JP5114048B2 - 砒素液の製法 - Google Patents

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Description

本発明は、砒素を含有する硫化物系の固体物質から砒素を水中に浸出させて砒素含有液を作る方法に関する。
非鉄製錬においては、各種製錬中間物が発生し、また様々な形態の製錬原料となり得るものが存在する。これらの製錬中間物や製錬原料には有価金属が含まれているが、一方で砒素などの環境上好ましくない元素が含まれている。特許文献1には、このような砒素含有物質から砒素を分離回収する方法が開示されている。特許文献1の方法によると、硫黄の浸出が効果的に抑制されるので、硫化物形態の砒素含有物質を処理する手法として有用である。
特許文献2には、砒素硫化物に硫酸銅とともにエアーレーションにて砒素を浸出する方法が開示されている。特許文献3には、電解殿物銅を低濃度の酸で浸出して、過酸化水素と硫化砒素を添加することで、液中から銅を脱銅して、さらに亜硫酸ガスを導入しないと砒素の浸出が得られないことが開示されている。
特開昭54−160590号公報 特開昭57−160914号公報 特開昭59−83936号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、アルカリを使用して反応中のpHを制御するものである。アルカリ供給源として代表的には苛性ソーダが使用されるが、この場合、残渣中に、付着液に由来するナトリウムが多く含まれるといった問題がある。液中には硫黄が酸化されて生じたSO4 2-イオンが多少なりとも生じることから、砒素と同当量から3当量程度のナトリウムが中和によって消費されると考えられ、資源化の観点からも好ましくない。また、アルカリ供給源を用意するためのコスト増も否めない。特許文献2、3の方法においても添加剤を必要とし、コストが増大する。
一方、産業界から発生する砒素含有物質中の砒素を、嵩の少ない安定な結晶質化合物の形で固定化し、廃棄や保管に役立てようという研究も行われている。本出願人は、砒素含有液から砒素が極めて溶出しにくいスコロダイト型の鉄砒素化合物を合成する有益な手法を開発し、特願2006−321575号などに開示した。このような砒素の固定化技術を有効に活用するためには、被処理材である砒素含有物質から、できるだけ高い浸出率で砒素を抽出する技術の確立が強く求められる。
本発明はこのような現状に鑑み、砒素含有硫化物から、水酸化アルカリの添加を必要とせずに、極めて高い浸出率で砒素を回収することのできる砒素液の製法を提供しようというものである。
上記目的は、砒素含有硫化物が水中に懸濁しているスラリーに酸素ガスを添加するとともに、機械的撹拌により懸濁粒子を分散させながら砒素の浸出反応を進行させ、反応後、スラリーを固液分離して后液を回収する砒素液(砒素が溶解している液)の製法によって達成される。「砒素含有硫化物が水中に懸濁しているスラリー」は、砒素含有硫化物を水中に有するスラリーである。浸出反応を進行させる際には、スラリー液面に接する気相部における酸素分圧を0.6MPa以下とする。大気開放のオープン系でも実施可能である。前記浸出反応に供するスラリー(反応前スラリー)を構成する水は、水酸化アルカリを添加していない水が使用できるが、水酸化アルカリが多少存在していても砒素の高い浸出率を実現する上で差し支えない。具体的には、水酸化アルカリ濃度が0〜1mol/Lに制限された水に砒素含有硫化物を混合してスラリーとすればよい。砒素の浸出反応は60℃以上で行うことが望ましく、100℃以下であればオープンタンク系でも実施できる。反応後のスラリーの酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極)が200mV以上となるようにすることが望ましい。
本発明によれば、産業界で発生する砒素含有硫化物から、極めて高い浸出率(例えば99%以上)で砒素を水中に浸出させることができる。その際、水酸化アルカリの添加を必要としないので、アルカリによる浸出残渣の汚染が防止できるとともに、コスト的にも有利となる。また、アルカリを添加しない場合には、後述のように、硫黄の再資源化の点ても有利となる。得られた砒素液は、砒素が極めて溶出しにくいスコロダイト型の鉄砒素化合物の合成に利用でき、砒素の埋立廃棄処分に資することができる。亜砒酸の製造や、高純度砒素の製造にも利用できる。
