JP5100693B2 - 光ファイバの保持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの保持構造に関する。
従来、光増幅物質としてイットリビウム(Yb)やエルビウム(Er)等の希土類元素をコア部に添加した増幅光ファイバを増幅媒体にし、この増幅光ファイバの両端に光ファイバグレーティングを接続して形成されるファブリペロー型の光共振器を備えた光ファイバレーザが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
この光ファイバレーザは、ダブルクラッド型の増幅光ファイバを採用し、より高出力の励起光源を利用できるようにして、たとえば100W以上の高出力化を実現している。そして、このような高出力の光ファイバレーザは、たとえば光通信用の光源として利用されている。また、近年、光ファイバ中の非線形光学効果が高い非線形光ファイバと組み合わせて、非線形光学効果によって各種光信号処理を行う光信号処理装置においても、このような高出力の光ファイバレーザが利用されている。
特開2007−273600号公報
ところで、上記のような光ファイバレーザに用いられる増幅光ファイバ、あるいは非線形光ファイバにおいては、伝搬する光の強度が極めて強い。その結果、光ファイバ中の光損失が小さくても、それによって失われる光エネルギーも大きくなるため、光ファイバが発熱しやすいものとなる。このような発熱は、光ファイバにおける温度依存性の高い光学特性を変動させたり、光ファイバおよびこれを用いた装置の信頼性を低下させたりする原因となる場合がある。したがって、これらの光ファイバを装置内に保持するための保持構造についても、放熱性が高いとともに光ファイバを低光損失で保持できることが強く望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放熱性が高いとともに光ファイバを低光損失で保持できる光ファイバの保持構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバの保持構造は、互いに重ならないように巻いた状態にされた光ファイバを保持するための表面を有し、少なくとも該表面が、熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50である熱伝導性成形体からなることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの保持構造は、上記の発明において、前記熱伝導性成形体は、圧縮強度がピーク値で10〜30N/cm2、安定値で3〜10N/cm2であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの保持構造は、上記の発明において、前記熱伝導性成形体は、熱伝導率が1.0W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が25〜40であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの保持構造は、上記の発明において、前記熱伝導性成形体は、熱伝導率が1.5W/mK以上であり、アスカーC硬度が25〜35であり、圧縮強度がピーク値で15〜25N/cm2であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの保持構造は、上記の発明において、前記熱伝導性成形体は、複数の熱伝導性シートが堆積して形成されており、該各熱伝導性シートの対向する表面の間に挟むように前記光ファイバを保持することを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバの保持構造は、上記の発明において、該保持構造の内部または外表面に配設した冷却手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、放熱性が高いとともに光ファイバを低光損失で保持できる光ファイバの保持構造を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光ファイバの保持構造を用いた光ファイバレーザの模式図である。 図2は、図1に示す増幅光ファイバの長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。 図3は、図1に示す保持構造の模式的な斜視図である。 図4は、図3に示す保持構造のA−A線断面図である。 図5は、実施例1〜7に係る光ファイバレーザにおける熱伝導性成型体の特性および光ファイバ温度(ΔT)ならびにコイル形状安定性を示す図である。 