JP5104110B2 - 偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は偏光板および液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、液晶表示装置に用いられ、殊に捩れネマチックモード(TNモード)の液晶表示装置に好適に用いられ、コントラスト、階調表示および視野角を大幅に改善できる偏光板およびそれを組み込んだ液晶表示装置に関する。
捩れネマチック型液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力という特長に加えて、正面から見た場合の画質がCRTに匹敵する高さを有している。そのため、捩れネマチック型液晶表示装置は、ノートパソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末などの表示装置として広く使用されている。しかしながら、従来の捩れネマチック型液晶表示装置は、液晶分子の持つ屈折率異方性のために、斜めから見たときの表示色変化または表示コントラストの低下という視野角特性に課題を持っていた。
この課題解決のために、捩れネマチック型液晶表示装置の液晶セルと偏光板との間に光学補償フィルムを組み込むことが行われている。
例えば、らせん軸が傾いたコレステリックフィルムを用いた光学補償フィルムを組み込んだ液晶表示装置(特許文献1、特許文献2)、ディスコチック液晶を傾斜配向させ、光軸が傾いた負の一軸性補償フィルムを組み込んだ液晶表示装置(特許文献3、特許文献4)、二官能性のモノマー単位からなる液晶性高分子化合物を用いたねじれチルト配向した液晶性高分子フィルムからなるLCD用補償板を組み込んだ液晶表示装置(特許文献5)、ネマチック液晶性高分子を光軸が板面と交差するように配向させたフィルムからなる視角補償板を組み込んだ液晶表示装置(特許文献6、特許文献7)、光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子から実質的に形成され、該液晶性高分子が液晶状態において形成したネマチックハイブリッド配向を固定化せしめた光学異方性フィルムおよび少なくとも1層の負の異方性を示す層とから構成される光学異方素子をチルト方向とプレチルト方向とが略直角になるように組み込んだ捩れネマチック型液晶表示装置(特許文献8)などが提案されている。
特開平4−349424号公報 特開平6−250166号公報 特開平7−146409号公報(米国特許5736067号公報) 特開平8−5837号公報(米国特許5646703号公報) 特開平7−140326号公報(欧州特許公開0628847号公報) 特開平7−198942号公報 特開平7−181324号公報 特開平10−332933号公報
しかしながら、年々改良が進む液晶表示装置に対する視野角特性への要求レベルは益々高くなってきており、また正面コントラスト、階調表示に対する改善要求も高まってきている。本発明の目的は、液晶表示装置に用いられ、殊に捩れネマチックモード(TNモード)の液晶表示装置に好適に用いられ、コントラスト、階調表示および視野角を大幅に改善できる偏光板、およびコントラスト、階調表示および視野角特性に優れた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と光学的異方性を示す第2層とからなり、第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが約90°の角度をなしている積層体を、該積層体第1層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが約45°の角度を成すように、偏光子と積層させてなる偏光板を、捩れネマチックモードの液晶セルを備えた表示装置の、入射側または出射側の偏光板として用いたところ、コントラスト、階調表示および視野角を大幅に改善できることを見出した。
本発明は、この知見に基づいてさらに検討し、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、透明保護膜と偏光子と光学補償フィルムとを有し、 該光学補償フィルムが液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と光学的異方性を示す第2層とからなる積層体であり、 第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、 第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成し、且つ 第1層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成している、捩れネマチックモード液晶表示装置用の偏光板が提供される。
また、本発明によれば、出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、 前記の出射側偏光板および入射側偏光板の少なくとも一方が、前記の偏光板である、液晶表示装置、および
出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、光学補償フィルムが出射側偏光板と液晶セルとの間または入射側偏光板と液晶セルとの間に挿入されており、前記の出射側偏光板および入射側偏光板がそれぞれ偏光子の両面に透明保護膜が積層されてなるものであり、
該光学補償フィルムが、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と、光学的異方性を示す第2層とからなる積層体であり、 第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、 第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度をなし、且つ 第1層の面内遅相軸と前記光学補償フィルムから見て近い方の偏光板の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すように配置されている、液晶表示装置 が、提供される。
さらに本発明によれば、 熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを斜め延伸して、面内遅相軸がフィルム幅方向に対して35°〜55°の方向に向いた長尺の光学異方性フィルムを得る工程、 該長尺の光学異方性フィルムの少なくとも一面に、液晶性分子を塗布し、ネマチックハイブリッド配向させ、該配向を固定して、液晶性分子層を積層して、液晶性分子層の面内リタデーションと光学異方性フィルムの面内リタデーションとが略等しく、液晶性分子層の面内遅相軸と光学異方性フィルムの面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成している長尺の光学補償フィルムを得る工程、および 該長尺の光学補償フィルムと、幅方向または長手方向に透過軸を有する長尺の偏光子とを、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせ、液晶性分子層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すようにする工程を含む、捩れネマチックモード液晶表示装置用の偏光板の製造方法、が提供される。
本発明の偏光板を、液晶表示装置の出射側偏光板または入射側偏光板として用いると、正面コントラストが高く、斜めから観察した場合にも表示色の変化およびコントラストの低下がほとんど無く、さらに高品質な階調表示が可能になる。
本発明の偏光板の構成例を示す図。 本発明の偏光板の別の構成例を示す図。 本発明の液晶表示装置の構成例を示す図。 本発明の液晶表示装置の別の構成例を示す図。 本発明の製造方法を好適に実施できるテンター延伸機の一例を示す概念図。 図5の延伸機におけるレール部分の把持手段を示した図。 図5の延伸機におけるレール配置を説明するための図。
符号の説明
1:フィルム
10:恒温室
11:レール
12:把持手段
13:予熱ゾーンと延伸ゾーンとの境目
14:延伸ゾーンと固定ゾーンの境目
21:繰り出しロール
22:巻きとりロール
47:フィルムの繰り出し方向
49:フィルムの巻きとり方向
S1,S2:延伸開始点
E1,E2:延伸終了点
51:透明保護膜
52:偏光子
56a:第1層
56b:第2層
54:ガラス基板
53:TN液晶層
55:バックライト装置
本発明の偏光板は、透明保護膜と偏光子と光学補償フィルムとを有するものである。
偏光子は、直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過し、他方を吸収するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。偏光子の平均厚さは、通常5〜80μmである。本発明に用いる偏光子の偏光度は特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
透明保護膜には、従来の偏光板において偏光子の両面に積層されている樹脂フィルムが用いられる。透明保護膜を構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、及び脂環式オレフィンポリマーなどを挙げることができる。
