JP5108333B2 - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車や電気自動車に搭載されたインバータやモータ等の発熱体を冷却する装置に関し、特に、リザーバータンクを有する冷却装置であって、効率的な冷却を実現する装置に関する。
通常の自動車においては、エンジンを冷却するために、エンジンのシリンダブロックに冷却媒体の通路を設けて、冷却媒体であるLLC(Long Life Coolant)をウォーターポンプで循環させる。エンジンから発生した熱は、LLCを介してラジエーターで放熱される。また、このようなエンジンに加えて走行用モータを搭載したハイブリッド自動車においては、エンジンの冷却系統に加えて、モータ(以下、モータにはモータジェネレータを含む)や、インバータやDC/DCコンバータを含むPCU(Power Control Unit)等を冷却する冷却系統を有する。さらに、電気自動車であれば、エンジンの冷却系統に代えて、モータやPCU等を冷却する冷却系統を有する。
モータの冷却については、たとえば、モータのステータ部分を覆うようにウォータジャケットを設けて、ウォーターポンプにより冷却媒体であるLLCを、このウォータジャケットに供給するとともに、このウォータジャケットで吸収した熱をラジエーターで放熱する。また、PCUの冷却についても、最も発熱するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の近傍にウォータジャケットが設けられる。モータやPCUで吸熱して温度が上昇したLLCは、ラジエーターにおいて走行風により温度が低下されて、再びモータやPCUを冷却する。
特開2004−278522号公報(特許文献1)は、装置構成が複雑化することを防止しつつ管理温度が異なる複数の機器の温度状態を適切に制御する、内燃機関およびモータ駆動によるハイブリッド車両の冷却装置を開示する。この冷却装置は、内燃機関とともに車両の駆動源とされるモータと、このモータの作動状態を制御するモータ制御部と、内燃機関およびモータ制御部を共通の冷却水により冷却する冷却回路と、内燃機関を冷却する冷却水に対して設定される管理温度と、モータ制御手段を冷却する冷却水に対して設定される管理温度とを、互いに異なる温度に設定する温度設定部とを備える。
このハイブリッド車両の冷却装置によると、内燃機関およびモータ制御部に共通の冷却水を流通させて温度状態を制御する際に、内燃機関およびモータ制御部に対して設定される所望の温度状態つまり管理温度を互いに異なる温度に設定することで、装置構成が複雑化することを防止しつつ、各内燃機関およびモータ制御部毎に適切な温度管理を行なうことができる。
特開2004−278522号公報(特許第3756502号公報)
上述した特許文献1に開示されたハイブリッド車両の冷却装置においては、エンジン冷却系とモータ・インバータ冷却系とをそれぞれ設ける(2系統)とともに、ラジエーターは共用している。冷却水温が低下した場合には、ラジエータータンクをモータ・インバータ冷却系から切り離して独立させて、冷却水温が高い場合には、ラジエータータンクをモータ・インバータ冷却系に含まれるように、温度調整弁が動作する。
しかしながら、高速走行中においては、ラジエーターが十分に走行風を受けて冷却水温が低下していることがあっても、高速走行後の車両停止時においては、ラジエーターが十分に走行風を受けないので冷却水温が低下しにくく、かつ、インバータもモータも高温であるので、冷却水温が上昇する傾向にある。すなわち、このような傾向の元では、比較的温度の高い冷却水が、モータ・インバータ冷却系に流れて、高温のモータやインバータを十分に冷却することができないという問題がある。特許文献1には、このような問題自体もこのような問題の解決手段も開示していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、冷媒を貯留できるタンクを有する冷却装置であって、効率的な冷却を実現し、温度上昇を未然に回避することができる、車両用冷却装置を提供することである。
第1の発明に係る車両用冷却装置は、車両に搭載された電気機器を冷却する。この車両用冷却装置は、電気機器を冷却する冷媒が循環される冷却通路と、冷却通路に設けられ、冷却通路内で冷媒を循環するための循環手段と、冷却通路に設けられ、冷媒を貯留するための貯留手段と、冷媒を走行風にて冷却する放熱器と、冷却通路に設けられ、貯留手段を冷却通路の中に含めて冷媒を循環手段により循環させる第1の状態と、貯留手段を冷却通路の中に含めないで冷媒を循環手段により循環させる第2の状態とのいずれかの状態になるように、冷却通路を切替える切替弁と、車両の車速を検出するための検出手段と、検出された車速に基づいて、切替弁を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、第2の状態であるときには、貯留手段を冷却通路の中に含めないで冷媒を循環手段により循環させているので、貯留手段の中の冷媒を低温に維持できる。一方。第1の状態であるときには、低温に維持された貯留手段に貯留された冷媒を冷却通路の中に含めて循環されるので、循環されている冷媒の温度を下げることができるとともに循環される冷媒の量が増加するので、電気機器を効率的に冷却することができる。たとえば、車速が低下すると、放熱器への走行風が弱まるので放熱効率が低下して、冷媒の温度が高温になると予測される。このため、第1の状態に切り替えて冷媒が貯留手段を経由するように、切替弁を切り替える。これにより、放熱器への走行風の風量が低下する低車速時に、低温に維持された貯留手段内の冷媒を用いて冷却通路内の冷媒の温度を低下させることができ、効率的に電気機器を冷却できる。その結果、冷媒を貯留できる貯留手段(タンク)を有する冷却装置であって、効率的な冷却を実現し、温度上昇を未然に回避することができる、車両用冷却装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両用冷却装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、車速が低下すると、第1の状態になるように、切替弁を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、車速が低下したときには(車両が停止した場合も含まれる)、放熱器への走行風が弱まるので放熱効率が低下して、冷媒の温度が高温になると予測される。この場合には、第1の状態に切り替えて冷媒が貯留手段を経由するように、切替弁を切り替え、低温に維持された貯留手段内の冷媒を用いて冷却通路内の冷媒の温度を低下させることができ、低速時においても効率的に電気機器を冷却できる。
