JP5110670B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、複数の電極群を1つの角形の電池ケースに収容する収容構造に関する。
近年、電子機器のポータブル化およびコードレス化が急速に進んでおり、このような機器の駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギ密度を有する二次電池への要望が高まっている。また、小型機器用途のみならず、電力貯蔵装置や電気自動車用途などの大型の二次電池においても、高出力特性、長期にわたる耐久性、安全性などの特性が要求されている。二次電池のなかでも、高電圧であり、かつ高エネルギ密度を有する非水電解質二次電池の開発が盛んに行われている。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、例えば、シート状の集電体上に合剤層を形成した正極と負極との間にセパレータを配して円筒形状に捲回した電極群を、非水電解質とともに円筒型の電池ケース内に収容して構成される。また、電池の形状を機器の電池搭載用のスペースと対応する形状とすることが提案されている。具体的には、電池を機器に搭載するときのデッドスペースを少なくするために、角形の電池ケースを用いた非水電解質二次電池(以下、角形電池という)の開発も活発に行われている。角形電池は、扁平形状に捲回した電極群を、角形の電池ケースに収容して構成される。
このような角形電池は、充放電の繰り返しにより、電極群の厚みが増加し、電池が膨れてしまうことがある。このような場合には、機器の内部で膨らんだ電池が他部材と干渉したり、機器自体の外観に膨らみが生じたりする等の弊害が生じることがある。また、電池に膨らみが生じると、それに起因して、容量が低下することもある。
角形電池が充放電の繰り返しにより膨らみやすいのは、電極群が扁平形状であるがゆえに、捲回の締め付け圧力が小さく不均一だからである。また、電池ケースが扁平であるがゆえに、その横断面形状の長辺に対応する側部(幅広側部)は、電池ケースの内側からの押圧に対する耐圧能力が低い。一方、電池の膨れにより容量が低下する原因としては、電池が膨れると電池ケースと電極群との間に隙間が形成されて、電極群の座屈が引き起こされること等が挙げられる。
また、角形電池においては、角形の電池ケースに、側端部が丸みを帯びた扁平形状の電極群を収容しているために、特に電池ケースの角部にデッドスペースが生じ、エネルギ密度が低下するという問題もある。
これらの問題に対処するために、特許文献1では、複数の円筒形状の電極群を1つの角形の電池ケースに収容することで、扁平形状の電極群を使用することなく角形電池を製造することが提案されている。円筒形状の電極群だけを使用することで、角形電池の電極群の締め付け圧力を均一にすることができる。
また、特許文献2では、帯状の正極、負極、及びセパレータを、正極は正極に且つ負極は負極に重なるように少なくとも1回以上折り畳んで電極群を構成し、それを電池ケースに収容することが提案されている。このように極板等を折り畳むことで、電池ケース内のデッドスペースを小さくして、エネルギ密度を高めることができる。
特開2008−210729号公報 特開平5−101830号公報
しかしながら、特許文献1のように、複数の円筒形の電極群を一つの角形の電池ケースに収容した場合、電池ケースと各電極群との接触が線接触に近くなり、接触面積が小さくなる。このため、電極群の外周を電池ケースの内面で押さえることができなくなり、十分に電極群の膨れを抑制できなくなることがある。また、角形の電池ケースに、円筒形の電極群を収容することから、比較的大きなデッドスペースが生じるのを避けることができず、高エネルギ密度化が困難となるとともに、デッドスペースを電解質で満たす必要性があることから、発電のために必要な量以上の電解質が必要となる。
また、特許文献2のように電極群を折り畳んで電池ケースに収容する場合には、折り目の湾曲部で電極が180度折り曲げられることとなり、電極の劣化や、長期的な電池特性の劣化が引き起こされることが考えられる。また、電極を折り畳んで電極群を構成することは、電極を捲回する場合と比較すると、締め付け圧力を大きくすることができず、高エネルギ密度化を追求するために不利と考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、充放電の繰り返しによる電極群の膨れを抑えることができるとともに、高エネルギ密度化が容易な角形の非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、複数の扁平形状の電極群と、非水電解質と、前記複数の電極群及び前記非水電解質を収容する角形のケースと、を具備し、
前記複数の電極群は、それぞれ、正極、負極及びセパレータを扁平形状に捲回して構成されており、
前記ケースの横断面形状は長方形であり、
前記複数の電極群の横断面形状の短手方向が、それぞれ、前記ケースの横断面形状の短手方向と垂直となり、前記複数の電極群の軸方向が前記ケースの高さ方向と平行となるように、前記複数の電極群が前記ケースに収容されており、
前記複数の電極群の少なくとも1つは、他の電極群と横断面形状の短手方向の長さが異なっている。
また、本発明の非水電解質二次電池は、複数の扁平形状の電極群と、非水電解質と、前記複数の電極群及び前記非水電解質を収容する角形のケースと、を具備し、
前記複数の電極群は、それぞれ、正極、負極及びセパレータを扁平形状に捲回して構成されており、
前記ケースの横断面形状は長方形であり、
前記複数の電極群の横断面形状の短手方向が、それぞれ、前記ケースの横断面形状の短手方向と垂直となり、前記複数の電極群の軸方向が前記ケースの高さ方向と平行となるように、前記複数の電極群が前記ケースに収容されており、
前記複数の電極群は、前記ケースの横断面形状の長手方向に1列に並んだ2以上の電極群からなる列要素を2以上含み、前記2以上の列要素が、前記ケースの横断面形状の短手方向に並んでいる。
本発明の非水電解質二次電池によれば、充放電の繰り返しによる電極群の膨れを抑えることができるとともに、高エネルギ密度化が容易となる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成及び内容の両方に関し、本発明の他の目的及び特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の外観を示す斜視図である。 同上の非水電解質二次電池の電極群の外観を示す斜視図である。 同上の非水電解質二次電池の電極群の横断面図である。 同上の非水電解質二次電池の電極群の横断面形状を模式化して示す横断面図である。 同上の非水電解質二次電池の電池ケースの横断面形状を模式化して示す横断面図である。 同上の非水電解質二次電池の内部構造を模式化して示す横断面図である。 同上の非水電解質二次電池の複数の電極群の接続関係を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る非水電解質二次電池の電極群の構造を模式化して示す横断面図である。 同上の非水電解質二次電池の電極群の作製装置の一例の模式図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非水電解質二次電池の内部構造を模式化して示す横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非水電解質二次電池の内部構造を模式化して示す横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非水電解質二次電池の内部構造を模式化して示す横断面図である。 従来の非水電解質二次電池の内部構造を模式化して示す横断面図である。
