JP5110357B2 - 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法 - Google Patents

鋳造用凍結鋳型およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5110357B2
JP5110357B2 JP2007239778A JP2007239778A JP5110357B2 JP 5110357 B2 JP5110357 B2 JP 5110357B2 JP 2007239778 A JP2007239778 A JP 2007239778A JP 2007239778 A JP2007239778 A JP 2007239778A JP 5110357 B2 JP5110357 B2 JP 5110357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
sand mold
sand
mold
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007239778A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009066640A (ja
Inventor
周二 多田
敏幸 西尾
慶三 小林
丈人 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2007239778A priority Critical patent/JP5110357B2/ja
Publication of JP2009066640A publication Critical patent/JP2009066640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5110357B2 publication Critical patent/JP5110357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Description

本発明は、鋳造において使用する鋳造用凍結砂型に関するものであり、更に詳しくは、再利用する際に、型ばらしを行った砂をそのまま鋳造用型として再利用でき、かつ鋳造に必要となる十分な強度を確保することが可能な鋳造用凍結砂型およびその作製方法に関するものである。本発明は、注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるようにすると共に、再利用する際に、型ばらしを行った砂をそのまま再使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保することを可能とした新規鋳造用凍結砂型およびその作製方法を提供するものである。
通常、鋳造に使用される砂は、造型時の強度を確保するために、有機物系の粘結剤を添加して成形されるのが一般的である。そのため、鋳造用砂型の砂を再利用する際には、この有機物系の粘結剤の除去というプロセスが必要となり、このことが、生産コストの増大を招く大きな要因となっていた。また、高融点の金属材料の鋳造においては、耐熱性に優れるセラミックス粉末とセラミックスゾルを混合したスラリーを用いて、これを焼成して鋳造用型とする技術(精密鋳造)が知られている。
この方法では、型材料の使用は1回のみであり、焼成した鋳型の破壊に大きな力を必要とする上、破壊した型材料は、すべて産業廃棄物として処理されている。これに対し、有機系の粘結剤の代わりに水を用い、これを凍結させて凍結砂型とすることによって、造型時の強度を確保するという方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。この方法によれば、特別な処理を必要とせずに砂を再利用できるため、プロセス時間の短縮のみならず、大幅なコストの低減が可能となる。
しかしながら、この凍結によって造型した凍結砂型は、熱で型が解凍すると、その強度が著しく低下するという問題がある。そのため、鋳造のように、溶けた高温の金属が型内に注ぎ込まれると、その輻射熱や接触時の熱伝達によって、型の崩壊が生じる。更に、熱容量の小さな中子等の型では、崩壊した型材料が鋳物の中に取り込まれ、それにより、欠陥が増大するという問題があった。そのため、当技術分野においては、特に、熱容量の小さな中子等の型として好適に使用することができる新しい鋳造用型の開発が強く求められていた。
特開平7−314087号公報 特開平11−138235号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述のような諸問題を解消することが可能な新しい鋳造用型およびその製造方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、水に代わって特定の無機系のゾルの水溶液を添加して該無機系ゾルを含浸させた砂を使用することによって凍結時のみならず解凍時でも崩壊しない砂型を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、上記事情に鑑みて開発されたものであって、上述の凍結砂型に対して、注湯することによる砂型の解凍時の強度を確保することを可能とすると同時に、型の中心的な素材である砂を再利用する際に、特別なプロセスを必要としない新たな技術的特徴を具備した、特に、熱容量の小さな中子等の型として好適に適用することが可能な鋳造用凍結型およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型であって、
