JP5103145B2 - 光電変換装置用基板およびそれを用いた光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置用基板およびそれを用いた光電変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、信頼性の高い光電変換装置用基板およびそれを用いた光電変換装置に関する。本発明の光電変換装置用基板は、薄膜太陽電池用基板として好適に用いることができる。
年々進行する地球温暖化現象に歯止めをかけるため、その原因物質の一つであるCO2の発生量を削減しようという動きが、世の中で盛んになってきている。電力用化石燃料の燃焼に伴って発生するCO2は、CO2の主要排出源の一つであるため、化石燃料に代わるエネルギー源として太陽電池が注目されている。
現在、主として実用化されている結晶系シリコン基板を用いた太陽電池は、結晶の成長に多くのエネルギーと時間を要し、またその後も複雑な工程が必要となるため量産性が向上し難く、低価格での提供が困難である。その一方で、アモルファスシリコンや、CdS、CuInSe2などの化合物半導体を用いた、いわゆる薄膜太陽電池が盛んに研究、開発されている。
薄膜太陽電池は、ガラスやステンレス基板などの安価な基板上に、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池と比較して薄い半導体層を形成すればよく、その製造工程も比較的簡単であり、広い面積に形成することが可能なので、低価格で提供できる可能性をもっている。また、実用に供される程度の強度と可撓性を有するステンレスなどの基板を用いた薄膜太陽電池では、予め巻き取った長尺基板に対して半導体層を形成し、半導体層形成後の太陽電池を再度巻き取るロール・ツー・ロール法と呼ばれる生産方法を用いることができる。したがって、生産性がより高まり、低価格で提供できる可能性がより高まる。さらに、可撓性を有する太陽電池であれば、従来結晶系シリコン太陽電池では実現が困難であった、平坦ではない場所にも設置できるようになり、新たな市場の創出による太陽電池の普及促進が期待される。
薄膜太陽電池は、上記のように基板上に光電変換層として半導体層が形成された構成であり、基板側から光を入射させるスーパーストレート型構造と、基板とは反対側から光を入射させるサブストレート型構造とに大別される。以下、サブストレート型構造の薄膜太陽電池について説明する。
サブストレート型構造の薄膜太陽電池において、基板とは反対側から入射された光は、基板上の半導体層で一部吸収され、半導体層に吸収されなかった光は基板に到達し、基板上で反射され、再度光電変換層に入射される。ここで、光入射の関係から、光入射側を「表」、基板側を「裏」と定義する。半導体層の光吸収を向上させるために、太陽電池に反射層を設ける場合があるが、基板に設けられた反射層は、前記の定義から「裏面反射層」と呼ぶ。
上記のような特徴を有する薄膜太陽電池であるが、そのエネルギー変換効率が結晶系シリコン太陽電池に比べて低いため、これまで本格的に使用されるに至っておらず、高効率化が重要な課題である。
一般に太陽電池は、光電変換層の光吸収に伴って生成するキャリアを電力として取り出すデバイスであり、エネルギー変換効率(光電変換効率)を高めるための様々な工夫がなされている。
例えば、光電変換層での光吸収量を多くするために、基板表面の光の反射率を高める工夫がなされている。すなわち、光電変換層を通過した光を良好に反射させ、再度光電変換層に入射させるための裏面反射層を基板表面に設ける工夫である。このような裏面反射層には、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの光反射率の高い金属が好適に用いられ、これらの中でも銀(Ag)は、光反射率が特に高く、太陽電池の短絡電流密度の向上効果が高い。
また、光電変換層での光吸収量を多くするために、光電変換層内を通過する光の光路長を伸ばす工夫もなされている。すなわち、基板で反射した光が拡散するような凹凸形状を基板表面に設ける工夫である。具体的には、上記の裏面反射層の下地となる基板に予め凹凸形状を設けておくと、裏面反射層が下地の凹凸形状を反映した形状を有するようになり、裏面反射層での反射光が拡散して光電変換層に再入射する。このため、基板の凹凸形状は、太陽電池の短絡電流密度の向上に寄与する。
ここで、平坦な基板上に凹凸形状を有する裏面反射層を設ける工夫もなされているが、この方法は裏面反射層となる金属材料の使用量が多くなるという欠点がある。特に裏面反射層として好適な銀(Ag)は高価であり、製造コストが増大する。
上記の技術以外にも、特開2005−79405号公報(特許文献1)には、シロキサン結合を主体とするシリカ系無機ポリマー膜で被覆されたステンレス箔であって、シリカ系無機ポリマー膜を構成するSiの少なくとも一部が、有機基または水素の一方または双方と化学結合しており、シリカ系無機ポリマー膜の表面に凹凸構造を有するシリカ系無機ポリマー膜で被覆されたステンレス箔が開示されている。
特許文献1によれば、上記のAgやSnO2と比較して安価なシリカ系無機ポリマーで凹凸形状を形成するため製造コストが削減でき、Si−R(Rは有機基または水素)結合を導入したシロキサン結合を主体とする無機ポリマー膜では、膜に柔軟性が付与されるとしている。
したがって、特許文献1によれば、太陽電池をはじめ各種電気・電子部品用に軽量で可撓性を備えた絶縁基板を提供でき、特に薄膜太陽電池基板として用いた場合、凹凸構造を有する反射層が得られるので光路長を稼ぐことができ、太陽電池の変換効率を向上させることができるとしている。
特開2005−79405号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシリカ系無機ポリマー膜を有するステンレス基板を用いて薄膜太陽電池を作製した場合、無機ポリマー膜−裏面反射層間での密着性が十分ではなく、これらの剥離が問題となる。すなわち、裏面反射層として用いられる金属元素は、金属同士間では強固な金属結合を形成するが、無機ポリマー膜−金属間ではそのような結合は形成され難いからである。
無機ポリマー膜−裏面反射層間で剥離が発生し易いと、本来ならば生産性が高いはずのロール・ツー・ロール法を用いた薄膜太陽電池の形成は、逆に歩留りを低下させることになり、薄膜太陽電池の低価格化を妨げる結果となる。薄膜太陽電池の低価格化の可能性を損なわないためには、この剥離の問題は改善すべき課題である。
特許文献1に記載のステンレス箔では、柔軟性を付与する目的で、シリコン原子に有機基が化学結合した材料をシリカ系無機ポリマー膜に用いている。この有機基によって無機ポリマー−金属間の結合を良好にすることは可能であるが、有機基が金属との結合を形成しない限りその効果は得られない。ここで、有機基と金属との結合が形成されるためには、有機基が金属原子と結合できる軌道を提供できる必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載されている、メチル基がシリコン原子に化学結合したシリカ系無機ポリマー膜では、メチル基は金属と結合できない。すなわち、その炭素原子は、シリコン原子と3つの水素原子と結合し、2s、2px、2py、2pz軌道からなるsp3混成軌道を形成して結合性軌道が全て使用されているので、他の金属原子と結合できる軌道がないからである。
また、金属との結合を形成しない有機基は、シリカ系無機ポリマー膜と金属との密着性をより低下させる要因になる。これは、金属との結合を形成しない有機基が占める空間が金属原子のシリカ系無機ポリマー膜との接近を妨げることによる。つまり、数ある有機基の中でも、金属との結合を形成しない有機基のみが無機ポリマー膜に化学結合している場合には、その有機基は、金属原子のシリカ系無機ポリマーとの接近を妨げることになる。
このようにメチル基は、ただでさえ十分ではない無機ポリマー膜−金属間の密着性をさらに低下させるので、例えば基板を曲げた場合や裏面反射層が剥離しやすい状況になった場合により大きな問題となって現れることになる。
上記のように、シリカ系無機ポリマーへのメチル基の導入は、シリカ系無機ポリマー膜の柔軟性を向上させるためには有効な手段であるが、メチル基自体が金属と結合しないので、裏面反射層との密着性を低下させる要因になる。したがって、特許文献1に記載の発明は、安価に凹凸形状を有するステンレス箔(基板)を得ることができるという長所をもつ反面、裏面反射層が剥離し易く、歩留りや信頼性が低いという短所がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、裏面反射層となる金属膜と支持体との密着性を高めた、信頼性の高い光電変換装置用基板およびそれを用いた光電変換装置を提供することを課題とする。
かくして、本発明によれば、カルボニル基(−C(O)−)を有する化合物で処理された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を備えてなることを特徴とする光電変換装置用基板が提供される。
また、本発明によれば、金属酸化物膜および金属膜が積層され、前記金属酸化物膜の金属M1と前記金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在するカルボニル基またはカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して結合していることを特徴とする光電変換装置用基板が提供される。
さらに、本発明によれば、カルボニル基を有する化合物を含む溶液に金属酸化物膜を20〜180℃で5分〜100時間浸漬し、次いで20〜180℃で0.1〜24時間乾燥し、処理された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を形成して、金属酸化物膜上に金属膜を備えた光電変換装置用基板を得ることを特徴とする光電変換装置用基板の製造方法が提供される。
また、上記の光電変換装置用基板の金属膜上に、光電変換層および取り出し電極が順次積層されてなることを特徴とする光電変換装置が提供される。
本発明によれば、裏面反射層となる金属膜と支持体との密着性を高めた、信頼性の高い光電変換装置用基板およびそれを用いた光電変換装置を提供することができる。
本発明の光電変換装置用基板は、薄膜太陽電池用基板として好適に用いることができる。
本発明の光電変換装置用基板は、カルボニル基を有する化合物で処理された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を備えてなることを特徴とする。