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極及びセパレータを扁平形状に捲回して構成される複数の電極群と、非水電解質と、複数の電極群及び非水電解質を収容する角形のケースと、を具備する。ケースの横断面形状は、短手方向の長さがL1であり、長手方向の長さがL2、ただし、L1<L2、である長方形である。複数の電極群は、横断面形状の短手方向が、それぞれ、ケースの横断面形状の短手方向と垂直となり、複数の電極群の軸方向がケースの高さ方向と平行となるように、ケースに収容されている。ここで、複数の電極群は、個々に電池ケースに収容されているのではなく、共通の非水電解質と接触するように唯一つの電池ケースに収容されている。なお、「垂直」、「平行」とは、数学的に厳密な意味での「垂直」、「平行」ではなく、ある程度の角度の幅(例えば、垂直の場合は70〜110°、平行の場合は0〜20°)を有していてもよい。
電極群の横断面形状とは、例えば帯状(細長い長方形)である正極、負極及びセパレータを長手方向に捲回して構成された電極群(図2参照)であれば、正極、負極及びセパレータの幅方向(図2の「Z」の方向、または、電極群の軸方向)と垂直な平面(例えば図2の平面S)により電極群を切断したときの断面の形状である。扁平な電極群の横断面形状は、例えば図4の形状Jのように、2つの側端部が丸みを帯びるとともに、それらの中間部分は厚みがほぼ均一になっている。ここで、電極群の横断面形状の長手方向の長さX(図2参照)は、例えば図4の各側端部の頂点Aと頂点Bとを結ぶ線分ABの長さである。以下、電極群の横断面形状の長手方向を電極群の幅方向といい、長さXを、単に電極群の幅という。
電極群の横断面形状の短手方向の長さYは、扁平形状である当該横断面形状の厚みを示す線分(例えば図4の線分CD)の長さである。この例では、直線CDは、線分ABの垂直二等分線である。以下、電極群の横断面形状の短手方向を電極群の厚み方向といい、長さYを、単に電極群の厚みという。
ケースの横断面形状とは、電池ケースの高さ方向(図1の上下方向)と垂直な平面によりケースを切断したときの断面の形状である。ケースの横断面形状は、例えば図5に示すような長方形である。なお、ここでいう「長方形」には、図5に示すように、四角が面取りされているような形状を含む。ケースの横断面形状の長手方向(以下、ケースの幅方向という)の長さ(以下、単にケースの幅という)は、例えば図5の線分EFの長さである。ケースの横断面形状の短手方向(以下、ケースの厚み方向という)の長さ(以下、単にケースの厚みという)は、例えば図5の線分GHの長さである。この例では、直線GHは、線分EFの垂直二等分線である。
なお、本明細書では、電池ケースの4つの側部のうち、横断面形状の一対の長辺に対応する、幅が広い方の一対の側部を幅広側部といい、横断面形状の一対の短辺に対応する、幅が狭い方の一対の側部を幅狭側部という。
図13に、従来の角形電池の内部構造を断面図により模式的に示す。図13の電池101では、電池ケース102の内部に、扁平な1つの電極群103が電池ケース102の形状に沿って挿入されている。その結果、電池ケース102の幅方向と電極群103の幅方向とは平行となり、電池ケース102の厚み方向と電極群103の厚み方向とは平行となり、電池ケース102の高さ方向と電極群103の軸方向とは平行となっている。
一般に、角形電池は、機器の形状に合わせて、機器への搭載が容易な形状に設計する自由度が高い。そして、角形電池の電極群は、その電池ケースの形状に合わせて、各極板の幅、長さ、及び捲回数等が設計される。具体的には、電池ケースの内寸と、電池ケースに電極群を挿入するときのクリアランスとを考慮して、電極群の外寸が設計される。
ところで、角形電池は、電池ケースの内側からの押圧に対する強度が幅広側部と幅狭側部とで異なっている。すなわち、幅狭側部の方が耐圧強度は大きく、幅広側部の方が耐圧強度は小さい。さらに、電池のエネルギ密度を高めるために、電池ケースの側壁等の肉厚を薄くした場合には、幅広側部の耐圧強度は一層小さくなる。
また、扁平な電極群は、充放電の繰り返しによる電極群の膨れに対しては、幅方向は締め付け圧力が大きいために膨れにくく、厚み方向は締め付け圧力が小さいために膨れ易い。さらに、電池のエネルギ密度を高めるために集電体を薄くした場合には、電極群は厚み方向に一層膨れやすくなる。
すなわち、角形電池においては、電池の高エネルギ密度化が進むにつれて、充放電の繰り返しによる電極群の膨れは、電池ケースの幅広側部において顕著となる。
これに対して、本発明によれば、図6、及び図10〜図12に示すように、扁平形状の複数の電極群の厚み方向と電池ケースの厚み方向とが垂直となり、扁平形状の複数の電極群の幅方向と電池ケースの幅方向とが垂直となるように、各電極群が電池ケースに収容されている。これにより、角形の電池ケースの2対の側部のうち、内側からの押圧に対する耐圧能力が高く、変形しにくい幅狭側部により、扁平形状の各電極群の厚み方向の膨れを押さえつけることができる。
一方、電池ケースの内側からの押圧に対する耐圧能力が小さい幅広側部は、締め付け力が大きいためにほとんど膨れが発生しない扁平形状の電極群の幅方向と垂直である。以上の結果、電池ケース全体としての膨れを抑制することができる。
また、1つの電極群ではなく、電池ケースの何分の一かのサイズである複数の扁平な電極群を、1つの角形の電池ケースに収納しているので、電池ケースの角部で特に生じやすいデッドスペースを容易に小さくすることができる。したがって、そのデッドスペースを満たすために、発電に必要な量を超える電解質をケースに入れる必要性がなく、コストダウンが図れる。そして、ケース内部のデッドスペースが小さくなることから、実質的な高エネルギ密度化を図ることができる。
本発明の一形態では、複数の電極群の少なくとも2つが、互いに並列に接続されている。このように、並列に接続された複数の電極群を1つの電池ケースに収容することによって、容易に大電流かつ高出力を得ることができる。
本発明の他の形態では、複数の電極群の少なくとも2つが、互いに直列に接続されている。このように、直列に接続された複数の電極群を1つの電池ケースに収容することによって、容易に高電圧かつ高出力を得ることができる。
本発明のさらに他の形態では、複数の電極群が、互いに並列に接続された少なくとも2つの電極群と、互いに直列に接続された少なくとも2つの電極群とを含む。このとき、複数の電極群は3以上の電極群を含んでいる。そして、複数の電極群の少なくとも2つが互いに並列に接続され、これと、他の少なくとも1つの電極群とが直列に接続されている。あるいは、2以上の電極群を並列に接続したもの同士を直列に接続してもよい。さらには、2以上の電極群を直列に接続したもの同士を並列に接続してもよい。このとき、直列に接続されている電極群の数は、並列接続関係にある他の直列に接続されている電極群の数と等しくする必要性がある。以上の構成により、電池の電流及び電圧を、その用途に応じて最適に設計することができる。
本発明のさらに他の形態では、複数の電極群の少なくとも2つにおいて、それぞれの正極、負極及びセパレータが互いに連続している。このように、一連の正極、一連の負極、及び一連のセパレータを使用して2以上の電極群を形成することで、1回の捲回工程で2以上の電極群をまとめて形成することができる。その結果、全ての電極群にそれぞれリード等を設置する必要性がなくなり、工程数の低減及び部品点数の削減を図ることができる。また、極板等が互いに連続している複数の電極群の間では、個々の電極群を一まとめにして積み上げる工程等も不要であるので、工程数を低減することができ、製造コストの低減を図ることができる。