注湯することによって砂型が解凍しても砂型形状が維持されるような強度を確保できるように砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させたこと、上記無機系のゾルが、ジルコニアゾルであり、砂型の材料中に、再利用する際に除去が必要となる材料を配合せず、型ばらしを行った砂をそのまま再使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保するようにしたこと、を特徴とする鋳造用砂型。
(2)無機系のゾルとして、水に分散できる1μmを下回るコロイダルジルコニアからなる微細なセラミックス粒子を用いた、前記(1)に記載の鋳造用砂型。
(3)含浸させた水分を0℃以下マイナス40℃以上の凍結条件下で凍結させて凍結状態にした、前記(1)又は(2)に記載の鋳造用砂型。
(4)含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型を作製する方法であって、1)砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させて凍結すること、2)その際に、無機系のゾルとして、ジルコニアゾルを用いることにより、注湯することによって砂型が解凍しても該砂型形状が維持されるような強度を確保できるようにしたことを特徴とする鋳造用砂型の作製方法。
(5)含浸させた水分を凍結温度0℃〜マイナス40℃で凍結させる、前記(4)に記載の鋳造用砂型の作製方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型であって、注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるように砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させたことを特徴とするものである。
本発明は、無機系のゾルが、ジルコニアゾルであり、砂型の材料中に、再利用する際に除去が必要となる材料を配合せず、型ばらしを行った砂をそのまま再使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保することを特徴とするものである。尚、再利用する際に除去が必要となる材料としては、例えば、水に固溶しない有機物系の粘結剤等が挙げられる。
また、本発明では、無機系ゾルとして、水に分散できる1μm以下の微細なセラミックス粒子を用いたこと、含浸させた水分を0℃以下マイナス40℃以上の凍結条件下で凍結させたこと、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型を作製する方法であって、砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させて凍結することにより、注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるようにしたことを特徴とするものである。本発明では、無機系のゾルとしては、ジルコニアゾルが用いられる。
本発明の鋳造用凍結砂型の材料としては、珪砂に限定されるものではなく、ジルコンやムライト等のセラミックス粒子を用いることもできる。また、砂型の強度を出すためには、粒径の異なるセラミックス粉末を混合して利用することも可能である。初期コストを考慮すると、砂(天然)も用いることが可能であり、本発明では、2種類以上の粒度が混在している天然の砂を利用することもできる。
本発明の鋳造用凍結砂型は、必要により、上記鋳造用砂型の表面へ、水に分散した1μm以下のセラミックス粒子が塗布されていることも適宜可能である。この場合、水に分散した1μm以下のセラミックス粒子としては、コロイダルジルコニアを利用することができる。
本発明では、上述の水に分散できる又は分散したセラミックス粒子として、コロイド粒子を利用することが好ましいが、コロイド粒子に限定されるものではなく、例えば、アルミナけん濁液等、微小粒子で低温にて少し焼結するようなものは使用することが可能である。
通常、凍結鋳型は、溶湯が初期凝固するまで耐え得る強度であれば十分であるが、初期凝固時間は、材料によって変わってくる。熱伝導性のよい材料(例えば、銅)は、初期凝固しにくいが、型は、熱伝導が悪いので、表面が水蒸気を生成する温度になっても、すぐ近傍は凍結状態であり、水蒸気がでると、型はひらく方向となるが、すぐ近傍は固まっているので、圧縮応力が作用する。初期凝固のシェルが形成されていれば、型の表面が崩れても問題はない。