図1は、本発明の光電変換装置用基板を示す概略断面図である。この光電変換装置用基板100は、支持体10上に金属酸化物膜20および金属膜30が順次に積層されている。
以下、図1を用いて、本発明の光電変換装置用基板について具体的に説明するが、これらは一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
(支持体10)
本発明の光電変換装置用基板は、光電変換装置の構造を保持できる程度の適度な強度や重量を有する支持体を有しているのが好ましい。その構成材料は特に限定されず、公知の各種材料を用いることができる。
また、透光性材料と非透光性材料のいずれでもよく、導電性材料、非導電性材料のいずれでもよく、必要に応じて支持体上に導電層を形成してもよい。
透光性材料としては、例えばポリイミド、ポリビニルなどの樹脂やガラスなどが挙げられ、非透光性材料としては、例えば銅、真鍮、鉄、ステンレスなどの金属やセラミックなどが挙げられる。
また、導電性材料としては、上記の金属などが挙げられ、非導電性材料として上記の樹脂、ガラス、セラミックなどが挙げられる。
支持体は、上記の目的を達成し得る厚さを有していればよく、通常0.1〜10mm程度である。光電変換装置の軽量化を考慮すれば、構造を保持できる程度の強度や重量を有しながらも、なるべく薄くすることが望ましい。
また、支持体は可撓性を有していてもよい。このような支持体であれば、曲がった場所に設置可能な光電変換装置を形成することができる。可撓性を有する材料としては、上記の金属や樹脂などが挙げられる。
(金属酸化物膜20)
金属酸化物膜20は、支持体10上に積層される、金属元素の酸化物を含む膜であり、
カルボニル基を有する化合物で処理することにより、次いで積層される金属膜30との界面において、金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在するカルボニル基またはカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して結合しているものと考えられる。
カルボニル基は、炭素原子が酸素原子と二重結合で結合している官能基である。
カルボニル基は、その分子軌道のうち炭素原子と酸素原子のπ結合の非結合性軌道を提供し、この軌道が金属原子のd軌道と良好な重なりを示すことから、金属原子はカルボニル基に電子を与えて良好に結合することになる。また、カルボニル基を構成する炭素原子と酸素原子とでは炭素原子の方が同じ軌道でもエネルギーレベルが高く、金属原子のd軌道に近いことから、金属原子は炭素原子側と良好に結合することになる。
さらに、カルボニル基を構成する炭素原子と酸素原子とでは酸素原子の方が高い電気陰性度を有し、C=O結合の電子が酸素原子上に偏っていることから、炭素原子はいくぶんか正電荷を帯びている。このことも、金属原子が炭素原子に電子を与え易い要因となっている。
上記のことを、式を用いて具体的に説明する。すなわち、金属酸化物膜に含まれる金属M1は、直接または酸素原子を介してカルボニル基と、例えば次のような結合形態で結合しているものと考えられる。
M1−C=O
M1−O−C=O
M1−O−C(O)−C=O
M1−O−C(O)−R−C=O
M1−O−C(O)−Ph−C=O
M1−O−C(O)−NH−C=O
M1−O−C(O)−NR−C=O
M1−O−C(O)−R−NH−C=O
M1−O−C(O)−R−NR−C=O
M1−O−C(O)−NPh−C=O
M1−O−C(O)−Ph−NH−C=O
M1−O−C(O)−Ph−NPh−C=O
M1−O−C(O)−Ph−NR−C=O
M1−O−C(O)−R−NPh−C=O
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアルキレン基であり、Phはフェニル基である)
このようなカルボニル基を構成する炭素原子は、金属膜30に含まれる金属M2と、O=C−M2のように、付着性に優れた共有結合性の結合を形成しているものと考えられる。
金属酸化物膜と金属膜との付着性の観点から、カルボニル基を有する化合物は、炭素原子よりも電気陰性度の大きな元素を含んでいるのが好ましい。
電気陰性度とは、分子内にある原子が、電子をそれ自身の方に引き寄せる強さのことである。例えば、電気陰性度α1の物質G1と電気陰性度α2の物質G2とが共有結合している場合、α1>α2であれば、その共有電子対はG2よりもG1側に存在することになる。この場合には、G1とG2とが理想的に電子を共有している結合状態と比較して、G1の方がやや負電荷を、G2の方がやや正電荷を帯びている。
すなわち、カルボニル基を有する化合物が炭素原子よりも電気陰性度の大きな元素を含む場合には、炭素原子よりも電気陰性度の大きな元素がカルボニル基の炭素原子から電子を引き寄せるために、カルボニル基の炭素原子がより正電荷を帯びるようになる。これにより金属膜の金属原子M2からカルボニル基への電子供与がより進行し易くなり、カルボニル基と金属膜の金属原子M2との結合がより強くなる。
炭素原子よりも電気陰性度の大きな元素の好ましい例としては、塩素原子、窒素原子、
酸素原子などが挙げられる。
カルボニル基の存在の有無は、赤外分光法(IR)などの公知の方法により確認することができる。すなわち、赤外分光法では、1600〜1900cm-1の強い吸収がカルボニル基のC=O伸縮振動に帰属しており、この波数領域の吸収を測定することによって、カルボニル基の有無を確認することができる。
また、金属酸化物膜中の炭素原子よりも電気陰性度の大きな元素の有無は、二次イオン質量分析法(SIMS)やオージェ電子分光法(AES)などの公知の方法により確認することができる。
また、カルボニル基を有する化合物は、電子吸引性基Aを有し、カルボニル基と隣接して結合するような構造(A−C(O)−)を有しているのが好ましい。
このような場合には、電子吸引性基Aがカルボニル基の炭素原子から直接電子を引き寄せるために、カルボニル基の炭素原子がより正電荷を帯びるようになる。これにより金属膜の金属原子M2からカルボニル基への電子供与がより進行し易くなり、カルボニル基と金属膜の金属原子M2との結合がより強くなる。したがって、電子吸引性基Aの電子吸引能力は高ければ高いほど大きな効果が得られる。
カルボニル基に隣接して電子吸引性基Aを有する化合物としては、
A−C(O)−H、A−C(O)−Rで表されるアルデヒドやケトン;
A−C(O)−OHで表されるカルボン酸;
A−C(O)−ORで表されるエステル;
A−C(O)−R−CH2COOH、A−C(O)−R−CH(COOH)2、A−C(O)−R−C(COOH)3で表されるカルボン酸;
A−C(O)−R−CH2OH、A−C(O)−R−CH(OH)2、A−C(O)−R−C(OH)3で表されるアルコール;
A−C(O)−R−CH2OR、A−C(O)−R−CH(OR)2、A−C(O)−R−C(OR)3で表されるエステル;
A−C(O)−NH2、A−C(O)−R−CH2NH2、A−C(O)−R−CH(NH2)2、A−C(O)−R−C(NH2)3で表されるアミン;
A−C(O)−NHR、A−C(O)−R−CH2NHR、A−C(O)−R−CH(NHR)2、A−C(O)−R−C(NHR)3で表されるアミド;
A−C(O)−NR2、A−C(O)−R−CH2NR2、A−C(O)−R−CH(NR2)2、A−C(O)−R−C(NR2)3で表されるアミド;
A−C(O)−X、A−C(O)−CH2X、A−C(O)−CHX2、A−C(O)−CX3、A−C(O)−R−CH2X、A−C(O)−R−CHX2、A−C(O)−R−CX3で表されるケトン
(式中、Aは電子吸引性基であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはアルキレン基であり、Phはフェニル基であり、XはF、Cl、BrまたはIである)
などが挙げられる。
電子吸引性基Aとしては、−NO2基、−CN基、−NR2基(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である)、−CZ3基(式中、ZはF、Cl、BrまたはIである)および−SO3H基などが挙げられる。これらの中でも−NO2基は、O原子上にN原子から提供された非共有電子対を含む電子が非局在化して存在し、N原子はいくぶんか正電荷を帯びているので、N原子と隣接する原子から電子を吸引する能力が高く、特に好ましい。
上記の構造を有する化合物は、市販のものまたは公知の有機合成方法により製造したものを用いることができる。例えば、上記の構造を有しかつ電子吸引性基AがNO2であるカルボニル基を有する化合物は、ハロゲン化アルキルを硝酸銀と反応させることによってハロゲン原子をNO2基に置換できるKornblumニトロ化反応によって合成することができる。すなわち、Aの部位がハロゲン原子である化合物のニトロ化反応により合成することができる。
金属酸化物膜中の電子吸引性基Aの存在の有無は、赤外分光法、ラマン分光法、核磁気共鳴法(NMR)などの公知の方法により確認することができる。すなわち、赤外分光法では、1450〜1500cm-1の強い吸収と1250〜1350cm-1の吸収がNO2基を示し、これらの吸収はカルボニル基の吸収波数範囲と異なるので、カルボニル基と区別して確認することができる。
カルボニル基を有する化合物は、エステル結合を含んでいるのが好ましい。
エステル結合は、鎖状または架橋的な構造を形成し、その構造中にカルボニル基を有する原子団が取り込まれるようになる。
エステル結合とは、−C(O)O−で表される結合であり、次式に示すようにカルボン酸またはカルボン酸誘導体が有する−C(O)Xと水酸基OHとの間の縮合反応により、副生成物XHを伴って形成される結合である。
R'−C(O)X + M−OH → R'−C(O)O−M + XH
(式中、R'=Cnm(nおよびmは自然数である)で表される飽和または不飽和炭化水素基である)
例えば、水酸基OHに対して、Xが−OHである場合にはカルボン酸との反応によって水(H2O)が、Xが−OCOR'である場合にはカルボン酸無水物との反応によってカルボン酸(R'COOH)が、XがClである場合には塩化アシルとの反応によって塩化水素(HCl)がそれぞれ副生成物として生成される。これらの中でも塩化アシルは、最も反応性が高く、また副生成物のHClが標準状態で気体であり容易に除去でき、エステル結合の形成反応の化学平衡を生成物側にずらすことができるので特に好ましい。このため、カルボニル基を有する原子団はX=Clである−C(O)Cl基を有することが好ましい。
