JP5113806B2 - 金属メッシュの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、規則正しい微細な凹凸パターンを有する金属メッシュの製造方法に関する。
スクリーン印刷等に用いられるの金属メッシュを製作する方法としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。
特許文献1は、ハニカム構造状を呈する多数の孔の図形情報をコンピュータに入力する工程と、入力されたこの図形情報に基づいて多数の孔の図形をマスク上に焼き付けることにより多数の孔のパターンを有するマスクを作成する工程と、このマスクを用いて多数の孔のパターンを金属板に塗布したフォトレジスト上に焼き付け現像する工程と、このフォトレジストを介してエッチングを施すことにより金属板に多数の孔を形成する工程と、を具備するメッシュの製造方法を開示する。
この製造方法を用いることにで、開口率が大きく伸び変形が少ないスクリーン印刷メッシュを、エッチングや電鋳法に比べて低コスト、簡便、迅速に製造できるものとしている。
特許文献2は、膜状、箔状、シート状、板状その他の2次元的な広がりをもつ形態を有する被加工材に微細パターンを形成する方法であって、被加工材よりも軟らかく、かつ膜状、箔状、シート状、板状その他の2次元的な広がりをもつ形態を有する補助材を用い、被加工材と補助材とが密着、接着、積層又は重ね合わせられた積層体に型を押し付け、補助材を塑性変形させつつ被加工材に微細パターンを形成する微細パターン形成方法を開示する。
特開平8−52951号公報 特開2008−12558号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、エッチング処理により金属メッシュを製作するものであって、コスト、生産性という点で限界がある。また、エッチング加工による金属メッシュは、ある一定以上の薄さのエッチング処理ができないため、メッシュ厚の限界が20μm程度と比較的厚肉となる。
特許文献2の技術では、薄肉の金属メッシュを製造することが可能であるが、被加工材に延性材料を選択した際に、メッシュの孔となる部分(打ち抜き部分)の打ち抜き加工がうまくゆかずに塑性変形を起こすだけとなる場合があって、メッシュの打ち抜き精度が悪くなるといった難点が存在する。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、薄肉の金属メッシュを容易に且つ確実に製造可能な金属メッシュの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の金属メッシュの製造方法は、金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成し、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧した後、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする金属メッシュの製造方法において、前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記ダイス材を加熱しておくことを特徴とする。
また、本発明の金属メッシュの製造方法は、金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成し、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧した後、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする金属メッシュの製造方法において、前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記被加工材に対面するダイス材の表面の粗度を上げておくことを特徴とする。
なお好ましくは、前記被加工材とダイス材とを剥離させた後に、前記ダイス材の表面に残留する被加工材を除去するとよい。
本発明の金属メッシュの製造装置は、金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成する重合手段と、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧する押圧手段と、前記押圧手段で押圧された重合材において、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする剥離手段と、前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記ダイス材を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする。
