JP5109524B2 - ディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム - Google Patents
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Description
現在のフラットパネルディスプレイは、その用途をテレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ページャー、携帯用ゲーム機等の携帯型電子機器等にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、および、薄型化が求められている。そして、このようなフラットパネルディスプレイへの要求に伴って、ディスプレイ用部材に対しても軽量化、薄膜化が求められている。
このため、フレキシブルフィルムを用いて表示品質に優れたディスプレイ用部材を高生産で作成することが困難であるという問題点があった。
このため、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いて、Roll to Rollプロセスによりディスプレイ用部材を作製する場合であっても、表示領域およびその周辺部が歪の少ないディスプレイ用部材を作製することができる。
このようなことから、本発明によれば、表示品質に優れたディスプレイ用部材を高生産性で製造することができる。
なお、図1中にBで示す領域は、後述する表示領域を示す。
ここで、本発明における「非表示領域」とは、本発明のフレキシブルディスプレイ用基板を用いてディスプレイ用部材を形成する際に、上記ディスプレイ機能部が積層されない領域を意味するものとする。
また、本発明においては、上記ディスプレイ機能部が積層される領域を「表示領域」と称する。
一方、本発明における「表示領域」とは、上記ディスプレイ機能部が積層される領域(図2(b)中、Bで示す領域)を意味するものである。
このため、本発明によれば、例えば、Roll to Rollプロセスによりディスプレイ用部材を作製する場合であっても、歪の少ないディスプレイ用部材を作成することができる。
このようなことから、本発明によれば表示品質に優れたディスプレイ用部材を高生産性で製造することができるディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを提供することができる。
すなわち、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いて、ディスプレイ用部材を製造する場合、通常、Roll to Rollプロセスが用いられることになるが、この際、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを搬送したり、ロール状に巻き取ったりするには、少なくとも本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムにテンションを荷重することが必要になる。したがって、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いてディスプレイ用部材を作成する場合、通常、上記搬送時のテンションや、巻き取り時のテンションに起因してフィルムに応力が加わることになる。このとき、上記の搬送時のテンションや、巻き取り時のテンション等に起因して加わる応力は、通常、フィルムの全面に均等に加わるため、応力緩和孔が形成されていない従来のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムにおいては、上記応力がフィルムの全面のうち、理論的には平均となるが、実際には不確定な部位において緩和されることになる。
このようなことから、従来のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムにおいては表示領域の変形によって上記応力に起因して、作製されるディスプレイ部材に歪が生じてしまうことがあった。
しかしながら、本発明によれば非表示領域に応力緩和孔が形成されていることにより、上記応力を上記応力緩和孔に集中させることができ、かつ、上記応力緩和孔が変形することにより、非表示領域で上記応力を緩和することができるため、上記応力の緩和に伴って表示領域に歪が生じることを防止できる。
以下、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムについて詳細に説明する。
まず、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムに形成された応力緩和孔について説明する。本発明に用いられる応力緩和孔は、非表示領域に形成され、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムの表示領域に加わる応力を緩和する応力緩和機能を有するものである。
以下、このような応力緩和孔について詳細に説明する。
なかでも本発明においては、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いてディスプレイ用部材を作製する際に、応力緩和孔が弾性変形の範囲内で上記応力緩和機能を発現できる形状であることが好ましい。ディスプレイ用部材を作製する際に上記応力緩和孔が塑性変形すると、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺基板をロール状に均一に巻き取ることが困難となる可能性があるからである。
ここで、図3(b)に例示するように、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムが、幅方向に単一の表示領域Bを有するものである場合、上記第2領域(A2)は存在しないことになる。
一方、上記第2領域および上記第3領域に形成された応力緩和孔は、主として本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムの幅方向に加わる応力を緩和する機能を発現することができる。したがって、本発明において上記応力緩和孔が形成される位置としては、上記第1領域、第2領域、および、第3領域のいずれの領域であってもよく、例えば、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いてディスプレイ用部材を製造する工程において、応力が加わりやすい方向等に応じて適宜選択することができる。
