JP5105521B2 - 電線に対する圧着端子の圧着構造 - Google Patents

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本発明は、底板部と、該底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで電線の導体を底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片と、を有する断面U字状の導体圧着部を備えた圧着端子を電線に対した圧着した圧着構造、および、その圧着構造を実現するのに適した圧着端子に関する。
一般に、圧着端子の後端部には、断面U字状の導体圧着部が設けられると共に、その更に後側には被覆加締部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。従来の圧着端子の導体圧着部は、共通の端子底板部の左右両側縁に、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで、導体を端子底板部の上面に密着状態で加締める一対の導体加締片(バレルとも言われる。)を起立形成したものである。
特開2005−174896号公報
ところで、自動車の車内に配索されるワイヤーハーネスには銅電線を使用するのが一般的であり、導電性や強度等の特性(物性)に劣るアルミニウム電線は、使用が困難であり、あまり使われたことがない。しかしながら、近年、車両の軽量化およびそれによる低燃費化と、リサイクル性に鑑みて、アルミニウム電線の使用に関する要望が高まっている。
アルミニウム電線を使用する場合、銅電線との物性に違いにより、従来の端子をそのまま使用すると、問題が生じやすいことが分かってきた。例えば、アルミニウム電線のアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体は、銅電線の銅製の導体よりも強度が低い(小さい)ので、アルミニウム電線の導体に導体圧着部を過圧着すると、図5に示すように、導体加締片3bの先端部3cが端子底板部3aに底付きし(即ち、端子底板部3aに直接接触したり、端子底板部3aに過度に近づいた位置まで食い込むこと。)、固着力が低下するという問題が起きやすい。また、端子底板部3a付近におけるアルミニウム電線のアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体10に対する押え付け箇所が、導体加締片3bの先端のみに集中するので、接触荷重の大きい範囲(図5中に矢印で示す。)が狭くなり、それだけ接触導通性の減少要因になりやすい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、導体に対する固着力のアップと接触導通性能のアップを図ることのできる、電線に対する圧着端子の圧着構造、および、その圧着構造を実現するのに好適な圧着端子を提供することにある。
本発明者は、上記の問題が起こりやすくなる構造について研究し分析したところ、次のような寸法的な傾向がある場合に上記の問題が起こりやすくなることが分かった。これについて引き続き図5を参照して説明する。
即ち、両方の導体加締片3bを、加締治具の下型と上型を用いて、導体10を包み込むように内側に曲げた際に、両導体加締片3bの先端部3cが、互いの外面を擦り合わせながら端子底板部3aに向けて近接した後に、やや外側を向けて開くのであるが、その状態での、両導体加締片3bの重なり部分の端子底板部3aに最も近い点P1と、両導体加締片3bの先端の端子底板部3aに最も近い点P2との間の端子底板部3aに垂直な方向の高さLhに比べて、両導体加締片3bの2つの点P2の間の距離Lwが小さくなるときに(つまり、Lh>Lwのときに)、上記の問題が起こりやすくなることが分かった。
これは、Lh>Lwのときには、導体加締片3bの先端部3cで導体10を端子底板部3aに押し付ける面積が小さくなり、端子底板部3aと導体10の間の接触荷重の大きい範囲が狭くなるからだと考えられる。また、導体加締片3bの先端部3cで導体10を端子底板部3aに押し付ける面積が小さくなることによって、導体加締片3bの先端部3cと端子底板部3aの間の距離Lsが小さくなり、導体加締片3bの底突きが起きやすくなるからだと考えられる。尚、Lh=Lwであっても、上記の問題を解消できないことも分かった。
そこで、上述した目的を達成するために、本発明に係る圧着構造は、下記(1)〜()を特徴としている。
(1) 底板部と、該底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片と、を有する断面U字状の導体圧着部を備えた圧着端子の前記導体圧着部が、前記電線の導体に電気的に接続するように圧着された圧着構造であって、
