JP5102502B2 - セメント添加材及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント添加材及びセメント組成物に関する。
モルタル、コンクリート等のセメント質硬化体は、骨材とセメントとを含む複合材料であるが、骨材の特性如何によりいわゆるアルカリシリカ反応が生じてしまうという問題がある。このアルカリシリカ反応とは、モルタルやコンクリートを構成する材料中に含まれるアルカリ(主にセメント中に含まれるアルカリ)と反応性の高い骨材(岩石、砂等)とが反応してアルカリシリカゲルが生成し、このアルカリシリカゲルが吸水膨張することにより、セメント質硬化体が異常に膨張し、ひび割れ等が生じてしまう現象のことをいい、これによってコンクリート構造物の美観、水密性等の機能が低下するとともに、劣化因子(水、ガス、イオン等)の進入を促進させることが知られている。
このようなアルカリシリカ反応を回避するために、骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(JIS−A1145(化学法)若しくはJIS−A1146(モルタルバー法)又はJIS−A5308(化学法,モルタルバー法))に基づいて骨材の試験を行い、「無害でない」と判定された骨材を使用しないことが最も効果的である。一方、「無害でない」と判定された骨材を使用する方法としては、セメントとしてポルトランドセメントを用いる場合にコンクリート中のアルカリ総量をNaO換算で3.0kg/m以下にする方法、高炉セメント(B種,C種)若しくはフライアッシュセメント(B種,C種)を使用する方法、又は高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等のアルカリ骨材反応の抑制に効果のある混合材を適量混和する方法(非特許文献1参照)が知られている。
社団法人セメント協会著,C&Cエンサイクロペディア[セメント・コンクリート化学の基礎解説]第1版,1996年7月,p.236−237
上記試験方法により「無害でない」と判定された骨材を使用せず、「無害である」と判定された骨材のみを使用するためには、一般に海砂、川砂等を主に使用することになるが、最近、海砂や川砂の採取による地形の変形、底生生物の個体数の減少、濁りの拡散等といった環境破壊が問題となっており、今後、海砂や川砂の採取に大きな制約がかけられるおそれがあるものと考えられる。また、地域によっては、輸送コスト等により不経済になることもある。
また、高炉スラグ粉末やフライアッシュをセメントに添加する方法では、アルカリシリカ反応を防止するために多量の高炉スラグ粉末やフライアッシュを添加する必要があり、モルタルやコンクリートの初期強度が低下したり、モルタルやコンクリートの耐中性化特性が低下したりするといった問題がある。このような初期強度の低下や耐中性化特性の低下を防止するためには、高炉スラグ粉末やフライアッシュの添加量が制限されてしまい、使用する骨材によってはアルカリシリカ反応によるモルタルやコンクリートの膨張を抑制することが困難となってしまう。また、高炉スラグやフライアッシュを調達することは、地域によっては、輸送コストの増大等により不経済になることもある。
セメントとしてポルトランドセメントを用いる場合に、コンクリート中のアルカリ総量をNaO換算で3.0kg/m以下にすることがアルカリ骨材反応の対策として有効な手段の一つであるが、単位セメント量が400〜450kg/m程度以上の高強度コンクリート等では、アルカリ総量を上記制限値以下にすることが困難となってくる。また、飛来塩分の多い海岸地域や冬季にアルカリを含む凍結防止剤を使用する地域では、外部からコンクリート中にアルカリが供給されることになり、コンクリート中のアルカリ総量を規制するだけでは、必ずしも十分なアルカリ骨材反応対策とはなり得ない場合がある。
このような実情に鑑みて、本発明は、「無害でない」と判定される骨材を使用してもアルカリシリカ反応によるセメント質硬化体の膨張を抑制することができるとともに、セメント質硬化体の初期強度や耐中性化特性を低下させることのないセメント添加材及びセメント組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、JIS−A1145に規定する骨材のアルカリシリカ反応性試験方法により無害でないと判定される骨材の粉砕物を含むセメント添加材を含有するセメント組成物であって、前記粉砕物のブレーン比表面積が、3000〜10000cm /gであり、前記粉砕物が結晶質の粉体であり、前記セメント組成物中のセメント添加材の配合量(セメント内割)が3〜30質量%であることを特徴とするセメント組成物を提供する(発明1)。
