JP5113663B2 - 有機酸含有組成物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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- 0 CCC(C(C)*N(C(C)C)[Al])N(C(C)*C(C)(CC)c1ccc(CSC)cc1)[Al] Chemical compound CCC(C(C)*N(C(C)C)[Al])N(C(C)*C(C)(CC)c1ccc(CSC)cc1)[Al] 0.000 description 4
- YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N Cc1ccccc1 Chemical compound Cc1ccccc1 YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Description
有機EL素子は、例えば、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、等の各機能を有する層の積層によって構成される。そして、発光層はホスト材料とドーパント材料とで構成され、ホスト材料からドーパント材料にエネルギー移動等が生じ、ドーパント材料が発光機能を担う。
例えば、銅フタロシアニン系化合物を正孔注入層、アントラセン誘導体を発光層のホスト材料、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)錯体を電子輸送層とした長寿命、高発光効率の有機EL素子が開示されている。
しかしながらこのような素子構成では駆動電圧が高いという問題点があった。
しかし、このような有機EL素子の寿命は、従来の有機EL素子の寿命、即ちアントラセン誘導体が本来有する寿命には及ばない短いものであった。
1.一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物と一般式(1)で表される繰り返し単位を含有しない少なくとも1種のポリマー有機酸を含む組成物。
一般式(1):
2.前記ポリマー有機酸が含フッ素ポリマー有機酸である1に記載の組成物。
3.前記含フッ素ポリマー有機酸の全重量に対するフッ素原子の比率が20重量%以上80重量%以下である2に記載の組成物。
4.さらに、少なくとも1種の有機溶媒を含む1〜3のいずれかに記載の組成物。
5.有機エレクトロルミネッセンス材料である1〜4のいずれかに記載の組成物。
6.4に記載の組成物を有機エレクトロルミネッセンス材料用として被成膜領域に塗布し、組成物を塗布した被成膜領域から有機溶媒を蒸発させて有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜を成膜する有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜の形成方法。
7.5に記載の組成物を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜。
8.7に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.陽極と陰極と、前記陽極と陰極の間に、発光層を含む一層以上の有機薄膜層を有し、前記有機薄膜層の少なくとも一層が7に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜からなる8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(1):
一方、これらの基が無置換または置換された芳香族複素環基である場合、該基の環を構成する炭素数は4〜30が好ましく、炭素数4〜20がより好ましい。Ar1とAr2は、同一の基であることが好ましく、同一の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
Ar1とAr2は好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、あるいは、4−フェニルフェニル基を表す。
−(O)L'−D' (1'a)
−O(C=O)−D' (2'a)
−(C=O)O−D' (3'a)
(式中、D'は無置換または置換された直鎖状、分岐鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基、無置換または置換された炭素数4〜12の一価の芳香族基、無置換または置換された炭素数7〜20のアラルキル基を示し、L'は0または1を示す)
で表される基を挙げることができ、ニ置換アミノ基、スルホ基および一般式(1'a)で表される基が好ましい。一般式(1'a)で表される基としては、L'は0であることが好ましい。
Ar1とAr2の芳香族炭化水素基、あるいは芳香族複素環基上の置換基の置換位置は特に制限されない。また、置換数は制限されないが、好ましくは0〜5である。
シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチル基、2−エチルブチル基、
3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルナンメチル基、
シクロブチル基、1−メチルシクロペンチル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−ブトキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、(2−エチルブチルオキシ)メチル基、n−オクチルオキシメチル基、n−デシルオキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−iso−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、2−(2'−エチルブチルオキシ)
エチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、2−(2'−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−iso−プロポキシプロピル基、3−(n−ブトキシ)プロピル基、3−(n−ペンチルオキシ)プロピル基、3−(n−ヘキチルオキシ)プロピル基、3−(2'−エチルブトキシ)プロピル基、3−(n−オクチルオキシ)プロピル基、3−(2'−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−シクロヘキシルオキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−iso−プロポ
キシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−メトキシペンチル基、
