JP5110268B2 - 金型の冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、金型の冷却構造に関し、さらに詳しくは、金型内に形成された通路に水などの冷却媒体を通すことによりその金型の冷却を行う構造に関するものである。
溶融された金属材料や樹脂材料(以下、これらをまとめて成形材料という)を所望の形状に成形するためのキャビティを形成する金型においては、成形材料の熱により高温となる金型を冷却して金型を適切な温度に維持することが製品の品質及び生産性を向上させるために重要である。従来、金型の内部に設けられた冷却通路に冷却水等の冷却媒体を流通させることにより、金型を冷却することが従来から一般に行われている。
従来の金型の冷却構造としては、金型の冷却が必要な所定の位置にそれぞれ冷却穴を形成し、各冷却穴に冷却パイプを挿入するものが知られている。冷却パイプは、一般に図16に示すように、冷却穴200に挿入されてその先端近傍に冷却媒体を導入するインナパイプ300と、インナパイプ300の基端側に外嵌されて冷却穴200の基端近傍から冷却媒体を排出するアウタパイプ301とを有する所謂二重管構造となっている。そして、インナパイプ300に冷却媒体の供給路を接続する供給路接続口800と、アウタパイプ301に冷却媒体の排出路を接続する排出路接続口900は、それぞれインナパイプ300とアウタパイプ301の側部に接合されており、供給路および排出路を構成するホースがそれぞれ接続される。冷却穴200に供給された冷却媒体が漏出するのを防止するために、アウタパイプ301の外周面にはOリング302が設けられている。冷却パイプは、不用意に抜け出すことがないように、たとえば金型100の背面側に押え板303を設けて冷却パイプの端部を押えるなどにより固定されている。
また、別の従来の金型の冷却構造としては、図17に示すように、金型101の冷却が必要な所定の位置にそれぞれ冷却穴201が形成され、各冷却穴201の中間部を連通して各冷却穴201に冷却媒体を供給すると共に各冷却穴201から冷却媒体を排出する連通路700が金型101内に形成され、各冷却穴201に冷却パイプ305が配置されたものが知られている。冷却パイプ305は、冷却穴201に挿入されてその冷却穴201における上流側の連通路700から冷却穴201の先端近傍に冷却媒体を導入するもので、冷却パイプ305の端部が冷却穴201における連通路700の上流側に開口するように冷却パイプ305を保持すると共に各冷却穴201と上流側の連通路700との連通を閉塞し、且つ、各冷却穴201とその下流側の連通路700との連通を許容するための切り欠き306が設けられた栓部材307と、冷却穴201の連通路700よりも基端側に挿入されて栓部材307を保持すると共に冷却穴201の連通路700よりも基端側を閉塞する埋め栓308とを有している。そして、図18に横断平面図で示すように、従来の連通路700は、所定の位置に形成された複数の冷却穴201を連通するために、互いに隣接する冷却穴201、201を直線状に結ぶようにドリルなどによって金型101の側部から穴明け加工し、穴の開放端部に埋め栓309を施している。
また、さらに別の従来の金型の冷却構造としては、特許文献1が知られている。特許文献1には、金型内に形成された通路に冷却水を通すことによりその金型の冷却を行う構造の金型冷却装置において、前記通路内には、スラッジが付着し易いスラッジ保持材が前記金型から取り外しできる構造で位置決めされていること、さらには前記通路は、主通路と、その主通路から分岐した深穴である冷却穴とを備えており、この構成に加えて、前記スラッジ保持材は板状に成形されて前記主通路の流れを遮るようにその主通路を横断して前記冷却穴の元部から先端近傍まで挿入されるように位置決めされていることなどを特徴とする金型冷却装置が開示されている。
そして、特許文献1には、「冷却水通路3は、冷却水入口(図示されていない)から冷却水出口(図示されていない)まで冷却水を導くための横穴3yと、その横穴3yから直角に分岐して金型2の突出部2tを冷却する深穴である冷却穴3sとから構成されている」(0007)、「スラッジ保持部材4は、冷却水を冷却穴3sの先端まで導くとともに冷却水に含まれるスラッジを捕集するための板状部材であり、ボルト部41、フランジ部42、プレート部43及び被覆材44とから構成されている。前記ボルト部41はスラッジ保持部材4を金型2に固定するためのものであり、前記冷却穴3sと同心となる位置に形成された金型2の雌ねじ穴2mに螺合されるようになっている。また、前記フランジ部42はボルト部41の端面にそのボルト部41と同軸に固定されており、さらに、そのフランジ部42にはフランジ面に対して直角にプレート部43が固定されている。そして、前記プレート部43とフランジ部42のフランジ面とが被覆材44によって被われている。」(0008)などと記載されている。すなわち、特許文献1における横穴は、図18に示した連通路と同様に、隣接する冷却穴を直線状に結ぶようにドリルなどによって金型の側部から穴明け加工し、穴の開放端部に埋め栓を施すことにより構成されているものと思われる。