第3の発明に係る車両用冷却装置は、車両に搭載された電気機器を冷却する。この車両用冷却装置は、電気機器を冷却する冷媒が循環される冷却通路と、冷却通路に設けられ、冷却通路内で冷媒を循環するための循環手段と、冷却通路に設けられ、冷媒を貯留するための貯留手段と、冷媒を走行風にて冷却する放熱器と、冷却通路に設けられ、貯留手段を冷却通路の中に含めて冷媒を循環手段により循環させる第1の状態と、貯留手段を冷却通路の中に含めないで冷媒を循環手段により循環させる第2の状態とのいずれかの状態になるように、冷却通路を切替える切替弁と、電気機器の負荷を検出するための検出手段と、 検出された負荷に基づいて、切替弁を制御するための制御手段とを含む。
第3の発明によると、たとえば、電気機器(ここで、電気機器とは車両の走行源となるモータジェネレータやモータジェネレータへ電力を供給するインバータ等であるとする)への負荷が上昇すると、電気機器での発熱量が増加するので、冷媒の温度が高温になると予測される。このため、第1の状態に切り替えて冷媒が貯留手段を経由するように、切替弁を切り替える。これにより、車両が登坂路を走行し始めて電気機器の負荷が上昇する時に、低温に維持された貯留手段内の冷媒を用いて冷却通路内の冷媒の温度を低下させることができ、効率的に電気機器を冷却できる。その結果、冷媒を貯留できる貯留手段(タンク)を有する冷却装置であって、効率的な冷却を実現し、未然に温度上昇を回避することができる、車両用冷却装置を提供することができる。
第4の発明に係る車両用冷却装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、負荷が上昇すると、第1の状態になるように、切替弁を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、電気機器への負荷が上昇したときには、電気機器での発熱量が増加するので、冷媒の温度が高温になると予測される。この場合には、第1の状態に切り替えて冷媒が貯留手段を経由するように、切替弁を切り替え、低温に維持された貯留手段内の冷媒を用いて冷却通路内の冷媒の温度を低下させることができ、電気機器の負荷増加時においても効率的に電気機器を冷却できる。
第5の発明に係る車両用冷却装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、貯留手段は、車両の走行により車両が受ける走行風により冷却されるものである。
第5の発明によると、第2の状態であるときに、貯留手段内の冷媒を走行風で冷却できるので、より低温を維持できる。
第6の発明に係る車両用冷却装置においては、第5の発明の構成に加えて、貯留手段は、冷却フィンを有するリザーバータンクである。
第6の発明によると、第2の状態であるときに、リザーバータンクの冷却フィンから走行風が熱を奪って冷媒を冷却できるので、より低温を維持できる。
第7の発明に係る車両用冷却装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、冷却通路は、貯留手段から下流に向けて、放熱器、電気機器の順で冷媒が循環するように形成されるものである。
第7の発明によると、貯留手段から下流に向かって、放熱器、電気機器の順で冷媒が流れるように構成されている。これにより、貯留手段内で低温に維持された冷却水が、温度がより高い電気機器よりも先に放熱器に流れるので、熱による歪の影響を放熱器が受け難くできる。特に、デッドソーク中において最も冷却が必要(最も高温)である電気機器よりも先に放熱器に流されるので、放熱器に電気機器から排出された直後の高温の冷媒が流れ込まないので、熱による歪の影響を放熱器が受け難くできる。
第8の発明に係る車両用冷却装置は、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、電気機器の作動停止指令を検出するための手段と、作動停止指令を検出すると、第1の状態になるように切替弁を制御するとともに、冷却通路内で冷媒を循環するように循環手段を制御するための手段とをさらに含む。
第8の発明によると、電気機器が作動停止された後に、冷媒が貯留手段を経由する第1の状態になるように、切替弁が切り替えられて、循環手段により冷媒を循環させる。このため、デッドソーク後の再始動時による、熱による歪の影響を放熱器が受け難くできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下の説明では、本発明の実施の形態に係る冷却装置の冷却対象は、インバータ回路を形成する発熱素子であるIGBTやIPM(Intelligent Power Module)を収納するPCU(さらにDC/DCコンバータを含んでいても構わない)およびモータジェネレータであって、このPCUは、ハイブリッド車両に搭載されるものとして説明する。なお、本発明に係る冷却装置は、このようなハイブリッド車両に適用されるものに限定されないで、電気自動車、燃料電池車であっても構わない。さらに、冷媒は、冷却水(たとえば、この冷却水をLLC)であるとして説明するが、冷媒は冷却水に限定されるものではない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る冷却装置である冷却システムの全体構成について説明する。図1に示すように、この冷却システムは、冷媒である冷却水を、HVウォーターポンプ310により、PCU200およびモータジェネレータ400と、HVラジエーター330との間を循環させて、PCU200およびモータジェネレータ400を冷却するシステムである。なお、走行風の方向は、図1における矢示A方向であると想定する。さらに、ラジエーター330に強制的に冷却風を送り込むラジエーター用のクリーングファンについての図示は省略している。
