JP2015182107A - 滑り止め用鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エスカレータおよび鉄道車両等で床板材として用いられている、表面に凹凸を有し、識別性やデザイン性に優れた滑り止め用鋼板を生産性よく且つ低コストで安定的に製造する。
【解決手段】鋼板を、上流側に設置された軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールとフラットロールから構成された第一の圧延スタンドを通して圧延した後、その下流側に設置された上下一対のロールから構成された第二の圧延スタンドを通して圧延して、滑り止め用鋼板を製造する方法。
【選択図】図1
【解決手段】鋼板を、上流側に設置された軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールとフラットロールから構成された第一の圧延スタンドを通して圧延した後、その下流側に設置された上下一対のロールから構成された第二の圧延スタンドを通して圧延して、滑り止め用鋼板を製造する方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばエスカレータや鉄道車両等で床板材として用いられている、表面に凹凸を有する滑り止め用鋼板およびその製造方法に関するものである。
例えばエスカレータや鉄道車両等で使用されている床板材は、耐滑り止め性、デザイン性(識別性)および弾性強度等が求められており、それらの機能を持たせるために、表面に凹凸を付与した鋼板が用いられている(図6)。
凹凸を有する滑り止め床板材は、鋼板の表面をプレスで半抜き加工をして凹凸を形成している。例えば特許文献1には、プレス成形により板材に凹凸を形成する方法が紹介されている。
凹凸を有する滑り止め床板材は、鋼板の表面をプレスで半抜き加工をして凹凸を形成している。例えば特許文献1には、プレス成形により板材に凹凸を形成する方法が紹介されている。
同文献では、板材をポンチ(P1)と板押え(H1)で挟んだ後、その入り側に設置されたポンチ(P2)でZ字型に曲げ成形し、成形後にポンチ(P2)とこのポンチと板押え(H2)とで板材を挟みさらに入り側に設置されたポンチ(P3)でポンチ(P1)と面一になるまで逆方向のZ字型に曲げ成形し、成形後にポンチ(P3)と板押さえ(H3)とで板を挟み、所定の位置まで板材を出側まで送ることを繰り返すことにより凹凸に成形された波板を製造している。
また、一般的に、鋼板表面に耐滑り止め性を付与するために、エッチングにより板材表面に凹凸を形成する方法も採用されている。
さらに、エスカレータに用いられている床板材では、乗降時の安全性を確保するために、例えば特許文献2に見られるように、エスカレータの踏段の踏み面と乗降床(滑り止め床材)のコントラストを付与させるべく、踏み面を黒色、乗降床をベージュ色とし、識別性を上げることを提案している。
さらに、エスカレータに用いられている床板材では、乗降時の安全性を確保するために、例えば特許文献2に見られるように、エスカレータの踏段の踏み面と乗降床(滑り止め床材)のコントラストを付与させるべく、踏み面を黒色、乗降床をベージュ色とし、識別性を上げることを提案している。
しかしながら、エスカレータ用床板材のような滑り止め鋼板を、特許文献1等で提案されているようなプレス成形による製造しようとすると、成形および材料の送りが低速であるため、生産性に劣るという問題点がある。また、プレス成形では、滑り止めの効果に有効とされる凸部の角Rのシャープ化も成形力の制約から困難である。さらに、プレス成形による凹凸付与でのひずみで鋼板が変形するため、この変形を矯正する工程が必要となり、コスト面でも不利となる。さらにまた、金型寿命の観点で、プレス加工個数制約があり、デザイン性の自由度が低くなる。
しかも、表面に凹凸を形成した滑り止め鋼板をエスカレータ乗降床等に用いようとするとき、前記特許文献2に見られるように、塗装を施すことによりデザインおよび識別性を持たせているが、別途塗装工程を追加しようとすると、その分、コスト高となってしまう。しかも、塗装面は耐久性が低いため、エスカレータの使用に伴い、剥離および磨耗が生じ、識別性を発揮できる寿命が低いという欠点がある。
そのため、このような問題点を解消して、エスカレータや鉄道車両等の床板材として用いられている、表面に凹凸を有する滑り止め用鋼板であって、デザインや識別性にも優れた滑り止め用鋼板を生産性良く製造する方法が求められていた。
そのため、このような問題点を解消して、エスカレータや鉄道車両等の床板材として用いられている、表面に凹凸を有する滑り止め用鋼板であって、デザインや識別性にも優れた滑り止め用鋼板を生産性良く製造する方法が求められていた。