なお、脂環式オレフィンポリマーは、特開平05−310845号公報又は米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報又は米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(国際公開99/20676号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等である。
本発明に用いる樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、光拡散粒子、熱可塑性エラストマーなどの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
透明保護膜を構成する樹脂は、1mm厚における、波長400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上のものが好ましい。また、ガラス転移温度が60〜200℃であるものが好ましく、100〜180℃であるものがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明保護膜は、波長550nmにおける面内リタデーションReが小さいことが好ましく、具体的には、7nm以下のものが好ましく、5nm以下のものがより好ましく、3nm以下のものが特に好ましい。なお、Reは、d×(nx−ny)で定義される値である(nxは面内遅相軸方向の屈折率、nyは面内遅相軸に直交する方向の屈折率;dは平均厚さ)。透明保護膜の平均厚さは、通常15μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μmである。
透明保護膜は、表面硬度が高いもの、具体的には、鉛筆硬度(試験荷重を500gとした以外は、JIS K5600−5−4に準拠)でBを超えるものが好ましい。
透明保護膜は、その残留溶剤含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。残留溶剤量が上記範囲であることにより、例えば、高温・高湿度環境下において透明保護膜が変形するのを防止できるとともに、光学性能が劣化するのを防止できる。透明保護膜の残留溶剤含有量は、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブの試料容器に保護膜50mgを入れた後、その容器を温度200℃で30分間加熱し、容器から出てきた気体を連続的に捕集する。そして、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(TDS−GC−MS)で分析して求める。
透明保護膜は、その透湿度が10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下であることが好ましく、10g・m-2day-1以上、150g・m-2day-1以下であることがより好ましい。上記範囲の透湿度にすると、偏光子との密着性が良好になる。透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法により測定できる。
透明保護膜は、全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、透明保護膜は、ヘイズが2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて5回測定し、その算術平均値をヘイズ値とする。
透明保護膜は、その光弾性係数の絶対値が30×10-12Pa-1以下であることが好ましく、10×10-12Pa-1以下であることがより好ましく、5×10-12Pa-1以下であることがさらに好ましい。光弾性係数が上記数値よりも大きくなると、透明保護膜が外部からの応力によって位相差を発現しやすくなり、光学性能を低下させるおそれがある。
透明保護膜は、前述の樹脂を公知のフィルム成形法で形成することによって得られる。フィルム成形法としては、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
<機能層>
本発明に用いられる透明保護膜は、その表面に機能層が設けられたものであってもよい。この機能層としては、例えば、ハードコート層、反射防止層、帯電防止層、防眩層、防汚層などを挙げることができる。これらの機能層は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、透明保護膜の表面硬度を高める機能を有する層であり、JIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板を用いる)で「H」以上の硬度を示すことが好ましい。ハードコート層を形成する材料(ハードコート材料)としては、熱や光で硬化する材料であることが好ましく、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機系ハードコート材料;などを挙げることができる。
ハードコート層は、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、並びに耐熱性、帯電防止性、および防眩性などの向上を図る目的で、各種フィラーを含有できる。また、ハードコート層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、および消泡剤などの添加剤を含有できる。
ハードコート層は、その屈折率nHが、その上に積層される後述の反射防止層の屈折率nLとの間に、nH≧1.53、及びnH 1/2−0.2<nL<nH 1/2+0.2、の関係を有することが、反射防止機能を発現させるために好ましい。
(反射防止層)
反射防止層は、外光の写りこみを防止するための層であり、透明保護膜の表面(偏光子に積層した面の反対面)に直接またはハードコート層等の他の層を介して積層される。反射防止層が設けられた透明保護膜は、入射角5°、波長430nm〜700nmにおける反射率が2.0%以下であることが好ましく、入射角5°、波長550nmにおける反射率が1.0%以下であることが好ましい。
反射防止層の厚さは、0.01μm〜1μmであることが好ましく、0.02μm〜0.5μmであることがより好ましい。反射防止層としては、当該反射防止層が積層される層(透明保護膜やハードコート層など)の屈折率よりも小さい屈折率、具体的には1.30〜1.45の屈折率を有する低屈折率層からなるもの;無機化合物からなる薄膜の低屈折率層と無機化合物からなる薄膜の高屈折率層とを交互に複数積層したもの、などを挙げることができる。
前記低屈折率層を形成する材料は、屈折率の低いものであれば特に制限されない。例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド材料、テトラエトキシシラン等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル材料等を挙げることができる。これらの低屈折率層を形成する材料は、重合済みのポリマーであってもよいし、前駆体となるモノマーやオリゴマーであってもよい。また、それぞれの材料は、防汚染性を付与するために、フッ素基を含有する化合物を含むことが好ましい。
低屈折率層を形成する材料としては、耐傷性を向上できる点で、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の微粒子をアルコール溶媒に分散したゾルが含まれたものを用いることができる。前記微粒子は、反射防止性の観点から、屈折率が低いものほど好ましい。このような微粒子は、空隙を有するものであってもよく、特にシリカ中空微粒子が好ましい。中空微粒子の平均粒径は、5nm〜2,000nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましい。ここで、平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって求められる数平均粒子径である。
(防汚層)
防汚層は、撥水性、撥油性、耐汗性、および防汚性などを付与できる層である。防汚層を形成するために用いる材料としては、フッ素含有有機化合物が好適である。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、又はこれらの高分子化合物などを挙げることができる。防汚層の平均厚さは、好ましくは1nm〜50nm、より好ましくは3nm〜35nmである。
以上のような機能層を形成する場合には、形成させる面に化学的処理を施すことが好ましい。化学的処理の手段としては、例えば、コロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV照射処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、本発明に用いる透明保護膜は、前記化学的処理に加えて、機能層との密着性強化や防眩性付与を目的として、エッチング、サンドブラスト、エンボスロール等による機械的処理が施されていてもよい。
本発明に用いられる光学補償フィルムは、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と光学的異方性を示す第2層とからなる積層体である。
第2層は光学的異方性を有するものであり、具体的には、その面内リタデーションRe2(波長550nm)が5nm超の層である。第2層の平均厚さは、好ましくは20μm〜120μm、特に好ましくは40μm〜90μmである。第2層は後述するように第1層の基材として機能する部分でもある。第2層の厚さムラは巻き取りの可否に影響を与えるため、少なくとも1300mmの幅方向に亘って、3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることが特に好ましい。
