JP5104236B2 - 水素充填用ホース金具 - Google Patents

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Description

この発明は、水素充填用ホース金具に係わり、更に詳しくは水素ガス供給源と充填タンクとを接続する充填ホースの端末部に設けるニップル内に緊急遮断弁を組み込んだ水素充填用ホース金具の改良に関するものである。
従来、燃料電池車等に使用される水素燃料(水素ガス)は、水素ガス供給源から銅配管を介して充填タンク(タンクローリー車)に供給されている。銅配管は、一定の剛性を備えているので配管部の破損等の危険性が低く、従って、充填タンク側には特に配管部破損時におけるガス漏れ防止用の緊急遮断弁等は設置されていない。
しかし、銅配管は可撓性が低く、湾曲させて設置する時等に問題があり、このため、ゴムホースまたは樹脂ホース配管等に変更することも考えられるが、ゴムホースまたは樹脂ホース配管のホース本体部破壊、ホース抜け、加締め部漏れ等による配管部破損の危険性は銅配管に比較して極めて高くなる。万が一、配管部の破損により水素ガス漏れが発生した場合は、充填タンクに充填された水素ガスは充填タンク内が空になるまで流出し、また近くに着火源がある場合には爆発の危険性があるため、即座にガス漏れを遮断して安全性を確保する必要がある。
そこで、一般の緊急遮断弁を備えた金属製の接続金具を使用することも提案されているが、従来の接続金具はニップル及びその内部に組み込まれた緊急遮断弁が金属製であるために、作動時に静電気等の火花が飛んだ場合には漏れた水素ガスに引火して大爆発を起こす可能性もあると言う問題があった(例えば、特許文献1参照)。
また、水素ステーションから燃料電池車への燃料供給用の充填ホースにおいても同様な危険性があり、ディスペンサーのシステムに従来から使用されている緊急遮断弁を搭載して、安全性を確保している。更に、水素ステーションから燃料電池車への燃料供給用の充填ホースには、大型の緊急離脱カップリングをホースアッセンブリに接続する必要があったため、コストアップになる問題があった。
特開2003−156164号公報
この発明はかかる従来の問題点に着目し、水素ガスのホース配管に設ける接続金具に、発火しない緊急遮断弁を設けることで、水素ガス漏れの防止と発火防止とを同時に行うことが出来ると共に、大型な緊急離脱カップリングをホースアッセンブリに接続する必要がないのでコストダウンを図ることが出来る水素充填用ホース金具を提供することを目的とするものである。
この発明は上記目的を達成するため、この発明の水素充填用ホース金具は、水素ガス供給源と充填タンクとを接続する充填ホースの端末部に設けるニップル内に緊急遮断弁を組み込んだ水素充填用ホース金具であって、前記緊急遮断弁は水素ガス供給源側の圧力が、充填タンク内の水素ガス圧よりも低くなった時に流通路を遮断するように構成し、前記ニップルと緊急遮断弁との少なくとも一方を非金属材料により構成したことを要旨とするものである。ここで、前記ニップルと緊急遮断弁との接触面に非金属材料を被覆することも可能である。
この発明は、上記のように構成することで、水素ガス漏れの防止と発火防止とを同時に行い安全性を高めることが出来、また従来のような大型の緊急離脱カップリングを使用しないので、コストダウンを図ることが出来るものである。
この発明は、水素ガス供給源と充填タンクとを接続する充填ホースの端末部に設けるニップル内に緊急遮断弁を組み込んだ水素充填用ホース金具であって、前記緊急遮断弁は、水素ガス供給源側の圧力が、充填タンク内の水素ガス圧よりも低くなった時に流通路を遮断するように構成し、前記ニップルと緊急遮断弁との少なくとも一方を非金属材料により構成したので、水素ガス漏れの防止と発火防止とを同時に行うと共に安全性を高めることが出来、大型の緊急離脱カップリングをホースアッセンブリに接続する必要がないのでコストダウンを図ることが出来る効果がある。
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1は、水素ガス供給源1と充填タンク2との間に、充填ホース3を介して配設する水素充填用ホース金具の配置図を示し、図2はこの発明を実施した水素ガス供給源1と充填タンク2とを接続する充填ホース3の一方の端末部に取付けられた水素充填用ホース金具4bの開弁時の断面図、図3は図2のA−A矢視側面図、図4は前記水素充填用ホース金具4bの閉弁時の断面図、図5は図4のB−B矢視側面図を示し、前記水素充填用ホース金具4bは、上述したように充填ホース3の一方の端末部に取付けられ、水素ガス供給源1と充填タンク2との接続金具等に直接接続出来るように構成されている。
