JP5106029B2 - 加硫モールドの予熱方法 - Google Patents

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Description

この発明は、加硫モールドの交換後等に加硫モールドを加硫に適する温度付近まで予熱する予熱方法に関する。
一般に、加硫すべきタイヤの種類が変更されると、この変更に伴って加硫装置における加硫モールド、ブラダが対応するものに交換されるが、このとき、次使用の加硫モールド等は長時間保管ステーションで保管されていたものであるため、常温まで温度が低下している。この結果、加硫モールド等の交換後に温度の低い加硫モールドを用いて未加硫タイヤを加硫しようとすると、最初の未加硫タイヤの加硫時における加硫度の制御が困難となり、これにより、最初の未加硫タイヤに対して適正な加硫を行うことができず廃棄せざるを得なかった。
このような課題を解決するため、従来、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが提案されている。
特開平10−006345号公報
このものは、交換作業前に次使用の加硫モールドを加熱プレート上に載置して該加熱プレートにより予熱しておき、この予熱された次使用の加硫モールドと使用済みの加硫モールドとを交換した後、予熱が残っている次使用の加硫モールドを用いて未加硫タイヤの加硫を行うというものである。
しかしながら、このように予熱しておいた加硫モールドに交換をして加硫を行うようにしても、加熱プレートから取り出した時点から加硫作業の開始までの間に、加硫装置への加硫モールドの搬送、装着等の作業を行う必要があるため、ある程度の時間が経過してしまうのである。そして、この間に加硫モールドは放熱によって温度が不均一に低下し、この結果、最初の未加硫タイヤに対して適正な加硫を行うには予熱が不十分であるという課題があった。しかも、次使用の加硫モールドを予熱するために、予熱用の加熱プレートが必要となり、装置全体が構造複雑で高価となってしまうという課題もあった。
この発明は、構造簡単で安価でありながら、未加硫タイヤが搬入される直前の加硫モールドを加硫に適する温度付近まで均一に予熱することができる加硫モールドの予熱方法を提供することを目的とする。
このような目的は、未加硫タイヤの外表面を型付けする閉止状態の加硫モールドに密着配置された熱板に未加硫タイヤの加硫モールドへの搬入直前まで加熱流体を供給することにより、加硫モールドを予熱するようにした加硫モールドの予熱時に、ブラダと加硫モールドの型付け面との間に該ブラダと型付け面との直接接触を阻止する離隔シートを介在させるようにした加硫モールドの予熱方法において、前記離隔シートを、その外径が加硫モールドのサイドウォール部型付け面とトレッド部型付け面との境界における直径より大径である鍔状に形成するとともに、前記境界と重なる位置近傍において離隔シートを軸方向内側に折り曲げ可能とし、該折り曲げ位置より半径方向内側に位置する離隔シートの本体部によりブラダとサイドウォール部型付け面との直接接触を阻止し、前記折り曲げ位置より半径方向外側に位置し軸方向内側に折り曲げられた離隔シートの折り曲げ部によりブラダとトレッド部型付け面との直接接触を阻止することにより、達成することができる。
この発明においては、未加硫タイヤの外表面を型付けする閉止状態の加硫モールドに密着配置された熱板に未加硫タイヤの加硫モールドへの搬入直前まで加熱流体を供給することにより、加硫モールドを予熱するようにしたので、予熱が終了した時点、即ち未加硫タイヤの加硫モールドへの搬入直前から加硫作業の開始までの間には若干の時間が経過するだけで、加硫モールドからの放熱は殆どない。
このため、加硫作業の開始時における加硫モールドは全体が加硫に適する温度付近の温度にほぼ均一に保持され、最初の未加硫タイヤから適正な加硫を行うことができる。しかも、熱板は加硫装置が有しているものをそのまま加硫モールドの予熱に使用するため、次使用の加硫モールドを予熱するための特別な手段が不要となり、装置全体を構造簡単で安価とすることができる。