本発明のさらに他の形態では、複数の電極群の少なくとも1つは、横断面形状の短手方向の長さに対する横断面形状の長手方向の長さの比が、ケースの横断面形状の短手方向の長さに対する横断面形状の長手方向の長さの比よりも小さくなっている。これにより、電極群の厚みが相対的に大きくなるので、1つの角形の電池ケースに収容すべき複数の電極群の数を抑えることができ、複数の電極群を1つの角形の電池ケースに効率的に積層して収容することができる。
本発明のさらに他の形態では、複数の電極群の少なくとも1つは、他の電極群と横断面形状の短手方向の長さが異なっている。このように、厚みが他の電極群とは異なる電極群を他の電極群と混合して使用することで、他の電極群の厚みの整数倍が、電池ケースの幅と等しくならない場合にも、デッドスペースが可能な限り小さくなるように、複数の扁平な電極群を角形の電池ケースに収容することができる。これにより、電池の高エネルギ密度化が図れる。
本発明のさらに他の形態では、複数の電極群が、ケースの横断面形状の長手方向に1列に並んだ2以上の電極群からなる列要素を2以上含み、その2以上の列要素が、ケースの横断面形状の短手方向に並んでいる。この場合、複数の電極群は4以上の電極群を含む。これにより、複数の電極群が、電池ケースの幅方向及び厚み方向の両方に並ぶように電池ケースに収容される。その結果、使用し得る電極群のサイズが予め決められているような場合にも、角形の電池ケースの幅及び厚みを比較的自由に設定しながら、デッドスペースが可能な限り小さくなるように複数の扁平な電極群を角形の電池ケースに収容することができる。その結果、一層の高エネルギ密度化を図ることができる。さらに、電池の設計自由度が高くなるという効果が得られる。
本発明のさらに他の形態では、ケースの横断面形状の短手方向で隣り合う少なくとも2つの列要素を構成する電極群の横断面形状の長手方向の長さが互いに異なっている。これにより、複数の電極群を電池ケースの幅方向及び厚み方向の両方に並べるときに、電極群の幅の整数倍が、角形の電池ケースの厚みと等しくならない場合にも、デッドスペースが可能な限り小さくなるように複数の扁平な電極群を角形の電池ケースに収容することができる。よって、機器の電池搭載用のスペースに適合するような形状の角形電池を作製することが容易となる。その結果、電池の設計自由度が大きくなり、例えば、電気自動車等で電池収納スペースを一箇所にまとめて確保できないような場合にも対応可能な大容量の角形電池を容易に作製することができる。
以下、本発明の非水電解質二次電池の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に、本発明の一実施形態に係る非水電解質電池の外観を斜視図により示す。図2に、図1の電池の内部に収容される電極群を斜視図により示す。
図示例の電池1は、電池ケース2が扁平角形である、いわゆる角形電池である。電池ケース2には、図2に示すような扁平な形状の電極群5が複数個(図6等参照)収容されるとともに、図示しない非水電解液が充填されている。なお、図1中の符号L1、L2、及びL3は、それぞれ、電池ケース2の横断面形状の長手方向の長さ(電池ケースの幅)及び短手方向の長さ(電池ケースの厚み)、並びに電池ケース2の高さの内寸を示している。
電池1においては、深絞り加工により得られた片側開口の電池ケース2の開口端部に、マイナス端子となる突起部3を備えた封口板4が、レーザーで溶接されて、電池ケース2の開口を封口している。封口板4は、図示しないPTC素子及び防爆弁を安全機構として備えている。図2中のX、Y、及びZは、それぞれ、扁平な電極群5の横断面形状の長手方向の長さ(電極群の幅)及び短手方向の長さ(電極群の厚み)、並びに電極群5の軸方向の長さを示している。
図3に、電極群の横断面図を示す。この横断面図は、図2の電極群5を、平面Sで切断したときの断面図である。平面Sは、電極群5の軸方向(Z方向)と垂直な平面である。図示例の電極群5は、図示しない帯状の正極集電体の両面に正極活物質を含む図示しない正極活物質層が形成された正極板6と、図示しない帯状の負極集電体の両面に負極活物質を含む図示しない負極合剤層が形成された負極板7と、それらの間に隔壁として配された帯状の2枚のセパレータ8と、を扁平な形状に捲回して構成されている。
より具体的には、図示例の電極群5では、2枚の帯状のセパレータ8の間に帯状の正極板6を挟み、その外側に帯状の負極板7を添えた状態で、これらの4つの部材を捲回している。正極板6、及び負極板7にはそれぞれ、外部端子に導通する正極リード及び負極リード(ともに図示せず)が接続される。
負極リードは、封口板4とは絶縁された突起部3と接続されている。これにより、突起部3は電池1のマイナスの外部端子となっている。正極リードは、封口板4と接続されている。封口板4は、電池ケース2と導通しており、電池ケース2及び封口板4が電池1のプラスの外部端子となっている。
図4に、図3に示した電極群の横断面をさらに模式化して示す。図4においては、2枚のセパレータ8、それらの間の正極板6、及び、その外側に添えられた負極板7の4つの部材を1本の曲線で表している。以下、その4つの部材を部材群Kという。図中、閉じた曲線Jは、電極群5の横断面形状の輪郭線である。曲線Jで示すように、電極群5の横断面形状は、2つの側端部が丸みを帯びるとともに、それらの中間部分の厚みがほぼ均一な扁平形状である。ここで、電極群5の幅Xは、例えば図4の各側端部の頂点Aと頂点Bとを結ぶ線分ABの長さである。電極群の厚みYは、例えば当該横断面形状の厚みを示す線分CDの長さである。直線CDは、線分ABの垂直二等分線である。
図5に、電池ケースの横断面形状を模式化して示す。電池ケース2の横断面形状とは、電池ケース2の高さ方向(図1の上下方向)と垂直な平面により電池ケース2を切断したときの断面の形状である。図示例の電池ケース2の横断面形状は長方形である。電池ケース2の幅は線分EFの長さである。点E及びFは、それぞれ、一対の幅狭側部2aと対応する各辺(短辺)の中点である。電池ケース2の厚みは線分GHの長さである。直線GHは、線分EFの垂直二等分線である。つまり、点G及びHは、それぞれ、一対の幅広側部2bと対応する各辺(長辺)の中点である。
図6に、実施形態1の非水電解質二次電池の内部構造を示す。図示例の電池1においては、電池ケース2の厚み方向と、複数(図示例では7つ)の電極群5のそれぞれの厚み方向とが垂直となるように、複数の電極群5が積層された状態で、電池ケース2に収納されている。
電池ケース2に収容する前に、複数の電極群5を厚み方向に積層された状態で保持するように、複数の電極群5を一纏めにして例えば別のセパレータ8により拘束しておくのが好ましい。これにより、複数の電極群5を、セパレータ8により拘束した状態で電池ケース2に収容することができる。したがって、複数の電極群5を電池ケース2に収容する工程を簡易化及び短時間化することができる。図6は、複数の電極群5を1枚の他のセパレータ8により拘束して電池ケース2に収容した場合を示している。複数の電極群5を1つずつ電池ケース2に収容するような場合には、上記のセパレータ8の使用は必須ではない。
ここで、各電極群5の幅Xは、クリアランスを無視すれば、電池ケース2の内寸の厚みL1と等しくなっている。同様に、電池ケース2の内寸の幅L2は、各電極群5の厚みYの整数倍(図示例では、7倍)と等しくなっている。
