JP5106004B2 - 燃料電池スタックの初期化方法及び初期化装置 - Google Patents

燃料電池スタックの初期化方法及び初期化装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルと呼ばれる単電池を積層した燃料電池スタックを、所定の性能を得るために初期化する初期化方法及び初期化装置に関する。
燃料電池発電システムは、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより、反応ガスのもつ化学的エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。この燃料電池発電システムは、発電の際の電気化学的反応により生成されるものは、水のみであるため、クリーンな発電システムとして期待されている。
さらに、燃料電池発電システムは、比較的小型であるにもかかわらず、高効率で、発電に伴う発熱を温水や蒸気として回収することにより、コージェネレーションシステムとして構成できるという利点もある。
燃料電池発電システムの本体は、電解質膜を挟んで燃料極及び酸化剤極を配設したセルと呼ばれる単電池を、複数積層することにより形成された燃料電池スタックによって構成されている。そして、この電解質膜の違い等により、燃料電池は様々なタイプのものに分類される。
中でも、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池は、低温動作性や高出力密度等の特徴がある。このため、固体高分子形燃料電池は、一般家庭用を視野に入れた小型コージェネレーションシステムや電気自動車用の動力源としての用途に適している。このため、今後、固体高分子形燃料電池の市場規模は、急激に拡大することが予想されている。
また、一般家庭用の小型コージェネレーションシステムは、例えば、改質装置、燃料電池スタック、電気制御装置、廃熱回収系等から構成されている。改質装置は、都市ガスやLPG等に代表される炭化水素系燃料から水素含有ガスを製造する。燃料電池スタックは、改質装置で製造された水素含有ガスが燃料極に、そして大気中の空気が酸化剤極にそれぞれ供給されることにより、起電力を発生させる。電気制御装置は、燃料電池スタックで発生した電気エネルギーを外部負荷に供給する。廃熱回収系は、発電に伴う発熱を回収する。
上記のように、燃料電池発電システムの運転には、燃料ガスの投入が必要となる。このため、燃料投入量に対する発電電力量で定義される発電効率が高いほど、燃料使用量の削減が実現でき、ユーザーメリットが高くなる。したがって、発電効率は、燃料電池発電システムの性能を示す指標となっている。
ここで、燃料電池発電システムにおいて実際に発電機能を担っている燃料電池スタックは、所定の負荷電流における出力電圧が高いほど、高い発電効率が得られる。このため、出力電圧が高い高性能な燃料電池スタックが要求されている。
ところで、固体高分子形燃料電池は、初期的には電極の濡れの進行に伴う三相界面の増加による電池性能の向上、長期的には電極劣化に伴う電池性能の低下が生じる。したがって、製造直後の燃料電池スタックは、予め所定の出力電圧が得られるように、電極の濡れ性を最適化させる燃料電池スタックの初期化操作が必要となる。
かかる初期化操作としては、従来から、燃料電池スタックの発電状態において、燃料電池スタックに接続された負荷装置の電気的負荷を、所定のしきい値まで周期的に変動させる方法(特許文献1〜3を参照)や、所定の発電電圧を段階的に保持する方法(特許文献4を参照)が提案されている。
特開2007−66666号公報 特開2005−340022号公報 特開2005−251396号公報 特開2005−158734号公報
上記のように、燃料電池本体の性能向上のためには電極の濡れの進行に伴う三相界面の増加が必要である。三相界面は、気体、固体、液体の三相から成る界面だが、一般的には、気体は電池本体に供給されるガス、固体は電池本体の電極内の触媒、液体は水ということが考えられている。
このような三相界面の形成は、次のように説明することができる。まず、燃料電池本体における電気化学反応は、以下の通りである。すなわち、燃料極に水素リッチな燃料ガス、酸化剤極に酸化剤ガスをそれぞれ供給すると、単位セルの一対の電極で次に示す電気化学反応がそれぞれ進行し、電極間で起電力が生じる。
燃料極 :2H → 4H+4e ……(1)