特開平9‐1312号公報
図16に示したような金型の冷却構造にあっては、冷却パイプの基端側がインナパイプ300と同芯状にアウタパイプ301が外嵌されているために構造が複雑であり、アウタパイプ301が比較的大径となり、しかも、ホースに接続される供給路接続口800と排出路接続口900がそれぞれインナパイプ300とアウタパイプ301の側部に接合されており、さらには、金型100の背面側に押え板303を設けるために、隣接する冷却穴200の間隔(ピッチ)を狭くするには限界があり、したがって、冷却穴200の配置の自由度が低いという問題があった。
また、図17に示したような金型101の冷却構造にあっては、冷却媒体が上流側の連通路700から冷却パイプ305を通って冷却穴201内に供給され、栓部材307の切り欠き306を通って下流側の連通路700に排出されるよう構成されているため、冷却媒体の流れる断面積が大きく変化することから圧力損失が多いという問題があった。かかる問題は、上述した二重管構造(図16)でも同様に存在する。さらに、この金型101の冷却構造にあっては、図18に示したように、連通路700が連通する冷却穴201の位置に応じて直線状に穴明け加工することにより形成し、穴の開放端部に埋め栓309を施す必要があったため、金型101の材料に無駄が生じ、手間やコストがかかるなどの問題があった。さらにまた、この金型101の冷却構造にあっては、図17に示したように、冷却穴201の連通路700よりも基端側に埋め栓308を挿入して閉塞する必要があり手間やコストがかかるなどの問題があった。
一方、上記特許文献1にあっては、スラッジ保持部材4を固定し雌ねじ穴2mに螺合されるボルト部41およびフランジ部42の径が冷却穴の内径よりも大きいことから(特許文献1の図1および図2を参照)、図16に示した二重管構造と同様に、隣接する冷却穴のピッチを狭くするには限界があり、したがって、冷却穴の配置の自由度が低いという問題があった。また、上記特許文献1にあっては、図18に示した連通路と同様に、隣接する冷却穴を直線状に結ぶようにドリルなどによって金型の側部から穴明け加工して横穴を形成するものであると考えられるため、金型の材料に無駄が生じ、手間やコストがかかるなどの問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、冷却穴の配置の自由度を向上させることができ、しかも、容易に組み付けることができるよう構成された金型の冷却構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の金型の冷却構造に係る発明は、金型本体に開放端を有する冷却穴が複数形成され、該冷却穴内にインサートが配置されて冷却穴内を仕切り冷却媒体の往路と復路が形成され、前記金型本体に冷却回路プレートが接合されていることにより、前記各冷却穴の開放端を連通する連通路が形成されると共に、前記インサートが封入されており、前記冷却穴の断面が円形に形成されており、該冷却穴の内面と接するインサートの側縁が、その冷却穴の内面と対応する円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項2の金型の冷却構造に係る発明は、請求項1に記載の発明において、インサートの基端を冷却回路プレートに対して係止する係止機構を設けたことを特徴とするものである。
請求項1に係る発明によれば、断面が円形に形成された冷却穴の内面と対応して、これに接するインサートの側縁を円弧状に形成することにより、冷却媒体を往路から復路に容易にリークすることなく効率よく流通させることができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、係止機構を設けたことにより、インサートの基端が冷却媒体の圧力などによって冷却回路プレートの平面に対してずれることなく係止される。
本発明の金型の冷却構造の実施の一形態を図1〜図15に基づいて詳細に説明する。図において同じ符号は、同様または相当する部分を示すものとする。
本発明の金型の冷却構造は、概略、キャビティを形成する金型本体1に開放端を有する冷却穴2が複数形成され、この冷却穴2内にインサート3が配置されて冷却穴2内を仕切ることにより冷却媒体の往路4と復路5が形成され、金型本体1に冷却回路プレート6が接合されていることにより、各冷却穴2の開放端を連通する連通路7が形成されると共に、インサート3が封入されているものである。
