JP5110017B2 - 増幅回路及びこれを備える光ピックアップ - Google Patents

増幅回路及びこれを備える光ピックアップ

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Description

本発明は増幅回路に関し、特に、フォトダイオードの出力信号の増幅に好適な増幅回路及びこれを備える光ピックアップに関する。
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)等の光ディスクへのデータの記録および再生を行う光記録再生装置は、光ピックアップを備える。光ピックアップには、光源であるレーザーダイオード(Laser Diode)や、光ディスクが反射したレーザービームを受光するフォトダイオード(Photo Diode)などが備えられている。フォトダイオードは、受光したレーザービームを電気信号に変換する素子であり、その出力信号を参照することにより光ディスクに記録されている情報を読み取ることが可能となる(たとえば、特許文献1参照)。
フォトダイオードの出力信号は極めて微弱であることから、これを外部に出力するためには、増幅回路が必要である。したがって、光ピックアップにはこのような増幅回路(受光アンプ)も搭載されることになる。
特開2000−332546号公報
増幅回路の電圧増幅率(利得)は、帰還回路の抵抗値によって変化する。そこで、増幅回路に抵抗値が異なる複数の帰還回路を設け、これらのうちのいずれかを選択するように構成しておけば、単一の増幅回路により複数の電圧増幅率を実現できる。増幅回路から出力される電流の経路には、位相補償用のキャパシタを設ける。
このようなタイプの増幅回路として、一般的に考え得る構成を図12に示す。オペアンプ1003の内部では、差動増幅回路1004とソースフォロア回路1006が縦続接続されている。増幅回路1001の電圧増幅率は、帰還回路1040A、1040Bの抵抗値と、フォトダイオード1000の内部抵抗の抵抗値によって決まる。帰還回路1040A、1040Bは、スイッチSA1、SB1のオン・オフによりいずれか一方が選択される。帰還回路1040A、1040Bのそれぞれに対応して、位相補償用のキャパシタCA、CBを設ける。位相補償用のキャパシタCA、CBは、差動増幅回路1004からソースフォロア回路1006に至る経路に接続される。キャパシタCAは帰還回路1040Aが選択されたときの位相補償に好適な静電容量のキャパシタであり、キャパシタCBは帰還回路1040Bに対応した静電容量のキャパシタである。増幅回路1001において、差動増幅回路1004からキャパシタCA、CBへの導通はスイッチSA2、SB2により制御される。帰還回路1040Aが選択されるときには、スイッチSA2のオンによりキャパシタCAへの経路が導通し、スイッチSB2のオフによりキャパシタCBへの経路は遮断される。帰還回路1040Bが選択されるときはその逆である。
設計上、帰還回路1040Aを使用するときにはキャパシタCAのみが位相補償を担当し、キャパシタCBは増幅回路1001の特性に影響しない。しかし、差動増幅回路1004の出力電流の一部は、オフとなっているはずのスイッチSB2を介して、グラウンドやキャパシタCBに漏れている可能性がある。これは、スイッチSB2が内包する浮遊容量のためである。通常、スイッチSB2の浮遊容量は無視できるほど小さいが、出力電流の周波数が高くなったり、あるいは、出力電流自体が大きくなると、こういった浮遊容量の影響が顕在化してくる。このように図12に示す増幅回路1001では、スイッチSA2やSB2が内包する浮遊容量により、応答速度などの面において増幅回路としての特性が劣化している可能性がある。
本発明の主たる目的は、増幅回路、特に、光ピックアップに用いられる増幅回路の特性を改善するための技術、特に、スイッチの浮遊容量に起因する特性の劣化を抑制するための技術、を提供することにある。
本発明は、増幅回路に関する。この増幅回路は、一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタと、第1の入力トランジスタに動作電流を供給する複数の第1の電流供給回路と、を含み、複数の第1の電流供給回路と第1の入力トランジスタとのそれぞれの接続点から出力信号が取り出される差動増幅回路を備える。また、この増幅回路は、複数の第1の電流供給回路のいずれかを活性化させ、出力信号が取り出されるべき接続点を選択するための第1のスイッチと、第1のスイッチにより選択された接続点から取り出される出力信号の位相補償のために、複数の接続点それぞれに接続される複数のキャパシタと、複数の接続点から、出力信号をそれぞれ受ける複数のソースフォロア回路と、複数のソースフォロア回路それぞれの出力端と、入力信号が入力される側の入力トランジスタとの間に設けられた複数の帰還回路と、複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備える。第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチである。
本発明によれば、第2のスイッチにより帰還回路を選択するとき、第2のスイッチと連動する第1のスイッチにより差動増幅回路から出力される電流(以下、「差動出力電流」とよぶ)が流れる経路も変化する。第2のスイッチにより1以上の帰還回路を選択することにより、帰還回路全体としてのインピーダンスも変化するが、これにあわせて位相補償のためのキャパシタを切り換えることができる。第1のスイッチにより、差動増幅電流の出力経路とその出力経路に接続される位相補償用のキャパシタが選択されるため、差動出力電流が無関係な位相補償用のキャパシタに流れ込んでしまうのを抑制しやすくなる。これにより、応答速度や位相特性、周波数帯域といった増幅回路の特性(以下、まとめて「増幅特性」とよぶ)を向上させやすくなる。
複数の帰還回路は、互いにインピーダンスが異なる回路であり、複数のキャパシタは、複数の帰還回路の電圧増幅特性に対応した互いに異なる静電容量のキャパシタであってもよい。
本発明によれば、複数種類の電圧増幅率に対応した位相補償を実現しやすくなる。
複数のキャパシタのいずれかを選択するための第3のスイッチを更に備え、第3のスイッチは、第1及び第2のスイッチと連動するスイッチであってもよい。
