JP2011169374A - クラッチ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の駆動源で複数のクラッチの操作が可能となるクラッチ機構の提供。
【解決手段】駆動側カムクラッチ板10と、駆動側カムクラッチ板10に対して軸方向に並べて設置された従動側カムクラッチ板20,60と、駆動側カムクラッチ板10と従動側カムクラッチ板20,60との間に挟持されたカム27,67と、従動側カムクラッチ板20,60に連動して軸方向に移動するクラッチピストン30,70とを備え、カム27,67は、駆動側カムクラッチ板10の側面10a,10bに形成した回転方向に沿って傾斜する傾斜面13a,15aに接しており、駆動側カムクラッチ板10の回動によって、カム27,67が傾斜面13a,15a上を転動することで、従動側カムクラッチ板20,60及びクラッチピストン30,70が軸方向に移動して、クラッチ40,80の締結・解放が切り替わるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の変速機などが備えるクラッチ機構に関し、詳細には、電動モータなどの駆動源によって駆動されるクラッチピストンの作動によって、クラッチの締結・解放の切り替えを行うように構成したクラッチ機構に関する。
モータなどの駆動源によって駆動されるクラッチピストンの作動によってクラッチの締結・解放を切り替えるクラッチ機構として、同軸上に配置された2つのクラッチを備えるツインクラッチ装置がある。このようなツインクラッチ装置として、例えば特許文献1に示すように、2つのクラッチそれぞれに対応した個別の電動モータを備えるツインクラッチ装置が提案されている。特許文献1のツインクラッチ装置では、それぞれのクラッチに個別の電動モータを備えているため、部品点数が多くなり、コスト増、構造の複雑化、大型化が懸念される。
特許文献1の課題に鑑みて、特許文献2では、一本のカムシャフトを利用して2つのクラッチの締結・解放を切り替えるツインクラッチ装置が提案されている。このツインクラッチ装置は、単一のカムシャフトに取り付けたカムで複数のクラッチピストンを操作するように構成している。したがって、二つのクラッチを操作するための駆動源として、カムシャフトを回動駆動する単一のモータ(アクチュエータ)を備えていればよい。これにより、クラッチ装置の部品点数の削減、構成の簡素化を図ることができる。
欧州特許出願公開第1400715号公報 特開2007−177908号公報
しかしながら、特許文献2のクラッチ装置では、カムシャフトに取り付けたカムでクラッチピストンを押圧するように構成しているため、下記の点が問題となる。
(1)カムの回転に伴い、クラッチピストンに対する押圧荷重が変化する。そのため、クラッチピストンを一定の荷重で押圧するには、モータトルクの綿密な制御が必要となる。
(2)モータの駆動力をカムシャフト及びカムを介してクラッチピストンに伝える伝達経路では、倍力効果を生じる箇所が少ない。したがって、比較的大きなモータトルクが必要となる。そのため、大型のモータあるいは大きな減速比が得られる減速機構が必要となる。
(3)クラッチの締結状態を維持するためには、クラッチピストンに対する押圧状態を継続する必要がある。しかしながら、カムでクラッチピストンを押圧する構成では、クラッチピストンに対する押圧状態を維持するには、モータへの電力供給を継続する必要がある。そのため、電力消費量及び燃費の改善の妨げになるおそれがある。
(4)クラッチピストンからの反力がカムシャフトの径方向(シャフトを撓ませる方向)に作用する。したがって、カムシャフトの撓みを防止するために、カムシャフトの径を太くする必要があり、変速機の重量増につながる懸念がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、部品点数を少なく抑えた簡単な構成でありながら、クラッチピストンに適切な押圧荷重を付与することで、クラッチの適切な操作が行えると共に、単一の駆動源で複数のクラッチの操作が可能となるクラッチ機構の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるクラッチ機構は、軸(102)周りに回動可能に設置した駆動側カムクラッチ板(10)と、駆動側カムクラッチ板(10)を回動させるための駆動源(90)と、該駆動源(90)の駆動力を駆動側カムクラッチ板(10)に伝達するための伝達機構(93)と、駆動側カムクラッチ板(10)の軸方向の両側それぞれに配置された第1、第2クラッチ機構(1a,1b)と、を備え、第1クラッチ機構(1a)は、駆動側カムクラッチ板(10)の一方の側面(10a)に対向して設置した軸方向に移動可能な第1従動側カムクラッチ板(20)と、駆動側カムクラッチ板(10)と第1従動側カムクラッチ板(20)との間に挟持された第1カム(26)と、第1従動側カムクラッチ板(20)に連動して軸方向に移動する第1クラッチピストン(30)と、第1クラッチピストン(30)の作動によって締結・解放される第1クラッチ(40)とで構成されており、第2クラッチ機構(1b)は、駆動側カムクラッチ板(10)の他方の側面(10b)に対向して設置した軸方向に移動可能な第2従動側カムクラッチ板(60)と、駆動側カムクラッチ板(10)と第2従動側カムクラッチ板(60)との間に挟持された第2カム(67)と、第2従動側カムクラッチ板(60)に連動して軸方向に移動する第2クラッチピストン(70)と、第2クラッチピストン(70)の作動によって締結・解放される第2クラッチ(80)とで構成されており、第1、第2カム(27,67)は、駆動側カムクラッチ板(10)の側面(10a,10b)と第1、第2従動側カムクラッチ板(20,60)の側面(20a,60a)との少なくともいずれかに形成した回転方向に沿って傾斜する傾斜面(13a,15a)に接しており、駆動側カムクラッチ板(10)が一方に回動すると、第1カム(27)が傾斜面(13a)上を転動して、第1クラッチ機構(1a)の第1クラッチ(40)が締結する一方、駆動側カムクラッチ板(10)が他方に回動すると、第2カム(67)が傾斜面(15a)上を転動して、第2クラッチ機構(1b)の第2クラッチ(80)が締結するように構成したことを特徴とする。
本発明にかかるクラッチ機構によれば、駆動側カムクラッチ板及び従動側カムクラッチ板とそれらの間に挟持されたカムとで構成されるカムクラッチを備えたことで、駆動源の駆動力で駆動側カムクラッチ板を回動させれば、クラッチの締結・解放の操作が行える。また、駆動側カムクラッチ板又は従動側カムクラッチ板に形成した傾斜面により、駆動源の駆動力を倍力してクラッチピストン側に伝達することが可能となる。したがって、部品点数を少なく抑えた簡単な構成でありながら、クラッチピストンに適切な押圧荷重を付与することができ、クラッチの操作が良好に行えるようになる。また、クラッチの締結・解放に必要な駆動源の駆動トルクを小さく抑えることができるので、電力消費量の削減、燃費向上に寄与できる。また、上記の構成により、駆動源の駆動トルクに比例した押圧荷重をクラッチピストンに付与することができる。したがって、クラッチに対する押圧荷重の制御が容易となる。