前記導体加締片が、それらの外面を部分的に接触させながら内側にそれぞれ曲げられており、
前記導体加締片それぞれの先端部が前記底板部に近接配置され且つ前記導体加締片それぞれの先端近傍の内面に圧着端子の長手方向に沿って形成された直線状の溝の所で該溝に沿って互いに前記導体加締片の並び方向外側を向くように反対向きに折れ曲がるように屈曲された状態で、前記導体に食い込むことによって
前記導体加締片それぞれの外面の互いに接触している部分における前記底板部に最も近い点をP1、そして前記導体加締片それぞれの先端の前記底板部に最も近い点をそれぞれP2としたとき、
前記点P2から前記点P1までの前記底板部に垂直な方向の高さLhと、前記導体加締片それぞれの2つの前記点P2間の距離Lwとの間に次式
Lh<Lw … (A)
の関係が成り立っていること。
(2) 上記(1)の構成の圧着構造において、
前記溝が、前記圧着端子の長手方向の前記導体加締片の一側縁から他側縁まで連続して形成されていること。
(3) 上記(1)又は(2)の構成の圧着構造において、
前記電線が、前記導体としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であること。
上記(1)の構成の圧着構造では、導体加締片がそれぞれ導体を包み込むように内側に曲げられる際、導体加締片の先端部が、互いの外面を擦り合わせながら底板部に向けて近接した後に、互いに導体加締片の並び方向外側を向くように反対向きに曲がって導体に食い込んでおり、しかも、擦り合わせにより導体加締片の外面が互いに重なり合っている部分(即ち、互いに接触している部分)における底板部に最も近い点P1と、両導体加締片の先端の底板部に最も近い点P2との間の高さLhよりも、両導体加締片の2つの前記点P2間の距離Lwの方が大きくなっている(Lh<Lw)ので、導体加締片の先端部が導体を底板部に押し付ける面積が広くなると共に、その面積が広がることによる導体の反発力の増大により、導体加締片の先端部と底板部の間の距離が大きくなる。
そのため、底板部と導体との間の接触荷重の大きい範囲を広げることができて、接触抵抗の減少に貢献できると共に、過圧着しても、導体加締片の先端部が底板部に底付きするのを防止することができ、固着力の低下を抑制することができる。また、外向きに屈曲した導体加締片の先端部がフックの役目を果たすようになるので、導体加締片のスプリングバックを抑止することができる。
また、導体加締片それぞれの先端近傍の内面に圧着端子の長手方向に沿って形成された直線状の溝が設けられており、導体加締片がそれぞれ導体を包み込むように内側に曲げられる際に、導体加締片の先端部がそれぞれ導体を突き刺しながらの所で該に沿って外向きに屈曲するので、たとえ導体圧着部が導体に過圧着しても、上記Lh<Lwの条件を容易にしかも高い確実性を持って満たすことができる。
更に、導体加締片の内面の溝の所で該溝に沿って導体加締片の先端部が折れ曲がるように曲がり、きれいに曲げることができ、溝の所で導体加締片の先端部が破断するようなおそれもない。また、圧着端子の導体加締片の先端近傍の内面に溝を追加するだけであるから、圧着端子の内面にセレーションをプレス加工する際に同時に加工することができ、加工負担がほとんど増えない。
上記()の構成の圧着構造によれば、溝が、圧着端子の長手方向の導体加締片の一側縁から他側縁まで連続して形成されているので、両側縁まで均一に曲げることができる。
上記()の構成の圧着構造によれば、電線としてアルミニウム電線を使用しているので、特に有効な効果を奏することができる。尚、上記()の構成のようなアルミニウム電線に対する固着力のアップと接触導通性能のアップを図ることができる圧着構造は、車両の軽量化およびそれによる低燃費化を図るのに好適なものであり、またリサイクルの点でも好適である。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る圧着端子は、下記(7)〜(10)を特徴としている。
(7) 底板部と、該底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片と、を有する断面U字状の導体圧着部を備えた圧着端子であって、
前記導体加締片それぞれの先端近傍の内面または外面に形成された曲げ起点部を更に備え、
前記導体加締片がそれぞれ前記導体を包み込むように内側に曲げられる際に、前記導体加締片の先端部がそれぞれ前記導体を突き刺しながら前記曲げ起点部の所で該曲げ起点部に沿って外向きに屈曲すること。
(8) 上記(7)の構成の圧着端子において、
前記曲げ起点部が、前記導体加締片の先端近傍の内面に圧着端子の長手方向に沿って形成された直線状の溝であること。
(9) 上記(8)の構成の圧着端子において、
前記溝が、前記圧着端子の長手方向の前記導体加締片の一側縁から他側縁まで連続して形成されていること。
(10) 上記(8)の構成の圧着端子において、
