JP5111804B2 - エアリフトポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、揚水管の中へ供給した空気の浮力によって水をリフトアップして吐水するようにしたエアリフトポンプに関する
エアリフトポンプに関する従来技術としては特許文献1に示されるようなものがある。
特開平11−159500
図1は熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプ10の斜視図である。1は空気供給管、2は導水管、3は揚水管を表す。
図2は図1中のA−A縦断面を表す。該空気供給管1から供給された空気が空気供給口5から該揚水管3中に吹き込まれると、導水口4から導入された水が該導水管2を通って該揚水管3中で該空気と混合し、よってその浮力によって揚水され吐出口6から吐出される。
しかし、該エアリフトポンプ10における必須条件として該空気供給管1と該導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と該揚水管3との間の第2中間部12はそれぞれ完全に遮断されていなければならないが、該エアリフトポンプをブロー成形で一体成形しようとする場合、ブロー成形の特性上成形物の肉厚を任意に規制することはできず、肉厚が薄すぎて樹脂と樹脂との間に予期しない隙間ができることがあり、該空気供給管1と該導水管2との間、または該空気供給管1と該揚水管3との間を完全に遮断できないことがあるという欠点があった。
図3は図2中のB−B横断面を示し肉厚が薄すぎる場合を表している。肉厚が薄すぎて第1中間部11と第2中間部12に空隙13、13が生じており、該空気供給管1と該導水管2との間及び該空気供給管1と該揚水管3との間が連通している。
また、上記欠点を解消するために肉厚を必要以上に厚くすると圧迫された余分の樹脂が該空気供給管1、該導水管2、または該揚水管3の空洞内にはみ出し、該空洞の流通断面積を減じることになり該エアリフトポンプの性能を著しく損なうおそれがあった。
図4は同じく図2中のB−B横断面を示し肉厚が厚すぎる場合を表している。肉厚が厚すぎて空洞内にはみ出した樹脂が余肉14、14、14、14、14、14、14、14を形成している。
解決しようとする課題は、エアリフトポンプをブロー成形で一体成形しようとする場合、ブロー成形の特性上成形物の肉厚を任意に規制することはできないので、肉厚が薄すぎて樹脂と樹脂との間に予期しない隙間ができることがあり、空気供給管と導水管との間、または該空気供給管と揚水管との間を完全に遮断できず、また、上記欠点を解消するために肉厚を必要以上に厚くすると圧迫された余分の樹脂が該空気供給管、該導水管、または該揚水管の空洞内にはみ出し、該空洞の流通断面積を減じることになり該エアリフトポンプの性能を著しく損なうという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
本発明は、熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプであって、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12において、
第1中間部11の横断面上における
第1中間部11の両端の
第1段部119の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における
第2中間部12の両端の
第2段部129の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
且つ各横断面上で厚さが少なくとも2段階の厚さとなっていることを第1の主要な特徴とする。
また、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12は、
第1中間部11の横断面上における
第1中間部11の両端の
第1傾斜部118の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における
第2中間部12の両端の
第2傾斜部128の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
且つ各横断面上で
第1傾斜部118と第1中央部110の厚さ、及び第2傾斜部128と第2中央部120の厚さが、それぞれ
有限の変化率をもつ厚さの変化によって連続していることを第2の主要な特徴とする。
本発明によれば、熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプにおいて、遮断が必要な個所は十分に遮断され、尚且つ余肉がはみだすこともなくエアリフトポンプとしての性能を最大限発揮することができるという利点がある。
熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプにおいて、遮断が必要な個所は十分に遮断され、尚且つ余肉がはみだすことのないエアリフトポンプを得るという目的を、空気供給管と導水管の間の第1中間部、及び該空気供給管と揚水管の間の第2中間部において、それぞれの中間部の横断面上における両端の段部の厚さを中央部の厚さよりも厚く、且つ該横断面上における厚さを少なくとも2段階の厚さとするか、または、それぞれの中間部の横断面上における両端の傾斜部の厚さを中央部の厚さよりも厚く、且つ該横断面上における傾斜部の厚さと中央部の厚さを、有限の変化率をもつ厚さの変化によって連続させることによって、ブロー成形の持つ経済性を損なわずに実現した。
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。尚、従来例と同一の符号は同一の部材を表す。
図5は、図2中のB−B横断面に相当する本発明の第1の実施例を示す断面図である。第1中間部11の第1中央部110は
該第1中間部11の両端の
第1段部119、119よりも薄くなるように該第1中央部110と該第1段部119、119との間に段差をつけてある。
また、同様に第2中間部12の第2中央部120は
該第2中間部12の両端の
第2段部129、129よりも薄くなるように該第2中央部120と該第2段部129、129との間に段差をつけてある。
次に本発明の作用を説明する。分割金型(図示せず)内にポリプロピレン等の半溶融の熱可塑性樹脂パリソン(図示せず)を垂下させ該分割金型を型締めする。
尚、該熱可塑性樹脂パリソンに適用される該熱可塑性樹脂としてはポリプロピレンに限らず、ポリエチレンや他のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等、ブロー成形が可能な樹脂であれば何でも良い。また、該熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、硫酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等を混錬させた複合材であってもよい。
その後該パリソン内に圧縮空気を吹き込んでブローアップし、ブロー成形を完了させる。
この結果、該第1中央部110は該第1段部119、119より薄くなるよう設定されているため、該パリソンは該第1中央部110において十分に圧接され該空気供給管1と該導水管2の間は完全に遮断される。
また、該第1段部119、119は該第1中央部110より厚くなるよう設定されているため、該パリソンは該第1段部119、119において圧迫されず、余肉がはみだすことはない。
同様に、該第2中央部120は該第2段部129、129より薄くなるよう設定されているため、該パリソンは該第2中央部120において十分に圧接され該空気供給管1と該揚水管3の間は完全に遮断される。
また、該第2段部129、129は該第2中央部120より厚くなるよう設定されているため、該パリソンは該第2段部129、129において圧迫されず、余肉がはみだすことはない。
以上第1の実施例に示したように、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12において、
第1中間部11の横断面上における第1段部119の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における第2段部129の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
且つ各横断面上で厚さが少なくとも2段階の厚さとなっているため、遮断が必要な個所は十分に遮断され、尚且つ余肉がはみだすこともなくエアリフトポンプとしての性能を最大限発揮することができる。
(この段落削除)
図6は、図2中のB−B横断面に相当する本発明の第2の実施例を示す断面図である。第1中間部11の範囲において第1中央部110で最も薄くし、
該第1中間部11の両端の
第1傾斜部118、118は有限の変化率をもつ厚さの変化によって該第1中央部110から連続して厚くなるように該第1中央部110と該第1傾斜部118、118との間に傾斜をつけてある。
同様に、第2中間部12の範囲において第2中央部120で最も薄くし、
該第2中間部12の両端の
第2傾斜部128、128は有限の変化率をもつ厚さの変化によって該第2中央部120から連続して厚くなるように該第2中央部120と該第2傾斜部128、128との間に傾斜をつけてある。
尚、ここで言う「変化率」とは「厚さの変化」の微分係数を指し、「有限の変化率をもつ厚さの変化」とは該傾斜が垂直(変化率が無限大)の場合を含めないことを意味する。
また、該第1傾斜部118、118と該第1中央部110の接続個所、および該第2傾斜部128、128と該第2中央部120の接続個所においては、厚さの変化率は有限で且つ不連続となるが、厚さの変化自体は連続していることになる。
この時、該第1中央部110は該第1中間部11の範囲において最も薄く設定されているため、該パリソンは該第1中央部110において十分に圧接され完全に遮断される。