第2層の面内リタデーションRe2(波長550nm)は、後述する第1層の面内リタデーションRe1(波長550nm)と略等しくなっている。具体的には、Re2とRe1との差の絶対値が7nm以下であり、4nm以下であることが好ましい。第2層の面内リタデーションRe2は、Re1との関係で決まるが、好ましくは15〜200nm、より好ましくは20〜150nmである。リタデーションRe2のバラツキは、少なくとも1300mmの巾方向に亘って、好ましくは10nm以内、より好ましくは5nm以内、特に好ましくは2nm以内である。前記面内方向のリタデーションRe2のバラツキを、上記範囲にすることにより、液晶表示装置の表示品質を良好なものにすることが可能になる。なお、Reのばらつきは、測定値の最大値から最小値を差し引いた値である。
第2層の面内遅相軸は、角度バラツキが、少なくとも1300mmの巾方向に亘って好ましくは1.0°以下であり、より好ましくは0.8°以下である。なお角度バラツキは、測定値の最大値から最小値を差し引いた値である。
第2層の厚さ方向リタデーションRth(波長550nm)は、特に制限されないが、好ましくは30〜380nm、より好ましくは45〜250nmである。また、第2層のNz係数(波長550nm)は、特に制限されないが、好ましくは1.40〜3.50、より好ましくは1.60〜3.00である。Nz係数のバラツキは、少なくとも1300mmの幅方向亘って、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.08以下である。なお、Nz係数は、(nx−nz)/(nx−ny)で定義される値である。Nz係数は、市販の位相差測定装置を用いて、第2層を巾方向に50mm間隔で測定した値の平均値である。また、Nz係数のバラツキは、各測定値の最大値から最小値を差し引いた値である。
第2層は、表面硬度が高いもの、具体的には、鉛筆硬度(試験荷重を500gとした以外は、JIS K5600−5−4に準拠)でBを超えるものが好ましい。
また第2層は、前記透明保護膜と同様の理由で、その残留溶剤含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。
さらに、第2層は、その透湿度が10g・m-2day-1以上200g・m-2day-1以下であることが好ましく、10g・m-2day-1以上150g・m-2day-1以下であることがより好ましい。上記範囲の透湿度にすると、偏光子との密着性が良好になる。透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法により測定できる。
第2層は、全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、第2層は、ヘイズが2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計NDH−300A」を用いて5回測定し、その算術平均値をヘイズ値とする。
第2層は、その光弾性係数の絶対値が30×10-12Pa-1以下であることが好ましく、10×10-12Pa-1以下であることがより好ましく、5×10-12Pa-1以下であることがさらに好ましい。光弾性係数が上記数値よりも大きくなると、光学補償フィルムが外部からの応力によって位相差が変動しやすくなり、光学性能を低下させるおそれがある。
第2層は、前記透明保護膜と同様の樹脂フィルムを延伸することによって、または磁場や電場を掛けて又はラビング処理して分子を配向させることによって得ることができる。これらのうち、延伸による方法が簡便で好ましい。
延伸方法は、特に制限されず、一軸延伸法、二軸延伸法のいずれの延伸方法であってもよい。延伸方法の具体例としては、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法;テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機を用いてフィルムの幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸する方法;などが挙げられる。
延伸に用いる装置は、上記延伸方法に適したものであれば、特に制限されず、例えば、縦一軸延伸機、テンター延伸機、バブル延伸機、ローラー延伸機等が挙げられる。
延伸時の温度は、フィルムを構成する樹脂材料のガラス転移温度をTgとしたときに、好ましくは(Tg−30℃)と(Tg+60℃)の間、より好ましくは(Tg−10℃)と(Tg+50℃)の間の温度から選択される。
延伸倍率は、フィルムに付与したい光学異方性、具体的には面内リタデーションReや厚さ方向リタデーションRth(Rthは、d×((nx+ny)/2−nz)で定義される値である(nxは面内遅相軸方向の屈折率、nyは遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率;dは平均厚さ))によって適宜選択する。
第1層は、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなるものである。ネマチックハイブリッド配向とは、液晶性分子がネマチック配向しており,このときの液晶性分子のダイレクターと第1層の主面とのなす角(チルト角)が第1層上面と下面とで異なった配向形態を言う。したがって、上面界面近傍と下面界面近傍とで該ダイレクターと第1層の主面との成す角度が異なっていることから、該第1層の上面と下面との間では該角度が連続的に変化しているものといえる。
ネマチックハイブリッド配向させるために用いられる、液晶性分子としては、片末端または両末端に1種もしくは2種の一官能性の構造単位を有し、かつ光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子、具体的には、該構造単位を有するホメオトロピック配向性の主鎖型液晶性高分子化合物または少なくとも1種の該液晶性高分子化合物を含有する液晶性高分子組成物や;該構造単位を有する1種または複数種のホメオトロピック配向性の液晶性高分子と、該液晶性高分子とは異なる液晶性高分子を1種もしくは複数種および/または液晶性を示さない高分子を1種または複数種を少なくとも含有する組成物、などが挙げられる。
ここで、一官能性の構造単位とは、炭素数3〜20の長鎖アルキル基または炭素数2〜15の長鎖フルオロアルキル基などを有し、モノアルコール、モノカルボン酸などの官能性部位を一つ有する化合物から誘導される単位を言う。該構造単位の具体的な構造は、例えば、特開平10−206637号公報段落番号〔0011〕〜〔0015〕、米国特許6261649号公報などに記載されている。
また、ホメオトロピック配向とは、ダイレクターが基板平面に略垂直な配向状態をいう。液晶性高分子がホメオトロピック配向性であるか否かの判定は、無配向基板上に液晶性高分子層を形成し、その配向状態を判定することで行う。
一官能性の構造単位を有するホメオトロピック配向性の液晶性高分子としては、一官能性の構造単位を有する、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等が挙げられる。これらの中でも合成の容易さ、フィルム化の容易さおよび得られたフィルムの物性の安定性などからポリエステルが好ましい。
該液晶性高分子の分子量は、ホメオトロピック配向性を示す範囲から選択される。具体的には、フェノール/テトラクロロエタン(60/40(重量比))混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が0.04〜1.5であるものが好ましく、0.06〜1.0であるものがより好ましい。
本発明に用いる一官能性の構造単位を有するホメオトロピック配向性の液晶性高分子は、ネマチック相を示す温度領域より下の温度においてスメクチック相または結晶相を全く有しない、潜在的に結晶相またはスメクチック相を有していても冷却時にはスメクチック相または結晶相が現れない性質を持ち、かつ光学補償フィルムの使用温度範囲において流動性がなく外場や外力を加えても配向形態が変化しない性質を有する液晶性高分子であることが好ましい。このような性質の液晶性高分子を用いると、スメクチック相あるいは結晶相への相転移による配向形態の破壊が起こらず、モノドメインなネマチックハイブリッド配向を固定化できる。
一官能性の構造単位を有するホメオトロピック配向性の液晶性高分子と供に、他の液晶性高分子や液晶性を示さない高分子を用いることができる。併用する他の液晶性高分子や液晶性を示さない高分子の量を調整することによってネマチックハイブリッド配向の平均チルト角を制御することができ、またネマチックハイブリッド配向の安定性を高めることができる。
他の液晶性高分子としては、ホモジニアス配向性を示すもの、チルト配向性を示すもの、などが挙げられる。他の液晶性高分子の分子構造としてはポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶性高分子;ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等の側鎖型液晶性高分子が挙げられる。これらのうちポリエステルが好ましい。他の液晶性高分子の分子量は、特に制限されないが、フェノール/テトラクロロエタン(60/40(重量比))混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が、0.05〜3.0であるものが好ましく、0.07〜2.0であるものがより好ましい。このような分子量範囲であれば、ネマチックハイブリッド配向の安定性を高めることができる。
