JP5109943B2 - クラッチ装置およびシート装置 - Google Patents

クラッチ装置およびシート装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5109943B2
JP5109943B2 JP2008299618A JP2008299618A JP5109943B2 JP 5109943 B2 JP5109943 B2 JP 5109943B2 JP 2008299618 A JP2008299618 A JP 2008299618A JP 2008299618 A JP2008299618 A JP 2008299618A JP 5109943 B2 JP5109943 B2 JP 5109943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
input
rotation
input side
piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008299618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010127304A (ja
Inventor
敦司 高野
忍 名原
芳久 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Imasen Electric Industrial Co Ltd
Original Assignee
Imasen Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Imasen Electric Industrial Co Ltd filed Critical Imasen Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2008299618A priority Critical patent/JP5109943B2/ja
Publication of JP2010127304A publication Critical patent/JP2010127304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5109943B2 publication Critical patent/JP5109943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、入力トルクによる入力側部材の回動を出力側部材に伝達し当該入力トルクがなくなると入力側部材のみ中立位置に戻すクラッチ装置およびシート装置に関するものである。
従来より、入力トルクによる入力側部材の回動を出力側部材に伝達し当該入力トルクがなくなると入力側部材のみ中立位置に戻すクラッチ装置として下記特許文献1に開示されるクラッチ装置が知られている。このクラッチ装置では、例えば、反時計方向の入力トルクが外輪に入力されると、外輪の回動に伴い当該外輪のカム面が各ローラに対して反時計方向に相対移動して、各ローラがその方向の楔隙間にそれぞれ楔係合する。これにより、外輪からの入力トルクがローラを介して内輪に伝達され、外輪と、各ローラと、各ローラを保持する保持器と、内輪とが一体となって反時計方向に回動する。
このとき、保持器の回動に伴いセンタリングバネが撓むことで蓄積される弾性力により、保持器に時計方向の回動力が働き、各ローラが保持器に押されてカム面を押圧する。そして、外輪が開放されると、各ローラ、保持器および外輪とが、内輪に対して時計方向に空転して、中立位置に復帰する。
特開2002−054658号公報
ところで、上述のような構成では、各ローラを保持するための保持器やこの保持器などを中立位置に付勢するためのセンタリングバネなど、部品点数が多くなってしまう。このように部品点数が多くなってしまうと、製造コストの低減や小型化が阻害されてしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、入力トルクがなくなると中立位置に戻る入力側部材の部品点数を削減し得るクラッチ装置およびシート装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のクラッチ装置では、入力トルクによる入力側部材(20)の回動を出力側部材(30)に伝達し当該入力トルクがなくなると前記入力側部材のみ中立位置に戻すクラッチ装置(10)において、前記入力側部材は、ハウジング(21)に対して回動可能に支持されて前記入力トルクに応じて回動するレバー部材(22)であって軸方向一側に突出する第1突出片(22b)を有するレバー部材と、軸方向他側に突出する第2突出片(25a)を有し、前記第2突出片の外周側にて前記第1突出片が