5−エトキシペンチル基、5−n−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、6−イソプロポキシヘキシル基、6−n−ブトキシヘキシル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、4−メトキシシクロヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−(2'−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2'−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2'−n−ブトキシエトキシ)エチル基、3−(2'−エトキシエトキシ)プロピル基、2−アリルオキシエチル基、2−(4'−ペンテニルオキシ)エチル基、3−アリルオキシプロピル基、
3−(2'−ヘキセニルオキシ)プロピル基、3−(2'−ヘプテニルオキシ)プロピル基、3−(1'−シクロヘキセニルオキシ)プロピル基、4−アリルオキシブチル基、ベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−フェネチルオキシエチル基、2−(4'−メチルベンジルオキシ)エチル基、2−(2'−メチルベンジルオキシ)エチル基、2−(4'−フルオロベンジルオキシ)エチル基、2−(4'−クロロベンジルオキシ)エチル基、3−ベンジルオキシプロピル基、3−(4'−メトキシベンジルオキシ)プロピル基、4−ベンジルオキシブチル基、2−(ベンジルオキシメトキシ)エチル基、2−(4'−メチルベンジルオキシメトキシ)エチル基、フェニルオキシメチル基、4−メチルフェニルオキシメチル基、3−メチルフェニルオキシメチル基、2−メチルフェニルオキシメチル基、4−メトキシフェニルオキシメチル基、4−フルオロフェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、2−クロロフェニルオキシメチル基、2−フェニルオキシエチル基、2−(4'−メチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−エチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−メトキシフェニルオキシ)エチル基、
2−(4'−クロロフェニルオキシ)エチル基、2−(4'−ブロモフェニルオキシ)エチル基、2−(1'−ナフチルオキシ)エチル基、2−(2'−ナフチルオキシ)エチル基、3−フェニルオキシプロピル基、3−(2'−ナフチルオキシ)プロピル基、4−フェニルオキシブチル基、4−(2'−エチルフェニルオキシ)ブチル基、5−(4'−tert−ブチルフェニルオキシ)ペンチル基、6−(2'−クロロフェニルオキシ)ヘキシル基、8−フェニルオキシオクチル基、2−(2'−フェニルオキシエトキシ)エチル基、3−(2'−フェニルオキシエトキシ)プロピル基、4−(2'−フェニルオキシエトキシ)ブチル基、
n−ブチルチオメチル基、n−ヘキシルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、2−エチルチオエチル基、2−n−ブチルチオエチル基、2−n−ヘキシルチオエチル基、2−n−オクチルチオエチル基、2−n−デシルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、3−エチルチオプロピル基、3−n−ブチルチオプロピル基、4−エチルチオブチル基、4−n−プロピルチオブチル基、4−n−ブチルチオブチル基、5−エチルチオペンチル基、6−メチルチオヘキシル基、6−エチルチオヘキシル基、6−n−ブチルチオヘキシル基、8−メチルチオオクチル基、2−(2'−メトキシエチルチオ)エチル基、4−(
3'−エトキシプロピルチオ)ブチル基、2−(2'−エチルチオエチルチオ)エチル基、
2−アリルチオエチル基、2−ベンジルチオエチル基、3−(4'−メチルベンジルチオ)プロピル基、4−ベンジルチオブチル基、2−(2'−ベンジルオキシエチルチオ)エチル基、3−(3'−ベンジルチオプロピルチオ)プロピル基、2−フェニルチオエチル基、2−(4'−メトキシフェニルチオ)エチル基、2−(2'−フェニルオキシエチルチオ)エチル基、3−(2'−フェニルチオエチルチオ)プロピル基、
2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基などを挙げることができる。
一方、これらの基が無置換または置換された芳香族複素環基である場合、該基の環を構成する炭素数は4〜12が好ましい。
−tert−オクチルベンジル基、4−アリルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−(4'−メチルフェニル)ベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、4−n−ブトキシベンジル基、4−n−ヘプチルオキシベンジル基、4−n−デシルオキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシメチルベンジル基、4−イソブトキシメチルベンジル基、4−アリルオキシベンジル基、4−ビニルオキシメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、4−フェネチルオキシベンジル基、4−フェニルオキシベンジル基、3−フェニルオキシベンジル基、
4−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、2−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などを挙げることができる。
トラセニル)アミノ基、N−フェニル−N−(9−アントラセニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−フェナントリル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−フェナントリル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−フェナントリル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェナントリル)アミノ基、N−フェニル−N−(9−フェナントリル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ピレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ピレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−ピレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−フルオレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(5−アセナフチレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−フルオランテニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−トリフェニレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−トリフェニレニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフタセニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフタセニル)アミノ基、N−フェニル−N−(9−ナフタセニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−ペリレニル)アミノ基、
N−フェニル−N−(4−キノリル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−キノリル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ピリジル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−ピリジル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−ピリジル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ピリミジル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−チエニル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N,N−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]アミノ基、N,N−ビス[3−(ジフェニルアミノ)
フェニル]アミノ基、N,N−ビス[4−{N'−フェニルーN'−(2−ナフチル)アミノ}フェニル]アミノ基、N,N−ビス[3−{N'−フェニルーN'−(2−ナフチル)アミノ}フェニル]アミノ基、N,N−ビス[4−{N'−フェニルーN'−(1−ナフチル)アミノ}フェニル]アミノ基、N,N−ビス[3−{N'−フェニルーN'−(1−ナフチル)アミノ}フェニル]アミノ基、N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]アミノ基、N,N−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]アミノ基、
N,N−ビス(4−スルホフェニル)アミノ基、N,N−ビス[1−(8−スルホナフチル]アミノ基、N,N−ジ[2−(8−スルホナフチル)]アミノ基、N−(4−スルホフェニル)−N−[1−(8−スルホナフチル)]アミノ基、N−(4−スルホフェニル)−N−[2−(8−スルホナフチル)]アミノ基、3,6−ジスルホ−9H−カルバゾール−9−イル基、N,N−ビス[4−{ビス(4'−スルホフェニル)アミノ}フェニル]アミノ基、N,N−ビス[4−(3,6−ジスルホ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]アミノ基、N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−エチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−n−プロピルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−iso−プロピルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−n−ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−iso−ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−sec−ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、
N,N−ビス(4−n−ペンチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−iso−ペンチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−ネオペンチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−tert−ペンチルフェニル)アミノ基、N,N−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ビス[4−(1−メチルペンチル)フェニル]アミノ基、N,N−ビス[4−(4−メチル−2−ペンチル)フェニル]アミノ基、などを挙げることができる。
-A-(B-A)n- (1b)
(式中、Aは二価の芳香族基を示し、-B-は、単結合、アルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-SiH2-、および-SiMe2-を示し、nは0〜2の整数を示す。)で表される基が包含される。
一般式(1b)において、nは0〜2の整数を示し、0または1の整数が好ましい。
−ジベンゾチオフェンジイル基、1,8−ピレニル基、6,12−クリセニル基、1,7−ペリレニル基、2,8−ジベンゾフランジイル基、3,7−ジベンゾフランジイル基、
一般式(1b−1)、
Aの二価の芳香族炭化水素基あるいはニ価の芳香族複素環基としては、1,4-フェニレン基、1、3−フェニレン基、1,4-ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,7-フルオレンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、1,8−ピレニル基、2,7-カルバゾールジイル基、3,7−ジベンゾチオフェンジイル基、3,7−ジベンゾフランジイル基、および前記一般式(1b−1)
一般式(1b)において、-B-は、単結合、アルキレン基、-O-、-S-、-CO-、-SO-、-SO2-、-SiH2-、および-SiMe2-を示し、nは0〜2の整数を示す 。
−B−で表されるアルキレン基は、無置換であっても置換されていてもよい。無置換または置換されたアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキレン基である。
一般式(1b)において、-B-は好ましくは、単結合、アルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、-SO2-、-SiMe2から選ばれる基であり、
