JP5103304B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents
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Description
このカラー画像からグレー画像への変換方法については、種々の提案がなされている。
同技術においては、全体の色の割合を検討することなく、主要点間の相対距離により主要点のグレー軸上の位置をずらしていたため、この位置をずらした主要点が画像全体に対して高い割合のとき、画像全体の輝度が変わってしまうという問題があった。
しかも、ベクター画像において、カラー画像をグレー画像に変換する際に、輝度が同じで色差が異なる色が同じグレー値で表現されていた。
まず、本発明の画像処理装置の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
画像処理装置は、プログラム制御により動作するコンピュータであって、同図に示すように、通信手段11と、画像読取手段12と、記憶手段13と、表示手段14と、入力手段15と、変換処理手段16と、制御手段17と、印刷手段18とを備えている。
画像読取手段12は、原稿から画像を読み取るスキャナ部である。この読み取った画像は、RGBデータに変換されて記憶手段13に記憶される。
記憶手段13は、画像処理装置10の有する各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶する。また、記憶手段13は、通信手段11で受信されたRGBデータや、画像読取手段12で変換されたRGBデータを記憶する
入力手段15は、例えば、キーなどで構成することができ、ユーザの操作により、各種機能の実行や停止、データの入力などを行う。
また、入力手段15は、本発明の実施に従った変換調整機能をオン又はオフするための選択手段を含むことができる。
なお、表示手段14がタッチパネルで構成されているときは、このタッチパネルが入力手段15としての機能も備えることができる。
この変換処理手段16は、図2に示すように、色空間変換部16−1と、ボックス化部16−2と、ボックス分析部16−3と、要件判定部16−4と、グレー値修正部16−5と、画像化処理部16−6とを有している。
色空間変換部16−1は、デジタルカラー画像をRGBデータとして受け取り、このRGBデータのすべてのピクセルの色(r,g,b)を、グレー軸とグレー軸に垂直な平面からなる色空間上の点に変換する。
また、ボックス化部16−2は、ボックスごと(所定数の領域ごと)に、代表色(主要色)を求める。
ボックス分析部16−3は、各主要色間の色距離とグレー軸上での距離とボックスの大きさを分析する。
グレー値修正部16−5は、要件判定部16−4での判定の結果、グレー値の調整が必要とされたときに、各主要色間の色距離とグレー軸上での距離とボックスに含まれる色の割合、ボックスのグレー軸の長さからグレー値を修正する。
画像化処理部16−6は、グレー値を画像化する。この画像化の対象となるグレー値は、要件判定部16−4で要件を満たしていないと判定されたときは、グレー値修正部16−5で修正されたグレー値である。一方、要件判定部16−4で要件を満たしていると判定されたときは、修正処理が行われていないグレー値である。
印刷手段18は、処理されたデジタル画像を紙に印字出力する。特に、変換処理手段16でグレー値に変換された画像を印字出力する。
次に、本実施形態の画像処理装置の動作(画像処理方法)について、図3を参照して説明する。
同図は、画像処理方法の動作手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態の画像処理方法は、カラー画像からグレー画像に変換される個々の画像の色に応じて調整される。
画像処理装置10の通信手段11は、ネットワークを介して外部からデジタルカラー画像をRGBデータとして受け取る。また、画像読取手段12は、原稿からデジタルカラー画像を読み取ってRGBデータに変換する。これらRGBデータは、記憶手段13に記憶される。
変換処理手段16の色空間変換部16−1は、デジタルカラー画像のRGBデータを記憶手段13から取得する(ステップ10)。
色空間変換部16−1は、RGBデータのすべてのピクセルの色(r,g,b)(図4に示すRGB空間上の色)を、グレー軸(Gray軸)とグレー軸に垂直な平面からなる色空間上の点(図5に示す空間上の点)に変換する(ステップ11)。
これは、色を輝度の情報と色調や彩度の差の情報に分離するためである。
YUV色空間は、YCbCr空間とも言われ、輝度(Y)と色差(Cb,Cr)によって色を表現するものである。
RGB空間からYUV空間への色変換は、公知の計算式を用いて行うことができる。
ボックス化部16−2は、図6に示すように、メディアンカット法を用いて色空間を幾つかのボックスの集合に変更する(ステップ12)。
メディアンカット法は、まず、画像の各画素の色を画像の色空間にプロットして、この色空間における各画素の色分布を求め、この色空間において画素の色が存在する領域を当該色空間(本実施形態においては、YUV空間)の各基準軸に垂直な方向に所定数となるまで分割する。
そして、このボックス化処理により得られた所定数の領域のそれぞれについて主要色(代表色)を求める。例えば、メディアン値(中央値)、平均値、重心値等となる色を主要色(代表色)として選択する。