本発明の金属メッシュの製造装置は、金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成する重合手段と、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧する押圧手段と、前記押圧手段で押圧された重合材において、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする剥離手段と、前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記被加工材に対面するダイス材の表面の粗度を上げる粗度増加手段と、を有することを特徴とする。
なお好ましくは、前記被加工材とダイス材とを剥離させた後に、前記ダイス材の表面に残留する被加工材を除去する被加工材除去手段を有するとよい。
以上述べた製造方法及び製造装置によると、ダイス材が加熱されたり、ダイス材の表面の粗度が大きいものとなっているため、圧延ロールによる圧着後に、メッシュの打ち抜き部分において被加工材とダイス材とが固着した状態となる。ゆえに、被加工材が延性材料であったり押圧不足が生じたりして「打ち抜き部の周縁の切断不良」が発生していたとしても、被加工材をダイス材から剥離する際に、打ち抜き部分がダイス材表面に残留するようになって、メッシュ部と打ち抜き部を確実に分断することが可能となり、メッシュ孔が確実に開いた金属メッシュを製造することができる。
また、本製造方法及び本製造装置によると、被加工材料の板厚の制約がなくなり、メッシュの厚みを、エッチング処理等の従来技術での限界値である20μmよりも薄い5μm以下にすることができる。そのため、メッシュを用いた際のスクリーン印刷精度を向上させることができる。
また製造方法及び製造装置によると、メッシュは打ち抜き加工時に加工硬化するため、圧延前の被加工材の強度よりもメッシュの強度は向上する。
本発明の金属メッシュの製造方法及び製造装置によれば、薄肉の金属メッシュを容易に且つ確実に製造することが可能となる。
金属メッシュの製造方法を示す概略図である。 圧延ロールの形成方法の一例を示した図である。 金属メッシュを作る過程を示した図である。 (a)は、従来法の製造方法及び製造装置により製造した金属メッシュの拡大写真である。(b)は、本発明の製造方法及び製造装置(ダイス材を加熱)により製造した金属メッシュの拡大写真である。 (a)は、従来法の製造方法及び製造装置により製造した金属メッシュの拡大写真である。(b)は、本発明の製造方法及び製造装置(ダイス材を加熱、潤滑油あり)により製造した金属メッシュの拡大写真である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明に係る金属メッシュMの製造装置の第1実施形態について説明すると共に、金属メッシュMの製造方法について述べる。
スクリーン印刷用に好適な金属メッシュMの製造装置1は、被加工材Wを巻き出す巻出装置(第1巻出装置2)と、加工されてメッシュMとなった被加工材Wを巻き取る巻取装置(第1巻取装置3)とを有している。被加工材Wは、第1巻出装置2と第1巻取装置3との間で、所定の張力を付与された上で略水平となるように架け渡されている。
被加工材Wは、後述の押圧手段4により、不要部分(打ち抜き部分Q)が打ち抜かれて金属メッシュMとなる材料のことであり、所定の厚みを持った長尺状の帯板である。被加工材Wとしては、Ni,Ti,ステンレスのような脆性材料が選定可能である。
第1巻出装置2と第1巻取装置3との間には、被加工材Wを打ち抜き加工しメッシュMを製造する押圧手段4が設けられている。
本実施形態では、押圧手段4は4段圧延機からなり、上下一対の圧延ロール5U,5Dを有していている。各圧延ロール5U,5Dはそれぞれバックアップロール6でバックアップされている。上下一対の圧延ロール5U,5Dの間に前述した被加工材Wが入り込み、押圧・打ち抜きされる。
圧延ロール5U,5Dのうち、上側の圧延ロール5Uは、図1に示されるように、表面に凹凸パターン9が形成された打ち抜きロールとなっている。この凹凸パターン9がメッシュMを打ち抜く金型の役目をする。下側の圧延ロール5Dは表面が平滑なダイスロールとなっており、被加工材Wを支えるようになっている。
上側の圧延ロール5Uに施された表面凹凸パターン9の形成方法としては、機械加工、エッチング、レーザ加工等、微細凹凸をロール表面に加工可能な技術であれば様々なものが採用可能である。
例えば、図2に示すように、圧延ロール5Uの製造の工程は、エッチング処理により板状の平板の表面に微細な凹凸パターン9を形成する工程S1と、凹凸パターン9が表面に形成された平板を円筒状のスリーブに形成する工程S2と、スリーブを硬化処理する工程S3と、硬化処理されたスリーブを円柱状のロール基体の外周に嵌め込む工程S4と、を経て形成されるのが好ましい。
圧延ロール5Uの表面、言い換えるならば、金型表面は、例えば窒化処理によりHv500程度まで硬化させておくと、ロール表面が圧下時に変形することを防止することができる。
さらに、製造装置1は、打ち抜き時に被加工材Wと積層されるダイス材D(補助材)を巻き出す第2巻出装置7を有している。