本発明の砒素液を得るための代表的なフローを図1に示す。
砒素を含有する固体物質には様々な形態のものが存在する。代表的なものとして、As23や、CuSの組成式で表される硫化物を主体とした砒素含有硫化物が挙げられる。ただし、このような砒素含有硫化物は、その中に銅や亜鉛など種々の元素を含むのが通常である。従来、砒素含有硫化物から砒素を溶解させる浸出法として、特許文献1に示されるようなアルカリを用いた手法が知られている。ところが本発明者らの詳細な検討によれば、酸素ガスの供給と強撹拌によって、水だけでも(すなわちアルカリを添加しなくても)砒素を十分に浸出させることができることがわかった。この場合、基本的に銅は浸出されないし、その他、錫、アンチモンもほとんど浸出されない。
水だけで(すなわちアルカリを添加せずに)砒素含有硫化物から砒素を浸出させるには、比較的低いpH域(例えばpH≦2.5)で砒素の浸出反応を起こすことが重要である。ただし、本発明では酸(鉱酸、硫酸)の添加も必要としないので、pH≧0.5あるいはpH>0.5の範囲で浸出反応を進行させればよい。その浸出反応は、例えば硫化砒素As23の場合を例示すると、下記(1)式あるいは(2)式のようなものである。
As23+5(O)+3H2O → 2H3AsO4+3S ……(1)
As23+3(O)+3H2O → 2HAsO2+3S ……(2)
なお、アルカリが入った水を用いた場合、硫化砒素の浸出反応は進みやすくなるが、反面、一部のエレメンタル・サルファー(元素性の硫黄)の酸化反応が下記(3)式のように進んでしまう。
S+3(O)+H2O → H2SO4 ……(3)
また、アルカリが存在するがゆえに中和反応が起こる。
2SO4+2NaOH → Na2SO4+2H2O ……(4)
したがって、アルカリを添加した水の場合、硫黄の酸化が促進され、かつ中和されるため、硫黄の資源化が困難になる。この点、水だけ、つまり酸性側だけで砒素の浸出反応を進行させる場合は、H2SO4の生成が最小限に抑制される。また、H2SO4が生成してもNaOHによって消費されないので、(3)式の反応が進みにくくなる。つまり硫黄が浸出されないようになる。このように、アルカリを添加しない場合のメリットは大きい。
一方、仮に硫酸を添加した場合を想定すると、これも良くない。なぜならば硫酸が存在することで、銅の酸化反応が進みやすくなるからである。これは、下記(5)式の反応式やPourbaixの電位−pHダイヤグラムからわかるとおりである。
CuS+1.5O2+H2SO4 → CuSO4+H2O+SO2 ……(5)
このように、アルカリや酸を添加しないような、水のみの浸出が再資源化にはもっとも適している。
上記(1)式、(2)式のような浸出反応を進行させるには酸化剤の添加が必要である。一般に酸化剤としては、硝酸(HNO3)、王水(HCl+HNO3)、HCl+Br2、HCl+KClO3などの酸化性の酸が挙げられる。ただし、酸化作用が強すぎると、砒素以外に、銅や水銀などが微量ながら浸出してしまう可能性がある。特に水銀などは排出規制がμg/Lオーダーとなるため、できる限り浸出させないようにすることが好ましい。固体・液体の酸化剤を添加するという手段をとった場合、添加量を厳密に調整しなければならず、もし局所的にでも入れすぎてしまった場合は、好ましくない不純物(水銀等)を浸出させてしまう可能性がある。この点、ガスを使用すると、ガス導入量によって添加量を微調整できるので、不純物を浸出させてしまう可能性が低くなる。
最も簡便な酸化性ガスとして空気が挙げられる。しかし、本発明では比較的低いpH域で上記(1)式、(2)式のような砒素の浸出反応を進行させる必要がある。そこで種々検討の結果、酸素ガスを使用したとき、後述の強撹拌と相俟って、アルカリを添加しなくても砒素の高い浸出率が実現できることが明らかになった。本発明では、このような知見に基づき、酸化剤として酸素ガスを使用する。酸素供給源としてオゾン(O3)、過酸化水素(H22)、二酸化マンガン(MnO2)なども併用できるが、薬品コストがかかり、また酸素ガスだけで99%以上の高い浸出率が得られるので、これらは特に使用する必要はない。なお、酸素ガスの温度は、液温管理に影響を与えない範囲であることが望ましい。