他の液晶性高分子や液晶性を示さない高分子を併用する場合でも、一官能性の構造単位を有するホメオトロピック配向性の液晶性高分子は、5重量%以上含有することが好ましい。5重量%未満となるとネマチックハイブリッド配向の安定性が低下する。
第1層は、上述の液晶性分子を一の方向に配向させる機能を有する基材上に塗布し、転移点以上の温度に保って、ネマチックハイブリッド配向を形成させ、この配向状態を保って固定化することによって得られる。
基材としては、通常、前述の第2層の表面に配向性を付与したものが用いられる。第2層の表面に配向性を付与する方法としては、第2層表面にラビング処理を直接に施す方法;第2層表面に樹脂薄膜、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂ポリビニルアルコールなどからなる薄膜を積層し、その薄膜にラビング処理を施す方法;酸化珪素の斜め蒸着膜を形成する方法などがある。これらのうち、樹脂薄膜を積層しラビング処理する方法がネマチックハイブリッド配向の安定性の点で好ましい。
液晶性分子を配向させる方向は、第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度、好ましくは85°〜95°の範囲内の角度を成すようにする方向である。例えば、第2層の面内遅相軸と上記角度で交差する方向に第2層表面に配向処理し、液晶性分子を塗布することが好ましい。
塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法などを採用できる。塗布後、溶媒を除去し、基材上に膜厚の均一な液晶性分子の層を形成させる。溶媒除去条件は、特に限定されず、溶媒がおおむね除去でき、液晶性分子の層が流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどを利用して溶媒を除去する。
ネマチックハイブリッド配向させるために熱処理する。熱処理は、通常、液晶性分子の転移点以上の温度、好ましくは30〜300℃、より好ましくは40〜200℃の温度で行う。熱処理時間は、通常10秒間〜120分間、好ましくは30秒間〜60分間である。熱処理工程において、磁場や電場を利用しても構わないが、強い磁場や電場はチルト角の広がりを減らすことになるので、磁場や電場を利用する場合は弱い磁場や電場にすることが好ましい。
ネマチックハイブリッド配向を固定化するために転移点以下に冷却する。冷却方法は特に制限されず、空冷、水冷などの強制冷却で行ってもよいし、自然冷却などの除冷で行ってもよい。
第1層におけるネマチックハイブリッド配向のチルト角は、第2層側と空気界面側とでは異なっており、その間で連続的にチルト角が変化している。また、第1層におけるネマチックハイブリッド配向の平均チルト角は、特に制限されないが、好ましくは10°〜75°、より好ましくは15°〜55°である。このようなチルト角にすることによって、視野角を拡大することができる。なお、平均チルト角が所望の範囲よりも大きい場合には、第1層を形成した後、第1層を削ったり、溶かしたりして表面を除くことで、平均チルト角を調整できる。
本発明に用いられる光学補償フィルムは、前述したように、第1層の面内リタデーションRe1と第2層の面内リタデーションRe2とが略等しく、しかも遅相軸が80°〜100°の範囲内の角度、好ましくは85°〜95°の範囲内の角度を成すようになっている。また該光学補償フィルムの見かけ上の面内リタデーションは好ましくは0〜7nmである。この見かけ上のリタデーション値(波長550nm)は、エリプソメトリー等の偏光光学測定により容易に求めることができる。
本発明の偏光板は、上記光学補償フィルムを、第1層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度、好ましくは、40°〜50°の範囲内の角度になるように偏光子に直接または透明保護膜を介して積層させたものである。このような角度範囲で上記光学補償フィルムを偏光子に積層してなる偏光板を、液晶表示装置に用いることによって、液晶表示装置のコントラスト、階調表示および視野角を大幅に改善できる。
図1及び図2は、本発明の偏光板の構成例を示すものである。図1の(a)および(b)は、偏光子(51)の一方の面に前記光学補償フィルム(56b,56a)が積層され、偏光子(51)の他方の面に透明保護膜(52)が積層されてなる偏光板を示すものである。図2の(a)および(b)は、偏光子(51)の両面に透明保護膜(52)がそれぞれ積層され、該透明保護膜(52)の少なくとも一方の外面に前記光学補償フィルム(56b,56a)が積層されてなる偏光板を示すものである。光学補償フィルムと偏光子または偏光板の透明保護膜との接着力の観点から、図1(a)または図2(a)のように光学異方性を示す第2層が、偏光子または偏光板の透明保護膜に接するように積層させることが好ましい。
本発明の偏光板の好ましい製造方法は、熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを斜め延伸して、面内遅相軸がフィルム幅方向に対して35°〜55°の方向に向いた長尺の光学異方性フィルムを得る工程、 該長尺の光学異方性フィルムの少なくとも一面に、液晶性分子を塗布し、ネマチックハイブリッド配向させ、該配向を固定して、液晶性分子層を積層して、液晶性分子層の面内リタデーションと光学異方性フィルムの面内リタデーションとが略等しく、液晶性分子層の面内遅相軸と光学異方性フィルムの面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成している長尺の光学補償フィルムを得る工程、 および該長尺の光学補償フィルムと、幅方向または長手方向に透過軸を有する長尺の偏光子とを、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせ、液晶性分子層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すようにする工程を含むものである。
さらに、好ましい製造方法は、前記の斜め延伸によって長尺の光学異方性フィルムを得る工程において、(A)熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Aが40°〜50°の範囲にある第一延伸フィルムAを得る工程、 第一延伸フィルムAを再延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ2Aがθ1A+85°〜θ1A+95°の範囲にある第二延伸フィルムA(光学異方性フィルム)を得る工程を含むもの、または
(B)熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを縦延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Bが±1°以内の範囲にあり、かつ屈折率差Δnが0.001〜0.003の範囲にある第一延伸フィルムBを得る工程、
前記第一延伸フィルムBを、第二延伸フィルムBの巻き取り方向に対する繰り出し角度θ2Bが15°<θ2B<θ+5°となるように、繰り出しながらテンター延伸して、巻き取り方向に対する配向角θが40°〜50°の範囲にある第二延伸フィルムB(光学異方性フィルム)を得る工程を含むものである。
〔長尺の光学異方性フィルムを得る工程(A)〕
長尺の光学異方性フィルムを得る工程(A)では、先ず、熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Aが40°〜50°の範囲にある第一延伸フィルムAを形成させる(第一延伸工程A)。θ1Aが上記範囲を外れると、幅方向の厚さムラや配向角プロファイルのバラツキが大きくなり、広幅の長尺の光学異方性フィルムが得られなくなる。
長尺の未延伸フィルムは、公知の方法、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などによって得ることができる。これらのうち押出成形法が残留揮発性成分量が少なく、寸法安定性にも優れるので好ましい。この未延伸フィルムは、単層若しくは2層以上の積層フィルムであってもよい。積層フィルムは共押出成形法、フィルムラミネイション法、塗布法などの公知の方法で得ることができる。これらのうち共押出成形法が好ましい。
本発明に用いる長尺の未延伸フィルムの幅は、フィルムを構成する材料やフィルムの幅、延伸倍率により決めればよいが、少なくとも1000mmあることが好ましい。
巻き取り方向に対する配向軸の傾き(配向角)θ1Aを40°〜50°にするために、通常、公知の斜め延伸法が用いられる。
斜め延伸法は、通常テンター延伸機を用いて、斜め方向に延伸する方法である。通常の斜め延伸法で得られる第一延伸フィルムAは、巾方向に厚さムラがありおよび光学特性のバラツキが大きくなっているが、次の第二延伸工程Aで斜めに延伸を行うと、厚さムラや光学特性のバラツキを小さくすることができる。
好適な第一延伸工程Aでは、第一延伸フィルムAの巻き取り方向(MD方向)に対し未延伸フィルムの巻回体から繰出す方向を40°〜50°傾けたレールレイアウトのテンター延伸機で、連続的に延伸を行う。本明細書では、このフィルム巻き取り方向に対するフィルム繰出方向の角度を繰出角度という。
第一延伸工程Aにおける延伸倍率R1Aは、好ましくは1.3〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5である。延伸倍率がこの範囲にあると幅方向の厚さムラが小さくなる。