ここで、前述のように熱板に加熱流体を供給することで閉止された加硫モールドの予熱を行うと、この予熱時にブラダが加硫モールドの型付け面に直接接触して、該ブラダの模様が前記型付け面に転写されることがあるが、このような加硫モールドを用いて未加硫タイヤの加硫を行うと、該加硫モールドの型付け面に転写されたブラダの模様が未加硫タイヤに転写され、加硫済タイヤに外観不良が発生するおそれがある。しかしながら、この発明では、このような予熱時におけるブラダから加硫モールドの型付け面への模様の転写を阻止することができ、加硫済タイヤの外観不良を防止することができる。
また、この発明では、ブラダと加硫モールドの型付け面全体との間でブラダからの模様の転写を阻止することができ、これにより、加硫済タイヤの外表面全体における外観不良を防止することができる。さらに、請求項に記載のように構成すれば、離隔シートを安価に製作することができ、また、請求項に記載のように構成すれば、離隔シートが容易に折れ曲がり、ブラダと加硫モールドのトレッド部型付け面との間に離隔シート(折り曲げ部)を確実に侵入介在させることができる。
さらに、請求項に記載のように構成すれば、離隔シートの折り曲げのために特別な装置を設ける必要がなく、これにより、製作費を安価とすることができ、また、請求項に記載のように構成すれば、略同一形状をした一対の離隔シートを用意するだけで、ブラダと加硫モールドの型付け面全体との直接接触を確実に阻止することができ、この結果、ブラダからの転写を容易かつ安価に防止することができる。さらに、請求項に記載のように構成すれば、折り曲げ部に切れ目が形成されていない場合と比較して、折り曲げ部をトレッド部型付け面に容易かつ確実に追従させながら折り曲げることができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は未加硫タイヤを加硫して加硫済タイヤとする加硫装置であり、この加硫装置11は静止した下基台12を有し、この下基台12には予熱時および加硫時に加熱流体、例えば高温の蒸気、不活性ガス等が供給される下熱板(下プラテン)13が断熱材14を介して固定されている。前記下熱板13には下モールド15が密着配置された状態で着脱可能に取り付けられ、この下モールド15の上面には未加硫タイヤの下側サイドウォール部を主に型付けする型付け面16が設けられている。この結果、下モールド15は下熱板13からの熱が伝熱により伝達され、効果的に予熱される。
17は下基台12の上方にこれから離れて設置された上基台であり、この上基台17は前記下基台12と対をなしている。そして、この上基台17は図示していない垂直なシリンダのピストンロッドに連結されており、この結果、該シリンダが作動すると、上基台17は昇降し、これにより、上基台17は下基台12に対して接近離隔する。前記上基台17の下面には断熱材18を介して予熱時および加硫時に加熱流体、例えば高温の蒸気、不活性ガス等が供給される上熱板(上プラテン)20が固定されている。
19は前記上基台17(上熱板20)の直下に配置された水平な可動プレートであり、この可動プレート19には上モールド21が着脱可能に取り付けられ、この上モールド21の下面には未加硫タイヤの上側サイドウォール部を主に型付けする型付け面22が設けられている。そして、後述の加硫モールドの閉止時には、可動プレート19が上熱板20に面接触するが、このとき、上モールド21は金属製の可動プレート19を介して上熱板20に密着配置されることになり、これにより、上モールド21には上熱板20からの熱が伝熱により伝達され、該上モールド21が効果的に予熱される。
23は上基台17に取り付けられた垂直に延びるシリンダのピストンロッドであり、このピストンロッド23の先端(下端)には前記可動プレート19が連結されている。この結果、前記シリンダが作動してピストンロッド23が引っ込んだり突出したりすると、可動プレート19および上モールド21は上基台17と別個に一体的に昇降し、上基台17に対して接近離隔する。
26は可動プレート19および上モールド21を半径方向外側から囲むよう設けられたアウターリングであり、このアウターリング26の上端は前記上基台17の半径方向外端部に取り付けられている。そして、このアウターリング26の内周には下基台12に向かって拡開している円錐面の一部からなる傾斜面27が形成されている。28は周方向に並べて配置された複数、ここでは9個の弧状をしたホルダであり、これらのホルダ28の上端は上モールド21より半径方向外側の可動プレート19に半径方向に移動可能に支持されている。
