JP5104040B2 - 媒体、媒体作製装置、媒体作製方法及びそのプログラム - Google Patents
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Description
図1は、第1の実施の形態に係る媒体作製装置1を実現するコンピュータのハードウェア構成図である。尚、図1のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
コンピュータは、制御部3、記憶部5、メディア入出力部7、通信制御部9、入力部11、表示部13、周辺機器I/F部15等が、バス17を介して接続される。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部5、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部3が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
これらの各プログラムコードは、制御部3により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
入力部11を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
図2は、媒体作製装置1の機能の概要を示すブロック図である。
法線ベクトルN1は、投影面S1上の点pを始点とし、投影面S1に定義した座標系に対する方位角φと仰角kとで表現できる。一方、法線ベクトルN1の情報を継承する媒体上(2次元平面上)の溝の方向ベクトルは、媒体面における方位角のみで表現できることから、法線ベクトルN1の情報を全て継承することはできない。従って、方向ベクトル算出手段23は、法線ベクトルN1を所定の方位角に投影して次元を減ずることにより、媒体上の溝の方向ベクトルに情報を継承する。
法線投影面S2は、投影面S1に対して垂直であり、方位角α方向に設けられた新たな投影面である。方向ベクトル算出手段23は、法線ベクトルN1を法線投影面S2に投影した法線ベクトルN2の仰角tを算出し、仰角tの値を媒体上の溝の方向ベクトルに継承する。尚、仰角tは、図4に示すように、S2内でPを通過し、S1に垂直な線を基準(t=0度)とし、基準線と法線ベクトルN2とのなす角度によって定義する。
ここで、立体形状の隠面は投影されないから、法線ベクトルN1の向きは、必ず点Pから見て投影面S1の表の方向になる。従って、仰角tは180度(−90度≦t≦90度)の範囲を取り得る。
次に、媒体上の溝の方向ベクトルを示す角度をθとする。θとtは何らかの相関関係を有することで、仰角tの値を媒体上の溝の方向ベクトルに継承することができる。本実施の形態では、立体形状を媒体上に出来る限り正確に表現するために、θとtは線形関係を維持するように設定する。また、立体形状に含まれる最も形状の異なる部分が最も異なる角度を継承するために、θ=t/2としてθの取り得る範囲を90度(−45度≦θ≦45度)とする。これは、θ=tとしてθの取り得る範囲を180度(−90度≦θ≦90度)とすると、最も形状の異なる部分、例えば、t=90度の部分とt=−90度の部分が、媒体上の溝の方向に継承したときに同じ方向を持つことになる。そうすると、立体形状に含まれる最も形状の異なる部分が、類似した異方性反射特性を有することになり、好ましくないからである。但し、θの取り得る範囲は90度に限定されるものではなく、媒体の使用目的や立体像の特性等に応じて任意に設定することが可能である。
以上のように、方向ベクトル算出手段23は、法線ベクトルの情報を継承した媒体上の溝の方向ベクトルを示す角度θを算出する。
色彩情報は、各画素において投影される形状上の位置に設定されている色彩に関するパラメータ値、例えば、輝度、色相、またはRGBの1成分等のいずれかを所定の範囲に正規化したものである。範囲は、例えば、0〜1の実数、または0〜255の整数等である。
また、色彩情報は、各画素における色彩に関するパラメータ値のいずれかをインデックス化したものであってもよい。日本国旗を媒体上の像として表現する場合、例えば、赤の領域となる画素に対しては1、白の領域となる画素に対しては2としてインデックス化する。