本発明では、解凍時の強度を確保すると同時に、特別なプロセスを踏むことなく砂を再利用することを可能にする凍結型を開発するために研究を重ねた結果、砂に無機系ゾルの水溶液を添加することによって、この目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、上記知見に基づき開発されたものであって、(1)含浸させた水分を凍結させることによって、鋳造時の強度を確保できる、(2)注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるように含浸させる水の中に無機系のゾルを添加しておく、(3)再利用する際に、除去が必要となる有機物系の粘結剤等の材料を利用せず、型ばらしを行った砂をそのまま使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保することが可能である、こと等で特徴付けられる凍結砂型を提供することを実現するものである。
本発明においては、水に代わって特定の無機系ゾルの水溶液を添加した砂を使用することによって、凍結時のみならず解凍時でも崩壊しない砂型およびその製造方法を提供することができる。通常、鋳造に使用される砂型は、強度を確保するために、有機物系のバインダを添加して成形される。そのため、これを再利用する場合には、該有機物系のバインダを除去するプロセスが必要であり、そのことがコストのみならず時間的にも大きなロスにつながると同時に、環境に対する悪影響も懸念される。
一方、含有する水分を凍結させることによって強度を確保する凍結砂型は、型ばらしの後に特別な処理を必要とせず、そのままの状態で砂を再利用できるという特徴を有しており、工業的にも優れた長所を有している。しかしながら、実際の鋳造プロセスを想定すると、溶湯の熱により、砂型は表面から解凍し始め、更に水分が飛んで乾燥へと向かう。そのため、例えば、凍結砂型を、熱容量が小さく、短時間で解凍に至る中子等へ適用する場合には、湯の表面が冷却されて固化するまで、解凍後でも、砂型にある程度の強度を付与することが必要となる。
現在利用されている凍結砂型は、砂と水のみを混練して凍結させているため、後記する実施例3の結果からもわかるとおり、解凍後の強度が得られないという問題点があった。
これに対し、本発明は、水の代わりに特定の無機系のゾルを用いて造型した凍結砂型を提供するものであり、水の代わりに無機系ゾルの水溶液を用いて造型した凍結砂型は、後記する実施例に具体的に示されるように、解凍後でもある程度の強度を保つことが立証された。更に、鋳造作業後、添加した無機系のゾルは、特別な処理を行うことなしに、そのまま砂を再利用することが可能であることが確認された。
したがって、本発明は、熱容量が小さく、解凍速度が速い部分へも凍結砂型を適用することを可能とする画期的な技術であり、特に、中子等への利用を考慮すれば、鋳造の大きな利点である複雑形状部品への活用という観点から、産業上の利用効果は、非常に大きいものと考えられる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)含浸させた水分を凍結させることによって、鋳造時の強度を確保することを可能とした鋳造用砂型を提供することができる。
(2)注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるように含浸させた水の中に特定の無機系のゾルを添加したことで特徴付けられる鋳造用砂型を提供することができる。
(3)再利用する際に、型ばらしを行った砂をそのまま使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保することが可能である鋳造用砂型を提供することができる。
(4)特に、熱容量の小さい中子等の型として好適に使用することができる鋳造用砂型を提供することができる。
(5)本発明においては、水に代わってジルコニアゾルの水溶液を添加した砂を使用することによって、凍結時のみならず解凍時でも崩壊しない鋳造用砂型の製造方法およびその製品を提供することができる。
(6)本プロセスでは、有機系の粘結剤を使用しないため、鋳造作業に伴う臭いの発生を抑制できる。
次に、参考実施例および実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。すなわち、本発明は、その技術思想の範囲で、本実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。以下の実施例1〜3および5は、比較品のシリカゾルを用いて試験を実施した例を参考実施例すなわち参考例として示したものである。
285gの珪砂(R6)に、質量比で5%となるように15gの水(W5)を加え、ニーダで3分間混練することにより、凍結砂型用の原料砂R6W5を調製した。また、この原料砂R6W5の配合をベースに、添加した水分量(15g)に対して、質量比5%、10%および20%に相当する8%ポリビニルアルコール溶液(PVA)を加えて、ニーダにより3分間混練した、R6W5P5、R6W5P10およびR6W5P20をそれぞれ準備した。
更に、水の代わりに、粒子径10〜20ナノメートルのシリカを(質量比で30%)含むシリカゾルを用い、それぞれ279gの珪砂と21gのシリカゾルならびに270gの珪砂と30gのシリカゾルを、ニーダによって3分間混練した、R6S7およびR6S10も調製した。これらの造型用に調製した各型砂に対する水、PVAならびにシリカゾルの添加量を表1に示す。
