JP5108044B2 - 自動オフセット消去回路 - Google Patents

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Description

本発明は、増幅器で発生したDCオフセット電圧もしくは増幅器へ入力されるDCオフセット電圧を消去する自動オフセット消去回路に関するものである。
非特許文献1に開示された従来の自動オフセット消去回路(Automatic Offset Cancelation、以下、AOCと略する)の構成を図8に示す。図8に示した回路において、トランスインピーダンスコア回路100は、図示しないフォトダイオード等の受光素子において得られた電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ101は、トランスインピーダンスコア回路100の出力信号を増幅し、利得可変アンプ102は、ポストアンプ101の出力信号を増幅する。利得可変アンプ102の出力信号は、出力バッファ103を介して差動出力端子OT,OCに出力される。ピークモニタ回路104は、利得可変アンプ102の出力信号のピークレベルを検出する。自動利得調整回路105は、ピークモニタ回路104が検出したピークレベルがしきい値THCと一致するように利得可変アンプ102の利得を制御する。
アンプ110と抵抗106,108,111,113と容量107,109,112,114,115,116とは、AOCを構成している。以下、AOCの動作に関して簡単に説明する。出力端子OT,OCで発生するDC(直流)オフセット電圧は、AOCを介してポストアンプ101へ負帰還される。ここで、AOCは、DC近傍の低周波成分のみが帰還するよう、抵抗と容量とから構成されるローパスフィルタ(LPF)をアンプ110の前後に備えている。すなわち、抵抗106と容量107とは、出力バッファ103から端子OTに出力される正相出力信号を低域ろ波するLPFを構成し、抵抗108と容量109とは、出力バッファ103から端子OCに出力される逆相出力信号を低域ろ波するLPFを構成している。また、抵抗111と容量112,115とは、アンプ110から出力される正相出力信号を低域ろ波するLPFを構成し、抵抗113と容量114,116とは、アンプ110から出力される逆相出力信号を低域ろ波するLPFを構成している。
アンプ110の後段に接続されるLPFを構成する容量115,116としては、集積回路チップの外に設けられた外付けの大容量(off-chip capacitors)を用いている。この容量115,116は、一般的に10nF以上で、サイズは数百μm角程度である。このような大容量を用いることで、LPFの遮断周波数を大幅に低下させ、ポストアンプ101に帰還させるオフセット電圧の周波数成分をDC近傍に制限している。ポストアンプ101へ負帰還されたDCオフセット電圧は、出力端子OT,OCで発生しているDCオフセット電圧を打ち消すように、利得可変アンプ102と出力バッファ103で増幅される。こうして、AOCは、出力端子OT,OCで発生しているDCオフセット電圧を消去する。
Hiroyuki Fukuyama,et al.,"Two-channel InP HBT Differential Automatic gain-controlled Transimpedance Amplifier IC for 43-Gbit/s DQPSK Photoreceiver",IEEE CSICS 2008 Technical Digest,pp.145-148,2008
従来のAOCでは、ポストアンプ101に負帰還する信号の周波数成分をDC近傍の低周波成分に大幅に制限するべく、外付けの大容量を用いている。
しかしながら、外付けの容量を用いることにより、集積回路チップの領域に加えて外付けの容量を配置する領域が必要となり、AOCの実装に必要な面積が増大してしまうという問題点があった。
また、従来のAOCでは、外付けの容量と集積回路チップとを接続する実装作業が必要になるという問題点があった。
また、外付けの容量と集積回路チップとの間は金属ワイヤ等により接続されるのが一般的であるが、金属ワイヤが有するインダクタンス成分が集積回路チップの動作の不安定性を招き、集積回路チップが正常動作しなくなる可能性もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、外付け容量が不要なAOCを提供することで、外付け容量に起因する諸課題を解決することを目的とする。
