JP5108556B2 - アクリル系樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
アクリル系樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造方法 Download PDFInfo
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あるいは、ソープフリー乳化重合や分散重合によりシード粒子を作製し、乳化させた重合性単量体を該シード粒子に吸収させて重合を行う、シード重合法が知られている(例えば、特開2005−272779号公報:特許文献4)。
また、特許文献2の方法では、作製できるエマルジョン中の液滴径のバラツキが大きいこと、反応性モノマーと水系媒体の圧力バランスを狭い範囲で調整しなければ、液滴径のバラツキも非常に大きな物となってしまうこと等、安定して粒子径の比較的揃った樹脂粒子を製造することが難しいという課題があった。
モノマー成分A:35〜80重量%、
モノマー成分B:30重量%以下、
モノマー成分C:35重量%以下及び
モノマー成分BとCの合計量は、20〜65重量%
を満たし、
前記マイクロチャネルが、混合組成物と水系媒体とを仕切り、厚み方向に貫通孔を備えた中間プレートを備え、前記貫通孔は2段状をなし、前記混合組成物と接する側は細孔とされ、水系媒体と接する側はスリット状孔になっていることを特徴とするアクリル系樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明では、まず3種類の特定の粘度を有するモノマー成分を含むモノマー混合物に、光重合開始剤を加え混合組成物を得る。
3種類のモノマー成分は、22℃における粘度が5〜12mPa・sの(メタ)アクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Aと、22℃における粘度が0.3〜2mPa・sのメタクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Bと、22℃における粘度が0.3〜2mPa・sのアクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Cである。なお、モノマー成分Cは任意成分である。
モノマー成分Bの粘度が0.3mPa・s未満の場合、モノマー混合物の粘度が小さくなりすぎるので好ましくなく、2mPa・sより大きい場合、モノマー混合物の粘度が大きくなりすぎるので好ましくない。より好ましい粘度は、0.5〜1.5mPa・sである。
モノマー成分Aは、所定の粘度を有する単官能性の(メタ)アクリル酸エステル誘導体であれば特に限定されず、公知のモノマーをいずれも使用できる。公知のモノマーの内、イソボルニルアクリレートが好ましい。イソボルニルアクリレートは、良好な物性のアクリル系樹脂粒子が得られ、本発明の効果をより高めることができるので好ましい。(メタ)アクリルはメタクリル又はアクリルを意味する。
モノマー成分A:35〜80重量%、
モノマー成分B:30重量%以下、
モノマー成分C:35重量%以下及び
モノマー成分BとCの合計量は、20〜65重量%
を満たすことが好ましい。
モノマー成分BとCの合計量が20重量%よりも少ないと、モノマー混合物の粘度が大きくなりすぎるので好ましくない。また、65重量%よりも多くなると、モノマー混合物の光重合性の低下及び重合したアクリル系樹脂粒子のガラス転移点(Tg)が低下しすぎるので好ましくない。
モノマー成分A:50〜75重量%
モノマー成分B:5〜30重量%
モノマー成分C:20重量%以下
ただし、モノマー成分BとCの混合物は、20〜50重量%を満足することがより好ましい。モノマー成分Bを5重量%以上とすることで、モノマー混合物の粘度及び重合したアクリル系樹脂粒子のガラス転移点(Tg)をより適正な範囲にすることができる。
モノマー混合物は、モノマー混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液に分散させた際、2.0mN/m以上のモノマー混合物と水溶液との間の界面張力を有することが好ましい。界面張力が2.0mN/m以上あることで、モノマー混合物に、光重合開始剤を加えた混合組成物をマイクロチャネルを介して水系分散媒に分散させてエマルジョンを形成する際に、エマルジョン中の混合組成物の液滴径を均一にすることができる。均一な液滴径の混合組成物を含むエマルジョンに紫外線を照射して混合組成物を重合させることで、均一な粒子径のアクリル系樹脂粒子を得ることができる。界面張力が2.0mN/m未満の場合、エマルジョン中の混合組成物の液滴径の均一性が劣ることがあり、そのような液滴径の混合組成物を重合させるとアクリル系樹脂粒子の粒子径の均一性も劣ることがある。
水系媒体は、界面活性剤を0.05〜2重量%含む界面活性剤含有水溶液である。界面活性剤としては、特に限定されず公知の剤をいずれも使用できるが、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これら界面活性剤は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。特に直鎖アルキルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、界面活性能力が高いので好ましい。