図6は、比較例1〜5に係る光ファイバレーザにおける熱伝導性成型体の特性および光ファイバ温度(ΔT)ならびにコイル形状安定性を示す図である。 図7は、変形例1に係る保持構造の模式的な透視斜視図である。 図8は、変形例2に係る保持構造の模式的な斜視図である。 図9は、図8に示す保持構造のB−B線断面図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバの保持構造の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ファイバの保持構造を用いた光ファイバレーザ100の模式図である。図1に示すように、この光ファイバレーザ100は、nを1以上の整数として、波長975±5nmの励起光を出力するマルチモード半導体レーザである半導体レーザ11〜1nを備えた励起光源1と、マルチモード光ファイバ21〜2nと、TFB(Tapered Fiber Bundle)3と、マルチモード光ファイバ4と、屈折率が周期的に変化する構造を有するグレーティング部51が形成された光ファイバグレーティング5と、増幅光ファイバ6と、グレーティング部71が形成された光ファイバグレーティング7と、シングルモード光ファイバ8aを有する光コネクタ等の出力端子8とを備える。さらに、この光ファイバレーザ100は、増幅光ファイバ6の保持構造9を備えている。
マルチモード光ファイバ21〜2nは、半導体レーザ11〜1nが出力する励起光を導波するように接続されている。また、TFB3は、マルチモード光ファイバ21〜2nが導波した各励起光を結合し、マルチモード光ファイバ4から出力させるように構成されている。また、光ファイバグレーティング5は、マルチモード光ファイバ4と接続点C1において融着接続している。また、増幅光ファイバ6は、光ファイバグレーティング5と接続点C2において融着接続している。また、光ファイバグレーティング7は、増幅光ファイバ6と接続点C3において融着接続している。また、出力端子8のシングルモード光ファイバ8aは、光ファイバグレーティング7と接続点C4において融着接続している。
図2は、図1に示す増幅光ファイバ6の長手方向に垂直な断面における模式的な断面図である。この増幅光ファイバ6は、ゲルマニウムが添加されるとともに、光増幅媒質としてのエルビウム(Er)とイッテルビウム(Yb)とが共添加されたシリカガラスからなるコア部6aと、コア部6aの外周に形成され、コア部6aよりも低屈折率のシリカガラスからなる内側クラッド部6bと、内側クラッド部6bの外周に形成され、内側クラッド部6bよりも低屈折率の樹脂からなる外側クラッド部6cとを備えるダブルクラッド型の増幅光ファイバである。なお、増幅光ファイバ6の外径はたとえば250μmである。
なお、光ファイバグレーティング5も、増幅光ファイバ6と同様の断面構造を有し、コア部にはゲルマニウムが添加されているダブルクラッド型の光ファイバである。また、光ファイバグレーティング7は、ダブルクラッド型ではなく、図2に示す増幅光ファイバ6の構造において、内側クラッド部6bと外側クラッド部6cとからなるクラッド部を1層のクラッド部に置き換え、さらにこのクラッド部の外周に光ファイバのガラス部分の保護のための樹脂被覆を備えた構造を有している。
また、シングルモード光ファイバ8aも、光ファイバグレーティング7と同様の構造を有する光ファイバとなっている。また、マルチモード光ファイバ21〜2n、4はコア部とクラッド部とを備えた通常の構造を有し、コア部のコア径がたとえば105μmのマルチモード光ファイバであり、励起光の波長の光をマルチモードで伝搬するように構成されている。なお、マルチモード光ファイバ4として、ダブルクラッド型の光ファイバを用いてもよい。
また、光ファイバグレーティング5、7に形成されたグレーティング部51、71は、増幅光ファイバ6のコア部6aに添加された光増幅物質であるErの発光帯域内の所定の波長、たとえば1556nm近傍の波長を中心とした反射帯域を有するようにピッチ等が設定されている。また、グレーティング部51の最大反射率は約100%であり、グレーティング部71の最大反射率は約10〜30%である。
つぎに、保持構造9について説明する。図3は、図1に示す保持構造9の模式的な斜視図である。この保持構造9は、たとえばアルミニウム等の金属からなる基体9aと、基体9aの上面の少なくとも一部を覆うように密着して形成された、シート状の熱伝導性成形体9bとを備えている。熱伝導性成形体9bの厚さはたとえば0.5〜10mmである。また、この保持構造9は、この光ファイバレーザ100の筐体に取り付けられている。または、この筐体の一部が基体9aを兼ねている。そして、この保持構造9は、熱伝導性成形体9bの表面において、互いに重ならないように同心円状に巻いた状態にされた増幅光ファイバ6を保持している。