本発明は、主信号を増幅するアンプを少なくとも備えた主信号系で発生したDCオフセット電圧を消去する自動オフセット消去回路において、前記主信号系で増幅された主信号を低域ろ波する第1のローパスフィルタと、この第1のローパスフィルタの出力信号のDC電位を昇圧する電位昇圧手段と、この電位昇圧手段の出力信号を低域ろ波して、低域ろ波後の出力信号を前記主信号系のアンプに負帰還させる第2のローパスフィルタとを備え、前記第2のローパスフィルタは、一端が前記電位昇圧手段の出力端子に接続された抵抗と、この抵抗の出力側の端子と接地との間に挿入された第1の容量と、前記抵抗の出力側の端子に接続されたミラー増倍容量とから構成され、前記ミラー増倍容量は、入力端子が前記抵抗の出力側の端子に接続された容量増倍用アンプと、この容量増倍用アンプの入力端子と出力端子との間に設けられた第2の容量とから構成され、前記容量増倍用アンプは、ベースが前記抵抗の出力側の端子に接続された初段のトランジスタと、入力端子が前記トランジスタのエミッタに接続された差動アンプとから構成され、前記第2の容量は、前記トランジスタのベースと前記差動アンプの出力端子との間に設けられ、前記トランジスタのエミッタと前記差動アンプの入力端子との接続点を前記第2のローパスフィルタの出力端子とすることを特徴とするものである。
また、本発明の自動オフセット消去回路の1構成例において、前記電位昇圧手段は、前記主信号系と同等の帯域を有するアンプである。
また、本発明の自動オフセット消去回路の1構成例は、さらに、前記差動アンプを構成するトランジスタのコレクタとベース間に、位相補償用の抵抗と容量とが直列に挿入されることを特徴とするものである。
本発明によれば、トランスインピーダンス増幅器等の主信号系に内蔵される自動オフセット消去回路において、第2のローパスフィルタにミラー増倍容量を用いることにより、集積回路チップの外に配置される外付け容量無しでも、十分に大きい容量を得ることができるので、第2のローパスフィルタの遮断周波数を十分に低くすることができ、自動オフセット消去回路の遮断周波数を十分に低くすることができる。その結果、本発明では、外付け容量が不要となるので、外付け容量に起因する課題である(1)実装面積の増大、(2)集積回路チップと外付け容量との接続による実装作業の増大、(3)集積回路チップと外付け容量とを接続するワイヤのインダクタンス成分が誘発する集積回路チップの動作の不安定性、等を解決することができる。また、本発明では、第2のローパスフィルタを構成する抵抗の出力側の端子と接地との間に第1の容量を設けることにより、数GHz以上の周波数における自動オフセット消去回路の位相特性の変動を抑えることができる。
また、本発明では、ミラー増倍容量を構成する容量増倍用アンプを、ベースが抵抗の出力側の端子に接続された初段のトランジスタと、入力端子が初段のトランジスタのエミッタに接続された差動アンプとから構成し、初段のトランジスタのエミッタと差動アンプの入力端子との接続点を第2のローパスフィルタの出力端子とすることにより、初段のトランジスタのベース電流を十分に小さく抑えることができるので、第2のローパスフィルタを構成する抵抗の値を十分に大きくとることができ、その結果として第2のローパスフィルタの遮断周波数を大幅に低下させることができる。
また、本発明では、電位昇圧手段を、主信号系と同等の帯域を有するアンプとすることにより、自動オフセット消去回路を介した主信号系への正帰還を防止することができ、主信号系の発振を防止することができる。
また、本発明では、容量増倍用アンプ中の差動アンプを構成するトランジスタのコレクタとベース間に、位相補償用の抵抗と容量とを直列に挿入することにより、容量増倍用アンプの発振を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動オフセット消去回路の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるローパスフィルタの構成を示すブロック図および等価回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自動オフセット消去回路の利得−周波数特性および位相−周波数特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスインピーダンス増幅器における主信号系のトランスインピーダンス利得の周波数依存性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスインピーダンス増幅器における入力電流信号の波形の1例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスインピーダンス増幅器における出力電圧信号の波形の1例を示す図である。 従来の自動オフセット消去回路の構成を示すブロック図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るAOCの構成を示す回路図である。本実施の形態のAOCは、図8に示した従来のAOCと同様に、アンプ1の前後にLPF2,3を備えた構成となっている。入力端子INT,INCは、それぞれ図8に示した出力端子OT,OCと接続される。