前記溝が、前記圧着端子の長手方向の前記導体加締片の一側縁に近接する位置から、前記圧着端子の長手方向の前記導体加締片の他側縁に近接する位置まで形成され、そして
前記圧着端子の長手方向の前記溝の一端と前記導体加締片の前記一側縁との間、および前記圧着端子の長手方向の前記溝の他端と前記導体加締片の前記他側縁との間に、非溝形成部が残されていること。
上記(7)の構成の圧着端子によれば、導体加締片それぞれの先端近傍の内面または外面に曲げ起点部が設けられており、導体加締片がそれぞれ導体を包み込むように内側に曲げられる際に、導体加締片の先端部がそれぞれ導体を突き刺しながら曲げ起点部の所で該曲げ起点部に沿って外向きに屈曲するので、たとえ導体圧着部が導体に過圧着しても、曲げ起点部の所で導体加締片の先端部が外方向へ曲がる。そのため、たとえ導体圧着部が導体に過圧着しても、上記(1)の圧着構造における「Lh<Lw」の条件を容易にしかも高い確実性を持って満たすことができ、上記(1)の圧着構造による効果を奏することができる。
上記(8)の構成の圧着端子によれば、曲げ起点部が、導体加締片の先端近傍の内面に圧着端子の長手方向に沿って形成された溝であるので、圧着端子の内面にセレーションをプレス加工する際に同時に加工することができ、加工負担がほとんど増えない。また、導体加締片の内面の溝の所で導体加締片の先端部が折れ曲がるので、きれいに曲げることができ、溝の所で導体加締片の先端部が破断するようなおそれもない。
上記(9)の構成の圧着端子によれば、溝が、圧着端子の長手方向の導体加締片の一側縁から他側縁まで連続して形成されているので、両側縁まで均一に曲げることができる。
上記(10)の構成の圧着端子によれば、溝が、圧着端子の長手方向の導体加締片の一側縁に近接する位置から、圧着端子の長手方向の導体加締片の他側縁に近接する位置まで形成され、そして圧着端子の長手方向の溝の一端と導体加締片の一側縁との間、および圧着端子の長手方向の溝の他端と導体加締片の他側縁との間に、非溝形成部が残されているので、溝の長さと非溝形成部の長さの割合により、導体加締片の先端部の曲がり易さを調整することができる。
本発明によれば、電線に対する固着力のアップと接触導通性能のアップを図ることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は実施形態の圧着構造の構成を示す要部断面図、そして図1(b)および(c)はその効果の説明用の要部断面図である。また、図2(a)は実施形態の圧着構造を実現するのに好適な圧着端子の構成を示す斜視図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb矢視断面図、図3(a)および(b)は線打ち溝の各例を示す部分斜視図、そして図4は図3(a)および(b)のいずれかの線打ち溝を持つ圧着端子を導体に圧着した状態を示す断面図である。
図1(a)に示す圧着構造は、図2(a)に例として示されるような圧着端子1の導体圧着部3を導体10に加締めることによって形成されている。導体圧着部3は、端子底板部3aと、該端子底板部3aの左右両側縁から上方に延長するように起立形成され且つ、接続すべき電線の導体10を包み込むように内側に曲げられることで電線の導体10を端子底板部3aの上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片3bと、を有する断面U字状の部分である。ここで例として挙げる電線はアルミニウム電線であり、導体10はアルミニウム製の導体である。
左右の導体加締片3bはそれぞれ、電線の導体10を包み込むように内側に曲げられた際、両導体加締片3bの先端部3cが、互いの外面を擦り合わせながら端子底板部3aに向けて位置的に近接した後に、互いの導体加締片3bの並び方向(左右方向)外側を向くように反対向きに曲がって電線の導体10に食い込んでいる。
そして、擦り合わせにより導体加締片3bの外面が互いに重なり合っている部分(即ち、接触している部分)における端子底板部3aに最も近い点をP1、両導体加締片3bの先端の端子底板部3aに最も近い点(実質的に角である。)をP2としたとき、前記点P2から点P1までの端子底板部3aに垂直な方向の高さLhと、両導体加締片3bの2つの前記点P2間の距離Lwとの間に次式
Lh<Lw … (A)
の関係が成り立っている。
この圧着構造によれば、上記(A)式の関係が成り立っていることにより、図1(b)に示すように、導体加締片3bの先端部3cが電線の導体10を端子底板部3aに押し付ける面積(図中矢印で示す力のかかる面積)が広くなる。また、その面積が広がることによる電線の導体10の反発力の増大により、図1(c)に示すように、導体加締片3bの先端部3cと底板部3aの間の距離Lsが大きくなる。