この冷却システムは、上述した、HVウォーターポンプ310、HVラジエーター330に加えて、PCU200で吸熱した高温の冷却水をHVラジエーター330へ送る配管であるHVラジエーター行き配管320、HVラジエーター330にて熱交換されて水温が下げられた冷却水をHVラジエーター330から戻す配管であるHVラジエーター戻り配管340およびリザーバータンク300を含む。
リザーバータンク300は、冷却水の予備タンクとして機能するものであって、この冷却システムの配管内の冷却水の温度や冷却水が循環されることによる冷却配管の容積の変化に対応するために設けられる。さらに、具体的には、リザーバータンク310がない場合において冷却配管の容積に対して冷却水の容量が不足すると、冷却配管にエアが噛み込む。このような場合には、この冷却システムの配管にエアが入り込むことになり、このエアがHVウォーターポンプ310に入り込み、HVウォーターポンプ310がエアロックしてしまい、冷却水を循環させることができなくなる。このような事態を回避すべく、リザーバータンク310が設けられる。なお、走行風の方向は、図1における矢示A方向であると想定したので、リザーバータンク300にも走行風が流れてくることになる。
図1に示す冷却システムにおいては、冷却水は、HVラジエーター330からHVラジエーター戻り配管340を経由してPCU200へ、PCU200からリザーバータンク導入側配管510およびリザーバータンク導入側配管520を経由してリザーバータンク300へ、リザーバータンク300からHVウォーターポンプ導入側配管540を経由してHVウォーターポンプ310へ、HVウォーターポンプ310からモータジェネレータ導入側配管500を経由してフロントのモータジェネレータ400へ、モータジェネレータ400からHVラジエーター行き配管320を経由してHVラジエーター330へ循環される。なお、図1に示すように、このPCU200はフロントのモータジェネレータ400を駆動するためのIPMを収納しており、そのため、フロントのモータジェネレータ400近傍に設けられている。その結果、この車両がフロントにエンジン100を搭載し、そのエンジン100をモータジェネレータ400によりアシストするので、PCU200はエンジン100の近傍に設けられる。この車両においては、このようなフロントのモータジェネレータ400に加えてリヤのモータジェネレータも搭載してもよいが、本発明の要旨との関連は低いので、リヤのモータジェネレータについての説明は省略する。
このような順で冷却水が循環されるが、この冷却装置は、特徴的なバイパス配管530を備える。このバイパス配管530は、リザーバータンク300を経由させることなく冷却水を循環させることができる。詳しくは、このバイパス配管530は、PCU200の冷却水排出口に接続されたリザーバータンク導入側配管510とリザーバータンク導入側配管520との間と、HVウォーターポンプ導入側配管540とを連結している。したがって、PCU200から排出された冷却水は、後述する切替バルブにより、リザーバータンク導入側配管520を経由してリザーバータンク300へ導入されるか、リザーバータンク300を経由することなくバイパス配管530およびHVウォーターポンプ導入側配管540を経由してHVウォーターポンプ310に導入される。
なお、PCU200の位置は、このような位置に限定されるものではない。さらに、冷却システムは、エンジン100の冷却システムとは別系統の冷却システムであるとして説明するが、本発明に係る冷却装置は、このような場合に限定されるものではない。すなわち、エンジン100の冷却システムと共用の冷却配管を用いるものであっても、配管は別に設けてラジエーターを共用するもの(すなわち、エンジン100のラジエーターとHVラジエーターとを共用)であっても、その他の共用の形態(ラジエーターのクリーングファンのみ共用する等々)であっても、後述する本発明の作用効果を発現できるものであれば構わない。
図2に示すPCU200の斜視図を用いて、PCU200について説明する。図2に示すように、PCU200を収納した筐体は、その外観上3つの部分から構成される。第1の部分である、PCU200の筐体の主要部を構成するPCU箱体220、第2の部分である、PCU箱体220の上部にカバー取付けボルト212で取り付けられたPCUカバー210、第3の部分である、PCU箱体220の底部に底面カバー取付けボルト232で取り付けられた底面カバー230の3つである。
PCUカバー210には、インターロック機能が設けられる。たとえば、PCUカバー取付けボルト212を外すと、インターロックスイッチがOFFになりSMR(System Main Relay)を遮断する。
また、PCU箱体220の側面には、PCU取付けステー222が設けられ、エンジンルーム内の所定の位置に固定される。この所定の位置の一例としては、PCU200の近傍に設けられるリザーバータンク300が走行風を受け易い位置である。後述するように、リザーバータンク300には冷却フィンが設けられ、この冷却フィンを用いてリザーバータンク300内の冷却水を冷却するためである。また、空冷という観点からも、PCU200自体が走行風を受け易い位置に固定されることが好ましい。なお、PCU取付けステー222は、複数設けられている。
図2に示すように、リザーバータンク300は、冷却フィン302および/または冷却フィン304を備える。これらの冷却フィン302や冷却フィン304は、リザーバータンク300と一体的に設けられる。冷却フィン302や冷却フィン304には、リザーバータンク300内の冷却水の熱が伝達されて、その熱は走行風(図2の矢示A方向の送風)により放熱される。このような作用を有する冷却フィンであれば、図示した冷却フィン302や冷却フィン304の形状や取付け位置に限定されるものではなく、冷却フィン302や冷却フィン304は一例でしかない。すなわち、リザーバータンクへの冷却風の流れ方に応じて、最も効率的にリザーバータンク内の冷却水の温度を低下させるために、冷却フィンから放熱できるように、適宜、形状や取付け位置(および材質、なお材質の一例としてはアルミニウム)が決定される。特に、この冷却システムは、エンジンルーム内に収められ、エンジンルーム内の冷却風の流れは複雑であり、図示した冷却フィンは最も簡単な構成を示すものに過ぎない。