正相入力側のLPF2は、一端が正相入力端子INTに接続された抵抗ra1と、一端が抵抗ra1の他端に接続された抵抗ra3と、一端が抵抗ra3の他端に接続され、他端に電源電圧VEEが供給される容量ca1とから構成される。逆相入力側のLPF2は、一端が逆相入力端子INCに接続された抵抗ra2と、一端が抵抗ra2の他端に接続された抵抗ra4と、一端が抵抗ra4の他端に接続され、他端に電源電圧VEEが供給される容量ca2とから構成される。
正相入力側のLPF2は、正相入力端子INTに入力される正相入力信号を低域ろ波してアンプ1の正相入力端子(後述するトランジスタqb1のベース)に出力する。逆相入力側のLPF2は、逆相入力端子INCに入力される逆相入力信号を低域ろ波してアンプ1の逆相入力端子(後述するトランジスタqb2のベース)に出力する。
アンプ1は、ベースに正相入力側のLPF2の出力信号が入力され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqb1と、ベースに逆相入力側のLPF2の出力信号が入力され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqb2と、ベースがそれぞれトランジスタqb1,qb2のエミッタに接続される差動対を構成するトランジスタqc3,qc4と、一端がトランジスタqb1のエミッタおよびトランジスタqc3のベースに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rb1と、一端がトランジスタqb2のエミッタおよびトランジスタqc4のベースに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rb2と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqc3のコレクタに接続されたコレクタ抵抗rc1と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqc4のコレクタに接続されたコレクタ抵抗rc2と、一端がトランジスタqc3のエミッタに接続され、他端がトランジスタqc4のエミッタに接続された抵抗rc3と、一端がトランジスタqc3のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rc4と、一端がトランジスタqc4のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rc5とから構成される。
アンプ1は、LPF2の出力信号を増幅して、コレクタ抵抗rc2とトランジスタqc4のコレクタとの接続点から正相出力信号を正相入力側のLPF3の入力端子(後述する抵抗rd1の一端)に出力し、コレクタ抵抗rc1とトランジスタqc3のコレクタとの接続点から逆相出力信号を逆相入力側のLPF3の入力端子(後述する抵抗rd2の一端)に出力する。
正相入力側のLPF3は、一端にアンプ1から出力される正相入力信号が入力される抵抗rd1と、一端が抵抗rd1の他端に接続され、他端に電源電圧VEEが供給される容量cd3とから構成される。逆相入力側のLPF3は、一端にアンプ1から出力される逆相入力信号が入力される抵抗rd2と、一端が抵抗rd2の他端に接続され、他端に電源電圧VEEが供給される容量cd4とから構成される。
さらに、容量cd3,cd4の各々と並列に、アンプを用いたミラー増倍容量が接続されている。ここでミラー増倍容量とは、アンプ(増幅器)と、当該アンプの入力端子とその入力の反転出力端子との間に接続された容量から構成され、アンプにおけるミラー効果によりアンプの増幅率倍だけ増倍される容量性素子のことである。