アルキレン基としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましい。
アルキレン基上のアルキル基とは、無置換または置換された直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。具体例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘ
プチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−エチルオクチル基、n−ドデシル基、1−メチルデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、1−ヘキシルオクチル基、n−ヘキサデシル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、(1−イソプロピルシクロヘキシル)メチル基、(2−イソプロピルシクロヘキシル)エチル基、シクロペンチル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、ボルネル基、イソボルネル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルナンメチル基、1−ビシクロ〔2.2.2〕オクチル基、1−アダマンチル基、3−ノルアダマンチル基、1−アダマンチルメチル基、シクロブチル基、1−メチルシクロペンチル基、4−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、3−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、2−フェニルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、シクロテトラデシル基などを挙げることができる。
で表される基がより好ましく、uが0または1の整数であることがより好ましい。
−(O)L −D (1a)
−O(C=O)−D (2a)
−(C=O)O−D (3a)
(式中、Dは無置換または置換された直鎖状、分岐鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基、無置換または置換された炭素数4〜12の一価の芳香族基、無置換または置換された炭素数7〜20のアラルキル基を示し、Lは0または1を示す)で表される基からなる群から選択される基であり、Z1 〜Z4 で表される置換基の好ましい例および具体例は、一般式(1)におけるAr1 とAr2 の芳香族炭化水素基、あるいは芳香族複素環基上の置換基と同様のものが挙げられる。
さらに、lとmは0または1を示す。
尚、以下の具体例としては、下記の一般式(1)におけるZ1〜Z4が水素原子である化合物を、下記の表1〜表44中に、各々対応する具体例としてAr1、Ar2、Y、X1、X2、s、t、lおよびmの組み合わせで示しているが、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくともひとつ有する高分子化合物はAr1、Ar2、X1、X2、Yの置換基およびZ1〜Z4の少なくとも一つが、スルホ基、カルボキシル基、ホスホリル基およびヒドロキシル基からなる群から選択される基である。
ここで、スルホ基、カルボキシル基、ホスホリル基およびヒドロキシル基の置換位置に特に限定はないが、好ましくは、Ar1、Ar2の置換基およびZ1〜Z4の少なくとも一つが、スルホ基、カルボキシル基、ホスホリル基およびヒドロキシル基からなる群から選択される基であり、より好ましくは、Ar1、Ar2の置換基およびZ1〜Z4の少なくとも一つが、スルホ基である。
H−N(Ar1)−Y−N(Ar2)−H (2)
(式中、Ar1、Ar2およびYは一般式(1)の通り。)
で表される化合物と一般式(3):
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。
有機酸としては、例えば、ポリマー有機酸や非ポリマー有機酸がある。
ポリマー有機酸とは、酸性基を有するポリマーのことである。酸性基は主鎖あるは側鎖どちらに置換していても良い。
ポリマー有機酸としては、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSSA)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)等が挙げられる。
非ポリマー有機酸は、ポリマー有機酸以外の有機酸を意味する。非ポリマー有機酸の好適例としては、酢酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
含フッ素ポリマー有機酸とは、分子中にフッ素原子を有するポリマー有機酸のことである。
含フッ素ポリマー有機酸としては、フッ素原子を有する、ポリマースルホン酸、ポリマーカルボン酸、ポリマーリン酸、ポリマーアクリル酸、又はこれらのうち2種以上を含む混合物が挙げられる。
尚、フッ素原子の比率は蛍光X線により測定した値を意味する。
高度にフッ素化されたポリマースルホン酸は、例えば、陽イオン交換基を持った繰り返し側鎖が主鎖に結合した構造を含んでいる。この高度にフッ素化されたポリマースルホン酸は、ホモポリマーでも、2つ以上のモノマーの共重合体であってもよい。該共重合体は、非官能モノマー(第1モノマー)と、陽イオン交換基又はその前駆体、例えば、後でスルホネート官能基へ加水分解することができるスルホニルフルオリド基(−SO2F)を持ったモノマー(第2モノマー)とから典型的には形成される。
例えば、フッ素化ビニルモノマー(第1モノマー)と、スルホニルフルオリド基(−SO2F)を有するフッ素化ビニルモノマー(第2モノマー)との共重合体を使用することができる。
第1モノマーの例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、及びそれらの組合せが挙げられる。TFEが好ましい第1モノマーである。
−(O−CF2CFRf)a−O−CF2CFR'fSO3X
(式中、Rf及びR'fは独立してF、Cl又は1〜10個の炭素原子を有するパーフルオロ化アルキル基から選択され、a=0、1又は2であり、かつ、XはH、Li、Na、K又はN(R1)(R2)であり、R1及びR2は同じ又は異なるものであり、例えば、H、CH3又はC2H5である)
尚、XはHでもよく、上に述べたように、Xは多価であってもよい。
好ましい高度にフッ素化されたポリマースルホン酸の例は、パーフルオロカーボン主鎖と、下記式で表される側鎖とを含んでなる。
−O−CF2CF(CF3)−O−CF2CF2SO3X
(ここで、Xは上に定義されたようなものである)