図3および図4を参照して、冷却システムの制御ブロック図について説明する。図3は切替バルブ550がリザーバータンク300を経由しないで、冷却水が循環されている状態を示し、図4は切替バルブ550がリザーバータンク300を経由して、冷却水が循環されている状態を示す。
図3に示すように、冷却水は、HVラジエーター330からHVラジエーター戻り配管340を経由してPCU200へ、PCU200からリザーバータンク導入側配管510とリザーバータンク導入側配管520との間に設けられた切替バルブ550でリザーバータンク300を経由しないように流路が切り替えられて、HVウォーターポンプ導入側配管540を経由してHVウォーターポンプ310へ、HVウォーターポンプ310からモータジェネレータ導入側配管500を経由してフロントのモータジェネレータ400へ、モータジェネレータ400からHVラジエーター行き配管320を経由してHVラジエーター330へ循環される。
図4に示すように、冷却水は、HVラジエーター330からHVラジエーター戻り配管340を経由してPCU200へ、PCU200からリザーバータンク導入側配管510とリザーバータンク導入側配管520との間に設けられた切替バルブ550でリザーバータンク300を経由するように流路が切り替えられて、リザーバータンク300へ、リザーバータンク300からHVウォーターポンプ導入側配管540を経由してHVウォーターポンプ310へ、HVウォーターポンプ310からモータジェネレータ導入側配管500を経由してフロントのモータジェネレータ400へ、モータジェネレータ400からHVラジエーター行き配管320を経由してHVラジエーター330へ循環される。
このような冷却システムの切替バルブ550は、HV−ECU(Electronic Control Unit)600により制御されて、冷却水の循環経路が切り替えられる。このHV−ECU600には、たとえば、モータジェネレータ400とHVラジエータ330とを接続するHVラジエーター行き配管320に設けられた水温センサ610から冷却水の温度を示す冷却水温THW信号が入力される。なお、水温センサ610は、HVラジエーター行き配管320に設けられるものに限定されない。HVラジエーター行き配管320に水温センサ610を設けると、この冷却システムにおける冷却水の最高温度を検出できる点で好ましい。
さらに、HV−ECU600には、イグニッションスイッチ信号(以下、IG信号と記載する場合があり、このイグニッションスイッチ信号の代わりにシステム起動信号(READY信号)であってもよい)、モータジェネレータ400の要求出力信号、車速V信号が入力される。ここで、モータジェネレータ400の要求出力信号は、たとえば、HV−ECU600やエンジンECUを統合的に管理するECUにより、このハイブリッド車両に要求される駆動力が演算されて、その駆動力を実現するためにエンジン100をアシストするためにモータジェネレータ400から出力される駆動力が算出されて、HV−ECU600に入力される。なお、このような算出処理自体をHV−ECU600で行なうようにしても構わない。
これら入力された信号に基づいて、HV−ECU600は、切替バルブ550に切替信号(リザーバータンク300を経由する流路およびリザーバータンク300を経由しない流路のいずれかに切替えるための信号)を出力して切替バルブ550を制御するとともに、HVウォーターポンプ310に作動信号(この作動信号が出力されているとHVウォーターポンプ310が作動)を出力してHVウォーターポンプ310を制御する。
このような本実施の形態に係る冷却装置である冷却システムの制御は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、HV−ECU600に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
図5を参照して、本実施の形態に係る冷却システムの制御を実現するために、HV−ECU600が実行する、システム起動処理プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。また、このプログラムの実行開始時においては、切替バルブ550は、リザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れるように保持されている。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、HV−ECU600は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたか否か(ハイブリッドシステムの起動要求があったか否か)を判断する。なお、イグニッションスイッチには、OFF(オフ)位置と、ACC位置、ON(オン)位置およびSTA(スタート)位置とがあり、イグニッションスイッチのポジションが、OFF位置→ACC位置→ON位置→STA位置の順に切り換えられ、STA位置からON位置へは自動的に戻るものとする。なお、このようなスイッチに、本発明の適用が限定されるものではない。HV−ECU600は、ON位置まで切り替えられると、HV−ECU600は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたと判断する。なお、このようなイグニッションスイッチではなく、プッシュボタン式のシステム起動スイッチ(たとえば、READYスイッチやSTARTスイッチと呼ばれる)が押されたことによりHV−ECU600は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられたと判断するものでもよい。イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられると(ハイブリッドシステムの起動要求があると)、処理はS1100に移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1000へ戻され、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替えられるまで(ハイブリッドシステムの起動要求があるまで)待つ。なお、S1000にてNOの場合、この処理(サブルーチン)を終了するようにしても構わない。