なかでも本発明においては、少なくとも上記第1領域に応力緩和孔が形成されていることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムは長尺に形成されているものであることから、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いてディスプレイ用部材を作製する際には、Roll to Rollプロセスが好適に用いられることになるが、Roll to Rollプロセスでは、搬送テンションや巻き取りテンション等に起因して、フィルムの長手方向に応力が生じやすい。しかしながら、少なくとも上記第1領域に応力緩和孔が形成されていることにより、このような長手方向に生じる応力を緩和し、表示領域に歪が生じることを防止できるからである。
ここで、例えば図5(b)示すように、同一の第1領域にディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム10の幅方向Dと平行である複数の応力緩和孔1’が複数列に渡って形成されている場合、上記「応力緩和孔の幅方向と平行な方向の距離」は、各列における個々の応力緩和孔1’の上記幅方向Dと平行方向の距離L’の総和を意味する。
なお、このように、長手方向の軸がディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム10の幅方向Dと平行でない複数の応力緩和孔1’’が形成されている場合は、上記「応力緩和孔の幅方向と平行な方向の距離」がディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム10の幅Dと同一になる場合がある。
ここで、上記複数の列が形成されている態様としては、同一形状の応力緩和孔から構成される列が組み合わされた態様であってもよく、または、異なる形状の応力緩和孔から構成される列が組み合わされた態様であってもよい。
また、各列を構成する応力緩和孔の数は、同一であってもよく、または、異なっていてもよい。ただし、応力緩和孔の配列パターンは、フィルムの搬送方向に対して対称であることが好ましい。
本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムは、長尺に形成されているものである。ここで、本発明において「長尺に形成されている」とは、長手方向と幅方向との距離の比(長手方向の距離/幅方向の距離)が、3以上であることを意味するが、本発明においては、上記比が10〜1000の範囲内であることが好ましく、なかでも20〜500の範囲内であることが好ましく、特に20〜100の範囲内であることが好ましい。
ここで、本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムが、上述したような複数層が積層された構成を有するものである場合、上記厚みは各層の厚みの総和を意味するものとする。
本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムは、フレキシブルなディスプレイ用部材を作製するために用いられるものである。本発明のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムを用いて作製されるディスプレイ用部材としては、例えば、カラーフィルター、TFT基板、パッシブマトリックス用基板、
有機ELディスプレイ用基板、電気泳動ディスプレイ用基板等がある。
住友ベークライト株式会社製のポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、幅300mm、長さ30m、厚さ100μmに対して、いかのような形状の応力緩和穴を作製した。作製方法は、炭酸ガスレーザー(最大出力500W)(ヒートモード)で、アシストガスを窒素ガスにして、毎秒10mmの速度で以下の寸法の抜き加工を行った。
両側の応力緩和孔1:幅1mm、長さ60mm
内側の独立応力緩和孔:幅1mm、長さ40mm、孔数 3、間隔 15mm
フィルム長尺方向に対するこれら応力緩和孔のピッチ:300mm
次いで、このPESフィルムに対して、その裏面にプロテクトフィルムを同じ幅300mmで貼合した。裏面にプロテクトフィルムが貼合されたこのPESフィルムの表面にダイコート方式で黒色の顔料分散型カラーレジストを全面に10μm(ウェット)塗布し、プレキュアーを行い、最終的には1μmのレジスト厚にした。
ここで、当該パターンはカラー液晶ディスプレイとしては200ppiの解像度に相当するものである。
なお、上記工程においては、300mm幅フィルムの長手方向に対して、5kg重から10kg重の張力がかけられていた。
応力緩和孔を設けなかったこと以外は、実施例1と同一の方法により、液晶ディスプレイ用ブラックマトリクスのパターンを作製した。その結果、長機での測定では55ppmから200ppmの範囲とばらつき、安定したパターンの精度を得ることができなかった。
10,10’、10’’ … ディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム
A、A1,A2,A3 … 非表示領域
B … 表示領域
Claims (2)
- 非表示領域に、表示領域に対する応力緩和孔が形成されているディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムであって、
前記応力緩和孔が幅方向の全幅に形成されており、かつ
前記応力緩和孔が前記表示領域と前記ディスプレイ用フレキシブル長尺フィルムの端部との間に位置する領域に形成されていることを特徴とする、ディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム。 - 前記応力緩和孔の形状がスリット形であることを特徴とする、請求項1に記載のディスプレイ用フレキシブル長尺フィルム。
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