米国特許第4,358,545号公報及び米国特許第4,940,525号公報に開示されている高度にフッ素化されたポリマースルホン酸の例は、Xが上に定義されたようなものである側鎖−O−CF2CF2SO3Xを有する。この高度にフッ素化されたポリマースルホン酸はテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ化ビニルエーテルCF2=CF−O−CF2CF2SO2F(パーフルオロ(3−オキサ−4−ペンテンスルホニルフルオリド))(POPF)との共重合、引き続く加水分解及び必要に応じてさらなるイオン交換によって製造することができる。
有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒;ベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、クロロトルエン、キシレン等のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンを有しても良い芳香族系溶媒;シクロへキサン、メチルシクロへキサン、n−ペンタン、n−へキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロへキサノン、シクロヘプタノン、シクロペンタノン、シクロオクタノン、べンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル、酢酸アミル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−へキサンジオール、等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、シクロへキサノール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。これらのうち、溶解性、成膜の均一性、粘度特性等の観点から、アルコール系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、低級脂肪族アルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、5−ブチルベンゼン、n−へキシルベンゼン、シクロへキシルベンゼン、1−メチルナフタレン、テトラリン、アニソール、エトキシベンゼン、シクロへキサン、ビシクロへキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロへキサン、n−へキシルシクロヘキサン、デカリン、安息香酸メチル、シクロへキサノン、2−プロピルシクロへキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロへキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンがより好ましい。
例えば、粘度及び/又は表面張力を調節するための増粘剤(高分子量化合物等)、粘度降下剤(低分子量化合物等)、界面活性剤等を含有していてもよい。また、保存安定性を改善するために、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等、有機EL素子の性能に影響しない酸化防止剤を含有していてもよい。
尚、本発明の組成物は、少なくとも高分子化合物、及び有機酸を含み、より好ましくは、任意の有機溶媒を含む。さらに本発明の組成物は、該高分子化合物、有機酸及び任意の有機溶媒の他に公知の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の有機EL素子は、上述した本発明の有機EL材料薄膜を、いずれかの部材で使用していればよい。その他、具体的な素子の構造や材料等は公知のものを採用できる。
有機EL素子の構成としては、例えば、陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層以上の有機薄膜層が挟持されており、有機薄膜層の少なくとも1層が、本発明の組成物、即ち、高分子化合物と有機酸を含有する層からなる構成が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、有機薄膜層が正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有し、本発明の有機EL材料薄膜がこれらに含有されていると好ましい。特に、本発明の有機EL材料薄膜が主成分として正孔輸送層又は正孔注入層に含有されていることが好ましい。
[1]有機EL素子の構成
有機EL素子の代表的な素子構成としては、下記(1)〜(8)等の構造を挙げることができる。
(1) 陽極/発光層/陰極
(2) 陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3) 陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(4) 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(5) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(6) 陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
(7) 陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(8) 陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
これらの中で通常(5)の構成が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子は基板上に作製する。ここでいう基板は素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で、平滑な基板が好ましい。
尚、光取り出し方向の反対側に支持基板が位置する場合には透光性は不要である。
本発明の有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する機能を有するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。本発明に用いられる陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
陽極は、これらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
このように発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
有機EL素子の発光層は以下(1)〜(3)の機能を併せ持つものである。
(1)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入層より電子を注入することができる機能