また、これらホルダ28の外周には前記アウターリング26の傾斜面27と同一勾配で円錐面の一部からなる傾斜面30が形成され、これら傾斜面30と前記傾斜面27とはあり継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、可動プレート19が上基台17に対し接近離隔してこれらの間の間隔が変化すると、ホルダ28は可動プレート19に支持されながら前記傾斜面27、30の楔作用によって半径方向に同期移動する。
33は各ホルダ28の半径方向内側面に着脱可能に取り付けられホルダ28と同数の弧状をしたセクターモールドであり、これらセクターモールド33の半径方向内側面には未加硫タイヤのトレッド部を主に型付けする型付け面34が形成されている。これらセクターモールド33はホルダ28と共に半径方向内側限まで移動すると、互いに密着して連続リング状となるが、このとき、これらセクターモールド33は下降限まで下降している上モールド21および下モールド15に密着するため、これら上、下、セクターモールド21、15、33からなる加硫モールド35は閉止して内部に未加硫タイヤを収納するドーナツ状の空間を形成するとともに、型付け面16、22、34は連続して未加硫タイヤの外表面を型付けする型付け面36を構成する。
38は下基台12の中央部に遊嵌された上下方向に延びるバグ本体であり、このバグ本体38は図示していない流体シリンダ等により昇降される。このバグ本体38内には該バグ本体38と同軸のセンターポスト39が摺動可能に挿入され、このセンターポスト39は図示していないシリンダ等によってバグ本体38と別個に昇降される。このセンターポスト39の上端部には上クランプリング40が着脱可能に取り付けられており、この上クランプリング40は上、下モールド21、15間に位置するとともに、センターポスト39の上昇によって上モールド21の内端部に当接することができる。
また、この上クランプリング40の半径方向外端部でその上側部には周方向に連続して延びる四角溝状の切り欠き41が形成されている。一方、前記バグ本体38の上端部には下クランプリング42が着脱可能に取り付けられ、この下クランプリング42は上、下モールド21、15間に位置するとともに、バグ本体38が下降したとき、下モールド15の内端部に当接することで該下モールド15を下基台12に押付けることができる。
43は下端部が下クランプリング42に気密状態で挟持された屈曲容易で伸長可能な加硫済ゴムからなるブラダであり、このブラダ43の上端部は前記上クランプリング40に気密状態で挟持されている。そして、加硫時に前記ブラダ43の内部に高温、高圧の加熱流体が供給されると、該ブラダ43は未加硫タイヤ内でドーナツ状に膨張し、該未加硫タイヤを閉止が完了した加硫モールド35の型付け面36に内側から押し付ける。
ここで、加硫すべきタイヤの種類が変更されると、これに伴って加硫装置11における加硫モールド35、ブラダ43が対応するものに交換されるが、従来のように予熱しておいた加硫モールドに交換をして加硫を行うようにしても、加熱プレートから取り出した時点から加硫作業の開始までの間にある程度の時間が経過するため、加硫モールドは放熱によって温度が不均一に低下し、この結果、最初の未加硫タイヤに対して適正な加硫を行うには予熱が不十分であり、しかも、次使用の加硫モールドを予熱するために、予熱用の加熱プレートが必要となり、装置全体が構造複雑で高価となってしまうのである。
このため、この実施形態においては、未加硫タイヤの外表面を型付けする閉止状態の加硫モールド35に密着配置された下、上熱板13、20に未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前まで加熱流体を供給することにより、加硫モールド35を加硫に適する温度付近まで予熱している。この結果、予熱が終了した時点、即ち未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前から加硫作業の開始までの間には若干の時間が経過するだけで、加硫モールド35からの放熱は殆どないのである。