金型本体1は、図1における上方の面が他の金型本体と協働してキャビティを形成するもので、冷却する位置などに応じて複数の冷却穴2が形成されている。各冷却穴2は、一方端が図1における金型本体の下面に開放しており、他方端が図1における上方に底(天井)を形成している。各冷却穴2は、金型本体1の形状や温度などに応じて、ドリルなどを用いて断面円形に形成されている。各冷却穴2は、金型本体1の形状や温度などに応じて、任意の径や形状に容易に形成することができる。
図2に平面図で示した実施の形態では、冷却回路プレート6の上面には、各冷却穴2の位置と接続されるように溝70が形成されている。この溝70は、金型本体1と接合されることにより、その金型本体1の端面と協働して、各冷却穴2を連通する連通路7を形成する。そして、溝70の端部には、連通路7に冷却水などの冷却媒体を供給する供給路が接続される供給口8と、連通路7から冷却媒体を排出する排出路が接続される排出口9とが、冷却回路プレート6の下面に貫通するように穿設されている。なお、図2に示した実施の形態では、連通路7を形成する溝70が複数の冷却穴2を直列に接続するように形成された場合を示したが、図3に示すように、各冷却穴2を供給口8および排出口9とそれぞれ並列に接続するように溝70を形成することもできる。
インサート3は、冷却穴2内に配置され金型本体1に冷却回路プレート6が接合された状態で、溝70の底から冷却穴2の先端(底)近くまで達する長さと、冷却穴2の内径に応じた幅とを有している。インサート3の側縁は、冷却穴2に挿入されたときに接する冷却穴2の内面と対応して、円弧状に形成されている(この形状を丸板と称する)。冷却穴2にインサート3をそれぞれ挿入して、金型本体1の端面に冷却回路プレート6を接合することにより、インサート3は、冷却穴2と連通路7とにより形成される冷却回路の内部に封入され、連通路7を遮断して、冷却穴2内に冷却媒体が上流側の連通路7から導入される往路4と、冷却媒体が下流側の連通路7に排出される復路5とを形成する仕切りとして機能する。
さらに、この実施の形態におけるインサート3は、その基端部に係合部30が形成されており、溝70の各冷却穴2と対応する位置には、係合部30を係合する凹部60が形成されている。インサート3の係合部30と冷却回路プレート6の凹部60は、インサート3の基端を冷却回路プレート6に対して係止する係止機構を構成している。インサート3の係合部30が冷却回路プレート6の凹部60に係合されていることにより、上流側の連通路7から冷却穴2内に冷却媒体を確実に導入し、冷却穴2内から下流側の連通路7に冷却媒体を確実に排出することができる。
上述した冷却回路プレート6の溝70および凹部60は、たとえばミーリングカッタなどを用いて切削加工することにより、直線状や曲線状など、任意の形状および大きさに容易に形成することができる。また、冷却回路プレート6の供給口8および排出口9は、ミーリングカッタやドリルなどを用いて、接続される供給管路および排出管路に応じた径に容易に形成することができる。さらにまた、インサート3は、上述したような丸板とするために、冷却穴2の内径よりも僅かに小さい外径を有する中実棒状の素材の側面を切削加工することにより、冷却穴2の内周面と接する側縁が円弧状で、且つ、所定の厚さを有するよう成形することができる。さらに、必要に応じてインサート3を係合部30と一体に成形することもできるが、丸板のインサート3と係合部30とを別体で成形して必要に応じて両者を溶接などにより接合することもできる。
次に、A:本発明の金型の冷却構造(丸板インサート)と、B:図17に示した従来の金型の冷却構造(冷却パイプ)と、C:インサートを丸板とせず断面矩形に成形した場合の金型の冷却構造(角板インサート)とを比較した結果を、図4〜図6に基づいて説明する。
図4および図5は、本発明の金型の冷却構造Aを実際に作成したテストピースの断面図とその冷却回路プレート6の平面図をそれぞれ示したものである。そして、図6は、冷却穴2、201、2’の直径をそれぞれたとえば6mmとし、これらの冷却穴2、201、2’の内面に対するA:丸板インサート3の側縁、B:冷却パイプ305を支持する栓部材307、C:角板インサート3’の角部のクリアランスSをそれぞれ0.025mmとして、冷却媒体の代替として所定の温度に加熱された水(湯)を所定の圧力で冷却回路内に流通させるために必要な流量と、金型本体の表面の温度変化を示したものである。すなわち、図6に示した冷却媒体の必要流量は、その値が多いほどクリアランスSでのリーク(短絡)が多く効率が低いことを意味し、逆に、その値が少ないほどクリアランスSでのリーク(短絡)が少なく効率が高いことを意味する。また、図6に示した時間経過に伴う温度変化は、温度が高くなるほど冷却回路内に循環供給される湯により金型本体が温度上昇しやすく熱伝導効率が高いことを意味し、逆に、温度が低いほど冷却回路内に循環供給される湯によって金型本体が温度上昇し難く熱伝導効率が低いことを意味する。