このミラー増倍容量は、ベースが抵抗rd1の他端に接続され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqd1と、ベースが抵抗rd2の他端に接続され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqd2と、ベースがそれぞれトランジスタqd1,qd2のエミッタに接続される差動対を構成するトランジスタqe3,qe4と、ベースおよびコレクタがトランジスタqe4のコレクタに接続され、エミッタがトランジスタqe3のコレクタに接続されたトランジスタqe1と、ベースおよびコレクタがトランジスタqe3のコレクタに接続され、エミッタがトランジスタqe4のコレクタに接続されたトランジスタqe2と、ベースがそれぞれトランジスタqe4,qe3のコレクタに接続される差動対を構成するトランジスタqf3,qf4と、ベースおよびコレクタがトランジスタqf4のコレクタに接続され、エミッタがトランジスタqf3のコレクタに接続されたトランジスタqf1と、ベースおよびコレクタがトランジスタqf3のコレクタに接続され、エミッタがトランジスタqf4のコレクタに接続されたトランジスタqf2と、ベースがトランジスタqf4のコレクタに接続され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqg1と、ベースがトランジスタqf3のコレクタに接続され、コレクタに電源電圧VCCが供給されるトランジスタqg2と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqe3のコレクタに接続されたコレクタ抵抗re1と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqe4のコレクタに接続されたコレクタ抵抗re2と、一端がトランジスタqe3,qe4のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗re3と、一端がトランジスタqe3のコレクタに接続された抵抗re4と、一端がトランジスタqe4のコレクタに接続された抵抗re5と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqf3のコレクタに接続されたコレクタ抵抗rf1と、一端に電源電圧VCCが供給され、他端がトランジスタqf4のコレクタに接続されたコレクタ抵抗rf2と、一端がトランジスタqf3,qf4のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rf3と、一端がトランジスタqf3のコレクタに接続された抵抗rf4と、一端がトランジスタqf4のコレクタに接続された抵抗rf5と、一端がトランジスタqg1のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rg1と、一端がトランジスタqg2のエミッタに接続され、他端に電源電圧VEEが供給される抵抗rg2と、一端がトランジスタqg2のエミッタに接続され、他端がトランジスタqd1のベースに接続された容量cd1と、一端がトランジスタqg1のエミッタに接続され、他端がトランジスタqd2のベースに接続された容量cd2と、一端が抵抗re4の他端に接続され、他端がトランジスタqe3のベースに接続された容量ce1と、一端が抵抗re5の他端に接続され、他端がトランジスタqe4のベースに接続された容量ce2と、一端が抵抗rf4の他端に接続され、他端がトランジスタqf3のベースに接続された容量cf1と、一端が抵抗rf5の他端に接続され、他端がトランジスタqf4のベースに接続された容量cf2とから構成される。
LPF3のブロックをブロック図で表すと、図2(A)のようになる。トランジスタqd1,qd2と、トランジスタqe3,qe4からなる差動アンプと、トランジスタqf3,qf4からなる差動アンプと、トランジスタqg1,qg2とは、容量増倍用アンプ4を構成している。ここで容量増倍用アンプとは、ミラー増倍容量に用いられるアンプのことであり、ミラー効果を誘起するべく入力端子と反転出力端子を備えている。容量cd1は、容量増倍用アンプ4の正相入力端子とその反転出力端子である逆相出力端子間に設けられ、容量cd2は、容量増倍用アンプ4の逆相入力端子とその反転出力端子である正相出力端子間に設けられている。したがって、入力側から見ると、ミラー効果によって容量cd3,cd4が増加したように見える。すなわち、LPF3の等価回路図は図2(B)のようになる。cd5は容量cd3と並列に接続されたミラー増倍容量、cd6は容量cd4と並列に接続されたミラー増倍容量である。
正相出力端子QTからは正相出力信号が出力され、逆相出力端子QCからは逆相出力信号が出力される。正相出力端子QTは図8に示したポストアンプ101の逆相フィードバック入力端子と接続され、逆相出力端子QCはポストアンプ101の正相フィードバック入力端子と接続される。
以上のような構成により、アンプ1の前後にLPF2,3を設けたAOCを実現することができる。