以上の構成によれば、耐膨れ強度が小さくて膨れやすい電極群5の厚み方向が、電池ケース2の耐圧強度の大きい幅狭側部2aと相対し、耐膨れ強度が大きくて膨れにくい電極群5の幅方向Xが、電池ケース2の耐圧強度の小さい幅広側部2bと相対している。そのため、充放電の繰り返しによる角形電池の膨れを抑制することができる。
さらに、電池1においては、電極群5の厚みYに対する幅Xの比:X/Yは、電池ケース2の厚みL1に対する幅L2の比:L2/L1よりも小さくなっているのが好ましい。つまり、電極群5と電池ケース2との間で、下記式(1)が満足されるのが好ましい。
X/Y<L2/L1 (1)
式(1)が満足されることにより、電極群5の幅Xに対する厚みYが、電池ケース2の幅L2に対する厚みL1と比べて相対的に大きくなるので、電池ケース2に収容すべき電極群5の個数を少なくすることができ、複数の電極群5を効率的に電池ケース2に収容することができる。
図7に、複数の電極群5の間の電気的な接続関係の例を示す。上述したとおり、複数の電極群5の正極板6には正極リードが溶接されており、負極板7には負極リードが溶接されている。
図7(a)では、隣り合う2つの電極群5の正極リードが共に上側に配置され、隣り合う2つの電極群5の負極リードが共に下側に配置されている。そして、正極リード同士が導体9により接続され、負極リード同士が別の導体9により接続されている。これにより、少なくとも2つの電極群5が並列に接続されている。その結果、大電流かつ高出力の電池特性を容易に得ることができる。
図7(b)では、隣り合う2つの電極群5の正極リードが共に上側に配置され、隣り合う2つの電極群5の負極リードが共に下側に配置されている。そして、2つの電極群5の一方(図の左側の電極群5)の正極リードと、2つの電極群5の他方(図の右側の電極群5)の負極リードとが導体10により接続されている。これにより、少なくとも2つの電極群5が直列に接続されている。その結果、高電圧かつ高出力の電池特性を容易に得ることができる。
図7(c)では、隣り合う2つの電極群5の一方(図の左側の電極群5)の正極リードは上側に、他方(図の右側の電極群5)の正極リードは下側に配置され、隣り合う2つの電極群5の一方の負極リードは下側に、他方の負極リードは上側に配置されている。そして、2つの電極群5の一方の負極リードが、他方の電極群5の正極リードと接続されている。これにより、少なくとも2つの電極群5が直列に接続される。その結果、大電流かつ高出力の電池特性を容易に得ることができる。
また、上述の直列接続と並列接続とを組み合わせて、各電極群5を接続することで、高電流性及び高電圧性を電池の用途に応じて最適に設計した電池を得ることができる。例えば、2以上の電極群5を並列に接続したもの同士を直列に接続したり、2以上の電極群5を並列に接続したものと他の少なくとも1つの電極群5とを直列に接続したり、することができる。あるいは、2以上の電極群5を直列に接続したもの同士を並列に接続することができる。
(実施形態2)
図8に、実施形態2の非水電解質二次電池に使用される電極群を模式的に示す。図8においては、図4におけると同様に、2枚のセパレータ8、正極板6、及び負極板7からなる4つの部材を、1本の曲線で表している。これを部材群Kという。
図8に示すように、実施形態2においては、例えば図6に示したように配置される各電極群の中で、隣り合う少なくとも2つの電極群12は、それぞれを構成する正極板6、負極板7及びセパレータ8が、それぞれ、連続する1つの部材で構成されている。各電極群をこのような構成とすることで、1回の捲回工程で2以上の扁平な電極群12を形成することができる。これにより、全ての電極群毎にリード等を設置する工程や、例えばセパレータ8を使用して個々の電極群を一まとめに積み上げる工程等が発生することなく、製造コストの低減を図ることができる。
図9に示すように、各電極群12は、例えば、所定距離をおいて配置される少なくとも2つの巻芯13を使用して作製することができる。例えば、これらの巻芯13で1本の部材群Kを同じ向きに捲回しながら、各巻芯13を互いに近づけていく。これにより、各電極群12を作製できる。各巻芯13は、部材群Kを挟みつけるように平行に配置される2枚の薄板状部材から構成し得る。なお、図9において、部材群Kは、図の左右方向にさらに延びているが、その部分は省略している。
(実施形態3)
図10に、本発明の実施形態3の非水電解質二次電池の内部構造を断面図により示す。図示例の電池14においては、厚みの異なる複数種類(図示例では2種類)の扁平な電極群5及び15が電池ケース2に収容されている。電池14においても、実施形態1〜2と同様に、全ての電極群5及び15の厚み方向が電池ケース2の厚み方向と垂直であり、全ての電極群5及び15の軸方向が電池ケース2の高さ方向と平行である。
電極群15の幅は、電極群5と同じであるが、電極群15の厚みは、電極群5の厚みと異なっている。電極群15の厚みは、電極群5の厚みよりも小さくすることもできるし、大きくすることもできる。図示例の電池14では、電極群15の厚みは、電極群5の厚みよりも小さくなっている。また、電極群の厚みは2種類に限らず3種類以上とすることができる。
上記の構成によれば、電池ケース2の内寸の幅L2が、扁平な電極群の厚みXの整数倍と一致しない場合にも、デッドスペースを発生させることなく効率的に、扁平な複数の電極群を角形の電池ケースに収容することが可能となる。なお、厚みが互いに異なる、電極群5と電極群15との間でも、実施形態2のように(図8参照)、連続した極板等を使用することができる。
(実施形態4)
図11に、本発明の実施形態4の非水電解質二次電池の内部構造を断面図により示す。図示例の電池16においては、複数の電極群5が、電池ケース2の幅方向だけではなく、厚み方向にも積層されている。電池ケース2の幅方向に並ぶ2以上の電極群5は行要素を構成している。電池ケース2の厚み方向には複数(図示例では2つ)の行要素が並んでいる。電池16においても、全ての電極群5の厚み方向が電池ケース2の厚み方向と垂直であり、全ての電極群5の軸方向が電池ケース2の高さ方向と平行である。
上記の構成により、電池ケース2の厚みが、幅と比較して、余り小さくない場合、つまり、電池ケース2の横断面形状が正方形に近い場合であっても、大きなデッドスペースを生じることなく、電極群5を電池ケース2に効率的に収容することができる。よって、角形電池の一層の高エネルギ密度化を達成することができる。なお、実施形態4の電池16において、電池ケース2の厚み方向に並ぶ複数の電極群の間でも、実施形態2のように、連続した極板等を使用することができる。また、行要素を構成する電極群の厚みは全て同じである必要はなく、図10のように、厚みの異なる複数種類の扁平な電極群を使用してもよい。
(実施形態5)
図12に、本発明の実施形態5の非水電解質二次電池の内部構造を断面図により示す。図示例の電池17においても、実施形態4と同様に、電池ケース2の幅方向及び厚み方向の両方に電極群が積層されている。電池17が、電池16と異なるのは、電池ケース2の幅方向に、厚みが互いに異なる複数種類(図示例では2種類)の扁平な電極群が積層されるとともに、電池ケース2の厚み方向にも、幅が互いに異なる複数種類(図示例では2種類)の扁平な電極群が積層されている点である。
すなわち、電池17においては、電池ケースの厚み方向(図の上下方向)に電極群が2列にならんでおり、その下側の列(列要素)には、厚みが互いに異なる、2種類の電極群5と電極群15とを混合して積層している。一方、上側の列(列要素)には、厚みが互いに異なる、2種類の電極群18と電極群19とを混合して積層している。そして、上下に並ぶ電極群18と電極群5とは、厚みは同じであるが、幅が互いに異なっている。図示例では、電極群18の幅は、電極群5の幅よりも短くなっている。