そのため、端子底板部3aと電線の導体10との間の接触荷重の大きい範囲を広げることができて、接触抵抗の減少に貢献できると共に、過圧着しても、導体加締片3bの先端部3cが端子底板部3aに底付きするのを防止することができ、固着力の低下を抑制することができる。また、外向きに屈曲した導体加締片3bの先端部3cがフックの役目を果たすようになるので、導体加締片3bのスプリングバックを抑止することができる。
次に、図1に示す圧着構造を実現するのに好適な圧着端子の例を図2(a)〜図4を用いて説明する。
図2(a)に示すように、この圧着端子1は、その長手方向前端部に相手方端子と接触して電気的に接続するための端子接続部2を備える。更に、この圧着端子1は、その長手方向後端部に、電線の被覆を除去することにより露出された導体を圧着するための導体圧着部3と、該導体圧着部3の更に後ろに設けられた、被覆の付いた電線の部分を加締めるための被覆加締部4と、を備える。
導体圧着部3は、図2(b)にも示すように、端子底板部3aと、該端子底板部3aの左右両側縁から上方に延長するように起立形成され且つ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで電線の導体を端子底板部3aの上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片3bと、を有する断面U字状の部分である。各導体加締片3bの先端近傍の内面には、図4に示すように、導体10を包み込むように導体加締片3bが内側に曲げられる際に、導体加締片3bの先端部3cを外向きに屈曲するよう誘導する曲げ起点部としての線打ち溝6が設けられている。
線打ち溝6は、プレスの際に直線状に打刻された浅い溝であり、導体加締片3bそれぞれの先端近傍の内面に、圧着端子1の長手方向に沿って形成されている。線打ち溝6は、図3(a)に示すように、導体加締片3bの、圧着端子1の長手方向の一側縁に近接する位置から、導体加締片3bの、圧着端子1の長手方向の他側縁に近接する位置まで形成され、線打ち溝6の、圧着端子1の長手方向の両端の外側に非溝形成部6aが残されているタイプのものでもよいし、或いは図3(b)に示すように、導体加締片3bの、圧着端子1の長手方向の一側縁から他側縁まで連続して形成されているタイプのものでもよい。
導体圧着部3の内面の端子底板部3aから、両導体加締片3bの先端部3c(線打ち溝6)に近い位置までの領域には、圧着端子1の長手方向と直交する方向に延びるセレーション5が圧着端子1の長手方向に間隔をおいて3本設けられている。
このような構成の圧着端子1を、例えば本実施形態のようにアルミニウム電線に圧着固定するには、まず、電線の一端部に絶縁被覆を除去してアルミニウム製の導体(即ち、撚線等といった形態の複数のアルミニウム製の素線の束からなる導体)を露出させた部分を形成し、露出した導体を導体圧着部3の端子底板部3a上に載置し、被覆の付いた部分を被覆加締部4に位置決めする。そして、圧着治具を用いて、一対の導体加締片3bを、図4に示すように、導体10を包み込むように内側に曲げて加締めることにより、端子1の導体圧着部3を導体10に圧着接続する。同時に、導体の外周面に被覆が付いた電線の部分が、被覆加締部4により加締められる。
上述のとおり、導体加締片3bの先端近傍の内面それぞれには曲げ起点部としての線打ち溝6が形成されている。このため、導体加締片3bが導体10を包み込むようにそれぞれ内側に曲げられる際に、導体加締片3bの先端部3cがそれぞれ導体10を突き刺しながら線打ち溝6の所で該線打ち溝6に沿って外向きに屈曲される。従って、たとえ導体圧着部3を導体10に過圧着した場合でも、導体加締片3bの先端部3cがそれぞれ線打ち溝6の所で導体加締片3b,3bの並び方向外側に反対に向くように曲げられて導体10に食い込む。
その結果、擦り合わせにより導体加締片3bの外面が互いに重なり合っている部分における端子底板部3aに最も近い点P1と、両導体加締片3bの先端の端子底板部3aに最も近い点P2との間の高さLhと、両導体加締片3bの2つの点P2間の距離Lwとの間に
Lh<Lw
の関係が成り立つことになる。
そのため、導体加締片3bの先端部3cが、従来例のように端子底板部3aに底付きするのを防止することができ、固着力の低下を抑制することができる。また、外向きに屈曲した導体加締片3bの先端部3cが、導体10に横向きに食い込むことにより、フックの役目を果たすようになるので、例えば、銅製あるいは銅合金製の端子1の導体加締片3bのスプリングバックを抑止することができる。また、導体加締片3bの先端部3cが外向きに折れ曲がることで、端子底板部3a付近における導体10に対する押え付け箇所が、導体加締片3bの先端部3cの外側面となるので、接触荷重(図4中矢印で示す。)の大きい範囲を広げることができ、接触抵抗の減少に貢献できる。