また、本発明にかかるクラッチ機構は、駆動側カムクラッチ板の両側それぞれに配置した第1クラッチ機構と第2クラッチ機構とを設けている。すなわち、駆動側カムクラッチ板の両側に配置した2組のクラッチ機構を備えたことで、駆動源から駆動側カムクラッチ板に付与される回転トルクを二方向の締結力に変換するように構成している。これにより、単一の駆動源による一の駆動側カムクラッチ板の駆動で、複数のクラッチの操作を行うことが可能となる。また、駆動源による駆動側カムクラッチ板の回動方向を切り換えるだけで、第1クラッチ機構と第2クラッチ機構の締結・解放の切替操作が行えるので、クラッチ機構の動作制御が簡単になる。
また、上記のクラッチ機構では、駆動源(90)は、単一の電動モータ(90)であり、伝達機構(93)は、電動モータ(90)の駆動で回転するネジ軸(94)と、該ネジ軸(94)の回転によって進退移動するラック(95)と、駆動側カムクラッチ板(10)の外周に形成されてラック(95)に噛合するギヤ(12)と、を備えるとよい。あるいは、伝達機構(93)は、電動モータ(90)の駆動で回転するウォーム(98)と、駆動側カムクラッチ板(10)の外周に形成されてウォーム(98)と噛合するウォームホイール(99)と、を備えるとよい。これらによれば、簡単な構成で、電動モータの駆動力で駆動側カムクラッチ板を正逆両方向に切り替えて回動させることができる。したがって、クラッチの締結・解放の切替操作をより容易に行うことが可能となる。
また、上記のクラッチ機構では、カム(27,67)は、傾斜面(13a,15a)を転動する球状体であってよい。これによれば、カムクラッチにかかるクラッチピストンからの反力が球状体で受け止められるようになる。したがって、伝達機構の構成の簡素化を図ることができる。特に、伝達機構として上記のネジ軸とラックを備える場合には、ネジ軸に径方向の荷重がかかることを防げるので、ネジ軸の径寸法の小型化が可能となる。したがって、クラッチ機構の簡素化及び軽量化が可能となる。
また、上記のクラッチ機構では、駆動側カムクラッチ板(10)の側面(10a,10b)又は従動側カムクラッチ板(20,60)の側面(20a,60a)には、カム(27,67)を係止するための係止部(24,66)が形成されており、従動側カムクラッチ板(20,60)及びクラッチピストン(30,70)がクラッチ(40,80)側に移動した位置で、カム(27,67)が係止部(24,66)に係止されることで、クラッチ(20,60)の締結が維持されるように構成するとよい。この構成によれば、係止部によるカムのディテント作用によって、駆動源の駆動力によらずにクラッチの締結を維持することが可能となる。したがって、電力消費量の低減、燃費の向上を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるクラッチ機構によれば、部品点数を少なく抑えた簡単な構成でありながら、クラッチピストンに適切な押圧荷重を付与することで、クラッチの良好な切替操作が行えると共に、単一の駆動源で複数のクラッチの切替操作を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態にかかるクラッチ機構を示す概略側断面図である。 クラッチ機構を備えたツインクラッチ式の変速機の全体構成例を示すスケルトン図である。 (a)は、駆動側カムクラッチ板と第1従動側カムクラッチ板を示す斜視図、(b)は、駆動側カムクラッチ板と第2従動側カムクラッチ板を示す斜視図、(c)は、駆動側カムクラッチ板と第1、第2従動側カムクラッチ板を組み立てた状態を示す斜視図である。 電動モータ及び伝達機構の構成例を示す図である。 ネジ軸の回転でラックを移動させるための構成例を示す図で、(a)は、ボールネジ構造の場合を示す図、(b)は、ネジ溝構造の場合を示す図である。 伝達機構の他の構成例を示す図である。 クラッチ機構の各部に生じる力の関係を説明するための図である。 第1、第2クラッチが解放されたニュートラル状態を示す図で、電動モータ及び伝達機構と駆動側カムクラッチ板を示す図である。 第1、第2クラッチが解放されたニュートラル状態を示す図で、駆動側カムクラッチ板と従動側カムクラッチ板との間に挟まれたカムを示す部分拡大図である。 第1、第2クラッチが解放されたニュートラル状態を示す図で、クラッチ機構の全体を示す概略側断面図である。 第1クラッチが締結した状態を示す図で、電動モータ及び伝達機構と駆動側カムクラッチ板を示す図である。 第1クラッチが締結した状態を示す図で、駆動側カムクラッチ板と従動側カムクラッチ板との間に挟まれたカムを示す部分拡大図である。 第1クラッチが締結した状態を示す図で、クラッチ機構の全体を示す概略側断面図である。 第2クラッチが締結した状態を示す図で、電動モータ及び伝達機構と駆動側カムクラッチ板を示す図である。 第2クラッチが締結した状態を示す図で、駆動側カムクラッチ板と従動側カムクラッチ板との間に挟まれたカムを示す部分拡大図である。 第2クラッチが締結した状態を示す図で、クラッチ機構の全体を示す概略側断面図である。 電動モータの回転角度と第1、第2クラッチピストンのストローク量との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態にかかるクラッチ機構を示す概略側断面図であり、電動モータの回転角度がゼロの状態を示す図である。 第2実施形態における電動モータの回転角度と第1、第2クラッチピストンのストローク量との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態にかかるクラッチ機構1を示す概略側断面図である。また、図2は、クラッチ機構1を設けたツインクラッチ式の変速機100の全体構成例を示すスケルトン図である。図2に示すように、クラッチ機構1を設けたツインクラッチ式の変速機100は、前進4段の変速段を設定可能な変速機であり、エンジン101からの駆動力が伝達される主軸102と、主軸102に対して同軸上に設置した第1入力軸110と、第1入力軸110に対して所定間隔で平行に設置した第2入力軸120と、第1、第2入力軸110,120に対して所定間隔で平行に設置した出力軸130とを備えている。第1入力軸110上には、奇数段設定用の歯車列を構成する1速駆動ギヤ111、3速駆動ギヤ113が配列されており、第2入力軸120上には、偶数段設定用の歯車列を構成する2速駆動ギヤ122、4速駆動ギヤ124が配列されている。
1速駆動ギヤ111、3速駆動ギヤ113は、第1入力軸110に対して相対回転可能に設置されており、2速駆動ギヤ122、4速駆動ギヤ124は、第2入力軸120に対して相対回転可能に設置されている。そして、第1入力軸110上には、1速駆動ギヤ111と3速駆動ギヤ113を第1入力軸110に対して選択的に同期固定するための同期装置112が設置されており、第2入力軸120上には、2速駆動ギヤ122と4速駆動ギヤ124を第2入力軸120に対して選択的に同期固定するための同期装置121が設置されている。