同様に、上下に並ぶ電極群19と電極群15とは、厚みは同じであるが、幅が互いに異なっている。図示例では、電極群19の幅は、電極群15の幅よりも短くなっている。電池17においても、全ての電極群5、15、18及び19の厚み方向は電池ケース2の厚み方向と垂直であり、全ての電極群5、15、18及び19の軸方向が電池ケース2の高さ方向と平行である。それらの電極群の極板等を一連のものとしてもよいのは、上記の各実施形態と同様である。電極群の幅を3種類以上としてよいのも同様である。
上記の構成により、幅及び厚みが様々である電池ケース2に対応して、可能な限りデッドスペースを小さくすることができる。よって、角形電池の一層の高エネルギ密度化を達成することができる。その結果、発電のために本来不必要な量の電解液を電池ケース2に注入する必要性を解消することができる。
以下、非水電解質二次電池の各構成要素について、さらに詳細に説明する。
(正極)
正極は、例えば、シート状の正極集電体と、正極集電体の表面に付着した正極合剤層とから構成される。正極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の正極集電体、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、及びチタン合金などで形成された金属箔が使用できる。正極集電体の材料は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、電子伝導性、耐食性などを考慮して適宜選択できる。正極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
正極合剤層は、正極活物質の他、導電剤、結着剤、及び増粘剤などを含有してもよい。正極活物質としては、例えばリチウムイオンをゲストとして受け入れるリチウム含有遷移金属化合物が使用できる。リチウム含有遷移金属化合物としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムから選ばれる少なくとも一種の金属とリチウムとの複合金属酸化物である、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiCoxNi1-x2(ただし、0<x<1)、LiCoy1-y2(ただし、0.6≦y<1)、LiNiz1-z2(ただし、0.6≦z<1)、LiCrO2、αLiFeO2、及びLiVO2などが例示できる。上記組成式において、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb及びBの群から選ばれる少なくとも1つの元素(特に、Mg及び/又はAl)を示す。正極活物質は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
結着剤は、分散媒に混練により溶解又は分散できるものであれば特に限定されない。結着剤としては、例えば、フッ素樹脂、ゴム類、アクリルポリマー又はビニルポリマー(アクリル酸メチル、アクリロニトリルなどのアクリルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルモノマーなどのモノマーの単独又は共重合体など)などが例示できる。フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが例示できる。ゴム類としては、アクリルゴム、変性アクリロニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、及びエチレンプロピレンジエタンポリマー(EPDM)などが例示できる。結着剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。結着剤は、分散媒に分散したディスパージョンの形態で使用してもよい。
導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、及びサーマルブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、及び人造黒鉛などの各種グラファイト、並びに、炭素繊維及び金属繊維などの導電性繊維、などが使用できる。
必要に応じて増粘剤を用いてもよい。増粘剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、エチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、及びガゼインなど)などが例示できる。
分散媒としては、結着剤が溶解又は分散可能であれば特に制限されず、結着剤の分散媒に対する親和性に応じて、有機溶媒及び水(温水を含む)のいずれも使用できる。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、並びに、テトラメチル尿素などが例示できる。分散媒は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
正極合剤層は、正極活物質、必要により、結着剤、導電剤及び/又は増粘剤を、分散媒とともに混練して分散させたスラリー状の合剤を調製し、この合剤を正極集電体に付着させることにより形成できる。具体的には、正極集電体の表面に、合剤を公知のコーティング方法により塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより正極合剤層を形成できる。正極集電体の一部には、正極合剤層が形成されずに集電体の表面が露出した部位が形成されており、この露出部に正極リードが溶接される。正極は、柔軟性に優れる方が好ましい。
合剤の塗布は、公知のコーター、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーターなどを用いて行うことができる。塗布後の乾燥は、自然乾燥に近い条件で行うことが好ましいが、生産性を考慮して、70℃〜200℃の温度範囲で10分間〜5時間乾燥させてもよい。合剤層の圧延は、例えば、ロールプレス機を用い、線圧1000〜2000kgf/cm(19.6kN/cm)の条件で、所定の厚みになるまで数回圧延を繰り返すことにより行うことができる。必要により、線圧を変えて圧延してもよい。
スラリー状の合剤の混練の際に、必要に応じて、各種分散剤、界面活性剤、安定剤などを添加してもよい。
正極合剤層は、正極集電体の片面又は両面に形成することができる。正極合剤層における活物質密度は、活物質としてリチウム含有遷移金属化合物を用いる場合、3〜4g/ml、好ましくは3.4〜3.9g/ml、3.5〜3.7g/mlである。
正極の厚みは、例えば、70〜250μm、好ましくは100〜210μmである。
(負極)
負極は、例えば、シート状の負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極合剤層とから構成される。負極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の負極集電体、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、アルミニウム、及びアルミニウム合金などで形成された金属箔が使用できる。負極集電体は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、及び電子伝導性などを考慮して、銅箔、及び銅合金からなる金属箔などが好ましい。集電体の形態は特に制限されず、例えば、圧延箔、及び電解箔などであってもよく、孔開き箔、エキスパンド材、及びラス材などであってもよい。負極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜50μmである。
