JP5112779B2 - 絶対位置測定装置 - Google Patents
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Description
図6は、特許文献1に開示される小型測定器としての従来のマイクロメータヘッド101を示す図である。
このマイクロメータヘッド101は、貫通孔121を有する本体102と、この貫通孔121に挿通され当該貫通孔121に沿って進退自在に支持されたスピンドル103と、スピンドル103の進退移動に応じて位相信号を発信する位相信号発信手段104と、この位相信号に基づいてスピンドル103の絶対位置を算出する演算処理手段105と、算出されたスピンドル103の絶対位置を表示する表示手段106とを備えている。
ステータ141には、スピンドル103の軸方向に貫通孔148が形成され、この貫通孔148にスピンドル103が挿通されている。このスピンドル103の外周には、2本のキー溝133、134が形成されている。第1のキー溝133は、スピンドル103の軸に沿って直線状に設けられ、第2のキー溝134は、スピンドル103の軸に対して螺旋状に設けられている。この第1のキー溝133と係合する第1のキー144を内周に有する第1の回転円筒143と、第2のキー溝134と係合する第2のキー147を内周に有する第2の回転円筒146とが、スピンドル103の軸の外周に配設されている。回転円筒143、146は、ステータ141の位置からスピンドル103の軸に沿って両方向に並んでいる。
まず、スピンドル103を回転させると、スピンドル103が軸方向に進退移動する。同時に、第1の回転円筒143は、第1のキー144と第1のキー溝133との係合により回転し、第2の回転円筒146は、第2のキー147と第2のキー溝134との係合により回転する。
また、スピンドル103の外周に螺旋状のキー溝134を精度よく加工する必要があり、製造上の負担が大きくなるという問題もある。
で変化する位相信号として検出する第2のロータリーエンコーダと、これらのロータリーエンコーダからそれぞれ出力される位相信号に基づいてスピンドルの絶対位置を演算処理する演算処理手段とを備え、第1のロータリーエンコーダは、第1のロータと、この第1のロータをスピンドルの軸周りに回転可能に保持するとともにスピンドルの回転によって回転され、外周に第1の歯車が形成された第1の保持体と、本体に支持されるとともに第1のロータと所定の隙間を介して対向配置された第1のステータとを含んで構成され、第2のロータリーエンコーダは、第2のロータと、この第2のロータをスピンドルの軸周りに回転可能に保持するとともに外周に第2の歯車が形成された第2の保持体と、本体に支持されるとともに第2のロータと所定の隙間を介して対向配置された第2のステータと、第1の歯車から第2の歯車に回転を伝達する中継歯車とを含んで構成され、前記第1の保持体は、前記スピンドルの外周に沿った円筒状に形成され、前記第2の保持体は、前記第1の保持体の外周に沿った円筒状に形成され、第1の歯車、中継歯車、および、第2の歯車の各歯数は、第1歯車および第2歯車の各回転速度に差が生じるように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1のロータリーエンコーダについては、スピンドルの回転によって第1の保持体が回転され、同時に第1のロータが回転される。すると、第1のロータと第1のステータとの間で、スピンドルの回転量に応じて第1の周期で変化する位相信号が検出される。また、第2のロータリーエンコーダについては、中継歯車によって第1の歯車の回転が第2の歯車に伝達されるので、第1の保持体の回転によって第2の保持体が回転され、同時に第2のロータが回転される。すると、第2のロータと第2のステータとの間で、スピンドルの回転量に応じて第2の周期で変化する位相信号が検出される。この際、第1の歯車、中継歯車、および、第2の歯車の各歯数が、第1歯車および第2歯車の各回転速度に差が生じるように設定されているので、第1のロータリーエンコーダで検出される位相信号の第1の周期と、第2のロータリーエンコーダで検出される位相信号の第2の周期とを、互いに異なった周期とすることができ、これらの異なる2つの周期で変化する位相信号に基づいてスピンドルの絶対位置を算出することができる。
また、第1のロータおよび第2のロータを、第1の保持体および第2の保持体の各一端部に固定して、第2のロータを第1のロータの外周位置に設けることによって、第1のステータの第1のロータに対向する面と、第2のステータの第2のロータに対向する面とを同一平面上に配置することができる。これによって、第2のステータを第1のステータの外周位置に設けて2重構造としたり、第1のステータおよび第2のステータを一体形成したりすることができ、二つのステータの占めるスペースを小さくすることができる。また、第1のステータおよび第2のステータを一体形成すれば、部品点数が少なくなり、組み立て作業の負担を軽減させることもできる。
図1は、マイクロメータヘッドの構成を示す断面図である。図2および図3は、ロータリーエンコーダの要部を示す斜視図および分解斜視図である。