そして、出力軸130上には、1速駆動ギヤ111及び2速駆動ギヤ122に噛合する1−2速従動ギヤ131、3速駆動ギヤ113及び4速駆動ギヤ124に噛合する3−4速従動ギヤ133が設けられている。
本実施形態にかかるクラッチ機構1は、主軸102上に並べて設けた第1クラッチ機構1aと第2クラッチ機構1bとを備えて構成されている。第1クラッチ機構1aは、主軸102から第1入力軸110への駆動力伝達の有無を切り替えるためのクラッチ機構である。一方、第2クラッチ機構1bは、主軸102から第2入力軸120への駆動力伝達の有無を切り替えるためのクラッチ機構である。主軸102上には、第2クラッチ機構1bで主軸102に対する締結・解放が切り替えられる駆動ギヤ103が設けられている。そして、駆動ギヤ103は、アイドル軸140上に設置したアイドルギヤ104に噛合しており、該アイドルギヤ104が第2入力軸120上の従動ギヤ105に噛合している。
上記の構成によって、第1クラッチ機構1aが締結すると、エンジン101の駆動力が主軸102から第1入力軸110に伝達されて、第1入力軸110が回転する。第1入力軸110の回転は、同期装置112によって、1速駆動ギヤ111又は3速駆動ギヤ113に伝達される。これにより、1速段、3速段のいずれかが設定される。一方、第2クラッチ機構1bが締結すると、エンジン101の駆動力が主軸102から駆動ギヤ103、アイドルギヤ104、従動ギヤ105を経由して第2入力軸120に伝達されて、第2入力軸120が回転する。第2入力軸120の回転は、同期装置121によって、2速駆動ギヤ122又は4速駆動ギヤ124に伝達される。これにより、2速段、4速段のいずれかが設定される。
次に、クラッチ機構1の詳細な構成について説明する。なお、以下の説明で右又は左というときは、各図に示す右又は左を指すものとする。クラッチ機構1は、図1に示すように、主軸102の周りに回動可能に設置した駆動側カムクラッチ板10を備えている。駆動側カムクラッチ板10は、円形平板状の部材であり、その中心には、主軸102を挿通するための軸穴11が形成されている。軸穴11に挿通した主軸102との隙間には、ベアリング11aが設置されている。これにより、駆動側カムクラッチ板10は、主軸102に対して相対回転可能になっている。
図1に示すように、駆動側カムクラッチ板10の径方向の外側には、略円筒状の支持部材17が設置されている。支持部材17は、駆動側カムクラッチ板10に対して軸方向の両側に配置した一対の部材に分割されており、それぞれがクラッチ機構1を収容する変速機ケーシング(図示せず)など固定側の部材に固定されている。これにより、駆動側カムクラッチ板10の両側面10a,10bの外周が回動可能に支持されている。
図3(a)は、駆動側カムクラッチ板10と後述する第1従動側カムクラッチ板20を示す斜視図であり、(b)は、駆動側カムクラッチ板10と後述する第2従動側カムクラッチ板60を示す斜視図であり、(c)は、駆動側カムクラッチ板10と第1、第2従動側カムクラッチ板20,60を組み立てた状態を示す斜視図である。なお、同図(c)では、第2従動側カムクラッチ板60の一部を切り欠いた状態で示している。駆動側カムクラッチ板10の両側面10a,10bにはそれぞれ、第1カム27を転動させるための第1カム溝13と、第2カム67を転動させるための第2カム溝15とが形成されている。第1カム溝13と第2カム溝15はいずれも、主軸102周りの円周方向に延びる円弧状の浅い溝部として形成されており、円周方向に沿って軸方向の高さ位置が徐々に変化する傾斜面状の底面(傾斜面)13a,15aを有している。
第1カム溝13は、駆動側カムクラッチ板10の右側面10aの周方向に沿って所定間隔で複数個(図では90度間隔で4個)が形成されており、いずれもその底面13aが周方向で同じ向きに傾斜している。一方、第2カム溝15は、駆動側カムクラッチ板10の左側面10bの周方向に沿って所定間隔で複数個(図では90度間隔で4個)が形成されており、いずれもその底面15aが周方向で同じ向きに傾斜している。そして、第1カム溝13の底面13aの傾斜する向きと、第2カム溝15の底面15aの傾斜する向きは、周方向で互いに反対向きになっている。
そして、図1に示すように、第1クラッチ機構1aと第2クラッチ機構1bは、駆動側カムクラッチ板10の軸方向の両側それぞれに配置されている。第1クラッチ機構1aは、駆動側カムクラッチ板10の右側(軸方向の一方)に設置した第1従動側カムクラッチ板20と、第1従動側カムクラッチ板20と駆動側カムクラッチ板10との間に挟持された第1カム27と、第1従動側カムクラッチ板20に連動して軸方向に移動する第1クラッチピストン30と、第1クラッチピストン30の作動によって締結・解放される第1クラッチ40とで構成されている。
第1従動側カムクラッチ板20は、駆動側カムクラッチ板10と略等しい径寸法を有する円形平板状の部材であり、その中心には、主軸102を挿通するための軸穴21が形成されている。軸穴21に挿通した主軸102との間には、僅かな寸法のクリアランスが設けられている。また、第1従動側カムクラッチ板20の外周は、支持部材17に対してレール部18で支持されている。レール部18は、第1従動側カムクラッチ板20の外周に対して、円周方向及び軸方向の移動を許容した状態で係合している。これらによって、第1従動側カムクラッチ板20は、支持部材17及び主軸102に対して相対的に回動可能かつ軸方向にスライド移動可能になっている。
第1従動側カムクラッチ板20の側面(駆動側カムクラッチ板10を向く左側面)20aには、第1突起部23が設けられている。第1突起部23は、駆動側カムクラッチ板10の第1カム溝13を転動する第1カム27に当接するように、第1カム溝13に対応する複数個(図では4個)が設けられている。各第1突起部23は、主軸102周りの円周方向に延びる円弧状の凸部として形成されている。各第1突起部23は、円周方向に沿って軸方向の高さ位置が徐々に変化する傾斜面状の上面23aを有している。各第1突起部23の上面23aは、各第1カム溝13の底面13aに対して平行になるように形成されている。
第1カム27は、金属製の球状体であり、第1カム溝13の底面13aを転動可能な径寸法を有している。第1カム27は、第1カム溝13の底面13aと第1突起部23の上面23aとに挟まれており、駆動側カムクラッチ板10と第1従動側カムクラッチ板20との相対回転に伴い、第1カム溝13の底面13a及び第1突起部23の上面23aの長手方向に沿って転動するようになっている。
また、各第1突起部23の頂点(軸方向の高さが最も高い位置)には、第1カム27を係止するための第1係止溝24が形成されている。第1係止溝24は、第1突起部23の頂点を第1カム27の外形に沿う球面状あるいは円筒面状に窪ませた部分であり、第1突起部23に沿って転動した第1カム27が第1突起部23の頂点に達すると、第1係止溝24に没入して係止されるようになっている。