また、細孔の開口形状は円形や矩形等、任意であり、この細孔の幅はスリットの幅と等しくても大きくても小さくてもよい。細孔の幅を小さくした方が混合組成物にかかる圧力と混合組成物の流量の制御が容易になる。また細孔の数は例えば5000個/cm2以上とすることで、効率よくエマルジョンを作製できる。
スリット状孔とすることで、水系媒体中に押し出される混合組成物の界面に不均一な剪断力が作用し、混合組成物が分離して液滴になるきっかけが容易に得られ、均一な粒子径の液滴を製造できる。
細孔とスリット状孔の径及び短幅は1〜50μmであることが好ましい。これにより約3〜150μmの均一粒子径の液滴が得られる。細孔とスリット状孔の径及び短幅が1μmより小さくなると、生産性が悪くなりすぎるため好ましくない。50μmを超えると、粒子径が大きくなり分散安定性が悪化してくるため好ましくない。より好ましい細孔とスリット状孔の径及び短幅は、1〜30μmである。また、細孔の深さは8〜400μmであることが好ましく、スリット状孔の深さは2〜200μm(例えば、細孔径の2〜4倍)であることが好ましく、2〜120μmであることがより好ましい。更に、スリット状孔の長幅は2μm以上(例えば、細孔径の2倍以上)であることが好ましい。
重合時間は1分以下であることが好ましい。これ以上では、アクリル系樹脂粒子の生産性を向上することが困難であるため好ましくない。
得られたアクリル系樹脂粒子のガラス転移点(Tg)は、40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好ましい。40℃未満の場合、重合後の樹脂粒子を保管する際に凝集することがあるので好ましくない。
シード重合法は、水と乳化させた重合開始剤を含む重合性単量体を、攪拌槽内で攪拌翼を用いて攪拌しながらシード粒子に吸収させてエマルジョンを作製した後、加熱して重合反応を行うシード重合法による製造方法である。
まず、重合性単量体と、任意に重合開始剤とを、水中にホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザー、マウントガリン型等の微細乳化機により微分散させ、上記重合性単量体と重合開始剤の液滴を含む微分散エマルジョンを得る。上記微分散エマルジョンを調製する際に、重合性単量体及び重合開始剤を予め混合して微分散させてもよいし、両者を別々に微分散させたものを混合してもよい。得られた微分散エマルジョン中の液滴の粒子径は、シード粒子よりも小さい方が、シード粒子表面に効率よく吸収されるので好ましい。
この吸収操作では、通常、微分散エマルジョンとシード粒子分散液とを混合し、室温で1〜12時間攪拌する方法が採用される。更に、両者の混合液を30〜50℃程度に加温することにより吸収を促進できる。
本発明の方法により得られたアクリル系樹脂粒子及び樹脂粒子は、AB剤、液晶パネルスペーサー、クロマトグラフィー用充填剤、診断試薬担体等に有用である。
(22℃におけるモノマー成分及びモノマー混合物の粘度測定)
エー・アンド・デイ社製音叉型振動式粘度計SV−10を用い、温度20℃±0.1℃、湿度60%±0.5%に保った室内で、粘度の測定を行った。測定試料は別室で混合調製し、粘度測定を20秒間隔で連続して行い、約25℃付近から徐々に温度低下する際の22℃における測定値をその試料の22℃における粘度とした。
ベックマン・コールター社製、粒度分布測定装置「Multisizer3」を使用して、測定を行った。その際、100μm、280μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定した。得られた結果のうち、100μmアパチャーで測定したものは、体積統計値(算術平均)で求められる、10〜40μmの間における平均径を体積平均粒子径(μm)とし、C.V.を変動係数(C.V.値)とした。また280μmアパチャーで測定したものについては、体積統計値(算術平均)で求められる、60〜100μmの間における平均径を体積平均粒子径(μm)とし、C.V.を変動係数(C.V.値)とした。
(界面張力)
協和界面科学社製界面張力計DM300を用い、温度20℃±0.1℃、湿度60%±0.5%に保った室内で、懸滴法で測定を行いYoung−Laplace解析法で界面張力を求めた。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液(日本油脂社製ニューレックスR−25)をイオン交換水に2重量%溶解することにより作製した。
モノマー混合物とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液の密度は、京都電子工業社製密度比重計DA−130Nとを用いて、温度20℃±0.1℃、湿度60%±0.5%に保った室内で測定した。
なお、モノマー混合物とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液とは、上記測定環境下で、1日慣らした後に測定した。