このマイクロメータヘッド1は、本体2と、スピンドル3と、位相信号発信手段としてのロータリーエンコーダ4,5と、送受信制御部6と、演算処理手段としての演算処理部7と、表示手段としての表示部8とを備え、ロータリーエンコーダ4,5で検出され、演算処理部7で算出されるスピンドル3の絶対位置を表示部8に表示するように構成されている。
本体2は、略円筒状に形成され、内部に収納空間21,22を備えている。収納空間21,22は、中仕切り板23で仕切られている。この略円筒状の本体2の先端側(図中、左側)の端部および中仕切り板23には、それぞれ貫通孔24,25が形成され、本体2の基端側(図中、右側)の端部には、雌ねじ26が形成されている。これらの貫通孔24,25および雌ねじ26は、同軸上に配置されている。
第1のロータリーエンコーダ4は、ステータ41と、第1のロータ42と、第1の回転円筒(保持体)43とを備えている。
ステータ41は、円板の中央にスピンドル3が挿通される挿通孔44を有し、中仕切り板23に固定されている。具体的には、ステータ41は、中仕切り板23の貫通孔25周りに形成された縁部材27に外嵌されている。
第1の回転円筒43は、当該第1の回転円筒43にスピンドル3が挿通された状態で、ステータ41よりもスピンドル3の先端側に配設され、第1のロータ42をスピンドル3の軸周りに回転可能に支持している。すなわち、第1の回転円筒43のステータ41側の端部には、スピンドル3の外周に沿ってロータ支持部46が形成され、このロータ支持部46の外周に第1のロータ42が外嵌されている。
また、第1の回転円筒43の外周には、第1の歯車48が形成されている。この歯車48は、第1の回転円筒43においてスピンドル3の先端側の端部に設けられ、回転円筒43の他の部分の外周よりも大きい外径寸法を有している。第1の歯車48の歯数は、例えば、40枚に設定されている。
ステータ41は、第1のロータリーエンコーダ4のステータ41であり、ロータリーエンコーダ4,5に共通する部品となっている。
第2のロータ51は、円板の中央に第1のロータ42を配置可能な孔54を有し、当該第1ロータ42の外周に配置されている。また、第2のロータ51は、第1ロータ42と同様に、ステータ41と所定寸法だけ離れた位置に、ステータ41に対向して配置されている。このように、各ロータ42,51のステータ41と対向する面同士が略同一平面を形成している。
また、第2の回転円筒52の外周には、第2の歯車55が形成されている。この歯車55は、第2の回転円筒52においてスピンドル3の先端側の端部に設けられ、第1の回転円筒43の歯車48と略同じ外径寸法を有している。第2の歯車55の歯数は、例えば、41枚に設定され、第1の歯車48の歯数より1枚だけ大きくなっている。
この際、歯車48と歯車55との歯数の違いによって、各ロータ42,51は、異なる速さで回転する。例えば、本実施形態のように歯車48の歯数を40枚として、歯車55の歯数を41枚とした場合には、スピンドル3が進退移動範囲内で40回転する間に、第1のロータ42は40回転し、第2のロータ51は39回転する。
すなわち、ステータ41は、第1のロータ42の一回転あたり一周期の変化を示す位相信号を出力する。そして、第1のロータ42はスピンドル3と同期して回転するので、第1のロータ42に関する位相信号は、スピンドル3の一回転によって本発明の第1の周期の変化を示す。例えば、スピンドル3が40回転する間に40周期の変化を示す。
送受信制御部6は、第1ロータリーエンコーダ4に対する信号の送受信を制御する第1送受信制御部61と、第2ロータリーエンコーダ5に対する信号の送受信を制御する第2送受信制御部62とを備える。
同様に、第2送受信制御部62は、第2送信制御部65と第2受信制御部66とを備え、第2送信制御部65はステータ41に第2のロータ51用の所定の交流信号を送信し、第2受信制御部66はステータ41から第2のロータ51の位相信号を受信する。
第1受信制御部64および第2受信制御部66は、ステータ41から受信した各ロータ42,51の位相信号を演算処理部7に出力する。
演算処理部7は、第1のロータ42および第2のロータ51の回転角θ1,θ2をそれぞれ算出する回転角算出部71と、回転角算出部71にて算出された各ロータ42,51の回転角θ1,θ2に基づいてスピンドル3の回転位相を算出する回転位相算出部72と、この回転位相算出部72にて算出されたスピンドル3の回転位相に基づいてスピンドル3の絶対位置を算出するスピンドル位置算出部73とを備える。
また、第2回転角算出部75は、第1回転角算出部74と同様に、第2受信制御部66からの位相信号に基づいて第2のロータ51の回転角θ2を一回転内の絶対角度として算出する。
表示部8は、例えば、デジタル表示によってスピンドル3の絶対位置を表示する。
つまみ部32によってスピンドル3を回転させると、本体2の雌ねじ26とスピンドル3の送りねじ33との螺合によりスピンドル3が軸方向に進退される。スピンドル3が回転すると、スピンドル3のキー溝34に係合したキー47によって第1の回転円筒43がスピンドル3とともに回転する。