JIS−A1145に規定する骨材のアルカリシリカ反応性試験方法により無害でないと判定される骨材(反応性骨材)を使用してセメント質硬化体を製造すると、得られたセメント質硬化体中にてアルカリシリカ反応が起こり、セメント質硬化体にひび割れ等が生じてしまうことがある。しかしながら、上記発明(発明1)によれば、JIS−A1145に規定する骨材のアルカリシリカ反応性試験方法により無害でないと判定される骨材の粉砕物をセメント添加材として用いることで、セメント質硬化体中に当該セメント添加材(骨材の粉砕物)が均一に分散し、セメント質硬化体中のいわゆる「無害でない」骨材よりも先にセメント添加材(粉砕された骨材)がアルカリと反応するため、セメント質硬化体にひび割れ等を生じさせることがない。すなわち、本発明のセメント組成物に含まれるセメント添加材は、セメント質硬化体中に混在する反応性骨材と同様に、アルカリの存在によってアルカリシリカ反応を生じさせるが、セメント添加材の粒子半径が非常に小さいため、1粒子あたりのゲル生成量が少なく、硬化体の体積膨張に与える影響が小さい。また、本発明のセメント組成物に含まれるセメント添加材は、反応性骨材と比べて表面積が非常に大きく、セメント質硬化体中のアルカリを大幅に消費するため、相対的に反応性骨材に供給されるアルカリ量を少なくする効果がある。したがって、本発明のセメント組成物に含まれるセメント添加材と反応性骨材とをセメント質硬化体中に混在させることで、セメント質硬化体の膨張量が、反応性骨材が単体で混入される場合と比べて小さくなり、構造物のひび割れ等の甚大な劣化を抑制することができる。さらに、セメント添加材の表面に生成したゲルは、硬化体中の空隙を生める効果があるため、コンクリート構造物の劣化因子(水、ガス、イオン等)の侵入に対する遮蔽効果や強度の向上も期待することができる。
上記発明(発明1)においては、前記セメント添加材が高炉スラグ粉末及び/又は石炭灰をさらに含むことが好ましい(発明2)。高炉スラグ粉末や石炭灰は、アルカリシリカ反応を抑制する作用を有するため、かかる発明(発明2)のセメント組成物を用いて製造されたセメント質硬化体のアルカリシリカ反応による膨張をより抑制することができる。
上記発明(発明2)においては、前記石炭灰が、フライアッシュであることが好ましい(発明3)。石炭灰のうちフライアッシュは、優れたアルカリシリカ反応を抑制する作用を有するため、かかる発明(発明3)のセメント組成物を用いて製造されたセメント質硬化体のアルカリシリカ反応による膨張をより抑制することができる。
本発明によれば、「無害でない」と判定された骨材を使用してもアルカリシリカ反応によるセメント質硬化体の膨張を抑制することができるとともに、セメント質硬化体の初期強度の低下及び耐中性化特性の低下を防止することのできるセメント添加材及びセメント組成物を提供することができる。
以下、本発明のセメント添加材及びセメント組成物について説明する。
本発明のセメント添加材は、JIS−A1145に規定する骨材のアルカリシリカ反応性試験方法により無害でないと判定される骨材を粉砕してなるものである。
上記骨材の粉砕物は、ブレーン比表面積が3000cm/g以上のものであり、ブレーン比表面積が3000〜10000cm/gのものであるのが好ましく、ブレーン比表面積が3500〜9000cm/gのものであるのがより好ましく、ブレーン比表面積が4000〜8000cm/gのものであるのが特に好ましい。ブレーン比表面積が3000cm/g未満であると、本発明のセメント添加材を添加して硬化させてなるセメント質硬化体のアルカリシリカ反応による膨張を抑制することが困難となる。また、ブレーン比表面積が10000cm/gを超える粉砕物を製造することは困難であるとともに、コストが高くなるおそれがある。なお、骨材の粉砕物は、従来用いられている粉砕装置により製造すればよい。
本発明のセメント添加材は、上記骨材の粉砕物とともに、高炉スラグ粉末及び/又は石炭灰を含んでいてもよい。高炉スラグ粉末や石炭灰は、アルカリシリカ反応を抑制する作用を有しているため、セメント添加材が高炉スラグ粉末及び/又は石炭灰を含むことで、得られるセメント質硬化体のアルカリシリカ反応による膨張をより抑制することができる。これにより、JIS−A1145に規定する「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法」により「無害でない」と判定される骨材であっても、粗骨材や細骨材として使用することができるようになる。
