JP5934841B2 - マルチディスク変速機 - Google Patents
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Description
本発明は、マルチディスク変速機に関する。
JP2010−53995Aには、入力軸に設けられたプライマリディスクと出力軸に設けられたセカンダリディスクとを部分的に重ね合わせてディスク重合領域を設け、この領域で両ディスクを一対の押付ローラで挟んで接触させることで、入力軸の回転を出力軸に伝達するマルチディスク変速機が開示されている。
マルチディスク変速機においては、一対の押付ローラが両ディスクを挟む位置を変更することによって変速が実現される。すなわち、両ディスクを挟む位置を、入力軸に近づければ変速比がLow側(変速比大側)に変化し、出力軸に近づければ変速比がHigh側(変速比小側)に変化する。
JP2010−53995Aに記載のマルチディスク変速機では、押付ローラが両ディスクを挟む押付力が選択した変速段により構造的に定まるので、変速機の作動状態に応じて押付力を調整することができない。
そこで、押付ローラの押付力を調整できるように調整機構を設けることが考えられるが、この場合は、調整機構を設けることで変速機が大型化するという問題がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、マルチディスク変速機の大きさを抑制しつつ、押付ローラの押付力を調整可能にすることを目的とする。
本発明のある態様によれば、マルチディスク変速機であって、動力源からの回転が入力される入力軸と、前記入力軸に対して平行に配置される出力軸と、前記入力軸に設けられるプライマリディスクと、前記出力軸に設けられ、前記プライマリディスクと部分的に重なり合うセカンダリディスクと、前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクを挟んで両側に配置される一対の押付ローラと、前記一対の押付ローラを、前記入力軸と前記出力軸との間で移動させる変速アクチュエータと、一方側の端部が第1軸部に揺動可能に支持され、前記一対の押付ローラに押付力を作用させて前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクに押し付ける第1アーム及び第2アームと、前記第1アームの自由端側に前記第1軸部と平行かつ回動自在に設けられる第2軸部に支持され、前記第2軸部の中心軸の方向に設けられる弾性部材の付勢力が作用する方向を変換機構により変換し、作用する方向を変換した前記付勢力を前記第2アームに伝達して前記押付力を前記第1アーム及び前記第2アームに発生させる押付力発生機構と、前記押付力発生機構を回動させて前記付勢力が前記第2アームに作用する方向を変更することで前記押付力を調整する押付力調整アクチュエータと、を備えるマルチディスク変速機が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマルチディスク変速機(以下、「変速機」という。)1の全体概略図である。
変速機1は、動力源としてのエンジン10と図示しないディファレンシャルギヤとの間に設けられ、エンジン10から入力された回転を変速し、出力ギヤ20からディファレンシャルギヤに出力する変速機である。変速機1は、以下に説明するように、変速機ケース30と、クラッチ40と、入力軸50と、出力軸60と、プライマリディスク70と、セカンダリディスク80と、一対の押付ローラ90と、押付機構100と、直結機構110と、複合カム機構120と、ステップモータ130とを備える。
入力軸50はエンジン10と同軸に設けられ、出力軸60は入力軸50と平行に設けられる。入力軸50及び出力軸60はそれぞれ変速機ケース30に回転自在に支持される。
クラッチ40は、ダイヤフラム式の乾式クラッチである。レリーズレバー41がエンジン10側に押されていない状態では、ダイヤフラムスプリング42によってクラッチディスク43がフライホイール44に押し付けられ、クラッチ40が締結する。これに対し、レリーズレバー41がエンジン10側に押されると、レリーズベアリング45がエンジン10側に押され、ダイヤフラムスプリング42が押し縮められてクラッチディスク43がフライホイール44から離れ、クラッチ40が解放する。
プライマリディスク70は、複数枚の円形のディスクで構成され、入力軸50に固定される。同様に、セカンダリディスク80は、複数枚の円形のディスクで構成され、出力軸60に固定される。プライマリディスク70とセカンダリディスク80とは、互い違いに、かつ、両ディスク70、80が部分的に重なり合う領域が形成されるように配置される(図2参照)。
押付ローラ90は、ベアリング91を介して保持部92に回転自在に保持されており、プライマリディスク70及びセカンダリディスク80を挟んで両側に配置される。