ボックス分析部16−3は、各ボックスごとに、グレー軸の最大値と最小値を求める。そして、各ボックス間のグレー軸の最大値及び最小値の関係を確認する。
例えば、図8に示すように、八つのボックス(B1〜B8)についてグレー軸の最大値と最小値が求められた場合、ボックスB4とボックスB2,B3,B5,B6は、交わっている(重なる部分がある)が、ボックスB1,B7,B8は交わっていない(重なる部分がない)。
△Enm=(Un−Um)2+(Vn−Vm)2 ・・・(式1)
この式1において、
Un:ボックスnの代表色のU値
Um:ボックスmの代表色のU値
Vn:ボックスnの代表色のV値
Vm:ボックスmの代表色のV値
△Gnm=(Gn−Gm)2 ・・・(式2)
この式2において、
Gn:ボックスnの代表色のグレー値
Gm:ボックスmの代表色のグレー値
これら△Enm及び△Gnmの算出は、すべてのボックス間で行われる。
要件判定部16−4は、ボックス分析部16−3から分析結果を取得する。そして、各ボックス間でグレー軸の最大値及び最小値を比較して、それらボックスがグレー軸上で重なっている割合Pbを算出する。
また、要件判定部16−4は、主要色のUV平面上での距離とグレー値の相互間距離の総和Paを算出する。
Ps=△E/a(△G+c) ・・・(式3)
Pa=2/N(N−1)ΣN-1 n=1ΣN m=n+1Ps(△Enm,△Gnm)
・・・(式4)
判定の結果、各要件を満たしていないときは、グレー値を修正し(ステップ15)、この修正した後のグレー値を画像化する(ステップ16)。一方、要件を満たしているときは、現状のグレー値をそのまま画像化する(ステップ16)。
グレー値修正部16−5は、要件判定部16−4での判定の結果、上述した各要件を満たしていないとされたとき、各主要色間の色距離,グレー軸上での距離,ボックスに含まれる色の割合,ボックスのグレー軸の長さを用いて、グレー値を修正する。
これら2つの方向性での解決方法で、グレー軸の最大値と最小値の関係で交わらないことと、主要色のUV平面上での距離とグレー値の相互間距離からなる式の総和Paが最小になる点を探せばよい。ところが、各画素の色が多数もしくは大幅に変わると、全体の色合いが変わってしまうことがある。そこで、以下の二つの評価関数を使用することで、変更される画素の割合や変更量に考慮したグレー値の調整を行う(ステップ15)。
Pc=ΣN n=1Mn2*Rn ・・・(式5)
この式5において、
Rn:ボックスnに含まれる画素の割合
Mn:ボックスnのグレー軸方向への移動量
Pd=ΣN n=1σ2n*Rn*Cn ・・・(式6)
この式6において、
σ2n:ボックスn内のグレー軸に対する分散
Cn:ボックスnの縮小率
P=APa+BPb+CPc+DPd ・・・(式7)
画像化処理部16−6は、グレー値修正部16−5で修正されたグレー値を画像化する(ステップ16)。そして、印刷手段18は、画像化されたグレー値を用いて印刷データを生成し印字出力する。
なお、ステップ14において所定の要件を満たしていると判定されたときは、ステップ15を実行することなく、画像化処理部16−6は、グレー値を画像化する(ステップ16)。
次に、画像処理プログラムについて説明する。
上記の各実施形態における)コンピュータ(画像処理装置)の画像処理機能(画像処理方法を実行するための機能)は、記憶手段(例えば、ROM(Read only memory)やハードディスクなど)に記憶された画像処理プログラムにより実現される。
これによって、画像処理機能は、ソフトウエアである画像処理プログラムとハードウエア資源であるコンピュータ(画像処理装置)の各構成手段とが協働することにより実現される。
外部記憶装置とは、CD−ROM(Compact disk−Read only memory)等の記憶媒体を内蔵し、画像処理装置に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、フレキシブルディスク,メモリカード,光磁気ディスク等をいう。
さらに、コンピュータで画像処理プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された画像処理プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされた画像処理プログラムも、CPUにより実行され、上記実施形態の画像処理装置の画像処理機能を実現する。
例えば、上述した実施形態における画像処理装置には、プリンタ(複写機),コピー機,ファクシミリ,スキャナ,デジタル複合装置を含む。
また、プリンタには、インクジェットプリンタ,昇華型熱転写方式プリンタ,ドットインパクトプリンタ,インクジェット式プリンタ,レーザプリンタ,溶融型熱転写方式プリンタなど、各種のプリンタ方式を備えたプリンタが含まれる。
11 通信手段
12 画像読取手段
13 記憶手段
16 変換処理手段
16−1 色空間変換部
16−2 ボックス化部
16−3 ボックス分析部
16−4 要件判定部
16−5 グレー値修正部
16−6 画像化処理部
Claims (7)
- カラー画像をグレー画像に変換する変換処理手段を備えた画像処理装置であって、
前記変換処理手段が、
前記カラー画像のRGBデータのすべての画素の色を、グレー軸とグレー軸に垂直な平面からなる色空間上の点に変換する色空間変換部と、
前記色空間上に、距離の近い点同士を内包するボックスを複数形成し、各ボックスごとに代表色を求めるボックス化部と、