図6から明白であるように、本発明によるA:丸板インサート3は、B:冷却パイプ305と比較して冷却媒体の必要流量が少ない、つまり、クリアランスSでの冷却媒体のリークが少なく、しかも、温度変化で表される熱伝導効率がB:冷却パイプ305と略同じとなっている。B:冷却パイプ305の、冷却媒体の必要流量が多いのは、冷却パイプ305の径を大きくするには限界があり、この冷却パイプ305によって冷却媒体を効率よくとり込んで冷却穴201内に導入することができず、栓部材307と冷却穴201との間のクリアランスSから冷却媒体がリークするためであると考えられる。また、C:角板インサート3’は、B:冷却パイプ305と比較して冷却媒体の必要流量が少ないが、A:丸板インサート3と比較すると多い。これは、A:丸板インサート3の側縁と冷却穴2とのクリアランスSと、角板インサート3’の角部と冷却穴2’とのクリアランスSとが同じであっても、C:角板インサート3’の側面が平面であり、角板インサート3’の側面の厚さ方向の中間部と冷却穴2’の内面との間にクリアランスS以上の隙間が生じており、この隙間により冷却媒体がリークすることによるものと想像される。これに対して、本発明のA:丸板インサート3では、その側面が冷却穴2の湾曲した内面に対して沿うように円弧状に成形されているために、冷却媒体がリークすることなく効率よく流通し、しかも、A:丸板インサート3によって冷却媒体が連通路7から確実に往路4に導入され、冷却穴2の先端で折り返して復路5から連通路7に排出されるために、単位水量あたりの熱伝導効率が高くなるものと思われる。
次に、本発明に用いられるインサート3の別の実施の形態を図7および図8に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。図7は、この実施の形態におけるインサート3の正面図(a)と側面図(b)を示したものであり、図8は、この実施の形態におけるインサート3の先端側から見た平面図である。上述した実施の形態におけるインサート3はその全長にわたって直線状に成形されたものであったのに対して、この実施の形態におけるインサート3は、その基端部3Aに対して先端部3Bが長手方向軸腺周りに90度捩られている。このように構成されたインサート3は、特にその外径(幅)が冷却穴2の内径よりも大きいなど、冷却孔2に対する寸法誤差が生じている場合であっても、捩られていることにより寸法誤差を吸収して確実に冷却穴2内に挿入することができ、寸法精度を向上させることができる。また、このように構成されたインサート3を使用することにより、冷却穴2内で冷却媒体を螺旋状に流通させることができる。インサート3の捩る角度や、捩る位置、捩る箇所の数などは、任意に設定することができる。
次に、本発明に用いられるインサート3の別の実施の形態を図9および図10に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。図9は、この実施の形態におけるインサート3の基端側から見た平面図であり、図10は、この実施の形態におけるインサート3の正面図(a)と側面図(b)を示したものである。この実施の形態におけるインサート3は、管状部材を押し潰すことにより、板状に容易に形成することができる。そして、この実施の形態におけるインサート3は、図9に示すようにの幅方向中央部が側縁よりも凹むように成形されている。これにより、冷却穴2内の往路4と復路5の断面積を大きくすることができ、したがって、冷却媒体の流通効率を向上させることができる。また、管状部材を押し潰すことによりこのような断面形状のインサート3を容易に成形することができる。
さらにまた、この実施の形態におけるインサート3は、金型本体1の端面近傍と対応する位置にインサート3の本体を構成する管状部材よりも大径の管状部材を外嵌し押し潰すことにより、突出部31がインサート3の幅方向に突出するように形成されている。そして、金型本体1の端面には、突出部31と対応する形状の突出部係合部11が、インサート3の基端部が連通路7を遮断させる方向に保持し得るように冷却穴2に隣接して形成されている。突出部31と突出部係合部11は、冷却穴2内でインサート3がその長手方向軸線回りに回転するのを防止するインサート回り止め機構を構成している。これにより、インサート3の基端部が連通路7を確実に遮断し、したがって、連通路7の上流側から冷却穴2内の往路4に冷却媒体を確実に導入させることができると共に、冷却穴2内の復路5から下流側の連通路7に冷却媒体を確実に排出させることができる。そして、この実施の形態においては、比較的大径の管状部材をインサート3の本体に外嵌し押し潰すことにより、インサート3の幅方向に突出する突出部31を容易に形成することができる。