また、カルボニル基を有する原子団が2つ以上の−C(O)Cl基を有する場合には、金属酸化物膜と2つ以上のエステル結合を形成できるため、カルボニル基を有する原子団がより強固に金属酸化物膜と結合できるのでさらに好ましい。
エステル結合の存在の有無は、赤外分光法などの公知の方法により確認することができる。すなわち、赤外分光法では、1000〜1300cm-1の吸収がエステル結合のC−O伸縮振動に帰属しており、この波長領域の吸収を測定することによりエステル結合の存在の有無を確認することができる。
さらに、カルボニル基を有する化合物は、エステル結合を有しかつA−C(O)−Q−(式中、Aは電子吸引性基であり、Qはエステル結合を有する連結基である)で表される構造を有しているのが好ましい。
カルボニル基を有する化合物が上記のカルボニル基を有する原子団を有していると、連結基Qと金属酸化物膜との間に形成される化学結合によって、カルボニル基を有する原子団が金属酸化物膜に強固に固定化されるので好ましい。すなわち、連結基QがC(O)−Oで表されるエステル結合の構造を有しているので、カルボニル基を有する原子団はエステル結合により金属酸化物膜に固定化される。
また、連結基Qが複数のエステル結合を有していると、カルボニル基を有する原子団は、エステル結合を含む金属酸化物膜と複数部分で結合するができる。さらに、カルボニル基を有する原子団同士は、エステル結合を介して連結基Qに結合できる。したがって、溶剤に添加したヒドロキシ酸などによる鎖状または架橋的な構造を介してのみならず、連結基Qを介してもカルボニル基を有する原子団が金属酸化物膜に取り込まれるようになる。
複数のエステル結合を有する連結基Qとしては、例えば
CH(CH2COO)C(O)−O;CR(CH2COO)C(O)−O;CPh(CH2COO)C(O)−O;C(OH)(CH2COO)C(O)−O;C(NH2)(CH2COO)C(O)−O;C(NHR)(CH2COO)C(O)−O;C(NR2)(CH2COO)C(O)−O;C(CH2COO)2C(O)O;CH2C(CH2COO)2C(O)O;CHRC(CH2COO)2C(O)O;CR2C(CH2COO)2C(O)O;CHPhC(CH2COO)2C(O)O;CPh2C(CH2COO)2C(O)O;CRPhC(CH2COO)2C(O)O;CH(OH)C(CH2COO)2C(O)O;CR(OH)C(CH2COO)2C(O)O;CPh(OH)C(CH2COO)2C(O)O;C(OH)2C(CH2COO)2C(O)O;CHNH2C(CH2COO)2C(O)O;C(NH2)2C(CH2COO)2C(O)O;CRNH2C(CH2COO)2C(O)O;CH(NHR)C(CH2COO)2C(O)O;CHNR2C(CH2COO)2C(O)O;CRNR2C(CH2COO)2C(O)O;C(OH)NH2C(CH2COO)2C(O)O;C(OH)NHRC(CH2COO)2C(O)O;C(OH)NR2C(CH2COO)2C(O)O
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Phはフェニル基である)
などが挙げられる。
エステル結合を含みかつA−C(O)−Q−で表される構造を有する化合物としては、例えば、A−C(O)−COOH;A−C(O)−CH(CH2COOH)COOH;A−C(O)−CH(OH)COOH;A−C(O)−C(CH2COOH)2COOH;A−C(O)−C(OH)2COOH;A−C(O)−C(OH)(COOH)COOH;A−C(O)−COCl;A−C(O)−CH(CH2COCl)COCl;A−C(O)−CH(OH)COCl;A−C(O)−C(CH2COCl)2COCl;A−C(O)−C(OH)2COCl;A−C(O)−C(OH)(COCl)COCl;A−C(O)−CH(CH2COCl)COOH;A−C(O)−C(CH2COCl)2COOH;A−C(O)−C(OH)(COCl)COOH;A−C(O)−CH(CH2COOH)COCl;A−C(O)−C(CH2COOH)(CH2COCl)COOH;A−C(O)−C(CH2COOH)2COCl;A−C(O)−C(CH2COOH)(CH2COCl)COCl(式中、Aは電子吸引性基である)などが挙げられる。
例えば、連結基QがC(CH2COO)2C(O)Oである場合には、連結基Qが3つのエステル結合を有し、カルボニル基を有する原子団は最大3箇所で金属酸化物膜と結合できる。また、3つのエステル結合のいくつかを用いて、連結基Q同士または溶剤に添加したヒドロキシ酸などと結合できる。
カルボニル基と連結基Q中のエステル結合の間には、メチレン基(−CH2−)または−CHL−基(式中、Lは炭化水素基である)が存在するのが好ましい。すなわち、カルボニル基を有する原子団は、A−C(O)−CH2−C(O)−O−またはA−C(O)−CHL−C(O)−O−の構造を有するのが好ましい。
このように1つの炭素原子を介してカルボニル基とエステル結合が連結した構造は、一般に「βケトエステル構造」と呼ばれる。βケトエステルは、2つのカルボニル基の片方にCH2基またはCHL基の水素原子の1つが転移した、ケト−エノール互変異性体を形成し、それによってできたOH基ともう一方のカルボニル基との間で水素結合を形成して安定化することができる。これによりカルボニル基を有する原子団はより安定に金属酸化物膜に存在できることになる。
A−C(O)−Q−構造の存在の有無は、赤外分光法などの公知の方法により確認することができる。まず、上記のように赤外分光法により、カルボニル基の存在の有無を1600〜1900cm-1での吸収により、エステル結合の存在の有無を1000〜1300cm-1の吸収により、電子吸引性基、例えばNO2基の存在の有無を1450〜1500cm-1での強い吸収と1250〜1350の吸収により確認する。次に、これらのA−C(O)−Q−構造の有無は、炭素−13核磁気共鳴分光法(13C−NMR)により確認することができる。
13C−NMRでは、そのスペクトルのピーク数から、化学的に非等価な炭素原子の数を、ピーク位置(ある標準試料に対する化学シフト量)から、炭素骨格の構造および炭素原子に結合した原子団を確認することができる。炭素骨格や炭素原子に結合した原子団による化学シフト量は重畳されるので、予めIRにより官能基の種類を確認しておき、その官能基による化学シフト量を増減させて考察することにより、原子団の構造決定がより容易になる。
すなわち、カルボニル基を有する化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;ギ酸、酢酸、安息香酸などのカルボン酸;無水酢酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などのカルボン酸無水物;塩化アセチル、塩化ベンゾイルなどの塩化アシル類;アセトアミド、ベンズアミドなどのアミド類が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ニトロ基、アミノ基またはカルバモイル基で置換されていてもよい脂肪族飽和モノ、ジもしくはトリカルボン酸類、およびハロゲン化アシル類であるのが好ましい。
より具体的には、カルボニル基を有する化合物は、脂肪族飽和モノカルボン酸類としてのトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、トリヨード酢酸、ニトロ酢酸、α−(アミノカルボニル)−α−エチルベンゼン酢酸、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸、3−アミノ−2−クロロ−3−オキソプロパン酸、2−(アミノカルボニル)−2−酪酸または2−カルバモイル−2−イソプロピル−3−メチルブタン酸;脂肪族飽和ジカルボン酸類としての4−アミノ−4−オキソブタン酸(スクシンアミド酸)、N−メチルスクシンアミド酸またはN,N−ジメチルスクシンアミド酸;脂肪族飽和トリカルボン酸類としてのクエン酸;ハロゲン化アシル類としての塩化アセチルであるのが特に好ましい。
金属酸化物膜に含まれる金属M1には種々の金属元素を用いることができる。
このような金属としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、軽金属であるアルミニウム(Al)、半金属である珪素(Si)が挙げられる。これらの中でも、遷移金属、Al、Siは、それらの酸化物が高い融点と化学的安定性を有するなどの理由から特に好ましい。
このような遷移金属酸化物としては、例えばチタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
また、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)は、遷移金属酸化物と比較して電気的絶縁性が高く、絶縁性が求められる場合に好適に用いられる。
金属酸化物膜は、実用的な強度を有する膜厚であれば特に限定はされず、通常0.1〜1mm程度である。
また、金属酸化物膜は、金属膜の下地層であり、金属膜に光散乱のための好適な凹凸形状をもたせるために凹凸形状を有しているのが好ましい。すなわち、好適な凹凸形状は、光電変換装置において光電変換層を透過し、金属膜で反射した光を拡散させて、光電変換層に再入射する光の光路長を伸ばし、光電変換層の変換効率を向上させることができる。
凹凸のない平坦な金属酸化物膜上に凹凸形状を有する金属膜を形成してもよいが、金属膜を形成する金属量が多くなるので、凹凸形状を有する金属酸化物膜上に、その凹凸形状を反映した金属膜を形成するのが好ましい。
他方、金属酸化物膜が凹凸形状を有することにより、その比表面積が大きくなり、カルボニル基を有する原子団を数多く結合させ易くなる。
金属酸化物膜の凹凸形状の大きさ(表面粗さ)は、Ra=0.1〜3μm、Rmax=3〜5μmが好ましい。
凹凸形状を有する金属酸化物膜の形成方法については、次項(金属酸化物膜20の形成方法)の中で説明する。
(金属酸化物膜20の形成方法)
金属酸化物膜は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法などの真空装置を用いた気相法、ゾルゲル法など液相法などの公知の方法により形成することができる。これらの中でも、ゾルゲル法は、高価な真空装置を用いないこと、比較的低温で成膜できることから特に好ましい。また、ゾルゲル法は、カルボニル基を有する原子団を含む化合物を塗液に混入し、この塗液を用いて1段階で成膜できることから特に好ましい。
ゾルゲル法について具体的に説明する。