一方、図1に示すように、主軸102の外周側には、主軸102に対してスプライン嵌合している円筒体35が設置されている。第1クラッチピストン30は、円筒体35の外周側にスプライン嵌合している。したがって、第1クラッチピストン30は、主軸102と一体に回転するようになっている。そして、第1従動側カムクラッチ板20と第1クラッチピストン30との間には、レリーズベアリング22が設置されている。レリーズベアリング22によって、第1従動側カムクラッチ板20と第1クラッチピストン30との差回転が許容されるようになっている。また、第1クラッチピストン30と円筒体35の外周に固定したリング状の係止部材35aとの間には、リターンスプリング36が設置されている。このリターンスプリング36によって、第1クラッチピストン30が第1クラッチ40から離間する方向に付勢されている。
第1クラッチ40は、第1クラッチピストン30に対して軸方向に相対移動可能かつ周方向に相対移動不能に係合している円筒状の外周部材41と、第1入力軸110と一体に形成した円筒状の内周部材42とを備えている。外周部材41は、主軸102及び第1クラッチピストン30と一体に回転し、内周部材42は、第1入力軸110と一体に回転する。また、外周部材41は、その外周側がベアリング41aを介してケースなど固定側の部材(図示せず)に対して相対回転可能に支持されている。そして、外周部材41と内周部材42との間には、外周部材41に固定された複数のクラッチプレート43aと、内周部材42に固定された複数のクラッチプレート43bとが軸方向に沿って交互に積層されている。積層されたクラッチプレート43a,43bの軸方向の一端には、第1クラッチピストン30が対向している。したがって、第1従動側カムクラッチ板20からの押圧力を受けることで、第1クラッチピストン30がリターンスプリング36の付勢力に抗して第1クラッチ40側に移動すると、クラッチプレート43a,43bが積層方向に押圧される。これにより、第1クラッチ40が締結される。一方、第1従動側カムクラッチ板20から第1クラッチピストン30にかかる押圧力が解除されると、リターンスプリング36の付勢力で、第1クラッチピストン30が第1クラッチ40から離れる方向に移動する。これにより、第1クラッチ40が解放される。
一方、第2クラッチ機構1bは、駆動側カムクラッチ板10の左側(軸方向の他方)に設置した第2従動側カムクラッチ板60と、第2従動側カムクラッチ板60と駆動側カムクラッチ板10との間に挟持された第2カム67と、第2従動側カムクラッチ板60に連動して軸方向に移動する第2クラッチピストン70と、第2クラッチピストン70の作動によって締結・解放される第2クラッチ80とで構成されている。この第2クラッチ機構1bは、第1クラッチ機構1aに対して、軸方向でほぼ対称な構成を有している。
第2従動側カムクラッチ板60は、駆動側カムクラッチ板10と略等しい径寸法を有する円形平板状の部材であり、その中心には、主軸102を挿通するための軸穴61が形成されている。軸穴61に挿通した主軸102との間には、僅かな寸法のクリアランスが設けられている。また、第2従動側カムクラッチ板60の外周は、支持部材17に対してレール部19で支持されている。レール部19は、第2従動側カムクラッチ板60の外周に対して、円周方向及び軸方向の移動を許容した状態で係合している。これらによって、第2従動側カムクラッチ板60は、支持部材17及び主軸102に対して相対的に回動可能かつ軸方向にスライド移動可能になっている。
第2従動側カムクラッチ板60の側面(駆動側カムクラッチ板10を向く右側面)60aには、第2突起部65が設けられている。第2突起部65は、駆動側カムクラッチ板10の第2カム溝15を転動する第2カム67に当接するように、主軸102周りの円周方向に延びる円弧状の凸部として形成されている。各第2突起部65は、円周方向に沿って軸方向の高さ位置が徐々に変化する傾斜面状の上面65aを有している。各第2突起部65の上面65aは、各第2カム溝15の底面15aに対して平行になるように形成されている。
第2カム67は、金属製の球状体であり、第2カム溝15の底面15aを転動可能な径寸法を有している。第2カム67は、第2カム溝15の底面15aと第2突起部65の上面65aとに挟まれており、駆動側カムクラッチ板10と第2従動側カムクラッチ板60との相対回転に伴い、第2カム溝15の底面15aと第2突起部65の上面65aの長手方向に沿って転動するようになっている。
また、各第2突起部65の頂点(軸方向の高さが最も高い位置)には、第2カム67を係止するための第2係止溝66が形成されている。第2係止溝66は、第2突起部65の頂点を第2カム67の外形に沿う球面状あるいは円筒面状に窪ませた部分であり、第2突起部65に沿って転動した第2カム67が第2突起部65の頂点に達すると、第2係止溝66に没入して係止されるようになっている。
一方、図1に示すように、主軸102の外周側には、主軸102に対してスプライン嵌合している円筒体75が設置されている。第2クラッチピストン70は、円筒体75の外周側にスプライン嵌合している。したがって、第2クラッチピストン70は、主軸102と一体に回転するようになっている。そして、第2従動側カムクラッチ板60と第2クラッチピストン70との間には、レリーズベアリング62が設置されている。レリーズベアリング62によって、第2従動側カムクラッチ板60と第2クラッチピストン70との差回転が許容されるようになっている。また、第2クラッチピストン70と円筒体75の外周に固定したリング状の係止部材75aとの間には、リターンスプリング76が設置されている。このリターンスプリング76によって、第2クラッチピストン70が第2クラッチ80から離間する方向に付勢されている。
第2クラッチ80は、第2クラッチピストン70に対して軸方向に相対移動可能かつ周方向に相対移動不能に係合している円筒状の外周部材81と、駆動ギヤ103と一体に形成した円筒状の内周部材82とを備えている。外周部材81は、主軸102及び第2クラッチピストン70と一体に回転し、内周部材82は、駆動ギヤ103と一体に回転する。なお、駆動ギヤ103は、ベアリング91によって、主軸102に対して相対回転可能に設置されている。そして、外周部材81と内周部材82との間には、外周部材81に固定された複数のクラッチプレート83aと、内周部材82に固定された複数のクラッチプレート83bとが軸方向に沿って交互に積層されている。積層されたクラッチプレート83a,83bの軸方向の一端には、第2クラッチピストン70が対向している。したがって、第2従動側カムクラッチ板60からの押圧力を受けることで、第2クラッチピストン70がリターンスプリング76の付勢力に抗して第2クラッチ80側に移動すると、クラッチプレート83a,83bが積層方向に押圧される。これにより、第2クラッチ80が締結される。一方、第2従動側カムクラッチ板60から第2クラッチピストン70にかかる押圧力が解除されると、リターンスプリング76の付勢力で、第2クラッチピストン70が第2クラッチ80から離れる方向に移動する。これにより、第2クラッチ80が解放される。