また、該第1傾斜部118、118は有限の変化率をもつ厚さの変化によって該第1中央部110から連続して厚くなるように該第1中央部110と該第1傾斜部118、118との間に傾斜をつけてあるため、該パリソンは該第1傾斜部118、118において圧迫されず、余肉がはみだすことはない。
同様に、該第2中央部120は該第2中間部12の範囲において最も薄く設定されているため、該パリソンは該第2中央部120において十分に圧接され完全に遮断される。
また、該第2傾斜部128、128は有限の変化率をもつ厚さの変化によって該第2中央部120から連続して厚くなるように該第2中央部120と該第2傾斜部128、128との間に傾斜をつけてあるため、該パリソンは該第2傾斜部128、128において圧迫されず、余肉がはみだすことはない。
尚、該第1中央部110と該第2中央部120は図6において平坦な長さを持つように描かれているが、図7に示すように該第1傾斜部118、118同士が、または該第2傾斜部128、128同士が接近してV字状となり、該第1中央部110または該第2中央部120が長さを持たない点状となっていてもよい。
この場合も、該第1中央部110または該第2中央部120において厚さの変化率は有限で且つ不連続となるが、厚さの変化自体は連続していることになる。尚、図7は図2中のB−B横断面に相当する本発明の第2の実施例を示す断面図である。
以上第2の実施例に示したように、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12は、
第1中間部11の横断面上における第1傾斜部118の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における第2傾斜部128の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
且つ各横断面上で
第1傾斜部118と第1中央部110の厚さ、及び第2傾斜部128と第2中央部120の厚さが、それぞれ
有限の変化率をもつ厚さの変化によって連続しているため、遮断が必要な個所は十分に遮断され、尚且つ余肉がはみだすこともなくエアリフトポンプとしての性能を充分発揮することができる。
(この段落削除)
本発明は、熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプに利用可能である。
熱可塑性樹脂のブロー成形で一体成形されたエアリフトポンプの斜視図 図1中のA−A縦断面図 図2中のB−B横断面図(従来例のエアリフトポンプ) 図2中のB−B横断面図(従来例のエアリフトポンプ) 図2中のB−B横断面相当図(本発明に係るエアリフトポンプ) 図2中のB−B横断面相当図(本発明に係るエアリフトポンプ) 図2中のB−B横断面相当図(本発明に係るエアリフトポンプ)
1 空気供給管
2 導水管
3 揚水管
4 導水口
5 空気供給口
6 吐水口
10 エアリフトポンプ
11 第1中間部
12 第2中間部
13 空隙
14 余肉
110 第1中央部
118 第1傾斜部
119 第1段部
120 第2中央部
128 第2傾斜部
129 第2段部
a (図示部位の寸法を示す)
b (図示部位の寸法を示す)
c (図示部位の寸法を示す)
d (図示部位の寸法を示す)
e (図示部位の寸法を示す)

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプであって、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12において、
    第1中間部11の横断面上における
    第1中間部11の両端の
    第1段部119の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における
    第2中間部12の両端の
    第2段部129の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
    且つ各横断面上で厚さが少なくとも2段階の厚さとなっていることを特徴とするエアリフトポンプ
  2. 熱可塑性樹脂のブロー成形により一体成形されたエアリフトポンプであって、空気供給管1と導水管2の間の第1中間部11、及び該空気供給管1と揚水管3の間の第2中間部12は、
    第1中間部11の横断面上における
    第1中間部11の両端の
    第1傾斜部118の厚さが第1中央部110の厚さよりも厚く、且つ第2中間部12の横断面上における
    第2中間部12の両端の
    第2傾斜部128の厚さが第2中央部120の厚さよりも厚く、
    且つ各横断面上で
    第1傾斜部118と第1中央部110の厚さ、及び第2傾斜部128と第2中央部120の厚さが、それぞれ
    有限の変化率をもつ厚さの変化によって連続していることを特徴とするエアリフトポンプ
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