まず、出発原料となる金属アルコキシド、水、アルコールを適量混合し、得られた溶液を加熱しながら攪拌して金属アルコキシドを加水分解させてゲルを得る。出発原料の混合比や加熱温度などの条件は適宜設定すればよい。また、加水分解の反応速度を高めるために、例えば溶液中に酸またはアルカリを加えて水素イオンや水酸化物イオンを存在させてもよい。
次に、得られたゲルを支持体10上に塗布することにより塗膜を形成する。
塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法などの公知の方法が挙げられる。例えば、スクリーン印刷法は、孔版に設けられた孔を通して塗布材料を被印刷物に対して押し出す印刷法であり、他の塗布方法と比較して、曲面に対する印刷に優れている。
次に、得られた塗膜を乾燥・焼成することにより金属酸化物膜20を得る。
乾燥および焼成における温度、時間、雰囲気などの条件は、使用する支持体や最終形成物の形態によって適宜設定すればよい。例えば、大気または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度、10秒〜12時間程度が挙げられる。乾燥および焼成は単一の温度で1回であっても、温度を変化させて複数回繰り返してもよい。また、塗布、乾燥および焼成を複数回繰り返してもよい。
上記のように、金属酸化物膜は凹凸形状を有しているのが好ましい。
凹凸形状を有する金属酸化物膜を形成する方法としては、例えば、金属酸化物膜を形成した後に酸またはアルカリによってその表面をエッチングする方法などが挙げられる。
しかしながら、製造手順の簡略化による製造コスト低減の観点から、金属酸化物膜の形成と同時に凹凸形状が形成されることが望ましい。このような方法としては、例えば、凹凸形状を有する金属酸化物膜を結晶成長により形成する方法などが挙げられる。
しかしながら、結晶成長は物質固有のものであり、金属酸化物膜に用いる物質によって、形成できる凹凸形状がほぼ決定してしまう。このため、結晶成長によって形成された凹凸形状が必ずしも光散乱に有効ではない場合があり、凹凸形状の制御が可能であり、かつ金属酸化物膜の形成と同時に凹凸形状が形成ができる方法が望ましい。このような方法としては、例えば、金属酸化物膜の形成用塗液に、金属酸化物膜が所望の凹凸サイズを有するように粒子径を選択した微粒子を混入させ、これを塗布する方法が挙げられる。この方法は、1段階のプロセスで金属酸化物膜の形成と同時に凹凸形状を形成でき、粒子径が揃えることにより、金属酸化物膜の凹凸形状のばらつきを少なくすることができる。
本明細書において、用語「微粒子」は、0.1μm以上数十μm以下の粒子径をもつ微小な物体と定義する。
また、用語「粒子径」は、日本工業標準調査会(JISC)の規格(規格番号JIS Z8819−1)によれば、同一物性の球の直径、すなわち、投影面積や体積などの幾何学的特性の測定法、終末沈降速度などの動力学的特性の測定法、レーザー光の散乱パターンなどの光学的特性の測定法などの測定方法において同一の物性値を与える球形粒子の直径と定義されており、本明細書中においてもこの定義を採用する。
微粒子の材料としては、例えば遷移金属、軽金属であるアルミニウム(Al)、半金属である珪素(Si)などの酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物は一般に化学的に安定であり好ましい。また、微粒子の材料が、金属酸化物膜と同じ金属元素からなる場合には化学的親和性に富むので特に好ましい。例えば、金属酸化物膜が主にシリカ(SiOx)からなる場合には微粒子の材料もシリカ(SiO2)を、金属酸化物膜20が主にチタニア(TiO2)からなる場合には微粒子の材料もチタニア(TiO2)を用いるのが好ましい。
微粒子の粒子径は、金属酸化物膜の凹凸サイズにより適宜設定すればよく、通常0.1〜3μm程度である。
また、金属膜の光散乱を目的とした凹凸形成のために微粒子を設定することから、粒子径は、レーザー光の散乱パターンなどの光学的特性の測定法から求められる粒子径を採用するのが好ましい。
微粒子の形状は、上記の粒子径を満足するものであれば特に限定されず、球形状や多面体形状などの種々の形状が挙げられる。
また、微粒子は分散配置されているのが好ましい。この分散配置により、凹凸形状がより粒子径を反映させたものになる。
微粒子を分散させる方法としては、微粒子の液中懸濁液に対して超音波照射を行う方法、pHを制御することで微粒子の表面電位を制御する方法、分散剤(例えば、和光純薬株式会社製、商品名:Triton−X−100)によって微粒子の表面を改質する方法などやこれらの組み合わせが挙げられる。
これらの方法は、金属酸化物膜20に微粒子を含ませるのと同時に行ってもよく、予め分散処理が施された微粒子懸濁液(シーアイ化成株式会社製、商品名:NanoTek(登録商標)Slurry)を用いることも可能である。
金属酸化物膜中における微粒子の存在の有無は、断面TEMや断面SEMなどにより確認することができる。また、微粒子の分散状態は、SEMなどにより確認することができる。
本発明の光電変換装置用基板を得るためには、例えば、金属酸化物膜を形成する際にカルボニル基を有する化合物を添加したり、金属酸化物膜の形成後にカルボニル基を有する化合物を含有する溶液に浸漬させたり、そのような溶液を滴下させたりする方法などが挙げられる。
浸漬する場合には、密閉容器内において溶液を循環させるのが好ましい。また、加熱した溶液に金属酸化物膜を浸漬させても、金属酸化物膜を浸漬した後に溶液を加熱してもよい。
これらの中でも、カルボニル基を有する化合物を含む溶液に金属酸化物を20〜180℃で5分〜100時間浸漬し、次いで20〜180℃で0.1〜24時間乾燥し、処理された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を形成するのが好ましい。
カルボニル基を有する化合物を含有する溶液は、カルボニル基を有する化合物を適当な溶剤に溶解することなどにより調製できる。
このような溶剤としては、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;アセトンなどのケトン類;ジエチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルなどの含窒素化合物類;四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;水などの公知の溶剤が挙げられ、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。
カルボニル基を有する化合物が溶剤との反応性に富み、加溶剤分解が起こる場合には、適宜溶剤を選択すればよく、例えば、カルボニル基を有する化合物が塩化アシル基を有する場合には、プロトン性溶剤との反応による塩化アシル基の失活を回避するために、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素など非プロトン性の溶剤を用いることが望ましい。
また、カルボニル基を有する化合物を含有する溶液で金属酸化物膜を処理する際に、エチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコール;ビスフェノールAなどのポリフェノール;シュウ酸やフタル酸などのジカルボン酸;クエン酸やコール酸などのヒドロキシ酸;セリン、トレオニン、チロシンなどのアミノ酸を1種もしくは2種以上を混合して添加した場合には、これらと金属酸化物膜とがエステル結合を形成し、鎖状あるいは架橋的な構造によってつながり、そのようにしてできた構造中にカルボニル基を有する原子団が取り込まれ、金属酸化物膜がカルボニル基を有する原子団をより多く有することができるようになるので好ましい。これらジカルボン酸やヒドロキシ酸は、溶剤中に1×10-4〜1mol/lの濃度で加えるのが好ましい。
(金属膜30)
金属膜は、高い光反射率と高い導電性を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、公知の各種材料を用いることができる。
また、金属膜は、金属酸化物膜との付着性に優れるものが好ましい。
このような材料としては、カルボニル基が結合する方向に応じて、d軌道が分裂してできる安定な軌道を結合に使うことができる金属、例えば鉄(Fe)、Ru(ルテニウム)、銀(Ag)、オスミウム(Os)などの金属およびこれらを含む合金が挙げられる。これらの中でもオスミウムはd軌道の分裂の度合いが大きく特に好ましい。また、銀は光反射率が高く、後述する反射金属膜の機能も有するので特に好ましい。
金属膜30は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、めっき法、スプレー法、スクリーン印刷法などの公知の方法により、金属酸化物膜20上に積層させて形成することができる。これらの方法は2種以上を組み合わせて、また1種の方法であっても2回以上に分けて用いてもよい。
金属膜は、十分な反射率が得られる程度の厚さを有しながらも、金属使用量の低減によるコストアップの抑制という観点からなるべく薄い方が好ましく、通常100〜500nm程度である。
金属膜は、下地層である金属酸化膜の凹凸形状が反映される。その表面粗さは、Ra=0.15〜3μm、Rmax=1〜3μmが好ましい。この数値範囲は、例えば太陽電池で考えた場合、太陽光スペクトルの近似として一般的に用いられる6000Kの黒体輻射スペクトルの下限および上限である、150nm〜3μmの波長の光に対して十分な光散乱効果を得るために好ましい。
金属膜の表面荒さは、原子間力顕微鏡(AFM)などによって測定することができる。
(反射金属膜)
本発明の光電変換装置用基板100の金属膜30上には光電変換層が形成されるが、金属膜と光電変換層との間に、図2に示すような反射金属膜が積層されていてもよい。
反射金属膜を設けることにより、光電変換層に再入射する光の損失を低減することができる。
図2は、本発明の別の光電変換装置用基板を示す概略断面図である。この光電変換装置用基板100は、図1の光電変換装置用基板に反射金属膜31がさらに積層されている。
反射金属膜は、高い光反射率を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、公知の各種材料を用いることができる。
このような材料としては、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、チタニウム(Ti)などの金属およびこれらを含む合金が挙げられる。これらの中でも銀は光反射率が高く、特に好ましい。