(2)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能
(3)発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し発光させる機能
ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
この発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法を適用することができる。発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを有機溶媒に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
下記式(i)で表されるアントラセン。
具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあるが、好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。特に、フッ素化物、トリフルオロメチル基を導入したものが、青色系ドーパントとしては好ましい。さらに補助配位子としてアセチルアセトナート、ピクリン酸等の上記配位子以外の配位子を有していても良い。
りん光発光性のドーパントの発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70重量%であり、1〜30重量%が好ましい。りん光発光性化合物の含有量が0.1重量%未満では発光が微弱でありその含有効果が十分に発揮されず、70重量%を超える場合は、濃度消光と言われる現象が顕著になり素子性能が低下する。
正孔注入・輸送層は発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.6eV以下と小さい。このような正孔注入・輸送層としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10−4cm2/V・sであれば好ましい。
本発明の組成物を正孔輸送帯域に用いる場合、本発明の組成物単独で正孔注入・輸送層を形成してもよく、他の材料と混合して用いてもよい。
本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により正孔輸送層若しくは正孔注入層に、前記組成物以外の有機化合物を含有させてもよく、また、本発明の組成物を含む正孔輸送層若しくは正孔注入層に、公知の有機化合物を含む他の正孔輸送層若しくは正孔注入層を積層してもよい。
正孔注入・輸送層を形成する材料としては、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入・輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。本発明においては、正孔輸送能を有し、正孔輸送帯域に用いることが可能な材料を正孔輸送材料と呼ぶ。
また、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4'−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記する)、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4',4"−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を挙げることができる。
さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入・輸送層の材料として使用することができる。
また、発光層への正孔注入又は電子注入を助ける層として有機半導体層を設けてもよく、10−10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に開示してある含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。
電子注入・輸送層は、発光層への電子の注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、電子移動度が大きい。また、付着改善層は、電子注入層の中で特に陰極との付着が良い材料からなる層である。
電子注入・輸送層は数nm〜数μmの膜厚で適宜選ばれるが、特に膜厚が厚いとき、電圧上昇を避けるために、104〜106V/cmの電界印加時に電子移動度が少なくとも10−5cm2/V・s以上であることが好ましい。
Ar311は、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基であり、Ar311'は、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリーレン基又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリーレン基であり、Ar312は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。ただし、Ar311及びAr312のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核炭素数10〜60の縮合環基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のモノヘテロ縮合環基である。
L311、L312及びL313は、それぞれ、単結合、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリーレン基、又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。
R及びR311は、それぞれ水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、また、隣接するR基同士で結合して、炭素環式脂肪族環又は炭素環式芳香族環を形成していてもよい。)で表される含窒素複素環誘導体。
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭素数3〜40の含窒素複素環であり、L314は、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい原子数3〜60のヘテロアリーレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、Ar321は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar322は、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい原子数3〜60のヘテロアリール基である。)で表される含窒素複素環誘導体。