係合可能な第1スリット(25b)が形成されるとともに、前記第2突出片の内周側に第2スリット(25d)が形成される回動方向変換部材(25)と、前記レバー部材および前記第2突出片を前記ハウジングに対して中立位置に付勢するための付勢部材(23)と、外周部から前記軸方向一側にそれぞれ突出する複数の押圧片(26c)と前記第2スリットに係合可能に前記軸方向他側に突出する第3突出片(26b)とを有するリテーナ(26)と、連結軸(24)を介する前記レバー部材の回動を複数の係合子(28)および回動伝達部材(41)を介して前記出力側部材に伝達可能な入力側カム(27)であって、そのカム面(27c)と前記回動伝達部材の内周面(41a)との間に前記各係合子を収容可能なくさび形空間がそれぞれ設けられるように当該カム面が形成される入力側カムと、を備え、前記第1突出片は前記第1スリットに係合されるとともに前記第3突出片は前記第2スリットに係合され、前記レバー部材および前記第2突出片は前記付勢部材により前記中立位置に付勢され、前記各押圧片は前記各くさび形空間に収容される前記各係合子間にそれぞれ介在されることを技術的特徴とする。
請求項1のクラッチ装置では、レバー部材の第1突出片は回動方向変換部材の第1スリットに係合されるとともにリテーナの第3突出片は回動方向変換部材の第2スリットに係合されており、レバー部材および回動方向変換部材の第2突出片は付勢部材により中立位置に付勢されている。また、回動方向変換部材においては、第1スリットは第2突出片の外周側に形成され、第2スリットは第2突出片の内周側に形成される。そして、レバー部材の回動が伝達される入力側カムのカム面と回動伝達部材の内周面との間にはくさび形空間が設けられており、リテーナの各押圧片は、各くさび形空間に収容される係合子間に介在している。
これにより、例えば、入力トルクに応じてレバー部材が時計方向に回動すると、入力側カムが連結軸とともに時計方向に回動する。このとき、レバー部材の第1突出片と係合する回動方向変換部材の第1スリット近傍が、時計方向に沿う方向に移動する。この第1スリット近傍の移動により、回動方向変換部材は、付勢部材に付勢される第2突出片近傍を中心に遥動する。ここで、第1スリットは第2突出片の外周側に形成され第2スリットは第2突出片の内周側に形成されているので、第2スリットに係合するリテーナの第3突出片近傍は反時計方向に沿う方向に移動する。この第3突出片近傍の移動により、リテーナが反時計方向に回動する。このリテーナの回動により、各押圧片が係合子を反時計方向側のくさび形空間を形成するカム面および回動伝達部材の内周面に押圧するので、入力側カムが各係合子を介して回動伝達部材と一体に回動することとなる。このため、入力トルクがレバー部材、連結軸、入力側カム、各係合子および回動伝達部材を介して出力側部材に伝達される。なお、入力トルクに応じてレバー部材が反時計方向に回動する場合も、同様に入力トルクが出力側部材に伝達される。
そして、入力トルクがなくなると、レバー部材および回動方向変換部材が付勢部材により付勢されることで、レバー部材および入力側カムが反時計方向に回動して中立位置に戻るとともに、回動方向変換部材が中立方向に遥動することでリテーナが時計方向に回動して中立位置に戻る。このように入力側カムが反時計方向に回動しリテーナが時計方向に回動すると、各係合子は各押圧片によりくさび形空間へ押圧されなくなるので、入力側カムの回動が回動伝達部材に伝達されることもない。
このような構成により、入力トルクがなくなった場合に入力側部材のみ中立位置に戻すために、回動方向変換部材および付勢部材のみでレバー部材およびリテーナが中立位置に付勢される。これにより、レバー部材やリテーナ等を中立位置に付勢するための付勢部材を個々に設ける必要がない。また、各係合子は、リテーナの各押圧片によりくさび形空間を形成するカム面および回動伝達部材の内周面に押圧されるので、各係合子を保持するための保持器を別途設ける必要がない。
したがって、入力トルクがなくなると中立位置に戻る入力側部材の部品点数を削減することができる。さらに、部品点数の削減により製造コストの低減や小型化を図ることができる。
請求項2のクラッチ装置では、回動方向変換部材は、第2突出片と第1スリットとが互いに近接するように形成される。このように、回動方向変換部材の遥動中心となる第2突出片とレバー部材の第1突出片に係合する第1スリットとが近接するので、第1スリット近傍の移動に対して回動方向変換部材の遥動が大きくなる。このように回動方向変換部材の遥動が大きくなると、第2スリットに係合するリテーナの第3突出片近傍の移動が大きくなり、リテーナの回動角度が大きくなる。