調製したそれぞれの型砂を、図1の圧縮試験片の作製方法に示すように、直径30mmの黒鉛型に入れ、ハンドプレスにより、およそ6MPaの圧力を加えながら、高さ30mmの円柱状になるよう成形した。この成形体を、−30℃の温度に保った冷凍室へ一晩保持し、凍結砂型圧縮試験片を作製した。
実施例1で作製した凍結砂型(末尾文字Fは凍結状態を示す)の圧縮試験結果を図2に示す。凍結砂型の圧縮試験は、圧縮試験片に接する加圧ジグを液体窒素であらかじめ冷却し、試験中に試験片が解凍しないように方策を講じて行った。凍結させた砂型の圧縮強度は、水のみの場合(R6W5F)で5.5〜5.9MPaを示し、砂型として実用上必要とされる値、2.0〜4.5MPaを十分上回っていることが確認できる。
また、これにポリビニルアルコール(PVA)を添加して同様の圧縮試験を行った。ポリビニルアルコール(PVA)を添加すると、添加量が5%および10%の場合には、試験機の最大荷重(5kN)でも圧壊せず(圧縮強度7.3MPa以上)、20%の場合でも水だけで固めたR6W5と同等以上の強度を示した。一方、水の代わりにシリカゾル水溶液を用いた場合には、シリカゾルの添加量が7%または10%の場合とも、試験機の最大荷重(5kN)でも圧壊せず、圧縮強度は7.3MPa以上となった。この結果は、砂にポリビニルアルコールもしくはシリカゾルを添加しても、凍結時の強度特性に悪影響を及ぼさないことを示すものである。
実施例1で作製した凍結砂型を自然解凍(末尾文字Tは解凍状態を示す)および120℃で1時間乾燥させた試料(末尾文字Dは乾燥状態を示す)について、圧縮試験を行った。図3は、その結果を示したものである。砂と水だけの場合ならびにこれにポリビニルアルコールを添加した場合は、解凍(それぞれR6W5TおよびR6W5PxT、x=5、10)すると、全く強度が得られず、また、後者においては、乾燥(R6W5P10D)させても強度は改善されない。
これに対し、砂にシリカゾルを添加したものでは、解凍しても若干の強度が残り、乾燥させると更に強度は上昇する。このことは、砂と水だけの混練材料とは異なり、水に代わってシリカゾルを添加することによって、凍結時のみならず解凍時、更には乾燥時でも、ある程度の強度が確保されることを示すものである。
シリカゾルの代わりにジルコニアゾルを用いた場合の凍結鋳型に対する効果について調べた。実施例1に示した方法と同様に、質量比で30%のジルコニアを含むジルコニアゾルを用い、それぞれ279gの珪砂と21gのジルコニアゾルならびに270gの珪砂と30gのジルコニアゾルを、ニーダによって3分間混練したR6Z7およびR6Z10を調製した。
これらの型砂から、実施例1に示した方法と同様に、円柱状の圧縮試験片を作製して、−30℃の温度に保った冷凍室へ一晩保持し、凍結させた。図4は、実施例2および実施例3にならって、上述の試験片に対し、凍結状態(末尾文字F)、自然解凍状態(末尾文字T)ならびに120℃で1時間乾燥させた状態(末尾文字D)について、圧縮試験を行ったときの結果を示したものである。
これによると、シリカゾルに変わってジルコニアゾルを用いた場合でも、凍結時の強度は7MPaを超える値を示しており、鋳造用の砂型として十分使用できることがわかる。また、解凍時ならびに乾燥時の強度についても、シリカゾルの場合と比べれば、若干低い値にとどまっているものの、水だけの場合よりも、改善されていることがわかる。
本実施例では、注湯時における砂型の温度上昇を念頭に水分を取り除くという目的で、乾燥時の温度を120℃に設定したが、実際に鋳造を行う場合には、砂型はもっと高い温度まで到達する可能性がある。一般的に、ジルコニアは、シリカよりもより耐熱性が高く、融点や好適な焼結温度も高温側に位置する。砂型が、注湯によってより高い温度まで上昇する場合を想定すると、ジルコニアゾル添加による砂型乾燥時の強度確保についても、十分期待できるものであることがわかる。
一般的に、鋳造で使用される型砂は繰り返し使用される。そこで、本実施例では、シリカゾルを添加した型砂を特別な処理を施すことなしに、再利用した場合の強度特性を調べた。実施例1に示した270gの珪砂と30gのシリカゾルを、ニーダによって3分間混練したR6S10に対し、実施例2および実施例3に述べた各種強度試験を行った後、この型砂を回収し、270℃に保持したオーブンで1時間加熱することにより、水分を十分に取り除いた。
この型砂に、回収量に対して、質量比で10%となるようにシリカゾルを再添加し、実施例1に示した方法と同様に、円柱状の圧縮試験片を作製して、−30℃の温度に保った冷凍室へ一晩保持し、凍結させた。
この試験片に対し、凍結状態(末尾文字F)、自然解凍状態(末尾文字T)ならびに120℃で1時間乾燥させた状態(末尾文字D)について、再び圧縮試験を行った。この作業を5回まで繰り返し、型砂の再利用性を調べた。その結果、繰り返し使用したシリカゾル添加型砂を凍結させた時の圧縮強度は、いずれの場合においても7MPa以上となり、繰り返し使用しても十分な強度を確保できることが示された。