次に、インサート回り止め機構の別の実施の形態を図11および図12に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。上述した実施の形態においては突出部31がインサート3と一体となって成形されていたのに対して、この実施の形態においては、キー部材32がインサート3と別体で成形されている。図12に示すように、キー部材32は、一側縁を切欠くことにより係合凹部32aが形成されたコ字状またはC字状に成形されている。また、金型本体1の端面には、キー部材32の係合凹部32aがインサート3の一側縁と係合してインサート3の基端部が連通路7を遮断する方向に保持し得るように、キー部材収容部12が冷却穴2に隣接して形成されている。係合凹部32aが冷却穴2側に位置するようにキー部材32をキー部材収容部12に収容し、インサート3の一側縁を係合凹部32aと係合させた状態で、冷却穴2にインサート3を挿入し、冷却回路プレート6を金型本体1に接合すると、キー部材32は、金型本体1のキー部材収容部12と冷却回路プレート6との間に挟まれ固定される。キー部材32の係合凹部32aに一側縁が係合されることにより、上述した実施の形態と同様に、冷却穴2内でインサート3がその長手方向軸線回りに回転するのを防止することができ、インサート3の基端部が連通路7を確実に遮断して、連通路7の上流側から冷却穴2内の往路4に冷却媒体を確実に導入させることができると共に、冷却穴2内の復路5から下流側の連通路7に冷却媒体を確実に排出させることができる。
次に、本発明の金型の冷却構造の別の実施の形態を図13および図14に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。この実施の形態においては、冷却穴2の内面の任意の部分を覆うパイプ状の冷却媒体接触制御部材20が設けられている。図13は、パイプ状の冷却媒体接触制御部材20の正面図(a)および側面図(b)を示したものであり、図14は、パイプ状の冷却媒体接触制御部材20を冷却穴2内に挿入した状態を示す断面図である。パイプ状の冷却媒体接触制御部材20は、たとえばステンレスなどからなるもので、冷却穴2の内径よりも僅かに小さい外径に成形されており、インサート3はパイプ状の冷却媒体接触制御部材20の内径よりも僅かに小さい幅に成形されている。パイプ状の冷却媒体接触制御部材20の下方は、連通路7との間で冷却媒体が流通し得るように切り欠き20aが形成されている。冷却穴2内にパイプ状の冷却媒体接触制御部材20を挿入し、インサート3をパイプ状の冷却媒体接触制御部材20に挿入して、冷却回路プレート6を金型本体1に接合することにより、パイプ状の冷却媒体接触制御部材20は、インサート3と共に冷却穴2および連通路7からなる冷却回路2内に封入され固定される。そして、冷却穴2内にパイプ状の冷却媒体接触制御部材20が挿入されることにより、冷却穴2の内面は、先端部分のみが露出して、他の部分がパイプ状の冷却媒体接触制御部材20に覆われる。そのため、冷却媒体は、この実施の形態の場合、冷却穴2の内面における先端部分のみで接触が許容され、他の部分で接触が制限されるよう制御される。なお、冷却穴2の内面に対する冷却媒体の接触許容範囲を先端部分から拡大したい場合には、図13に鎖線で示すように、パイプ状の冷却媒体接触制御部材20を部分的に切除すれば良い。
次に、本発明の金型の冷却構造の、別の実施の形態における冷却媒体接触制御部材21を図15に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。図15は、冷却媒体接触制御部材21の正面図(a)および側面図(b)を示したものである。上述した実施の形態においては、冷却媒体接触制御部材20がパイプ状であることにより冷却穴2の先端部分のみに冷却媒体の接触を許容する構成であったのに対して、この実施の形態においては、冷却媒体接触制御部材21が冷却穴2の先端部分に対する冷却媒体の接触を制限して、中間部のみに冷却媒体の接触を許容するよう構成されている。