このようにリテーナの回動角度が大きくなると、レバー部材が回動し始めた場合には、すぐに、リテーナの各押圧片が対応する係合子を入力側カムおよび回動伝達部材に押圧して、入力側カムおよび回動伝達部材が一体に回動し始める。このため、正逆回動可能とするための遊びを各係合子と入力側カムとの間に設けても、レバー部材の回動がすぐに出力側部材に伝達されるため、当該クラッチ装置の操作性を向上させることができる。
請求項3のシート装置では、シートと請求項1または2に記載のクラッチ装置とを備え、出力側部材から伝達される回動に応じてシートの高さが調整される。これにより、入力トルクがなくなると中立位置に戻る入力側部材の部品点数を削減し得る等の、請求項1または2の各発明による作用・効果を享受したシート装置を実現することができる。
以下、本発明に係るクラッチ装置が適用された車両用シート装置の一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明に係るクラッチ装置10が適用された車両用シート装置100を示す側面図である。
図1に示すように、車両用シート装置100は、主に、車両フロアBに対して前後に摺動可能なシートレール101と、このシートレール101上にシートブラケット(図示略)等を介して取り付けられるシートクッション102と、このシートクッション102に対して傾動可能に支持されるシートバック103とを備えている。シートクッション102の一方の側部には本発明に係るクラッチ装置10が配設されており、このクラッチ装置10には、操作レバー104が連結されている。
このクラッチ装置10は、シートブラケットに設けられる公知のハイト機構(図示略)に対して操作レバー104の操作による入力トルクを後述する入力側部材20および出力側部材30等を介して伝達することで、シートクッション102の高さを任意の高さに調整する役割を果たす。
すなわち、クラッチ装置10は、入力トルクによる入力側部材20の回動を出力側部材30に伝達し、当該入力トルクがなくなると入力側部材20のみ中立位置に戻すように構成されている。このため、クラッチ装置10は、操作レバー104が水平な中立位置Nでは、シートクッション102の高さを保持するように出力側部材30が回動不能に固定される。
また、クラッチ装置10は、シートクッション102の高さを上昇させるために操作レバー104が上方向Uへ揺動操作されると、この遥動操作に応じた入力トルクが入力側部材20および出力側部材30を介して上記ハイト機構に伝達される。これにより、シートクッション102の高さが上昇する。そして、入力トルクがなくなると、出力側部材30はその回動角度を維持し、入力側部材20は操作レバー104とともに中立位置に戻るため、上昇したシートクッション102の高さが維持される。
一方、クラッチ装置10は、シートクッション102の高さを下降させるために操作レバー104が下方向Dへ揺動操作されると、この遥動操作に応じた入力トルクが入力側部材20および出力側部材30を介してハイト機構に伝達される。これにより、シートクッション102の高さが下降する。そして、入力トルクがなくなると、出力側部材30はその回動角度を維持し、入力側部材20は操作レバー104とともに中立位置に戻るため、下降したシートクッション102の高さが維持される。
次に、クラッチ装置10の構成について、図を用いて詳細に説明する。図2は、クラッチ装置10の分解斜視図である。図3は、クラッチ装置10の断面図である。
図2および図3に示すように、クラッチ装置10は、入力側ハウジング21、レバー部材22、スプリング23、連結軸24、リバースプレート25、リテーナ26、入力側カム27および6つの入力側ローラ28を有する入力側部材20と、出力側カム31、8つの出力側ローラ32、4つのばね33、ピニオンギヤ34、出力側ハウジング35およびフリクションスプリング36を有する出力側部材30とを備え、入力側部材20および出力側部材30は、回動伝達部材41およびワッシャ42を介して同軸的に配置されている。
まず、入力側部材20を構成する各部品について説明する。
入力側ハウジング21は、略有底円筒状に形成されており、その底壁21aの中央には貫通穴21bが設けられている。また、底壁21aには、貫通穴21bに対向して第1開口部21cおよび第2開口部21dが形成され、第1開口部21cの貫通穴21b側端部には、外方に突出する突出片21eが形成されている。
レバー部材22は、操作レバー104に連結されており、操作レバー104の遥動操作による入力トルクを連結軸24等に伝達する役割を果たす。このレバー部材22は、略円板の中央部分が軸方向一側(図2および図3の右側)に突出するように形成されており、この突出部の中央には後述する連結軸24の軸方向他側端部24aに係合可能な係合穴22aが形成されている。また、レバー部材22には、外縁部上端から軸方向一側に突出する突出片22bと、外縁部の上端を除く端部から軸方向一側であって突出片22bより短く突出する複数の突出片22cとが形成されている。なお、突出片22bは、特許請求の範囲に記載の「第1突出片」の一例に相当する。