反射金属膜と金属膜はどちらも金属元素からなり、一般的に強固な金属結合を形成することができるため、金属酸化物膜と金属膜と、反射金属膜31とは、一貫して付着にすぐれた積層膜を形成することができる。
但し、高い光電変換効率を有する光電変換装置用基板を得るためには、必ずしも図2のように反射金属膜31を積層させた構造とする必要はない。例えば、金属膜30に光反射率の高いAgを用いれば、反射金属膜31を改めて積層させる必要がなくなり、プロセスコストの低減を図ることができるので好ましい。すなわち、Agを反射金属膜31として機能させる。
反射金属膜31は、金属膜30と同様の方法により、金属膜30上に積層させて形成することができる。これらの方法は2種以上を組み合わせて、また1種の方法であっても2回以上に分けて用いてもよい。
反射金属膜は、十分な反射率が得られる程度の厚みを有しながらも、金属使用量の低減によるコストアップの抑制という観点からなるべく薄い方が好ましく、通常100〜500nm程度である。
反射金属膜は、下地層である金属膜の凹凸形状が反映される。その表面粗さと測定方法は金属膜と同様である。
(付着力の評価)
金属酸化物膜とそれに積層された金属膜との付着力は、例えばJIS R3255(ガラスを基板とした薄膜の付着性試験方法)のスクラッチ法、JIS K5600−5−7(塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第7節:付着性(プルオフ法))の方法などに準拠した引張方法により評価することができる。
JIS K5600−5−7に準拠した引張方法は、付着力測定対象物を引張冶具と支持台に強力な接着剤で固定して引張冶具を引張り、付着力測定対象物の剥離(破断)時における力の大きさを付着力として測定・評価する方法である。この方法は、金属膜が剥離(破断)したことを目視で確認し易く、スクラッチ法と比較して剥離(破断)面が大きく、SEM−EDXなどの元素分析装置を用いた剥離(破断)面の特定が容易であるので好ましい。
(光電変換装置)
本発明の光電変換装置は、本発明の光電変換装置用基板の金属膜上に、光電変換層および取り出し電極が順次積層されてなることを特徴とする。
図3は、本発明の光電変換装置を示す概略断面図である。この光電変換装置200は、図1の光電変換装置用基板100の金属膜30上に、n型半導体層41、i型半導体層42およびp型半導体層43が順次積層されてなる光電変換層40が形成され、さらに光電変換層40の所定の位置に取り出し電極50が形成されてなる。
図3に基づいて本発明の光電変換装置について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(光電変換層)
光電変換層は、光吸収に伴ってキャリアを生成する層であり、当該技術分野において用いられる光電変換材料により構成される。
光電変換材料は、半導体であれば特に限定されず、主にシリコンを含むシリコン系半導体、および砒化ガリウム(GaAs)、テルル化カドミウム(CdTe)、銅インジウムガリウムセレン(CIGS)などの化合物半導体が挙げられる。
金属膜に形成される凹凸形状は、シリコンの光吸収のために適しているため、光電変換層40を構成する材料としてはシリコンが好ましく、アモルファスシリコン(a−Si)、微結晶シリコンが特に好ましい。
本明細書における用語「アモルファス」は、当該技術分野において一般的に使われる用語「アモルファス」と同義である。
また、用語「微結晶」は、当該技術分野で一般的に使われるように、実質的に結晶相のみからなる状態だけでなく、結晶相とアモルファス相が混在した状態を含む。例えば、ラマン散乱スペクトルにおいて、結晶シリコン中のシリコン−シリコン結合に帰属する520cm-1付近の鋭いピークがわずかでも検出されれば「微結晶シリコン」とする。
なお、本明細書における用語「アモルファスシリコン」および「微結晶シリコン」は、それぞれ当該技術分野で一般的に使われる「水素化アモルファスシリコン」および「水素化微結晶シリコン」を含むものとする。
光電変換層40は、CVD法などの公知の方法により、金属膜30上に積層させて形成することができる。
CVD法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法、熱CVD法、ホットワイヤーCVD法、MOCVD法などが挙げられ、微結晶シリコン層の形成には、低温での非平衡プロセスであるプラズマCVD法が好ましい。
以下ではプラズマCVD法について説明する。
プラズマCVD法に使用するシリコン含有ガスは、SiH4、Si26などのシリコン原子を含むものであれば特に限定されないが、一般的にSiH4を用いる場合が多い。
シリコン含有ガスと共に使用する希釈ガスとしては、H2、Ar、Heなどが挙げられ、アモルファスシリコンおよび微結晶シリコンの形成時にはH2を用いる場合が多い。
また、p型およびn型半導体層の形成にシリコン含有ガスおよび希釈ガスと共に使用するドーピングガスは、目的とする導電型を決定する元素を含むガスであれば特に限定されない。
p型決定元素としては、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)などの不純物原子が挙げられ、例えばホウ素である場合には一般的にB26を用いる場合が多い。
n型決定元素としては、リン(P)、窒素(N)、酸素(O)などの不純物原子が挙げられ、例えばリンである場合には一般的にPH3を用いる場合が多い。
プラズマCVD法における基板温度、圧力、ガス流量、プラズマへの投入電力などの条件は、成膜する層により適宜設定すればよい。例えば、条件設定によりアモルファス相と結晶相の存在比率を制御すればよい。
光電変換層40は、図3に示すように光電変換装置用基板100に対してp−i−n構造であるが、逆順に積層されたn−i−p構造であってもよい。
p−i−n構造の場合、各半導体層の膜厚は特に限定されるものではないが、n型半導体層は5〜100nm、好ましくは10〜30nmであり、i型半導体層は100〜5000nm、好ましくは200〜4000nmであり、p型半導体層は5〜50nm、好ましくは10〜30nmである。
光活性層であるi型半導体層に入射する光量を多くするために、p型半導体層はその機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。
n型半導体層41は、n型決定元素がドープされたシリコン層であり、アモルファスシリコン層、微結晶シリコン層のいずれでもよい。
n型半導体層中の結晶シリコン相は、導電性を高くし、光電変換層の直列抵抗を低減し形状因子を増加させることができるので、光電変換装置の変換効率が向上する。
また、n型半導体層中の結晶シリコン相は、i型半導体層の下地層として結晶成分の成長を促進して短絡電流密度を増加させることができるので、光電変換装置の変換効率が向上する。
i型半導体層42は、特に不純物を添加していないシリコン層であるが、実質的に真性な半導体であれば少量の不純物元素が含まれていてもよい。i型半導体層は、アモルファスシリコン層、微結晶シリコン層のいずれでもよいが、光劣化が生じず高い光電変換効率が得られる点で、微結晶シリコンがより好ましい。
p型半導体層43は、p型決定元素がドープされたシリコン層であり、アモルファスシリコン層、微結晶シリコン層のいずれでもよい。
p型半導体層中の結晶シリコン相は、n型半導体層中の結晶シリコン相と同様に、導電性を高くし、光電変換層の直列抵抗を低減し形状因子を増加させることができるので、光電変換装置の変換効率が向上する。
(取り出し電極)
取り出し電極50は、高い光反射率と高い導電性を有するものであれば、その構成材料は特に限定されず、公知の各種材料を用いることができる。
このような材料としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)などの金属およびこれらを含む合金が挙げられる。
取り出し電極50の形状は、櫛形などの光電変換装置の表面を一様に覆わないグリッド形状が好ましい。
取り出し電極50は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スプレー法、スクリーン印刷法などの公知の方法により、光電変換層40上に積層させて形成することができる。これらの方法は2種以上を組み合わせて、また1種の方法であっても2回以上に分けて用いてもよい。
取り出し電極は、キャリアを損失なしに取り出すことができる厚さを有しながらも、金属使用量の低減によるコストアップの抑制という観点からなるべく薄い方が好ましく、通常50〜100nm程度である。
本発明の光電変換装置用基板は、金属酸化物膜と金属膜との付着力に富むので、これを用いた本発明の光電変換装置は、高い歩留りで得ることができる。また、本発明の光電変換装置用基板における金属膜は光散乱のための凹凸形状を有しているので、これを用いた本発明の光電変換装置は、光電変換層に再入射する光の光路長および短絡電流密度が増大し、高い光電流を得ることができる。
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例では、図1に示される本発明の光電変換装置用基板を作製し、得られた基板を用いて図3に示される本発明の光電変換装置を作製し、それらを評価した。
図1は、本発明の光電変換装置用基板を示す概略断面図である。この光電変換装置用基板100は、支持体10上に金属酸化物膜20および金属膜30が順次積層されている。
また、図3は、本発明の光電変換装置を示す概略断面図である。この光電変換装置200は、図1の光電変換装置用基板100の金属膜30上に、n型半導体層41、i型半導体層42およびp型半導体層43が順次積層されてなる光電変換層40が形成され、さらに光電変換層40の所定の位置に取り出し電極50が形成されてなる。
なお、比較例では、カルボニル基を有する化合物で処理していない金属酸化物膜上に金属膜を備える光電変換装置用基板を作製すること以外は、実施例と同様にして光電変換装置を作製し、それを評価した。
(実施例1)
ゾルゲル法により、ステンレス基板(縦115mm×横115mm×厚さ0.1mm)からなる支持体10上に金属酸化物膜20を形成した。
すなわち、攪拌へら、管入り口に温度計を具備するリービッヒ冷却管およびパイレックス(登録商標)ガラス製エンドキャップを備えたパイレックス(登録商標)ガラス製三つ口フラスコに、出発原料としてオルト珪酸テトラエチル(CAS No.78−10−4)2000ml、純水200ml、エタノール(CAS No.64−17−5)200ml、シリカ微粒子(大阪化成株式会社製、商品名:球状シリカSS15、平均粒径1.5μm)1gを充填し混合して均一な溶液を得た。