第一延伸工程Aにおける延伸倍率R1Aは、巾方向の長さ変化量から求めることができる。延伸前のフィルムの巾をW0、延伸後のフィルムの巾をW1とすると、延伸倍率はW1/W0により求めることができる。後述の第二延伸工程Aにおける延伸倍率R2Aも同様の方法で求めることができる。
第一延伸工程Aにおける延伸温度は、フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)に対し、Tg(℃)以上Tg+30(℃)以下の範囲から適宜選択される。前記延伸温度がTg(℃)未満では成形性が不足しクレーズ等の欠陥を生じることがある。逆にTg+30(℃)を超えるとフロー延伸となり有効な大きさの屈折率差Δn(=nx−ny)を得難くなる。
また、第一延伸工程Aでは、テンター延伸機の延伸ゾーンにおいて、巾方向で延伸温度に差を付けることが好ましい。延伸ゾーンにおいて巾方向で温度差を付ける方法は特に制限されず、例えば、テンター延伸機の恒温室に温風を送り込むノズルの開度を巾方向で調整する方法;赤外線ヒーターを巾方向に並べて幅方向で出力制御する方法などが挙げられる。
次に、前記第一延伸工程Aで得られた第一延伸フィルムAを再延伸して配向角θ2Aがθ1A+85°〜θ1A+95°の範囲になるようにする(第二延伸工程A)。
第二延伸工程Aでは、第一延伸工程Aと同様にテンター延伸機によって斜め延伸する。
好適な第二延伸工程Aでは、第二延伸フィルムAの巻き取り方向(MD方向)に対し第一延伸フィルムAの巻回体から繰出す方向をθ1A+85°〜θ1A+95°、具体例としては130°〜140°(逆周りの角度で40°〜50°)傾けたレールレイアウトのテンター延伸機で、連続的に延伸を行う。第一延伸工程Aで得られた第一延伸フィルムAが配向角θ1A=45°のものであれば、テンターのレールレイアウトを変更することなく、その第一延伸フィルムAを裏返して、第一延伸工程Aと同じ条件で斜め延伸を行えば、配向角θ2Aをθ1A+90°、すなわち、135°(逆周りの角度で45°)にすることができる。
第二延伸工程Aにおける延伸倍率R2Aは、好ましくは1.3〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5である。延伸倍率がこの範囲にあると幅方向厚さムラが小さくなる。
第二延伸工程Aにおける延伸温度は、フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)に対し、Tg(℃)以上Tg+30(℃)以下の範囲から適宜選択される。前記延伸温度が、Tg(℃)未満では成形性が不足しクレーズ等の欠陥を生じることがあり、Tg+30(℃)を超える温度ではフロー延伸となり、目的の面内リタデーションReを発現させるのに十分な分子配向を得ることが出来ない。
また、第二延伸工程Aでは、第一延伸工程A同様に、テンター延伸機の延伸ゾーンにおいて、巾方向で延伸温度に差を付けることが好ましい。
以上の工程を経た後、テンター延伸機の把持手段で把持されていたフィルム両端をトリミングし、次いで巻き芯に巻き取り、本発明に用いる光学異方性フィルムの巻回体にすることができる。
〔長尺の光学異方性フィルムを得る工程(B)〕
長尺の光学異方性フィルムを得る工程(B)においては、まず、熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを縦延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Bが±1°以内の範囲にあり、かつ屈折率差Δn(=nx−ny)が0.001〜0.003の範囲にある第一延伸フィルムBを得る(第一延伸工程B)。
長尺の未延伸フィルムは、公知の方法、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などによって得ることができる。これらのうち押出成形法が残留揮発性成分量が少なく、寸法安定性にも優れるので好ましい。この未延伸フィルムは、単層若しくは2層以上の積層フィルムであってもよい。積層フィルムは共押出成形法、フィルムラミネーション法、塗布法などの公知の方法で得ることができる。これらのうち共押出成形法が好ましい。延伸後の光学特性を均一にするため未延伸フィルムの厚さムラは極力小さくする必要があり、最大値−最小値の値で3μm以下、好ましくは2μm以下が好ましい。
上記第一延伸工程Bでは、公知の縦延伸法が用いられる。例えば、加熱したフィルムをロール間の周速差を利用し流れ方向に延伸する手法を用いることが可能である。加熱手段としては、ロール内に循環させた熱媒を加熱することでロールそのものを加熱する方法、ロール間に赤外線ヒーターを設置する方法、ロール間にフロート式のオーブンを設置する方法などがある。中でも、均一な延伸を行うことが可能なフロート方式が好ましい。
第一延伸工程Bにおける延伸倍率R1Bは、好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.2〜1.8である。延伸倍率がこの範囲にあると、第一延伸フィルムBの巾方向の厚さムラ、配向角のバラツキを抑えることができる。ここで、第一延伸工程Bにおける延伸倍率R1Bは、第一延伸工程Bにおける延伸前のフィルム厚みをT0、延伸後の厚みをT1とした際、R1B=(T0/T12で表される値である。
第一延伸工程Bにおける延伸温度は、未延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)に対し、Tg(℃)以上Tg+30(℃)以下の範囲から適宜選択される。前記延伸温度がTg(℃)未満では成形性が不足しクレーズ等の欠陥を生じることがある。逆にTg+30(℃)を超えるとフロー延伸となり有効な大きさの屈折率差Δnを得難くなる。
第一延伸フィルムBは、巻き取り方向に対する配向角θ1Bが±1°以内の範囲にあり、かつ屈折率差Δnが0.001〜0.003の範囲にある。配向角θ1Bは、フィルムの巻き取り方向と配向軸とで形成される角度のうち、小さい方の角度である。第一延伸フィルムBの面内の屈折率差Δnが0.001に満たない場合、または0.003を超えた場合、第二延伸工程Bにおいて本発明の如き大きな配向角を持つ斜め延伸を行うと特に配向角の幅方向の均一性を得ることが困難となる。
第一延伸フィルムBは、巻芯に巻きとり、巻回体にしてから、後述する第二延伸工程Bに供給してもよいし、巻芯に巻き取らずに第二延伸工程Bに供給してもよい。
第二延伸工程Bでは、前記第一延伸フィルムBを、第二延伸フィルムBの巻き取り方向に対する第一延伸フィルムBの繰り出し方向の角度θ2Bが15°<θ2B<θ+5°となるように繰り出しながらテンター延伸して、配向角θが巻き取り方向に対して40°〜50°の範囲にある第二延伸フィルムBを作製する。
第二延伸工程Bにおいて、第二延伸フィルムBの巻き取り方向に対する、第一延伸フィルムBの繰り出し角度θ2Bは、得られる第二延伸フィルムBの配向角θに対して、15°<θ2B<θ+5°、好ましくは20°<θ2B<θ+3°となるようにする。前記繰り出し角度θ2Bをこの範囲にすることにより、本発明の如き大きな配向角をもつ斜め延伸フィルムにおいても広幅で均一な物性を得ることが可能となる。
第二延伸工程Bにおける延伸倍率R2Bは、好ましくは1.3〜2.0、より好ましくは1.5〜1.8である。延伸倍率R2Bがこの範囲にあると巾方向の厚さムラを小さくすることができる。
なお、第二延伸工程Bにおける延伸倍率R2Bは、巾方向の長さ変化量から求めることができる。具体的には、延伸前フィルムの巾をW0、延伸後フィルムの巾をW1とすると、延伸倍率はW1/W0により求めることができる。
第二延伸工程Bにおいては、テンター延伸機の延伸ゾーンで、巾方向で延伸温度に差を付けると巾方向の厚さムラをさらに良好なレベルにすることが可能になる。巾方向で延伸温度に差をつける方法としては、温風を恒温室内に送り込むノズルの開度を巾方向で差をつけるように調整する方法や、ヒーターを巾方向に並べて加熱制御するなどの公知の手法を用いることができる。
第二延伸工程Bにおける延伸温度は、フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)に対し、Tg(℃)以上Tg+30(℃)以下の範囲から適宜選択される。前記延伸温度が、Tg(℃)未満では成形性が不足しクレーズ等の欠陥を生じることがあり、Tg+30(℃)を超える温度ではフロー延伸となり、目的の面内リタデーションReを発現させるのに十分な分子配向を得ることが出来ない。
第二延伸工程Bについて図を参酌して説明する。
図5は本発明の製造方法を好適に実施できるテンター延伸機の一例を示す概念図である。図6は図5の延伸機におけるレール部分の把持手段を示した図である。図7は図5の延伸機におけるレールパターンを説明するための図である。角度θ2Bは、フィルム巻き取り方向に対する繰り出し角度である。
図5に示すテンター延伸機は、繰り出しロール(第一延伸フィルムB巻回体)21と、巻き取りロール22と、予熱ゾーンA、延伸ゾーンBおよび固定ゾーンCからなる恒温室10と、フィルムを搬送するための把持手段が走行するレール11と把持手段12(図5および図7では把持手段の図示を省略している。)とを少なくとも備えている。
把持手段12は、繰り出しロール21から引き出された第一延伸フィルムBの両端を把持し、予熱ゾーンA、延伸ゾーンBおよび固定ゾーンCからなる恒温室内に第一延伸フィルムBを導き斜め延伸する。そして、巻き取りロール22の手前で斜め延伸された第二延伸フィルムBを開放する。把持手段から開放された第二延伸フィルムBは巻き取りロール22によって巻き取られる。左右一対のレール11は、末端のない連続した無限軌道を有し、上記のように走行した把持手段を、恒温室の出口側から入口側に戻すようになっている。