つぎに、この光ファイバレーザ100の動作について説明する。はじめに、半導体レーザ11〜1nが波長975±5nmの励起光を出力すると、マルチモード光ファイバ21〜2nが各励起光を導波し、TFB3が、導波した各励起光を結合してマルチモード光ファイバ4に出力する。マルチモード光ファイバ4は結合した励起光をマルチモードで伝搬する。その後、光ファイバグレーティング5がマルチモード光ファイバ4を伝搬した励起光を透過して、増幅光ファイバ6に到達させる。
増幅光ファイバ6に到達した励起光は、増幅光ファイバ6の内側クラッド部6b内をマルチモードで伝搬しながら、増幅光ファイバ6のコア部6aに添加したYbを介してErを光励起し、波長1560nmを含む波長帯域を有する蛍光を発光させる。この蛍光は、光ファイバグレーティング5、7が構成する光共振器内をシングルモードで往復しながら、Erの誘導放出作用により増幅され、発振波長1560nmにおいてレーザ発振する。そして、光ファイバレーザ100は、出力端子8から、たとえば光強度が100Wのレーザ光L1を出力する。
ここで、増幅光ファイバ6の中には、励起光と、レーザ発振光が存在するため、光強度が極めて強くなっている。そのため、増幅光ファイバ6はその中の光損失によって発熱する。また、増幅光ファイバ6の場合、その中で励起光からレーザ発振光への変換が、所定のエネルギー変換効率で行われる。そのため、その変換の際に失われたエネルギーが熱となるので、特に発熱しやすいものとなる。
しかしながら、この光ファイバレーザ100においては、増幅光ファイバ6は、熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50である熱伝導性成形体9b上に巻き付けられた状態で、保持構造9に保持されている。その結果、増幅光ファイバ6は、曲げによる過剰な光損失が発生しないように保持されるため過剰な熱が発生せず、かつ発生した熱は速やかに放熱される。したがって、増幅光ファイバ6の温度上昇は抑制され、エネルギー変換効率の低下が防止され、信頼性も維持される。
図4は、図3に示す保持構造9のA−A線断面図である。図4に示すように、保持構造9において、増幅光ファイバ6は、適度な硬度を有する熱伝導性成形体9bに適度に沈み込み、微少な曲げ等が発生しない状態で保持されるので、曲げ損失等の過剰な光損失が発生しないものとなる。また、増幅光ファイバ6において発生した熱は、熱伝導性成形体9bの高い熱伝導率によって速やかに放熱される。また、この保持構造9は、増幅光ファイバ6を互いに重ならないように同心円状に巻いた状態で保持するので、増幅光ファイバ6の重なり合いによる曲げ損失も防止できる。
なお、一般的に、光ファイバは芯体が主にシリカガラスからできており、ある一定の弾性を有している。また、光ファイバは、その製造時にはボビンやドラムに巻き取られ、その状態で次の使用時まで保管される。こうした保管状態や期間によっては、主に光ファイバの外周の樹脂被覆層が受けている巻取り時の応力や歪みが緩和して、ある種の「巻きぐせ」が残留する場合がしばしば生じる。そのため、たとえば光ファイバレーザ等において、装置の筐体への収容のために、同心円状に巻いた状態で光ファイバを保持しようとしても、光ファイバ自身の弾性や巻きぐせに従って、所望の形状から崩れようとしてしまう。したがって、熱伝導性成型体を用いて光ファイバの放熱を行う場合には、こうした形状の崩れを防ぐために、熱伝導性成型体に対して、光ファイバを所望の形状に固定するためのある種の粘着性が求められる。
しかしながら、従来の熱伝導性成型体の場合、熱伝導性充填剤を多量に含んでいるため、硬さや圧縮応力を受けた場合の歪み量等が適切ではなく、上記のような光ファイバを固定するための粘着性は望めない。あるいは、従来の熱伝導性成型体表面に粘着層を設けて光ファイバを固定する方法も考案され得るが、一定以上の粘着力を有する粘着層には十分な熱伝導性を付与することはできないため、熱伝導性が低下してしまう。
一方、熱伝導性成型体の硬度を下げ、圧縮に対する反発弾性を極端に低くする方法も考案され得るが、適度な硬度及び圧縮応力に対する歪み量を有しない熱伝導性成型体に光ファイバを保持した場合、形状の崩れは生じないものの、コイル状態の成形時あるいは装置の組み立て時に、光ファイバ上に局所的な曲げが容易に生じ、かつその曲げが生じたまま保持されることによって、光ファイバに曲げ損失が発生するおそれがある。
これに対して、本実施の形態1では、保持構造9において、熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50である熱伝導性成形体9bを用いることによって、微少な曲げ等が発生しない状態での増幅光ファイバ6の保持を実現し、かつ十分な放熱性を確保しているのである。