図4は、クラッチ機構1が備える電動モータ90及び伝達機構93の構成例を示す図である。同図に示すように、クラッチ機構1には、駆動側カムクラッチ板10を回動させるための駆動源である電動モータ90と、電動モータ90の駆動力を駆動側カムクラッチ板10に伝達するための伝達機構93とが設けられている。伝達機構93は、電動モータ90の駆動力で回転するネジ軸94と、ネジ軸94の回転に伴いその軸方向に進退移動するように構成したラック95と、駆動側カムクラッチ板10の外周面に形成されてラック95に噛合するギヤ12とを備えている。これにより、電動モータ90の駆動力でネジ軸94が一方に回転すると、その回転でラック95がネジ軸94の軸方向に沿って一方に移動する。これにより、ラック95と噛合する駆動側カムクラッチ板10が一方に回動する。また、電動モータ90の駆動力でネジ軸94が他方に回転すると、その回転でラック95がネジ軸94の軸方向に沿って他方に移動する。これにより、ラック95と噛合する駆動側カムクラッチ板10が他方に回動する。このように、電動モータ90によるネジ軸94の回転方向に応じて、駆動側カムクラッチ板10が正転方向又は逆転方向に回動するようになっている。
図5は、ネジ軸94の回転でラック95を移動させるための構成例を示す図で、(a)は、ボールネジ構造の場合を示す図、(b)は、ネジ溝構造の場合を示す図である。同図(a)に示すボールネジ構造では、ネジ軸94の外周面94aにボール96が転動するボール溝96aが形成されている。また、ネジ軸94の外周を囲むラック95には、ネジ軸94のボール溝96aから排出されたボール96を案内するための案内路96bが形成されている。案内路96bは、両端がネジ軸94の外周面94aに対向して開口しており、一端から導入したボール96を他端から導出することで、ボール溝96aのボール96を循環させるようになっている。これにより、ネジ軸94の回転でボール96がボール溝96a及び案内路96bを転動することで、ラック95がネジ軸94の軸方向に沿って進退移動するようになっている。また、図5(b)に示すネジ溝構造では、ネジ軸94の外周面94aに形成したネジ溝97aと、ラック95の内周面95aに形成したネジ溝97bとがネジ係合している。これにより、ネジ軸94の回転でラック95が軸方向に進退移動するようになっている。なお、ネジ軸94の回転でラック95を移動させるための構成としては、図5(a)のボールネジ構造と、図5(b)のネジ溝構造のどちらであってもよい。
図6は、伝達機構93の他の構成例を示す図である。同図に示す伝達機構93は、電動モータ90の駆動で回転するウォーム98と、駆動側カムクラッチ板10の外周に形成されてウォーム98と噛合してなるウォームホイール99とで構成されている。これにより、電動モータ90の駆動力でウォーム98が一方に回転すると、ウォーム98と噛合するウォームホイール99の移動で、駆動側カムクラッチ板10が一方に回動する。また、電動モータ90の駆動力でウォーム98が他方に回転すると、ウォーム98と噛合するウォームホイール99の移動で、駆動側カムクラッチ板10が他方に回動する。このように、電動モータ90によるウォーム98の回転方向に応じて、駆動側カムクラッチ板10が正転方向又は逆転方向に回動するようになっている。
図7は、クラッチ機構1の各部に生じる力の関係について説明ための図であり、同図(a)は、ネジ軸94及びラック95と駆動側カムクラッチ板10とを示す図、(b)は、ネジ軸94の端面及び側面を示す図、(c)は、駆動側カムクラッチ板10と従動側カムクラッチ板20,60との間に挟まれたカム27,67を示す部分拡大図である。なお、ここでは、ネジ軸94の回転でラック95を移動させる構成として、図5(b)に示すネジ溝構造を有する場合について説明する。
図7(a)に示すように、電動モータ90からラック95に作用する力F1とし、図7(b)に示すように、ネジ軸94に形成したネジ溝97aのピッチ径r1,ネジ溝97aのリード角θ1,電動モータ90のトルクT1とすると、下記の(式1)が成り立つ。
1=T1/r1sinθ1 (式1)
(式1)から、ネジ溝97aのピッチ径r1が小さいと、電動モータ90のトルクT1に対してラック95に作用する力F1が倍力される。本実施形態のクラッチ機構1では、ネジ軸94の径方向(ラジアル方向)に作用するクラッチ反力が比較的小さいため、ネジ溝97aのピッチ径r1は、ある程度小さくすることが可能である。したがって、電動モータ90のトルクT1に対してラック95に作用する力F1を倍力することが可能である。また、(式1)から、ネジ溝97aのリード角θ1が鋭角ならば、電動モータ90のトルクT1に対してラック95に作用する力F1が倍力される。
また、図7(a)に示すように、駆動側カムクラッチ板10の外周に設けたギヤ(ピニオンギヤ)12のピッチ径r2,カム溝13,15の中心径r3とし、図7(c)に示すように、駆動側カムクラッチ板10のカム溝13,15の底面(傾斜面)13a,15aにかかる力F2とすると、下記の(式2)が成り立つ。
2=F1・r2/r3 (式2)
(式2)から、カム溝13,15の底面13a,15aにかかる力F2は、ラック95に作用する力F1に対して、ギヤ12のピッチ径r2とカム溝13,15の中心径r3との比で倍力される。
さらに、図7(c)に示すように、従動側カムクラッチ板20,60からクラッチピストン30,70に付与される押圧力F3、駆動側カムクラッチ板10のカム溝13,15の底面13a,15aの傾斜角度(駆動側カムクラッチ板10の側面10a,10bに対する傾斜角度)θ2とすると、下記の(式3)が成り立つ。
3=F2/tanθ2 (式3)
(式3)から、カム溝13,15の底面13a,15aの傾斜角度θ2が鋭角ならば、底面13a,15aにかかる力F2に対して、クラッチピストン30,70に付与される押圧力F3が倍力される。
また、(式1)乃至(式3)からわかるように、従動側カムクラッチ板20,60からクラッチピストン30,70にかかる押圧力F3には、クラッチ機構1の作動状態の遷移に応じて変化するパラメータが含まれていない。したがって、クラッチピストン30,70に対する押圧力F3は、電動モータ90のトルクに比例した荷重として発生する。したがって、本実施形態のクラッチ機構1では、電動モータ90のトルクの綿密な制御を行わなくても、クラッチピストン30,70を一定の荷重で押圧することが可能となる。
次に、上記構成のクラッチ機構1の動作について説明する。図8乃至図10は、クラッチ機構1の作動状態を説明するための図であり、図8は、電動モータ90の回転角度(電動モータ90の駆動によるネジ軸94あるいは駆動側カムクラッチ板10の回転角度でもよい、以下同じ。)がゼロの状態(正逆いずれにも回転していない中立状態)を示す図であり、図9は、電動モータ90が一方(正方向)に所定角度(+θ)回転した状態を示す図であり、電動モータ90が他方(逆方向)に所定角度(−θ)回転した状態を示す図である。また、図8乃至図10では、(a)は、電動モータ90及び伝達機構93と駆動側カムクラッチ板10を示す図であり、(b)は、駆動側カムクラッチ板10と従動側カムクラッチ板20,60との間に挟まれたカム27,67を示す部分拡大図であり、(c)は、クラッチ機構1の全体を示す概略側断面図である。