負極合剤層は、負極活物質の他、導電剤、結着剤、及び増粘剤などを含有してもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出し得る黒鉛型結晶構造を有する材料、例えば、天然黒鉛や球状又は繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、及び易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などの炭素材料が例示できる。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.3350〜0.3400nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料が好ましい。また、種々の原料から得た昜黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛、或いはこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した材料を用いることができる。さらに、これらの黒鉛材料にリチウムを吸蔵・放出可能な負極材を混合して用いることもできる。黒鉛以外のリチウムを吸蔵・放出可能な負極材としては、酸化錫、及び酸化珪素等の金属酸化物材料、ケイ素、シリサイドなどのケイ素含有化合物、並びに、スズ、アルミニウム、亜鉛、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも一種を含むリチウム合金及び各種合金組成材料を用いることもできる。
ケイ素酸化物としては、SiOα(0.05<α<1.95)などが挙げられる。αは、好ましくは0.1〜1.8、さらに好ましくは0.15〜1.6である。ケイ素酸化物においては、ケイ素の一部が1または2以上の元素で置換されていてもよい。このような元素としては、例えば、B、Mg、Ni、Co、Ca、Fe、Mn、Zn、C、N、及びSnが挙げられる。これらの負極材料は必要に応じて二種以上を混合して用いることができる。
結着剤、導電剤、増粘剤及び分散媒としては、それぞれ、正極について例示したものなどが使用できる。
負極合剤層は、結着剤などを併用した前記コーティングに限らず、公知の方法により形成することができる。例えば、負極活物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法などの気相法により集電体表面に堆積させることにより形成してもよい。また、正極合剤層と同様の方法により、負極活物質と、結着剤と、必要により導電材とを含むスラリー状の合剤を用いて、形成してもよい。
活物質として炭素材料を含む合剤を用いて形成される負極合剤層において、活物質密度は、1.3〜2g/ml、好ましくは1.4〜1.9g/ml、さらに好ましくは1.5〜1.8g/mlである。
負極の厚みは、例えば、100〜250μm、好ましくは110〜210μmである。柔軟性を有する負極が好ましい。
(セパレータ)
セパレータの厚みは、例えば、5〜35μmの範囲から選択でき、好ましくは10〜30μm、又は12〜20μmであってもよい。セパレータの厚みが小さすぎると、電池内部で、微小な短絡が発生しやすくなり、大きすぎると、正極及び負極の厚みを小さくする必要が生じ、電池容量が不十分となる場合がある。
セパレータ材料は、ポリオレフィン系材料または、ポリオレフィン系材料と耐熱性材料の組み合わせが好ましい。
ポリオレフィン多孔膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン−プロピレン共重合体の多孔膜が例示できる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。必要により、他の熱可塑性ポリマーを、ポリオレフィンと併用してもよい。
耐熱性多孔膜としては、耐熱性樹脂、及び無機フィラーのそれぞれの単体膜、または、耐熱性樹脂と無機フィラーの混合体を用いることができる。
耐熱性樹脂としては、ポリアリレート、及びアラミドなどの芳香族ポリアミド(全芳香族ポリアミドなど);ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及びポリエステルイミドなどのポリイミド樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルエーテルケトン;並びに、ポリベンゾイミダゾールなどが挙げられる。耐熱性樹脂は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。非水電解質保持力及び耐熱性の観点から、アラミド、ポリイミド、及びポリアミドイミドなどが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、酸化鉄などの金属酸化物;シリカ、アルミナ、チタニア、及びゼオライトなどのセラミックス類;タルク、及びマイカなどの鉱物系フィラー;活性炭、及び炭素繊維などの炭素系フィラー;炭化ケイ素などの炭化物;窒化ケイ素などの窒化物;並びにガラス繊維、ガラスビーズ、及びガラスフレークなどのガラス材料が例示できる。
ポリオレフィン多孔膜(又は多孔質ポリオレフィン層)における空隙率は、例えば、20〜80%、好ましくは30〜70%である。
耐熱性多孔膜の空隙率は、リチウムイオンの移動性を十分に確保する観点から、例えば、20〜70%、好ましくは25〜65%である。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製できる。非水溶媒としては、例えば、環状カーボネートとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びブチレンカーボネートなど、また鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ―n―プロピルカーボネート、メチル―n―プロピルカーボネート、エチル―n―プロピルカーボネート、メチル―i―プロピルカーボネート、及びエチル―i―プロピルカーボネートから選ばれる少なくとも一種が好ましく、さらにはエチルメチルカーボネートが含まれる方が好ましい。これらの混合液を用いることができる。さらには、γ−ブチロラクトンなどのラクトン;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;1,2−ジメトキシエタン、及び1,3−ジメトキシプロパンなどのアルコキシアルカン;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、及び2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、及びベンゾニトリルなどのニトリル;スルホラン、及び3−メチル−スルホラン;ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;リン酸トリメチル、及びリン酸トリエチルなどのリン酸アルキルエステルなどが例示できる。非水溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、充放電時に分解されやすいプロピレンカーボネートやブチレンカーボネートの割合を減らすことで、充放電時の還元ガスの発生を削減できるため、サイクル特性が良い非水電解質二次電池を得ることができる。