式(K)の配位子を形成する環A301及びA302の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基等の置換もしくは無置換のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基等の置換もしくは無置換のアリール基、メトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の置換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−t−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、t−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−t−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換アミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビス(アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセトキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブチル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基、シロキシ基、アシル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等の置換もしくは無置換のカルバモイル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリニル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルフォリジニル基、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基等の複素環基等がある。また、以上の置換基同士が結合してさらなる6員アリール環もしくは複素環を形成してもよい。
これらのうち、より好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又はCsであり、最も好ましいのは、Csである。
Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲナイド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。
また、電子注入・輸送層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。
尚、このような無機化合物としては、上述したアルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
陰極としては、電子注入・輸送層又は発光層に電子を注入するため、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム・カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属等が挙げられる。
この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
ここで発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。
有機EL素子は超薄膜に電界を印加するために、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入することが好ましい。
絶縁層に用いられる材料としては例えば酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられ、これらの混合物や積層物を用いてもよい。
有機EL素子を作製する方法については、例えば上記の材料及び方法により、陽極から、必要な層を順次形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
まず、透光性基板上に、陽極材料からなる薄膜を蒸着法あるいはスパッタリング法により形成し、陽極とする。
次に、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行うことができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましく、大面積化及び、低コスト化という観点からは、スピンコート法等の塗布法により形成することが好ましい。
そして、最後に陰極を積層して有機EL素子を得ることができる。陰極は蒸着法、スパッタリングにより形成できる。下地の有機物層を製膜時の損傷から守るためには真空蒸着法が好ましい。
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
その基板の上に、スピンコート法により高分子化合物A〔この化合物は、表1の例示化合物A−1とA−5の共重合体(共重合比1:1、重量平均分子量30000)をWO2007/043607の記載に従いスルホ化して製造した(繰り返し単位当たりのスルホ基数:2.5)〕と含フッ素ポリマー有機酸の全重量に対するフッ素原子の比率が59重量%であるNafion(登録商標)の混合物からなる正孔注入層(20nmの膜厚)を形成した。具体的に、高分子化合物A0.01gと、メタノール2.0gと、Nafion(登録商標)の溶液(Nafion(登録商標)、即ち、過弗化イオン交換樹脂を5重量%含有する、イソプロピルアルコール/H2O溶液、CAS−NO.66796−30−3、AldrichオーダーNO.27,470−4、検証固形分5.30重量%)0.01gを混合し、高分子化合物Aと有機酸の固形分重量比が20:1である組成物溶液を調製した。この溶液を使用してスピンコートした。
スピンコート後、ホットプレート上で1時間乾燥し、有機溶媒を蒸発させることにより、有機EL材料薄膜である正孔注入層を得た。
この膜の上に、N,N,N',N'−テトラ(4−ビフェニル)−ジアミノビフェニレン(以下、「TBDB層」)を60nmの膜厚で真空蒸着法により成膜した。この層は正孔輸送層として機能する。
ついで化合物AN1:化合物BD1(重量比;AN1:BD1=20:1)を同時蒸着し、40nmの膜厚の発光層を成膜した。
この膜上に膜厚20nmの電子輸送材Alqを成膜した。このAlqは、電子輸送層として機能する。
この後LiFを1nmで成膜し、このLiF膜上に金属Al 150nmを蒸着させ金属陰極を形成し有機EL素子を形成した。
得られた有機EL素子について、10mA/cm2における発光効率(L/J)及び駆動電圧を測定した。また、初期輝度5000cd/m2、室温での輝度半減寿命、及び駆動初期の駆動電圧に対する輝度半減時の電圧上昇値(ΔV)を測定した。結果を表45に示す。