スプリング23は、平板帯状の弾性部材を曲げて形成されており、略C字状のスプリング本体23aとこのスプリング本体23aの両端から内方にそれぞれ屈曲されるフック部23bとから構成されている。スプリング本体23aは、レバー部材22の各突出片22cの内面または外面に当接するように湾曲して形成されており、レバー部材22を入力側ハウジング21に対して中立位置に付勢する付勢部材としての機能を有する。また、フック部23bは、後述するリバースプレート25の突出片25aを挟持することで、当該リバースプレート25を中立方向に付勢する付勢部材としての機能を有する。なお、スプリング23は、特許請求の範囲に記載の「付勢部材」の一例に相当する。
連結軸24は、中空状に形成され、その軸方向他側端部24aがレバー部材22の係合穴22aに係合可能に形成されるとともに、その軸方向一側端部24bが後述する入力側カム27の係合穴27aに係合可能に形成されている。
リバースプレート25は、略楕円板状に形成されており、その外縁近傍から軸方向他側(図2および図3の左側)に突出する突出片25aを備えている。当該リバースプレート25には、突出片25aの外周側にて当該突出片25aと近接して第1スリット25bが設けられており、この第1スリット25bは、レバー部材22の突出片22bが係合可能に形成されている。また、リバースプレート25には、突出片25aの内周側に連結軸24が挿通可能な開口部25cが形成されている。この開口部25cの突出片25a近傍には、他の開口部分よりも開口幅を狭くした第2スリット25dが設けられている。なお、突出片25aは、その幅方向寸法が入力側ハウジング21の突出片21eの幅寸法に等しくなるように形成されている。ここで、リバースプレート25は、特許請求の範囲に記載の「回動方向変換部材」の一例に相当し、突出片25aは、特許請求の範囲に記載の「第2突出片」の一例に相当する。
リテーナ26は、略円板状に形成されており、その中央部には連結軸24が挿通可能な開口部26aが設けられている。また、リテーナ26には、同軸的に配置されるリバースプレート25の第2スリット25dに係合可能な突出片26bが開口部26a近傍から軸方向他側に突出するように形成されている。また、リテーナ26は、12個の押圧片26cを備えており、各押圧片26cは、後述するくさび形空間にて対応する入力側ローラ28を側面でもって押圧可能に、当該リテーナ26の外周部から軸方向一側に突出するようにそれぞれ形成されている。なお、突出片26bは、特許請求の範囲に記載の「第3突出片」の一例に相当する。
入力側カム27は、板厚の厚い略円板状に形成されており、その中央部には連結軸24の軸方向一側端部24bに同軸的に係合可能な係合穴27aが設けられている。入力側カム27の外周面には、直径方向に対向するように外方に突出する2つの突起部27bが形成されている。また、両突起部27bを除く入力側カム27の外周面はカム面27cを構成し、このカム面27cは、回動伝達部材41の円筒部41aの内周面との間にて一対の対向するくさび形空間が6箇所設けられるように形成されている。
各入力側ローラ28は、円筒状に形成されており、その径が、カム面27cと円筒部41aの内周面とにより形成される一対の対向するくさび形空間内にて正逆回動可能とするための遊びを有するように形成されている。なお、各入力側ローラ28は、特許請求の範囲に記載の「係合子」の一例に相当する。
次に、出力側部材30を構成する各部品について説明する。
出力側カム31は、板厚の厚い略円板状に形成されており、その中央部にはピニオンギヤ34に同軸的に係合するための係合穴31aが設けられている。出力側カム31の外周面には、円周方向等間隔に外方に突出する4つの突起部31bが形成されるとともに、4つの断面略U字状の溝31cが周方向等間隔に形成されている。
各突起部31bおよび各溝31cを除く出力側カム31の外周面はカム面31dを構成し、このカム面31dは、入力側ハウジング21の内周面との間にて一対の対向するくさび形空間が8箇所設けられるように形成されている。
各出力側ローラ32は、円筒状に形成されており、その径が、カム面31dと入力側ハウジング21の内周面とにより形成される一対の対向するくさび形空間内にて正逆回動可能とするための遊びを有するように形成されている。
ピニオンギヤ34は、その軸方向中間部位34aが出力側カム31の係合穴31aに係合可能に形成されるとともに、その軸方向他側端部34bが連結軸24の中空穴に挿入可能に形成されている。
フリクションスプリング36は、ピニオンギヤ34を介してシート側から入力されるトルクを低減するための弾性部材としての役割を果たす。このフリクションスプリング36は、その内周側がピニオンギヤ34の軸方向中間部位34aに係合可能に形成され、その外周側が入力側ハウジング21の内周面に弾性的に当接するように形成されている。