S1100にて、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310を作動させる。すなわち、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310のモータに作動指令信号を出力する。
S1200にて、HV−ECU600は、この冷却システムの冷却水の温度である冷却水温THWを検出する。このとき、HV−ECU600は、水温センサ610から入力された信号に基づいて、冷却水温THWを検出する。
S1300にて、HV−ECU600は、冷却水温THWがしきい値水温THW(TH)以上であるか否かを判断する。しきい値水温THW(TH)は、たとえば、後述するリザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水に冷却が必要な温度(冷却要求温度)や、この冷却要求温度よりも低めの温度が設定される。冷却水温THW≧しきい値水温THW(TH)であると(S1300にてYES)、処理はS1900へ移される。もしそうでないと(S1300にてNO)、処理はS1400へ移される。
このように、冷却要求温度よりも冷却水温THWが高くなると、リザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却することができて、冷却システムの循環経路内の冷却水の温度が実際に上昇したときに冷却水の温度を低下させることができる。さらに、冷却要求温度よりも低くしきい値水温THW(TH)を設定すると、冷却システムの循環経路内の冷却水の温度上昇があってからではなく、温度上昇が見込まれると、リザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却することができて、冷却水の温度上昇を未然に回避できる。さらに、HV−ECU600は、冷却水温THWとしきい値水温THW(TH)とを単に比較するのではなく、冷却水温THWの上昇変化の度合い(冷却水温THWの時間微分値)としきい値とを比較しても構わない。これによっても、冷却水の温度上昇を未然に回避できる。このように、冷却システムの循環経路内の冷却水に冷却が必要なときのみリザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却するので、リザーバータンク300内の低温の冷却水を無駄に使用することを回避することが可能となる。
S1400にて、HV−ECU600は、このハイブリッド車両の車速Vを検出する。 S1500にて、HV−ECU600は、車速Vがしきい値車速V(TH)以下であるか否かを判断する。しきい値車速V(TH)は、走行風によるHVラジエーター330の冷却効率が低下する車速(冷却要求車速)が設定される。車速V≦しきい値車速V(TH)であると(S1500にてYES)、処理はS1900へ移される。もしそうでないと(S1500にてNO)、処理はS1600へ移される。
このように、冷却要求車速よりも車速Vが低下すると、リザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却することができて、HVラジエーター330の冷却効率が低下したときに冷却水の温度上昇を回避できる。さらに、HVラジエーター330を必要以上に大容量にする必要がなくなり、ラジエーター用のクリーングファンの小型化、ラジエーター用のクリーングファンの消費電力の低減も可能となる。
S1600にて、HV−ECU600は、このモータジェネレータ400に要求される出力である要求出力Lを検出する。
S1700にて、HV−ECU600は、要求出力Lがしきい値出力L(TH)以上であるか否かを判断する。しきい値出力L(TH)は、要求出力の上昇によりモータジェネレータ400に電力を供給するインバータ等の温度上昇が見込まれ、IGBTやIPMの作動が制限される出力(冷却要求出力)が設定される。要求出力L≧しきい値出力L(TH)であると(S1700にてYES)、処理はS1900へ移される。もしそうでないと(S1700にてNO)、処理はS1800へ移される。
このように、冷却要求出力よりも要求出力Lが上昇すると、リザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却することができ、PCU200を効率的に冷却できる。このため、インバータ等のモータジェネレータ駆動回路の温度制限を解除できるので、モータジェネレータ400の出力を上昇させることが可能となり、さらに、この冷却システムの循環経路内の冷却水の総循環量が増加するので、モータジェネレータ400の出力制限を回避し易くすることが可能になる。
S1800にて、HV−ECU600は、リザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れる切替信号を切替バルブ550に出力する。この切替信号を受けた切替バルブ550は、冷却水がリザーバータンク300を経由しないように(図3に示すように、PCU200から直接HVウォーターポンプ310に流れるように、すなわち冷却水をバイパス配管530に流すように)、弁体をモータ等のアクチュエータで作動させる。なお、切替バルブ550がリザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れる状態であるときに、リザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れる切替信号を受けた時には、切替バルブ550はその状態を維持する。その後、この処理は終了する。
