JP5111334B2 - 発泡プラスチック系断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた断熱性能を有し、機械強度、難燃性など対して効果的な発泡プラスチック系断熱材に関する。
一般に、フェノール樹脂系断熱材は、熱伝導率がプラスチック系発泡体の中では、最も低く、優れた断熱性能と、燃えにくい性能から、住宅、車両、産業用途と、多岐にわたり展開されている。
下記の特許文献1には、フェノール樹脂発泡体の少なくとも片面に合成繊維不織布から成る面材が接着層なしで貼り合わされた断熱フェノール樹脂発泡体積層板が開示されている。
特許第3523196号公報
フェノール樹脂発泡体は、熱伝導率が低いため熱伝導に対する断熱に優れた効果を発揮するが、透湿性が完全でないために、通気を設けていても、気温が急激に低下する場合、断熱材表面が結露して断熱材や周辺の躯体にカビが発生する問題があった。
本発明は、上記実情に鑑み、断熱性能、難燃性、防湿性、耐結露性、および耐カビ性に優れた性能を発揮する発泡プラスチック系断熱材を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発泡プラスチック系断熱材の発明は、プラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物の表面に、セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層が設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発泡プラスチック系断熱材であって、セラミック断熱層の厚みが、0.1〜1.0mmであることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の発泡プラスチック系断熱材であって、プラスチック系発泡体が、フェノール樹脂発泡体であることを特徴としている。
本発明による発泡プラスチック系断熱材の主体をなすプラスチック製発泡体の合成樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアヌレート、尿素樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、断熱性能に優れたフェノール樹脂からなる発泡体が好ましい。ただし、用途によっては、他の樹脂発泡体も、適宜使われる。
本発明で使用される好ましいフェノール樹脂のタイプは、レゾール樹脂である。レゾール樹脂は、フェノール、又はクレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニールフェノール、レゾルシノール等のフェノール化合物と、ホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒドとの、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、又はトリメチルアミンやトリエチルアミン等の脂肪族アミンの存在下での化学反応によって得ることができる。これらの化学薬品は、通常は標準的なレゾール樹脂製造において使用されるものであってよく、本発明は、ここで記載された化学薬品に限定されるものではない。
フェノールとアルデヒドとのモル比は、特に限定されず、好ましくはフェノール:アルデヒド=1:1〜1:3、より好ましくは1:1.5〜1:2.5、特に好ましくは1:1.6〜1:2.1である。
本発明で使用されるフェノール樹脂の好ましい重量平均分子量は、400〜3,000であり、より好ましくは700〜2,000である。数平均分子量は、好ましくは150〜1,000であり、より好ましくは300〜700である。
本発明において、発泡剤は、特に限定されず、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素、炭素数1〜8の塩素化脂肪族炭化水素、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン等の弗素化炭化水素化合物(代替フロン)、トリクロロモノフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン等の塩弗素化炭化水素化合物、イソプロピルエーテル等のエーテル化合物、窒素、アルゴン、炭酸ガス、空気等が単独で又は2種以上の混合物で使用される。
発泡剤の中でも、得られる発泡体が低熱伝導率でありかつ地球温暖化の潜在的危険性が小さいことから、炭素数2〜7の脂肪族炭化水素と炭素数2〜6の塩素化脂肪族炭化水素が単独で又は2種以上の混合物で好ましく用いられ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭素数3〜6の脂肪族炭化水素とジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の炭素数2〜5の塩素化脂肪族炭化水素の2種以上の混合物が、特に好ましい。
本発明で使用される発泡剤の量は、フェノール樹脂の100重量部当り1〜20重量部であり、より好ましくはフェノール樹脂の100重量部当り3〜10重量部である。
本発明において、フェノール樹脂の重合を開始させるために使用される硬化剤は、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が用いられ、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸及びフェノールスルホン酸が好ましく、特にパラトルエンスルホン酸およびキシレンスルホン酸が好適である。