ある画素(x、y)に対し、溝の方向ベクトルを示す角度をG(x、y)とする。また、ある画素(x、y)に対し、色彩情報(正規化した値、またはインデックス値)をC(x、y)とする。そして、色彩情報C(x、y)に応じた変位量をL(x、y)とする。このとき、変換後の方向ベクトルを示す角度G´(x、y)は、G´(x、y)=G(x、y)+L(x、y)と表すことができる。ここで、L(x、y)は、C(x、y)で一意に定まり、L(C)と表すこともできる。色彩情報C(x、y)と変位量L(x、y)の対応は任意であり、この対応は変換テーブルによって指定する。日本国旗を媒体上の像として表現する場合、例えば、赤の領域となる画素に対しては1、白の領域となる画素に対しては2としてインデックス化したとすると、それぞれ異なる角度を変位させるように、各インデックス値に対応する変位量L(x、y)を指定する。
そして、各種の製版機器や切削機は、版下データに基づいて媒体上の表面に微小な溝を形成し、異方性反射特性を有する立体像を実体化する。
作製される媒体は、カタログ、パンフレット、ポスター、カレンダー、トレーディングカード、包装パッケージ、書籍、銘板、雑貨、樹脂成型品、エンボス製品等がある。
図5は、媒体作製装置1の処理手順を示すフローチャートである。
処理が終了していない場合、ステップ103から繰り返す。
処理が終了している場合、ステップ109に進む。
図6は、媒体作製装置1aの機能の概要を示すブロック図である。
尚、図2に示す構成要素と同一の機能を果たす要素には、同一の番号を付して重複した説明を避ける。
Lは、光源31からの光の入射方向である。Nは、物体の表面35の法線方向である。Rは、光源31からの光の正反射方向である。Vは、視点33の方向、すなわち光の射出方向である。そして、光の入射方向Lと法線方向Nとのなす角度がβ、光の正反射方向Rと光の射出方向Vとのなす角度がγである。このとき、物体表面の反射光強度Iは、
鏡面反射情報算出手段27は、形状データをレンダリングする際、例えば、鏡面反射の鋭さn、鏡面反射率ks、鏡面反射率と拡散反射率の比率ks/kd等を鏡面反射情報として算出する。本実施の形態では、鏡面反射の鋭さnを鏡面反射情報とする。
ある画素(x、y)に対し、溝の方向ベクトルを示す角度をG(x、y)とする。また、ある画素(x、y)に対し、鏡面反射の鋭さをn(x、y)とする。そして、鏡面反射の鋭さn(x、y)に応じた最大変位量をM(x、y)とする。このとき、変換後の方向ベクトルを示す角度G´(x、y)は、G´(x、y)=G(x、y)+RND×M(x、y)と表すことができる。ここで、RNDは、例えば、−1≦RND≦1の範囲の一様分布に従う乱数である。
また、M(x、y)は鏡面反射の鋭さn(x、y)で一意に定まる関数であるから、M(n)と表すこともできる。
図8に示すように、関数M(n)は、M(n)=a/n(aは定数)である。従って、関数M(n)は、定数aのパラメータによって決定される。本実施の形態では、パラメータは処理を開始する前に入力し、様々な値で変換処理を行うことができる。
また、関数M(n)は、図8に示すものに限定されるものではなく、nが無限大で0に収束し、nの減少とともに単調増加するようなものであれば良い。
図9は、媒体作製装置1aの処理手順を示すフローチャートである。
処理が終了していない場合、ステップ203から繰り返す。
処理が終了している場合、ステップ209に進む。
このようにして変換された方向ベクトル群を基に得られる版下データを用いて、表面が微小な溝の集合によって形成された媒体は、異方性反射特性を有することで、元のCG画像に対してライティングを変化させたときのハイライトの変化を再現することができる。更に、色彩情報と鏡面反射情報とに応じた方向ベクトルの変換によって、媒体上に表現された立体像は、模様と鏡面反射の両方が再現されたものとなる。
3………制御部
5………記憶部
7………メディア入出力部
9………通信制御部
11………入力部
13………表示部
15………周辺機器I/F部
17………バス
19………ネットワーク
21………立体形状設計手段
22………法線ベクトル算出手段
23………方向ベクトル算出手段
24………色彩情報算出手段
25………方向ベクトル変換手段
26………版下データ作成手段
27………鏡面反射情報算出手段
Claims (18)
- 表面が微小な溝の集合から形成された異方性反射特性を有する媒体の作製に用いる媒体作製装置であって、
所望の立体形状を設計する立体形状設計手段と、