S1900にて、HV−ECU600は、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる切替信号を切替バルブ550に出力する。この切替信号を受けた切替バルブ550は、冷却水がリザーバータンク300を経由するように(図4に示すように、PCU200からリザーバータンク300を経由してHVウォーターポンプ310に流れるように、すなわち冷却水をバイパス配管530に流さないように)、弁体をモータ等のアクチュエータで作動させる。なお、切替バルブ550がリザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる状態であるときに、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる切替信号を受けた時には、切替バルブ550はその状態を維持する。その後、この処理は終了する。
図6を参照して、本実施の形態に係る冷却システムの制御を実現するために、HV−ECU600が実行する、システム停止処理プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
S2000にて、HV−ECU600は、HV−ECU600は、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられたか否か(ハイブリッドシステムの停止要求があったか否か)を判断する。イグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられると(ハイブリッドシステムの停止要求があると)、処理はS2100に移される。もしそうでないと(S2000にてNO)、処理はS2000へ戻され、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替えられるまで(ハイブリッドシステムの停止要求があるまで)待つ。なお、S2000にてNOの場合、この処理(サブルーチン)を終了するようにしても構わない。
S2100にて、HV−ECU2100は、ディレータイマをスタートさせる。このディレータイマは、設定時間から単位時間(たとえば100msec)ずつ減算して、残時間が0になるとタイムアップするものである。この設定時間としては、たとえば、リザーバータンク300内の(温度が低い)冷却水を冷却システムの循環経路内に、HVウォーターポンプ310が均一に流し終えるまでの時間が設定される。
S2200にて、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310を作動させる。すなわち、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310のモータに作動指令信号を出力する。
S2300にて、HV−ECU600は、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる切替信号を切替バルブ550に出力する。この切替信号を受けた切替バルブ550は、冷却水がリザーバータンク300を経由するように(図4に示すように、PCU200からリザーバータンク300を経由してHVウォーターポンプ310に流れるように、すなわち冷却水をバイパス配管530に流さないように)、弁体をモータ等のアクチュエータで作動させる。
S2400にて、HV−ECU600は、ディレータイマがタイムアップしたか否かを判断する。ディレータイマがタイムアップすると(S2400にてYES)、処理はS2500へ移される。もしそうでないと(S2400にてNO)、処理はS2400へ戻されて、ディレータイマのタイムアップを待つ。
このように、システム停止要求があったときに、HVウォーターポンプ310を作動させて、PCU200からリザーバータンク300を経由してHVウォーターポンプ310に流れるように、リザーバータンク300内の冷却水を冷却システムの循環経路内に流す。これにより、デッドソーク(高負荷運転直後のエンジン停止時であって、エンジンルーム内雰囲気が熱的に非常に厳しい状態)後のシステム再始動時におけるHVラジエーター330の熱による歪の発生を回避できる。
S2500にて、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310を停止させる。すなわち、HV−ECU600は、HVウォーターポンプ310のモータに作動指令信号の出力を停止する。なお、このときに、HV−ECU600は、リザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れる切替信号を切替バルブ550に出力するようにしても構わない。このようにリザーバータンク300を経由しない側に冷却水が流れるようにしておくと、図5のフローチャートで表わされるプログラムの実行開始時と同じ状態になる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る冷却システムの制御装置であるHV−ECU600により制御される冷却システムの動作について、説明する。
[システム起動処理]
イグニッションスイッチがオンまたはシステム起動要求があると(S1000にてYES)、HVウォーターポンプ310が作動を開始する(S1100)。
冷却システムを循環している冷却水の温度(冷却水温THW)が検出されて(S1200)、冷却水温THW≧しきい値水温THW(TH)であると(S1300にてYES)、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる(S1900)。
このハイブリッド車両の車速Vが検出されて(S1400)、車速V≦しきい値車速V(TH)であると(S1500にてYES)、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる(S1900)。
このハイブリッド車両のモータジェネレータ400に要求される出力(要求出力L)が検出されて(S1600)、要求出力L≧しきい値出力L(TH)であると(S1700にてYES)、リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れる(S1900)。