なお、熱伝導性成形体9bの特性としては、圧縮強度がピーク値で10〜30N/cm2、安定値で3〜10N/cm2であることが、より好ましい。また、熱伝導率が1.0W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が25〜40であることが、さらに好ましい。また、熱伝導率が1.5W/mK以上であり、アスカーC硬度が25〜35であり、圧縮強度がピーク値で15〜25N/cm2であることが一層好ましい。
また、上記の特性を有する熱伝導性成形体9bは、たとえば、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーを所定の配合比で配合したベースゴムに対して、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の熱伝導性フィラーを所定量含有させ、好ましくは適宜軟化剤を含有させた熱伝導性組成物をシート状に成形することによって実施することができる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る光ファイバの保持構造9は、放熱性が高いとともに増幅光ファイバ6を低光損失で保持できるものである。
(実施例1〜7、比較例1〜5)
つぎに、本発明を実施例、比較例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の実施例1〜7、比較例1〜5として、図1に示すものと同様の構成の光ファイバレーザを作製した。この際、保持構造としては、アルミニウムからなる板状の基体の表面に、厚さ3mmのシート状の熱伝導性成形体を貼り付けたものとした。そして、この保持構造の上に長さ20mの増幅光ファイバを同心円状に巻いた状態にし、増幅光ファイバに一様に所定の圧力を加えて熱伝導性成形体に押し付けて固定した。また、18個の半導体レーザから出力する励起光の強度をそれぞれ10Wとし、出力端子から出力するレーザ光の強度が100Wになるように光ファイバレーザを構成した。
ここで、各実施例、比較例においては、異なる組成の熱伝導性成形体を用い、その熱伝導率、アスカーC硬度、圧縮強度が異なるようにした。具体的には、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとの配合比が異なるベースゴム100質量部に対して、熱伝導フィラーとして、形状が球状であり平均粒径が35μmである酸化アルミニウムA、形状が丸味状であり平均粒径が22μmである酸化アルミニウムB、および形状が不定形であり平均粒径が8μmである水酸化アルミニウムから少なくとも1種を所定の質量部だけ配合し、さらに軟化剤として、ポリエーテルエステル系オイルであるオイルA、パラフィン系オイルであるオイルBを所定の質量部だけ配合して、これらを混練して熱伝導性ゴム組成物を作製し、さらにこの熱伝導性ゴム組成物を押出機で厚さ3mmのシート状に押し出して熱伝導性成形体としたものを用いた。
なお、このように作製した熱伝導性成形体について、熱伝導率、アスカーC硬度、圧縮強度は以下のようにして測定した。まず、熱伝導率はJIS R 2616に規定する熱線法に準拠し、京都電子工業社製の迅速熱伝導率計により、各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体を2枚重ねとして厚さ6mmの状態で測定した。また、アスカーC硬度は高分子計器社製のアスカーC型硬度計を用いて測定した。
また、圧縮強度は、各実施例、比較例に係る熱伝導性成形体を3mm×20mm×20mmの大きさの試料として、市販の圧縮試験機にて各試料を5mm/分の速度で圧縮し、厚さの30%を圧縮した時点のピーク値、及びそのまま10分間経過したときの安定値を測定した。
そして、作製した各実施例、比較例に係る光ファイバレーザに対して、以下の評価を行った。
<光ファイバ温度(ΔT)>
ここでは、光ファイバ温度(ΔT)とは、増幅光ファイバの温度分布を、NEC Avio赤外線テクノロジー社製の可視赤外切替機能付きサーモグラフィー(サーモトレーサTH9260)で外部から観察した場合に、サーモグラフィーの視野中での最も高い温度と、室温との温度差を意味している。
<コイル形状安定性>
コイル形状安定性とは、図3、4に示すように配置した増幅光ファイバの同心円状のコイル形状の初期配置を維持しているかどうかを意味している。この評価は、所定時間ごとに増幅光ファイバの状態を目視観察し、初期配置からのずれ(移動)の有無を確認することによって実行した。
<結果>