本実施形態の場合、第2巻出装置7は、被加工材Wの下方であって第1巻出装置2の下流側に配備されている。第2巻出装置7から巻き出されたダイス材Dは、押圧手段4の直前で被加工材Wの下側に積層して重合材となり(重合手段)、一対の圧延ロール5U,5Dで圧延されるようになる。
圧延ロール5U,5Dから出た重合材に関しては、被加工材Wからダイス材Dが下方に剥ぎ取られ、第2巻取装置8に巻き取られる。第2巻取装置8は、被加工材Wの下側であって第1巻取装置3の上流側に配備されている。図1から明らかなように、第1巻取装置3と第2巻取装置8との位置関係から、ダイス材Dは、圧延ロール5U,5Dから出た直後に、被加工材Wから剥離されるようになっている(剥離手段)。ダイス材Dは第2巻出装置7と第2巻装置との間で所定の張力を付与されている。
なお、ダイス材Dは、前述の被加工材Wの打ち抜き加工を行う際のダイス(打ち抜き台)として働く金属材料のことであり、所定の厚みを持った長尺状の帯板である。ダイス材Dとしては、被加工材Wよりも柔らかいTi,Cu,Fe等が好ましい。
加えて、本実施形態の製造装置1は、第2巻出装置7と圧延ロール5U,5Dとの間に、ダイス材Dを加熱する加熱手段10を有している。この加熱手段10は、被加工材Wが延性材料であって塑性変形を起こすのみで、打ち抜きがうまくゆかない状況を回避するために設けられている。
加熱手段10は、ガスバーナーや電熱線等を内部に備えた加熱炉であって、当該加熱炉内をダイス材Dが通過することで、少なくともダイス材Dの上面(被加工材Wに対面する面)を約100〜約400℃程度の温度へと加熱する。ダイス材Dを加熱することで、被加工材Wとの焼き付きが起こりやすい状況を実現している。なお、焼き付きとは、接する面の温度、粗度の上昇に伴い、両面(被加工材Wの面、ダイス材Dの面)の直接接触が発生し、摩擦係数が急激に増大し、溶着、固着する現象と考えられている。
さらに、加熱手段10と押圧手段4との間には、ダイス材Dの表面温度を計測する温度計測手段11が設けられる。温度計測手段11は、赤外線温度センサなどで構成され、被加工材Wと重ね合わされる前であって圧延ロール5U,5Dに挟み込まれる直前における、ダイス材Dの表面温度を計測するようになっている。この温度計測手段11による計測値が材料ごとに予め定めた値となるように、加熱手段10内の雰囲気温度をコントロールするとよい。
また、本実施形態の製造装置1は、押圧手段4と第2巻取装置8との間に、被加工材Wからダイス材Dを剥離させた後に、ダイス材Dの表面に残留する被加工材Wを除去する被加工材除去手段12を備えている。
被加工材除去手段12は、被加工材Wを溶解可能な溶液が満たされた溶解槽や、物理的に被加工材Wを除去可能な回転ブラシ等が採用可能である。溶解槽の場合、当該溶解槽内を剥離後のダイス材Dが通過することとなる。
以上述べた構成を有す金属メッシュMの製造装置1を用いて、金属メッシュMを製造する場合は以下のようになる。
まず、金属メッシュMの元となる被加工材Wを第1巻出装置2に装着する。同時に、ダイス材Dを第2巻出装置7に装着する。
その後、両装置2,7から巻き出された被加工材W及びダイス材Dは、圧延ロール5U,5Dの直前で積層し重合材となり、押圧手段4の一対の圧延ロール5U,5Dで押圧される(図3(a)参照)。このように重合材とすることで、被加工材Wを打ち抜く際に下層のダイス材Dはダイスの役割を行い、表面凹凸パターン9の凸部はポンチの役割を果たすこととなる。
打ち抜きの際の状況は図3(b)(c)の如くであり、上側の圧延ロール5Uの表面凹凸パターン9を被加工材Wの上から押し当てることで、圧延ロール5U,5Dの表面に規則並んだ凸部で、被加工材Wを押し抜く(せん断加工する)と共に、残った網目状の部分が、圧延ロール5U,5Dの表面の凹部内に入り込む。このとき、ダイス材Dは塑性変形を起こす。
なお、打ち抜きの際、凸部で押された被加工材Wとダイス材Dとの間には高い面圧が発生すると共にダイス材Dが加熱装置で100℃以上に加熱されているため、被加工材Wとの焼き付きが起こりやすい状況となっている。ゆえに、圧延ロール5Uの凸部で圧下された被加工材Wはダイス材Dに焼き付いた状況となり、互いの面が溶着し固着状態となる(図3(b)で太線部分))。
打ち抜き後は、図3(c)に示すような積層状態で、ダイス材D及び被加工材Wは圧延ロール5U,5Dの出側に排出されるが、被加工材Wは水平方向に移動し、ダイス材Dは第2巻取装置8に巻き取られるため下流側斜め下方に移動する。
その際、図3(d)に示すように、ダイス材Dは被加工材Wから剥ぎ取られ、被加工材Wは圧延ロール5Uの凹部内に入り込んだ「編み目状部」つまり金属メッシュMとなり、第1巻取装置3に巻き取られる。ダイス材Dに焼き付いて強固に固着している被加工材W(打ち抜き部分Q)は、ダイス材Dと共に第2巻取装置8へと向かう。