すなわち、この実施の形態における冷却媒体接触制御部材21は、冷却穴2内でインサート3の先端に配置された短縮部材21により構成されており(以下、この実施の形態における冷却媒体接触制御部材を短縮部材21という)、インサート3は短縮部材21に接する程度に短く成形されており、インサート3の先端近傍には冷却媒体を流通させるための流通部33が形成されている。短縮部材21は、たとえば銅などからなるもので、冷却穴2の内部先端を覆うように成形されている。短縮部材21を冷却穴2に挿入してから、さらに冷却穴2にインサート3を挿入して、冷却回路プレート6を金型本体に接合することにより、短縮部材21は、インサート3と共に冷却回路を構成する冷却穴2内に封入され固定される。冷却穴2内の先端に短縮部材21が挿入されることにより、冷却穴2の内面は、先端部分のみが短縮部材21に覆われ、他の中間部分が露出した状態となっている。そのため、冷却媒体は、この実施の形態の場合、冷却穴2の内面に対して、往路4に導入されてその中間部分に接触し、先端部分に接触することなく流通部33を通って復路5の中間部分に接触して連通路7の下流側に排出される。そのため、冷却穴2の内面の先端部分に対する冷却媒体の接触が制限されるよう制御される。そのため、この実施の形態では、冷却穴2の中間部分を冷却することができる。なお、図15に示した実施の形態では、インサート3と短縮部材21とを別体で成形した場合で説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されることなく、インサート3と短縮部材21とを一体で成形することもできる。
本発明の金型の冷却構造の実施の一形態を説明するために示した断面図である。 図1に示した冷却回路プレートの平面図である。 冷却回路プレートの別の実施の形態を示した平面図である。 冷却パイプを用いた従来の技術などと比較するために作成した本発明による金型の冷却構造のテストピースの断面図である。 図4に示した冷却回路プレートの平面図である。 本発明による丸板インサートと従来の冷却パイプとインサートを平板とした場合における冷却回路の必要流量と温度変化を比較して示した説明図である。 インサートをその長手方向軸腺周りに捻った実施の形態を示す正面図(a)および側面図(b)である。 図7に示したインサートの平面図である。 管状部材を押し潰すことによりインサートを成形し、さらに、インサート回り止め機構として、大径の管状部材を外嵌して押し潰すことによりインサートの幅方向に突出する突出部を形成した場合の実施の形態を示す底面図である。 図9に示したインサートの正面図(a)と側面図(b)である。 インサート回り止め機構として、インサートの側縁にキー部材を係合すると共にこのキー部材をキー部材収容部に収容して、冷却回路プレートを金型本体に接合して固定した状態を示す部分断面図である。 インサートの一側縁にキー部材を係合した状態を説明するために示した図11のA−A断面図である。 パイプ状の冷却媒体接触制御部材の正面図(a)と側面図(b)である。 図13に示したパイプ状の冷却媒体接触制御部材をインサートと共に冷却穴に組込んだ状態を説明するための断面図である。 別の実施の形態における冷却媒体接触制御部材として短縮部材が用いられている状態を断面で示す正面図(a)と側面図(b)である。 従来の二重管構造を有する金型の冷却構造を説明するために示した断面図である。 従来の金型の冷却構造の別の例を説明するために示した断面図である。 図16の金型に形成された連通路を説明するために示した横断平面図である。
1:金型本体、 2:冷却穴、 3:インサート、 4:往路、 5:復路、 6:冷却回路プレート、 7:連通路、 8:供給口、 9:排出口、 11:係合部、 12:キー部材収容部、 20:パイプ状の冷却媒体接触制御部材、21:短縮部材(別の冷却媒体接触制御部材)、 30:係合部、 31:突出部材、 32:キー部材、60:凹部、 70:溝

Claims (2)

  1. 金型本体に開放端を有する冷却穴が複数形成され、
    該冷却穴内にインサートが配置されて冷却穴内を仕切り冷却媒体の往路と復路が形成され、
    前記金型本体に冷却回路プレートが接合されていることにより、前記各冷却穴の開放端を連通する連通路が形成されると共に、前記インサートが封入されており、
    前記冷却穴の断面が円形に形成されており、該冷却穴の内面と接するインサートの側縁が、その冷却穴の内面と対応する円弧状に形成されていることを特徴とする金型の冷却構造。
  2. インサートの基端を冷却回路プレートに対して係止する係止機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の金型の冷却構造。
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