JP2004222174A - ベースバンド回路及びこれを備えた受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去可能な低消費電流のベースバンド回路及びこれを用いた受信機を提供すること。
【解決手段】入力ベースバンド信号は、所定の利得が設定されたVGA101〜104により平均的な振幅が一定となるように増幅される。直流オフセット除去回路105は、VGA104の差動出力を入力として直流オフセット電圧を抽出するとともに、直流オフセット電圧に比例した差動電流を出力する。直流オフセット除去回路105の出力はVGA104の出力に接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】入力ベースバンド信号は、所定の利得が設定されたVGA101〜104により平均的な振幅が一定となるように増幅される。直流オフセット除去回路105は、VGA104の差動出力を入力として直流オフセット電圧を抽出するとともに、直流オフセット電圧に比例した差動電流を出力する。直流オフセット除去回路105の出力はVGA104の出力に接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を除去するベースバンド回路及びこれを用いた受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイレクトコンバ−ジョン受信機では、受信した高周波信号をミキサで周波数混合して直接ベースバンド信号に変換し、可変利得増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier)等からなるベースバンド回路で所定のレベルに増幅している。
【0003】
ミキサからは、所要のベースバンド信号に直流オフセット電圧が重畳して出力され、これをベースバンド回路のVGAで増幅することにより、受信品質が悪化したり、ダイナミックレンジが著しく損なわれたりする。
【0004】
例えば、ベースバンド回路の入力に1mVの直流オフセット電圧があり、VGAの合計利得が60dB(1000倍)に設定されていたとすると、出力には1Vの直流オフセット電圧が現れる。移動体通信装置等の低電圧動作回路では、1Vもの直流オフセット電圧は回路飽和を引き起こし、受信特性の劣化を招いてしまう。
【0005】
これらのことから、ダイレクトコンバ−ジョン受信機にとっては、ベースバンド回路において発生する直流オフセット電圧を可能な限り除去することが重要な課題となる。
【0006】
図4は、従来のダイレクトコンバ−ジョン受信機のベースバンド回路の例を示すものである。同図に示したように、ベースバンド回路は、ローパスフィルタ(LPF)401、VGA402〜405、減衰器406、反転積分器407、及び加算器408から構成されている。
【0007】
入力されたベースバンド信号は、ローパスフィルタ401で帯域制限された後、VGA402〜405で出力の信号振幅がほぼ一定となるように増幅される。VGA405の出力は減衰器406で利得が調整され、反転積分器407で直流成分が抽出される。抽出された直流成分は、ローパスフィルタ401の入力側に接続された加算器408に負帰還されることにより、直流オフセット電圧が除去される。
【0008】
ここで、減衰器406の利得は、信号経路にあるVGA402〜405の合計利得の逆数になるように設定されている。すなわち、VGA402〜405の合計利得が大きい時には減衰器406の利得を小さくし、逆に、VGA402〜405の合計利得が小さい時は減衰器406の利得を大きく設定する。これにより、VGA402〜405の合計利得に依存することなく直流オフセット電圧を除去することができる。また、VGA402〜405の合計利得が変化した場合でも周波数特性が変化せず、安定して直流オフセット電圧を除去することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−111764号公報(第7頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のダイレクトコンバ−ジョン受信機のベースバンド回路では、VGA405の出力において抽出した直流成分をVGA402の入力側に接続された加算器408に帰還しているので、帰還経路にはVGA402〜405の合計利得と同じ利得を有する減衰器406が必要となる。更に、直流オフセット電圧を除去するには、VGA402〜405と減衰器406の各利得に相対精度が要求される。すなわち、VGA402〜405の合計利得と減衰器406の利得が、利得の設定値に拘わらず常に逆数の関係にないと、残留直流オフセット電圧が生じてしまう。
【0011】
特に、ベースバンド回路を集積化する際には、製造プロセスによって素子のばらつきが避けられないため、VGA402〜405の合計利得と減衰器406の利得が、利得の設定値に拘わらず常に逆数の関係にならず、直流オフセット電圧の除去動作の精度が劣化するという問題点がある。また、減衰器を構成するために、VGA相当の回路規模と消費電流が必要となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去可能な低消費電流のベースバンド回路及びこれを用いた受信機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のベースバンド回路は、ベースバンド信号を増幅するベースバンド信号増幅手段と、前記ベースバンド信号増幅手段の出力から直流オフセット電圧成分を抽出し、前記抽出した直流オフセット電圧成分に比例した電流を出力するオフセット除去回路とを備え、前記オフセット除去回路の出力を前記ベースバンド信号増幅手段の出力に接続したものである。