本発明においては、これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その使用量は、硬化剤の種類にもよるが、フェノール樹脂100重量部当たり、通常5〜25重量部、好ましくは7〜22重量部の範囲であり、より好ましくは10〜20重量部の範囲である。
本発明で使用される無機フィラーは、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、及び亜鉛末等の金属粉末であり、酸硬化剤との反応を調整しやすく、硬化を阻害しにくい酸化アルミニウム、炭酸カルシウムが好ましく、炭酸カルシウムが特に好ましい。
無機フィラーの添加量は、例えばフェノール樹脂の100重量部に対して0.3〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜7重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率を低下させ、強度を増大させ、かつ脆性を減少させるために、発泡体中に尿素のような有機アミノ基含有化合物を加えることができる。本発明で好適に使用される尿素の量は、フェノール樹脂100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは3〜7重量部である。
本発明で使用されるフェノール樹脂は、発泡体の製造を支援する整泡剤を含んでもよい。使用される整泡剤としては、例えばポリシロキサン系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
整泡剤の添加量は、フェノール樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜5重量部であり、より好ましくは2〜4重量部である。添加量が1重量部未満のときは、均一な発泡体気泡が得られない。一方添加量が5重量部を超えた場合は、製品コスト及び発泡体の吸水性能が増大する。
本発明においては、断熱性能の経時的な劣化を抑制するために可塑剤を添加しても良い。添加される可塑剤は、特に制限はなく、従来、フェノール樹脂発泡体において使用されている公知の可塑剤、例えばリン酸トリフェニル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、ポリエステルポリオールなどが単独で又は2種以上の混合物で用いてもよい。
本発明においては、可塑剤は、前述のフェノール樹脂100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲で用いられる。可塑剤の使用量が上記の範囲にあると、得られるフェノール樹脂発泡体の他の性能を損なうことなく、気泡壁に柔軟性を付与する効果が良好に発揮される。可塑剤の好ましい使用量は、0.5〜15重量部であり、より好ましくは1〜12重量部である。
上記において、本発明による発泡プラスチック系断熱材は、プラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物の表面に、セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層が設けられているものである。
ここで、シート状物としては、例えば、ガラスクロス、寒冷紗、織布または不織布、紙等が挙げられる。ガラスクロスには、ガラス繊維を織成してなるものの他、抄造して得られるガラスマットをも包含するものとする。また、寒冷紗、不織布は、主にポリエステルやナイロン等の合成繊維からなるものである。織布は一般的な天然繊維や合成繊維からなるものであってよい。なお、抄造して得られるガラスクロスにはガラス短繊維同士を結着するためのバインダーが含まれてもよい。該バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が挙げられる。織布、不織布を構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、綿、アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
これに対し、セラミック塗料は、例えば、中空ビーズ構造で粒径が10〜50μmであるアルミノ珪酸ソーダガラス10〜50重量%と二酸化チタン粉、ホワイトスピリット、エチレングリコール、セラミックスビーズが挙げられる。バインダーとしての合成樹脂は、例えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等であってよい。中でも、アクリル樹脂が好ましい。水系エマルション樹脂としては、例えば、アクリルシリコンエマルション、アクリルエマルション、ウレタンエマルション、アクリルウレタンエマルション、エポキシエマルション等が挙げられ、いずれか1つもしくは混合したものである。中でも、アクリルシリコンエマルションが好ましい。
上記プラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物の表面に、セラミック塗料する方法としては、ハケ塗り、スプレー塗布、ロールコーター塗布が好ましいが、シート状物の種類によっては、静電塗装、カーテン塗装、浸漬方法等も適用可能である。さらに塗布後の乾燥・塗膜化の方法については、自然乾燥、焼き付け等の方法を用いることができ、塗料性状等によって適宜選択される。
セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層の厚さは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.6〜0.8mmがより好ましい。ここで、セラミック断熱層の厚さが、0.1mm未満では、結露防止による防カビ性効果が劣り、またセラミック断熱層の厚さが、1.0mmを超えても、防カビ性効果の向上は認められず、コストが上がるだけであるため、好ましくない。
発泡性フェノール樹脂組成物は、例えば前述のフェノール樹脂に、無機フィラー、整泡剤、さらには可塑剤及び有機アミノ基含有化合物を加えて混合し、この混合物に、発泡剤および硬化剤を添加したのち、全体をミキサーにて攪拌することにより調製することができる。
発泡性フェノール樹脂組成物を用いて、フェノール樹脂発泡体を成形する方法としては、例えば、(1)組成物を金型内に注入して発泡ブロックを作る方法、(2)組成物をエンドレスコンベア上に流出させる成形方法、(3)組成物をスポット的に流出させて部分的に発泡させる方法、(4)組成物をモールド内で加圧発泡させる方法、(5)組成物を空洞中に圧入しながら充填発泡させる方法などが挙げられる。
好ましい方法としては、発泡性フェノール樹脂組成物を、あらかじめ50〜100℃に加熱された箱状の金型内に略均一的に注入し、5〜15分間温度を保持したまま発泡・硬化し、脱型することでフェノール樹脂発泡体を成形する。
他の好ましい方法としては、発泡性フェノール樹脂組成物を、連続走行するコンベアベルト上の面材に吐出させ、加熱域を通過して発泡、成形し、予め決められた形状のフェノール樹脂発泡体製品を得る方法が行われる。この製造方法において、走行するコンベアベルト上の面材に吐出された樹脂組成物は、典型的には、温度50〜100℃で、約2〜15分間、加熱炉を通過させられる。膨張する発泡体組成物の表面は、上方コンベアベルトに載置された別の面材によって押し付けられる。この発泡体の厚さは、前もって決められた厚さに制御される。加熱炉から出たフェノール樹脂発泡体は、予め決められた長さに切断される。
本発明によれば、断熱性の高いプラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物の表面に、セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層が設けられているために、プラスチック系発泡体に高い結露防止効果と耐カビ性を付与することができる。
プラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物は、形状の追従性に優れ、パイプ状の発泡体表面に被覆したり、凹凸状の発泡体表面に被覆することも可能で、該シート状物の表面に、セラミック塗料の塗布によりセラミック断熱層を形成することで、様々な産業用途に展開できる。
このように本発明によれば、断熱性能、難燃性、防湿性、耐結露性、および防カビ性に優れた性能を発揮する発泡プラスチック系断熱材を提供することができるという効果を奏する。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げる。
実施例1
フェノールとホルムアルデヒドを、モル比1:2で反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名「PF−329」)100重量部に、整泡剤としてひまし油エチレンオキサイド付加物3重量部を混合した。
このフェノール樹脂混合物103重量部に対し、発泡剤として0℃に温調した1,1,1,3,3−ペンタフロロブタン(日本ソルベイ社製、商品名「HFC−365mfc」)8重量部、硬化剤として0℃に温調したパラトルエンスルホン酸:キシレンスルホン酸の重量比=2:1の混合物15重量部を加えて、発泡性フェノール樹脂成形材料を調製した。
つぎに、この成形材料をミキサーに供給し、回転数2,000rpmで撹拌、混合し、ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布(目付40g)(シート状物)をそれぞれ敷いた上下型枠内に吐出し、温度80℃の乾燥機に入れ、15分間発泡させて成形し、50mm厚のフェノール樹脂発泡体を得た。
さらに、このフェノール樹脂発泡体の表裏両側のPET不織布(シート状物)の表面に、それぞれセラミック塗料(日進産業社製、商品名「ガイナ」)をハケで薄塗りし、第1層目を厚さ0.35mmで形成した。約3時間の乾燥後、この第1層の上に第2層目(厚さ0.35mm)を形成した。最終的には、フェノール樹脂発泡体の表裏両側のPET不織布の表面に、それぞれ厚さ0.7mmのセラミック断熱層を有する発泡フェノール樹脂断熱材を作製した。
実施例2
フェノール樹脂発泡体の片面(発泡体の外側表面)にセラミック断熱層を設けたこと以外は、実施例1と同じ操作を行うことで、フェノール樹脂断熱材を得た。
実施例3
セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層の厚さが、0.05mmである点を除いて、実施例1と同じ操作を行うことで、フェノール樹脂断熱材を得た。
比較例1
セラミック断熱層を設けない点を除いては、実施例1と同様の操作を行うことで、フェノール樹脂断熱材を得た。
つぎに、上記実施例1〜3および比較例1で得られた各種フェノール樹脂断熱材について、下記項目の性能評価試験を行った。
(a)初期熱伝導率
上記実施例1〜3および比較例1で得られた各種フェノール樹脂断熱材について、熱伝導率測定装置(英弘精機社製、商品名「HC−074 314」)を用いて、それぞれ初期熱伝導率を測定した。
ここで、初期熱伝導率(kw/h)は、製品成形時の熱伝導率(熱の伝わりやすさ)であり、測定結果の数値が低いほどよい。