高炉スラグ粉末としては、例えば、高炉で銑鉄を製造する際に副生する高炉スラグを溶融状態で水冷・破砕して得られる水砕スラグを粉末状にしたものや、徐冷・破砕して得られる徐冷スラグを粉末状にしたもの等の産業廃棄物を使用することができる。
石炭灰としては、例えば、フライアッシュ、クリンカアッシュ等の産業廃棄物を使用することができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を適宜混合して使用してもよい。石炭灰のうち、フライアッシュを使用するのが好ましい。フライアッシュを添加することで、得られるセメント質硬化体のアルカリシリカ反応による膨張をより抑制することができる。
本発明のセメント添加材に含まれ得る高炉スラグ粉末及び石炭灰のブレーン比表面積は、3000〜10000cm/gであることが好ましく、3500〜9000cm/gであることがより好ましく、4000〜8000cm/gであることが特に好ましい。高炉スラグ粉末及び石炭灰のブレーン比表面積が3000cm/g未満であると、アルカリシリカ反応による膨張を抑制する効果が低下する上、セメント質硬化体の強度発現性も低下するおそれがあり、ブレーン比表面積が10000cm/gを超えるものは入手することが困難であるという問題がある。
本発明のセメント添加材が高炉スラグ粉末と石炭灰とを含有する場合、高炉スラグ粉末と石炭灰との配合比(質量基準)は、1:0.05〜1であることが好ましく、特に1:0.1〜0.5であることが好ましい。
本発明のセメント添加材に含まれる高炉スラグ粉末及び/又は石炭灰の配合割合は、上記骨材の粉砕物100質量部に対して、高炉スラグ粉末及び石炭灰の合計量が100質量部以下であることが好ましく、2.5〜50質量部であることがより好ましい。高炉スラグ粉末や石炭灰(特にフライアッシュ)は、セメント質硬化体中のCa(OH)と反応してCaO−SiO−HO(C−S−H)を生成することで、セメント質硬化体の中性化を促進するおそれがあるが、セメント添加材における高炉スラグ及び/又は石炭灰の配合割合が上記範囲内であれば、セメント添加材を添加して製造されたセメント質硬化体の耐中性化特性がほとんど低下することはない。
本発明のセメント添加材を、常法によりセメント、骨材(アルカリシリカ反応試験方法において「無害でない」と判定される粗骨材及び/又は細骨材)、減水剤及び水とともにミキサーに投入して混練し、得られた混練物を水中養生、蒸気養生等により養生することにより、セメント質硬化体を得ることができる。このようにして得られたセメント質硬化体は、アルカリシリカ反応による膨張を抑制し得るものとなる。特に、アルカリシリカ反応により「無害でない」と判定される骨材を粗骨材及び/又は細骨材として使用しても、アルカリシリカ反応によるセメント質硬化体の膨張が抑制されるため、アルカリシリカ反応により「無害でない」と判定され、従来用途のなかった骨材を粗骨材又は細骨材として使用することができる。なお、本発明のセメント添加材は、予めセメントと混合してミキサーに投入されてもよいし、セメントと別々にミキサーに投入されてもよい。
本発明のセメント添加材は、セメントに添加してセメント組成物とすることができる。本発明のセメント添加材を添加し得るセメントとしては、特に限定されるものではなく、いかなるセメントにも添加することができる。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント;高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント;都市ゴミ焼却灰及び/又は下水汚泥焼却灰を原料として製造した焼成物の粉砕物と石膏とからなるセメント(エコセメント)等が挙げられる。なお、高炉セメント、フライアッシュセメント、又はシリカセメントに本発明のセメント添加材を添加する場合、高炉セメントA種、フライアッシュセメントA種、又はシリカセメントA種を使用するのが好ましい。
セメント組成物中のセメント添加材の配合量(セメント内割)は、1〜50質量%が好ましく、本発明のセメント添加材を添加したセメント組成物を硬化してなるセメント質硬化体の強度発現性や耐中性化特性等の耐久性の観点から、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。配合量が1質量%未満であると、本発明のセメント添加材を使用して製造したセメント質硬化体の膨張を抑制することができないおそれがあり、50質量%を超えると、本発明のセメント添加材を使用して製造したセメント質硬化体の強度発現性や耐中性化特性等の耐久性が極端に低下するおそれがある。