一方、冷却水温THW<しきい値水温THW(TH)であって(S1300にてNO)、かつ、車速V>しきい値車速V(TH)であって(S1500にてNO)、かつ、要求出力L<しきい値出力L(TH)であると(S1700にてNO)、リザーバータンク300を経由しない側(バイパス配管530側)に冷却水が流れる(S1800)。
[システム停止処理]
イグニッションスイッチがオフまたはシステム停止要求があると(S2000にてYES)、ディレータイマがスタートして(S2100)、HVウォーターポンプ310が作動を開始する(S2200)。リザーバータンク300を経由する側に冷却水が流れされる状態(S2300)が、ディレータイマがタイムアップするまで継続する(S2400)。その後、HVウォーターポンプ310が停止される(S2500)。
以上のようにして、
(1)冷却システムにおいて、冷却水がリザーバータンクを経由するか経由しないのかを択一的に選択できる切替バルブを設け、リザーバータンク内の冷却水の温度を低温に維持したい場合には冷却水がリザーバータンクを経由しないように、リザーバータンクを含め冷却システムの循環経路内の冷却水の温度を一時的に低下したい場合には冷却水がリザーバータンクを経由するように、切替バルブを切り替えた。
このため、冷却水がリザーバータンクを経由しないように切替バルブが制御された場合、この冷却システムを循環する冷却水と、リザーバータンク内の冷却水が混じり合うことなく、リザーバータンク内の冷却水の温度を循環する冷却水の温度よりも低く維持できる。冷却水がリザーバータンクを経由するように切替バルブが制御された場合、リザーバータンク内の低温に維持された冷却水がこの冷却システムを循環する冷却水に流れ込むため(リザーバータンク内の冷却水が混じり合うため)、循環する冷却水の温度を一時的であっても低くすることができる。さらに、冷却水がリザーバータンクを経由しないように切替バルブが制御された場合、この冷却システムを循環する冷却水の循環経路を構成する配管の長さを短くでき配管の圧力損失を低減できて、HVウォーターポンプの消費電力を低減でき、延いては燃費向上を実現できる。
(2)リザーバータンク内の冷却水の温度が低温を維持できるように、リザーバータンクが走行風を受け易い位置に搭載した。これにより、リザーバータンク内の冷却水の温度を効率的に低温に維持できる。
(3)リザーバータンク内の冷却水の温度が低温を維持できるように、リザーバータンクに放熱用の冷却フィンを設けた。これにより、リザーバータンク内の冷却水の温度をさらに効率的に低温に維持できる。
(4)冷却システムの循環経路内の冷却水の温度を検出して冷却水の温度が高温になったと(または高温になると予測されると)判断して、冷却水がリザーバータンクを経由するように、切替バルブを切り替えた。これにより、冷却システムの循環経路内の冷却水の温度が高いとき(高くなることが見込まれるとき)のみ、リザーバータンク内の低温に維持された冷却水をこの冷却システムを循環する冷却水に流れ込ませるので、リザーバータンク内の低温に維持された冷却水を無駄に消費しない。
(5)車速が低下した場合、HVラジエーターの冷却効率が低下して、冷却水の温度が高温になったと(または高温になると予測されると)判断して、冷却水がリザーバータンクを経由するように、切替バルブを切り替えた。これにより、HVラジエーターへの風量が低下する低車速時に、リザーバータンク300内の冷却水を用いて冷却システムの循環経路内の冷却水を冷却することができる。このため、HVラジエーター330の小型化、ラジエーター用のクリーングファンの小型化、ラジエーター用のクリーングファンの消費電力を低減化を実現できる。
(6)モータジェネレータの要求出力が上昇した場合、冷却対象で最も発熱量の大きなモータジェネレータの温度が上昇して、冷却水の温度が高温になったと(または高温になると予測されると)判断して、冷却水がリザーバータンクを経由するように、切替バルブを切り替えた。これにより、PCU内のモータジェネレータのドライバ回路に含まれるIPMやIGBTの温度上昇によりモータジェネレータの出力が制限される場合であっても、一時的であっても循環する冷却水の温度を下げることができ、モータジェネレータの出力を向上させることができる。さらに、一時的であっても循環する冷却水の温度を下げることに加えて循環する冷却水量が増加するので、モータジェネレータの出力が制限されるまでの時間を延ばすことができ、たとえば登坂路における出力不足を解消することができる。
(7)イグニッションスイッチがオンからオフにされた後に、冷却水がリザーバータンクを経由するように、切替バルブを切り替えるとともに、HVウォーターポンプを作動させた。これにより、デッドソーク後の再始動時による、熱による歪の影響をHVラジエーターが受け難くでき、HVラジエーターの信頼性を向上できる。
なお、上述した説明においては、リザーバータンク300を経由しない側(バイパス配管530側)に冷却水が流れる条件は、冷却水温THW<しきい値水温THW(TH)、かつ、車速V>しきい値車速V(TH)、かつ、要求出力L<しきい値出力L(TH)であるとしたが、本発明はこの3つの条件が成立していることに限定されない。これらの条件の中の1つであっても構わないし、任意の2つの条件であっても構わない。
<変形例>
図7および図8を参照して、本実施の形態に係る冷却装置の変形例について説明する。図7は前述の図3に対応し、図8は前述の図4に対応する。なお、図7および図8に示す冷却システムの構成は、図3および図4に示した冷却システムの構成と、HVラジエーター330、PCU200およびモータジェネレータ400の位置が異なる。構成要素であるHVラジエーター330、PCU200およびモータジェネレータ400自体は同じである。したがって、それらの構造についての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図7および図8に示すように、本変形例においては、リザーバータンク300から見て、モータジェネレータ400よりも先にHVラジエーター330が設けられている。上述した実施の形態においては、リザーバータンク300から見て、モータジェネレータ400よりも後にHVラジエーター330が設けられている。