本実施の形態の特徴は以下の4点である。第1の特徴は、位相補償されたアンプ4を用いたミラー増倍容量である。LPF3を構成する容量cd1,cd2は、トランジスタqd1,qd2とトランジスタqe3,qe4の差動アンプとトランジスタqf3,qf4の差動アンプとトランジスタqg1,qg2とで構成される容量増倍用アンプ4の利得分だけミラー効果によって増倍される。この結果、図2(B)に示したように、容量cd3,cd4の各々と並列にミラー増倍容量cd5,cd6が等価的に接続されるので、容量cd3,cd4のみの場合と比べて、LPF3の遮断周波数を大幅に低下させることができる。
ここで、容量増倍用アンプ4は、トランジスタqe3,qe4の差動対およびトランジスタqf3,qf4の差動対においてRCによる位相補償が成されている。すなわち、抵抗re4,re5と容量ce1,ce2とは、トランジスタqe3,qe4の差動対の位相補償を行っており、抵抗rf4,rf5と容量cf1,cf2とは、トランジスタqf3,qf4の差動対の位相補償を行っている。このようなRC位相補償無しでは容量増倍用アンプ4は不安定で発振を引き起こすことから、本実施の形態において当該RC位相補償は不可欠の構成要素である。
本実施の形態の第2の特徴は、対地に一端が直接接続された容量cd3,cd4を設けたことである。上記のミラー増倍容量のみをLPF3の構成要素の容量として用いると、数GHz以上においてAOCの位相特性に暴れ(大きな変動)が生じる。この位相特性の変動は、本実施の形態で用いたミラー増倍容量の電気特性が数GHz以上において純容量のそれから乖離していくことに起因する。そこで、数GHz以上においては、ミラー増倍容量に変わって、対地に一端が直接接続された純容量cd3,cd4をLPF3の容量として機能させる。本特徴により、ミラー増倍容量のみでは見られた数GHz以上におけるAOCの位相特性の変動を抑えることができる。
本実施の形態の第3の特徴は、ミラー増倍容量を構成する容量増倍用アンプ4の初段として、ベース電流が十分に抑えられたトランジスタqd1,qd2を用いることである。トランジスタqd1,qd2のベース電流を十分に小さく抑えることで、トランジスタqd1,qd2のベースに一端が接続されている抵抗rd1,rd2の値を十分に大きくとることができ、その結果として外付けの大容量が無い本実施の形態の構成においてもLPF3の遮断周波数の大幅低減を可能せしめている。
トランジスタqd1,qd2のベース電流が抑えられる理由は以下のとおりである。トランジスタqd1のエミッタには、トランジスタqe3のベース、および正相出力端子QTを介して次段回路の入力トランジスタ(不図示)のベースのみが接続されている。同様に、トランジスタqd2のエミッタには、トランジスタqe4のベース、および逆相出力端子QCを介して次段回路の入力トランジスタ(不図示)のベースのみが接続されている。このため、トランジスタqd1,qd2のベースに流れる電流は、{(トランジスタqe3,qe4のコレクタ電流)+(次段回路の入力トランジスタのコレクタ電流)}÷(トランジスタの電流利得の2乗)と十分小さく抑えることができる。
本実施の形態では、トランジスタqe3,qe4のコレクタ電流は0.5mA、次段回路の入力トランジスタのコレクタ電流は2mA、トランジスタの電流利得は50であり、トランジスタqd1,qd2のベース電流はわずか1μAである。トランジスタqd1,qd2のベース電流を1μAに抑えることができれば、LPF3を構成する抵抗rd1,rd2の値を40kΩと大きくしても、抵抗rd1,rd2による電圧降下を40mVに抑えることができる。したがって、例えばVCC=+3.3V、VEE=0VのAOCにおいて、抵抗rd1,rd2による電圧降下が40mVであれば、十分に使用可能であり、40kΩの抵抗rd1,rd2を使用することで、LPF3の遮断周波数を大幅に低減することができる。
本実施の形態の第4の特徴は、電位昇圧段として広帯域のアンプ1を使用することである。アンプ1は、DC電位を昇圧するものであるが、このアンプ1の帯域が狭い場合、アンプ1通過時の位相変動量が高周波領域で大きくなってしまう。位相変動量が大きいと、AOCを介してポストアンプに負帰還、すなわち位相量として180度ずれた信号を帰還したいにも拘らず、最悪の場合360度ずれた信号を帰還して正帰還に陥り発振に繋がる場合がある。このAOCを介した正帰還を防止するべく、差動構成のアンプ1として広帯域性能に優れるものを使用している。アンプ1としては、主信号系(図8の例では、トランスインピーダンスコア回路100、ポストアンプ101、利得可変アンプ102および出力バッファ103)と同等の帯域を有するものを使用すればよい。