【0014】
上記構成によれば、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去することができる。
【0015】
本発明の受信機は、前記ベースバンド回路を備える。
【0016】
上記構成によれば、ベースバンド回路を好適に集積回路化した受信機が得られるので、携帯電話機等の無線装置の小型化、低消費電流化が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るベースバンド回路及びこれを備えた受信機の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の構成を示すブロック図である。このベースバンド回路は、VGA101〜104(特許請求の範囲のベースバンド信号増幅手段に該当)と、直流オフセット除去回路105(特許請求の範囲のオフセット除去回路に該当)を有して構成される。
【0019】
入力ベースバンド信号は、予め所定の利得が設定されたVGA101〜104により平均的な振幅が一定となるように増幅される。直流オフセット除去回路105は、VGA104の差動出力信号Vin+、Vin−を入力して差動信号間の直流オフセット電圧を抽出するとともに、直流オフセット電圧に比例した差動電流Iout+、Iout−を出力する。直流オフセット除去回路105の出力はVGA104の出力に接続される。
【0020】
図2は、本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の直流オフセット除去回路105の一例を示すものである。同図に示したように、直流オフセット除去回路105は、ローパスフィルタ210と、カレントミラ回路240、250を用いた第1のトランジスタ差動対220及び第2のトランジスタ差動対230と、電流源260、270を有して構成されている。
【0021】
第1の差動対トランジスタ220は、一対のトランジスタ221、222から構成され、第2の差動対トランジスタ230は一対のトランジスタ231、232から構成されている。そして、トランジスタ221、231の各コレクタ間には、トランジスタ241〜244から構成されるカレントミラ回路240が接続され、トランジスタ222、232の各コレクタ間には、トランジスタ251〜254から構成されるカレントミラ回路250が接続されている。また、トランジスタ221、222の各エミッタの接続点には電流源260が接続され、トランジスタ231、232の各エミッタの接続点には、電流源270が接続されている。
【0022】
次に、上記のように構成された直流オフセット除去回路105の動作について説明する。
【0023】
VGA104の差動出力信号Vin+、Vin−は、それぞれローパスフィルタ210に入力されて差動直流電圧成分が抽出される。抽出された差動直流電圧成分は、トランジスタ221、232のベースと、トランジスタ222、231のベースにそれぞれ入力される。
【0024】
第1の差動対トランジスタ220及び第2の差動対トランジスタ230は、ベースに入力された差電圧に応じてそれぞれ電流源260、270の電流I1、I2を分流する。この時、トランジスタ221に流れる電流は、カレントミラ回路240によりトランジスタ231のコレクタに向けて流れ込む。また、トランジスタ222に流れる電流は、カレントミラ回路250によりトランジスタ232のコレクタに向けて流れ込む。
【0025】
これにより、一方の差動出力端子には、カレントミラ回路240によってトランジスタ231のコレクタに向けて流れ込む電流と、トランジスタ231のベースに入力された直流電圧成分により流れるコレクタ電流の差分Iout+が出力される。同様にして、他方の差動出力端子には、カレントミラ回路250によってトランジスタ232のコレクタに向けて流れ込む電流と、トランジスタ232のベースに入力された直流電圧成分により流れるコレクタ電流の差分Iout−が出力される。
【0026】
例えば、ローパスフィルタ210に入力する差動信号Vin+がHigh、Vin−がLowである場合、抽出された直流電圧成分によりトランジスタ221、232がオンし、トランジスタ222、231がオフとなる。従って、一方の差動出力端子に現れる電流Iout+は流れ出す電流であり、他方の差動出力端子に現れる電流Iout−は引き込まれる電流である。
【0027】
逆に、ローパスフィルタ210に入力する差動信号Vin+がLow、Vin−がHighの時は、一方の差動出力端子に現れる電流Iout+は引き込まれる電流であり、他方の差動出力端子に現れる電流Iout−は流れ出す電流である。
【0028】
このようにして、ローパスフィルタ210に入力される直流オフセット電圧に比例した差動電流Iout+、Iout−が出力端子から得られる。尚、電流源260、270の各電流I1とI2との比と、2組の差動対トランジスタ220、230の特性の比と、2つのカレントミラ回路240、250のミラー比を、それぞれ1対nに設定することにより、直流オフセット除去回路105のゲインを変えることができる。したがって、除去すべき直流オフセット電圧の許容量を自由に設定することができる。
【0029】