リチウム塩としては、電子吸引性の強いリチウム塩、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、及びLiC(SO2CF33が挙げられる。リチウム塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜1.5M、好ましくは0.7〜1.2Mである。
非水電解質には、適宜添加剤を含有させてもよい。例えば、正負極上に良好な皮膜を形成させたりするために、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、及びこれらの変性体などを用いてもよい。リチウムイオン二次電池が過充電状態になったときに作用する添加剤として、例えば、ターフェニル、シクロヘキシルベンゼン、及びジフェニルエーテルなどを使用してもよい。添加剤は、一種で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤の割合は、特に制限されないが、例えば、非水溶電解質に対して0.05〜10重量%程度である。
電池ケースは、上端が開口しているケースを用い、その材質は、耐圧強度の観点から、マンガン、及び銅等の金属を微量含有するアルミニウム合金、安価なニッケルメッキを施した鋼鈑などが好ましい。
なお、電池ケースとして、金属ラミネートを用いることもできる。この場合、凹部を有した成形金属ラミネートを用い、凹部の長辺、短辺、及び高さに合わせて扁平な電池群を挿入した後に、電解液を注液し、平坦な金属ラミネートシートで蓋をするように4辺を融着シールすることで、製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、ここで述べる内容は本発明の例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
正極活物質(LiNi0.4Mn0.3Co0.32)と、導電剤としてアセチレンブラックと、CMCとが重量比で90:5:5になるように混合し、それに純水を加えて混練し、正極スラリーとした。この正極スラリーを、正極集電体としての厚さ15μmのAl箔上に塗布した後、120℃で乾燥し、水分を除去した。これにより得られたものを、ロールプレスにより圧延し、所定の寸法に切断し、250℃のドライエアー(露点温度:30℃)中で16時間の熱処理を行った。以上により、正極板を作製した。
負極活物質として精製天然黒鉛にピッチを含む表面処理を施した材料を使用した。この負極活物質と、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを、重量比が100:2:2になるように混合し、それに純水を加えながら混練し、負極スラリーを得た。この負極スラリーを、負極集電体としての厚さ10μmの銅箔上に塗布し、200℃で乾燥し、水分を除去した。得られたものを、ロールプレスにより圧延し、所定の寸法に切断することで負極板を作製した。
以上のようにして作製した正極板及び負極板を、セパレータ(厚み16μmのポリエチレン多孔膜、旭化成(株)製)を間に挟んで捲回し、扁平な電極群M1を作製した。そして、正極板及び負極板のそれぞれに正極リードまたは負極リードを溶接した。この電極群M1は、幅Xが19.6mmであり、厚みYが5.9mmであり、軸方向の長さZが75mmである。
電池ケース2として、その内寸の厚みL1が20mmであり、幅L2が60mmであり、高さL3が80mmであるAl製の電池ケースを準備した。その電池ケースに、上記の電極群M1を、その厚み方向が、電池ケースの厚み方向と垂直となるように10個並べて収容した。10個の電極群M1は、全て並列に接続した。電池ケースの肉厚は、幅広側部及び幅狭側部が共に0.38mmであり、底部は0.58mmである。
各電極群から導出した正極リード及び負極リードは並列に接続した。そして、それぞれを、集電リードを介して封口板4または突起部3と溶接した。
その後、ECとEMCとの体積比が3:7になるように混合した溶媒にLiPF6が1.0mol/Lになるように溶解して調製した非水電解質を、電池ケース2に注入した。その後、電池ケース2の開口部と封口板4とをレーザーで溶接して実施例1の電池を作製した。実施例1の電池は20個作製した。
(実施例2)
電池ケース2としてのAl製の電池ケースの幅を70mmとした。2種類の電極群を準備した。1種類目の電極群は、実施例1の電極群M1と同じであり、幅Xが19.6mmであり、厚みYが5.9mmであり、軸方向の長さZが75mmである。2種類目の電極群M2は、幅Xが19.6mmであり、厚みYが4.8mmであり、軸方向の長さZが75mmである。1種類目の電極群M1の10個と、2種類目の電極群M2の2個とを、それらの厚み方向が電池ケースの厚み方向と垂直となるように積層して、電池ケースに収容した。以上のこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の電池を20個作製した。
(実施例3)
電池ケース2としてのAl製の電池ケースの厚みを32mmとし、幅を70mmとした。4種類の電極群を準備した。1種類目の電極群は、実施例1の電極群M1と同じであり、幅Xが19.6mmであり、厚みYが5.9mmであり、軸方向の長さZが75mmである。2種類目の電極群M3は、幅Xが11.6mmであり、厚みYが5.9mmであり、軸方向の長さZが75mmである。3種類目の電極群は、実施例1の電極群M2と同じであり、電極群M2は、幅Xが19.6mmであり、厚みYが4.8mmであり、軸方向の長さZが75mmである。4種類目の電極群M4は、幅Xが11.6mmであり、厚みYが4.8mmであり、軸方向の長さZが75mmである。
1種類目の電極群M1の10個と、3種類目の電極群M2の2個とを、それらの厚み方向が電池ケースの厚み方向と垂直となるように1列に積層するとともに、2種類目の電極群M3の10個と、4種類目の電極群M4の2個とを、それらの厚み方向が電池ケースの厚み方向と垂直となるように別の列に積層して、電池ケースに収容した。以上のこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の電池を20個作製した。
(比較例1)
内寸で、厚みが20mmであり、幅が60mmであり、高さが80mmであるAl製の電池ケースを準備した。幅が59.6mmであり、厚みが19.6mmであり、軸方向の長さが75mmである電極群M5を実施例1と同様の工程により作製した。電極群を、その厚み方向が電池ケースの厚み方向と並行となり、電極群の幅方向が電池ケースの幅方向と並行となり、電極群の軸方向が電池ケースの高さ方向と並行となるように、電池ケースに収容した。以上のこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電池を20個作製した。
(比較例2)
内寸で、厚みが20mmであり、幅が70mmであり、高さが80mmであるAl製の電池ケースを準備した。幅が69.6mmであり、厚みが19.6mmであり、軸方向の長さが75mmである電極群M6を実施例1と同様の工程により作製した。以上のこと以外は比較例1と同様にして、比較例2の電池を20個作製した。
(比較例3)
内寸で、厚みが32mmであり、幅が70mmであり、高さが80mmであるAl製の電池ケースを準備した。幅が69.6mmであり、厚みが31.6mmであり、軸方向の長さZが75mmである電極群M7を実施例1と同様の工程により作製した。以上のこと以外は比較例1と同様にして、比較例3の電池を20個作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の電池について、以下の充放電処理を行って、各電池の膨れの発生状況、及び充放電サイクル特性を評価した。