押付ローラ90は、後述する押付機構100によってディスク面に対して垂直な方向に移動することができる。押付機構100によって押付ローラ90からプライマリディスク70及びセカンダリディスク80に押付力を作用させると、プライマリディスク70及びセカンダリディスク80が弾性変形して接触し、入力軸50の回転がプライマリディスク70及びセカンダリディスク80を介して出力軸60に伝達される。
また、押付ローラ90は、後述する複合カム機構120によって、図2に示すように、入力軸50と出力軸60とを結ぶ軸連結線Oに沿って移動することができ、これによってプライマリディスク70とセカンダリディスク80との接触位置を変更し、変速機1の変速比を無段階又は有段階に変更することができる。具体的には、プライマリディスク70とセカンダリディスク80との接触位置を入力軸50側に変更すると変速機1の変速比がLow側(変速比大側)に変更され、逆に、出力軸60側に変更すると変速機1の変速比がHigh側(変速比小側)に変更される。
押付機構100は、変速機ケース30に固定された回動軸101と、回動軸101にそれぞれ揺動可能に連結される一対のクランプアーム102、103と、一対のクランプアーム102、103の自由端側に設けられる押付力調整機構140とで構成される。押付力調整機構140は、一対のクランプアーム102、103に押付力を発生させ、また、押付力を調整する機構である。押付力調整機構140の詳細については後述する。
直結機構110は、入力軸50の回転をギヤ列を介して出力軸60に伝達する機構であり、前進用ギヤ列としてLowギヤ列111及びHighギヤ列112、後進用ギヤ列としてリバースギヤ列113とを備える。
Lowギヤ列111は、入力軸50に遊転可能に設けられる入力側Lowギヤ111iと、入力側Lowギヤ111iよりも歯数が多く、入力側Lowギヤ111iと噛み合い、出力軸60に固定される出力側Lowギヤ111oとで構成される。入力側Lowギヤ111iの端部にはスプライン111sが形成されている。
Highギヤ列112は、入力軸50に遊転可能に設けられる入力側Highギヤ112iと、入力側Highギヤ112iよりも歯数が少なく、入力側Highギヤ112iと噛み合い、出力軸60に固定される出力側Highギヤ112oとで構成される。入力側Highギヤ112iの端部にはスプライン112sが形成されている。
入力側Lowギヤ111iと入力側Highギヤ112iとの間には、ハブ114とスリーブ115とが配置される。ハブ114は入力軸50に固定されており、外周面にはスプライン114sが形成されている。スリーブ115は、内周面にスプライン115sが形成されている。
図1の状態では、スリーブ115のスプライン115sはハブ114のスプライン114sにのみ嵌合し、入力側Lowギヤ111iのスプライン111s及び入力側Highギヤ112iのスプライン112sには嵌合していない。この状態では、入力軸50の回転はLowギヤ列111、Highギヤ列112いずれを介しても出力軸60に伝達されない非直結状態となる。
非直結状態からスリーブ115を入力側Lowギヤ111i側にスライドさせ、スリーブ115のスプライン115sを入力側Lowギヤ111iのスプライン111s及びハブ114のスプライン114sの両方に嵌合させると、入力側Lowギヤ111iが入力軸50と相対回転不能に係合され、入力軸50の回転がLowギヤ列111を介して出力軸60に伝達されるLow直結状態となる。
逆に、非直結状態からスリーブ115を入力側Highギヤ112i側にスライドさせ、スリーブ115のスプライン115sを入力側Highギヤ112iのスプライン112s及びハブ114のスプライン114sの両方に嵌合させると、入力側Highギヤ112iが入力軸50と相対回転不能に係合され、入力軸50の回転がHighギヤ列112を介して出力軸60に伝達されるHigh直結状態となる。
スリーブ115のスライドは、ステップモータ130の回転を複合カム機構120によって直動運動に変換し、この直動運動をスリーブ115に伝達することで行われる。これについては後述する。
リバースギヤ列113は、入力軸50及び出力軸60に対して平行に設けられるカウンタ軸113cと、カウンタ軸113cに遊転可能かつ軸方向スライド可能に設けられるリバースアイドルギヤ113aと、入力軸50に固定される入力側リバースギヤ113iと、出力軸60に固定される出力側リバースギヤ113oとを備える。
リバースアイドルギヤ113aは、運転者によるセレクトレバー(又はセレクトスイッチ)の操作に機械的又は電気的に連動して、入力側リバースギヤ113i及び出力側リバースギヤ113oに噛み合わない位置と噛み合う位置との間をスライドする。
リバースアイドルギヤ113aが入力側リバースギヤ113i及び出力側リバースギヤ113oに噛み合った状態では、リバースギヤ列113によって入力軸50の回転が反転されて出力軸60に伝達されるリバース状態となる。
複合カム機構120は、単一のアクチュエータ(ステップモータ130)で以下の三つの機能:
・クラッチ40を締結・解放する機能
・エンジン10の回転がプライマリディスク70及びセカンダリディスク80を介して伝達される摩擦伝達状態と直結機構110を介して伝達される直結状態とを切り換える機能
・押付ローラ90を軸連結線Oに沿って変位させ、変速機1の変速比を変更する機能