図5は、実施例1〜7に係る光ファイバレーザにおける熱伝導性成型体の特性および光ファイバ温度(ΔT)ならびにコイル形状安定性を示す図である。図5に示すように、この実施例1〜7では、熱伝導性成形体の熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50であるため、光ファイバ温度が低く抑えられている。さらに実施例3及び4においては、熱伝導率が1.0W/mK以上であることから、光ファイバ温度の上昇がより低く抑えられており、さらに実施例5〜7においては、熱伝導率が1.5W/mK以上であることからさらに光ファイバ温度の上昇が低く抑えられている。併せて、実施例4〜7においては、アスカーC硬度がより好ましい範囲である25〜40であり、かつ、圧縮強度のピーク値がより好ましい範囲である15〜25N/cm2であるため、光ファイバを保持する際の粘着性が最適な状態にある。この点も、光ファイバ温度の抑制に寄与しているものと考えられる。なお、コイル形状安定性については、いずれの実施例とも、240時間後においても増幅光ファイバの初期配置からのずれは見られなかった。すなわちコイル形状は安定していた。
一方、図6は、比較例1〜5に係る光ファイバレーザにおける熱伝導性成型体の特性および光ファイバ温度(ΔT)ならびにコイル形状安定性を示す図である。図6に示すように、比較例1、2では、熱伝導性成形体の熱伝導性が十分ではないため、増幅光ファイバの温度がほぼ一様に上昇しており、光ファイバ温度(ΔT)が増大している。特に、比較例2では、光ファイバ温度(ΔT)が+70℃に達しており、この状態で使用し続けると増幅光ファイバの外側クラッド層の劣化、ひいては装置寿命の低下につながることが予想される。また、比較例5に関しては、熱伝導性成型体が柔らかすぎるため、増幅光ファイバに局所的な曲げが発生しており、その部分での大きな温度上昇すなわち光ファイバ温度(ΔT)の増大が生じた。なお、比較例3、4については、コイル形状安定性がファイバの配置が初期配置から脱離してしまい、光ファイバの温度(ΔT)の測定を中断する結果となった。比較例1,2,5については、いずれの比較例とも、240時間後においても増幅光ファイバの初期配置からのずれは見られなかった。すなわちコイル形状は安定していた。
(変形例)
上記実施の形態1において用いることができる保持構造は、図1に示したものに限られない。以下、実施の形態1において用いることができる保持構造の変形例について説明する。
(変形例1)
図7は、変形例1に係る保持構造の模式的な透視斜視図である。図7に示すように、変形例1に係る保持構造19は、図1に示す保持構造9と同様に、アルミニウム等の金属からなる基体19aと熱伝導性成形体9bとを備えている。しかし、保持構造9とは異なり、この保持構造19には、基体19aには冷却手段としての配管19b〜19dが配設されている。また、この保持構造19は、熱伝導性成形体9bの表面と、基体19aの表面との間に挟むようにして、互いに重ならないように同心円状に巻いた状態にされた増幅光ファイバ6を保持している。なお、増幅光ファイバ6は、適度な硬度を有する熱伝導性成形体9bに沈み込むため、基体19aと熱伝導性成形体9bとは密着した状態となっている。
ここで、配管19b、19cはそれぞれ、一端が外部に配置されたポンプ等の給排水機構に接続しており、他端が配管19dに接続している。また、配管19dは、基体19a内部に張り巡らされている。そして、配管19bは、給排水機構から供給された冷却水を配管19dに導入し、配管19dは冷却水を基体19a内に流し、配管19bは配管29dから給排水機構へ冷却水を排水する。この際、配管19dを流れる冷却水が、熱伝導性成形体9bを冷却するので、増幅光ファイバ6において発生した熱はより一層速やかに放熱される。なお、冷却水の代わりに、クーラント液等の冷却媒体を用いてもよい。
なお、増幅光ファイバ6は、互いに重ならないように巻いた状態にされているが、増幅光ファイバ6のうち、外部に取り出される部分については、巻いた状態の部分と重なり合いが生じる(図7において符号Xで示す部分)。しかしながら、この重なり合いはわずかであり、かつ増幅光ファイバ6は熱伝導性成形体9bに沈み込むため、この部分Xにおける増幅光ファイバ6の重なり合いによる曲げ損失は軽微であり、無視しうる。
また、この変形例1においては、熱伝導性成形体9bが基体19aと同じ面積であるため、放熱性が高く好ましい。しかしながら、熱伝導性成形体9bについては、増幅光ファイバ6を覆うような形状のものであれば、保持性および放熱性の点で十分である。したがって、熱伝導性成形体としては、たとえば、増幅光ファイバ6が置かれている領域の形状と合わせたドーナツ形状のものを用いてもよい。
(変形例2)