以上のように本実施形態によれば、VGA104の出力において直流オフセット電圧を抽出し、直流オフセット電圧に比例した電流を生成してVGA104の出力に流すことにより、直流オフセット電圧を効果的に除去することができる。また、帰還を行うことでオフセットを除去しないため、VGA101〜104の各利得が変化した場合でも、精度良く直流オフセット電圧を除去できる。また、従来のように、ベースバンド回路に減衰器を設ける必要がないため、回路規模及び消費電流を削減することができる。
【0030】
なお、ベースバンド回路が、少なくとも1つの可変利得増幅器と少なくとも1つの固定利得増幅器が直列に接続されて構成され、固定利得増幅器が最終段となっている構成である場合は、固定利得増幅器の出力を直流オフセット除去回路105に入力し、直流オフセット電圧に比例した電流を固定利得増幅器の出力に流す構成にすれば良い。
【0031】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第二実施形態に係るダイレクトコンバ−ジョン受信機の構成を示すブロック図である。同図において、ダイレクトコンバ−ジョン受信機は、アンテナ301と、高周波バンドパスフィルタ302と、ローノイズアンプ(LNA)303と、バッファアンプ304と、ミキサ305、306と、移相器307と、局部発振器308と、ローパスフィルタ309、310と、ベースバンド回路311を備えて構成される。
【0032】
ベースバンド回路311は、第1実施形態において説明したベースバンド回路を2系統備えたものであり、VGA101〜104と直流オフセット除去回路105、及びVGA201〜204と直流オフセット除去回路205をそれぞれ有して構成されている。
【0033】
次に、以上のように構成されたダイレクトコンバ−ジョン受信機の動作について説明する。
【0034】
アンテナ301で受信された無線周波数の高周波信号は、高周波バンドパスフィルタ302により受信品質を劣化させるような不要周波数成分が除去され、ローノイズアンプ(LNA)303において低雑音で増幅される。増幅された高周波信号は、バッファアンプ304で差動出力に分岐されて、ミキサ305、306にそれぞれ供給される。一方、局部発振器308より発振出力される局部発振周波信号は、移相器307に入力されてcos波とsin波が生成され、それぞれミキサ305、306に加えられる。
【0035】
ミキサ305、306では、バッファアンプ304の差動出力と移相器307から出力されるcos波とsin波がそれぞれ乗算されて、2系統のベースバンド信号が生成される。このベースバンド信号は、ミキサ305、306で発生した不要周波数成分を除去するローパスフィルタ309、310で濾波された後、ベースバンド回路311に供給される。
【0036】
ローパスフィルタ309、310から出力された各ベースバンド信号は、ベースバンド回路311のVGA101〜104、201〜204によって所定の利得で増幅されると共に、直流オフセット除去回路105、205で直流オフセット電圧が除去され、ベースバンド信号312及びベースバンド信号313として後段に出力される。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、ベースバンド回路311において、VGA104、204から出力されるベースバンド差動信号から直流オフセット電圧を抽出し、これに比例した差動電流を生成してVGA104、204の出力に流す構成の直流オフセット除去回路105、205を用いることにより、直流オフセット電圧を効果的に除去したベースバンド信号を得ることができる。
【0038】
また、ベースバンド回路を好適に集積回路化したダイレクトコンバージョン受信機が得られ、携帯電話機等の無線装置の小型化、低消費電流化が可能になる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去可能な低消費電流のベースバンド回路及びこれを備えた受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の直流オフセット除去回路の構成を示す回路図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るダイレクトコンバージョン受信機の構成を示すブロック図。
【図4】従来のベースバンド回路の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101〜104,201〜204 VGA
105,205 直流オフセット除去回路
210 ローパスフィルタ
220,230 差動対トランジスタ
240,250 カレントミラ回路
311 ベースバンド回路
312 ベースバンド信号
313 ベースバンド信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を除去するベースバンド回路及びこれを用いた受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイレクトコンバ−ジョン受信機では、受信した高周波信号をミキサで周波数混合して直接ベースバンド信号に変換し、可変利得増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier)等からなるベースバンド回路で所定のレベルに増幅している。
【0003】
ミキサからは、所要のベースバンド信号に直流オフセット電圧が重畳して出力され、これをベースバンド回路のVGAで増幅することにより、受信品質が悪化したり、ダイナミックレンジが著しく損なわれたりする。
【0004】