本発明のセメント添加材は、アルカリシリカ反応によるセメント質硬化体の膨張を抑制することができる。そのため、JIS−A1145「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法」により「無害でない」と判定され、使用が制限される骨材であっても、セメント質硬化体の材料として使用することができる。また、その他のアルカリ骨材反応対策法と比べ、製造・調達を現地で行うことができるため、安価で高い性能を得ることができる。
また、本発明のセメント添加材を配合してなるセメント組成物は、硬化させて得られるセメント質硬化体の初期強度の低下及び耐中性化特性の低下を防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例及び試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、下記の実施例及び試験例に何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
セメント(普通ポルトランドセメント,太平洋セメント社製,全アルカリ量(NaOeq);0.61%,600g)と、細骨材(小樽産輝石安山岩系細骨材,JIS−A1145「アルカリ骨材評価性試験」により「無害でない」と判定された骨材,1350g)と、水(水道水,300g)と、セメント添加材(上記細骨材を粉砕したもの,ブレーン比表面積;4000cm/g)とをミキサーに投入して混練し、水中養生(20℃)することで、試験供試体としてのモルタルを製造した。なお、セメントにおける全アルカリ量(NaOeq)は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて1.2%に調整した。
〔実施例2〕
セメント添加材として、ブレーン比表面積6000cm/gに粉砕した骨材を使用した以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔実施例3〕
セメント添加材として、ブレーン比表面積8000cm/gに粉砕した骨材を使用した以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔比較例1〕
セメント添加材として、ブレーン比表面積2500cm/gに粉砕した骨材を使用した以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔比較例2〕
セメント添加材として、高炉スラグ粉末(ブレーン比表面積;4030cm/g)を使用した以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔比較例3〕
セメント添加材として、フライアッシュ(ブレーン比表面積;4300cm/g)を使用した以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔比較例4〕
セメント添加材を添加しない以外は実施例1と同様にして、試験供試体としてのモルタルを製造した。
〔試験例1〕骨材のアルカリシリカ反応性評価試験1
実施例1〜3及び比較例1〜4のモルタルについて、JIS−A1146「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)」に準じて、アルカリシリカ反応性の評価試験を行った。なお、試験供試体寸法は、40×40×160mmとし、「無害である」及び「無害でない」の判定は、材齢6ヶ月での0.10%以上の膨張の有無で判断した。
実施例1〜3及び比較例1のモルタルにおけるセメント添加材の添加率は、セメントに対して内割りで5質量%、10質量%、30質量%、及び50質量%とした。また、比較例2のモルタルにおけるセメント添加材(高炉スラグ粉末)の添加率は、セメントに対して内割りで10質量%及び50質量とし、比較例3のモルタルにおけるセメント添加材(フライアッシュ)の添加率は、セメントに対して内割りで10質量%及び30質量%とした。
結果を表1に示す。
Figure 0005102502
表1に示すように、実施例1〜3のセメント添加材を添加したモルタルは、無害であるとの判定であったのに対し、比較例1〜4のモルタルにおいては、無害でないとの判定となった。このことから、実施例1〜3のセメント添加材を添加したモルタルによれば、アルカリシリカ反応によるモルタルの膨張を抑制することができることが確認された。