図3(A)に本実施の形態のAOCの利得−周波数特性を示し、図3(B)に本実施の形態のAOCの位相−周波数特性を示す。尚、図3(A)および図3(B)の特性は、トランジスタがInP ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、電源VCC=+3.3V,VEE=0V(接地)の場合のものである。図3(A)の横軸は周波数、縦軸は利得である。図3(B)の横軸は周波数、縦軸は位相である。図3(A)から明らかなように、本実施の形態によれば、外付け容量を用いていないにも拘らず、9kHzという低い遮断周波数を実現することができ、ポストアンプに負帰還する信号の周波数成分をDC近傍の低周波成分に制限することができる。また、位相特性に関しても、DCから22GHzの広範囲に亘って0度から−135度の範囲に収まっている。したがって、本実施の形態のAOCは、図8に示した帯域22GHzの主信号系に付加するAOCとして安定的に動作させることが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成を示すブロック図である。本実施の形態の回路は、主信号である微小な光電流を電圧信号に変換すると同時に増幅するトランスインピーダンス増幅器であり、図8に示した従来のトランスインピーダンス増幅器と類似の回路である。図4のトランスインピーダンス増幅器は、トランスインピーダンスコア回路10,11と、ポストアンプ12と、利得可変アンプ13と、出力バッファ14と、自動利得調整回路15と、AOC16とから構成される。
トランスインピーダンスコア回路10,11は、それぞれ差動入力端子IT,ICから入力される電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ12は、トランスインピーダンスコア回路10,11の出力信号を増幅し、利得可変アンプ13は、ポストアンプ12の差動出力信号を増幅する。利得可変アンプ13の差動出力信号は、出力バッファ14を介して差動出力端子OT,OCに出力される。自動利得調整回路15は、利得可変アンプ13の差動出力信号の振幅が所定の振幅設定値と一致するように利得可変アンプ13の利得を制御する。
AOC16の構成は、第1の実施の形態で説明したとおりである。AOC16の差動入力端子INT,INCは、差動出力端子OT,OCと接続される。AOC16の正相出力端子QTはポストアンプ12の逆相フィードバック入力端子と接続され、逆相出力端子QCはポストアンプ12の正相フィードバック入力端子と接続される。
図8に示した従来例では、AOCは外付け容量(off-chip capacitors)を用いているが、本実施の形態では、外付け容量は一切使用されていない。従来例と本実施の形態とのその他の違いは、図8に示した従来例では差動入出力型のトランスインピーダンスコア回路100を用いているのに対し、本実施の形態では単相入出力型のトランスインピーダンスコア回路10,11を2つ用いていることである。
図5に、本実施の形態のトランスインピーダンス増幅器における主信号系のトランスインピーダンス利得の周波数依存性を示す。尚、図5の特性は、トランジスタがInP ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、電源VCC=+3.3V,VEE=0V(接地)の場合のものである。図5の横軸は周波数、縦軸はトランスインピーダンス利得である。第1の実施の形態においても説明したとおり、主信号系とは、入力端子IT(またはIC)から出力端子OT(またはOC)へAOCを介さずに到る信号経路のことを言う。
当該主信号系においては、図4から明らかなように、出力端子OT,OCにおいてAOC16へ信号が分岐する。よって、AOC16の遮断周波数が十分に低くない場合は、多くの周波数成分がAOC16へ帰還されてしまうために、主信号系のトランスインピーダンス利得の低域遮断周波数が上昇する。本実施の形態では、9kHzの遮断周波数を有するAOC16を用いているため、主信号系のトランスインピーダンス利得の低域遮断周波数を39kHzに抑えることができる。一般に本実施の形態のようなトランスインピーダンス増幅器が用いられる高速(10Gbps以上)の光通信システムでは、主信号系の低域遮断周波数を50kHz以下と規定している場合が多い。本実施の形態では、主信号系の低域遮断周波数の仕様を、外付け容量無しのAOC16で満たすことができる。