図8は、変形例2に係る保持構造の模式的な斜視図である。図8に示すように、変形例2に係る保持構造29においては、熱伝導性成形体である複数の熱伝導性シート29b〜29gが、基体9aの上面に堆積して形成されている。この熱伝導性シート29b〜29gは、実施の形態1の熱伝導性成形体9bと同様に、熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50のものである。
図9は、図8に示す保持構造29のB−B線断面図である。図9に示すように、この保持構造29は、熱伝導性シート29b〜29gの対向する表面の間に挟むようにして、増幅光ファイバ6を保持している。なお、増幅光ファイバ6は、適度な硬度を有する熱伝導性シート29b〜29gに沈み込むため、熱伝導性シート29b〜29g同士は密着した状態となっている。また、増幅光ファイバ6は、熱伝導性シート29b〜29gの間のそれぞれにおいては、1重に巻いた状態となっている。したがって、増幅光ファイバ6同士は互いに重ならないように保持されている。このような保持構造29も、放熱性が高いとともに光ファイバを低光損失で保持できるものとなる。
なお、上記実施の形態1および変形例2において、基体9aを、配管19b〜19dを配設した変形例1の基体19aに置き換えてもよい。また、冷却手段としては、変形例1のような配管19b〜19dと冷却水とを用いたものに限られず、たとえば保持構造の外表面にペルチェ素子を配設して冷却手段として用いてもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例において、保持構造は増幅光ファイバを保持するものであるが、保持すべき光ファイバはこれに限定されない。たとえば、非線形光学効果として四光波混合を利用する非線形光ファイバは、高強度の光を入力させるものであり、温度依存性があるゼロ分散波長特性を利用するものである。したがって、本発明に係る光ファイバの保持構造を適用すれば、ゼロ分散波長の変動を防止できるため、四光波混合の発生効率の低下を防止し、また非線形光ファイバおよびこれを用いる装置の信頼性を維持することができる。
1 励起光源
1〜1n 半導体レーザ
1〜2n マルチモード光ファイバ
3 TFB
4 マルチモード光ファイバ
5、7 光ファイバグレーティング
6 増幅光ファイバ
6a コア部
6b 内側クラッド部
6c 外側クラッド部
8 出力端子
8a シングルモード光ファイバ
9、19、29 保持構造
9a、19a 基体
9b 熱伝導性成形体
19b〜19d 配管
29b〜29g 熱伝導性シート
51 グレーティング部
71 グレーティング部
100 光ファイバレーザ
C1〜C4 接続点
L1 レーザ光

Claims (6)

  1. 互いに重ならないように巻いた状態にされた光ファイバを保持するための表面を有し、少なくとも該表面が、熱伝導率が0.5W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が20〜50である、アクリルゴムと熱可塑性エラストマーとを配合したベースゴムに対して熱伝導性フィラーおよび軟化剤を含有させた熱伝導性成形体からなることを特徴とする光ファイバの保持構造。
  2. 前記熱伝導性成形体は、圧縮強度が、厚さの30%を圧縮した時点のピーク値で10〜30N/cm2そのまま10分間経過したときの安定値で3〜10N/cm2であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの保持構造。
  3. 前記熱伝導性成形体は、熱伝導率が1.0W/mK以上であり、かつアスカーC硬度が25〜40であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの保持構造。
  4. 前記熱伝導性成形体は、熱伝導率が1.5W/mK以上であり、アスカーC硬度が25〜35であり、圧縮強度がピーク値で15〜25N/cm2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ファイバの保持構造。
  5. 前記熱伝導性成形体は、複数の熱伝導性シートが堆積して形成されており、該各熱伝導性シートの対向する表面の間に挟むように前記光ファイバを保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ファイバの保持構造。
  6. 該保持構造の内部または外表面に配設した冷却手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光ファイバの保持構造。
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