を実現するカム機構である。
・クラッチ40を締結・解放する機能
・エンジン10の回転がプライマリディスク70及びセカンダリディスク80を介して伝達される摩擦伝達状態と直結機構110を介して伝達される直結状態とを切り換える機能
・押付ローラ90を軸連結線Oに沿って変位させ、変速機1の変速比を変更する機能
を実現するカム機構である。
複合カム機構120は、送りネジ121と、スライドナット122と、第1カム123と、第1ロッド124と、第2カム125と、第2ロッド126とを備える。
送りネジ121はステップモータ130の回転軸に連結されており、ステップモータ130によって回転駆動される。
スライドナット122は送りネジ121に螺合しており、ステップモータ130を回転駆動すると送りネジ121の送り方向に変位する。
第1カム123はスライドナット122のエンジン10側に設けられ、エンジン10側にカム面を有するカムであり、カム面には第1ロッド124の端部に設けられたローラ124rが接触している。第1ロッド124は、変速機ケース30に形成された貫通孔に貫通され、ローラ124rとは反対側に位置する端部がクラッチ40のレリーズレバー41に接触している。
ステップモータ130が回転駆動されて第1カム123がスライドナット122とともに変位し、第1カム123のカム山によって第1ロッド124がエンジン10側に押されると、レリーズレバー41がエンジン10側に押されてクラッチ40が解放する。逆に、第1カム123のカム山が低くなって、第1ロッド124が変速機1側に戻され、ダイヤフラムスプリング42の力によってレリーズレバー41が変速機側に戻されると、クラッチ40が締結する。
また、第2カム125はスライドナット122の直結機構110側に設けられている。第2カム125は、蛇行しながら送りネジ121の送り方向に延びるカム溝を有し、カム溝に第2ロッド126の端部に設けられたローラ126rが係合する確動カムである。第2ロッド126のローラ126rとは反対側に位置する端部は直結機構110のスリーブ115に連結されている。
ステップモータ130が回転駆動されて第2カム125がスライドナット122とともに変位すると、ステップモータ130の回転が第2ロッド126の直動運動に変換され、これが直結機構110のスリーブ115に伝達されてスリーブ115がスライドする。これにより、直結機構110のLow直結状態、非直結状態、High直結状態を切り換えることができる。
なお、第2ロッド126には、直結機構110がLow直結状態、非直結状態、High直結状態を安定して保持できるように、各状態に対応して第2ロッド126に形成される切り欠きとボールプランジャからなる位置決め機構127が設けられている。
また、押付ローラ90の保持部92には、ラッチ機構93が設けられており、スライドナット122が押付ローラ90の保持部92と接触する位置まで変位すると、ラッチ機構93によってスライドナット122と保持部92とが連結される。これにより、ステップモータ130を回転駆動すると、押付ローラ90が軸連結線Oに沿って変位するようになり、ステップモータ130を変速用アクチュエータとして機能させることができる。
この状態で、押付ローラ90からプライマリディスク70及びセカンダリディスク80に押付力を作用させることで、入力軸50の回転がプライマリディスク70及びセカンダリディスク80を介して出力軸60に伝達される摩擦伝達状態が実現される。押付ローラ90からプライマリディスク70及びセカンダリディスク80に作用させる押付力は、必要とされるトルク容量に応じて押付力調整機構140により調整される。
次に、押付力調整機構140について、図3を参照して詳しく説明する。
図3は、図1のIII−III断面図である。
押付力調整機構140は、回動係合部141と、クランプアーム103に固定される円弧状レール104と、回動係合部141を回転駆動するステップモータ150と、を備える。
回動係合部141は、ベース142と、ブラケット143と、カムフォロア144と、コイルスプリング145と、チェーン146と、スプロケット147と、を備える。
ベース142は、底板142aと、底板142aに垂直に固定される2つの側板142bとを備える。ベース142は、底板142aにより、クランプアーム102の自由端側に回動軸101と平行に設けられた回動軸105と接続される。回動軸105はクランプアーム102に回動自在に支持されており、これにより、ベース142は、クランプアーム102に回動自在に支持される。
ブラケット143は、摺動部143aと、開口部143bとを備える。ブラケット143は、摺動部143aにより、ベース142の底板142aに回動軸105の径方向に摺動自在に取り付けられる。また、開口部143bの両内側面には、カムフォロア144のベアリング144aが嵌まる穴143cがそれぞれ形成される。
カムフォロア144は、2つのベアリング144aと軸部144bとを備える。カムフォロア144は、2つのベアリング144aがブラケット143の穴143cにそれぞれ嵌装されることで、ブラケット143に両持ちで保持される。