いずれかの帰還回路が選択されたとき、その帰還回路に対応するキャパシタへの経路だけを導通させ、それ以外のキャパシタへの経路を遮断することにより、無関係なキャパシタへ電流が流れ込むのをいっそう抑制しやすくなる。
差動増幅回路は、第2の入力トランジスタに動作電流を供給する第2の電流供給回路を更に含み、第2の電流供給回路はカレントミラー回路の入力側を構成し、第1のスイッチにより活性化された第1の電流供給回路はこのカレントミラー回路の出力側を構成してもよい。
本発明によれば、第1のスイッチによりカレントミラー回路を構成すべき第1の電流供給回路を選択できるので、差動増幅回路における電流供給経路と差動出力電流の出力経路を簡易に制御しやすくなる。
この増幅回路は、第1の入力トランジスタから複数の第1の電流供給回路に至る経路それぞれに間挿され、所定のバイアス電圧が印加されたときに経路を導通させる複数の第4のトランジスタと、バイアス電圧の第4のトランジスタへの印加を制御するための第4のスイッチと、を更に備えてもよい。第4のスイッチは、第1のスイッチにより活性化される第1の電流供給回路から第1の入力トランジスタに至る経路上にある第4のトランジスタにバイアス電圧を印加するように第1のスイッチと連動するスイッチであってもよい。
本発明によれば、入力信号を増幅するための動作電流の供給経路を第4のスイッチにより制御できる。したがって、差動増幅回路における電流供給経路と差動出力電流の出力経路をいっそう確実に制御しやすくなる。
入力信号はフォトダイオードの出力信号であってもよい。このような態様によれば、フォトダイオードの出力信号を増幅するための増幅回路の応答特性を向上させやすくなる。
本発明における増幅回路は、一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタが共通化され、出力信号を複数の出力経路のいずれかから出力する差動増幅回路と、出力信号が取り出されるべき出力経路を選択するための第1のスイッチと、複数の出力経路それぞれに設けられ、出力信号の位相を補償する複数のキャパシタと、複数の出力経路それぞれに設けられ、出力信号を受ける複数のソースフォロア回路と、複数のソースフォロア回路それぞれに設けられ、各ソースフォロア回路の出力端から差動増幅回路の入力端を接続する複数の帰還経路と、複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備え、第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチであってもよい。
この場合も、帰還回路の選択と連動して、差動出力電流の出力経路や位相補償のためのキャパシタが切り換わる。差動出力電流が無関係な位相補償用のキャパシタに流れ込んでしまうのを抑制しやすくなり、増幅特性を向上させやすくなる。
本発明における光ピックアップは、レーザービームを受光するフォトダイオードと、フォトダイオードの出力信号を増幅する増幅回路を備える。増幅回路は、一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタと、第1の入力トランジスタに動作電流を供給する複数の第1の電流供給回路と、を含み、複数の第1の電流供給回路と第1の入力トランジスタとのそれぞれの接続点から出力信号が取り出される差動増幅回路と、複数の第1の電流供給回路のいずれかを活性化させ、出力信号が取り出されるべき接続点を選択するための第1のスイッチと、第1のスイッチにより選択された接続点から取り出される出力信号の位相補償のために、複数の接続点それぞれと接続される複数のキャパシタと、複数の接続点から、出力信号をそれぞれ受ける複数のソースフォロア回路と、複数のソースフォロア回路それぞれの出力端と、第1及び第2の入力トランジスタのうち入力信号が入力される側の入力トランジスタとの間に設けられた複数の帰還回路と、複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備えてもよい。第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチであってもよい。
本発明によれば、光ピックアップ内の増幅回路の応答特性を向上させやすくなる。
本発明によれば、スイッチの浮遊容量による影響を抑制することにより、増幅回路、特に、光ピックアップに用いられる増幅回路の特性を改善する上で効果がある。
第1の実施形態にかかる増幅回路の回路図である。 NチャンネルMOSトランジスタの具体的な構成を示す図である。 一方の帰還回路を選択したときの増幅回路における電流の経路を示す模式図である。 他方の帰還回路を選択したときの増幅回路における電流の経路を示す模式図である。 光ディスクの記録再生を行う光記録再生装置において用いられるPDICの外観例を示す図である。 図1の増幅回路を含むPDICの内部回路構成を示す第1の図である。 図1の増幅回路を含むPDICの内部回路構成を示す第2の図である。 図6、図7のPDICを備える光ピックアップの構成を示す模式図である。 増幅回路の電流電圧変換ゲインについてのボード線図である。 増幅回路の利得についてのボード線図である。 増幅回路の位相についてのボード線図である。 増幅回路とフォトダイオードの一般的に考えられる構成を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、第1の実施形態にかかる増幅回路1の回路図である。ここでは増幅回路1の構成を中心として説明し、動作の詳細については図3、図4に関連して後述する。増幅回路1は、帰還回路40−1、40−2(以下、まとめていうときには、単に「帰還回路40」とよぶ。)により、電圧増幅率を変更可能に形成された増幅回路として想定したものである。
増幅回路1は差動増幅回路20、ソースフォロア回路30−1、30−2(以下、まとめていうときには、単に「ソースフォロア回路30」とよぶ)および位相補償ブロック300−1、300−2(以下、まとめていうときには、単に「位相補償ブロック300」とよぶ)を含む。差動増幅回路20とソースフォロア回路30は、1対多の関係にあり、縦続接続される。以下、差動増幅回路20からソースフォロア回路30に出力される電流を「差動出力電流」、ソースフォロア回路30から出力される電流を、単に、「出力電流」とよぶ。差動増幅回路20の反転入力端子(−)にはフォトダイオード2が接続され、差動増幅回路20の非反転入力端子(+)には基準電圧源14が接続される。差動増幅回路20とソースフォロア回路30−1の中間点Q1には位相補償ブロック300−1が接続され、差動増幅回路20とソースフォロア回路30−2の中間点Q2には位相補償ブロック300−2が接続される。