回動伝達部材41は、その外周面が入力側ハウジング21の内周面に摺動可能であって、その内周面にて入力側カム27のカム面27cに対向するように形成されている。この回動伝達部材41は、円筒部41aと8つの押圧片41bとを備えている。各押圧片41bは、上記くさび形空間において対応する出力側ローラ32を側面でもって押圧可能に、円筒部41aの一側端部から軸方向一側に突出するようにそれぞれ形成されている。
ワッシャ42は、略円板状に形成されており、その外周部が回動伝達部材41の各押圧片41b間に係合可能な凸部42aが8箇所設けられている。
次に、このように構成されるクラッチ装置10の組み付けについて、図を用いて詳細に説明する。図4は、図3に示す4−4線相当の切断面による断面図である。図5は、図3に示す5−5線相当の切断面による断面図である。図6は、図3に示す6−6線相当の切断面による断面図である。なお、図4および後述する図7では、説明の便宜上、入力側ハウジング21の底壁21aを除くように図示している。
図3および図4に示すように、レバー部材22は、各突出片22cが内面または外面にてスプリング23のスプリング本体23aの内周面に当接し、係合穴22aが連結軸24の軸方向他側端部24aに係合することで、スプリング23とともに入力側ハウジング21に回動可能に組み付けられる。このとき、入力側ハウジング21の突出片21eは、スプリング23のフック部23b間に挟持される。
そして、リバースプレート25は、その突出片25aがスプリング23のフック部23b間に挟持されるとともに、その第1スリット25bにレバー部材22の突出片22bが係合するように組み付けられる。そして、リテーナ26は、その突出片26bがリバースプレート25の第2スリット25dに係合するように組み付けられる。
図3および図5に示すように、リテーナ26の各押圧片26cの外周側には、ワッシャ42を組み付けた回動伝達部材41が入力側ハウジング21の内周面に摺動するように組み付けられる。また、リテーナ26の各押圧片26cの内周側には、入力側カム27が連結軸24の軸方向一側端部24bに係合するように組み付けられる。各入力側ローラ28は、円筒部41aの内周面と入力側カム27のカム面27cとの間に形成される一対の対向するくさび形空間にて各押圧片26cに挟持されるように組み付けられる。
図3および図6に示すように、出力側カム31は、フリクションスプリング36とともに、係合穴31aにてピニオンギヤ34の軸方向中間部位34aに係合するように組み付けられる。このピニオンギヤ34は、その軸方向他側端部34bにて連結軸24の中空穴に相対回動可能に挿入される。出力側カム31の各溝31cにはばね33がそれぞれ係合され、各突起部31bおよび各ばね33間には回動伝達部材41の各押圧片41bおよび各出力側ローラ32が組み付けられる。そして、ピニオンギヤ34の軸方向一側端部34cが出力側ハウジング35から同軸的に突出するように出力側ハウジング35と入力側ハウジング21とを組み付けることにより、図3に示すクラッチ装置10が完成する。
次に、このように構成されるクラッチ装置10における入力側部材20等の作動について、図を用いて詳細に説明する。図7は、入力側部材20の状態を説明するための説明図であり、図7(A)は、揺動操作前の状態を示し、図7(B)は、揺動操作中の状態を示す。
操作レバー104が遥動操作されずレバー部材22に入力トルクが伝達されない場合には、出力側ローラ32が、出力側カム31のカム面31dと入力側ハウジング21の内周面との間に形成されるくさび形空間に対してばね33により押圧される。これにより、ピニオンギヤ34の回動が制限されて、シートクッション102の高さが維持される。なお、このとき、図7(A)に示すように、リバースプレート25は揺動していない。
そして、操作レバー104が中立位置Nから上方向Uへ遥動操作されると、レバー部材22が入力側(図7にて紙面手前側)から見て時計方向に回動する。この回動に応じて、入力側カム27が連結軸24とともに時計方向に回動する。また、このレバー部材22の回動に応じて、レバー部材22の突出片22bと係合するリバースプレート25の第1スリット25b近傍が、α方向(時計方向に沿う方向)に移動する(図7(B)参照)。この第1スリット25b近傍の移動により、リバースプレート25は、スプリング23の両フック部23bに挟持される突出片25a近傍を中心にβ方向に遥動する。
ここで、リバースプレート25において、第1スリット25bは突出片25aの外周側に形成され第2スリット25dは突出片25aの内周側に形成されているので、第2スリット25dに係合するリテーナ26の突出片26b近傍はγ方向(反時計方向に沿う方向)に移動する。この突出片26b近傍の移動により、リテーナ26が反時計方向に回動する。