酸化剤極:O+4H+4e → 2HO ……(2)
燃料極では、反応式(1)に示すように、供給した水素ガスを水素イオンと電子に解離する(水素酸化反応)。その際、水素イオンは電解質膜を通り、また、電子は外部回路を通り酸化剤極にそれぞれ移動する。一方、酸化剤極では、反応式(2)に示すように、供給した酸化剤ガス中の酸素と上述の水素イオンおよび電子が電気化学的に反応(酸素還元反応)して水を生成する。
三相界面の形成及び増加には、液体が存在し、存在する液体を広げる駆動力が必要である。特許文献1〜4は、上述のような電気化学反応により生成された水を利用して、三相界面の増加を狙った提案である。電気化学反応で水を生成し、電気的な負荷を取ることで電子及び水素イオンが移動する。そして、電極内の水素イオンの移動に伴って水が移動し、電極内を広がっていくことで、三相界面が増加されていくと考えられる。
しかしながら、燃料電池本体においては、電極反応が生じるとともに反応ガスが消費され、反応ガスが供給される流路に沿って反応ガスの濃度が変化するので、燃料電池電極の面内にて反応分布が生じることが知られている。かかる反応分布により、燃料電池電極面内の電流分布が生じ、反応による生成水の分布が生じるため、燃料電池電極面内での三相界面の増加には、面内で偏りが生じることになる。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、燃料電池電極面内での化学反応による電流分布の偏りを緩和し、電極の濡れ性を効果的に最適化する燃料電池スタックの初期化方法ならびに初期化装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、電解質膜を挟んで燃料極及び酸化剤極を配設した単電池が複数積層された燃料電池スタックの初期化方法において、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池スタックに供給する際に、反応ガスの入口部と出口部を切り替えながら、少なくとも2つの水準の電流負荷による負荷サイクルを、燃料電池スタックに与え、電流負荷サイクルにおける低電流密度側で、燃料電池スタックにおける燃料ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに燃料ガスを供給し、電流負荷サイクルにおける高電流密度側で、燃料電池スタックにおける酸化剤ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給することを特徴とする。

以上のような本発明では、反応ガス供給時に反応ガスの供給方向を切り替え、入り口部と出口部とを交互に変化させることにより、電極面内の電流分布が変化し、電極面内での反応生成水の偏りが緩和される。したがって、三相界面が面内で均一に形成され、良好な初期特性を得ることができる。
以上のような本発明によれば、燃料電池電極面内での化学反応による電流分布の偏りを緩和し、電極の濡れ性を効果的に最適化する燃料電池スタックの初期化方法ならびに初期化装置を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態とする)を、図面を参照して、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
本発明の燃料電池スタックの初期化装置及び初期化方法の第1の実施形態を説明する。
まず、本実施形態の構成を、図1の概念図を参照して説明する。すなわち、本実施形態の初期化装置は、図1に示すように、燃料電池スタック1に連通するガス供給口に接続された燃料ガス供給配管2(2a〜2g)、酸化剤ガス供給配管3(3a〜3g)、燃料ガス供給方向切り替え弁(バルブ)4(4a〜4c)、酸化剤ガス供給方向切り替え弁(バルブ)5(5a〜5c)、および燃料電池スタック1の集電端子に接続された電子負荷装置6によって構成されている。
ガス供給口は、反応ガスの入口部と出口部となるが、反応ガスの流通方向によって、入口部と出口部は入れ替わる。つまり、燃料ガス供給配管2に接続されたガス供給口は、燃料ガスの入口部としても出口部としても機能する。酸化剤ガス供給配管3に接続されたガス供給口は、酸化剤ガスの入口部としても出口部としても機能する。