次いで、三つ口フラスコをマントルヒーターで加熱し、溶液を温度95℃に保持しながら攪拌した。加水分解によって消費される水と生成されるエタノールとが等量であるので、リービッヒ冷却管を通して回収したエタノールと同体積の水を、適宜エンドキャップを外し滴下して加えた。温度計で蒸気の液化温度を経時的に測定し、液化温度が水の沸点近傍の95℃に到達した時点で、加熱および攪拌を停止して加水分解を終了させた。このとき加えた水は500mlであった。得られた白色のゲルを100mlの水で洗浄しながら吸引ろ過する操作を5回繰り返し、清浄なゲルを得た(収量約300g)。
次いで、得られたゲルに水(ゲル1gに対し10ml程度)を加えて膨潤させ、これをスクリーン法により支持体10上に塗布して、膜厚0.3mmの塗膜を得た。これをマッフル炉で、空気雰囲気下200℃で2時間乾燥させた後、同雰囲気下500℃で3時間加熱することによって焼成し、支持体10上に膜厚0.1mmの透明な膜を得た。
次に、これを、1×10-2mol/lの塩化アセチル(CAS No.75−36−5)を含むトリエチルアミン(CAS No.121−44−8)溶液中に30℃で1時間浸漬し、20℃で12時間乾燥して金属酸化物膜20を得た。
フーリエ変換赤外分光分析装置(PerkinElmer社製、Spectrum100)を用いて反射型赤外分光分析法により、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークが測定された。
また、二次イオン質量分析法(SIMS)により、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCが検出された。
次いで、マグネトロンスパッタ法により、金属酸化物膜20上に金属膜30として膜厚100nmの銀を堆積させ、光電変換装置用基板100を得た。
精密万能試験機(株式会社島津製作所製、島津オートグラフAG−IS)を用いて、JIS規格 K5600−5−7に記載の方法に準拠した引張方法によって、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、15MPaであった。
また、原子間力顕微鏡(AFM)により、金属膜30の凹凸形状を測定したところ、その表面粗さはRa=1μm、Rmax=2μmであった。
次いで、プラズマCVD法により、得られた光電変換装置用基板100の金属膜30上に光電変換層40を形成した。
原料ガスとしてSiH4、H2およびPH3を用い、H2/SiH4ガス流量比を200倍に、PH3/SiH4ガス流量比を膜中リン濃度が0.01原子%となるように調節し、基板温度を170℃に設定した光電変換装置用基板100の金属膜30上に膜厚20nmのn型半導体層41を形成した。
次に、原料ガスとしてSiH4およびH2を用い、H2/SiH4ガス流量比を80倍に調節し、基板温度を180℃に設定したn型半導体層41上に膜厚2500nmのi型半導体層42を形成した。
次に、原料ガスとしてSiH4、H2およびB26を用い、H2/SiH4ガス流量比を150倍に、B26/SiH4ガス流量比を膜中ホウ素濃度が0.01原子%となるように調節し、基板温度を160℃に設定したi型半導体層42上に膜厚20nmのp型半導体層43を形成した。
次いで、所望のマスクを用いたマグネトロンスパッタリング法により、得られた光電変換層40上の所望の位置に、取り出し電極50として膜厚500nmの銀を堆積させ、光電変換装置200を得た。
上記と同様にして、合計16個の光電変換装置200を作製したところ、作製歩留り(良品の割合)は70%であった。
また、得られた光電変換装置200の良品について短絡電流密度Jscを測定したところ、その平均値は15.3mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のゾルゲル法による金属酸化物膜20の形成において、出発原料のうち、オルト珪酸テトラエチル2000mlを1500mlとし、クロロトリエトキシシラン(CAS No.4667−99−6)500mlをさらに加えたこと以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1810cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Clが検出された。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、17MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは73%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、ニトロ酢酸(CAS No.625−75−2)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1855cm-1の吸収ピークに加えて、NO2基に帰属する1350cm-1および1450cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Nが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とNO2基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、30MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは90%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、4−アミノ−4−オキソブタン酸(スクシンアミド酸、CAS No.638−32−4)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1640cm-1の吸収ピークに加えて、NH基に帰属する3200〜3400cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とNH2基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、23MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは78%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、N−メチルスクシンアミド酸(CAS No.56269−39−7)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1640cm-1の吸収ピークに加えて、NH基に帰属する3100cm-1および3300cm-1の吸収ピークと、CH3基に帰属する2900cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とNHCH3基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、21MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは76%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、N,N−ジメチルスクシンアミド酸(CAS No.2564−95−6)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1650cm-1の吸収ピークに加えて、CH3基に帰属する2950cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とN(CH3)2基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、19MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは75%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、トリフルオロ酢酸(CAS No.76−05−1)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、CF3基に帰属する1100〜1250cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Fが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とCF3基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、27MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは86%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、トリクロロ酢酸(CAS No.76−03−9)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1750cm-1の吸収ピークに加えて、CCl3基に帰属する850cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Clが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とCCl3基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、26MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは84%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、トリブロモ酢酸(CAS No.75−96−7)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1700cm-1の吸収ピークに加えて、CBr3基に帰属する680cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Brが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とCBr3基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、25MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは82%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液の代わりに、トリヨード酢酸(CAS