酸素ガスを酸化剤として添加する手法として、例えば純酸素ガス(純度99%)を液中に吹き込む手法が好適に採用できる。密閉容器の場合は液面と接する気相部に吹き込むようにしてもよい。酸化力を特に微調整したい場合には空気で稀釈した酸素ガスを液中に導入してもよいが、その場合でも酸素濃度が50体積%以上の酸素ガスを使用する。これより酸素濃度が薄いガスは、もはや酸素ガスと言うことはできず、そのようなガスを使用すると、砒素の浸出は生じ得るものの、反応効率が低下して長時間を要するような場合がある。
アルカリを添加せずに水だけで砒素含有硫化物から砒素を浸出させる反応(例えば前記(1)式、(2)式)を進行させるには、酸素ガスの添加と並んで、撹拌が重要である。液中にガスを吹き込む添加方法の場合はバブリングが生じるが、それだけでは不十分であり、機械的な強撹拌が望まれる。例えば、スラリーを収容した容器内で、当該スラリー中の懸濁粒子をほぼ均一に分散させることのできるサイズの回転翼を使用して強撹拌することが望ましい。
被処理材である砒素含有硫化物と、水との混合割合は、機械的な撹拌によりスラリーが十分に流動するように調整する必要がある。例えば、水1L(リットル)と混合する砒素含有硫化物の粉体の量(乾量基準)を500g以下(すなわち500g/L以下)とすることが望ましい。ただし生産性の観点から、100g/L以上の混合量を確保することが有利である。
本発明では、酸素ガスによる酸化と強撹拌によって、砒素の高い浸出率を実現する。この場合、アルカリを添加する必要はなく、むしろアルカリの濃度が高くなると、上述のように硫黄の浸出率が高くなって再資源化がには不利となる。ただ、アルカリが不可避で混入する場合もありうる。このようなことから、浸出反応に供するスラリー(反応前スラリー)を構成する水は、水酸化アルカリ濃度が0(測定限界以下)〜1mol/Lであるものを用いることが望ましい。
浸出反応を進行させるときの液温は60℃以上とすればよい。100℃以上でも反応は進むが、オートクレーブなどの耐圧容器にコストがかかるため経済性を勘案して決定される。反応をより速く進行させるためには90℃以上、オープン系では90〜100℃とすることが好ましい。また、スラリー液面に接する気相部における酸素分圧については、特に高める必要はなく、大気開放の状態で行うことができる。ただし、大気開放下では液中に添加した酸素ガスの大部分は系外に逃げてしまうので、酸素ガスの供給量を節約するためには気相部を有する密閉容器中で反応を進行させることが有利となる。密閉容器を用いる場合、スラリー液面に接する気相部における酸素分圧が高くなり過ぎると銅や水銀が浸出されやすくなるので注意を要する。種々検討の結果、当該酸素分圧が0.6MPa以下の範囲で砒素の浸出反応を進行させることにより、銅や水銀の浸出を抑制しつつ、砒素の浸出率を極めて高く維持することができることがわかった。
砒素の浸出反応を進行させるのに必要となる酸化力は、酸化還元電位(ORP)を測定することによって評価される。ORPは、学術文献では標準水素電極で標記されるのが一般的であるが、この電極は白金電極と水素ガスを使って構成されるものであるので、危険を伴い、装置も複雑となる。そこで、ここでは測定装置が普及しているAg/AgCl電極を用いて測定されるORPの値を採用している。できるだけ砒素だけを選択的に浸出させるためには、反応後スラリーのORPが200mV以上となる条件で反応させることが望ましく、250mV以上となる条件がより好ましい。ただし、反応後スラリーのORPが400mVを超える場合は、銅などの元素が若干浸出するようになるので、好ましくない。pHについては、反応後スラリーのpHが2.5以下となる条件で反応させることが望ましい。
反応時間は、吹き込む酸素ガスの量、撹拌の強度、温度などによって多少変動するが、2時間程度で概ね砒素の90%以上を浸出させることが可能となる。酸素ガスの供給と撹拌を3〜4時間継続させることにより砒素をほぼ100%浸出させることができる。密閉容器を用いた場合、気相部のゲージ圧をモニターすることにより、酸素ガスの消費速度の変化を知ることができ、一定の酸素分圧を維持するために新たな酸素ガスの供給が必要なくなった時点で、反応が終了したとみなすことができる。
砒素の浸出反応を終えた「反応後スラリー」は、固液分離される。固液分離は、フィルタープレス、遠心分離、デカンター、ベルトフィルターなど一般的なろ過手段のどれであっても適用は可能である。ろ過性、脱水性、洗浄性を勘案して機器および条件が決定される。ここで、液温はろ過性を良好にするため高いほど良いが、70℃を超えるとろ過機器の材質選定に制約が生じるので注意を要する。例えばフィルタープレスのろ板材にポリプロピレンを用いると、スタンダードなものでは70℃までの耐熱性しかない。