このように構成することにより、以下に示す作用効果を発現する。
(8)リザ−バータンクから下流に向かって、HVラジエーター、モータジェネレータの順で冷却システムが構成されている。これにより、リザーバータンク内で低温に維持された冷却水が、温度がより高いモータジェネレータよりも先にHVラジエーターに流れるので、(モータジェネレータを冷却して温度が上昇した冷却水がHVラジエーターに流れる場合に比較して)熱による歪の影響をHVラジエーターが受け難くでき、HVラジエーターの信頼性を向上できる。特に、デッドソーク中において最も冷却が必要(最も高温)であるのはモータジェネレータであって、冷却水が、このモータジェネレータよりも先にHVラジエーターに流されるので、HVラジエーターにモータジェネレータから排出された直後の高温の冷却水が流れ込まないので、熱による歪の影響をHVラジエーターが受け難くできることになる。
なお、図7および図8に示す冷却システムの構成において、PCU200とモータジェネレータ400との順序が逆であっても構わない。リザ−バータンクから下流に向かって、HVラジエーター、モータジェネレータの順で構成されている範囲において本変形例をさらに変更することが可能である。
今回開示された実施の形態(変形例を含む)はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る冷却装置である冷却システムの全体構成図である。 PCUの斜視図である。 冷却システムの制御ブロック図(その1)である。 冷却システムの制御ブロック図(その2)である。 HV−ECUで実行されるシステム起動処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。 HV−ECUで実行されるシステム停止処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る冷却システムの制御ブロック図(その1)である。 本発明の変形例に係る冷却システムの制御ブロック図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、200 PCU、210 PCUカバー、212 カバー取付けボルト、220 PCU箱体、222 PCU取付けステー、224 冷却水入口継手、226 冷却水出口継手、230 底面カバー、232 底面カバー取付けボルト、234 入口側突起部、236 出口側突起部、300 リザーバータンク、302、304 放熱フィン、310 HVウォーターポンプ、320 HVラジエーター行き配管、330 HVラジエーター、340 HVラジエーター戻り配管、400 モータジェネレータ、600 HV−ECU。

Claims (8)

  1. 車両に搭載された電気機器を冷却する車両用冷却装置であって、
    前記電気機器を冷却する冷媒が循環される冷却通路と、
    前記冷却通路に設けられ、前記冷却通路内で冷媒を循環するための循環手段と、
    前記冷却通路に設けられ、前記冷媒を貯留するための貯留手段と、
    前記冷媒を走行風にて冷却する放熱器と、
    前記冷却通路に設けられ、前記貯留手段を前記冷却通路の中に含めて前記冷媒を前記循環手段により循環させる第1の状態と、前記貯留手段を前記冷却通路の中に含めないで前記冷媒を前記循環手段により循環させる第2の状態とのいずれかの状態になるように、前記冷却通路を切替える切替弁と、
    前記車両の車速を検出するための検出手段と、
    前記検出された車速に基づいて、前記切替弁を制御するための制御手段とを含む、車両用冷却装置。
  2. 前記制御手段は、前記車速が低下すると、前記第1の状態になるように、前記切替弁を制御するための手段を含む、請求項1に記載の車両用冷却装置。
  3. 車両に搭載された電気機器を冷却する車両用冷却装置であって、
    前記電気機器を冷却する冷媒が循環される冷却通路と、
    前記冷却通路に設けられ、前記冷却通路内で冷媒を循環するための循環手段と、
    前記冷却通路に設けられ、前記冷媒を貯留するための貯留手段と、
    前記冷媒を走行風にて冷却する放熱器と、
    前記冷却通路に設けられ、前記貯留手段を前記冷却通路の中に含めて前記冷媒を前記循環手段により循環させる第1の状態と、前記貯留手段を前記冷却通路の中に含めないで前記冷媒を前記循環手段により循環させる第2の状態とのいずれかの状態になるように、前記冷却通路を切替える切替弁と、
    前記電気機器の負荷を検出するための検出手段と、
    前記検出された負荷に基づいて、前記切替弁を制御するための制御手段とを含む、車両用冷却装置。
  4. 前記制御手段は、前記負荷が上昇すると、前記第1の状態になるように、前記切替弁を制御するための手段を含む、請求項に記載の車両用冷却装置。
  5. 前記貯留手段は、前記車両の走行により車両が受ける走行風により冷却される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  6. 前記貯留手段は、冷却フィンを有するリザーバータンクである、請求項5に記載の車両用冷却装置。
  7. 前記冷却通路は、前記貯留手段から下流に向けて、放熱器、電気機器の順で前記冷媒が循環するように形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
  8. 前記車両用冷却装置は、
    前記電気機器の作動停止指令を検出するための手段と、
    前記作動停止指令を検出すると、前記第1の状態になるように前記切替弁を制御するとともに、前記冷却通路内で冷媒を循環するように前記循環手段を制御するための手段とをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用冷却装置。
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