No.594−68−3)を含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させること以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1650cm-1の吸収ピークに加えて、CI3基に帰属する600cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Iが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とCI3基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、24MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは80%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例3のゾルゲル法による金属酸化物膜20の形成において、出発原料のうち、オルト珪酸テトラエチル2000mlを1500mlとし、クロロトリエトキシシラン500mlをさらに加えたこと以外は実施例3と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NO2基に帰属する1350cm-1および1450cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、ClおよびNが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とNO2基とが隣接した構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、32MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは92%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例11の金属酸化物膜20の形成において、ニトロ酢酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、ニトロ酢酸とクエン酸(CAS No.77−92−9)を含むトリエチルアミン溶液(ニトロ酢酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例11と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NO2基に帰属する1350cm-1および1450cm-1の吸収ピークならびにエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、Nが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、カルボニル基とNO2基とが隣接した構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、34MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは93%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例11の金属酸化物膜20の形成において、ニトロ酢酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸(CAS No.2345−56−4)とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液(3−アミノ−3−オキシプロピオン酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例11と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NH2基に帰属する3300〜3500cm-1の吸収ピークおよびエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸の構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、40MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは98%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例13の金属酸化物膜20の形成において、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、3−アミノ−2−クロロ−3−オキソプロパン酸(CAS No.71501−30−9)とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液(3−アミノ−2−クロロ−3−オキソプロパン酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例13と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NH2基に帰属する3300〜3500cm-1の吸収ピークおよびエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、N、HおよびClが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、3−アミノ−2−クロロ−3−オキソプロパン酸の構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、40MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは98%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例13の金属酸化物膜20の形成において、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、2−(アミノカルボニル)−2−酪酸(CAS No.4431−54−3)とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液(2−(アミノカルボニル)−2−酪酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例13と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NH2基に帰属する3300〜3500cm-1の吸収ピークおよびエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、2−(アミノカルボニル)−2−酪酸の構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、36MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは95%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例13の金属酸化物膜20の形成において、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、α−(アミノカルボニル)−α−エチルベンゼン酢酸(CAS No.24130−91−4)とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液(α−(アミノカルボニル)−α−エチルベンゼン酢酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例13と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1800cm-1の吸収ピークに加えて、NH2基に帰属する3300〜3500cm-1の吸収ピークおよびエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、α−(アミノカルボニル)−α−エチルベンゼン酢酸の構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、35MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは94%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例17)
実施例17の金属酸化物膜20の形成において、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液の代わりに、2−カルバモイル−2−イソプロピル−3−メチルブタン酸(CAS No.7499−15−2)とクエン酸を含むトリエチルアミン溶液(2−カルバモイル−2−イソプロピル−3−メチルブタン酸の濃度2×10-2mol/l、クエン酸の濃度2×10-3mol/l)に支持体10を浸漬させること以外は実施例17と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基に帰属する1855cm-1の吸収ピークに加えて、NH2基に帰属する3300〜3500cm-1の吸収ピークおよびエステル結合のC−Oに帰属する1200cm-1の吸収ピークが測定された。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、Si、OおよびCに加えて、NおよびHが検出された。
さらに、13C−NMRにより、金属酸化物膜20に存在する炭素骨格の構造を分析したところ、2−カルバモイル−2−イソプロピル−3−メチルブタン酸の構造およびクエン酸の炭素骨格に相当するC−C(O)−OとC−O−C(O)−の構造であった。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、34MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは93%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(実施例18)