被加工材Wが延性材料の場合、圧延ロール5Uによる圧延(打ち抜き)では、被加工材Wが塑性変形を起こすのみで切断することができないことがある。しかしながら、本実施形態の場合、圧延ロール5Uの凸部で押された部位に関しては、被加工材Wがダイス材Dに焼き付いて強固に固着しているため、ダイス材Dが被加工材Wから剥離される際に、打ち抜き部分Qが確実に剥ぎ取られるものとなり、メッシュ孔が確実に成形されるようになる。
言い換えるならば、打ち抜き部分Qに焼き付き現象が起こると、圧下時の切断が十分でなかったとしても、打ち抜き部分Qがダイス材Dに固着しているため、ダイス材Dが被加工材Wから引きはがされ際に、打ち抜き部分Qが通常の場合よりも切断しやすくなる。
その後、剥ぎ取られたダイス材Dは、被加工材除去手段12へと至り、溶解液や回転ブラシ等により、化学的又は物理的に被加工材Wが除去される。
被加工材W除去後のダイス材Dは、第2巻取装置8に巻き取られる。巻き取られたダイス材Dは、再利用が可能であって、第2巻出装置7に装着され、別の被加工材Wの打ち抜きの際に、ダイス材Dとしてリサイクル可能である。
図4、図5には、本発明の手法を用いて、金属メッシュMを製作した例を示している。
図4(b)は、被加工材Wとして厚さ10μmのステンレス材を採用し、ダイス材Dとして厚さ500μmのチタン材を採用し、加熱手段10でダイス材Dを加熱した場合である。図4(a)は加熱を行わずに圧延ロール5U,5Dでの圧延を行った例である。
本実施例の場合、加熱手段10としてはガスバーナを採用しており、加熱を10秒間行った。温度計測手段11で計測したダイス材Dの表面温度は、約100℃であった。
図4(a)に示すように、ダイス材Dを加熱しない場合、ほとんどの部分で打ち抜きができておらず、均一に孔の開いたメッシュMが製作できていない。それに対し、図4(b)に示すように、ダイス材Dを加熱した場合には、被加工材Wの全面において、孔の打ち抜きができており、所望とする金属メッシュMが製作できている。
図5(b)は、図4(b)と同じ条件で金属メッシュMの打ち抜きを行ったものであるが、さらに、圧延ロール5U表面の凹部と被加工材Wとの間の焼き付きを防止するために、約100℃に加温した潤滑油を塗布したものである。塗布された潤滑油は、圧延ロール5U表面の凹部にトラップされるため、凹部では焼き付きが起こりにくく、凸部に対応する部分のみで焼き付きが発生するようになる。結果としては、メッシュMとなる部分(編み目部分)では焼きつきは確認されず、本発明で意図している「ダイス材Dと被加工材Wと焼き付き」のみが発生していて、全面の打ち抜きが確実に行われた金属メッシュMが製作できた。
図5(a)は加熱なしで潤滑油も塗布せずに圧延ロール5U,5Dでの圧延を行った例である。この場合、ダイス材Dを加熱しない場合、部分的にしか孔の打ち抜きができておらず、均一に孔の開いたメッシュMが製作できていない。
以上の実施例からも明らかなように、本発明に係る製造技術によれば、5μm程度と薄く且つ加工硬化により材料強度が向上した金属メッシュMを製造することが可能となる。加えて、本発明に係る製造技術により製造した金属メッシュMは、従来の電鋳法、エッチング法に比して開口精度などには大差がないことを本願発明者らは確認しており、従来に比して高精度の金属メッシュMが低コスト、高生産性をもって製造できる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る金属メッシュMの製造装置の第2実施形態について述べる。
本実施形態の製造装置1が第1実施形態と異なるところは、圧延ロール5U,5Dでの押圧以前であって重合材を形成する前に、被加工材Wに対面するダイス材Dの表面の粗度を上げている点である。
すなわち、図1における加熱手段10に代えて、ダイス材Dの表面の粗度を上げる粗度増加手段20が設けられている点である。他の構成に関しては、第2実施形態と略同様であるため、部材に付する番号は同じとし、その説明は省略する。
粗度増加手段20は、加熱手段10と略同じ位置、第2巻出装置7と圧延ロール5Uとの間に設けられていて、ダイス材Dの表面を化学溶解可能な溶液が満たされた溶解槽や、物理的にダイス材Dの表面を削ることができるサンドブラストや回転ブラシが採用可能である。溶解槽の場合、当該溶解槽内を剥離後のダイス材Dが通過することとなる。
粗度増加手段20による化学溶解の場合は、化学溶解温度、溶液の成分、濃度、溶解時間、を材質毎に求め定義するとよい。例えば、塩化第二鉄溶液で溶解を約10秒間行うことで、Tiからなるダイス材Dの表面粗さを、0.5μm(Ra)→1.2μm(Ra)とすることができる。被加工材Wとダイス材Dとの焼き付きを確実に行わせるには、ダイス材Dの表面粗さを1μm(Ra)程度とすることが好ましいことを、本願発明者らは知見している。
なお、粗度増加手段20を設けた場合、温度計測手段11に代えて、ダイス材Dの表面の粗度を計測する粗度計測手段21(例えば、接触式粗度計)を設けるとよい。
また、被加工材除去手段12を通過し、再利用されたダイス材Dを用いる際には、その表面粗度が粗いものとなっているため、本実施形態で述べた粗度増加手段20が必ずしも必要なものとはならない。その場合、粗度増加手段20も省略できることとなる。