例えば、ベースバンド回路の入力に1mVの直流オフセット電圧があり、VGAの合計利得が60dB(1000倍)に設定されていたとすると、出力には1Vの直流オフセット電圧が現れる。移動体通信装置等の低電圧動作回路では、1Vもの直流オフセット電圧は回路飽和を引き起こし、受信特性の劣化を招いてしまう。
【0005】
これらのことから、ダイレクトコンバ−ジョン受信機にとっては、ベースバンド回路において発生する直流オフセット電圧を可能な限り除去することが重要な課題となる。
【0006】
図4は、従来のダイレクトコンバ−ジョン受信機のベースバンド回路の例を示すものである。同図に示したように、ベースバンド回路は、ローパスフィルタ(LPF)401、VGA402〜405、減衰器406、反転積分器407、及び加算器408から構成されている。
【0007】
入力されたベースバンド信号は、ローパスフィルタ401で帯域制限された後、VGA402〜405で出力の信号振幅がほぼ一定となるように増幅される。VGA405の出力は減衰器406で利得が調整され、反転積分器407で直流成分が抽出される。抽出された直流成分は、ローパスフィルタ401の入力側に接続された加算器408に負帰還されることにより、直流オフセット電圧が除去される。
【0008】
ここで、減衰器406の利得は、信号経路にあるVGA402〜405の合計利得の逆数になるように設定されている。すなわち、VGA402〜405の合計利得が大きい時には減衰器406の利得を小さくし、逆に、VGA402〜405の合計利得が小さい時は減衰器406の利得を大きく設定する。これにより、VGA402〜405の合計利得に依存することなく直流オフセット電圧を除去することができる。また、VGA402〜405の合計利得が変化した場合でも周波数特性が変化せず、安定して直流オフセット電圧を除去することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−111764号公報(第7頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のダイレクトコンバ−ジョン受信機のベースバンド回路では、VGA405の出力において抽出した直流成分をVGA402の入力側に接続された加算器408に帰還しているので、帰還経路にはVGA402〜405の合計利得と同じ利得を有する減衰器406が必要となる。更に、直流オフセット電圧を除去するには、VGA402〜405と減衰器406の各利得に相対精度が要求される。すなわち、VGA402〜405の合計利得と減衰器406の利得が、利得の設定値に拘わらず常に逆数の関係にないと、残留直流オフセット電圧が生じてしまう。
【0011】
特に、ベースバンド回路を集積化する際には、製造プロセスによって素子のばらつきが避けられないため、VGA402〜405の合計利得と減衰器406の利得が、利得の設定値に拘わらず常に逆数の関係にならず、直流オフセット電圧の除去動作の精度が劣化するという問題点がある。また、減衰器を構成するために、VGA相当の回路規模と消費電流が必要となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去可能な低消費電流のベースバンド回路及びこれを用いた受信機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のベースバンド回路は、ベースバンド信号を増幅するベースバンド信号増幅手段と、前記ベースバンド信号増幅手段の出力から直流オフセット電圧成分を抽出し、前記抽出した直流オフセット電圧成分に比例した電流を出力するオフセット除去回路とを備え、前記オフセット除去回路の出力を前記ベースバンド信号増幅手段の出力に接続したものである。
【0014】
上記構成によれば、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去することができる。
【0015】
本発明の受信機は、前記ベースバンド回路を備える。
【0016】
上記構成によれば、ベースバンド回路を好適に集積回路化した受信機が得られるので、携帯電話機等の無線装置の小型化、低消費電流化が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るベースバンド回路及びこれを備えた受信機の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の構成を示すブロック図である。このベースバンド回路は、VGA101〜104(特許請求の範囲のベースバンド信号増幅手段に該当)と、直流オフセット除去回路105(特許請求の範囲のオフセット除去回路に該当)を有して構成される。
【0019】
入力ベースバンド信号は、予め所定の利得が設定されたVGA101〜104により平均的な振幅が一定となるように増幅される。直流オフセット除去回路105は、VGA104の差動出力信号Vin+、Vin−を入力して差動信号間の直流オフセット電圧を抽出するとともに、直流オフセット電圧に比例した差動電流Iout+、Iout−を出力する。直流オフセット除去回路105の出力はVGA104の出力に接続される。
【0020】
図2は、本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の直流オフセット除去回路105の一例を示すものである。同図に示したように、直流オフセット除去回路105は、ローパスフィルタ210と、カレントミラ回路240、250を用いた第1のトランジスタ差動対220及び第2のトランジスタ差動対230と、電流源260、270を有して構成されている。