ソースフォロア回路30−1の出力端E1と差動増幅回路20の反転入力端子(−)との間には帰還回路40−1、ソースフォロア回路30−2の出力端E2と差動増幅回路20の反転入力端子(−)との間には帰還回路40−2が接続される。
帰還回路40−1は、抵抗16−1−1(帰還抵抗)とキャパシタ17−1−1、スイッチ18−1−1を含む。帰還回路40−2は、抵抗16−2−1とキャパシタ17−2−1、スイッチ18−2−1を含む。以下、抵抗16−1−1、16−2−1等をまとめていうときには、単に「抵抗16」とよぶ。キャパシタ17、スイッチ18についても同様である。これらの構成により、増幅回路1はいわゆる反転増幅回路を構成している。
差動増幅回路20は、PチャンネルMOSトランジスタ21−1、21−2(以下、まとめていうときには、単に、「PチャンネルMOSトランジスタ21」とよぶ)、PチャンネルMOSトランジスタ22、NチャンネルMOSトランジスタ27−1、27−2(以下、まとめていうときには、単に、「NチャンネルMOSトランジスタ27」とよぶ)、NチャンネルMOSトランジスタ26、NチャンネルMOSトランジスタ23、NチャンネルMOSトランジスタ24を含む。
NチャンネルMOSトランジスタ23は差動増幅回路20の反転入力端子(−)となる入力用のトランジスタ、NチャンネルMOSトランジスタ24は差動増幅回路20の非反転入力端子(+)となる入力用のトランジスタである。NチャンネルMOSトランジスタ24のゲートには、基準電圧源14から基準信号としてのバイアス電圧が印加される。
フォトダイオード2は、光ディスクにて反射したレーザービームを受光し、光電変換を行う素子である。一例では、フォトダイオード2はPNダイオード、逆バイアス電源、抵抗を含んで構成され、PNダイオードにレーザービームが当たることによって抵抗の両端の電圧が変動する。この電圧は所定の電圧値(バイアス電圧)を基準として上下に変動し、フォトダイオード2の出力Vinとなる。以下では、基準電圧源14のバイアス電圧は1.65Vであるとする。
フォトダイオード2の出力Vinはまず差動増幅回路20に供給され、さらに差動増幅回路20の出力である差動出力電流がソースフォロア回路30−1または30−2に供給される。これらの構成により、増幅回路1は、フォトダイオード2の出力Vinを増幅して出力する。その結果、増幅回路1の出力Vout1またはVout2には、受光したレーザービームの強度に応じた出力が得られる。
NチャンネルMOSトランジスタ23のゲート(反転入力端子)はフォトダイオード2に接続され、NチャンネルMOSトランジスタ24のゲート(非反転入力端子)は基準電圧源14に接続されている。基準電圧源14はフォトダイオード2のバイアス電圧と同値の電圧(1.65V)を発生する。差動増幅回路20の出力は、PチャンネルMOSトランジスタ21−1とNチャンネルMOSトランジスタ23の接続点P1、または、PチャンネルMOSトランジスタ21−2とNチャンネルMOSトランジスタ23の接続点P2から取り出される。
接続点P1から差動出力電流を受けるソースフォロア回路30−1は、差動増幅回路20の出力がゲートに供給されるNチャンネルMOSトランジスタ31−1と、NチャンネルMOSトランジスタ31−1のソースに接続された定電流源32−1を含む。ソースフォロア回路30−1の出力は、NチャンネルMOSトランジスタ31−1のソースから取り出され、増幅回路1の出力Vout1となる。NチャンネルMOSトランジスタ31−1は、いわゆるデプレッション型のMOSトランジスタである。すなわち、NチャンネルMOSトランジスタ31−1のしきい値電圧Vthはゼロまたはマイナス値である。
接続点P2から差動出力電流を受けるソースフォロア回路30−2は、差動増幅回路20の出力がゲートに供給されるNチャンネルMOSトランジスタ31−2と、NチャンネルMOSトランジスタ31−2のソースに接続された定電流源32−2を含む。ソースフォロア回路30−1とソースフォロア回路30−2の基本的な構成は同じである。
PチャンネルMOSトランジスタ21−1、21−2、22の各ソース、およびNチャンネルMOSトランジスタ31−1、31−2のドレインには電源電圧Vddが供給される。
ここで、増幅回路1の電圧増幅率は、抵抗16の抵抗値とフォトダイオード2の内部抵抗値の調節により、適宜設定される。ただし、フォトダイオード2の出力電圧がバイアス電圧の電圧値1.65Vである場合、電圧増幅率にかかわらず、ソースフォロア回路30の出力電圧(NチャンネルMOSトランジスタ31のソース電圧)は約1.65V程度となる。
NチャンネルMOSトランジスタ31−1のしきい値電圧をVthとすると、NチャンネルMOSトランジスタ31のゲート電圧は、Vout+Vthで与えられる。増幅回路1のNチャンネルMOSトランジスタ31はデプレッション型であるため、Vth≦0である。したがって、NチャンネルMOSトランジスタ31−1のゲート電圧は、ソース電圧とほぼ同じか、むしろこれよりも低くなる。たとえば、しきい値電圧Vthがほぼ0Vであるとすると、NチャンネルMOSトランジスタ31−1のゲート電圧は出力Vout1の電圧とほぼ一致することになる。その結果、出力Vout1の電圧が約1.65Vであるとすれば、トランジスタ31のゲート電圧も約1.65Vとなる。ソースフォロア回路30−2についても同様である。
増幅回路1では、NチャンネルMOSトランジスタ31−1、31−2としてデプレッション型のMOSトランジスタを用いているが、エンハンスメント型のMOSトランジスタを用いることも可能である。なお、NチャンネルMOSトランジスタ31−1、31−2の代わりに、NPNバイポーラトランジスタを使用することも可能である。また、増幅回路1を構成するMOSトランジスタのそれぞれをバイポーラトランジスタで代用することも可能である。