第一延伸フィルムB(図5中、1と表記)は、予熱ゾーン、延伸ゾーンおよび固定ゾーンからなる恒温室内を通過している間に、把持手段からの張力によって延伸される。
予熱ゾーン、延伸ゾーンおよび固定ゾーンは、それぞれ独立に温度を設定でき、それぞれのゾーンでは温度が、通常、一定に保たれている。各ゾーンの温度は適宜選択できるが、未延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)に対して、予熱ゾーンはTg〜Tg+30(℃)、延伸ゾーンはTg〜Tg+20(℃)、固定ゾーンはTg〜Tg+15(℃)である。
本発明においては巾方向の厚さムラの抑制のために延伸ゾーンにおいて巾方向に温度差を付けてもよい。特に本発明においては把持手段付近の温度をフィルム中央部よりも高めにすることが好ましい。延伸ゾーンにおいて巾方向に温度差をつけるには、温風を恒温室内に送り込むノズルの開度を巾方向で差を付けるように調整する方法や、ヒーターを巾方向に並べて加熱制御するなどの公知の手法を用いることができる。予熱ゾーン、延伸ゾーンおよび固定ゾーンの長さは適宜選択でき、通常、延伸ゾーンの長さに対して、予熱ゾーンの長さが通常100〜150%、固定ゾーンの長さが通常50〜100%である。
把持手段12は、例えば、配置の変形が可能なレール11上を走行する。レール11は、フィルムが所望の角度で延伸されるように、配置される。図5においては、このレールの配置を、フィルム走行方向が下記に述べる方向になるように、設定されている。なお、本発明においてフィルム走行方向は、フィルム繰り出しロールからフィルム巻き取りロールまでのフィルム幅方向の中点を結んだ線の接線の方向である。
予熱ゾーンと延伸ゾーンとの境目13および延伸ゾーンと固定ゾーンとの境目14には、フィルムが通過できるスリットを有する仕切板が設置されている。予熱ゾーンと延伸ゾーンとの境目および延伸ゾーンと固定ゾーンとの境目、すなわち、仕切板は、固定ゾーンのフィルム走行方向49に対して直角になっていることが好ましい。
予熱ゾーンAは、予熱ゾーンのフィルム走行方向47に直角な方向のフィルム長さを実質的に変えずにフィルムを温めながらフィルムを搬送するゾーンである。予熱ゾーンのフィルム走行方向は、フィルムの繰り出し方向に平行な方向であり、通常、繰り出しロールの回転軸と直交している。
延伸ゾーンBは、延伸ゾーンのフィルム走行方向に直角な方向のフィルム長さを大きくしながらフィルムを搬送するゾーンである。延伸ゾーンにおけるフィルム走行方向は、延伸ゾーンが図5のように傾きを変えずに一定の角度で広がったレール配置においては、予熱ゾーンと延伸ゾーンの境目におけるフィルムの中点から延伸ゾーンと固定ゾーンの境目におけるフィルムの中点に結んだ直線の方向である。
図5では延伸ゾーンのフィルム走行方向は予熱ゾーンのフィルム走行方向47と一致しているが、ずれていてもよい。ずらす場合は図5の紙面上で、予熱ゾーンのフィルム走行方向よりも上向きにずらすことが好ましい。
固定ゾーンCは、固定ゾーンのフィルム走行方向49に直角な方向のフィルム長さを実質的に変えずにフィルムを冷ましながらフィルムを搬送するゾーンである。固定ゾーンのフィルム走行方向49は、フィルムの巻き取り方向に平行な方向であり、通常、巻き取りロールの回転軸と直交している。
本発明の製造方法では、予熱ゾーン、延伸ゾーンおよび固定ゾーンにおけるフィルム面が互いに略平行であることが好ましい。すなわち、繰り出しロールから出たフィルムは、捩れずに、平らなままで、予熱ゾーン、延伸ゾーンおよび固定ゾーンを通過し、巻き取りロールに巻き取られるのが好ましい。
本発明の製造方法では、前記把持手段の走行速度がフィルム両端で略等しい。図6には、向かい合う一対の把持手段間に破線を記した。延伸は延伸開始点付近で始まり延伸終了点付近で終了する。延伸開始点とは、上記一対の把持手段間の間隔が広がり始める点であり、図6ではS1およびS2である。延伸終了点とは、上記一対の把持手段の間隔が一定になり始める点であり、図6ではE1およびE2である。
把持手段の走行速度は適宜選択できるが、通常、10〜100m/分である。左右一対の把持手段の走行速度の差は、走行速度の通常1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下である。
図7に示すように、予熱ゾーンの走行方向(フィルム繰り出し方向)47が、固定ゾーンのフィルム走行方向(フィルム巻き取り方向)49に対して、角度θ2B傾いている。図7では下側にレールが屈曲しているが、図7の予熱ゾーンのフィルム走行方向の線を軸に線対称にした、上側に屈曲しているものであってもよい。繰り出し角度θ2Bは、得られる第二延伸フィルムBの配向角θに対して、15°<θ2B<θ+5°の範囲、好ましくは20°<θ2B<θ+3°となるようにする。
延伸ゾーンは、フィルム走行方向が変化せずに直線状になっていてもよいし、段階的または連続的にフィルム走行方向が変化していてもよい。レールの開き角度は延伸倍率に応じて適宜選択できる。
固定ゾーンの走行方向(フィルム巻き取り方向)は、図7に示すようにθ2Bの角度で予熱ゾーンの走行方向(フィルム繰り出し方向)から傾いている。このために、図中の上側把持手段は下側把持手段よりも遠回りすることになる。このために、図6中で、上側把持手段がE1に達したときに、それに対応する下側把持手段はE2に達している。固定ゾーンのフィルム幅方向から見たときにE2はE1よりも先の位置に進んでいることになる。
以上のようにして恒温室内を通過した延伸フィルム(光学異方性フィルム)は、巻き取りロールの手前で把持手段から開放され、巻き取りロールに巻き取られる。また、必要に応じて、巻き取りロールに巻き取る前に、テンター延伸機の把持手段で把持されていたフィルムの両端をトリミングしてもよい。また、巻き取る前に、フィルム同士のブロッキングを防止する目的で、マスキングフィルムを重ねて同時に巻き取ってもよいし、延伸フィルムの少なくとも一方、好ましくは両方の端にテープ等を張り合わせながら巻き取ってもよい。マスキングフィルムとしては、上記フィルムを保護することができるものであれば特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。このようにして得られた長尺の光学異方性フィルムは、面内遅相軸がフィルム幅方向に対して一定の角度(35°〜55°、好ましくは40°〜50°)に調整されている。
次に、該長尺の光学異方性フィルムの少なくとも一面に、液晶性分子を塗布し、ネマチックハイブリッド配向させ、該配向を固定して、液晶性分子層を積層して、液晶性分子層の面内リタデーションと光学異方性フィルムの面内リタデーションとが略等しく、液晶性分子層の面内遅相軸と光学異方性フィルムの面内遅相軸とが80°〜100°、好ましくは85°〜95°の範囲内の角度を成している長尺の光学補償フィルムを製造する。液晶性分子層の形成方法は、前述したとおりである。長尺の光学補償フィルムは、前述の光学異方性フィルム同様に、巻き取りロールに巻き取られる。
そして、該長尺の光学補償フィルムと、幅方向または長手方向に透過軸を有する長尺の偏光子とを、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせ、液晶性分子層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°、好ましくは40°〜50°の範囲内の角度を成すようにする。長尺の偏光子は、前述の光学異方性フィルム同様に、巻き取りロールに巻き取られている。
ロール・トゥ・ロールは、ロールに巻き取られた光学補償フィルムと、ロールに巻き取られた偏光子とをそれぞれのロールから繰り出しながら貼り合わせることである。前述のように長尺の光学補償フィルムは、液晶性分子層の面内遅相軸がフィルム幅方向に対して一定の角度に調整されているので、ロールからの繰り出し方向が平行になるように調整して、幅方向または長手方向に透過軸を有する長尺の偏光子と貼り合わせるだけで、液晶性分子層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とを一定の角度になった本発明の偏光板を得ることができる。
本発明の液晶表示装置(A)は、出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、前記の本発明偏光板が、出射側偏光板または入射側偏光板の少なくとも一方に用いられているものである。
本発明の偏光板は、該偏光板を構成する光学補償フィルムが、液晶セルに近い側になるように、配置することが好ましい。
図3および図4は本発明の液晶表示装置の構成例を示す図である。図3(a)は図1(a)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルの観察側(出射側)に配置し、従来の偏光板をバックライト(55)側(入射側)に配置した液晶表示装置を示すものである。図3(b)は図1(b)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルの観察側に配置し、従来の偏光板をバックライト(55)側に配置した液晶表示装置を示すものである。