【0021】
第1の差動対トランジスタ220は、一対のトランジスタ221、222から構成され、第2の差動対トランジスタ230は一対のトランジスタ231、232から構成されている。そして、トランジスタ221、231の各コレクタ間には、トランジスタ241〜244から構成されるカレントミラ回路240が接続され、トランジスタ222、232の各コレクタ間には、トランジスタ251〜254から構成されるカレントミラ回路250が接続されている。また、トランジスタ221、222の各エミッタの接続点には電流源260が接続され、トランジスタ231、232の各エミッタの接続点には、電流源270が接続されている。
【0022】
次に、上記のように構成された直流オフセット除去回路105の動作について説明する。
【0023】
VGA104の差動出力信号Vin+、Vin−は、それぞれローパスフィルタ210に入力されて差動直流電圧成分が抽出される。抽出された差動直流電圧成分は、トランジスタ221、232のベースと、トランジスタ222、231のベースにそれぞれ入力される。
【0024】
第1の差動対トランジスタ220及び第2の差動対トランジスタ230は、ベースに入力された差電圧に応じてそれぞれ電流源260、270の電流I1、I2を分流する。この時、トランジスタ221に流れる電流は、カレントミラ回路240によりトランジスタ231のコレクタに向けて流れ込む。また、トランジスタ222に流れる電流は、カレントミラ回路250によりトランジスタ232のコレクタに向けて流れ込む。
【0025】
これにより、一方の差動出力端子には、カレントミラ回路240によってトランジスタ231のコレクタに向けて流れ込む電流と、トランジスタ231のベースに入力された直流電圧成分により流れるコレクタ電流の差分Iout+が出力される。同様にして、他方の差動出力端子には、カレントミラ回路250によってトランジスタ232のコレクタに向けて流れ込む電流と、トランジスタ232のベースに入力された直流電圧成分により流れるコレクタ電流の差分Iout−が出力される。
【0026】
例えば、ローパスフィルタ210に入力する差動信号Vin+がHigh、Vin−がLowである場合、抽出された直流電圧成分によりトランジスタ221、232がオンし、トランジスタ222、231がオフとなる。従って、一方の差動出力端子に現れる電流Iout+は流れ出す電流であり、他方の差動出力端子に現れる電流Iout−は引き込まれる電流である。
【0027】
逆に、ローパスフィルタ210に入力する差動信号Vin+がLow、Vin−がHighの時は、一方の差動出力端子に現れる電流Iout+は引き込まれる電流であり、他方の差動出力端子に現れる電流Iout−は流れ出す電流である。
【0028】
このようにして、ローパスフィルタ210に入力される直流オフセット電圧に比例した差動電流Iout+、Iout−が出力端子から得られる。尚、電流源260、270の各電流I1とI2との比と、2組の差動対トランジスタ220、230の特性の比と、2つのカレントミラ回路240、250のミラー比を、それぞれ1対nに設定することにより、直流オフセット除去回路105のゲインを変えることができる。したがって、除去すべき直流オフセット電圧の許容量を自由に設定することができる。
【0029】
以上のように本実施形態によれば、VGA104の出力において直流オフセット電圧を抽出し、直流オフセット電圧に比例した電流を生成してVGA104の出力に流すことにより、直流オフセット電圧を効果的に除去することができる。また、帰還を行うことでオフセットを除去しないため、VGA101〜104の各利得が変化した場合でも、精度良く直流オフセット電圧を除去できる。また、従来のように、ベースバンド回路に減衰器を設ける必要がないため、回路規模及び消費電流を削減することができる。
【0030】
なお、ベースバンド回路が、少なくとも1つの可変利得増幅器と少なくとも1つの固定利得増幅器が直列に接続されて構成され、固定利得増幅器が最終段となっている構成である場合は、固定利得増幅器の出力を直流オフセット除去回路105に入力し、直流オフセット電圧に比例した電流を固定利得増幅器の出力に流す構成にすれば良い。
【0031】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第二実施形態に係るダイレクトコンバ−ジョン受信機の構成を示すブロック図である。同図において、ダイレクトコンバ−ジョン受信機は、アンテナ301と、高周波バンドパスフィルタ302と、ローノイズアンプ(LNA)303と、バッファアンプ304と、ミキサ305、306と、移相器307と、局部発振器308と、ローパスフィルタ309、310と、ベースバンド回路311を備えて構成される。
【0032】
ベースバンド回路311は、第1実施形態において説明したベースバンド回路を2系統備えたものであり、VGA101〜104と直流オフセット除去回路105、及びVGA201〜204と直流オフセット除去回路205をそれぞれ有して構成されている。
【0033】
次に、以上のように構成されたダイレクトコンバ−ジョン受信機の動作について説明する。
【0034】
アンテナ301で受信された無線周波数の高周波信号は、高周波バンドパスフィルタ302により受信品質を劣化させるような不要周波数成分が除去され、ローノイズアンプ(LNA)303において低雑音で増幅される。増幅された高周波信号は、バッファアンプ304で差動出力に分岐されて、ミキサ305、306にそれぞれ供給される。一方、局部発振器308より発振出力される局部発振周波信号は、移相器307に入力されてcos波とsin波が生成され、それぞれミキサ305、306に加えられる。