また、図5に、シリカゾル添加凍結砂型の解凍および乾燥後の圧縮強度に及ぼす繰り返し使用の影響を示す。図5に示すように、解凍時ならびに乾燥時の強度も、回数を重ねるごとに上昇しており、繰り返し使用によって劣化しないことが明らかとなった。以上の結果は、本発明に係るシリカゾル添加型砂は、繰り返し使用しても、凍結時、解凍時ならびに乾燥時の強度が得られることを意味しており、型ばらしを行った砂を、特別な処理を行うことなしに、そのまま再使用できることを示すものである。
以上詳述したように、本発明は、鋳造用凍結鋳型およびその製造方法に係るものであり、本発明により、砂型の再利用が可能な鋳造用砂型およびその作製方法が提供される。本発明は、注湯することによって砂型が解凍しても砂粒子間の接着性を維持して強度を確保できるように含浸させた水の中にジルコニアゾルを添加したことで特徴付けられる鋳造用砂型を提供することを実現したものである。また、本発明は、再利用する際に、型ばらしを行った砂をそのまま使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保することが可能である鋳造用砂型を提供するものである。本発明は、例えば、熱容量の小さな中子等の型として好適に使用することができる鋳造用砂型を提供することを可能とすると共に、鋳造に使用する型砂の再利用においても優れた効果を発揮する、新規鋳造用砂型を提供するものとして有用である。
縮試験に供した圧縮試験片の作製方法とその作製装置の概念図を示す。 結砂型の圧縮試験の結果を示す。 結砂型を解凍させた場合ならびに乾燥させた場合の圧縮試験の結果を示す。 本発明の有効性を検証するために行った、ジルコニアゾルを添加して造型した凍結砂型(F)ならびにこれを解凍(T)および乾燥(D)した後の圧縮強度についての試験結果を示す。 リカゾルを添加して凍結させた砂型の解凍および乾燥後の圧縮強度に及ぼす繰り返し使用の影響についての試験結果を示す。
符号の説明
(図1の符号)
1:型砂
2:黒鉛型
3:上パンチ
4:下パンチ
5:ハンドプレス

Claims (5)

  1. 含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型であって、
    注湯することによって砂型が解凍しても砂型形状が維持されるような強度を確保できるように砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させたこと、上記無機系のゾルが、ジルコニアゾルであり、砂型の材料中に、再利用する際に除去が必要となる材料を配合せず、型ばらしを行った砂をそのまま再使用して凍結時ならびに解凍時の強度を確保するようにしたこと、を特徴とする鋳造用砂型。
  2. 無機系のゾルとして、水に分散できる1μmを下回るコロイダルジルコニアからなる微細なセラミックス粒子を用いた、請求項1に記載の鋳造用砂型。
  3. 含浸させた水分を0℃以下マイナス40℃以上の凍結条件下で凍結させて凍結状態にした、請求項1又は2に記載の鋳造用砂型。
  4. 含浸させた水分を凍結させることによって鋳造時の強度を確保するようにした鋳造用凍結砂型を作製する方法であって、1)砂型に無機系のゾルを添加した水を含浸させて凍結すること、2)その際に、無機系のゾルとして、ジルコニアゾルを用いることにより、注湯することによって砂型が解凍しても該砂型形状が維持されるような強度を確保できるようにしたことを特徴とする鋳造用砂型の作製方法。
  5. 含浸させた水分を凍結温度0℃〜マイナス40℃で凍結させる、請求項4に記載の鋳造用砂型の作製方法。
JP2007239778A 2007-09-14 2007-09-14 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法 Active JP5110357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239778A JP5110357B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007239778A JP5110357B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009066640A JP2009066640A (ja) 2009-04-02
JP5110357B2 true JP5110357B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=40603455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007239778A Active JP5110357B2 (ja) 2007-09-14 2007-09-14 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5110357B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6114121B2 (ja) * 2013-06-17 2017-04-12 株式会社加藤製作所 鋳造用凍結鋳型及び鋳物の製造方法
CN114769502B (zh) * 2022-05-17 2023-03-10 南京航空航天大学 一种冷冻砂型增材制造用水粘结剂配方