なお、図示はしないが、プログラムにより制御されるコンピュータにより若しくは専用の電子回路により、燃料ガス供給方向切り替え弁4、酸化剤ガス供給方向切り替え弁5及び電子負荷装置6を制御する制御装置が設けられている。
この制御装置は、燃料ガス供給方向切り替え弁4の切り替えを制御する燃料ガス切り替え制御部、酸化剤ガス供給方向切り替え弁5の切り替えを制御する酸化剤ガス切り替え制御部、電子負荷装置6を制御する負荷制御部を有している。また、制御装置は、電流、電位等の検知手段、タイマによる時間の計測手段、電流、電位のしきい値や設定時間等、各種設定の記憶手段等を有している。
[作用]
次に、上記のような構成を有する本実施形態による初期化方法を、図2を参照して説明する。まず、概要としては、本実施形態の初期化方法は、燃料電池スタック1に電子負荷装置6により一定負荷を印加し、燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガスの入口部と出口部とを切り替えることにより、初期化を行うものである。
ここで、図2に示したガス供給方向の+(プラス)は、初期酸化剤ガス供給方向を示し、−(マイナス)は、その逆方向を示す。例えば、初期酸化剤供給方向が、図1に示した3a→3b→3c→3d→3eという場合には、−(マイナス)は、3a→3f→3d→3c→3gという方向で酸化剤ガスが供給される。切り替えは、酸化剤ガス供給切り替え弁5a〜5cにより行う。
次に、初期化方法の手順の詳細を説明する。まず、燃料電池スタック1とガス系配管、電気系配線の接続を行った後、燃料ガス供給配管2a 、酸化剤ガス供給配管3aに窒素ガスNを流し、燃料電池スタック1を窒素パージする。この際、燃料ガス供給配管が2a→2b→2c→2d→2eと連通するように、燃料ガス供給切り替え弁4a〜4cを設定し、窒素ガスが2aから入って2eに排出されるようにする。また、酸化剤ガス供給配管が3a→3b→3c→3d→3eと連通するように、酸化剤ガス切り替え弁5a〜5cを設定し、窒素ガスが3aから入って3eに排出されるようにする。
燃料電池スタック1のパージが終了した後、燃料ガス供給配管2に供給する窒素ガスを、水素ガスに切り替え、燃料電池スタック1の平均電圧が150mV以下に低下したところで、酸化剤ガス供給配管3に供給されるガスを、窒素ガスから空気に切り替える。本実施形態の概念図では、窒素ガス、反応ガスの切り替え動作は、図示を省略しているが、弁の一般的な切り替え機能により、ガスの切り替えは簡便に行うことができる。
ここで、例えば、水素供給量は、電流密度0.8A/cmにおける燃料利用率70%相当とし、空気供給量は、電流密度0.8A/cmにおける燃料利用率40%相当とする。そして、酸化剤開回路電圧の状態を30秒間保持した後、電子負荷装置6により、燃料電池スタック1に電流密度0.8A/cm相当の電流を印加し、60分間保持する。
このように、電子負荷装置6の印加電流を保持したまま、10分ごとに酸化剤ガス供給切り替え弁5a〜5cを切り替えて、空気の供給方向をプラス、マイナスと切り替え、合計5回の切り替え操作をおこなう。一方、比較例1として、酸化剤ガスの供給方向を変えずに電流密度0.8A/cm相当の電流を印加し、60分間保持する初期化方法を行った。
[効果]
以上のような本実施形態の効果を、発電試験の結果である図3に基づいて説明する。発電試験は、燃料ガスに改質模擬ガスを用いて水素利用率80% 、酸化剤ガスには空気を用いて、酸素利用率50%で行った。図3は、上記の本実施形態の初期化方法を用いた燃料電池スタックAと、比較例1の燃料電池スタックの初期化操作後の電流密度0.2A/cmにおける平均電圧を示す。
この図3から明らかな通り、燃料電池スタックAは電流密度0.2A/cmにおいて、780mVの平均電圧を示し、比較例1では、電流密度0.2A/cmにおいて、760mVの平均電圧を示した。したがって、燃料電池スタック1の酸化剤ガスの入り口部と出口部とを切り替えて初期化操作を行うことにより、初期化操作後の平均電圧が高くなることがわかる。
このような平均電圧の向上効果は、電流印加時に、酸化剤ガスの供給方向を切り替え、入り口部と出口部とを交互に変化させると、燃料電池電極面内の電流分布が変化し、電極面内での反応生成水の偏りが緩和されるため、燃料電池電極の三相界面が面内で均一に形成されることによるものと考えられる。
また、酸化剤ガスの出口部は、生成水による湿度が高くなる。このため、酸化剤ガスの入口部と出口部が入れ替わることにより、双方に加湿効果が期待でき、電極面内の水分分布が均一化するので、平均電圧が高くなる効果が得られると考えられる。