図3(c)は図1(a)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルのバックライト(55)側に配置し、従来の偏光板を観察側に配置した液晶表示装置を示すものである。図3(d)は図1(b)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルのバックライト(55)側に配置し、従来の偏光板を観察側に配置した液晶表示装置を示すものである。
図4(a)は図2(a)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルの観察側に配置し、従来の偏光板をバックライト(55)側に配置した液晶表示装置を示すものである。図4(b)は図2(b)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルの観察側に配置し、従来の偏光板をバックライト(55)側に配置した液晶表示装置を示すものである。
図4(c)は図2(a)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルのバックライト(55)側に配置し、従来の偏光板を観察側に配置した液晶表示装置を示すものである。図4(d)は図2(b)に示された偏光板をガラス基板(54)と液晶層(53)とからなる液晶セルのバックライト(55)側に配置し、従来の偏光板を観察側に配置した液晶表示装置を示すものである。
捩れネマチックモードの液晶セルは、電極膜や配向膜などが形成された2枚のガラス基板の間に正の誘電率異方性(Δε>0)を有するネマチック液晶を挟んで配置したセルである。2枚のガラス基板に形成された配向膜は対向する基板の配向方向が直交するように配置されている。その結果ネマチック液晶は約90°捩れた配向状態になる。電圧OFFの時にはネマチック液晶はガラス基板に平行に配置されている。電圧を徐々に上げていくと、ガラス基板間の中間部に位置するネマチック液晶が基板に対して立ってきて、十分に高い電界が印加されたときには中間部に位置するネマチック液晶は基板に垂直に配置されるようになる。
出射側偏光板と入射側偏光板とをクロスニコル配置にした場合には、電圧OFFの時に入射側偏光板を通ってきた光(直線偏光)は液晶セルによって偏光方向が90°変化するので、出射側偏光板をすべて透過する。液晶セルに十分な電界が印加されたときは入射された直線偏光は、偏光方向が変化しなくなるので出射側偏光板を透過しない。中間的な電界を印加したときは、入射された直線偏光の偏光方向の変化量が中程になるので、出射側偏光板を透過する光が中間程度になる。
本発明の別の態様の液晶表示装置(B)は、出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、前述の光学補償フィルムが出射側偏光板と液晶セルとの間または入射側偏光板と液晶セルとの間に挿入されており、前記の出射側偏光板および入射側偏光板が、偏光子の両面に透明保護膜がそれぞれ積層されてなるものであり、該光学補償フィルムが、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と、光学的異方性を示す第2層とからなる積層体であり、 第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、 第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度をなし、且つ 第1層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すように配置されているものである。すなわち、この液晶表示装置(B)は、前記液晶表示装置(A)で用いた本発明の偏光板を構成する光学補償フィルムが偏光子に直接または透明保護膜を介して積層されていない(空気層が介在している)以外は、前記液晶表示装置(A)の部材配置と同様な部材配置になっているものである。
なお、本発明の液晶表示装置は、その他に、光反射素子、導光板、プリズムフィルム、光拡散板、反射性偏光子、1/4波長板、1/2波長板、視野角補償フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルムなどが配置されていてもよい。また光源としては、冷陰極管、熱陰極管、LED、有機ELなどが用いられる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(商品名:ゼオノアフィルムZF−14、株式会社オプテス製)を、面内リタデーションRe2が110nm、厚さ方向リタデーションRthが120nmになるように延伸して基材フィルム(第2層)を得た。この基材フィルムをプラズマ処理した。ポリビニルアルコール水溶液を基材フィルムのプラズマ処理面に塗布し、乾燥した。次いで、フェルトのロールで、基材フィルムの面内遅相軸に直交する方向にラビングして、平均厚さ0.1μmの配向膜を形成した。
市販の重合性液晶性化合物(ネマチック液晶、BASF社製、「LC242」)の溶液を配向膜上に塗布し、ネマチック相への転移点以上の温度で熱処理してネマチックハイブリッド配向を形成し、次いでその配向状態のままで光照射して、ネマチックハイブリッド配向状態を固定させ、光学補償フィルムを得た。ネマチックハイブリッド配向された層(第1層)の平均厚さは1.21μmであった。第1層は、面内リタデーションRe1が112nm、平均チルト角が21°であった。光学補償フィルムの見かけ上の面内リタデーションは2nmであった。Re1とRe2とはほぼ等しいものであった。また、第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸は約90°の角度を成していた。この光学補償フィルムを偏光板(サンリッツ社製、LLC2−9518)に第1層の面内遅相軸と偏光板の透過軸とが45°になるように貼りあわせて本発明の偏光板1を得た。
実施例2
市販のTN型(捩れネマチックモード)液晶表示装置(SyncMaster 540N, Samsung社製)からTN型液晶セルを取り出した。このTN型液晶セルのバックライト側に該側のガラス基板のラビング方向に透過軸が平行になるように偏光板(サンリッツ社製、LLC2−9518)を貼り合わせ、観測側に該側のガラス基板のラビング方向に透過軸が平行になるように実施例1で得られた偏光板1を貼り合わせてTN液晶パネル2を作製した。
該TN液晶パネル2にリード線を接続し、電圧を印加し、駆動させて、黒表示から白表示までの8階段で表示させ、視野角測定器EZ−Contrast(ELDIM社製)を用いて、観測方位角(上下、左右、45°対角、−45°対角)における極角範囲を測定した。結果を表1に示した。
比較例1
市販のTAC(トリアセチルセルロース、面内リタデーション5nm)フィルムをプラズマ処理した。ポリビニルアルコール水溶液をTACフィルムのプラズマ処理面に塗布し、乾燥した。次いで、フェルトのロールでラビングして、平均厚さ0.1μmの配向膜を形成した。市販の重合性液晶性化合物(ネマチック液晶、BASF社製、「LC242」)の溶液を配向膜上に塗布し、ネマチック相への転移点以上の温度で熱処理してネマチックハイブリッド配向を形成し、次いでその配向状態のままで光照射して、ネマチックハイブリッド配向状態を固定させ、光学補償フィルムを得た。ネマチックハイブリッド配向された層(第1層)の平均厚さは1.20μmであった。第1層は、面内リタデーションRe1が112nm、平均チルト角が21°であった。光学補償フィルムの見かけ上の面内リタデーションは116nmであった。なお、第2の層であるTAC層は、面内リタデーションが5nm程度であるため、等方性の層と考えることができる。
この光学補償フィルムを偏光板(サンリッツ社製、LLC2−9518)に対して第1層の面内遅相軸と当該偏光板の透過軸とが90°になるように貼りあわせて偏光板2を得た。実施例2において用いた偏光板1と偏光板(LLC2−9518)を前記偏光板2に置き換えた他は実施例2と同様にしてTN液晶パネル3を作製・評価した。TN液晶パネル3の評価結果を表1に示した。
比較例2
比較例1において用いた偏光板2を偏光板LLC2−9518(サンリッツ社製)に置き換えた他は比較例1と同様にしてTN液晶パネル1を作製・評価した。TN液晶パネル1の評価結果を表1に示した。
Figure 0005104110
なお、膜厚、チルト角、Re、Rthは、エリプソメーターM―2000U(J.A.Woollam社製)により測定した。また、TN液晶セルのラビング方向はエリプソメーターM―2000U(J.A.Woollam社製)により測定した。
実施例1並びに比較例1および2に示すように、実施例1の液晶表示装置では、各比較例に比べて、コントラストが高く、かつ階調反転のない領域が広くなっており、コントラストや階調表示、視野角特性に優れていることがわかる。このため、実施例1で得られた偏光板1は、TN型の液晶表示装置に好適であることがわかる。これに対して、比較例1では、特に左右の方向の光学特性が劣っており、比較例2では、特に左右および上下の方向の光学特性が劣っていることがわかる。
実施例3
ノルボルネン系樹脂であるZEONOR1420(日本ゼオン(株)製)のペレットを100℃で5時間乾燥した。
該ペレットを押出機に供給し、押出機内で溶融させ、ポリマーパイプおよびポリマーフィルターを経て、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押出し、冷却し、厚さ130μmの長尺の未延伸フィルムを得た。
長尺の未延伸フィルムをそのまま連続してテンター延伸機に供給し、繰出角度45°、延伸温度140℃、延伸倍率1.3倍で第一延伸を行い、巻き取り方向に対して平均角度θ1A=45°の斜めに配向した長尺の第一延伸フィルムを得、巻き芯に巻きとった。