ブラケット143とカムフォロア144との間には円弧状レール104が挿通され、カムフォロア144の軸部144bが円弧状レール104の外周側に係合する。
このように、カムフォロア144のベアリング144aを保持して軸部144bを円弧状レール104に係合させることで、カムフォロアの軸部を保持してベアリングを円弧状レール104に係合させる場合よりも、回動軸105の中心軸から回動係合部141の先端までの距離を小さくできる。(d<D、図6参照)。これにより、回動係合部141の回動時の可動範囲を小さくでき、押付力調整機構140を小型化できる。
コイルスプリング145は、回動軸105の中心軸の方向に配設される。具体的には、ベース142の2つの側板142bの上端に固定された下側シート148に載置される。また、コイルスプリング145の上側には、上側シート149が載置される。
チェーン146は、一方の端部が上側シート149に接続され、他方の端部がブラケット143に接続される。下側シート148には貫通孔148aが設けられ、上側シート149から垂下したチェーン146が挿通する。
スプロケット147は、ベース142の2つの側板142bの間に、2つの側板142bと平行に、かつ、回転自在に取り付けられる。スプロケット147は、図3に示すように、上側シートから垂下したチェーン146がブラケット143に接続されるように、チェーン146の配設経路を曲折させる。
チェーン146の長さは、図3に示すように、円弧状レール104とカムフォロア144とが係合した状態で、コイルスプリング145のセット長が圧縮状態となるように設定される。このとき、コイルスプリング145には、コイルスプリング145の中心軸の方向の反力が発生するが、チェーン146とスプロケット147とによりブラケット143が摺動する方向に変換され、ブラケット143に伝達される。
これにより、ブラケット143には、図3の矢印のように、回動軸105の中心方向への付勢力が常時作用し、カムフォロア144を介して、円弧状レール104に回動軸105の中心方向への付勢力が伝達される。
ステップモータ150は、回動係合部141の上方で、回動軸105と同軸となるように変速機ケース30に固定され、ステップモータ150の出力軸と下側シート148とが、シャフト151で接続される。これにより、回動係合部141をステップモータ150により回動させることができる。なお、上側シート149には貫通孔149aが設けられ、シャフト151が挿通する。
例えば、図1の状態から回動係合部141を半時計回りに回動させると、コイルスプリング145の付勢力のディスク面に垂直な成分が増大し、一対のクランプアーム102、103が押付ローラ90を押す力が増大し、押付ローラ90からプライマリディスク70及びセカンダリディスク80に作用する押付力が増大する。押付ローラ90からプライマリディスク70及びセカンダリディスク80に作用する押付力を減少させる、あるいは、作用させないようにするには、回動係合部141を時計回りに回動させればよい。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
上記のように、押付力調整機構140は、回動係合部141を回動させることで押付力を調整するので、回動軸105と直交する方向の回動係合部141の外形が大きいと、回動係合部141の回動時の可動範囲が大きくなり、変速機1が大型化することになる。
これに対して、本実施形態では、チェーン146とスプロケット147とによりコイルスプリング145の反力が作用する方向を変換してブラケット143に伝達し、一対のクランプアーム102、103に押付力を発生させる。したがって、コイルスプリング145を回動軸105の中心軸の方向に配設できるので、コイルスプリング145が回動軸105に対して直交する方向に突出することがない。これにより、回動係合部141の回動軸105に対して直交する方向の外形を小さくでき、回動時の可動範囲を小さくできるので、変速機1の大きさを抑制しつつ、押付ローラ90の押付力を調整可能にできる。
また、一対のクランプアーム102、103が押付ローラ90に押付力を作用させると、反力により一対のクランプアーム102、103が撓むので、回動係合部141を反時計回りに回動させて押付力を増大させると、一対のクランプアーム102、103の撓み量が増加してコイルスプリング145のセット長が伸びる方向に変化する。この場合は、ステップモータ150のトルクが小さくても回動係合部141を回動させることができる。
しかしながら、回動係合部141を時計回りに回動させるときは、回動とともに押付力が減少し、一対のクランプアーム102、103の撓み量が減少するので、回動係合部141を回動させつつコイルスプリング145を圧縮する必要があり、ステップモータ150のトルクを大きくする必要がある。したがって、ステップモータ150を大出力の大型モータにする必要があり、変速機1が大型化しコストも増加する。
