、ボルトなどの固定手段により取り付けられる。
突起9は、図6に示されるように、側面パネル5上面と連続する斜面22及び該パネル上面と平行な水平面23を有する楔形とし、斜面22の角度α、斜面の長さd、または水平面の厚みh、水平面の長さwの異なる突起9を複数準備しておくことにより、突起形状の違いによる炉壁荷重への影響を定量的に評価することができる。
コークス炉では、前述のように、コークスの高さ方向に自荷重の分布が存在するので、コークスケーキ上に荷重としての上部錘(図示していない)を積載することによって、自荷重が異なる炉の高さ方向で突起9の存在位置を変化させるようにする。コークスケーキ上に積載する錘としては、鋼板を用い、鋼板の厚みや、重ねる枚数を変更して荷重の大きさを変えるのがよい。
基台14上に設けられた油圧シリンダ支持体15には、例えばレーザ距離計のような位置検出器13が取り付けられており、コークス押出し時の前パネル11の移動距離を連続的に計測できるようになっている。
上記のように構成されたコークスケーキ押出し負荷評価装置においては、例えば小型電気炉などで乾留して得られた所定サイズの試験用コークスケーキ2を、装置の側面パネル5、5及び前後パネル11、12で囲まれる空間に装入する。装入されたコークスケーキ2と側面パネル5、5の間のクリアランスを、前述したように、炉長さ方向前後に設けられた位置検出器8、8の表示に基づいて、前後における側面パネル5、5とコークスケーキ2との間隔を、炉長さ方向前後に設けられたそれぞれの側面用油圧シリンダ4、4を用いて中間可動壁6、6を移動させることにより調整する。一方の側の側面パネル5には、あらかじめ突起9を図4(a)のように取り付けておく。また、コークスケーキ上には、実際のコークス炉における突起9の高さ方向の位置を想定した重量の錘を載置しておく。
油圧シリンダ1を作動させてコークスケーキ2に押出し力を付与するとともに、油圧シリンダ3によって反力を作用させる。なお、コークス押出し時の押出し力と反力は、押出し力>反力の関係にある。
その結果、コークスケーキ2は、(押出し力−反力)の力によって反対側の油圧シリンダ3の方に移動する。その際、コークスケーキ2は、図4(a)の初期状態(I)から、突起の斜面を移動(登坂)し(II)、最終的には突起頂点に乗り上げる(III)ように移動する。
ただし、コークスケーキが移動を開始し、コークスケーキが突起斜面の狭小部を進行すると、移動開始前に突起の斜面を除く面(図6の23)と接触していたコークスは、炉壁と垂直に反突起方向に移動するために該突起面と非接触状態となる(図7のIIの状態)ので、fw4=0となる。
コークスが突起9を通過する際、ロードセル17、18により、左右の側面パネルにかかる力、押出す際の押出し力、反力を作用する際の受力を連続的に測定する。
側面パネル5の一方に、角度α9.5度、コークスと接する水平面の長さwが220mm、水平面の厚みhが30mm、底面からの高さが400mmの突起を設置し、おおよそのサイズが押出し方向600mm、幅400mm、高さ380mmのコークスケーキの上部に錘170kgを載置して押出した場合の、位置検出器13により測定されたコークスの移動距離に対するロードセルの検出荷重(それぞれの面における複数個の合計値)の変化を図7(b)に示す。
なお、図7(b)において、(イ)は押出し側のシリンダヘッド10と前パネル11の間に設けられたロードセル17で測定された荷重(押出し力)、(ロ)は受け側のシリンダヘッド10と後パネル12の間に設けられたロードセル17で測定された荷重(反力)、(ハ)は右側の側面パネル5と中間可動壁6の間に設けられたロードセル18で測定された荷重の合計値(右壁受力)、(ニ)は左側の側面パネル5と中間可動壁6の間に設けられたロードセル18で測定された荷重の合計値(左壁受力)をそれぞれ示す。
油圧シリンダ1によりコークスケーキ2に押出し力を作用する際には、油圧シリンダ3による反力が一定になるように油圧シリンダ3の油圧を制御する。この一定とする反力の設定値を変更(この反力の設定値により押出し力も変化する)することにより、実際のコークスケーキ2の炉長方向の想定位置での炉壁にかかる荷重を推定することが可能となる。