(充放電処理)
実施例1の各電池を、45℃の恒温槽中で、充電レート0.8Cで、充電終止電圧を4.2Vとして充電した後、放電レート1Cで、放電終止電圧を3.0Vとして放電した。この充放電を1サイクルとして、放電容量を1サイクルごとに確認しながら、300サイクルまで充放電を行った。
上記の充放電処理が完了した後の、20個の電池の変形量(初期厚みに対する膨れ量)、及び容量維持率の平均値を算出した。実施例2〜3及び比較例1〜3についても同様にして、20個の電池の変形量、及び容量維持率の平均値を算出した。
電池の変形量を得るための測定は、初期及び充放電処理完了後の各電池を、25℃の雰囲気下で2時間放置した後に行った。より具体的には、初期の各電池の一対の幅広側部の中央部で電池の厚みをマイクロメータにより測定した。また、初期の電池の一対の幅狭側部の中央部で電池の幅をマイクロメータにより測定した。そして、充放電処理完了後の各電池についても同様にして、電池の厚み及び幅を測定した。
容量維持率は、各電池の充放電処理における300サイクル目の放電容量を、1サイクル目の放電容量で除して得られる維持率を平均化して算出した。
表1に上記の結果を示す。なお、表1において、変形量は、膨れた場合をプラスの値で示し、縮んだ場合をマイナスの値で示している。
Figure 0005110670
実施例1〜3の電池においては、充放電処理後の電池ケースの厚み方向の変形量が0.2mm程度であるのに対して、比較例1〜3の電池においては、充放電処理後の電池ケースの厚み方向の変形量は1.23〜1.64mmに達している。以上のように、実施例1〜3の電池においては、充放電の繰り返しにより膨れが生じやすい角形電池の厚み方向の膨れが抑えられていることが確かめられた。
以上の結果は、実施例1〜3の電池においては、扁平な電極群で充放電の繰り返しに起因する膨張が小さい幅方向が、電池ケースの耐圧強度の小さい幅広側部と相対し、扁平な電極群で膨張が大きい厚み方向が、電池ケースの耐圧強度の大きい幅狭側部と相対しているために、角形電池でありながらも、電池の膨れを抑制することができたためであると考えられる。これに対して、比較例1〜3の電池は、電池の厚み方向に大きく膨れていることが確認された。
さらに、実施例1〜3の電池においては、充放電処理後の電池ケースの幅方向の変形量が0.02mm程度であり、初期厚みとほぼ同等であった。これに対して、比較例1〜3の各電池においては、充放電処理後の電池ケースの厚み方向の膨れが大きかったことから、電池ケースの幅方向に、0.08〜0.12mmの縮みが見られた。このことは、比較例1〜3の間でも、電池ケースの厚み方向の変形量が大きくなるほど、電池ケースの幅方向の変形量も大きくなっていることから理解が容易である。
容量維持率に関しては、実施例1〜3の電池においては、充放電処理後の容量維持率はいずれも90%を超えていた。一方、比較例1〜3の電池の容量維持率は80%前後であり、実施例1〜3の電池の方が、サイクル特性が優れていることが確認できた。
以上のことは、上記のように膨れが抑制された実施例1〜3の電池では、サイクル劣化に対しても座屈等の発生を抑制し、特性劣化を低減したためであると考えられる。ただし、実施例、比較例、共に電池ケース形状が大きくなるにつれて特性低下の傾向は見られた。このように、本発明によれば、充放電サイクルによる電池の膨れを抑制することができ、かつサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の電池は、特に正極活物質及び負極活物質の高密度化などエネルギ密度を向上させた捲回型の電極群を備えたリチウムイオン二次電池に有用である。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形及び改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。
1、14、16、17・・・電池、2・・・電池ケース、5、15、18、19・・・電極群、6・・・正極板、7・・・負極板、8・・・セパレータ、

Claims (9)

  1. 複数の扁平形状の電極群と、非水電解質と、前記複数の電極群及び前記非水電解質を収容する角形のケースと、を具備し、
    前記複数の電極群は、それぞれ、正極、負極及びセパレータを扁平形状に捲回して構成されており、
    前記ケースの横断面形状は長方形であり、
    前記複数の電極群の横断面形状の短手方向が、それぞれ、前記ケースの横断面形状の短手方向と垂直となり、前記複数の電極群の軸方向が前記ケースの高さ方向と平行となるように、前記複数の電極群が前記ケースに収容されており、
    前記複数の電極群の少なくとも1つは、他の電極群と横断面形状の短手方向の長さが異なっている、非水電解質二次電池。
  2. 複数の扁平形状の電極群と、非水電解質と、前記複数の電極群及び前記非水電解質を収容する角形のケースと、を具備し、
    前記複数の電極群は、それぞれ、正極、負極及びセパレータを扁平形状に捲回して構成されており、
    前記ケースの横断面形状は長方形であり、
    前記複数の電極群の横断面形状の短手方向が、それぞれ、前記ケースの横断面形状の短手方向と垂直となり、前記複数の電極群の軸方向が前記ケースの高さ方向と平行となるように、前記複数の電極群が前記ケースに収容されており、
    前記複数の電極群は、前記ケースの横断面形状の長手方向に1列に並んだ2以上の電極群からなる列要素を2以上含み、前記2以上の列要素が、前記ケースの横断面形状の短手方向に並んでいる、非水電解質二次電池。
  3. 前記複数の電極群の少なくとも2つが、互いに並列に接続されている、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記複数の電極群の少なくとも2つが、互いに直列に接続されている、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記複数の電極群が、3以上の電極群を含み、かつ互いに並列に接続された少なくとも2つの電極群と、互いに直列に接続された少なくとも2つの電極群とを含む、請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記複数の電極群の少なくとも2つにおいて、それぞれの前記正極、前記負極及び前記セパレータが互いに連続している、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記複数の電極群の少なくとも1つの横断面形状の短手方向の長さに対する長手方向の長さの比が、前記ケースの横断面形状の短手方向の長さに対する長手方向の長さの比よりも小さい、請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記複数の電極群は、前記ケースの横断面形状の長手方向に1列に並んだ2以上の電極群からなる列要素を2以上含み、前記2以上の列要素が、前記ケースの横断面形状の短手方向に並んでいる、請求項記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記ケースの横断面形状の短手方向で隣り合う少なくとも2つの列要素を構成する電極群の横断面形状の長手方向の長さが互いに異なっている、請求項2〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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