モノマー成分Aとして、イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s)を60重量%、モノマー成分Bとして、メチルメタクリレート(三菱レーヨン社製アクリエステルM:22℃における粘度0.61mPa・s)を25重量%、モノマー成分Cとして、イソアミルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIAA:22℃における粘度0.9mPa・s)を15重量%混合することで、モノマー混合物(22℃における粘度1.83mPa・s、界面張力2.4mN/m)を得た。得られたモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
モノマー成分Aとしてイソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s)を70重量%、モノマー成分Bとしてメチルメタクリレート(三菱レーヨン社製アクリエステルM:22℃における粘度0.61mPa・s)を20重量%、モノマー成分Cとしてイソアミルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIAA:22℃における粘度0.9mPa・s)を10重量%混合することで、モノマー混合物(22℃における粘度2.44mPa・s、界面張力2.3mN/m)を得た。得られたモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
混合組成物の供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプSJ−1211Lを用いて、混合組成物流量を4.4g/hrとし、水系媒体供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプAC−2110を用いて、水系媒体流量を243g/hrとした。
実施例2で得られた粒子をシード粒子とし、シード重合を行った。重合性単量体としてメタクリル酸メチル95gとエチレングリコールジメタクリレート40gとを用い、これに重合開始剤として2、2―アゾビス−(2、4―ジメチルバレロニトリル)0.81gを溶解し、得られた単量体混合物を界面活性剤としてコハクスルホン酸ナトリウム0.7gが含まれたイオン交換水135gと1L容器(攪拌槽内径(d2):82mm)に混合しT.KホモミキサーMark2.5(特殊機化工業社製)にて8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液に実施例2で得た平均粒径が21.5μmのシード粒子1.35gを加え、この混合液を前記容器(攪拌槽)内に設置された翼径が75mm、翼幅25mmの板状攪拌翼を用い回転数80rpmで3時間攪拌した。その後、この分散液に分散安定剤としてポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA224E)11gの水溶液630gを加えて、攪拌しながら60℃で8時間重合を行った。得られた重合体粒子を280μmアパチャーを用いて粒度分布測定装置で測定した結果、体積平均粒子径は75.7μmで、変動係数(C.V.値)は8.92%であった。
モノマー組成分Aとして、イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s)を70重量%、モノマー組成分Bとして、メチルメタクリレート(三菱レーヨン社製アクリエステルM:22℃における粘度0.61mPa・s)を30重量%混合することで、モノマー混合物(22℃における粘度2.20mPa・s、界面張力2.7mN/m)を得た。得られたモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
混合組成物の供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプSJ−1211Lを用いて、混合組成物流量を3.1g/hrとし、水系媒体供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプAC−2110を用いて、水系媒体流量を282g/hrとした。
実施例4と同様のモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてダロキュアTPO(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液(日本油脂社製ニューレックスR−25)を0.4重量%含む水溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量%)を水系媒体として用意した。1cm2に23000個の非対称矩形型マイクロチャネル(細孔径10μm、深さ68μm、スリット状孔短幅10μm、長幅複数細孔同一スリット型、深さ32μm)を形成したマイクロチャネル基盤(イーピーテック社製WMS1−3)をエマルジョン作製用の平行流型モジュール(図2(b)のモジュール)にセットした。このモジュールを使用して、混合組成物を水系媒体へ分散させることでエマルジョンを製造温度23℃で連続的に作製した。