増幅回路1は、2つ帰還回路40を備えるが、3個以上であっても基本的な原理は同様である。各帰還回路40に含まれる抵抗16の抵抗値は互いに異なる。このため、いずれの帰還回路40を使用するかによって、増幅回路1の電圧増幅率を変更できる。帰還回路40に含まれるキャパシタ17は進み位相補償のために設けられる。
帰還回路40−1に含まれる抵抗16−1−1は、一端がソースフォロア回路30−1の出力端E1に接続され、他端はスイッチ18−1−1を介して差動増幅回路20の入力端S、より具体的には、差動増幅回路20の反転入力端子(−)に接続される。スイッチ18−1−1は、抵抗16−1−1から入力端Sに至る経路に間挿される。同様にして、帰還回路40−2の抵抗16−2−1も、一端は出力端E2に接続され、他端はスイッチ18−2−1を介して差動増幅回路20の入力端Sに接続される。
帰還回路40−1に含まれるキャパシタ17−1−1は、抵抗16−1−1と並列接続される。したがって、キャパシタ17−1−1は、抵抗16−1−1と同様、スイッチ18−1−1を介して入力端Sと接続されている。帰還回路40−2のキャパシタ17−2−1についても同様である。
増幅回路1の使用に際しては、帰還スイッチ18−1−1か18−2−2のいずれかのみを導通(以下、「オン」とよぶ)させる。たとえば、帰還スイッチ18−1−1がオンされるときには、スイッチ18−2−1はオフとする。各帰還回路40に含まれる抵抗16の抵抗値は、抵抗16−1−1の方が抵抗16−2−1よりも大きい。電圧増幅率(利得)は、帰還回路40における抵抗16の抵抗値が大きいほど高くなる。したがって、高利得動作時にはスイッチ18−1−1、低利得動作時にはスイッチ18−2−1をオンすればよい。
増幅回路1では、外部信号によってスイッチ18−1−1と18−2−1のいずれかを選択することにより、使用対象となる帰還回路40を切り換える。スイッチ18の選択により、抵抗16とあわせて位相補償用のキャパシタ17も切り換えられる。
位相補償ブロック300−1は、帰還回路40−1がスイッチ18−1−1により選択されたとき、出力信号の零点調節による位相補償を実現するために設けられる。位相補償ブロック300−2は、帰還回路40−2に対応する。位相補償ブロック300−1は、中間点Q1からグラウンドまで、スイッチ18−1−2、抵抗16−1−2、キャパシタ17−1−2を直列に接続する回路である。位相補償ブロック300−2についても同様である。
スイッチ18−1−1がオンされ、帰還回路40−1が選択されるときには、スイッチ18−1−2がオンされ、位相補償ブロック300−1が選択される。スイッチ18−1−1がオンのときには、スイッチ18−2−1、18−2−2はオフとなる。したがって、帰還回路40−1が選択されるとき、差動出力電流は、帰還回路40−1のキャパシタ17−1−1と位相補償ブロック300−1のキャパシタ17−1−2により位相補償される。
スイッチ18−2−1がオンされ、帰還回路40−2が選択されるときには、スイッチ18−2−2がオンされ、位相補償ブロック300−2が選択される。このように、スイッチ18−1−1と18−1−2のグループ(以下、「第1グループスイッチ」とよぶ)と、スイッチ18−2−1と18−2−2(以下、「第2グループスイッチ」とよぶ)のグループを排他的関係にてオン・オフさせることにより、帰還回路40の選択に応じて、いいかえれば、電圧増幅特性に応じて、最適な位相補償結果を得ることができる。スイッチ18−1−2とスイッチ18−2−2は、いずれもNチャンネルMOSトランジスタによるトランジスタ・スイッチであるとする。
差動増幅回路20は、スイッチ18−1−3、18−2−3、18−1−4、18−2−4を含む。スイッチ18−1−3と18−1−4は第1グループスイッチであり、スイッチ18−2−3と18−2−4は第2グループスイッチである。したがって、スイッチ18−1−1がオンされ、帰還回路40−1が選択されるときには、スイッチ18−1−3、18−1−4もオンとなる。このとき、スイッチ18−2−3、18−2−4はオフとなる。一方、スイッチ18−2−1がオンされ、帰還回路40−2が選択されるときには、スイッチ18−2−3、18−2−4もオンとなる。このとき、スイッチ18−1−3、18−1−4はオフとなる。
スイッチ18−1−3と18−2−3により、PチャンネルMOSトランジスタ22とカレントミラー回路を構成すべきトランジスタを選択する。スイッチ18−1−3がオンのとき、PチャンネルMOSトランジスタ21−1のゲートとPチャンネルMOSトランジスタ22のゲートが導通し、PチャンネルMOSトランジスタ22とPチャンネルMOSトランジスタ21−1によりカレントミラー回路が構成される。このカレントミラー回路がNチャンネルMOSトランジスタ23へ動作電流を供給する。このとき、スイッチ18−2−3はオフとなり、PチャンネルMOSトランジスタ21−2のゲートは、Vddと接続される。したがって、負論理のPチャンネルMOSトランジスタ21−2はオフとなる。このように、スイッチ18−1−3と18−2−3のいずれがオンとなるかにより、NチャンネルMOSトランジスタ23に動作電流を供給するカレントミラー回路が変更される。
正論理のNチャンネルMOSトランジスタ26のゲートには、バイアス電圧源76から所定のバイアス電圧が印加されており、常時、オン状態となっている。スイッチ18−1−4がオンのとき、NチャンネルMOSトランジスタ27−1のゲートにもバイアス電圧源76からバイアス電圧が印加され、NチャンネルMOSトランジスタ27がオンとなる。これにより、Vdd、PチャンネルMOSトランジスタ21−1からNチャンネルMOSトランジスタ23へ動作電流が供給される。スイッチ18−2−4はオフとなり、NチャンネルMOSトランジスタ27−2はオフとなる。スイッチ18−2−4がオンのときにはその逆である。このように、スイッチ18−1−4と18−2−4のいずれがオンとなるかにより、NチャンネルMOSトランジスタ23への動作電流の供給経路が変化する。
第1グループスイッチがオンのとき、PチャンネルMOSトランジスタ21−1、NチャンネルMOSトランジスタ27−1が導通するため、その接続点P1からは差動出力電流が取り出される。この差動出力電流を受けるのはソースフォロア回路30−1であり、中間点Q1に接続される位相補償ブロック300−1により零点調整の位相補償がなされる。一方、PチャンネルMOSトランジスタ21−2、NチャンネルMOSトランジスタ27−2は共にオフであるため、接続点P2は電気的に孤立する。接続点P2から差動出力電流が取り出されないため、接続点P2に接続される位相補償ブロック300−2の影響を排除できる。