一般的に、滑り止め用として使用されている鋼板は、滑り止めの機能を発揮させるため、その表面には、正方形、長方形またはそれらに類似した形状からなる複数の凸部を並列状に配置した凹凸パターンが形成されている。滑り止め用鋼板としては、前述した滑り止め性、デザイン性、識別性および弾性強度が必要であり、滑り止め性には、凸部の角Rのシャープ化の他に平滑性も重要とされている。
本出願人は、上記の機能を有する鋼板を製造するために、種々の検討を行い、鋼板表面に凹凸を付与する第一段階の圧延を行った後、当該凹凸の凸部表面に平滑性を付与したり、微細凹凸を付与する第二段階の圧延を行うことにより、滑り止め性およびデザイン性等に優れた鋼板を効率良く生産できることを見出して、その製造方法を提案した(図7)。
本出願人は、上記の機能を有する鋼板を製造するために、種々の検討を行い、鋼板表面に凹凸を付与する第一段階の圧延を行った後、当該凹凸の凸部表面に平滑性を付与したり、微細凹凸を付与する第二段階の圧延を行うことにより、滑り止め性およびデザイン性等に優れた鋼板を効率良く生産できることを見出して、その製造方法を提案した(図7)。
図7には、2つの4段圧延機を設置した装置が示されている。圧延ラインの上流側に設置された第一の圧延スタンドの4段圧延機には、凹凸模様の段付きロールおよびフラットロールを上下ワークロールとして配置し、それぞれバックアップロールを備えている。前記段付きロールは、軸方向及び周方向に複数の大径部および小径部が並んでおり、そのロール形状に合わせて鋼板の表面に凹凸模様が形成される。圧延ラインの下流側に設置された第ニの圧延スタンドの4段圧延機には、上ワークロールとしてフラットロールまたは微細凹凸模様の段付きロールを配置し、下ワークロールにフラットロールを配置し、それぞれバックアップロールを備えている。前記第一の圧延スタンドにより凹凸加工された鋼板は、前記第二の圧延スタンドを通して、凹凸の凸部に所定の圧延加工を施した後、巻き取りリールで収納される。
ところで、上記の第一段階の圧延により成形された鋼板表面には、凸部が正方形または長方形等の形状で且つ並列状に配置された凹凸パターンが形成されている(図8(a))。第二段階の圧延により、当該鋼板の凸部表面に平滑性を付与する圧延または微細凹凸等を付与する圧延を行う場合、図8(a)のA−A線のような鋼板の凸部に接触しているロール部分は、ロールから鋼板への動力の伝達が可能である(図8(b))。その一方で、図8(a)のB−B線のような凸部間に位置するロール部分は、鋼板と非接触状態にあり、そのため、ロールから鋼板へ動力伝達を円滑に行うことができない(図8(c))。また、巻取りリールにより鋼板を圧延方向へ送る場合は、鋼板表面の凸部の一部がロールと衝突して、異音、鋼板のスリップ、鋼板へ作用する張力の変動等を引き起こす可能性がある。このように、滑り止め用鋼板をさらに安定して生産性良く製造するためには、これらの課題を解決する必要があった。
本発明は、上記の課題を解消するために案出されたものであり、表面に凹凸を有する滑り止め用鋼板を、さらに生産性良く且つ低コストで安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の滑り止め用鋼板の製造方法は、その目的を達成するため、鋼板を、上流側に設置された軸方向および円周方向の複数の大径部と小径部とが並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールとフラットロールから構成された第一の圧延スタンドを通して圧延した後、その下流側に設置された上下一対のロールから構成された第二の圧延スタンドを通して圧延することを特徴とする。
第一の圧延スタンドの段付きロールの両側端に配した小径部により、鋼板の両側端に凸部が形成され、第一の圧延スタンドと第二の圧延スタンドを通した鋼板は、その両側端部に凸部を有している。
前記圧延された鋼板は、製品板幅の寸法精度を向上させるため、圧延方向に沿った鋼板の両側端部を裁断して除去するスリット工程に供することができる。
段付きロールは、大径部および小径部が規則正しく或いはランダムに並んでいてもよい。
得られた滑り止め用鋼板に識別性を高めるために、鋼板の凸部の表面に0.2mm以下の凹凸を形成させるために、前記第二の圧延スタンドとして、それに対応した表面の上ロールとフラットな下ロールから構成された圧延スタンドを用いることが好ましい。
第一の圧延スタンドの段付きロールの両側端に配した小径部により、鋼板の両側端に凸部が形成され、第一の圧延スタンドと第二の圧延スタンドを通した鋼板は、その両側端部に凸部を有している。
前記圧延された鋼板は、製品板幅の寸法精度を向上させるため、圧延方向に沿った鋼板の両側端部を裁断して除去するスリット工程に供することができる。
段付きロールは、大径部および小径部が規則正しく或いはランダムに並んでいてもよい。