まず、図8(a)に示すように、電動モータ90の回転角度がゼロの状態では、ラック95がその移動方向(ネジ軸94の軸方向、以下同じ。)の中心位置にある。したがって、駆動側カムクラッチ板10は、正逆どちら向きにも回動していない初期位置にある。この状態では、図8(b)に示すように、第1カム27が第1カム溝13の長手方向の中間位置にあり、かつ、第2カム67が第2カム溝15の長手方向の中間位置にある。したがって、図8(c)に示すように、第1従動側カムクラッチ板20及び第1クラッチピストン30は、第1クラッチ40側に移動しておらず、かつ、第2従動側カムクラッチ板60及び第2クラッチピストン70は、第2クラッチ80側に移動していない。そのため、第1クラッチ40と第2クラッチ80は、いずれもニュートラル状態である。
そして、図8に示すニュートラル状態から、電動モータ90の駆動でネジ軸94を一方(正方向)に回転させると、図9(a)に示すように、ラック95が左方向に移動する。これにより、駆動側カムクラッチ板10が同図に示す反時計回り方向に回動する。そうすると、駆動側カムクラッチ板10の第1カム溝13が反時計回り方向(図9(b)では上方向)に回動することで、第1カム溝13と第1突起部23との間に挟持された第1カム27がそれらの長手方向に沿って相対的に移動する。すると、第1カム27は、第1カム溝13の底面13aを上昇し、第1カム溝13の端部まで移動する。これにより、第1カム27の軸方向の位置が右方向へ移動するので、第1従動側カムクラッチ板20が右方向に移動する。こうして、図9(c)に示すように、第1従動側カムクラッチ板20と連動して右方向へ移動する第1クラッチピストン30によって、第1クラッチ40が押圧されて締結する。第1クラッチ40が締結すると、図9(c)の一点鎖線に示すように、主軸102の回転が第1クラッチ40を介して第1入力軸110に伝達される。
さらにこの場合、図9(b)に示すように、第1カム27が第1突起部23の頂点に達すると、第1係止溝24に没入して係止される。これにより、第1従動側カムクラッチ板20は、第1クラッチピストン30側(右側)一杯に移動した位置で停止する。この状態で電動モータ90を停止すると、駆動側カムクラッチ板10及び第1従動側カムクラッチ板20は、その位置で停止する。これにより、第1クラッチピストン30で第1クラッチ40を押圧した状態を維持できる。したがって、電動モータ90の駆動力が無い状態で、第1クラッチ40の締結を維持できる。
なお、図8に示す状態から図9に示す状態になる際には、駆動側カムクラッチ板10の第2カム溝15は、図9(b)に示す上方向に回動する。そのため、第2カム67は、第2カム溝15に沿って底面15aを下降する方向へ移動して、第2カム溝15内の最も低い位置に配置される。第2クラッチピストン70は、リターンスプリング76によって第2クラッチ80から離間する方向に付勢されているので、当該付勢力によって、第2従動側カムクラッチ板60及び第2クラッチピストン70は、第2カム67の移動分、第2クラッチ80から離れる方へ移動する。
一方、図8に示すニュートラル状態から、電動モータ90の駆動でネジ軸94を他方(逆方向)に回転させると、図10(a)に示すように、ラック95が右方向に移動する。これにより、駆動側カムクラッチ板10が同図の時計回り方向に回動する。すると、駆動側カムクラッチ板10の第2カム溝15が図10(b)に示す下方向に回動することで、第2カム溝15と第2突起部65との間に挟持された第2カム67がそれらの長手方向に沿って相対的に移動する。すると、第2カム67は、第2カム溝15の底面15aを上昇し、第2カム溝15の端部まで移動する。これにより、第2カム67の軸方向の位置が左方向に移動するので、第2従動側カムクラッチ板60が左方向に移動する。こうして、図10(c)に示すように、第2従動側カムクラッチ板60と連動して左方向へ移動する第2クラッチピストン70によって、第2クラッチ80が押圧されて締結する。第2クラッチ80が締結すると、図10(c)の一点鎖線に示すように、主軸102の回転が第2クラッチ80を介して駆動ギヤ103に伝達される。
さらにこの場合、図10(b)に示すように、第2カム67が第2突起部65の頂点に達すると、第2係止溝66に没入して係止される。これにより、第2従動側カムクラッチ板60は、第2クラッチピストン70側(左側)一杯に移動した位置で停止する。この状態で電動モータ90を停止すると、駆動側カムクラッチ板10及び第2従動側カムクラッチ板60は、その位置で停止する。これにより、第2クラッチピストン70で第2クラッチ80を押圧した状態を維持できる。したがって、電動モータ90の駆動力が無い状態で、第2クラッチ80の締結を維持できる。
なお、図8に示す状態から図10に示す状態になる際には、駆動側カムクラッチ板10の第1カム溝13は、図10(b)に示す下方向に回動する。そのため、第1カム27は、第1カム溝13に沿って底面13aを下降する方向へ移動して、第1カム溝13内の最も低い位置に配置される。第1クラッチピストン30は、リターンスプリング36によって第1クラッチ40から離間する方向に付勢されているので、当該付勢力によって、第1従動側カムクラッチ板20及び第1クラッチピストン30は、第1カム27の移動分、第1クラッチ40から離れる方へ移動する。
図11は、本実施形態のクラッチ機構1における電動モータ90の回転角度と第1、第2クラッチピストン30,70のストローク量(第1、第2クラッチ40,80の締結・解放状態)との関係を示すグラフである。同図のグラフに示す点線は、第1クラッチピストン30のストローク量であり、実線は、第2クラッチピストン70のストローク量である。同図に示すように、電動モータ90の回転角度がゼロのとき、第1クラッチピストン30と第2クラッチピストン70のストローク量は、いずれも0である。この状態では、第1クラッチ40と第2クラッチ80のいずれも解放状態(ニュートラル)になっている。そこから電動モータ90が正方向に所定角度(+θ)回転すると、第1クラッチ40が締結状態となる一方、逆方向に所定角度(−θ)回転すると、第2クラッチ80が締結状態となる。
以上説明したように、本実施形態のクラッチ機構1は、主軸102の周りに回動可能に設置した駆動側カムクラッチ板10と、駆動側カムクラッチ板10を回動させるための電動モータ90と、電動モータ90の駆動力を駆動側カムクラッチ板10に伝達するための伝達機構93と、駆動側カムクラッチ板10に対して軸方向に並べて設置され、軸回りに回動可能且つ軸方向に移動可能な従動側カムクラッチ板20,60と、駆動側カムクラッチ板10と従動側カムクラッチ板20,60との間に挟持されたカム27,67と、従動側カムクラッチ板20,60に連動して軸方向に移動するクラッチピストン30,70と、クラッチピストン30,70の作動によって締結・解放されるクラッチ40,80とを備えている。そして、カム27,67は、駆動側カムクラッチ板10の側面10a,10bと従動側カムクラッチ板20,60の側面20a,60aとに形成した回転方向に沿って傾斜する傾斜面13a及び23a,15a及び65aに接しており、駆動側カムクラッチ板10の回動によって、カム27,67が傾斜面13a及び23a,15a及び65aを転動することで、従動側カムクラッチ板20,60及びクラッチピストン30,70が軸方向に移動して、クラッチ40,80の締結・解放が切り替わるように構成している。