CN115625290B (zh) * 2022-11-04 2023-06-13 南京航空航天大学 一种冷冻砂型多路径内部微孔高效制冷方法及装置
KR20240068656A (ko) 2022-11-04 2024-05-17 난징 유니버시티 오브 에어로노틱스 앤드 애스트로노틱스 내부 미세다공을 이용한 냉동 사형의 여러 경로를 통한 고효율 냉동방법 및 장치

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5913937B2 (ja) * 1979-10-02 1984-04-02 工業技術院長 凍結鋳型
JPS56128641A (en) * 1980-03-15 1981-10-08 Kubota Ltd Production of frozen mold
JPS56128642A (en) * 1980-03-15 1981-10-08 Kubota Ltd Production of frozen mold
JPS58204865A (ja) * 1982-05-21 1983-11-29 レメツト・コ−ポレ−シヨン 耐火材
JPS61176439A (ja) * 1985-02-01 1986-08-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd セラミツク中子の製造方法
DE3683086D1 (de) * 1985-06-06 1992-02-06 Remet Corp Giessen von reaktionsfaehigen metallen in keramische formen.
JPS63188444A (ja) * 1987-02-02 1988-08-04 Takeshi Ito 消失模型鋳造法
JPS63180130U (ja) * 1987-05-11 1988-11-21

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009066640A (ja) 2009-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ünlü et al. Development and evaluation of a new eco-friendly sodium silicate-based binder system
JP5110357B2 (ja) 鋳造用凍結鋳型およびその製造方法
JPH0639603B2 (ja) 粒状材料からの部品の加工方法およびその供給原料
KR20120125235A (ko) 염-계열 코어, 그의 제조 방법 및 그의 용도
MX2014012219A (es) Nucleos de base salina, metodo para la produccion de los mismos y uso de estos.
US8834622B2 (en) Investment casting
US7812059B2 (en) Production of aerogels containing fillers
RU2570680C2 (ru) Добавка, предотвращающая возникновение ужимин, для изготовления литейных форм и стержней
Holtzer et al. Molds and cores systems in foundry
CN101676050A (zh) 树脂砂新型制芯工艺
JP6837685B2 (ja) アルミニウム合金基複合材料の製造方法
JP2007030028A (ja) 水溶性中子の造型方法及び造形装置
US6447593B1 (en) Foundry sand with oxidation promoter
US20200230694A1 (en) Method for inorganic binder castings
JPH0824996B2 (ja) 水溶性中子及びその製造方法
JP4485343B2 (ja) 水溶性中子の造型方法及び造形装置
EP3225327B1 (en) An inorganic binder system for foundries
JP6406207B2 (ja) 鋳物砂の再生方法
JP2021169124A (ja) 無機鋳型および中子の造型方法
US11794236B2 (en) Casting core for casting molds and method for the production thereof
JP2006061948A (ja) 水溶性中子の造型方法
JPH0663684A (ja) 鋳造用セラミック中子の製造方法
JP6821207B2 (ja) アルミニウム合金基複合材料の製造方法
JP6445333B2 (ja) 回収鋳物砂の再生法
JP2965782B2 (ja) 廃珪砂を利用した人工砂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5110357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250