JP5104467B2 - 樹脂製回転体の製造方法および成形金型 - Google Patents
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Description
本発明が解決しようとする課題は、成形金型にリング状補強繊維基材を配置して樹脂製回転体を製造するにあたり、ボイド、カスレのない樹脂製回転体の製造を可能とすることである。また、前記方法を実施するための成形金型を提供することである。
(a)金属製ブッシュを成形金型内に位置決めするために、金属製ブッシュの貫通穴に挿通するセンタピンを金型底面から突出させ、当該センタピンの周面に上方から金型底面に達する縦溝を複数本設ける。
(b)金型底面には、前記縦溝に繋がったランナ溝を、センタピンを中心にして放射状に複数本配置し、ランナ溝の先端は成形金型に収容されたリング状補強繊維基材に到達させる。
このとき、ランナ溝の先端の溝幅は、広がっていることが好ましい(請求項3)。また、隣り合うランナ溝の先端は、繋がっていることが好ましい(請求項4)。
図1は、本発明の実施の形態に係る製造法の説明図であり、注入成形工程の概要を示したものである。成形金型1は、上型11、下型12、センタピン13とポット14、スプルー15で構成されている。
先ず、中央に貫通穴をあけた金属製ブッシュ3と金属製ブッシュの周囲に配置したリング状補強繊維基材2とを成形金型1に収容し、成形金型底面から突出するセンタピン13を前記貫通穴に挿通して金属製ブッシュ3の位置決めをした状態で成形金型1を型締めする。この状態で成形金型1内を減圧状態にした後に液状樹脂をポット14に投入し、スプルー15を通過させて成形金型内に注入する。
その後さらに型締めを進め、第2シール部材17を上型11と下型12のパーティングラインPLに当接させ、弾性変形により密着させる。この操作により、第1シール部材16で取囲まれた内側に、第2シール部材17で取囲まれた空間がもう一つできる。この状態を保ちながら、スプルー15を開いて液状樹脂を成形金型1内に注入する。
具体的には、例えば、センタピン13を図2に示すような形状とする。図2は、本発明の実施の形態に係る成形金型の説明図であり、(a)はセンタピンを上方からみた平面図、(b)はA−A部の断面図、(c)はB−B部の断面図を示したものである。なお、図2(b)および(c)において、金属製ブッシュ3を位置決めした状態での位置関係を破線で示してある。センタピン13には、当該センタピンの周面に上方から金型底面に達する縦溝131を複数本設ける。また、金型底面には、前記縦溝131に繋がったランナ溝132を、センタピンを中心にして放射状に複数本配置し、ランナ溝の先端は成形金型に収容されたリング状補強繊維基材2に到達させる。図2では、各ランナ溝132の先端が独立している例を示したが、このランナ溝132の先端の幅を広くしてもよい。前記先端の幅をさらに広くした結果として、図3に示すように、隣り合うランナ溝132の先端が繋がっている形状としてもよい。また、図2において、ランナ溝132の溝幅を基部から先端に向かって次第に広くしてもよく、当該先端の幅をさらに広くした結果として、図4に示すように、隣り合うランナ溝132の先端が繋がっている形状としてもよい。さらに、センタピン13の先端部を、図1に示すように、中央が高く周辺部が低い形状とすることが好ましい。これにより、スプルー15を通過した液状樹脂を成形金型1内で放射状に流れやすくでき、液状樹脂の流れのばらつきを小さくすることができる。
図1に示す構造の成形金型を用意した。このとき、センタピン13は、図3(a)に示すように、隣り合うランナ溝の先端が繋がった形状とした。ランナ溝は、等角度で8箇所に設けた。
先ず、金属製ブッシュ3と金属製ブッシュの周囲に配置したリング状補強繊維基材2とを成形金型1に収容し、金属製ブッシュ3の位置決めをした状態で成形金型1を型締めする。この状態で成形金型1内を減圧状態にした後、溶融させたポリアミノアミド樹脂をポット14に投入し、スプルー15を通過させて成形金型内に注入する。
実施例1において、センタピン13を、図4(a)に示すように、ランナ溝の先端の溝幅が広がっており、かつ、隣り合うランナ溝の先端が繋がった形状とする以外は、実施例1と同様にして、樹脂製回転体を得た。
実施例1において、図5に示す構造の成形金型を使用する以外は、実施例1と同様にして、樹脂製回転体を得た。
図5に示す構造の成形金型は、(1)センタピン13’に縦溝131およびランナ溝132が形成されていない点、(2)センタピン13’の先端部が平坦である(中央が高く周辺部が低い形状となっていない)点、および(3)樹脂溜り121が形成されていない点で図1に示す成形金型と異なる。すなわち、成形金型内に注入された液状樹脂を、金属製ブッシュ3と上型11’との間隙を通して、リング状補強繊維基材2に上方から下方へ浸透させている。
11、11’は上型
12、12’は下型
121は樹脂溜り
13、13’はセンタピン
131は縦溝
132はランナ溝
14はポット
15はスプルー
16は第1シール部材
17は第2シール部材
18は空気吸引用通路
2はリング状補強繊維基材
3は金属製ブッシュ
Claims (4)
- 中央に貫通穴をあけた金属製ブッシュと金属製ブッシュの周囲に配置したリング状補強繊維基材とを成形金型に収容し、成形金型底面から突出するセンタピンを前記貫通穴に挿通して金属製ブッシュの位置決めをした状態で成形金型を型締めし、減圧状態にした成形金型に液状樹脂を注入してリング状補強繊維基材に浸透させ、液状樹脂を加熱硬化させて金属製ブッシュと樹脂を浸透させたリング状補強繊維基材とを一体化する樹脂製回転体の製造において、
上方から成形金型に注入した液状樹脂を金属製ブッシュとセンタピンとの間隙を通して成形金型底面に誘導し、
次いで、前記液状樹脂を金属製ブッシュと成形金型底面との間隙において、センタピンを中心として放射状に流し、
リング状補強繊維基材に達した液状樹脂を、リング状補強繊維基材に下方から上方へ浸透させることを特徴とする樹脂製回転体の製造方法。 - 中央に貫通穴をあけた金属製ブッシュと金属製ブッシュの周囲に配置したリング状補強繊維基材とを収容して、前記リング状補強繊維基材に浸透させた液状樹脂を加熱硬化させることにより、金属製ブッシュと樹脂を浸透させたリング状補強繊維基材とを一体に成形するための成形金型であって、次の(a)(b)の構成を備えることを特徴とする成形金型。
(a)金属製ブッシュを成形金型内に位置決めするために、金属製ブッシュの貫通穴に挿通するセンタピンを金型底面から突出させ、当該センタピンの周面に上方から金型底面に達する縦溝を複数本設ける。
(b)金型底面には、前記縦溝に繋がったランナ溝を、センタピンを中心にして放射状に複数本配置し、ランナ溝の先端は成形金型に収容されたリング状補強繊維基材に到達させる。 - ランナ溝の先端の溝幅が広がっている請求項2記載の成形金型。
- 隣り合うランナ溝の先端が繋がっている請求項2又は3記載の成形金型。
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