次にエマルジョンを容量20mlのホウ珪酸ガラス製サンプル瓶に採取した。小型UV照射装置(ハリソン東芝社製トスキュア401)を用いてサンプル瓶に照射距離80mm、UVランプ直下にて1分間紫外線照射を行いエマルジョン中の液滴を重合させることで、アクリル系樹脂粒子を得た。この粒子を100μmアパチャーを用いて粒度分布測定装置で測定した結果、体積平均粒子径は24.6μm、変動係数(C.V.値)は7.4%であった。
実施例4と同様のモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を3重量部溶解させ、混合組成物とした。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液(日本油脂社製ニューレックスR−25)を7.2重量%含む水溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.8重量%)を水系媒体として用意した。1cm2に23000個の非対称矩形型マイクロチャネル(細孔径10μm、深さ68μm、スリット状孔短幅10μm、長幅複数細孔同一スリット型、深さ32μm)を形成したマイクロチャネル基盤(イーピーテック社製WMS1−3)をエマルジョン作製用の平行流型モジュール(図2(b)のモジュール)にセットした。このモジュールを使用して、混合組成物を水系媒体へ分散させることでエマルジョンを製造温度23℃で連続的に作製した。
次にエマルジョンを容量20mlのホウ珪酸ガラス製サンプル瓶に採取した。小型UV照射装置(ハリソン東芝社製トスキュア401)を用いてサンプル瓶に照射距離80mm、UVランプ直下にて1分間紫外線照射を行いエマルジョン中の液滴を重合させることで、アクリル系樹脂粒子を得た。この粒子を100μmアパチャーを用いて粒度分布測定装置で測定した結果、体積平均粒子径は24.2μm、変動係数(C.V.値)は7.4%であった。
モノマー組成分Aとして、イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s)を80重量%、モノマー組成分Bとして、メチルメタクリレート(三菱レーヨン社製アクリエステルM:22℃における粘度0.61mPa・s)を20重量%混合することで、モノマー混合物(22℃における粘度3.24mPa・s、界面張力2.5mN/m)を得た。得られたモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア819(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液(日本油脂社製ニューレックスR−25)を2.0重量%含む水溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%)を水系媒体として用意した。1cm2に23000個の非対称矩形型マイクロチャネル(細孔径10μm、深さ68μm、スリット状孔短幅10μm、長幅複数細孔同一スリット型、深さ32μm)を形成したマイクロチャネル基盤(イーピーテック社製WMS1−3)をエマルジョン作製用の平行流型モジュール(図2(b)のモジュール)にセットした。このモジュールを使用して、混合組成物を水系媒体へ分散させることでエマルジョンを製造温度23℃で連続的に作製した。
次にエマルジョンを容量20mlのホウ珪酸ガラス製サンプル瓶に採取した。小型UV照射装置(ハリソン東芝社製トスキュア401)を用いてサンプル瓶に照射距離80mm、UVランプ直下にて1分間紫外線照射を行いエマルジョン中の液滴を重合させることで、アクリル系樹脂粒子を得た。この粒子を100μmアパチャーを用いて粒度分布測定装置で測定した結果、体積平均粒子径は23.1μm、変動係数(C.V.値)は7.3%であった。
実施例1の水系媒体をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%水溶液を12重量%含む水溶液(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0重量%)とした以外は、実施例1と同様にして粒子を得た。この粒子の体積平均粒子径は19.6μm、変動係数(C.V.値)は20.6%であった。
モノマー組成分Aとして、イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s)を30重量%、モノマー組成分Bとして、メチルメタクリレート(三菱レーヨン社製アクリエステルM:22℃における粘度0.61mPa・s)を50重量%とし、モノマー組成分Cとして、イソアミルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIAA:22℃における粘度0.9mPa・s)を20重量%を混合することで、モノマー混合物(22℃における粘度0.93mPa・s、界面張力2.6mN/m)を得た。得られたモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤としてダロキュアTPO(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