本実施形態のクラッチ機構1によれば、電動モータ90の駆動力で駆動側カムクラッチ板10を回動させることで、駆動側カムクラッチ板10と従動側カムクラッチ板20,60との間に挟持されたカム27,67の移動によって、クラッチ40,80の締結・解放の切り替えが行える。また、駆動側カムクラッチ板10に形成した周方向に沿って傾斜する傾斜面13a,15aにより、電動モータ90の駆動力を倍力してクラッチピストン30,70側に伝達することが可能となる。したがって、部品点数を少なく抑えた簡単な構成でありながら、クラッチピストン30,70に適切な押圧荷重を付与することができ、クラッチ40,80の適切な操作が行えるようになる。また、クラッチ40,80の締結・解放に必要な電動モータ90の駆動トルクを小さく抑えることができるので、電力消費量の削減、燃費向上に寄与できる。また、電動モータ90の駆動トルクに比例した押圧荷重をクラッチピストン30,70に付与することができる。したがって、クラッチ40,80に対する押圧荷重の制御が容易となる。
また、本実施形態のクラッチ機構1は、駆動側カムクラッチ板10の軸方向の両側それぞれに配置された第1、第2クラッチ機構1a,1bを備えている。第1クラッチ機構1aは、駆動側カムクラッチ板10の一方の側面10aに対向して設置した第1従動側カムクラッチ板20と、第1従動側カムクラッチ板20と駆動側カムクラッチ板10との間に挟持された第1カム27と、第1従動側カムクラッチ板20に連動して軸方向に移動する第1クラッチピストン30と、第1クラッチピストン30の作動によって締結・解放される第1クラッチ40とで構成されている。また、第2クラッチ機構1bは、駆動側カムクラッチ板10の他方の側面10bに対向して設置した第2従動側カムクラッチ板60と、第2従動側カムクラッチ板60と駆動側カムクラッチ板10との間に挟持された第2カム67と、第2従動側カムクラッチ板60に連動して軸方向に移動する第2クラッチピストン70と、第2クラッチピストン70の作動によって締結・解放される第2クラッチ80とで構成されている。そして、駆動側カムクラッチ板10が一方に回動することで、第1クラッチ機構1aの第1クラッチ40が締結し、駆動側カムクラッチ板10が他方に回動することで、第2クラッチ機構1bの第2クラッチ80が締結するように構成している。
このように、本実施形態のクラッチ機構1では、駆動側カムクラッチ板10の両側にそれぞれ第1クラッチ機構1aと第2クラッチ機構1bとを設けている。これにより、電動モータ(駆動源)90から駆動側カムクラッチ板10に付与される回転トルクを二方向の締結力に変換するように構成している。したがって、単一の電動モータ90による駆動側カムクラッチ板10の駆動で、2つのクラッチ40,80の操作を行うことを可能としている。
また、上記のクラッチ機構1では、駆動源は、単一の電動モータ90であり、伝達機構93は、電動モータ90の駆動で回転するネジ軸94と、該ネジ軸94の回転によって進退移動するラック95と、駆動側カムクラッチ板10の外周に形成されてラック95に噛合するギヤ12とを備えている。これにより、簡単な構成で、電動モータ90の駆動力で駆動側カムクラッチ板10を正逆両方向に切り替えて回動させることができる。したがって、第1クラッチ40と第2クラッチ80の締結・解放の切り替えを容易に行うことが可能となる。
また、上記のクラッチ機構1では、カム27,67は、傾斜面13a,15aを転動する球状体としている。これにより、従動側カムクラッチ板20,60及び駆動側カムクラッチ板10にかかるクラッチピストン30,70からの反力がカム27,67で受け止められる。したがって、伝達機構93の構成の簡素化を図ることができる。特に、伝達機構93として上記のネジ軸94とラック95を備える場合には、ネジ軸94に径方向の荷重がかかることを防げるので、ネジ軸94の径寸法の小型化が可能となる。したがって、クラッチ機構1の簡素化及び軽量化が可能となる。
また、上記のクラッチ機構1では、従動側カムクラッチ板20,60の突起部23,65には、傾斜面13a,15aを転動するカム27,67を係止するための係止溝24,66が形成されており、従動側カムクラッチ板20,60及びクラッチピストン30,70がクラッチ40,80側に移動した状態で、カム27,67が係止溝24,66に係止されることで、クラッチ40,80の締結状態が維持されるように構成している。このような係止溝24,66によるカム27,67のディテント作用によって、電動モータ90の駆動力によらずクラッチ40,80の締結状態を維持することが可能となる。したがって、電力消費量の低減、燃費の向上を図ることができる。すなわち、本実施形態のクラッチ機構1では、クラッチ40,80のストローク完了位置に対応する箇所にカム27,67が係止される係止溝24,66を有している。これにより、クラッチ40,80のストローク完了後は、電動モータ90による駆動力が無い状態で、クラッチピストン30,70に対する押圧状態を保つことができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。
図12は、第2実施形態にかかるクラッチ機構1−2を示す概略側断面図であり、電動モータ90の回転角度がゼロのときの状態を示す図である。また、図13は、第2実施形態のクラッチ機構1−2における電動モータ90の回転角度と第1、第2クラッチピストン30,70のストローク量(第1、第2クラッチ40,80の締結・解放状態)との関係を示すグラフである。第1実施形態のクラッチ機構1では、駆動側カムクラッチ板10が正逆どちら向きにも回動していない初期位置にある状態で、第1クラッチピストン30が第1クラッチ40から僅かに離間するように設定されており、かつ、第2クラッチピストン70が第2クラッチ80から僅かに離間するように設定されていた。これらによって、電動モータ90の回転角度がゼロの状態では、第1クラッチ40と第2クラッチ80は、いずれもニュートラル状態であった。
これに対して、本実施形態のクラッチ機構1−2では、駆動側カムクラッチ板10が正逆どちら向きにも回動していない初期位置で、第1クラッチピストン30が第1クラッチ40に当接して、第1クラッチ40が若干押圧された状態となるように設定している。かつ、第2クラッチピストン70が第2クラッチ80に当接して、第2クラッチ80が若干押圧された状態となるように設定している。これらによって、電動モータ90の回転角度がゼロのとき、第1クラッチ40と第2クラッチ80は、いずれも半締結状態となるように設定されている。