【0035】
ミキサ305、306では、バッファアンプ304の差動出力と移相器307から出力されるcos波とsin波がそれぞれ乗算されて、2系統のベースバンド信号が生成される。このベースバンド信号は、ミキサ305、306で発生した不要周波数成分を除去するローパスフィルタ309、310で濾波された後、ベースバンド回路311に供給される。
【0036】
ローパスフィルタ309、310から出力された各ベースバンド信号は、ベースバンド回路311のVGA101〜104、201〜204によって所定の利得で増幅されると共に、直流オフセット除去回路105、205で直流オフセット電圧が除去され、ベースバンド信号312及びベースバンド信号313として後段に出力される。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、ベースバンド回路311において、VGA104、204から出力されるベースバンド差動信号から直流オフセット電圧を抽出し、これに比例した差動電流を生成してVGA104、204の出力に流す構成の直流オフセット除去回路105、205を用いることにより、直流オフセット電圧を効果的に除去したベースバンド信号を得ることができる。
【0038】
また、ベースバンド回路を好適に集積回路化したダイレクトコンバージョン受信機が得られ、携帯電話機等の無線装置の小型化、低消費電流化が可能になる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ベースバンド信号増幅後の出力に含まれる直流オフセット電圧を精度良く除去可能な低消費電流のベースバンド回路及びこれを備えた受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るベースバンド回路の直流オフセット除去回路の構成を示す回路図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るダイレクトコンバージョン受信機の構成を示すブロック図。
【図4】従来のベースバンド回路の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101〜104,201〜204 VGA
105,205 直流オフセット除去回路
210 ローパスフィルタ
220,230 差動対トランジスタ
240,250 カレントミラ回路
311 ベースバンド回路
312 ベースバンド信号
313 ベースバンド信号
Claims (2)
- ベースバンド信号を増幅するベースバンド信号増幅手段と、前記ベースバンド信号増幅手段の出力から直流オフセット電圧成分を抽出し、前記抽出した直流オフセット電圧成分に比例した電流を出力するオフセット除去回路とを備え、
前記オフセット除去回路の出力を前記ベースバンド信号増幅手段の出力に接続したベースバンド回路。 - 請求項1記載のベースバンド回路を備える受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009877A JP2004222174A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ベースバンド回路及びこれを備えた受信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003009877A JP2004222174A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ベースバンド回路及びこれを備えた受信機 |
Publications (1)
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JP2004222174A true JP2004222174A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32899239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003009877A Pending JP2004222174A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | ベースバンド回路及びこれを備えた受信機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004222174A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011205472A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 自動オフセット消去回路 |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003009877A patent/JP2004222174A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011205472A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 自動オフセット消去回路 |
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