また、本実施形態の場合、曲げ起点部が、導体加締片3bの先端近傍の内面に圧着端子1の長手方向に沿って形成された線打ち溝6で構成されているので、導体圧着部3の内面にセレーション5をプレス加工する際に同時に線打ち溝6を加工することができ、加工負担がほとんど増えない。また、導体加締片3bの内面の直線状の線打ち溝6の所で導体加締片3bの先端部3cを折り曲げることができるので、きれいに曲げることができ、線打ち溝6の所で導体加締片3bの先端部3cが破断してしまうようなおそれもない。
ここで、図3(a)に示すように、線打ち溝6が、導体加締片3bの一側縁に近接する位置から他側縁に近接する位置まで形成され、線打ち溝6の両端の外側に非溝形成部6aが残されているタイプの場合は、線打ち溝6の長さと非溝形成部6aの長さの比率(割合)を変更することにより、導体加締片3bの先端部3cの曲がり易さを調整することができる。
また、図3(b)に示すように、線打ち溝6が、導体加締片3bの一側縁から他側縁まで連続して形成されている場合は、導体加締片3bの先端部3cを両側縁まで均一に曲げることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上述した実施形態では、線打ち溝6を導体加締片3bの内面に形成しているが、外面に形成してもよい。また、曲げ起点部として、線打ち溝6の代わりに、折り曲げを誘導する手段を設けてもよい。
また、上述した実施形態では、アルミニウム製の導体10を有するアルミニウム電線に圧着端子1の導体圧着部3を圧着する形態であったが、例えば、銅製または銅合金製の導体を有する銅電線等といった他の種類の電線への圧着固定にも本発明の圧着端子や圧着構造は有用である。
また、本発明は、アルミニウム電線の導体10をアルミニウム合金製としても上述と同様に実施でき、上述と同様な作用および効果を奏することができる。当該アルミニウム合金の好ましい具体例としては、アルミニウムと鉄との合金を挙げることができる。この合金を採用した場合、アルミニウム製の導体に比べて、延び易く、強度(特に引っ張り強度)を増すことができる。
図1(a)は実施形態の圧着構造の構成を示す要部断面図、そして図1(b)および(c)はその効果の説明用の要部断面図である。 図2(a)は本発明の実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図、そして図1(b)は図1(a)のIIb−IIb矢視断面図である。 図3(a)および(b)は線打ち溝の各例を示す部分斜視図である。 図3(a)または図3(b)の線打ち溝を持つ圧着端子を導体に圧着した状態を示す断面図である。 従来の圧着端子を用いた圧着部分の断面図である。
符号の説明
1:圧着端子
3:導体圧着部
3a:端子底板部
3b:導体加締片
3c:先端部
5:セレーション
6:線打ち溝(曲げ起点部)
10:導体

Claims (3)

  1. 底板部と、該底板部の両側縁から上方に延長し且つ、接続すべき電線の導体を包み込むように内側に曲げられることで前記導体を前記底板部の上面に密着した状態となるように加締める一対の導体加締片と、を有する断面U字状の導体圧着部を備えた圧着端子の前記導体圧着部が、前記電線の導体に電気的に接続するように圧着された圧着構造であって、
    前記導体加締片が、それらの外面を部分的に接触させながら内側にそれぞれ曲げられており、
    前記導体加締片それぞれの先端部が前記底板部に近接配置され且つ前記導体加締片それぞれの先端近傍の内面に圧着端子の長手方向に沿って形成された直線状の溝の所で該溝に沿って互いに前記導体加締片の並び方向外側を向くように反対向きに折れ曲がるように屈曲された状態で、前記導体に食い込むことによって
    前記導体加締片それぞれの外面の互いに接触している部分における前記底板部に最も近い点をP1、そして前記導体加締片それぞれの先端の前記底板部に最も近い点をそれぞれP2としたとき、
    前記点P2から前記点P1までの前記底板部に垂直な方向の高さLhと、前記導体加締片それぞれの2つの前記点P2間の距離Lwとの間に次式
    Lh<Lw … (A)
    の関係が成り立っていることを特徴とする電線に対する圧着端子の圧着構造。
  2. 前記溝が、前記圧着端子の長手方向の前記導体加締片の一側縁から他側縁まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載した電線に対する圧着端子の圧着構造。
  3. 前記電線が、前記導体としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体を有するアルミニウム電線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した電線に対する圧着端子の圧着構造。
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