このように、リバースプレート25は、その遥動中心となる突出片25aとレバー部材22の突出片22bに係合する第1スリット25bとが近接するように形成されているので、第1スリット25b近傍の移動に対してリバースプレート25の遥動が大きくなる。このため、第2スリット25dに係合するリテーナ26の突出片26b近傍の移動が大きくなり、リテーナ26の回動角度が大きくなる。
上述のようなリテーナ26の回動により、各押圧片26cが入力側ローラ28を反時計方向側のくさび形空間を形成するカム面27cおよび回動伝達部材41における円筒部41aの内周面に押圧するので、入力側カム27が各入力側ローラ28を介して回動伝達部材41と一体に回動することとなる。このため、入力トルクがレバー部材22、連結軸24、入力側カム27、各入力側ローラ28および回動伝達部材41を介して出力側部材30に伝達されることとなる。
そして、入力トルクがなくなると、レバー部材22およびリバースプレート25がスプリング23により付勢されることで、レバー部材22、連結軸24および入力側カム27が反時計方向に回動して中立位置に戻るとともに、リバースプレート25が中立方向(β方向とは反対方向)に遥動することでリテーナ26が時計方向に回動して中立位置に戻る。このように入力側カム27が反時計方向に回動しリテーナ26が時計方向に回動すると、各入力側ローラ28は各押圧片26cによりくさび形空間へ押圧されなくなるので、入力側カム27の回動が回動伝達部材41に伝達されることもない。なお、入力トルクに応じてレバー部材22が反時計方向に回動する場合も、同様に入力トルクが出力側部材30に伝達される。
以上説明したように、本実施形態に係るクラッチ装置10では、レバー部材22の突出片22bはリバースプレート25の第1スリット25bに係合されるとともにリテーナ26の突出片26bはリバースプレート25の第2スリット25dに係合されている。また、レバー部材23は、各突出片22cの内面または外面がスプリング23のスプリング本体23aに当接することにより中立位置に付勢されている。また、リバースプレート25の突出片25aはスプリング23の両フック部23bに挟持されることにより中立位置に付勢されている。また、リバースプレート25においては、第1スリット25bは突出片25aの外周側に形成され、第2スリット25dは突出片25aの内周側に形成されている。そして、レバー部材22の回動が伝達される入力側カム27のカム面27cと回動伝達部材41の円筒部41aの内周面との間にはくさび形空間が設けられており、リテーナ26の各押圧片26cは、各くさび形空間に収容される入力側ローラ28間に介在している。
これにより、入力トルクがなくなった場合に入力側部材20のみ中立位置に戻すために、リバースプレート25およびスプリング23のみでレバー部材22およびリテーナ26が中立位置に付勢される。このため、レバー部材22やリテーナ26等を中立位置に付勢するための付勢部材を個々に設ける必要がない。また、各入力側ローラ28は、リテーナ26の各押圧片26cによりくさび形空間を形成するカム面27cおよび回動伝達部材41の円筒部41aの内周面に押圧されるので、各入力側ローラ28を保持するための保持器を別途設ける必要がない。
したがって、入力トルクがなくなると中立位置に戻る入力側部材20の部品点数を削減することができる。さらに、部品点数の削減により製造コストの低減や小型化を図ることができる。
また、本実施形態に係るクラッチ装置10では、リバースプレート25は、突出片25aと第1スリット25bとが互いに近接するように形成されている。このように、リバースプレート25の遥動中心となる突出片25aと第1スリット25bとを近接させることで、第1スリット25b近傍の移動に対してリバースプレート25の遥動が大きくなるので、リテーナ26の回動角度が大きくなる。これにより、正逆回動可能とするための遊びを各入力側ローラ28と入力側カム27との間に設けても、レバー部材22の回動がすぐに出力側部材30に伝達されるため、当該クラッチ装置10の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るシート装置100では、シートクッション102およびシートバック103とクラッチ装置10とを備え、出力側部材30から伝達される回動に応じてシートクッション102の高さが調整される。これにより、入力トルクがなくなると中立位置に戻る入力側部材20の部品点数を削減し得る等の作用・効果を享受したシート装置100を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)入力側ローラ28は6個に限らず、7個以上でもよいし5個以下でもよい。この場合、入力側カム27のカム面27cおよびリテーナ26の突出片26bは、変更された入力側ローラ28の個数に応じて形成される。また、出力側ローラ32の個数も同様に変更可能である。