図6(A)、図6(B)、図7(A)、図7(B)に本実施の形態におけるDCオフセット除去動作例を示す。本動作例も、トランジスタがInP ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT),電源電圧がVCC=+3.3V、VEE=0V(接地)の場合である。図6(A)は本実施の形態の入力端子ITに入力される電流信号の波形を示す図、図6(B)は入力端子ICに入力される電流信号の波形を示す図、図7(A)は本実施の形態の出力端子OTから出力される電圧信号の波形を示す図、図7(B)は出力端子OCから出力される電圧信号の波形を示す図である。図6(A)、図6(B)の横軸は時間、縦軸は電流である。図7(A)、図7(B)の横軸は時間、縦軸は電圧である。入力電流信号は、動作ビットレート32GbpsのRZ波形である。図6(A)、図6(B)に示した入力電流信号の波形および図7(A)、図7(B)に示した出力電圧信号の波形を、動作ビットレート32Gbpsの逆数である時間の2倍(=31.25ps×2=62.5ps)で繰り返し折り返して重書きした「アイパターン」で表示している。
入力端子ITに入力される入力電流信号の平均値は1.07mA、入力端子ICに入力される入力電流信号の平均値は1.18mA、出力端子OTから出力される出力電圧信号の平均値は2.492V、出力端子OCから出力される出力電圧信号の平均値は2.544Vである。入力電流信号には、1.18mA−1.07mA=0.11mAのDCオフセットが存在している。AOC16が無い場合、このDCオフセットも主信号系のトランスインピーダンス利得(=75.935dBΩ=6.26kΩ)分だけ増幅され、出力端子OT,OCにおいては687mVへ増幅されてしまう。これに対して、本実施の形態では、AOC16の作用により、出力端子OT,OCにおけるオフセットを2.544V−2.492V=52mVまで抑圧することができる。
本発明は、DCオフセット電圧を消去する技術に適用することができる。
1,4…アンプ、2,3…ローパスフィルタ、10…トランスインピーダンスコア回路、12…ポストアンプ、13…利得可変アンプ、14…出力バッファ、15…自動利得調整回路、16…自動オフセット消去回路、qb1,qb2,qc3,qc4,qd1,qd2,qe1,qe2,qe3,qe4,qf1,qf2,qf3,qf4,qg1,qg2…トランジスタ、ra1,ra2,ra3,ra4,rb1,rb2,rc1,rc2,rc3,rc4,rc5,rd1,rd2,re1,re2,re3,re4,re5,rf1,rf2,rf3,rf4,rf5,rg1,rg2…抵抗、ca1,ca2,cd1,cd2,cd3,cd4,ce1,ce2,cf1,cf2…容量、cd5,cd6…ミラー増倍容量。

Claims (3)

  1. 主信号を増幅するアンプを少なくとも備えた主信号系で発生したDCオフセット電圧を消去する自動オフセット消去回路において、
    前記主信号系で増幅された主信号を低域ろ波する第1のローパスフィルタと、
    この第1のローパスフィルタの出力信号のDC電位を昇圧する電位昇圧手段と、
    この電位昇圧手段の出力信号を低域ろ波して、低域ろ波後の出力信号を前記主信号系のアンプに負帰還させる第2のローパスフィルタとを備え、
    前記第2のローパスフィルタは、
    一端が前記電位昇圧手段の出力端子に接続された抵抗と、
    この抵抗の出力側の端子と接地との間に挿入された第1の容量と、
    前記抵抗の出力側の端子に接続されたミラー増倍容量とから構成され、
    前記ミラー増倍容量は、
    入力端子が前記抵抗の出力側の端子に接続された容量増倍用アンプと、
    この容量増倍用アンプの入力端子と出力端子との間に設けられた第2の容量とから構成され
    前記容量増倍用アンプは、
    ベースが前記抵抗の出力側の端子に接続された初段のトランジスタと、
    入力端子が前記トランジスタのエミッタに接続された差動アンプとから構成され、
    前記第2の容量は、前記トランジスタのベースと前記差動アンプの出力端子との間に設けられ、
    前記トランジスタのエミッタと前記差動アンプの入力端子との接続点を前記第2のローパスフィルタの出力端子とすることを特徴とする自動オフセット消去回路。
  2. 請求項記載の自動オフセット消去回路において、
    前記電位昇圧手段は、前記主信号系と同等の帯域を有するアンプであることを特徴とする自動オフセット消去回路。
  3. 請求項1または2記載の自動オフセット消去回路において、
    さらに、前記差動アンプを構成するトランジスタのコレクタとベース間に、位相補償用の抵抗と容量とが直列に挿入されることを特徴とする自動オフセット消去回路。
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