以上のことから、本実施形態によれば、電流印加時に酸化剤ガスの供給方向を切り替えることにより、燃料電池電極面内で均一な三相界面を形成することができるので、良好な初期特性を得ることが可能となる。
[第2の実施形態]
[作用]
本発明の燃料電池スタックの初期化方法の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、燃料電池スタック1に印加する負荷を時間とともに変化させる負荷サイクルにおいて、低電流負荷時に燃料ガスの入り口部と出口部を切り替え、高電流負荷時に酸化剤ガスの入り口部と出口部を切り替えるものである。入り口部と出口部とを切り替える手段は、第1の実施形態の初期化装置と同様の装置を用いることにより実現できる。
次に、初期化方法の手順の詳細を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の手順については、説明を簡略化する。すなわち、第1の実施形態と同様に、燃料電池スタック1の窒素パージを行う。その後、燃料ガス供給配管2に供給するガスを、水素ガスに切り替え、燃料電池スタック1の平均電圧が150mV 以下に低下したところで、酸化剤ガス供給配管3に供給されるガスを、空気に切り替える。水素供給量及び空気供給量の一例は、上述の通りである。
そして、酸化剤開回路電圧の状態を30秒間保持した後、電子負荷装置6により、燃料電池スタックに電流密度0.8A/cm相当の電流を印加し、5分保持した後に、電子負荷装置6の印加電流を電流密度0.1A/cm相当に切り替える。この負荷サイクルを1サイクルとして、6サイクルの負荷変動を行う。
上記負荷サイクル中において、電流密度0.8A/cm相当の電流を印加してから2.5分後には、酸化剤ガス供給切り替え弁5a〜5cを切り替えて、酸化剤ガス供給配管3が3a→3f→3d→3c→3gと連通するようにし、ガスの供給方向を切り替える。
また、上記負荷サイクル中において、電流密度0.1A/cm相当の電流を印加してから2.5分後には、電流負荷を0.1A/cmとしたときに、燃料ガス供給切り替え弁4a〜4cを切り替えて、燃料ガス供給配管2が2a→2f→2d→2c→2gと連通するようにし、ガスの供給方向を切り替える。燃料ガス、酸化剤ガスの供給方向の切り替えは5分ごとに行う。一方、比較例2として、酸化剤ガスの供給方向を変えずに負荷サイクルを6サイクル行うことにより燃料電池スタックの初期化を行った。
[効果]
以上のような本実施形態の効果を、発電試験の結果である図5に基づいて説明する。発電試験は、燃料ガスに改質模擬ガスを用いて水素利用率80% 、酸化剤ガスには空気を用いて、酸素利用率50%で行った。図5は、上記の本実施形態の初期化方法を用いた燃料電池スタックBと、比較例2の燃料電池スタックの初期化操作後の電流密度0.2A/cmにおける平均電圧を示す。
この図5から明らかな通り、燃料電池スタックBは電流密度0.2A/cmにおいて、790mVの平均電圧を示し、比較例2では、電流密度0.2A/cmにおいて、770mVの平均電圧を示した。したがって、燃料電池スタック1の反応ガスの入り口部と出口部とを切り替えて初期化操作を行った方が、反応ガスの供給方向を一定として初期化操作を行った場合よりも、平均電圧が高くなることがわかる。
このような効果が得られるのは、以下のような要因によるものといえる。
(1) 燃料ガス供給切り替え弁4による燃料ガスの入口部と出口部との切り替えを、負荷サイクルの低電流密度域で行うことにより、切り替え時の一時的な燃料欠乏を抑制することができ、燃料電池スタック1における燃料極の腐食を抑制しつつ、効果的な初期化を行うことができる。
(2) 酸化剤ガス供給切り替え弁5による酸化剤ガスの入口部と出口部との切り替えを、負荷サイクルの高電流密度側で行うことにより、切り替え時の一時的な酸化剤不足による電圧変化が大きく、電極材料の親水化が有効に行われる。
(3) 電流印加時に酸化剤ガスの供給方向を切り替えることにより、酸化剤ガスの入り口部と出口部が交互に変化するので、燃料電池電極面内の電流分布が変化し、電極面内での反応生成水の偏りが緩和され、燃料電池電極の三相界面が面内で均一に形成される(第1の実施形態と同様)。