ここで、第1のロータ42はスピンドル3と同期して回転するので、第1のロータ42の一回転内の回転角θ1とは、スピンドル3の一回転内の回転角を示している。
第2のロータ51の一回転以内の位相信号がステータ41によって検出されて第2受信制御部66に送られる。続いて、第2回転角算出部75において第2のロータ51の一回転以内の回転角θ2が算出される。
(1)第2のロータ51は、第1のロータ42の回転によって中継歯車53を介して回転されるので、第1の歯車48の歯数を40枚、第2の歯車55の歯数を41枚に設定することによって、第1のロータ42の回転速度と第2のロータ51の回転速度との差を容易につけることができる。従って、各ロータリーエンコーダ4,5から出力される各位相信号の周期を互いに異なった周期とすることができ、これら二つの位相信号に基づいてスピンドル3の絶対位置を算出することができる。
例えば、前記実施形態では、第1の歯車48と第2の歯車55の歯数を異なる歯数に設定することによって、第1のロータ42の回転速度と第2のロータ51の回転速度とに差を設けると説明したが、各ロータ42,51の回転速度に差を設ける方法としては、これに限らない。例えば、図5に示すように、第1の中継歯車56Aと、第2の中継歯車56Bと、これらの中継歯車56A,56Bを同一軸上に軸支する軸部56Cとを有する中継歯車56を用いてもよく、第1の中継歯車56Aおよび第2の中継歯車56Bの各歯数を異なる枚数に設定してもよい。例えば、第1の中継歯車56Aの歯数を12枚として、第2の中継歯車56Bの歯数を13枚として、第1ロータ42よりも第2ロータ51を早く回転させるようにしてもよい。あるいは、複数の回転軸を有する多段の歯車から構成される中継歯車を用いてもよい。このようにすれば、第1の歯車48Aと第2の歯車55Aとの各歯数を同じにしても、各ロータ42,51の回転速度に差を設けることができる。
2…本体
3…スピンドル
4…第1のロータリーエンコーダ
5…第2のロータリーエンコーダ
7…演算処理部(演算処理手段)
41…ステータ(第1のステータ、第2のステータ)
42…第1のロータ
51…第2のロータ
43…第1の回転円筒(第1の保持体)
48,48A…第1の歯車
52…第2の回転円筒(第2の保持体)
53,56…中継歯車
53A,56A…第1の中継歯車
53B,56B…第2の中継歯車
53C,56C…中継歯車の軸部
55,55A…第2の歯車。
Claims (3)
- 本体と、この本体に螺合されて、軸周りに回転しながら進退自在に設けられたスピンドルと、このスピンドルの回転量を第1の周期で変化する位相信号として検出する第1のロータリーエンコーダと、前記スピンドルの回転量を第2の周期で変化する位相信号として検出する第2のロータリーエンコーダと、これらのロータリーエンコーダからそれぞれ出力される位相信号に基づいて前記スピンドルの絶対位置を演算処理する演算処理手段とを備え、
前記第1のロータリーエンコーダは、第1のロータと、この第1のロータを前記スピンドルの軸周りに回転可能に保持するとともに前記スピンドルの回転によって回転され、外周に第1の歯車が形成された第1の保持体と、前記本体に支持されるとともに前記第1のロータと所定の隙間を介して対向配置された第1のステータとを含んで構成され、
前記第2のロータリーエンコーダは、第2のロータと、この第2のロータを前記スピンドルの軸周りに回転可能に保持するとともに外周に第2の歯車が形成された第2の保持体と、前記本体に支持されるとともに前記第2のロータと所定の隙間を介して対向配置された第2のステータと、前記第1の歯車から前記第2の歯車に回転を伝達する中継歯車とを含んで構成され、
前記第1の保持体は、前記スピンドルの外周に沿った円筒状に形成され、
前記第2の保持体は、前記第1の保持体の外周に沿った円筒状に形成され、
前記第1の歯車、前記中継歯車、および、前記第2の歯車の各歯数は、前記第1歯車および前記第2歯車の各回転速度に差が生じるように設定されていることを特徴とする絶対位置測定装置。 - 請求項1に記載の絶対位置測定装置において、
前記第1のロータは、前記第1の保持体の一端部に固定され、
前記第2のロータは、前記第2の保持体の一端部に固定されるとともに、前記第1のロータの外周位置に設けられ、
前記第1のステータの前記第1のロータに対向する面と、前記第2のステータの前記第2のロータに対向する面とは、同一平面上に配置されていることを特徴とする絶対位置測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の絶対位置測定装置において、
前記第1の歯車は、前記第1の保持体の他端部に形成され、
前記第2の歯車は、前記第2の保持体の他端部に形成されるとともに、前記第1の歯車と前記スピンドルの軸方向に並んで配置され、
前記中継歯車は、前記第1の歯車に噛合する第1の中継歯車と、前記第2の歯車に噛合する第2の中継歯車と、これらの第1の中継歯車および第2の中継歯車を同一軸上に軸支する軸部とを有することを特徴とする絶対位置測定装置。
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