すなわち、図13のグラフに示すように、本実施形態のクラッチ機構1−2では、電動モータ90の回転角度がゼロのとき、第1クラッチピストン30と第2クラッチピストン70のストローク量は、いずれも全ストローク量(クラッチ締結時のストローク量)の50%となるように設定されており、この状態で、第1クラッチ40と第2クラッチ80がいずれも半締結状態になるように設定されている。そこから電動モータ90が正方向に所定角度(+θ)回転すると、第1クラッチが完全締結(100%締結)状態となる一方、逆方向に所定角度(−θ)回転すると、第2クラッチが完全締結(100%締結)状態となる。
本実施形態のクラッチ機構1−2では、上記のように、電動モータ90の回転角度がゼロのとき、第1クラッチピストン30と第2クラッチピストン70がいずれも半締結状態となるように設定したことで、第1クラッチ40の締結状態から第2クラッチ80の締結状態への切り替えを、ニュートラル状態を介さずに行えるようになる。したがって、いわゆるトルク抜けが発生し難くなる。なお、この場合、クラッチ機構1−2では、第1、第2クラッチ40,80を解放状態にすることはできないが、第1、第2クラッチ40,80の下流側に設置した同期装置112,121のいずれかを解放することで、第1、第2クラッチ40,80のニュートラル状態と同様の作用を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、駆動側カムクラッチ板の両側にそれぞれ第1クラッチ機構と第2クラッチ機構を配置したツインクラッチ装置を例示したが、本発明にかかるクラッチ機構は、駆動側カムクラッチ板の一方の側に設けた単一のクラッチ機構のみで構成することも可能である。
また、本発明にかかるクラッチ機構が備えるカムやカム溝の具体的な形状は、上記の実施形態に示すものには限定されない。また、上記実施形態では、カム溝を駆動側カムクラッチ板に設け、該カム溝に対応する突起部を従動側カムクラッチ板に形成した場合を示したが、これとは逆に、カム溝を従動側カムクラッチ板に設け、突起部を駆動側カムクラッチ板に設けてもよい。さらにいえば、カム溝に対応する突起部は、省略することも可能である。
1,1−2 クラッチ機構
1a 第1クラッチ機構
1b 第2クラッチ機構
10 駆動側カムクラッチ板
10a 側面(右側面)
10b 側面(左側面)
11a ベアリング
12 ギヤ(ピニオンギヤ)
13 第1カム溝
13a 底面(傾斜面)
15 第2カム溝
15a 底面(傾斜面)
20 第1従動側カムクラッチ板
20a 側面
23 突起部
23a 上面(傾斜面)
24 第1係止溝(係止部)
27 第1カム
30 第1クラッチピストン
40 第1クラッチ
60 第2従動側カムクラッチ板
60a 側面
65 第2突起部
66 第2係止溝(係止部)
67 第2カム
70 第2クラッチピストン
80 第2クラッチ
90 電動モータ(駆動源)
93 伝達機構
94 ネジ軸
95 ラック
100 変速機
101 エンジン
102 主軸
103 駆動ギヤ
110 第1入力軸
120 第2入力軸
130 出力軸

Claims (5)

  1. 軸周りに回動可能に設置した駆動側カムクラッチ板と、
    前記駆動側カムクラッチ板を回動させるための駆動源と、
    該駆動源の駆動力を前記駆動側カムクラッチ板に伝達するための伝達機構と、
    前記駆動側カムクラッチ板の軸方向の両側それぞれに配置された第1、第2クラッチ機構と、を備え、
    前記第1クラッチ機構は、
    前記駆動側カムクラッチ板の一方の側面に対向して設置した軸方向に移動可能な第1従動側カムクラッチ板と、
    前記駆動側カムクラッチ板と前記第1従動側カムクラッチ板との間に挟持された第1カムと、
    前記第1従動側カムクラッチ板に連動して軸方向に移動する第1クラッチピストンと、前記第1クラッチピストンの作動によって締結・解放される第1クラッチとで構成されており、
    前記第2クラッチ機構は、
    前記駆動側カムクラッチ板の他方の側面に対向して設置した軸方向に移動可能な第2従動側カムクラッチ板と、
    前記駆動側カムクラッチ板と前記第2従動側カムクラッチ板との間に挟持された第2カムと、
    前記第2従動側カムクラッチ板に連動して前記軸方向に移動する第2クラッチピストンと、前記第2クラッチピストンの作動によって締結・解放される第2クラッチとで構成されており、
    前記第1、第2カムは、前記駆動側カムクラッチ板の側面と前記第1、第2従動側カムクラッチ板の側面との少なくともいずれかに形成した回転方向に沿って傾斜する傾斜面に接しており、
    前記駆動側カムクラッチ板が一方に回動すると、前記第1カムが前記傾斜面上を転動して、前記第1クラッチ機構の前記第1クラッチが締結する一方、前記駆動側カムクラッチ板(10)が他方に回動すると、前記第2カムが前記傾斜面上を転動して、前記第2クラッチ機構の前記第2クラッチが締結するように構成した
    ことを特徴とするクラッチ機構。
  2. 前記駆動源は、単一の電動モータであり、
    前記伝達機構は、前記電動モータの駆動で回転するネジ軸と、該ネジ軸の回転によって進退移動するラックと、前記駆動側カムクラッチ板の外周に形成されて前記ラックに噛合するギヤと、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。
  3. 前記駆動源は、単一の電動モータであり、
    前記伝達機構は、前記電動モータの駆動で回転するウォームと、前記駆動側カムクラッチ板の外周に形成されて前記ウォームと噛合するウォームホイールと、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。
  4. 前記第1、第2カムは、前記傾斜面を転動する球状体である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクラッチ機構。
  5. 前記駆動側カムクラッチ板の側面又は前記第1従動側カムクラッチ板の側面には、前記第1カムを係止するための第1係止部が形成されており、
    前記第1従動側カムクラッチ板及び前記第1クラッチピストンが前記第1クラッチ側に移動した位置で、前記第1カムが前記第1係止部に係止されることで、前記第1クラッチの締結が維持されると共に、
    前記駆動側カムクラッチ板の側面又は前記第2従動側カムクラッチ板の側面には、前記第2カムを係止するための係止部が形成されており、
    前記第2従動側カムクラッチ板及び前記第2クラッチピストンが前記第2クラッチ側に移動した位置で、前記第2カムが前記第2係止部に係止されることで、前記第2クラッチの締結が維持されるように構成した
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のクラッチ機構。
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