第2グループスイッチがオンのときには、PチャンネルMOSトランジスタ21−2、NチャンネルMOSトランジスタ27−2が導通するため、その接続点P2から差動出力電流が取り出される。この差動出力電流を受けるのはソースフォロア回路30−2であり、中間点Q2に接続される位相補償ブロック300−2により零点調整の位相補償がなされる。一方、PチャンネルMOSトランジスタ21−1、NチャンネルMOSトランジスタ27−1は共にオフであるため、接続点P1は電気的に孤立する。接続点P1の出力経路から差動出力電流が取り出されることはないため、接続点P1に接続される位相補償ブロック300−1の影響を排除できる。
増幅回路1においては、スイッチ18−1−3、18−2−3、18−1−4、18−2−4の制御により、差動出力電流は接続点P1、P2のいずれか一方から取り出される。また、接続点P1、P2のそれぞれに対応して、ソースフォロア回路30−1、30−2、位相補償ブロック300−1、300−2が設けられている。
ソースフォロア回路30−1の出力信号は出力端E1から取り出される。また、出力端E1からの帰還電流は、帰還回路40−1を介して、差動増幅回路20の入力端Sに戻る。ソースフォロア回路30−2からの出力信号は出力端E2から取り出される。出力端E2からの帰還電流は、帰還回路40−2を介して、差動増幅回路20の入力端Sに戻る。
まとめると、第1グループスイッチがオンとなるときには、帰還回路40−1が選択され、接続点P1の出力経路から差動出力電流が取り出され、位相補償ブロック300−1により零点調整の位相補償がなされ、ソースフォロア回路30−1から出力信号がVout1として取り出される。第2グループスイッチがオンとなるときには、帰還回路40−2が選択され、接続点P2の出力経路から差動出力電流が取り出され、位相補償ブロック300−2により零点調整の位相補償がなされ、ソースフォロア回路30−2から出力信号がVout2として取り出される。次に、スイッチ18が内包する浮遊容量とその影響について説明する。
図2は、NチャンネルMOSトランジスタの具体的な構成を示す図である。NチャンネルMOSトランジスタにおいては、P型シリコン基板50にN型ソース領域52とN型ドレイン領域54が形成される。N型ソース領域52とN型ドレイン領域54の間にはチャンネル領域60とよばれる隙間が形成される。チャンネル領域60の上にはゲート酸化膜56、更に、ゲート電極58が形成される。ゲート電極58に電圧を印加し、ゲート電極58からP型シリコン基板50の向きに電界を発生させると、P型シリコン基板50の電子がチャンネル領域60に誘引され、チャンネル領域60には電子の通り道であるチャンネル62が形成され、N型ソース領域52とN型ドレイン領域54が導通する。NチャンネルMOSトランジスタは、ゲート電圧によりソース・ドレイン間の導通を制御できるため、スイッチとして機能する。
通常、NチャンネルMOSトランジスタは、その内部にさまざまな浮遊容量を含む。たとえば、ゲート電極58とN型ドレイン領域54の間、ゲート電極58とN型ソース領域52の間、・・・など多くの箇所に浮遊容量が生じる。P型シリコン基板50がグラウンド接地される場合には、N型ドレイン領域54とP型シリコン基板50の間に形成される浮遊容量により、N型ドレイン領域54がグラウンドと導通する。N型ソース領域52についても同様である。ただし、通常、こういった浮遊容量は無視できるほど小さい。しかし、高周波の電流を取り扱う場合には、こういった浮遊容量の影響が顕在化しやすくなる。なお、PチャンネルMOSトランジスタをスイッチとして使用するときにも同様である。
図12に示した増幅回路1001は、いずれの帰還回路1040A、1040Bを選択するかに関わらず、オペアンプ1003の出力電流の経路は1系統である。そして、この経路にスイッチSA2、SB2が接続されている。このため、帰還回路1040Aが選択されたときでも、出力電流はスイッチSA2(オン)の経路だけでなく、スイッチSB2(オフ)の経路にも流れ込む可能性がある。そして、スイッチSB2がオフであっても、スイッチSB2が内包する浮遊容量により、出力電流の一部はスイッチSB2を介してグラウンドに漏れてしまう。あるいは、スイッチSB2のソースとドレインが浮遊容量によりわずかに導通するため、出力電流の一部がからキャパシタCB2に流れ込む可能性もある。設計上想定していない浮遊容量が増幅回路1001の位相特性等に影響し、増幅回路1001の増幅特性を劣化させる。
これに対して、第1の実施形態における増幅回路1では、帰還回路40の選択により、の差動出力電流の経路自体が変更になるため、無関係な位相補償ブロック300に含まれる浮遊容量の影響を排除できる。
図3は、帰還回路40−1を選択したときの増幅回路1における電流の経路を示す模式図である。図3では、フォトダイオード2から出力された電流が入力信号として、NチャンネルMOSトランジスタ23のゲートに流れ込んでいるとする。図3では、電流の流れる経路を太線で示している。第1グループスイッチ(スイッチ18−1−1、18−1−2、18−1−3、18−1−4)がオンとなり、PチャンネルMOSトランジスタ21−1、NチャンネルMOSトランジスタ27−1がオンとなる。負論理で動作するPチャンネルMOSトランジスタ21−2のゲートにはVddが印加されるため、PチャンネルMOSトランジスタ21−2はオフとなる。PチャンネルMOSトランジスタ22とPチャンネルMOSトランジスタ21−1がカレントミラー回路を形成する。このカレントミラー回路が差動増幅回路20の能動負荷として機能する。
スイッチ18−1−4がオンとなり、スイッチ18−2−4がオフとなるため、正論理で動作するNチャンネルMOSトランジスタ27−1はオンとなり、NチャンネルMOSトランジスタ27−2はオフとなる。まとめると、差動増幅回路20に含まれる各トランジスタのうち、PチャンネルMOSトランジスタ21−2とNチャンネルMOSトランジスタ27−2がオフとなり、それ以外はオンとなる。この結果、差動出力電流は接続点P1の出力経路から取り出される。