実施例14の金属膜30の形成において、マグネトロンスパッタ法により膜厚100nmの銀を形成する代わりに、電子ビーム蒸着法により膜厚100nmのオスミウムを形成すること以外は実施例14と同様にして、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、43MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは99%、短絡電流密度Jscの平均値は11.1mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の金属酸化物膜20の形成において、塩化アセチルを含むトリエチルアミン溶液に支持体10を浸漬させないこと以外は実施例1と同様にして、支持体10上に金属酸化物膜20を得た。
実施例1と同様にして、金属酸化物膜20に存在する官能基を分析したところ、カルボニル基を含む特定の官能基に帰属する吸収ピークは測定されなかった。
また、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20中に含まれる元素を分析したところ、SiおよびOのみが検出された。
次いで、実施例1と同様にして、金属酸化物膜20上に金属膜30を形成し、光電変換装置用基板100を得た。
実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100の金属酸化物膜20と金属膜30との間の付着力を測定したところ、10MPaであった。
次いで、実施例1と同様にして、光電変換装置用基板100上に光電変換層40および取り出し電極50を形成し、光電変換装置200を得た。
実施例1と同様にして求めた光電変換装置200の作製歩留りは55%、短絡電流密度Jscの平均値は15.4mA/cm2であった。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0005103145
(比較例と実施例1との考察)
実施例1の光電変換装置用基板は、比較例1のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例1の光電変換装置用基板における金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在するカルボニル基を介して良好に結合したことによるものと考えられる。
(実施例1と実施例2との考察)
実施例2の光電変換装置用基板は、実施例1のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例2の光電変換装置用基板における金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在する、炭素よりも電気陰性度の大きな塩素原子とカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して良好に結合したことによるものと考えられる。すなわち、塩素原子によりカルボニル基の炭素原子がより正電荷を帯びるようになり、金属膜の金属M2からカルボニル基への電子供与が進行し易くなったことによるものと考えられる。
(実施例2と実施例3〜10との考察)
実施例3〜10の光電変換装置用基板は、実施例2のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例3〜10の光電変換装置用基板における金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在する、電子吸引性基とカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して良好に結合したことによるものと考えられる。すなわち、電子吸引性基が存在することにより、カルボニル基の炭素原子が直接電子を引っ張られ、さらに正電荷を帯びるようになり、金属膜の金属M2からカルボニル基への電子供与が進行し易くなったことによるものと考えられる。
また、電子吸引性基の中でも、実施例3のNO2が特に電子吸引能力に優れていると考えられる。
(実施例2および3と実施例11との考察)
実施例11の光電変換装置用基板は、実施例2および3のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例11の光電変換装置用基板における金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在する、炭素原子よりも電気陰性度の大きな塩素原子と電子吸引性基NO2とカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して良好に結合したことによるものと考えられる。すなわち、塩素原子と電子吸引性基NO2とが共にカルボニル基の炭素原子をより正電荷にすることに寄与したことによるものと考えられる。
(実施例12と実施例3との比較)
実施例12の光電変換装置用基板は、実施例3のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例12の光電変換装置用基板における金属酸化物膜の金属M1と金属膜の金属M2とがそれらの界面に介在する、エステル結合とカルボニル基を有する原子団のカルボニル基を介して良好に結合したことによるものと考えられる。すなわち、エステル結合により鎖状または架橋的な構造中にカルボニル基が多く取り込まれ、カルボニル基の金属膜への付着力が向上したことによるものと考えられる。
(実施例13〜17と実施例12との比較)
実施例13〜17の光電変換装置用基板は、実施例12のものと比べて付着力が同等であるか大きく、光電変換装置の作製歩留りが同等であるか大きい。
これは、実施例13〜17の光電変換装置用基板の金属酸化物膜において、連結基Qと金属酸化物膜との間に形成されるエステル結合により、カルボニル基を有する原子団と金属酸化物膜とが強固に固定化されたことによるものと考えられる。
また、実施例13〜17の光電変換装置用基板の中でも、実施例13および14のものは付着力に優れている。
これは、実施例13および14の光電変換装置用基板の金属酸化物膜が有しているβケトエステル構造が他の構造と比べてカルボニル基を安定に存在させることによるものと考えられる。
また、実施例15〜17の光電変換装置用基板の中でも、実施例15のものは特に付着力に優れている。
これは、実施例15の光電変換装置用基板の金属酸化物膜が有している構造が最も低い嵩を有し、実施例16および17に比べてカルボニル基を有する原子団が数多く含まれたことによるものと考えられる。
(実施例14と実施例18との比較)
実施例18の光電変換装置用基板は、実施例14のものと比べて付着力が大きく、光電変換装置の作製歩留りが大きい。
これは、実施例18の光電変換装置用基板における金属膜のオスミウムが、カルボニル基の結合方向に応じて、d軌道が分裂してできる安定な軌道を結合に使うことができたことによるものと考えられる。
本発明の光電変換装置用基板を示す概略断面図である。 本発明の別の光電変換装置用基板を示す概略断面図である。 本発明の光電変換装置を示す概略断面図である。
符号の説明
10 支持体
20 金属酸化物膜
30 金属膜
31 反射金属膜
40 光電変換層
41 n型半導体層
42 i型半導体層
43 p型半導体層
50 取り出し電極
100 光電変換装置用基板
200 光電変換装置

Claims (8)

  1. カルボニル基(−C(O)−)を有する化合物で処理された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を備えてなることを特徴とする光電変換装置用基板。
  2. 前記金属膜が、オスミウム(Os)または銀(Ag)からなる請求項1に記載の光電変換装置用基板。
  3. 前記金属酸化膜が、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)、シリカ(SiO2)およびアルミナ(Al23)から選択される酸化物からなる請求項1または2に記載の光電変換装置用基板。
  4. 前記カルボニル基を有する化合物が、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ニトロ基、アミノ基またはカルバモイル基で置換されていてもよい脂肪族飽和モノ、ジもしくはトリカルボン酸類、およびハロゲン化アシル類である請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換装置用基板。
  5. 前記カルボニル基を有する化合物が、前記脂肪族飽和モノカルボン酸類としてのトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、トリヨード酢酸、ニトロ酢酸、α−(アミノカルボニル)−α−エチルベンゼン酢酸、3−アミノ−3−オキシプロピオン酸、3−アミノ−2−クロロ−3−オキソプロパン酸、2−(アミノカルボニル)−2−酪酸または2−カルバモイル−2−イソプロピル−3−メチルブタン酸;前記脂肪族飽和ジカルボン酸類としての4−アミノ−4−オキソブタン酸(スクシンアミド酸)、N−メチルスクシンアミド酸またはN,N−ジメチルスクシンアミド酸;前記脂肪族飽和トリカルボン酸類としてのクエン酸;前記ハロゲン化アシル類としての塩化アセチルである請求項4に記載の光電変換装置用基板。
  6. カルボニル基を有する化合物を含む溶液に金属酸化物膜を20〜180℃で5分〜100時間浸漬し、次いで20〜180℃で0.1〜24時間乾燥し、乾燥された金属酸化物膜の処理面上に金属膜を形成して、金属酸化物膜上に金属膜を備えた光電変換装置用基板を得ることを特徴とする光電変換装置用基板の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載の光電変換装置用基板の金属膜上に、光電変換層および取り出し電極が順次積層されてなることを特徴とする光電変換装置。
  8. 前記光電変換層が、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンからなる請求項に記載の光電変換装置。
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