前記ボックス化部でボックス化された色空間において、前記ボックス及び/又は前記代表色に関するデータを算出するボックス分析部と、
前記ボックス及び/又は前記代表色に関するデータが所定の要件を満たしているか否かを判定する要件判定部と、
前記判定の結果、前記所定の要件を満たしていないときに、前記代表色を用いてグレー値を修正するグレー値修正部と、
修正後のグレー値を画像化する画像化処理部とを備え、
前記ボックス分析部が、二つのボックスの各代表色の色距離と、グレー軸上での前記各代表色の距離と、各ボックスの大きさとを算出し、
前記要件判定部が、
前記各代表色の色距離とグレー軸上での前記各代表色の距離との総和と、
各ボックスがグレー軸上で重なっている割合とを算出し、
前記総和及び/又は割合が所定の要件を満たしているか否かを判定し、
前記グレー値修正部が、
二つのボックスの各代表色の色距離、グレー軸上での前記各代表色の距離、各ボックスに含まれる色の割合、各ボックスのグレー軸の長さのうちの一又は二以上を用いて、各ボックスがグレー軸上で重ならないように、前記グレー値を修正する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記ボックス化部が、
メディアンカット法を用いて、前記ボックスを形成する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記ボックス化部が、
前記色空間に配置された各点のすべてを含むボックスを形成し、
このボックスを2分割し、
分割後の各ボックスで囲まれた領域において、それぞれの領域内に配置された各点のすべてを含む最小のボックスを形成し、
これらボックスのそれぞれを2分割し、
分割後の各ボックスで囲まれた領域において、それぞれの領域内に配置された各点のすべてを含む最小のボックスを形成し、
これら分割処理とボックス形成処理とを繰り返して、所定数のボックスを形成する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。 - 前記代表色が、当該ボックスのメディアン値、平均値、重心値のうちから選択された値である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。 - 前記グレー値修正部が、
全画素数に対する、ボックスに含まれる画素数の割合を算出し、
この割合に、該ボックスのグレー軸方向への移動量を乗じた値を算出し、
この算出した値を第一評価関数とし、
グレー軸に対するボックス内の画素の分散に、ボックスの縮小率を乗じた値を算出して、これを第二評価関数とし、
前記第一評価関数と、前記第二評価関数と、各ボックスの代表色の色距離と、グレー軸上での前記各代表色の距離との総和が最小となるように、前記グレー値を修正する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。 - カラー画像をグレー画像に変換する画像処理方法であって、
前記カラー画像のRGBデータのすべての画素の色を、グレー軸とグレー軸に垂直な平面からなる色空間上の点に変換する処理と、
前記色空間上に、距離の近い点同士を内包するボックスを複数形成し、各ボックスごとに代表色を求める処理と、
前記ボックスが形成された色空間において、前記ボックス及び/又は前記代表色に関するデータとして、二つのボックスの各代表色の色距離と、グレー軸上での前記各代表色の距離と、各ボックスの大きさとを算出する処理と、
前記各代表色の色距離とグレー軸上での前記各代表色の距離との総和と、各ボックスがグレー軸上で重なっている割合とを算出し、前記総和及び/又は割合が所定の要件を満たしているか否かを判定する処理と、
前記判定の結果、前記所定の要件を満たしていないときに、二つのボックスの各代表色の色距離、グレー軸上での前記各代表色の距離、各ボックスに含まれる色の割合、各ボックスのグレー軸の長さのうちの一又は二以上を用いて、各ボックスがグレー軸上で重ならないように、前記グレー値を修正する処理と、
修正後のグレー値を画像化する処理とを有した
ことを特徴とする画像処理方法。 - カラー画像をグレー画像に変換する処理を画像処理装置に実行させるための画像処理プログラムであって、
前記カラー画像のRGBデータのすべての画素の色を、グレー軸とグレー軸に垂直な平面からなる色空間上の点に変換する処理と、
前記色空間上に、距離の近い点同士を内包するボックスを複数形成し、各ボックスごとに代表色を求める処理と、
前記ボックスが形成された色空間において、前記ボックス及び/又は前記代表色に関するデータとして、二つのボックスの各代表色の色距離と、グレー軸上での前記各代表色の距離と、各ボックスの大きさとを算出する処理と、
前記各代表色の色距離とグレー軸上での前記各代表色の距離との総和と、各ボックスがグレー軸上で重なっている割合とを算出し、前記総和及び/又は割合が所定の要件を満たしているか否かを判定する処理と、
前記判定の結果、前記所定の要件を満たしていないときに、二つのボックスの各代表色の色距離、グレー軸上での前記各代表色の距離、各ボックスに含まれる色の割合、各ボックスのグレー軸の長さのうちの一又は二以上を用いて、各ボックスがグレー軸上で重ならないように、前記グレー値を修正する処理と、
修正後のグレー値を画像化する処理と
を前記画像処理装置に実行させる
ことを特徴とする画像処理プログラム。
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