このため、加硫作業の開始時における加硫モールド35は全体が加硫に適する温度付近の温度から殆ど低下することなくほぼ均一な温度に保持され、最初の未加硫タイヤから適正な加硫を行うことができる。しかも、下、上熱板13、20は加硫装置11が有しているものをそのまま加硫モールド35の予熱に使用するため、次使用の加硫モールドを予熱するための特別な手段が不要となり、装置全体を構造簡単で安価とすることができる。なお、前記ブラダ43の内部に対しても未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前まで加熱流体を供給するようにしてもよい。
ここで、前述のように下、上熱板13、20に加熱流体を供給することで閉止された加硫モールド35の予熱を行うと、この予熱時にブラダ43が加硫モールド35の型付け面36に直接接触して、該ブラダ43の模様が前記型付け面36に転写されることがあるが、このような加硫モールド35を用いて未加硫タイヤの加硫を行うと、該加硫モールド35の型付け面36に転写されたブラダ43の模様が未加硫タイヤに転写され、加硫済タイヤに外観不良が発生するおそれがある。
このため、この実施形態においては、図1、2、3に示すように、加硫モールド35の予熱時に、ブラダ43と加硫モールド35の型付け面36との間に上、下離隔シート46、47を介在し、これら上、下離隔シート46、47により前記ブラダ43と型付け面36との直接接触を阻止するようにしている。これにより、予熱時におけるブラダ43から加硫モールド35の型付け面36への模様の転写を阻止することができ、この結果、加硫済タイヤの外観不良を防止することができる。
ここで、これらの上、下離隔シート46、47は薄肉、例えば 0.5〜 2.0mm程度で鍔状を呈し、製作費が安価な耐熱性樹脂から構成されている。そして、前述の耐熱性樹脂としては、ブラダ43を傷付けることなく、簡単かつ安価に製作することができるため、ポリアミド樹脂、特にナイロンを用いることが好ましい。なお、他の耐熱性樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、液晶ポリエステル樹脂を挙げることができる。
そして、前記上離隔シート46は、その外径が加硫モールド35の型付け面36のうち、未加硫タイヤの主にサイドウォール部を型付けする型付け面16、22と主にトレッド部を型付けする型付け面34との境界48における直径より、型付け面34の上下方向幅の 1/2程度だけ大径であり、一方、その内径は切り欠き41の側面(半径方向内側面)における外径より僅かに大径である。そして、この上離隔シート46はその半径方向内端部が切り欠き41の下面にブラダ43を介して接触することで上クランプリング40により下方から支持される。また、前記下離隔シート47はその外径が前記境界48における直径より、型付け面34の上下方向幅の 1/2程度だけ大径であり、一方、その内径は、上クランプリング40の外径より若干大径である。
ここで、前記上、下離隔シート46、47には前記境界48と重なる位置近傍に、該境界48に沿って連続して延びる断面略矩形状の折り曲げ溝54が形成されており、この結果、該上、下離隔シート46、47は折り曲げ溝54を中心として加硫モールド35の軸方向内側に向かって折り曲げ可能である。そして、前記折り曲げ溝54を中心として折り曲げられた上、下離隔シート46、47がブラダ43と加硫モールド35との間に介在されていると、該折り曲げ位置より半径方向内側に位置する上、下離隔シート46、47の本体部50、51は、ブラダ43とサイドウォール部型付け面16、22との直接接触を阻止することができる。
一方、前記折り曲げ位置より半径方向外側に位置し加硫モールド35の軸方向内側に向かって折り曲げられた上、下離隔シート46、47の折り曲げ部52、53は、ブラダ43とトレッド部型付け面34との直接接触を阻止することができる。この結果、ブラダ43と加硫モールド35の型付け面36全体との間でブラダ43からの模様の転写を阻止することができ、これにより、加硫済タイヤの外表面全体における外観不良を防止することができる。