前記立体形状の各画素における法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手段と、
前記法線ベクトルの情報を継承した前記媒体上の前記溝の方向ベクトルを算出する方向ベクトル算出手段と、
前記方向ベクトル群を前記立体形状の各画素における特定情報に応じて変換する方向ベクトル変換手段と、
を具備することを特徴とする媒体作製装置。 - 前記立体形状の各画素における色彩情報を算出する色彩情報算出手段、
を更に具備し、
前記方向ベクトル変換手段は、前記色彩情報に応じた変位量を加減するものであることを特徴とする請求項1に記載の媒体作製装置。 - 前記色彩情報は、各画素における色彩に関するパラメータ値のいずれかを所定の範囲に正規化したものであることを特徴とする請求項2に記載の媒体作製装置。
- 前記色彩情報は、各画素における色彩に関するパラメータ値のいずれかをインデックス化したものであることを特徴とする請求項2に記載の媒体作製装置。
- 前記立体形状の各画素における鏡面反射情報を算出する鏡面反射情報算出手段、
を更に具備し、
前記方向ベクトル変換手段は、前記鏡面反射情報に応じたランダムな変位量を加減するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の媒体作製装置。 - 前記鏡面反射情報は、各画素における鏡面反射の鋭さであることを特徴とする請求項5に記載の媒体作製装置。
- 前記方向ベクトル変換手段における変位量の最大値は、完全鏡面では0となり、前記鏡面反射の鋭さの減少とともに単純増加するものであることを特徴とする請求項6に記載の媒体作製装置。
- 前記方向ベクトル変換手段によって変換された方向ベクトル群を基に版下データを作成する版下データ作成手段、
を更に具備することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の媒体作製装置。 - 表面が微小な溝の集合から形成された異方性反射特性を有する媒体の作製方法であって、
所望の立体形状を設計するステップと、
前記立体形状の各画素における法線ベクトルを算出するステップと、
前記法線ベクトルの情報を継承した前記媒体上の前記溝の方向ベクトルを算出するステップと、
前記方向ベクトル群を前記立体形状の各画素における特定情報に応じて変換するステップと、
を含むことを特徴とする媒体作製方法。 - 前記立体形状の各画素における色彩情報を算出するステップ、
を更に含み、
前記方向ベクトルを変換するステップは、前記色彩情報に応じた変位量を加減するものであることを特徴とする請求項9に記載の媒体作製方法。 - 前記色彩情報は、各画素における色彩に関するパラメータ値のいずれかを所定の範囲に正規化したものであることを特徴とする請求項10に記載の媒体作製方法。
- 前記色彩情報は、各画素における色彩に関するパラメータ値のいずれかをインデックス化したものであることを特徴とする請求項10に記載の媒体作製方法。
- 前記立体形状の各画素における鏡面反射情報を算出するステップ、
を更に含み、
前記方向ベクトルを変換するステップは、前記鏡面反射情報に応じたランダムな変位量を加減するものであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の媒体作製方法。 - 前記鏡面反射情報は、各画素における鏡面反射の鋭さであることを特徴とする請求項13に記載の媒体作製方法。
- 前記方向ベクトルを変換するステップにおける変位量の最大値は、完全鏡面では0となり、前記鏡面反射の鋭さの減少とともに単純増加するものであることを特徴とする請求項14に記載の媒体作製方法。
- 前記方向ベクトルを変換するステップによって変換された方向ベクトル群を基に版下データを作成するステップ、
を更に含むことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の媒体作製方法。 - コンピュータを請求項1から請求項8までのいずれかに記載の媒体作製装置として機能させるプログラム。
- 請求項16に記載の媒体作製方法によって作成された前記版下データに基づいて、表面に微小な溝を形成することによって作製された前記媒体。
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