接続点P1の出力経路から取り出された差動出力電流は、位相補償ブロック300−1により位相補償される。NチャンネルMOSトランジスタ31−1がオンとなるため、出力信号は、ソースフォロア回路30−1からVout1として取り出される。一部は帰還電流として、帰還回路40−1を介して差動増幅回路20の入力端Sに戻る。
接続点P2は、PチャンネルMOSトランジスタ21−2、NチャンネルMOSトランジスタ27−2のオフにより電流の経路から遮断されている。このため、接続点P2の出力経路から位相補償ブロック300−2やソースフォロア回路30−2、帰還回路40−2には電流は流れ込まない。したがって、第1グループスイッチをオンするとき、位相補償ブロック300−2の影響を排除しやすい構成となっている。また、増幅回路1のスイッチ18−1−3、18−2−3、18−1−4、18−2−4は、いずれも微弱なゲート電流を制御対象とするスイッチである。このため、スイッチ18−1−2や18−2−2のように大きな差動出力電流が流れ込むスイッチに比べて、スイッチ自体の浮遊容量による影響を格段に小さくできる。
更に、位相補償ブロック300−2にスイッチ18−2−2を設け、これをオフすれば、第1グループスイッチがオンのときの位相補償ブロック300−2の影響をいっそう確実に排除できる。
図4は、帰還回路40−2を選択したときの増幅回路1における電流の経路を示す模式図である。図4も、フォトダイオード2から出力された電流が入力信号として、NチャンネルMOSトランジスタ23のゲートに流れ込んでいる状態を示す。図4でも、電流の流れる経路を太線で示している。第2グループスイッチ(スイッチ18−2−1、18−2−2、18−2−3、18−2−4)がオンとなり、PチャンネルMOSトランジスタ21−2、NチャンネルMOSトランジスタ27−2がオンとなる。負論理で動作するPチャンネルMOSトランジスタ21−1のゲートにはVddが印加されるため、PチャンネルMOSトランジスタ21−1はオフとなる。PチャンネルMOSトランジスタ22とPチャンネルMOSトランジスタ21−2はカレントミラー回路を形成する。このカレントミラー回路が差動増幅回路20の能動負荷として機能する。
スイッチ18−2−4がオンとなり、スイッチ18−1−4がオフとなるため、正論理で動作するNチャンネルMOSトランジスタ27−2はオンとなり、NチャンネルMOSトランジスタ27−1はオフとなる。まとめると、差動増幅回路20に含まれる各トランジスタのうち、PチャンネルMOSトランジスタ21−1とNチャンネルMOSトランジスタ27−1がオフとなり、それ以外はオンとなる。差動出力電流は接続点P2の出力経路から取り出される。
接続点P2の出力経路から取り出された差動出力電流は、位相補償ブロック300−2により位相補償される。NチャンネルMOSトランジスタ31−2がオンとなるため、出力信号は、ソースフォロア回路30−2からVout2として取り出される。一部は帰還電流として、帰還回路40−2を介して差動増幅回路20の入力端Sに戻る。接続点P1の出力経路は、PチャンネルMOSトランジスタ21−1、NチャンネルMOSトランジスタ27−1のオフにより電流の経路から遮断されている。
[実施形態2]
増幅回路1は、フォトダイオード2と同一チップ上に集積することができ、このようなチップは、通常、フォトダイオードIC(PDIC:Photo Diode Integrated Circuit)と呼ばれる。第2の実施形態では、このPDICを用いる光記録再生装置の回路構成の具体例を挙げ、さらに、この光記録再生装置内において用いられる光ピックアップの構成について説明する。
図5は、光ディスクの記録再生を行う光記録再生装置において用いられるPDIC100の外観例を示す図である。同図に示すPDIC100は、光記録再生装置の中でも特にCD/DVD/BDコンパチブルレコーダーに用いられるものであり、20個のフォトダイオード(A,B,C,D,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4,a,b,c,d,e1,e2,f1,f2)を備える。各フォトダイオードは、それぞれ受光部R−1〜6のいずれかに配置されている。
受光部R−1〜3はBD/DVD記録再生用である。受光部R−1は4つのフォトダイオードA,B,C,Dにより構成され、BDまたはDVDで反射したメインビームMBを受光する。また、受光部R−2は4つのフォトダイオードE1,E2,E3,E4により構成され、BDまたはDVDで反射したサブビームSB1を受光する。また、受光部R−3は4つのフォトダイオードF1,F2,F3,F4により構成され、BDまたはDVDで反射したサブビームSB2を受光する。
受光部R−4〜6はCD記録再生用である。受光部R−4は4つのフォトダイオードa,b,c,dにより構成され、CDで反射したメインビームMBを受光する。また、受光部R−5は2つのフォトダイオードe1,e2により構成され、CDで反射したサブビームSB1を受光する。また、受光部R−6は2つのフォトダイオードf1,f2により構成され、CDで反射したサブビームSB2を受光する。
図6及び図7は、増幅回路1を含む上記PDIC100の内部回路構成を示す図である。なお、図6及び図7は、2つの図で1つのPDOC100の内部回路構成を示しており、実際には図6の下部と図7の上部とがつながっている。各フォトダイオードにかかる回路構成には互いに類似している部分が多いので、以下では、フォトダイオードA及びフォトダイオードaに着目して説明を行うこととする。
図6に示す回路44は、フォトダイオードA及びフォトダイオードaの他、第1の実施形態で説明した増幅回路1を含み、さらにスイッチ41及びリミッタ回路42を含んで構成される。
増幅回路1の反転入力端子(−)(=差動増幅回路20の反転入力端子(−))には、外部からの制御に応じたスイッチ41の動作により、記録再生対象メディアがBD又はDVDである場合にフォトダイオードAが接続され、記録再生対象メディアがCDである場合にフォトダイオードaが接続される。一方、増幅回路1の非反転入力端子(+)(=差動増幅回路20の非反転入力端子(+))には、所定電圧の電源Vsが接続される。これらの構成により、増幅回路1は、フォトダイオードの出力信号に増幅処理を施す。