そして、前述のように各離隔シート46、47に折り曲げ溝54を形成することで折り曲げ可能とすれば、各離隔シート46、47は容易に折り曲がってブラダ43と加硫モールド35のトレッド部型付け面34との間に各離隔シート46、47の折り曲げ部52、53を確実に侵入介在させることができる。なお、この発明においては、前記折り曲げ溝を形成せず、例えば、上、下離隔シート全体を薄肉とすることにより、離隔シートの前記位置での折り曲げを可能としてもよい。
そして、これら上、下離隔シート46、47の折り曲げ部52、53は、前記セクターモールド33が半径方向内側に移動している際に、セクターモールド33から各離隔シート46、47の外縁(半径方向外端)に付与される外力によって、前記折り曲げ溝54を中心として加硫モールド35の軸方向内側に向かって折り曲げられる。このように、セクターモールド33の半径方向内側への移動により、各離隔シート46、47を折り曲げるようにすれば、これら離隔シート46、47の折り曲げのために特別な装置を設ける必要はなく、これにより、製作費を安価とすることができる。
また、前記上、下離隔シート46、47は加硫モールド35の上モールド21とブラダ43との間、および、下モールド15とブラダ43との間にそれぞれ介在されているため、略同一形状をした一対の離隔シートを用意するだけで、ブラダ43と加硫モールド35の型付け面36全体との直接接触を確実に阻止することができ、この結果、ブラダ43からの転写を容易かつ安価に防止することができる。
なお、前記離隔シート46、47は、その折り曲げ部52、53が加硫モールド35の軸方向内側に若干傾斜するようくせ付けられているため、セクターモールド33が離隔シート46、47に接触したとき、折り曲げ部52、53は確実に加硫モールド35の軸方向内側に折れ曲がるが、この発明においては、前述のようなくせ付けをせず、離隔シート全体を平坦としてもよい。
また、前記離隔シート46、47の折り曲げ部53、54には半径方向に連続して延び周方向に等距離離れた複数の切れ目55が形成されており、この結果、折り曲げ部に切れ目が形成されていない場合と比較して、折り曲げ部53、54をトレッド部型付け面34に容易かつ確実に追従させながら折り曲げることができ、これにより、ブラダ43をトレッド部型付け面34にさらに接近させることができる。なお、図4に示すように、各離隔シート46、47に切れ目を形成しなくてもよいが、この場合には、折り曲げ時における径差の吸収を容易にするため、離隔シート全体を薄肉とすることが好ましい。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前述のような加硫装置11を用いて未加硫タイヤの加硫を行うが、この際の工程は周知であり、説明が煩雑となるので、詳細説明は省略する。そして、加硫すべきタイヤの種類が変更されると、これに伴って加硫装置11における加硫モールド35、ブラダ43を次に加硫するタイヤに対応するものに交換する。なお、このとき、加硫モールド35と共に可動プレート19、アウターリング26、ホルダ28からなるコンテナ56も一体的に交換してもよい。
ここで、次使用の加硫モールド35等は長時間保管ステーションで保管され常温まで温度が低下しているため、最初の未加硫タイヤから適正な加硫を行うには、加硫モールド35を加硫時の温度付近まで均一に予熱しておく必要がある。なお、ブラダ43に関しては、熱容量が加硫モールド35よりかなり小さいので、加硫を開始すると、急速に温度が上昇するので、予熱を行わなくても問題はないが、この実施形態では加硫モールド35に対する予熱により、ブラダ43は必然的に予熱される。
この場合には、一旦、上基台17等を上昇限まで上昇させるが、このとき、可動プレート19を上基台17に対して下降させることで、セクターモールド33を傾斜面27、30の楔作用により同期して半径方向外側に移動させ、上モールド21から離隔させる。これにより、加硫モールド35が開放される。また、このとき、センターポスト39を上昇させるとともに、ブラダ43の内部から流体を排出し、これにより、ブラダ43の上下端部における外径を上、下クランプリング40、42の外径とほほ同径まで縮小するとともに、軸方向中央に向かうに従いその外径を徐々に小径として、ブラダ43を鼓状に変形させる。