(2)本発明に係るクラッチ装置10は、上述した車両用シート装置100に適用されることに限らず、入力トルクによる入力側部材の回動を出力側部材に伝達し当該入力トルクがなくなると入力側部材のみ中立位置に戻す装置として、他の高さ調整装置等に適用してもよい。
本発明に係るクラッチ装置が適用された車両用シート装置を示す側面図である。 クラッチ装置の分解斜視図である。 クラッチ装置の断面図である。 図3に示す4−4線相当の切断面による断面図である。 図3に示す5−5線相当の切断面による断面図である。 図3に示す6−6線相当の切断面による断面図である。 入力側部材の状態を説明するための説明図であり、図7(A)は、揺動操作前の状態を示し、図7(B)は、揺動操作中の状態を示す。
符号の説明
10…クラッチ装置
20…入力側部材
21…入力側ハウジング
22…レバー部材
22b…突出片(第1突出片)
23…スプリング(付勢部材)
25…リバースプレート(回動方向変換部材)
25a…突出片(第2突出片)
25b…第1スリット
25d…第2スリット
26…リテーナ
26b…突出片(第3突出片)
26c…押圧片
27…入力側カム
27b…突起部
27c…カム面
28…入力側ローラ(係合子)
30…出力側部材
41…回動伝達部材
41a…円筒部
41b…押圧片
100…車両用シート装置
102…シートクッション(シート)
103…シートバック(シート)
104…操作レバー

Claims (3)

  1. 入力トルクによる入力側部材の回動を出力側部材に伝達し当該入力トルクがなくなると前記入力側部材のみ中立位置に戻すクラッチ装置において、
    前記入力側部材は、
    ハウジングに対して回動可能に支持されて前記入力トルクに応じて回動するレバー部材であって軸方向一側に突出する第1突出片を有するレバー部材と、
    軸方向他側に突出する第2突出片を有し、前記第2突出片の外周側にて前記第1突出片が係合可能な第1スリットが形成されるとともに、前記第2突出片の内周側に第2スリットが形成される回動方向変換部材と、
    前記レバー部材および前記第2突出片を前記ハウジングに対して中立位置に付勢するための付勢部材と、
    外周部から前記軸方向一側にそれぞれ突出する複数の押圧片と前記第2スリットに係合可能に前記軸方向他側に突出する第3突出片とを有するリテーナと、
    連結軸を介する前記レバー部材の回動を複数の係合子および回動伝達部材を介して前記出力側部材に伝達可能な入力側カムであって、そのカム面と前記回動伝達部材の内周面との間に前記各係合子を収容可能なくさび形空間がそれぞれ設けられるように当該カム面が形成される入力側カムと、
    を備え、
    前記第1突出片は前記第1スリットに係合されるとともに前記第3突出片は前記第2スリットに係合され、
    前記レバー部材および前記第2突出片は前記付勢部材により前記中立位置に付勢され、
    前記各押圧片は前記各くさび形空間に収容される前記各係合子間にそれぞれ介在されることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記回動方向変換部材は、前記第2突出片と前記第1スリットとが互いに近接するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. シートと請求項1または2に記載のクラッチ装置とを備え、前記出力側部材から伝達される回動に応じて前記シートの高さを調整することを特徴とするシート装置。
JP2008299618A 2008-11-25 2008-11-25 クラッチ装置およびシート装置 Active JP5109943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008299618A JP5109943B2 (ja) 2008-11-25 2008-11-25 クラッチ装置およびシート装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008299618A JP5109943B2 (ja) 2008-11-25 2008-11-25 クラッチ装置およびシート装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010127304A JP2010127304A (ja) 2010-06-10