正孔注入層における高分子化合物AとNafion(登録商標)の比率(固形分重量)を20:3に変更した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表45に示す。
正孔注入層における高分子化合物AとNafion(登録商標)の比率(固形分重量)を4:1に変更した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表45に示す。
正孔注入層を、Nafion(登録商標)を添加せず、高分子化合物Aとメタノールのみで形成した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表45に示す。
正孔注入層を、高分子化合物Aとメタノールを添加せず、Nafion(登録商標)のみで形成した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表45に示す。
正孔注入層を、高分子化合物AとNafion(登録商標)を用いずに、PEDOT/PSSA(濃度3.0%のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)溶液(H.C.StarckGmbH、Baytron (商標)P CH8000)、PEDOT:PSSA(重量比)=1:20)をスピンコートすることにより、正孔注入層を形成した他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表45に示す。
また、実施例2、3では、高分子化合物Aと有機酸の混合比を変更することで、寿命に効果が出ることが確認できた。
実施例4
パターン形成した厚さ150nmのITO透明電極を有するガラス基板(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を、中性洗剤、セミコクリーン(フルウチ化学製)、超純水、アセトン、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後にUVオゾン洗浄を行った。
その基板の上に、スピンコート法により高分子化合物B〔この化合物は表1の例示化合物A−5(重量平均分子量9300)をWO2007/043607記載の方法によりスルホ化して製造した(繰り返し単位当たりのスルホ基数:3.0)〕とポリマー有機酸であるPSSAの混合物からなる正孔注入層(65nmの膜厚)を形成した。具体的には、高分子化合物B 0.01g、メタノール0.99gと、PSSA〔ポリ(スチレンスルホン酸)〕の水溶液(PSSA、即ち、ポリマー有機酸を18重量%含有する、H2O溶液、CAS−No.28210−41−5、AldrichオーダーNo.561223)1.00gを混合し、高分子化合物Bと有機酸の固形分重量比が1:18である組成物溶液を調製した。この溶液を使用してスピンコートした。スピンコート後、ホットプレート上で1時間乾燥し、有機EL材料薄膜である正孔注入層を得た。
次に、スピンコート法によりポリフルオレン(以下、PF−1;AmericanDyeSource社製)からなる発光層(60nmの膜厚)を形成した。具体的には、PF−1のキシレン溶液(1.2重量%)を使用してスピンコートした後、ホットプレート上で30分減圧乾燥を行い、発光層を成膜した。
次に、発光層の上に、LiFを、蒸着速度0.02nm/秒で、0.5nmの膜厚で成膜した後、このLiF膜上に金属Al 100nmを蒸着させ金属陰極を形成し有機EL素子を形成した。
得られた有機EL素子について、10mA/cm2における発光効率(L/J)及び駆動電圧を測定した。また、初期輝度500cd/m2から室温で200時間の連続駆動を行なったところ、輝度の残存率は78%であった。また、駆動初期の駆動電圧に対する200時間後の電圧上昇値(ΔV')は5.5Vであった。 結果を表46に示す。
正孔注入層における高分子化合物BとPSSAの比率(固形分重量)を5:18に変更した他は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表46に示す。
正孔注入層における高分子化合物BとPSSAの比率(固形分重量)を18:18に変更した他は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表46に示す。
正孔注入層を、PSSAを添加せず、高分子化合物Bとメタノールのみで形成した他は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表46に示す。
また、実施例5、6では高分子化合物Bと有機酸の混合比を変更することで、発光効率の向上、輝度残存率の向上に効果が出ることが確認できた。
20 陰極
30 正孔注入層
32 正孔輸送層
34 発光層
36 電子注入・輸送層
40 絶縁層
Claims (9)
- 一般式(1)で表される繰り返し単位を高分子鎖中に少なくとも一つ有する高分子化合物と
一般式(1)で表される繰り返し単位を含有しない少なくとも1種のポリマー有機酸を含む組成物。
一般式(1):
- 前記ポリマー有機酸が含フッ素ポリマー有機酸である請求項1に記載の組成物。
- 前記含フッ素ポリマー有機酸の全重量に対するフッ素原子の比率が20重量%以上80重量%以下である請求項2に記載の組成物。
- さらに、少なくとも1種の有機溶媒を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 有機エレクトロルミネッセンス材料である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 請求項4に記載の組成物を有機エレクトロルミネッセンス材料用として被成膜領域に塗布し、前記組成物を塗布した被成膜領域から有機溶媒を蒸発させて有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜を成膜する有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜の形成方法。
- 請求項5に記載の組成物を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜。
- 請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 陽極と陰極と、
前記陽極と陰極の間に、発光層を含む一層以上の有機薄膜層を有し、
前記有機薄膜層の少なくとも一層が請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料薄膜からなる請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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