次に、作業者が手作業で下離隔シート47をブラダ43の外側に嵌合させながら水平に下降させ下モールド15(型付け面16)上に載置した後、上離隔シート46を切り欠き41の下面上に載置し、上クランプリング40により上離隔シート46を下方から支持させる。次に、上基台17、可動プレート19等を下降させると、この上基台17の下降の途中で上モールド21が上クランプリング40に当接するが、この当接は、センターポスト39を下降させることで、上クランプリング40を上モールド21に当接させながら上基台17と同一速度で下降させる。
次に、可動プレート19、上モールド21、ホルダ28、セクターモールド33、上クランプリング40が下降限まで下降して、ホルダ28が下熱板13、下モールド15に当接すると、前述した上モールド21等の下降が停止するが、その後も継続して上基台17を下降限まで下降させると、上熱板20は可動プレート19に面接触する。このとき、アウターリング26は上基台17と共に下降するので、セクターモールド33は傾斜面27、30の楔作用によって半径方向に同期移動して連続リング状となるとともに上、下モールド21、15に密着し、加硫モールド35が閉止される。これにより、閉止状態の加硫モールド35、詳しくは上モールド21に上熱板20が可動プレート19を介して密着配置される。
このようなセクターモールド33の移動時、該セクターモールド33は上、下離隔シート46、47の外縁に接触して上、下離隔シート46、47を折り曲げ溝54を中心として軸方向内側に折り曲げる。そして、前述した加硫モールド35の閉止時あるいはその前後から上、下熱板20、13に高温の加熱流体を供給し、これら上、下熱板20、13からの熱を伝熱により上、下、セクターモールド21、15、33に伝達して、加硫モールド35およびブラダ43を加硫時の温度近傍まで予熱する。
このとき、ブラダ43は加硫モールド35に囲まれたドーナツ状空間内に侵入しするが、該ブラダ43は、境界48と重なる位置近傍において軸方向内側に折り曲げられた上、下離隔シート46、47により加硫モールド35の型付け面36との直接接触が阻止、詳しくは、本体部50、51によりブラダ43とサイドウォール部型付け面22、16との直接接触が、折り曲げ部52、53によりブラダ43とトレッド部型付け面34との直接接触が阻止される。この結果、予熱時においては、ブラダ43から加硫モールド35の型付け面36への模様の転写が阻止され、これにより、加硫時に加硫モールド35に転写された模様が未加硫タイヤに転写されることがなくなり、加硫済タイヤの外表面全体における外観不良を防止することができる。
そして、前述した上、下熱板20、13に対する加熱流体の供給は未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前まで行われ、これにより、加硫モールド35、ブラダ43は加熱されて加硫に適する温度付近まで均一に予熱される。その後、加硫終了時と同様に上基台17を上昇させて加硫モールド35を開放するが、このとき、上、下熱板20、13に対して加熱流体の供給を停止してもよく、あるいは、継続して供給してもよい。また、このとき、セクターモールド33が半径方向外側に移動するに従い上、下離隔シート46、47は初期のほぼ平坦な形状に復帰する。なお、前述の予熱時間は加硫モールド35の大きさ、材質等に合わせて適宜決定すればよい。
このように、上、下熱板20、13に未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前まで加熱流体を供給すれば、予熱が終了した時点、即ち未加硫タイヤの加硫モールド35への搬入直前から加硫作業の開始までの間には若干の時間が経過するだけで、加硫モールド35からの放熱は殆どなく、この結果、加硫作業の開始時における加硫モールド35は加硫に適する温度付近の温度にほぼ均一に加熱保持され、最初の未加硫タイヤから適正な加硫を行うことができる。しかも、上、下熱板20、13は加硫装置11が有しているものをそのまま加硫モールド35の予熱に使用するため、次使用の加硫モールドを予熱するための特別な手段が不要となり、装置全体を構造簡単で安価とすることができる。