固液分離された固形分は、有価な銅、硫黄などを含む化合物であるといえるので、例えば銅製錬の工程においては自溶炉、反射炉へ直接投入してアノードを作成し、硫酸を製造するために利用できる。一方、固液分離された后液(浸出液)は、砒素を含んだ液である。その他の不純物は基本的に少ない。この砒素液は、例えば本出願人が特願2006−321575号等で提案した鉄砒素化合物の合成に利用できる。この鉄砒素化合物は、砒素が極めて溶出しにくく嵩の小さいスコロダイト型の結晶であり、砒素の固定化および廃棄に極めて有用である。また本発明で得られた砒素液は、還元・冷却晶析させることで亜砒酸の製造に利用できる他、更なる高純度化プロセスを経て、高純度砒素を作ることにも利用できる。
《例1(比較例)》
出発原料である砒素含有硫化物(硫化澱物)の組成を表1、表2に示す。ここで用いたものは、表1に示す量の水分を含有し、表2に示す成分を有するウェットケーキである。これを用いて、アルカリや酸化剤を使用せず、水だけの浸出反応を試みた。
砒素含有硫化物の水に対する混合割合は、水1Lに対して200g(すなわち200g/L)となるようにした。実際の量で見ると、ここではスラリーを構成する水の量を500mLとすることにしたので、必要な砒素含有硫化物の乾量固形分量は200g×(500mL/1000mL)=100gとなる。この場合、ウェットケーキとしては、乾量固形分100g×{全体100%/(全体100%−水分54.0%)}=217gを分取する必要がある。ウェットケーキから供給される水分量は217g−100g=117gとなるので、用意する水の量は500mL−117mL=383mLである。したがって、217gのウェットケーキを水383mLでリパルプすることにより、200g/L相当の液を作成した。
液の温度を30℃に調整して(ヒーターでビーカを加温して)、2段ディスクタービン撹拌機と4枚の邪魔板をセット下状態で700rpmの強撹拌を1時間実施した。撹拌操作終了後のスラリーを加圧ろ過器にて固液分離した。ろ過は、1ミクロンのPTFEメンブランフィルターを用い、0.4MPaの加圧で行った。固液分離した后液について、液性の測定と組成分析を行った。
組成分析は、塩酸酸性の液にしてICPにより行った。すなわち、固液分離した后液をホールピペットで2mL採取して、それを100mLのメスフラスコに入れ、試薬特級の塩酸(33%の品位)を8mL添加した後、100mLに希釈して測定を実施した。ICPの分析感度を超えた場合は、更にスラリーを10〜200倍に希釈してICP分析を実施した。水銀については還元気化原子吸光法によってμg/Lオーダーで分析した。塩素の分析は単純に純粋で希釈してイオンクロマトグラフィーで測定した。液のpH、ORPの測定値を表3に、液の分析結果を表4に、各元素について算出された浸出率の値を表5に示す。
Figure 0005114048
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この結果より、砒素含有硫化物を単純に水でリパルプして強撹拌しても、砒素はほとんど浸出されないことがわかる(浸出率=1.3%)。銅や硫黄についても浸出されておらず、反応がほとんど何も起きていないことがわかる。
《例2A(比較例)》
アルカリを使用して、酸化剤を添加せずに水浸出を試みた。出発原料としては表2に示す組成の砒素含有硫化物を用いた。前記の例1ではウェットのままの原料を使用したが、ここではそのウェットケーキを60℃で48時間乾燥させ、その後、コーヒーミルを用いて解砕したものを用いた。これを100g分取した。予め特級試薬(和光純薬工業社製)の苛性ソーダでNaOH濃度を25g/L(0.625mol/L)に調整した液を500mL計量し、ビーカーに入れておいた。つまり、反応前スラリーを構成する水のNaOH濃度は25g/L(0.625mol/L)である。この苛性ソーダ液に2段ディスクタービン撹拌機と4枚の邪魔板をセットし、蓋をして、回転数500rpmで強撹拌した。そして液温が65℃になるように加温した。所定の温度になったところで、上部から上記の砒素含有硫化物100gを添加した。反応時間は2時間として、撹拌しつつ温度保持を行なった。撹拌操作終了後のスラリーを加圧ろ過器にて固液分離した。ろ過は、1ミクロンのPTFEメンブランフィルターを用い、0.4MPaの加圧で行った。