増幅回路1内のスイッチ18−1−1、18−1−2、18−1−3、18−1−4、18−2−1、18−2−2、18−2−3、18−2−4(図6では図示していない)のオンオフは、ゲイン制御部55により制御される。ゲイン制御部55は、外部からの指示に従ってハイ信号又はロー信号を生成することにより各スイッチ18を制御する。
リミッタ回路42は、増幅回路1から出力された信号の振幅が所定の最大値を超えている場合、超えた分の振幅をクリップして、後段に出力する。
リミッタ回路42の出力信号は、端子VA/Vaから出力されるとともに、合成回路67にも入力される。端子VA/Vaからの出力信号は、図示しない制御回路において、光スポットのデフォーカスやトラックからのずれを検出するためのサーボ信号として用いられる。
合成回路67には、上記リミッタ回路42の出力信号の他、フォトダイオードB,C,D又はフォトダイオードb,c,dからも同様にリミッタ回路の出力信号が入力される。これらの各出力信号は合成され、端子VRFP及び端子VRFNから出力される。なお、端子VRFP及び端子VRFNの出力信号は互いに逆相となる。こうして出力される信号は、図示しない制御回路において、記録されているデータを示すデータ信号として用いられる。
図8は、上記PDIC100を備える光ピックアップ101の構成を示す模式図である。光ピックアップ101は、レーザ光源102と、レーザ光源102からのレーザービームを複数に分割する回折格子103と、回折格子103から出射されたレーザービームを平行光にするコリメートレンズ104と、平行光とされたレーザービームを光ディスク200側へ導くミラー105と、ミラー105で反射されたレーザービームを円偏光に変換して対物レンズ106に入射する1/4波長板110と、1/4波長板110から入射されたレーザービームをディスク面に収束させる対物レンズ106と、光ディスク200により反射されミラー105でさらに反射された光をPDIC100側へ導くビームスプリッタ107と、ビームスプリッタ107からの反射光を収束させるアナモフィックレンズ108と、アナモフィックレンズ108によって収束された反射光を受光するPDIC100とを備えている。PDIC100は、上述したように20個のフォトダイオードを備え、各フォトダイオードは、上記反射光を受光して光電変換し、反射光の強度に応じた電圧信号を出力する。
なお、光ディスク200に対する対物レンズ106の位置は、対物レンズ駆動装置109によって高精度に制御される。詳細には、対物レンズ106をフォーカス方向へ駆動することにより、光ディスク200の記録面にビームスポットの焦点を合わせるフォーカス補正が行われ、トラッキング方向へ駆動することにより、光ディスク200のトラックにビームスポットを追従させるトラッキング補正が行われる。また、タンジェンシャル方向を回転軸にして対物レンズ106をトラッキング方向に回転させることにより、ディスクの反りに対応するチルト角の補正が行われる。
以上、実施の形態に基づいて、増幅回路の特性を改善するための方法について説明した。増幅回路1は、帰還回路40の選択に応じて、差動増幅回路20から差動出力電流が取り出されるべき接続点(P1、P2)、いいかえれば、差動出力電流の出力経路そのものが変更される。そして各接続点に位相補償ブロック300を接続している。いわば、差動出力電流の出口が分離されているため、差動出力電流の一部が無関係な位相補償ブロック300に流れ込みにくい構成となっている。帰還回路40のインピーダンスによって電圧増幅特性が変化するが、電圧増幅特性に応じて零点調整のための位相補償に最適なキャパシタも異なる。各中間点(Q1、Q2)にそれぞれ異なる位相補償ブロック300を設けることにより、帰還回路40の選択に応じて最適な位相補償を実現しやすくなる。
差動増幅回路20の内部的なスイッチ18は、差動出力電流のような大電流ではなく、ゲート電流のような小さな電流を制御対象としている。このため、スイッチ18−1−3、18−2−3、18−1−4、18−2−4が浮遊容量要素を有するとしても、その影響は現れにくい構成となる。
図9は、増幅回路1の電流電圧変換ゲインについてのボード線図である。横軸は周波数を対数軸にて示す。縦軸は、帰還回路40−1を選択したとき抵抗16−1−1にかかる電圧とフォトダイオード2の入力電流の比率を示している。実線(a)は増幅回路1、点線(b)は増幅回路1001のように出力経路を1系統とした増幅回路の特性を示す。実線(a)の場合においては−3dBとなるカットオフ周波数は125MHzであり、点線(b)の場合においては103MHzであった。すなわち、帰還回路40に応じて出力経路を切り換えることにより、使用可能な周波数帯域が拡大されている。
図10は、増幅回路1の利得についてのボード線図である。帰還回路40−1を選択しているとする。横軸は周波数を対数軸にて示す。縦軸は、オペアンプ10のオープンループゲインを示す。実線(c)は増幅回路1、点線(d)は増幅回路1001のように出力経路を1系統とした増幅回路の特性を示す。オペアンプ10の利得についても周波数特性が改善している。
図11は、増幅回路1の位相についてのボード線図である。帰還回路40−1を選択しているとする。横軸は周波数を対数軸にて示す。縦軸は、オペアンプ10の入力信号(Vin)に対する出力信号(Vout)の位相を示す。実線(e)は増幅回路1、点線(f)は増幅回路1001のように出力経路を1系統とした増幅回路の特性を示す。オペアンプ10の位相についても周波数特性が改善している。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
なお、請求項に記載の第1の電流供給経路は、第1の実施形態において、VddからPチャンネルMOSトランジスタ21に至る経路が対応する。同様に、第2の電流供給経路は、第1の実施の形態において、VddからPチャンネルMOSトランジスタ22に至る経路が対応する。請求項に記載の第1、第2、第3、第4のスイッチは、第1の実施形態において、スイッチ18−1−3と18−2−3のセット、18−1−1と18−2−1のセット、18−1−2と18−2−2のセット、18−1−4と18−2−4のセットがそれぞれ対応する。これら請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、各実施形態において示された各部材の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