また水素ガス供給源1側の充填ホース3にはホース金具4aが取り付けられ、このホース金具4aには、後述する緊急遮断弁6が組み込まれていない一般のホース金具を使用している。また、前記水素ガス供給源1には、図示しない水素ガス圧力、流量制御装置等が装備されているものである。
前記水素充填用ホース金具4bは、ニップル5内に水素ガスWの流通路8が形成され、流通路8の一方は水素ガスWの流入口5aとなり、他方は水素ガスWの流出口5bとなっている。また、前記流通路8内には、緊急遮断弁6が組み込まれ、スプリング等の弾性部材7を介して常時開弁方向、即ち、流出口5b側に附勢されている。5Xは、ソケットを示している。
前記緊急遮断弁6は、弁体6Aの一端側に流通路8の流出口5b側に形成された段部10に気密的に当接する板状の円板体9aを設けると共に、他端側には、流通路8の流入口5a側に形成された弁座11に気密的に当接する駒状の載頭円錐部材9bが形成され、前記円板体9aには、周方向に90度間隔で流通穴12が形成されている。
前記緊急遮断弁6を常時開弁方向に附勢する弾性部材7の弾性力は、水素ガス供給源1側の圧力が、充填タンク2内の水素ガス圧よりも低くなった時に流通路8を遮断するように構成し、従って、通常の水素充填時には、図2及び図3に示すように流通路8を通って弁体6Aの円板体9aの流通穴12から流出口5b側に流出して充填タンク2内に充填される。
また、水素ガス供給源1側の圧力が、充填タンク2内の水素ガス圧よりも低くなった場合、即ち、緊急時は図4及び図5に示すように、弾性部材7の弾性力に抗して緊急遮断弁6を水素ガス供給源1側に押圧して駒状の載頭円錐部材9bが弁座11と当接して水素ガスWの流通路8を遮断するように構成されている。
そして、この発明の実施形態では、前記ニップル5の内壁面と緊急遮断弁6との少なくとも一方(両方でも良い)を、フッ素樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂等の樹脂材料やセラミック等の非金属材料により構成し、例えば、ホース本体部破壊等により、水素ガスが漏出した場合にも、緊急遮断弁6の作動でニップル5の内壁面と緊急遮断弁6との摺動面等で火花が発生することなく安全性を高めた構成にしてある。 なお、前記ニップル5と緊急遮断弁6との全体を非金属材料により構成せず、ニップル5と緊急遮断弁6との接触面や、弾性部材7を上記と同様なフッ素樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂等の樹脂材料等の非金属材料により被覆した構成にしても良い。
以上のように、この発明の実施形態の緊急遮断弁6は、水素ガス供給源1側の圧力が、充填タンク2内の水素ガス圧よりも低くなった時に流通路8を遮断するように構成し、前記ニップル5と緊急遮断弁6との少なくとも一方を非金属材料により構成したので、水素ガス漏れの防止と発火防止とを同時に行い、安全性を高めることが出来る。また、従来のように大型な緊急離脱カップリングをホースアッセンブリに接続する必要がないのでコストダウンを図ることが出来るものである。
水素ガス供給源と充填タンクとの間に、充填ホースを介して配設する水素充填用ホース金具の配置図である。 この発明を実施した水素ガス供給源と充填タンクとを接続する充填ホースの一方の端末部に取付けられた水素充填用ホース金具の開弁時の断面図である。 図2のA−A矢視側面図である。 水素充填用ホース金具の閉弁時の断面図である。 図4のB−B矢視側面図である。
符号の説明
1 水素ガス供給源
2 充填タンク
3 充填ホース
4a ホース金具
4b 水素充填用ホース金具
5 ニップル
5a 流入口
5b 流出口
5X ソケット
6 緊急遮断弁 6A 弁体
7 弾性部材
8 流通路
9a 円板体
9b 載頭円錐部材
10 段部
11 弁座
12 流通穴
W 水素ガス

Claims (2)

  1. 水素ガス供給源と充填タンクとを接続する充填ホースの端末部に設けるニップル内に緊急遮断弁を組み込んだ水素充填用ホース金具であって、
    前記緊急遮断弁は、水素ガス供給源側の圧力が、充填タンク内の水素ガス圧よりも低くなった時に流通路を遮断するように構成し、前記ニップルと緊急遮断弁との少なくとも一方を非金属材料により構成したことを特徴とする水素充填用ホース金具。
  2. 前記ニップルと緊急遮断弁との接触面に非金属材料を被覆した請求項1に記載の水素充填用ホース金具。
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