この時のろ過時間を測定することで単位面積あたりのろ過速度を求めた。固液分離した后液(浸出液)の液性としてpHおよびORP(酸化還元電位:Ag/AgCl電極)を測定した。
后液の組成分析を実施した。
まず最初に、硝酸と臭素による溶解操作を行い、ICPにて行った。すなわち、分析対象の液をホールピペットで2mL採取してコニカルビーカー中に入れ、65%試薬特級(和光純薬工業社製)の硝酸を10mL添加し、さらに99%臭素含有の試薬特級(和光純薬工業社製)の臭素(水)を1mL添加した。そして沸石を適量入れておいて、ヒーター上で沸騰加熱させて溶解した。溶け残りはほとんど無かったが、ろ別操作は行った。ろ別によってろ紙などに分析液が付着ロスしないように、希釈のための水を洗浄にあてて100mLに希釈した(50倍希釈)。そしてこれをICPにて分析した。ICPの分析感度を超えた場合は、更に10〜200倍に希釈してICP分析を実施した。水銀については還元気化原子吸光法によってμg/Lオーダーで分析した。
次に、塩酸による溶解操作を行い、ICP分析をした。すなわち、液をホールピペットで2mL採取して100mLのメスフラスコに入れ、試薬特級の塩酸(33%の品位)を8mL添加した後100mLに希釈した。このとき黄色から黄土色の沈殿物が発生したので、上澄みを固液分離してICPで測定した。ICPの分析感度を超えた場合は、更に10〜200倍に希釈してICP分析を実施した。
次に、単純に水で希釈して、イオンクロマトグラフィーによる分析を実施した。イオンクロマトグラフィーでは、分析できる元素(イオン)が限られている。ここでは塩素イオン(Cl)と硫酸イオン(SO4)を対象とした。分析機器は東亜ディケーケー(株)製のイオン分析計(IA−100)を使用した。500倍から50000倍に希釈して、溶離液と共に展開してクロマトグラムを得て分析するというものである。ろ過速度、pH、ORPの結果を表6に、后液(浸出液)の硝酸と臭素で溶解させたICP分析結果を表7に、后液の塩酸で溶解させて固液分離した後のICP分析結果を表8に、后液の水で希釈してイオンクロマトグラフィーにかけた分析結果を表9に示す(後述の例2B〜2Dにおいて同じ)。また、これらの分析結果および投入した原料の量と品位から計算される浸出率(溶解率)を算出し、その結果を表10、表11、表12に示す(後述の例2B〜2Dにおいて同じ)。なお、浸出率の値は、計算上、100%を少し超える値として求まることがあるが、それらについても100%と表示してある(以下の各例において同じ)。
《例2B(比較例)》
例2Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を50g/L(1.25mol/L)に調整したものを用いて行なった。その他の条件は同じである。
《例2C(比較例)》
例2Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を100g/L(2.5mol/L)に調整したものを用いて行なった。その他の条件は同じである。
《例2D(比較例)》
例2Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を150g/L(3.75mol/L)に調整したものを用いて行なった。その他の条件は同じである。
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〔例2A〜2Dの結果について〕
次のようなことが言える。
アルカリ(苛性ソーダ)によって、銅などの元素を溶解させずに砒素のみ溶解させることが部分的には達成されているが、硫黄分は溶解している。つまり砒素と硫黄を分離できていない。酸素を添加せずに苛性ソーダのみで砒素を浸出しようとすると、砒素の浸出率を高めるためにはNaOHが100g/L近く必要となる。これは、下記(3)の反応式、
As23+6NaOH → Na3AsO3+Na3AsS3+3H2O ……(3)
によってNaOHが約80g/L必要となることに合致する。