長尺の第一延伸フィルムを裏返して、第一延伸フィルムの配向角θ1Aに対して90°の方向に配向されるようにテンター延伸機に供給し、繰出角度45°、延伸倍率2.0倍で第二延伸を行って、フィルム両端150mmをトリミングして、1340mm幅の長尺の第二延伸フィルムを得、巻き芯に巻き取った。得られた長尺の第二延伸フィルムは上記巾方向に対し均一なものであった。長尺の第二延伸フィルム(光学異方性フィルム)は、面内リタデーションReが110nm、配向角が45°、配向角バラツキが0.7°、Nz係数(=(nx−nz)/(nx−ny))が1.60、Nz係数バラツキが0.07であった。
長尺の第二延伸フィルムを巻き芯から繰り出しながら、実施例1と同様にして、厚さが1.21μm、面内リタデーションRe1が112nm、平均チルト角が21°のネマチックハイブリッド配向された層を形成し、長尺の光学補償フィルムを得、巻き芯に巻き取った。
透過軸が巾方向にある長尺の偏光板(サンリッツ社製、HLC2−5618S、厚さ180μm)と、上記長尺の光学補償フィルムをロール・トゥ・ロールで貼り合わせて幅1340mmの偏光板の巻回体を得た。この巻回体から切り出した偏光板を、市販のTNモード液晶表示装置のバックライト側の偏光板と置き換え、上記光学補償フィルムを貼り合わせた側が液晶セル側に配置されるように組み込んだ。得られた液晶表示装置の表示特性は実施例1と同様に、コントラストが高く、かつ階調反転のない領域が広くなっており、コントラストや階調表示、視野角特性に優れていた。
実施例4
脂環式オレフィンポリマーの一種である熱可塑性ノルボルネン樹脂のペレット(日本ゼオン社製、ZEONOR1420、ガラス転移点137℃)を100℃で5時間乾燥した。
前記ペレットを押出機に供給し、押出機内で溶融させ、ポリマーパイプおよびポリマーフィルターを経て、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押出し、冷却し、厚さ130μm、巾1200mmの未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、そのまま連続してフロート方式の縦延伸機に供給し、延伸倍率1.3倍で第一延伸を行い、屈折率差Δnが0.0018、配向角θ1Bが巻きとり方向(長手方向)に対し0.1°に配向した第一延伸フィルムを得、巻き芯に巻きとった。
該第一延伸フィルムを巻き芯から繰り出し、第二延伸フィルムの巻き取り方向に対する繰り出し角度θ2B=40°で図5〜図7に示すテンター延伸機に供給し、延伸倍率1.7倍で、第二延伸を行い、フィルム両端180mmをトリミングして、巾1340mmの長尺の第二延伸フィルム(光学異方性フィルム)を得た。長尺の第二延伸フィルム(光学異方性フィルム)は、面内リタデーションReが110nm、配向角が45°、配向角バラツキが0.7°、Nz係数が1.60、Nz係数バラツキが0.07であった。
この長尺の第二延伸フィルムを巻き芯から繰り出しながら、実施例1と同様にして、厚さが1.21μm、面内リタデーションRe1が112nm、平均チルト角が21°のネマチックハイブリッド配向された層を形成し、長尺の光学補償フィルムを得、巻き芯に巻き取った。
透過軸が巾方向にある長尺の偏光板(サンリッツ社製、HLC2−5618S、厚さ180μm)と、上記長尺の光学補償フィルムをロール・トゥ・ロールで貼り合わせて幅1340mmの偏光板の巻回体を得た。この巻回体から切り出した偏光板を、市販のTNモード液晶表示装置のバックライト側の偏光板と置き換え、上記光学補償フィルムを貼り合わせた側が液晶セル側に配置されるように組み込んだ。得られた液晶表示装置の表示特性は実施例1と同様に、コントラストが高く、かつ階調反転のない領域が広くなっており、コントラストや階調表示、視野角特性に優れていた。
なお、実施例3および4では、長尺の光学補償フィルムに対して、偏光子の両面にTAC製の保護フィルムが設けられた市販の偏光板(サンリッツ製)を、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせた態様としたが、これに限らず、偏光子の一方の面のみに保護フィルムが設けられた偏光板の半製品を用意し、この半製品の保護フィルムが設けられていない側の面と前記長尺の光学補償フィルムとをロール・トゥ・ロールで貼り合わせた態様とすることができる。このような態様では、従来の構成に比べて、保護フィルムを1枚削減することができる利点がある。

Claims (10)

  1. 透明保護膜と、偏光子と、光学補償フィルムとを有し、
    該光学補償フィルムが、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と、Nz係数が1.60〜3.00の光学的異方性を示す第2層とからなる積層体であり、
    第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、
    第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成し、且つ
    第1層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成している、捩れネマチックモード液晶表示装置用の偏光板。
  2. 偏光子の一方の面に前記光学補償フィルムが積層され、偏光子の他方の面に透明保護膜が積層されてなる、請求項1に記載の偏光板。
  3. さらに別の透明保護膜を有し、
    偏光子の両面に透明保護膜がそれぞれ積層され、
    前記2枚の透明保護膜の少なくとも一方の外面に前記光学補償フィルムが積層されてなる、請求項1に記載の偏光板。
  4. 第2層が延伸された樹脂フィルムである請求項1に記載の偏光板。
  5. 第2層の厚さ方向リタデーションRthが30〜380nmである請求項1に記載の偏光板。
  6. 出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、
    出射側偏光板および入射側偏光板の少なくとも一方が、請求項1〜5のいずれか一に記載の偏光板である、液晶表示装置。
  7. 出射側偏光板と、捩れネマチックモードの液晶セルと、入射側偏光板とがこの順で重ねられており、光学補償フィルムが出射側偏光板と液晶セルとの間または入射側偏光板と液晶セルとの間に挿入されており、
    出射側偏光板および入射側偏光板は、それぞれ、偏光子の両面に透明保護膜が積層されてなるものであり、
    該光学補償フィルムが、液晶性分子をネマチックハイブリッド配向させてなる第1層と、Nz係数が1.60〜3.00の光学的異方性を示す第2層とからなる積層体であり、
    第1層の面内リタデーションと第2層の面内リタデーションとが略等しく、
    第1層の面内遅相軸と第2層の面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成し、且つ
    第1層の面内遅相軸と前記光学補償フィルムから見て近い方の偏光板の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すように配置されている、液晶表示装置。

  8. 熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを斜め延伸して、面内遅相軸がフィルム幅方向に対して35°〜55°の方向に向いた長尺の光学異方性フィルムを得る工程、
    該長尺の光学異方性フィルムの少なくとも一面に、液晶性分子を塗布し、ネマチックハイブリッド配向させ、該配向を固定して、液晶性分子層を積層して、液晶性分子層の面内リタデーションと光学異方性フィルムの面内リタデーションとが略等しく、液晶性分子層の面内遅相軸と光学異方性フィルムの面内遅相軸とが80°〜100°の範囲内の角度を成している長尺の光学補償フィルムを得る工程、および
    該長尺の光学補償フィルムと、幅方向または長手方向に透過軸を有する長尺の偏光子とを、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせ、液晶性分子層の面内遅相軸と偏光子の透過軸とが35°〜55°の範囲内の角度を成すようにする工程を含む、捩れネマチックモード液晶表示装置用の偏光板の製造方法。
  9. 前記の斜め延伸によって長尺の光学異方性フィルムを得る工程が、
    熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Aが40°〜50°の範囲にある第一延伸フィルムAを得る工程、および
    第一延伸フィルムAを再延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ2Aがθ1A+85°〜θ1A+95°の範囲にある第二延伸フィルムAを得る工程を含む、請求項8に記載の偏光板の製造方法。
  10. 前記の斜め延伸によって長尺の光学異方性フィルムを得る工程が、
    熱可塑性樹脂からなる長尺の未延伸フィルムを縦延伸して、巻き取り方向に対する配向角θ1Bが±1°以内の範囲にあり、かつ屈折率差Δnが0.001〜0.003の範囲にある第一延伸フィルムBを得る工程、および
    前記第一延伸フィルムBを、第二延伸フィルムBの巻き取り方向に対する繰り出し角度θ2Bが15°<θ2B<θ+5°となるように、繰り出しながらテンター延伸して、巻き取り方向に対する配向角θが40°〜50°の範囲にある第二延伸フィルムBを得る工程を含む、請求項8に記載の偏光板の製造方法。
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