得られた滑り止め用鋼板に識別性を高めるために、鋼板の凸部の表面に0.2mm以下の凹凸を形成させるために、前記第二の圧延スタンドとして、それに対応した表面の上ロールとフラットな下ロールから構成された圧延スタンドを用いることが好ましい。
本発明方法では、第一の圧延スタンドとして、軸方向および円周方向に複数の大径部と独立した小径部が並んだ段付きロールから構成されたものを用いているので、この圧延スタンドを通すことにより、表面に角Rの小さい凹凸を形成することができる。そして、第一の圧延スタンドの段付きロールにおける両側端の小径部によって、圧延された鋼板には、両側端部にも凸部が形成される。第二段の圧延スタンドによる圧延では、上ロールのフラットな面は、鋼板の前記両側端部の凸部と常に接した状態となり、安定した圧延状況を実現できる。
また、第二の圧延スタンドとして、表面に0.2mm以下の凹凸が形成された上ロールとフラットな下ロールから構成されたものを用いることにより、前段で形成された凹凸の凸部表面に微細な凹凸が形成される。
したがって、本発明方法により、耐滑り止め性に優れるとともに、識別性やデザイン且つ板幅精度に優れた高耐久性の滑り止め用鋼板を、低コストで安定的に製造することができる。
また、第二の圧延スタンドとして、表面に0.2mm以下の凹凸が形成された上ロールとフラットな下ロールから構成されたものを用いることにより、前段で形成された凹凸の凸部表面に微細な凹凸が形成される。
したがって、本発明方法により、耐滑り止め性に優れるとともに、識別性やデザイン且つ板幅精度に優れた高耐久性の滑り止め用鋼板を、低コストで安定的に製造することができる。
前記したとおり、従来、表面に凹凸を形成した滑り止め用鋼板は、プレス成形法で製造されている。しかしながら、プレス成形法では、滑り止めの効果に有効とされる凸部の角Rのシャープ化は成形力の制約から困難である。さらに、プレス成形による凹凸付与でのひずみにより鋼板が変形するため、この変形を矯正する工程が必要となって、コスト高の一因になっている。さらにまた、金型寿命の観点で、プレス加工個数制約があり、この点からもコスト高となっている。
また、凹凸の付与方法としてエッチング法も想定されるが、エッチング法はさらに生産性が低く、使用される薬剤が作業および周辺の環境にも影響を及ぼす可能性がある。
また、凹凸の付与方法としてエッチング法も想定されるが、エッチング法はさらに生産性が低く、使用される薬剤が作業および周辺の環境にも影響を及ぼす可能性がある。
そこで、本発明者らは、滑り止め用鋼板を低コスト安定的に製造する方法として圧延法を採用した。
例えば、製造装置としての基本的構成は、図7に示すような第一の圧延スタンドおよび第二の圧延スタンドに4段圧延機を備えた圧延装置を使用できるが、上流側に配置された第一の圧延スタンドの上ワークロールは、図1(a)に示すような軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールから構成されている。下ワークロールには、フラットなワークロールが配置されている。このような構造を有する段付きロールで圧延することにより、図1(b)に示すように、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成されるとともに、鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成される。
例えば、製造装置としての基本的構成は、図7に示すような第一の圧延スタンドおよび第二の圧延スタンドに4段圧延機を備えた圧延装置を使用できるが、上流側に配置された第一の圧延スタンドの上ワークロールは、図1(a)に示すような軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールから構成されている。下ワークロールには、フラットなワークロールが配置されている。このような構造を有する段付きロールで圧延することにより、図1(b)に示すように、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成されるとともに、鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成される。
段付きロールとしては、大径部と小径部の段差が0.3mm以上のものを用いることが好ましい。
段付きロールでは、小径部と大径部とで構成される溝の底部周縁の壁部がほとんど直角に交わっているため、前記溝に素材が充填されるほどの圧下力・圧下量で圧延変形されると、この溝に素材が充填されることにより転写形成される凸部の角Rは極めて小さくなると考えられる。
段付きロールでは、小径部と大径部とで構成される溝の底部周縁の壁部がほとんど直角に交わっているため、前記溝に素材が充填されるほどの圧下力・圧下量で圧延変形されると、この溝に素材が充填されることにより転写形成される凸部の角Rは極めて小さくなると考えられる。