表11の塩酸酸性にした場合の砒素の浸出率が、表10の硝酸酸性にした場合の砒素の浸出率よりも低くなっているのは、砒素、硫黄が硫化物形態で溶解していることに起因すると考えられる。すなわち、后液を塩酸酸性にすると約80%しかAsが溶解しない結果となる。ギャップの分は硫化物形態で溶解しており、酸性にすると黄色いSSが発生して沈殿する。硫黄は塩酸酸性で溶解しているように見受けられるが、これは溶解時に化学反応した可能性もある。イオンクロマトグラフィーの結果では硫酸イオンはほとんど存在していないので、残りの大部分は硫化物形態のイオン(S2-)として存在していると判断される。つまり、后液をアルカリのままでハンドリングするならば砒素を溶解させることができたと言えるけれども、酸性にすると再析出すると言う意味では完全に溶解させたと言うことはできない。
なお、出発原料として砒素含有硫化物の乾燥解砕物を用いたが、ウェットケーキを用いても同様の結果となることは、別途実験により確認されている。
《例3A(比較例)》
酸化剤として酸素ガスを添加することにより水浸出を試みた(アルカリの添加量は例3A〜3Eにおいて変化させた)。出発原料としては、例2Aと同様、ウェットケーキを60℃で48時間乾燥させ、その後、コーヒーミルを用いて解砕したものを用いた。組成は表2に示されている。これを100g分取した。予め特級試薬(和光純薬工業社製)の苛性ソーダでNaOH濃度を150g/L(3.75mol/L)に調整した液を作成した。つまり、反応前スラリーを構成する水のNaOH濃度は150g/L(3.75mol/L)である。
この液500mLを容量1Lのオートクレーブに移し、撹拌羽根(2段パドル翼)、および液相に通じる挿入ガス管をセットして密閉した。撹拌羽根を1000rpmで回転させて液を強撹拌しながら65℃になるよう昇温した。気相部に存在する不活性ガス(初期の空気に由来するもの)をできるだけ排除するために、65℃の状態で気相部に通じるバルブを一旦開き、ゲージ圧がゼロになるまで内部のガスを追い出した。その後、再び密閉状態とし、65℃に保持したまま、純度99%の酸素ガスを容器の液相部に吹き込んだ。密閉容器内での反応なので圧力が上昇する。気相部の酸素分圧が概ね0.3MPaに維持されるように、酸素ガス導入バルブを調整しながら酸素を吹き込んだ。この状態で撹拌を継続しながら4時間保持した。反応後スラリーを取り出し、例2Aと同様の方法で固液分離した。
ろ過速度、固液分離した后液(浸出液)の液性測定および組成分析を例2Aと同様の方法で行った。ただし、組成分析においては、塩酸酸性にする方法において、沈殿物が生成しなかったので、そのままICPで測定した。この時点で硫化物系の溶解形態は存在しないことが推測できる。また、塩酸酸性にする方法で沈殿物が生成しないことから、硝酸+臭素の溶解方法を適応する必要はないことがわかったので、今回はそういう煩雑な操作を省略した(以下の例3B〜3E、4A〜4Dにおいて同じ)。なお、一部の例で硝酸+臭素の溶解方法を適用してみたが、塩酸酸性の場合と比べ、砒素の浸出率に差が生じないことが確認された。また、水銀の分析もICPで行った。分析オーダーがmg/Lであったため、還元気化原子吸光法だとレンジオーバーとなり測定できない。
これらの結果を表13〜17に示す(後述の例3B〜3Eにおいて同じ)。
《例3B(比較例)》
例3Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を70g/L(1.75mol/L)に調整したものを用いて行なった。また、水銀の分析は還元気化原子吸光法で行った。その他の条件は同じである。
《例3C(比較例)》
例3Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を50g/L(1.25mol/L)に調整したものを用いて行なった。また、水銀の分析は還元気化原子吸光法で行った。その他の条件は同じである。
《例3D(本発明例)》
例3Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてNaOH濃度を30g/L(0.75mol/L)に調整したものを用いて行なった。また、水銀の分析は還元気化原子吸光法で行った。その他の条件は同じである。
《例3E(本発明例)》
例3Aと同様の操作を実施した。ただし、反応前スラリーを構成する水としてアルカリを何も添加しないものを用いた。また、水銀の分析は還元気化原子吸光法で行った。その他の条件は同じである。
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〔例3A〜3Eの結果について〕