図7(b)において、(イ)の押力と(ロ)の反力の差が、コークスケーキ2が側壁パネル上面に設けた突起9の狭小部を通過するために必要な力に相当する。図7(b)からコークスケーキ2の移動距離が約100mmの位置から(イ)の押力と(ロ)の反力間に差が生じ、これとほぼ同じタイミングで、右壁全体の受力(ハ)および左壁全体の受力(ニ)が増加を開始している。移動距離がさらに進むにつれて、(イ)の押力と(ロ)の反力の差が拡大し、右壁全体の受力(ハ)および左壁全体の受力(ニ)もさらに増加していき、右壁受力(ハ)および左壁受力(ニ)は、図7(a)の(III)に示すコークスケーキ2が突起9の斜面を乗り超えた位置に相当する移動距離(約470〜500mm)でそれぞれの値が最大となる。
以上のようにして、特定の斜面角度αを有する突起が配置された狭小部をコークスケーキが通過する時の右壁受力(ハ)と左壁受力(ニ)の最大値、およびこれら最大値の時の押力(イ)と反力(ロ)の値、すなわち、押力Fp、反力Fr、左右の側壁に係る荷重Fw1、Fw2の値が求められる。また、Wsの値は、コークスケーキの重量とその上部に乗せた錘の重量の合計値として求められる。
以上の例では、突起を用いそのまま凸部とした場合について説明したが、図8に示すように、突起を組み合わせて凹みとして用いることができるので、この装置で、凹部における反力付与手段側の斜面の傾斜角に対する炉壁荷重の関係を測定することができる。
このようなコークス押出し試験を、さまざまな形状を有する突起(あるいは突起によって形成された凹み)に対して、反力と上部積載荷重を変えコークス押出し試験を行い、それぞれの場合における側壁にかかる荷重(炉壁荷重)を測定する。得られた測定値を元に、試験に用いた突起(あるいは凹み)の傾斜角毎に、突起(凹み)の位置と炉壁荷重との対応関係を求める。そして、さらに突起の高さや幅を考慮して、突起の形状と存在位置に対する炉壁荷重の関係を予め求めて、パターン化しておく。
そして、コークス炉の炭化室における炉壁プロファイルの測定から得られた炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置から、予めパターン化しておいたそれらの関係に基づき、コークス押出し時の炉壁凹凸部に作用する荷重を推定するようにする。
コークス押出し試験における力の釣り合いを説明するための図である。 押出し試験の測定値から計算で求めた突起の傾斜角と試験に用いた突起の実際の傾斜角の対応を示す図である。 コークス押出し試験装置の一例を示す平面図である。 図3のコークス押出し試験装置の側面図である。 コークス押出し試験装置の側面パネルの取り付け構造を示す図である。 コークス押出し試験で用いる突起の形態を説明する図である。 コークス押出し試験を説明するための図であり、(a)はコークス押出し中の模式図、(b)は測定結果の一例の図である。 コークス押出し試験で用いる凹みの形態を説明する図である。 コークス押出し中のコークス炉の炭化室を模式的に示す図である。
符号の説明
1 押出し用油圧シリンダ
2 試験用のコークスケーキ
3 反力付加用油圧シリンダ
4 側面用油圧シリンダ
5 側面パネル
6 中間可動壁
7 側面支持体
8 位置検出器
9 突起
10 シリンダヘッド
11 前後パネルのうちの前パネル
12 前後パネルのうちの後パネル
13 位置検出器
14 基台
15 押出し用油圧シリンダ支持体
16 反力付加用油圧シリンダ支持体
17、18 ロードセル
19 リニアモーションガイド(LMガイド)
20 LMガイド支持体
21 ローラー
22 突起の斜面
23 突起の水平面

Claims (2)

  1. 炉壁に相当する一方の側壁に凹凸が形成された押出し試験装置を用いたコークス押出し試験であって、コークスに作用する押出し力に対する反力およびコークスに載置する荷重を変化させることにより、炉壁凹凸の存在する位置を変化させるようにしたコークス押出し試験によって、炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置に対する炉壁荷重の関係を予め求めておき、
    次いで、コークス炉の炭化室における炉壁プロファイルを測定し、炉壁プロファイルの測定で得られた炉壁凹凸の形状と該凹凸が存在する位置から、予め求めておいた前記関係に基づき、コークス押出し時の炉壁凹凸部に作用する荷重を推定することを特徴とするコークス炉における炉壁荷重の評価方法。
  2. 炉壁凹凸の形状として凹凸部の斜面の傾斜角を用いることを特徴とする請求項1に記載の炉壁荷重の評価方法。
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