〔試験例2〕骨材のアルカリシリカ反応性評価試験2
モルタルの混練時に、セメントに対する全アルカリ量NaOeqを2%に調整した以外は、実施例1〜3、比較例1及び比較例4と同様にして試験供試体としてのモルタルを製造し、試験例1と同様にしてアルカリシリカ反応性の評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0005102502
表2に示すように、実施例1〜3のセメント添加材を添加したモルタルは、無害であるとの判定であったのに対し、比較例1及び4のモルタルは、無害でないとの判定であった。これにより、実施例1〜3のセメント添加材を添加したモルタルによれば、アルカリシリカ反応による膨張を抑制することができることが確認された。
〔試験例3〕モルタルの強度試験
JIS−R5201「セメントの物理試験方法」に準じて、実施例2及び比較例4のモルタルの圧縮強度(材齢28日)を測定した。なお、セメント添加材の添加率はセメントに対して内割りで5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、及び50質量%とした。
結果を表3に示す。
Figure 0005102502
表3に示すように、実施例2のセメント添加材を添加したモルタルは、添加材を添加していないモルタルに比して圧縮強度が多少落ちるものの、実用上十分な圧縮強度を発現し得ることが確認された。
〔実施例4〕
セメント(普通ポルトランドセメント,太平洋セメント社製,全アルカリ量(NaOeq);0.61%)と、粗骨材(小樽産輝石安山岩系粗骨材(JIS−A1145「アルカリ骨材評価性試験」により「無害でない」と判定されたもの))と、細骨材(小樽産輝石安山岩系細骨材(JIS−A1145「アルカリ骨材評価性試験」により「無害でない」と判定されたもの))と、水(水道水)と、セメント添加材(上記細骨材を粉砕したもの,ブレーン比表面積;6000cm/g)と、減水剤(リグニンスルホン酸系減水剤,商品名:ポゾリスNo.70,エヌエムビー社製)とを用い、表4に示す配合により試験供試体としてのコンクリートを製造した。なお、セメントに対する全アルカリ量NaOeqは、水酸化ナトリウム水溶液を用いて1.2%に調整した。
〔比較例5〕
セメント添加材として高炉スラグ粉末(ブレーン比表面積;4030cm/g)を使用した以外は実施例4と同様にして、表4に示す配合により試験供試体としてのコンクリートを製造した。
〔比較例6〕
セメント添加材としてフライアッシュ(ブレーン比表面積;4300cm/g)を使用した以外は実施例4と同様にして、表4に示す配合により試験供試体としてのコンクリートを製造した。
〔比較例7〕
セメント添加材を添加しない以外は実施例4と同様にして、表4に示す配合により試験供試体としてのコンクリートを製造した。
〔試験例4〕耐中性化特性試験
実施例4及び比較例5〜7のコンクリートについて、前養生として、材齢1日まで水中養生(20℃)し、その後40℃(相対湿度:95%)で材齢26週まで養生したこと以外は、JIS−A1153に規定する「コンクリートの促進中性化試験方法」に準じて、耐中性化特性試験を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0005102502
表4に示すように、実施例4のコンクリートは、比較例7のセメント添加材を添加していないコンクリートと同等の耐中性化特性を有していることが確認された。

Claims (3)

  1. JIS−A1145に規定する骨材のアルカリシリカ反応性試験方法により無害でないと判定される骨材の粉砕物を含むセメント添加材を含有するセメント組成物であって、
    前記粉砕物のブレーン比表面積が、6000〜10000cm/gであり、
    前記粉砕物が結晶質の粉体であり、
    前記セメント組成物中の前記セメント添加材の配合量(セメント内割)が3〜20質量%である
    ことを特徴とするセメント組成物。
  2. 前記セメント添加材が高炉スラグ粉末及び/又は石炭灰をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 前記石炭灰が、フライアッシュであることを特徴とする請求項2に記載のセメント組成物。
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