次に、加硫装置11から上、下離隔シート46、47を手早く取り除いた後、未加硫タイヤを加硫装置11(加硫モールド35)に搬入し、その後、加硫モールド35を閉止するとともに、上、下熱板20、13およびブラダ43に高圧、高温の加熱流体を供給して、加硫温度まで温度が上昇した加硫モールド35により未加硫タイヤを加硫して加硫済タイヤとする。
なお、前述の実施形態においては、加硫モールド35を3分割された上、下、セクターモールド21、15、33から構成したが、この発明においては、加硫モールドを2分割された上、下モールドから構成してもよい。また、前述の実施形態においては、加硫モールド35、ブラダ43の交換後における加硫モールド35の予熱に適用したが、この発明は、未加硫タイヤの生産工程でのトラブル、長期休暇による生産工場の停止等によって加硫作業をある程度の期間停止させる場合にも適用することができる。
さらに、この発明においては、アウターリングを熱板としても用い、該アウターリングに加熱流体を供給することで加硫モールドを予熱するようにしてもよい。また、この発明においては、離隔シートを予め折り曲げられた形状で成形してもよい
この発明は、加硫モールドの交換後等に加硫モールドを加硫に適する温度付近まで予熱する産業分野に適用できる。
この発明の実施形態1を示す正面断面図である。 離隔シートの平面図である。 図2のI−I矢視断面図である。 離隔シートの他の例を示す平面図である。
13、20…熱板 15…下モールド
16、22…型付け面 21…上モールド
33…セクターモールド 34…型付け面
35…加硫モールド 36…型付け面
43…ブラダ 46、47…離隔シート
48…境界 50、51…本体部
52、53…折り曲げ部 54…折り曲げ溝
55…切れ目

Claims (6)

  1. 未加硫タイヤの外表面を型付けする閉止状態の加硫モールドに密着配置された熱板に未加硫タイヤの加硫モールドへの搬入直前まで加熱流体を供給することにより、加硫モールドを予熱するようにした加硫モールドの予熱時に、ブラダと加硫モールドの型付け面との間に該ブラダと型付け面との直接接触を阻止する離隔シートを介在させるようにした加硫モールドの予熱方法において、前記離隔シートを、その外径が加硫モールドのサイドウォール部型付け面とトレッド部型付け面との境界における直径より大径である鍔状に形成するとともに、前記境界と重なる位置近傍において離隔シートを軸方向内側に折り曲げ可能とし、該折り曲げ位置より半径方向内側に位置する離隔シートの本体部によりブラダとサイドウォール部型付け面との直接接触を阻止し、前記折り曲げ位置より半径方向外側に位置し軸方向内側に折り曲げられた離隔シートの折り曲げ部によりブラダとトレッド部型付け面との直接接触を阻止するようにしたことを特徴とする加硫モールドの予熱方法。
  2. 前記離隔シートを耐熱性樹脂から構成した請求項記載の加硫モールドの予熱方法。
  3. 前記折り曲げ位置における離隔シートに前記境界に沿って連続して延びる折り曲げ溝を形成することにより、離隔シートを折り曲げ溝を中心として折り曲げ可能とした請求項記載の加硫モールドの予熱方法。
  4. 前記加硫モールドが、下側サイドウォール部型付け面を有する下モールドと、上側サイドウォール部型付け面を有する上モールドと、半径方向に移動可能で半径方向内側端まで移動したとき、上、下モールドに密着する周方向に並べて配置された複数のセクターモールドとから構成されているとき、前記セクターモールドが半径方向内側に移動している際に、セクターモールドから離隔シートの外縁に付与される外力によって、離隔シートの折り曲げ部を軸方向内側に向かって折り曲げるようにした請求項1〜3のいずれかに記載の加硫モールドの予熱方法。
  5. 前記離隔シートを、下モールドとブラダとの間、および、上モールドとブラダとの間にそれぞれ介在させるようにした請求項1〜4のいずれかに記載の加硫モールドの予熱方法。
  6. 前記離隔シートの折り曲げ部に半径方向に延び周方向に離れた複数の切れ目を形成した請求項1〜5のいずれかに記載の加硫モールドの予熱方法。
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