次のようなことが言える。
酸化剤として酸素ガスを添加して強撹拌した場合、アルカリを添加しなくても、水だけで砒素の浸出率を99%以上とすることができる。アルカリを添加すると銅の浸出を抑制する効果が高まるが、硫黄の浸出率が高くなる。反応前スラリーを構成する水は水酸化アルカリの濃度を1mol/L以下に制限することが望ましい。それによって、極めて高い砒素の浸出率の実現と、銅や硫黄の浸出抑制がバランス良く達成される。
なお、出発原料として砒素含有硫化物の乾燥解砕物を用いたが、ウェットケーキを用いても同様の結果となることは、別途実験により確認されている。
《例4A(比較例)》
アルカリを添加しない液において、酸化剤として酸素ガスを添加することにより水浸出を試みた(スラリーの液面に接する気相部の酸素分圧を例4A〜4Dにおいて変化させた)。出発原料としては、例2Aと同様、ウェットケーキを60℃で48時間乾燥させ、その後、コーヒーミルを用いて解砕したものを用いた。組成は表2に示されている。これを100g分取し、例3Eと同様の操作を実施した。ただし、反応温度を98℃とし、酸素分圧を0.8MPaとして実施した。また、水銀の分析は例3Aと同様にICPで行った。その他の条件は例3Eと同じである。
これらの結果を表18〜22に示す(後述の例4B〜4Dにおいて同じ)。なお、これらの表には例3Eの結果を再掲した。
《例4B(本発明例)》
例3Eと同様の操作を実施した。ただし、酸素分圧を0.5MPaとして実施した。その他の条件は同じである。
《例4C(本発明例)》
例3Eと同様の操作を実施した。ただし、酸素分圧を0.15MPaとして実施した。その他の条件は同じである。
《例4D(本発明例)》
例3Eと同様の操作を実施した。ただし、酸素加圧を大気圧(つまりゲージ圧としてはゼロ)として行なうため、オートクレーブでなくビーカーにて実施した。また、反応温度は95℃とした。すなわち、水500mLを入れたビーカーに2段ディスクタービン撹拌機と4枚の邪魔板をセットし、回転数500rpmで強撹拌した。そして液温が95℃になるように加温した。所定の温度になったところで、上部から砒素含有硫化物100gを添加した。そして純度99%の酸素ガスを300mL/分で液中に吹込み、撹拌しながら温度保持を行い、酸化反応させた。反応時間は4時間とした。その他の条件は例3Eと同じである。
Figure 0005114048
Figure 0005114048
Figure 0005114048
Figure 0005114048
Figure 0005114048
〔例4A〜4D、3Eの結果について〕
次のようなことが言える。
アルカリを添加しない液中において、酸素分圧が低い状態でも、酸素ガスを添加して強撹拌することにより、砒素の浸出率を極めて高くすることが可能である。特に、酸素分圧が低いほど、銅、硫黄の浸出を抑制する効果が大きくなる。酸素分圧がかなり高くなると、砒素の浸出率が低下し、また水銀の浸出が増大する。したがって、酸素分圧は0.6MPa以下の範囲で実施することが望ましい。
なお、出発原料として砒素含有硫化物の乾燥解砕物を用いたが、ウェットケーキを用いても同様の結果となることは、別途実験により確認されている。
本発明の砒素液の製法についての代表的なフローを示した図。

Claims (4)

  1. 砒素含有硫化物が水中に懸濁しており、その水の水酸化アルカリ濃度が0〜1mol/Lであるスラリー(反応前スラリー)、アルカリを添加せずに酸素濃度50体積%以上の酸素ガスを添加するとともに、機械的撹拌により懸濁粒子を分散させながら砒素の浸出反応を進行させ、反応後、スラリーを固液分離して后液を回収する砒素液の製法。
  2. スラリー液面に接する気相部における酸素分圧を0.6MPa以下として砒素の浸出反応を進行させる請求項1に記載の砒素液の製法。
  3. 液温60〜100℃で砒素の浸出反応を進行させる請求項1または2に記載の砒素液の製法。
  4. 反応後のスラリーの酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極)が200mV以上となるように砒素の浸出反応を進行させる請求項1〜のいずれかに記載の砒素液の製法。
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