なお、段付きロールとフラットロールから構成された圧延スタンドのみ通しても、所望の凹凸は形成されるが、全体としての平滑性が低下することがある。このため、平滑性確保のために、上下一対のロールから構成された第二の圧延スタンドを通すようにしたものである。
表面に凹凸を形成した滑り止め用鋼板にデザイン性や識別性、さらにはより優れた耐滑り止め性を持たせるためには、前記第二の圧延スタンドとして、表面に0.2mm以下の凹凸が形成された上ロールとフラットな下ロールから構成されたスタンドを用いて圧延することが好ましい。
上記のような第二の圧延スタンドを用いることにより、鋼板凸部の表面は、0.2mm以下の微細な凹凸がランダムあるいは規則正しく形成された転写模様となり、耐滑り止め性が向上するばかりでなく、凸部と凹部との表面肌の色差により高コントラストを有する鋼板となり、識別性に優れた鋼板が提供できる。さらには、この装置により、鋼板表面に所定の凹凸を付与した後、図5に示す装置により、鋼板端面のトリーム除去を行い、板幅精度に優れた鋼板を提供できる。
上記のような第二の圧延スタンドを用いることにより、鋼板凸部の表面は、0.2mm以下の微細な凹凸がランダムあるいは規則正しく形成された転写模様となり、耐滑り止め性が向上するばかりでなく、凸部と凹部との表面肌の色差により高コントラストを有する鋼板となり、識別性に優れた鋼板が提供できる。さらには、この装置により、鋼板表面に所定の凹凸を付与した後、図5に示す装置により、鋼板端面のトリーム除去を行い、板幅精度に優れた鋼板を提供できる。
以下に、従来のプレス法、圧延法と比べて本発明の優位性を、比較例、実施例をもって説明する。
比較例1(従来例);
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅1050mm、長さ235mmのSUS304切板を用いて、タレットパンチによる凹凸加工を行った。
凹凸加工は、鋼板の凹部、凸部共に同厚の半抜き加工で、せん断変形を受ける箇所以外は板厚変化の無い断面となる。凹凸寸法は、凸部を一辺の長さが12mmの正方形とし、凸間隔を8mmでほぼ鋼板の全面に加工を行った。
鋼板は、凹凸加工でのひずみが加わった影響で反りが発生していた。反りは、滑り止め用鋼板としての機能および施工性を劣化させるため、矯正が必要となる。そこで、反りの矯正は、手作業によるハンマリングで平坦化を行った。
この製造方法で得られた鋼板は、図9に示すように、凹凸差は約0.3mmで、凸部角Rは0.4〜0.5mmであった。
比較例1(従来例);
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅1050mm、長さ235mmのSUS304切板を用いて、タレットパンチによる凹凸加工を行った。
凹凸加工は、鋼板の凹部、凸部共に同厚の半抜き加工で、せん断変形を受ける箇所以外は板厚変化の無い断面となる。凹凸寸法は、凸部を一辺の長さが12mmの正方形とし、凸間隔を8mmでほぼ鋼板の全面に加工を行った。
鋼板は、凹凸加工でのひずみが加わった影響で反りが発生していた。反りは、滑り止め用鋼板としての機能および施工性を劣化させるため、矯正が必要となる。そこで、反りの矯正は、手作業によるハンマリングで平坦化を行った。
この製造方法で得られた鋼板は、図9に示すように、凹凸差は約0.3mmで、凸部角Rは0.4〜0.5mmであった。
比較例2(従来例);
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んだ段付きロールと、下ワークロールにはフラットなワークロールを配置し、圧延により凹凸加工を行った。
図8(a)のように凹凸加工された鋼板は、さらに下流に設置された4段圧延機にて鋼板の凸部表面を圧下しようとしたが、図8(b)のA−A断面の部分では鋼板の送りが可能であったが、図8(c)のB−B断面の部分では鋼板とワークロールとの間隙により鋼板がスリップし、通常の圧延作業を安定して行うのが困難であった。
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んだ段付きロールと、下ワークロールにはフラットなワークロールを配置し、圧延により凹凸加工を行った。
図8(a)のように凹凸加工された鋼板は、さらに下流に設置された4段圧延機にて鋼板の凸部表面を圧下しようとしたが、図8(b)のA−A断面の部分では鋼板の送りが可能であったが、図8(c)のB−B断面の部分では鋼板とワークロールとの間隙により鋼板がスリップし、通常の圧延作業を安定して行うのが困難であった。
実施例1;
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには、図1(a)に示すように、鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつロールの両側端に小径部を有する形状の段付きロールを配置し、下ワークロールには、フラットなワークロールを配置した。この4段圧延機に鋼板を通して圧延により凹凸加工を行った。