JP5109943B2 true JP5109943B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=42327853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008299618A Active JP5109943B2 (ja) 2008-11-25 2008-11-25 クラッチ装置およびシート装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5109943B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9360072B2 (en) 2011-12-26 2016-06-07 Ts Tech Co., Ltd. Brake mechanism and clutch unit
JP5894789B2 (ja) * 2011-12-26 2016-03-30 テイ・エス テック株式会社 ブレーキ機構およびクラッチユニット
JP5894788B2 (ja) * 2011-12-26 2016-03-30 テイ・エス テック株式会社 クラッチユニット

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4209101B2 (ja) * 2001-09-25 2009-01-14 Ntn株式会社 座席シート
JP3917045B2 (ja) * 2002-08-30 2007-05-23 株式会社今仙電機製作所 シート高さ調整クラッチ
JP4541081B2 (ja) * 2004-09-17 2010-09-08 Ntn株式会社 座席シート
JP2006336837A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Ntn Corp クラッチユニット
JP4951945B2 (ja) * 2005-11-17 2012-06-13 アイシン精機株式会社 シートリフター装置
JP4983016B2 (ja) * 2005-12-16 2012-07-25 アイシン精機株式会社 車両用シート調整装置
JP4994701B2 (ja) * 2006-04-19 2012-08-08 Ntn株式会社 クラッチユニット
JP2008056039A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Aisin Seiki Co Ltd 車両用シート調整装置
JP2008075774A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Ntn Corp クラッチユニット
JP2008075767A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Ntn Corp クラッチユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010127304A (ja) 2010-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6636366B2 (ja) クラッチユニット
JP5187160B2 (ja) クラッチ装置およびシート装置
JP5109943B2 (ja) クラッチ装置およびシート装置
JP2011153675A (ja) クラッチ装置およびシート装置
JP6745188B2 (ja) 車両用クラッチユニット
JP2013253661A (ja) ブレーキ装置
JP2020046017A (ja) クラッチユニット
JP2019132424A (ja) クラッチユニット
JP2012148752A (ja) シート高さ調整クラッチ
JP5894788B2 (ja) クラッチユニット
JP6653565B2 (ja) 車両用クラッチユニット
WO2012039253A1 (ja) クラッチユニット
JP2001317569A (ja) クラッチユニット
JP4983016B2 (ja) 車両用シート調整装置
JP2020046018A (ja) クラッチユニット
JP2012163169A (ja) クラッチユニット
WO2019151261A1 (ja) クラッチユニット
JP5592633B2 (ja) トランスミッションのシフトフォークの操作のためのアセンブリ
JP7457251B2 (ja) ブレーキ装置
WO2022163706A1 (ja) クラッチユニット
JP7315763B1 (ja) クラッチユニット
WO2022163699A1 (ja) クラッチユニット
JP5934841B2 (ja) マルチディスク変速機
JP2014190355A (ja) クラッチ装置およびシート装置
JP7403360B2 (ja) クラッチユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5109943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250