混合組成物の供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプSJ−1211Lを用いて、混合組成物流量を4g/hrとし、水系媒体供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプAC−2110を用いて、水系媒体流量を300g/hrとした。次にエマルジョンを容量20mlのホウ珪酸ガラス製サンプル瓶に採取した。小型UV照射装置(ハリソン東芝社製トスキュア401)を用いてサンプル瓶に照射距離80mm、UVランプ直下にて1分間紫外線照射を行ったが、重合速度が遅く、エマルジョンは重合せず粒子は得られなかった。
モノマー成分としてのイソボルニルアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートIB−XA:22℃における粘度8.53mPa・s、界面張力2.3mN/m)に、光重合開始剤としてダロキュアTPO(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、混合組成物とした。
混合組成物の供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプSJ−1211Lを用いて、混合組成物流量を4.4g/hrとし、水系媒体供給条件は、ATTO社製ペリスタポンプAC−2110を用いて、水系媒体流量を272g/hrとした。
実施例1〜7及び比較例1〜3のモノマー混合物の粘度、水系媒体中の界面活性剤の濃度、モノマー混合物とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液との間の界面張力、マイクロチャネル数、混合組成物の流量、体積平均粒子径及びC.V.値を表1にまとめて示す。
2 スリット状孔
3 ネック
4 球形の混合組成物
5 液滴
6 細孔
11 マイクロチャネル
12 水系媒体注入口
13 混合組成物注入口
14a、14b ガラス盤
15 マイクロチャネル
16a、16b パッキン
17 エマルジョン取り出し口
21 混合組成物タンク
22 水系媒体タンク
23、24 ポンプ
25 マイクロチャネルを含むエマルジョン製造用モジュール
26 紫外線照射装置
27 リザーバタンク
Claims (6)
- 22℃における粘度が5〜12mPa・sの(メタ)アクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Aと、22℃における粘度が0.3〜2mPa・sのメタクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Bと、22℃における粘度が0.3〜2mPa・sのアクリル酸エステル誘導体からなる単官能性モノマー成分Cとを含む22℃における粘度が1〜4mPa・sのモノマー混合物に、光重合開始剤を加え混合組成物を得る工程と、前記混合組成物をマイクロチャネルを介して、界面活性剤を0.05〜2重量%含む水系媒体中に分散してモノマー混合物の液滴を含むエマルジョンを生成する工程と、前記エマルジョンに紫外線を照射して液滴を重合させてアクリル系樹脂粒子を得る工程とを含み、前記モノマー成分A〜Cが、下記条件;
モノマー成分A:35〜80重量%、
モノマー成分B:30重量%以下、
モノマー成分C:35重量%以下及び
モノマー成分BとCの合計量は、20〜65重量%
を満たし、
前記マイクロチャネルが、混合組成物と水系媒体とを仕切り、厚み方向に貫通孔を備えた中間プレートを備え、前記貫通孔は2段状をなし、前記混合組成物と接する側は細孔とされ、水系媒体と接する側はスリット状孔になっていることを特徴とするアクリル系樹脂粒子の製造方法。 - 前記モノマー成分Aがイソボルニルアクリレート、前記モノマー成分Bがメチルメタクリレート、前記モノマー成分Cがイソアミルアクリレートである請求項1に記載のアクリル系樹脂粒子の製造方法。
- 前記混合組成物と水系媒体とが、1:200〜1:20(重量比)の範囲で使用される請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂粒子の製造方法。
- 前記モノマー混合物が、前記モノマー混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水溶液に分散させた際、2.0mN/m以上の前記モノマー混合物と水溶液との間の界面張力を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクリル系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法により得られたアクリル系樹脂粒子をシード粒子として、シード重合法により前記シード粒子より大きな平均粒子径の樹脂粒子を得ることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
- 前記シード重合法が、水と乳化させた重合開始剤を含む重合性単量体を、攪拌槽内で攪拌翼を用いて攪拌しながら前記シード粒子に吸収させてエマルジョンを作製した後、加熱して重合反応を行う方法である請求項5に記載の樹脂粒子の製造方法。
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