この凹凸加工により、図1(b)に示すように、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成された。鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成された。
このような凹凸部を有する鋼板を、さらに下流に設置された4段圧延機の上下ワークロールにより鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延した。図1(c)のA−A断面および図1(d)のB−B断面に示すように、上ワークロールはフラット面を有しており、鋼板は両側端部に凸部を有しているので、常にワークロールと鋼板の一部とが接触している状態で凸部の表面を圧下量0.1mmで圧延することができた。この圧延機の上下ワークロールの表面には0.5μmの凹凸が形成されており、ワークロール表面肌が鋼板の凸部へ転写された。この装置で加工された鋼板の平坦度は、反りもなく矯正の必要はなかった。
この製造方法で得られた鋼板は、図2に示すような凹凸形状を有し、板幅方向に、凹凸差は約0.3mmで、凸部の角Rは0.1〜0.2mmであった。また、鋼板表面の微小凹凸は、凸部で最大0.5μm、凹部で最大7.3μmであった。
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには、図1(a)に示すように、鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつロールの両側端に小径部を有する形状の段付きロールを配置し、下ワークロールには、フラットなワークロールを配置した。この4段圧延機に鋼板を通して圧延により凹凸加工を行った。
この凹凸加工により、図1(b)に示すように、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成された。鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成された。
このような凹凸部を有する鋼板を、さらに下流に設置された4段圧延機の上下ワークロールにより鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延した。図1(c)のA−A断面および図1(d)のB−B断面に示すように、上ワークロールはフラット面を有しており、鋼板は両側端部に凸部を有しているので、常にワークロールと鋼板の一部とが接触している状態で凸部の表面を圧下量0.1mmで圧延することができた。この圧延機の上下ワークロールの表面には0.5μmの凹凸が形成されており、ワークロール表面肌が鋼板の凸部へ転写された。この装置で加工された鋼板の平坦度は、反りもなく矯正の必要はなかった。
この製造方法で得られた鋼板は、図2に示すような凹凸形状を有し、板幅方向に、凹凸差は約0.3mmで、凸部の角Rは0.1〜0.2mmであった。また、鋼板表面の微小凹凸は、凸部で最大0.5μm、凹部で最大7.3μmであった。
実施例2;
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには、鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつロールの両側端に小径部を有する形状の段付きロールを配置し、下ワークロールには、フラットなワークロールを配置した。この4段圧延機に鋼板を通して圧延により凹凸加工を行った。
この凹凸加工により、実施例1と同様に、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成された。鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成された。
このような凹凸部を有する鋼板を、さらに下流に設置された4段圧延機の上下ワークロールにより鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延した。上ワークロールはほぼフラット面を有しており、鋼板は両側端部に凸部を有しているので、常にワークロールと鋼板とが接触している状態で鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延することができた。この圧延機の上下ワークロールの表面には最大200μmの凹凸が形成されており、このワークロール表面の凹凸を鋼板の凸部表面へ転写させた。この装置で加工された鋼板は、図3に示すように、鋼板全体の凹凸加工および凸部表面の微細な凹凸加工が施され、平坦度も反りもなく矯正の必要はなかった。