逆に、粗度増加手段20と加熱手段10とを併用することも可能であり、その場合、ダイス材Dと被加工材Wとの固着をより確実なものとでき、打ち抜き孔が確実に形成された金属メッシュMを製造可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の場合、押圧手段と重合手段、剥離手段とは兼用されていたが、それに限定されない。重合ロール(重合手段)や剥離ロール(剥離手段)を圧延ロール5U,5Dの上流側及び下流側に別途設ける構成としてもよい。係るロールにより、被加工材とダイス材とを明確に積層又は剥離することができる。
なお、重合手段は、被加工材W及びダイス材Dが圧延ロール5U,5Dに噛み込まれる時に、両材W,Dが平面視で重なり合うように配置する機能を備えたものであり、両材W,D(被加工材W、ダイス材D)は、互いに非接触又は接触のどちらの状態であってもよい。
また、メッシュM製造に関し、表面に凹凸が形成された圧延ロール5U,5Dを採用したが、金型を上下にプレスする方法も採用可能であって、圧下方法は問わない。また、圧下条件としては、被加工材Wの材質や厚みなどにより最適なものを選定すればよいが、強圧下であるほど、孔開け精度のよい金属メッシュMを製造することができる。
1 金属メッシュの製造装置
2 第1巻出装置
3 第1巻取装置
4 押圧手段
5U,5D 圧延ロール
6 バックアップロール
7 第2巻出装置
8 第2巻取装置
9 凹凸パターン
10 加熱手段
11 温度計測手段
12 被加工材除去手段
20 粗度増加手段
21 粗度計測手段
D ダイス材
M 金属メッシュ
Q 打ち抜き部分
W 被加工材

Claims (6)

  1. 金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成し、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧した後、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする金属メッシュの製造方法において、
    前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記ダイス材を加熱しておくことを特徴とする金属メッシュの製造方法。
  2. 金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成し、表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧した後、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする金属メッシュの製造方法において、
    前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記被加工材に対面するダイス材の表面の粗度を上げておくことを特徴とする金属メッシュの製造方法。
  3. 前記被加工材とダイス材とを剥離させた後に、前記ダイス材の表面に残留する被加工材を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属メッシュの製造方法。
  4. 金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成する重合手段と、
    表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧する押圧手段と、
    前記押圧手段で押圧された重合材において、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする剥離手段と、
    前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記ダイス材を加熱する加熱手段と、
    を有することを特徴とする金属メッシュの製造装置。
  5. 金属メッシュの元となる被加工材と金属製のダイス材とを積層して重合材を形成する重合手段と、
    表面に凹凸パターンが形成された圧延ロールで前記重合材を被加工材側から押圧する押圧手段と、
    前記押圧手段で押圧された重合材において、前記被加工材とダイス材とを剥離させて当該被加工材をメッシュ材とする剥離手段と、
    前記圧延ロールでの押圧以前であって重合材を形成する前に、前記被加工材に対面するダイス材の表面の粗度を上げる粗度増加手段と、
    を有することを特徴とする金属メッシュの製造装置。
  6. 前記被加工材とダイス材とを剥離させた後に、前記ダイス材の表面に残留する被加工材を除去する被加工材除去手段を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の金属メッシュの製造装置。
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