(b)断熱性
上記実施例1〜3および比較例1で得られた各種フェノール樹脂断熱材を、600mmm角に切断し、得られた試験片を、ギヤオーブンの高さの中央部にセットし、該試験片でオーブン内を上部区画と下部区画に完全に仕切るようにした。そして、オーブンの頂部内面には、1Kwの棒状の遠赤外線ヒーター3基を、遠赤外線が試験片に均一に照射されるように、配置した。試験片とヒーターの距離は約300mm、ヒーター表面は250℃に設定した。なお、オーブン内のフレーム等から熱が伝達しないよう、側内面および下内面は、別の断熱材で被覆した。
熱の遮断効果として、上部区画と下部区画の雰囲気温度を測定した。ここで、上部区画温度(℃)は、遠赤ヒーターで加熱している雰囲気温度である。一方、下部区画温度(℃)は、断熱材を介して熱が伝わる雰囲気の温度であり、上部区画温度と下部区画温度との差が大きいほど、断熱性能が良いと言える。
(c)難燃性(着火状況)
上記実施例1〜3で得られた各種フェノール樹脂断熱材の試験片の表面に、セラミック断熱層側からバーナーにて、30秒間、火炎を吹き当て、断熱材が着火するか、どうかを確認した。着火しないことが、難燃性に優れていると言える。一方、比較例1で得られたフェノール樹脂断熱材の試験片の表面に、片側からバーナーにて、同様に火炎を吹き当て、断熱材が着火するか、どうかを確認した。
(d)防湿性
部屋A:温度調整及び湿度調整が可能な1000mm×1000mm×1000mmの部屋で、室内温度を25℃、相対湿度を50%に設定した。
部屋B:温度調整及び湿度調整が可能な1000mm×1000mm×1000mmの部屋で、室内温度を10℃、相対湿度を50%に設定した。
つぎに、部屋Aと部屋Bを、上記実施例1〜3および比較例1で得られた各種フェノール樹脂断熱材(35mm×1000mm×1000mm)で隔壁した。
この状態で72時間放置した後、各種断熱材を取り出し、熱伝導率(kw/h)を測定した。つぎに、これらの断熱材の熱伝導率の測定値について、初期熱伝導率からの値の変化を算出した、ここで、熱伝導率の測定値の数値が上がると、吸湿していて、防湿性が劣っていることが分かる。
(e)耐結露性、および防カビ性
断熱材の評価用の小屋を作成した。合板の上に間柱を打ち込み、その上から隙間なく断熱材を貼り合わせ、気密テープで合わせ部を固定し、さらに、間柱に合わせて断熱材の上から厚み18mmの通気胴縁で固定し、これを1片とした4面体を形成し、最後に胴縁に外壁材を打ち込んだ。上下は合板に直接断熱材を貼り合わせて固定した。この状態を、2か月間維持し、その後、4面の断熱材表面、及び周辺の結露の発生、およびカビの発生状況を目視観察した。ここで、結露が生じると、カビが発生しやすくなる。
上記の各種の評価試験について、得られた結果を、下記の表1にまとめて示した。
Figure 0005111334
上記表1の結果から明らかなように、初期熱伝導率については、本発明の実施例1〜3のフェノール樹脂断熱材によれば、製品成形時の熱伝導率の測定値が低く、好ましいものであるが、比較例1では、熱伝導率の測定値が若干高いものであった。また、断熱性については、上部区画温度(℃)による断熱性は、遠赤ヒーターで同一時間で暖めているが、比較例1のフェノール樹脂断熱材にはセラミック層が設けられていないので、熱が逃げて、本発明の実施例1〜3のフェノール樹脂断熱材を用いた場合に比べて、5℃低い測定結果であった。そして、下部区画温度(℃)による断熱性については、本発明の実施例1〜3のフェノール樹脂断熱材では、上部区画温度と下部区画温度との差が大きく、断熱性能が良いものであった。これに対し、比較例1のフェノール樹脂断熱材では、上部区画温度と下部区画温度との差が小さく、断熱性能が劣るものであった。
つぎに、難燃性(着火状況)については、本発明の実施例1〜3のフェノール樹脂断熱材では、着火が無かったが、比較例1のフェノール樹脂断熱材では、着火があり、難燃性に問題があった。
また、防湿性については、本発明の実施例1および2のフェノール樹脂断熱材では、72時間放置後の断熱材の熱伝導率の測定値と、初期熱伝導率値との変化が少ないのに対し、比較例1のフェノール樹脂断熱材では、72時間放置後の断熱材の熱伝導率の測定値と、初期熱伝導率値との変化が大きく、吸湿しているものと考えられ、防湿性に問題があった。
耐結露性および防カビ性については、本発明の実施例1および2のフェノール樹脂断熱材では、結露の発生が無く、カビの発生も無かった。これに対し、比較例1のフェノール樹脂断熱材では、結露の発生が有り、結露が生じると、カビが発生しやすくなる。なお、本発明の実施例3では、セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層の厚さが、0.05mmであり、セラミック断熱層の厚さが薄いために、多少、結露が発生し、また若干カビが発生した。

Claims (3)

  1. プラスチック系発泡体の表裏面のうちの少なくとも片面に積層されたシート状物の表面に、セラミック塗料の塗布により形成されたセラミック断熱層が設けられていることを特徴とする、発泡プラスチック系断熱材。
  2. セラミック断熱層の厚みが、0.1〜1.0mmであることを特徴とする、請求項1に記載の発泡プラスチック系断熱材。
  3. プラスチック系発泡体が、フェノール樹脂発泡体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の発泡プラスチック系断熱材。
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