この製造方法で得られた鋼板の表面は、図3に示すような凸部に微小な凹凸模様が付与されており、図4に示すような板幅方向に、凹凸差は約0.3mmで、凸部角Rは0.1〜0.2mmであった。また、鋼板表面の微小凹凸は、凸部で最大170μm、凹部で最大2.0μmであった。
耐力300Mpa、抗張力650Mpa、板厚1.5mm、板幅235mmのSUS304コイルを用いて、4段圧延機による凹凸加工を行った。4段圧延機の上ワークロールには、鋼板へ凹凸を付与させるためにロール軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が規則正しく並んでいて、かつロールの両側端に小径部を有する形状の段付きロールを配置し、下ワークロールには、フラットなワークロールを配置した。この4段圧延機に鋼板を通して圧延により凹凸加工を行った。
この凹凸加工により、実施例1と同様に、鋼板の表面全体に亘って複数の独立した凸部が形成された。鋼板の両側端部には連続的な厚みを有する凸部が形成された。
このような凹凸部を有する鋼板を、さらに下流に設置された4段圧延機の上下ワークロールにより鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延した。上ワークロールはほぼフラット面を有しており、鋼板は両側端部に凸部を有しているので、常にワークロールと鋼板とが接触している状態で鋼板の凸部表面を圧下量0.1mmで圧延することができた。この圧延機の上下ワークロールの表面には最大200μmの凹凸が形成されており、このワークロール表面の凹凸を鋼板の凸部表面へ転写させた。この装置で加工された鋼板は、図3に示すように、鋼板全体の凹凸加工および凸部表面の微細な凹凸加工が施され、平坦度も反りもなく矯正の必要はなかった。
この製造方法で得られた鋼板の表面は、図3に示すような凸部に微小な凹凸模様が付与されており、図4に示すような板幅方向に、凹凸差は約0.3mmで、凸部角Rは0.1〜0.2mmであった。また、鋼板表面の微小凹凸は、凸部で最大170μm、凹部で最大2.0μmであった。
実施例で得られた凹凸模様鋼板は、図5に示すようなスリット方式により裁断を行い、製品の板幅を所定範囲に揃えた。
比較例および各実施例で製造された滑り止め用鋼板の滑り性評価試験結果をまとめると、表1に示すとおりである。
鋼板の外観も従来と比較して凹部と凸部表面の凹凸差により、高コントラストとなることから、色差が明確になり、安全上の対策にも期待できる。実施例2については、凸部の表面に微小凹凸を有しているので、さらにその効果が期待できるものである。
鋼板の外観も従来と比較して凹部と凸部表面の凹凸差により、高コントラストとなることから、色差が明確になり、安全上の対策にも期待できる。実施例2については、凸部の表面に微小凹凸を有しているので、さらにその効果が期待できるものである。
Claims (8)
- 鋼板を、上流側に設置された軸方向および円周方向の複数の大径部と独立した小径部が並んでいて、かつ両側端に小径部を有する段付きロールとフラットロールから構成された第一の圧延スタンドを通して圧延した後、その下流側に設置された上下一対のロールから構成された第二の圧延スタンドを通して圧延することを特徴とする滑り止め用鋼板の製造方法。
- 前記第一の圧延スタンドと前記第二の圧延スタンドを通した鋼板の両側端部は、凸部を有している、請求項1に記載の滑り止め用鋼板の製造方法。
- 前記第二の圧延スタンドを通した後、鋼板の両側端部を除去する、請求項1または2に記載の滑り止め用鋼板の製造方法。
- 前記段付きロールは、前記大径部および前記小径部が規則正しく或いはランダムに並んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の滑り止め用鋼板の製造方法。
- 前記段付きロールは、前記大径部と前記小径部の段差が0.3mm以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の滑り止め用鋼板の製造方法。
- 前記第二の圧延スタンドとして、表面に0.2mm以下の凹凸が形成された上ロールとフラットな下ロールから構成された圧延スタンドを用いる請求項1〜5のいずれかに記載の滑り止め用鋼板の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で製造された滑り止め用鋼板であって、板幅方向に凹凸差0.3mm以上の1つまたは複数の凸部を有し、かつ板幅方向の当該凸部の角Rが0.3mm以下であることを特徴とする滑り止め用鋼板。
- 前記凸部表面に、0.2mm以下の微細凹凸がランダムあるいは規則的に形成されている請求項7記載の滑り止め用鋼板。
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