(4) 負荷サイクルをかけることにより、一定負荷での初期化より特性が向上しているのは、負荷サイクルによる電圧変化によって、電極材料の親水化が進むため、電池特性が高くなることによるものである。
以上のことから、本実施形態によれば、負荷サイクル時に燃料ガスの入口部と出口部を切り替え、酸化剤ガスの入口部と出口部とを切り替えることによって、燃料電池電極面内で均一な三相界面の形成がなされ、良好な初期特性を得ることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の第1の実施形態においては、酸化剤ガスの入口部と出口部の切り替えのみについて示したが、燃料ガスの入口部と出口部を電流負荷時に切り替えても、電極面内の電流分布の変化が見られ、同様な効果が得られる。また、初期化操作における電流負荷時に、燃料ガス及び酸化剤ガスの入口部と出口部とを両方切り替えても同様な効果が得られる。第2の実施形態はその一例である。
また、例えば、電流、電位、設定時間等の具体的な数値は、上記の実施形態で例示したものには限定されない。また、上記の実施形態で示した初期化装置は、本発明の初期化方法を実現するための装置の一例に過ぎない。したがって、例えば、ラインの配管の数や構成、弁の数等についても、他の態様により実現可能である。さらに、本発明は、固体高分子形燃料電池には限定されず、初期化を必要とする燃料電池に広く適用可能である。
本発明の燃料電池スタックの初期化装置の実施形態を示す概念図 本発明の燃料電池スタックの初期化方法の第1の実施形態における負荷と反応ガス供給方向の関係を示す説明図 本発明の第1の実施形態における初期化後の電池電圧と比較例の電池電圧とを示す説明図 本発明の燃料電池スタックの初期化方法の第2の実施形態における負荷と反応ガス供給方向の関係を示す説明図 本発明の第2の実施形態における初期化後の電池電圧と比較例の電池電圧とを示す説明図
符号の説明
1…燃料電池スタック
2,2a〜2g…燃料ガス供給配管
3,3a〜3g…酸化剤ガス供給配管
4,4a〜4c…燃料ガス供給切り替え弁
5,5a〜5c…酸化剤ガス供給切り替え弁
6…電子負荷装置

Claims (2)

  1. 電解質膜を挟んで燃料極及び酸化剤極を配設した単電池が複数積層された燃料電池スタックの初期化方法において、
    反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池スタックに供給する際に、反応ガスの入口部と出口部を切り替えながら、少なくとも2つの水準の電流負荷による負荷サイクルを、燃料電池スタックに与え
    電流負荷サイクルにおける低電流密度側で、燃料電池スタックにおける燃料ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに燃料ガスを供給し、
    電流負荷サイクルにおける高電流密度側で、燃料電池スタックにおける酸化剤ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給することを特徴とする燃料電池スタックの初期化方法。
  2. 電解質膜を挟んで燃料極及び酸化剤極を配設した単電池が複数積層された燃料電池スタックの初期化装置において、
    燃料電池スタックにおける反応ガスの入口部及び出口部を切り替える切り替え手段と、
    燃料電池スタックに接続された負荷装置と、
    前記切り替え手段及び前記負荷装置を制御する制御手段と、を有し、
    反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池スタックに供給する際に、反応ガスの入口部と出口部を切り替えながら、少なくとも2つの水準の電流負荷による負荷サイクルを、燃料電池スタックに与え、
    電流負荷サイクルにおける低電流密度側で、燃料電池スタックにおける燃料ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに燃料ガスを供給し、
    電流負荷サイクルにおける高電流密度側で、燃料電池スタックにおける酸化剤ガスの入口部と出口部とを切り替えながら、燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給することを特徴とする燃料電池スタックの初期化装置。
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