1 増幅回路
2 フォトダイオード
14 基準電圧源
16 抵抗
17 キャパシタ
18 スイッチ
20 差動増幅回路
21、22 PチャンネルMOSトランジスタ
23、24、26、27、31 NチャンネルMOSトランジスタ
25 定電流源
30 ソースフォロア回路
32 定電流源
40 帰還回路
42 リミッタ回路
67 合成回路
74 浮遊容量
76 バイアス電圧源
100 PDIC
102 レーザー光源
103 回折格子
105 ミラー
200 光ディスク
300 位相補償ブロック

Claims (8)

  1. 一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタと、前記第1の入力トランジスタに動作電流を供給する複数の第1の電流供給回路と、を含み、前記複数の第1の電流供給回路と前記第1の入力トランジスタとのそれぞれの接続点から出力信号が取り出される差動増幅回路と、
    前記複数の第1の電流供給回路のいずれかを活性化させ、前記出力信号が取り出されるべき前記接続点を選択するための第1のスイッチと、
    複数の前記接続点それぞれに接続され、それぞれ対応する前記接続点から取り出される出力信号の位相を補償するための複数のキャパシタと、
    複数の前記接続点から、前記出力信号をそれぞれ受ける複数のソースフォロア回路と、
    前記複数のソースフォロア回路それぞれの出力端と、前記第1及び第2の入力トランジスタのうち前記一方との間に設けられた複数の帰還回路と、
    前記複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備え、
    前記第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチであることを特徴とする増幅回路。
  2. 前記複数の帰還回路は、互いにインピーダンスが異なる回路であり、
    前記複数のキャパシタは、前記複数の帰還回路の電圧増幅特性に対応した互いに異なる静電容量のキャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の増幅回路。
  3. 前記複数のキャパシタのいずれかを選択するための第3のスイッチと、を更に備え、
    前記第3のスイッチは、前記第1及び第2のスイッチと連動するスイッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の増幅回路。
  4. 前記差動増幅回路は、前記第2の入力トランジスタに動作電流を供給する第2の電流供給回路を更に含み、
    第2の電流供給回路はカレントミラー回路の入力側を構成し、前記第1のスイッチにより活性化された第1の電流供給回路は前記カレントミラー回路の出力側を構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の増幅回路。
  5. 前記第1の入力トランジスタから前記複数の第1の電流供給回路に至る経路それぞれに間挿され、所定のバイアス電圧が印加されたときに経路を導通させる複数の第4のトランジスタと、
    前記バイアス電圧の前記第4のトランジスタへの印加を制御するための第4のスイッチと、を更に備え、
    前記第4のスイッチは、前記第1のスイッチにより活性化される第1の電流供給回路から前記第1の入力トランジスタに至る経路上にある前記第4のトランジスタにバイアス電圧を印加するように前記第1のスイッチと連動するスイッチであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の増幅回路。
  6. 前記入力信号がフォトダイオードの出力信号であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の増幅回路。
  7. 一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタが共通化され、出力信号を複数の出力経路のいずれかから出力する差動増幅回路と、
    前記出力信号が取り出されるべき前記出力経路を選択するための第1のスイッチと、
    前記複数の出力経路それぞれに設けられ、前記出力信号の位相を補償する複数のキャパシタと、
    前記複数の出力経路それぞれに設けられ、前記出力信号を受ける複数のソースフォロア回路と、
    前記複数のソースフォロア回路それぞれに設けられ、各ソースフォロア回路の出力端から前記差動増幅回路の入力端を接続する複数の帰還経路と、
    前記複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備え、
    前記第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチであることを特徴とする増幅回路。
  8. レーザービームを受光するフォトダイオードと、前記フォトダイオードの出力信号を増幅する増幅回路とを備え、
    前記増幅回路は、
    一方に入力信号が入力され他方に基準信号が入力される第1及び第2の入力トランジスタと、前記第1の入力トランジスタに動作電流を供給する複数の第1の電流供給回路と、を含み、前記複数の第1の電流供給回路と前記第1の入力トランジスタとのそれぞれの接続点から出力信号が取り出される差動増幅回路と、
    前記複数の第1の電流供給回路のいずれかを活性化させ、前記出力信号が取り出されるべき前記接続点を選択するための第1のスイッチと、
    複数の前記接続点それぞれに接続され、それぞれ対応する前記接続点から取り出される出力信号の位相を補償するための複数のキャパシタと、
    複数の前記接続点から、前記出力信号をそれぞれ受ける複数のソースフォロア回路と、
    前記複数のソースフォロア回路それぞれの出力端と、前記第1及び第2の入力トランジスタのうち前記一方との間に設けられた複数の帰還回路と、
    前記複数の帰還回路のいずれかを選択するための第2のスイッチと、を備え、
    前記第1及び第2のスイッチは、互いに連動するスイッチであることを特徴とする光ピックアップ。
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