これに対して、本実施形態では、コイルスプリング145を回動軸105とステップモータ150との間に配設するので、隣接するセカンダリディスク80に接触しない範囲でコイルスプリング145の外径を大きくでき、また、変速機ケース30に収まる範囲でコイルスプリング145のセット長を長くできるので、これに合わせてコイルスプリング145の自由長を長くできる。これにより、コイルスプリング145のばね定数を小さくでき、一対のクランプアーム102、103の撓み量が増減した場合のコイルスプリング145の反力の変動を小さくできるので、ステップモータ150を小出力の小型モータにしても、回動係合部141を回動させることができる。したがって、変速機1の大きさを抑制し、コストも低減することができる。
また、カムフォロア144のベアリング144aをブラケット143で保持して軸部144bを円弧状レール104に係合させるので、回動係合部141の回動時の可動範囲を小さくでき、押付力調整機構140を小型化できる。したがって、変速機1の大きさを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、コイルスプリング145により一対のクランプアーム102、103に押付力を発生させているが、コイルスプリング以外の弾性体を用いてもよい。
また、回動係合部141がチェーン146とスプロケット147とを備える構成としているが、図4に示すように、ワイヤ156とローラ157とを備える構成としてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、ベアリング144aを2つ備えたカムフォロア144を、ブラケット143が両持ちで保持する構成としているが、図5に示すように、ベアリングが1つのカムフォロア154を片持ちで2つ備える構成とし、円弧状レール104の上側と下側とにそれぞれ係合させてもよい。この場合は、円弧状レール104の外周側の面におけるカムフォロア154が転動しない部分に、リブ等の凸部104aを設けることができるので、円弧状レール104の強度を向上させることができる。
本願は2013年5月13日に日本国特許庁に出願された特願2013−101503に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (6)
- マルチディスク変速機であって、
動力源からの回転が入力される入力軸と、
前記入力軸に対して平行に配置される出力軸と、
前記入力軸に設けられるプライマリディスクと、
前記出力軸に設けられ、前記プライマリディスクと部分的に重なり合うセカンダリディスクと、
前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクを挟んで両側に配置される一対の押付ローラと、
前記一対の押付ローラを、前記入力軸と前記出力軸との間で移動させる変速アクチュエータと、
一方側の端部が第1軸部に揺動可能に支持され、前記一対の押付ローラに押付力を作用させて前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクに押し付ける第1アーム及び第2アームと、
前記第1アームの自由端側に前記第1軸部と平行かつ回動自在に設けられる第2軸部に支持され、前記第2軸部の中心軸の方向に設けられる弾性部材の付勢力が作用する方向を変換機構により変換し、作用する方向を変換した前記付勢力を前記第2アームに伝達して前記押付力を前記第1アーム及び前記第2アームに発生させる押付力発生機構と、
前記押付力発生機構を回動させて前記付勢力が前記第2アームに作用する方向を変更することで前記押付力を調整する押付力調整アクチュエータと、
を備えるマルチディスク変速機。 - 請求項1に記載のマルチディスク変速機であって、
前記弾性部材は、コイルスプリングであり、
前記変換機構は、
前記付勢力を伝達するチェーンと、
前記チェーンの配設経路を曲折させるスプロケットと、
を備えるマルチディスク変速機。 - 請求項1に記載のマルチディスク変速機であって、
前記弾性部材は、コイルスプリングであり、
前記変換機構は、
前記付勢力を伝達するワイヤと、
前記ワイヤの配設経路を曲折させるローラと、
を備えるマルチディスク変速機。 - 請求項1から3のいずれかに記載のマルチディスク変速機であって、
前記押付力発生機構は、前記第2アームに係合し、前記変換機構により作用する方向を変換した前記弾性部材の付勢力を伝達するカムフォロアを備え、
前記カムフォロアは、ベアリングが前記押付力発生機構に保持され、軸部が前記第2アームに係合するマルチディスク変速機。 - 請求項4に記載のマルチディスク変速機であって、
前記カムフォロアは、前記軸部の両端に前記ベアリングを備えるマルチディスク変速機。 - 請求項4に記載のマルチディスク変速機であって、
前記カムフォロアを2つ備え、
前記2つのカムフォロアは、前記第2アームの上側と下側とにそれぞれ係合し、
前記第2アームの前記カムフォロアと係合する面に凸部が形成されるマルチディスク変速機。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013101503 | 2013-05-13 | ||
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