JP5100154B2 - 固定極ユニットとその製造方法、及びエレクトレットコンデンサマイクロホンユニット - Google Patents

固定極ユニットとその製造方法、及びエレクトレットコンデンサマイクロホンユニット Download PDF

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Description

本発明は、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの構成部材としてそのユニットケース内に組み込まれる固定極ユニットとその製造方法、及びこの固定極ユニットを備えるエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットに係るものであり、詳しくは、マイクロホン部のストレー容量を減少させることで、検出感度を高めることを可能とする技術に関する。
コンデンサマイクロホンは、音波により振動する振動板を備えた振動板ユニットと固定極とをスペーサを介して対向配置してなるコンデンサマイクロホンユニットを備える。この振動板ユニットと固定極との間には、スペーサの厚さに対応する隙間が形成されて一種のコンデンサを構成している。このため振動板が音声を受けて振動すると、振動に応じて振動板ユニットと固定極との間の静電容量が変化し、この静電容量の変化が音声信号として出力されるようになっている。したがって、振動板ユニットと固定極とをスペーサを介して積層配置することで、マイクロホン部が構成されている。
このコンデンサマイクロホンの一種に、背極となる固定極にエレクトレット材を用いたエレクトレットコンデンサマイクロホンがある。エレクトレット材とは、半永久的に電荷を蓄える高分子化合物である。
エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットは、たとえば図8に示すような構造をしている。図8は、従来のエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの一例を示す縦断面図である。
図8において、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニット(以下「マイクユニット」という)101は、有底の円筒形のユニットケース111内に以下の各部品を収容することにより構成されている。このユニットケース111は、底部に相当する部分が前側となり、マイクロホンにおける音声の入力部となっている。また、この底部にはマイクユニット内部に音声を導き入れるための孔111aが複数形成されている。ユニットケース111内には、この底部に最も近い位置にリング状の振動板保持体112が配置され、さらに、外周縁部が前記振動板保持体112の一端面に固着された振動板113が配置されている。
また、前記振動板113に対し、リング状の部材であるスペーサ114の介在のもとに固定極115が対向配置されている。この固定極115は、金属製の円板を基材とし、たとえば前記振動板113との対向面側にエレクトレット材131が貼り付けられて、エレクトレットボードを構成している。また、スペーサ114は厚さが薄い樹脂からなり、振動板113の後端面(図8において下端面)の外周縁部に密着している。
前記ユニットケース111内には、固定極115の後面側に固定極支持体である絶縁スリーブ116が配置されている。絶縁スリーブ116は、たとえば合成樹脂からなり、ユニットケース111内の径方向の寸法を規定して前記固定極115を所定の位置に固定する。絶縁スリーブ116は、これを接着剤によって前記固定極115と接着し、この絶縁スリーブ116と前記固定極115によって形成される平面部に前記エレクトレット材131を貼り付けている。
また図8において、絶縁スリーブ116の内周面には、導電材料で構成された導電スリーブ117が内接して配置されている。導電スリーブ117の後端面部は、円板状のプリント基板119上に形成されている回路パターン(不図示)に接触している。このプリント基板119の後端面周縁部には、ユニットケース111の開放端縁部の折り返し部111bが当たっている。この折り返し部111bが、プリント基板119を前方(図8において上方向)に向かって押圧し、折り返し部111bによって生じた押圧力によって、導電スリーブ117が前方(図8において上方)に向かって押されている。また、この押圧力によって、固定極115が押され、さらにスペーサ114を介して振動板保持体112がユニットケース111の底面に押し付けられ、これらの部材のユニットケース111内におけるそれぞれの位置が決められて固定されている。導電スリーブ117は、固定極115とプリント基板119を電気的に接続している。上記プリント回路基板119には、インピーダンス変換器を構成する電界効果型トランジスタ(以下「FET」という)118が配置されている。FET118の端子の一部は、プリント回路基板119の所定の回路パターンに半田付け等によって接続されている。
ところが、以上説明した構造のマイクユニット101においては、図9に示すように、固定極115の外縁部115aの径(外径)と、振動板支持体112の内縁部112aの径(内径)との間に重なり部xがある。この重なり部xの静電容量がストレー容量となり、マイクロホンとしての感度の低下をもたらす。
したがって、このような構造では、マイクユニットの口径を小さくすると、有効容量のストレー容量に対する比を大きくとることが出来なくなり、損失の多いマイクユニットになってしまう。
そこで、ストレー容量(浮遊容量)の発生を防止して検出感度を高めるようにした手段が幾つか提案されている(たとえば、特許文献1及び2参照)。
上記特許文献1及び2に記載の技術は何れも、固定極の外径を振動板支持体の内径以下の寸法にすることによって、ストレー容量を減らして感度を向上させようとするものである。
しかしながら上記特許文献1に記載の技術は、固定極と絶縁スリーブが一体に形成され、前記固定極にエレクトレット材を貼り付けた後に、固定極に開口を開けるものである。したがって、小口径ユニットには適するものの、たとえば約10mm以上の径となる大口径のユニットに適用するには、上記開口の数を多くする必要があるため、固定極のクランプが困難であり加工がし難いものであった。
また、上記特許文献2に記載の技術も、絶縁基板上に固定極に相当する背面電極とエレクトレット層とが形成された構造であり、小口径ユニットには適するものの、大口径のユニットに適用するには加工が困難なものであった。しかも、上記特許文献2に記載のものは、前記絶縁基板によって振動膜と背面電極とを位置決めしたものである。したがって、ユニットケースの折り返し部による押圧力によってそれぞれの部材が位置決めされる構造に容易に適用することが出来るものではない。
すなわち、マイクロホン部においては、振動膜と背面電極との距離を近接させるほど、より感度を高めることが知られている。ところが、絶縁基板上に背面電極が凸状に形成されていると振動膜と背面電極との距離が著しく近くなり過ぎ、振動膜の中央部が大きく撓んで対向する背面電極の中央部に接触し、マイクロホンとしての機能を低下させてしまう虞があった。また、この場合にスペーサの厚さによって振動膜と背面電極との距離を調整するのは困難であり、スペーサの厚さを変えることに伴って静電容量が変化し、感度が低下することや、雑音が多く発生するなどの問題が生ずる虞もあった。
さらに、上記特許文献1においては、絶縁基板上に背面極電極が形成されていることから、背面電極とプリント基板との電気的導通が複雑な構造となる難点もある。
特願2006−341718 特開2003−78997号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユニットケースの折り返し部による押圧力によってそれぞれの部材が位置決めされる構造をしたエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの構成部材としてそのユニットケース内に組み込むことが可能であり、固定極に開ける開口の数が多い大口径ユニットに適用可能な構造を有し、マイクロホン部のストレー容量を減少させることができる固定極ユニットとその製造方法、及びこの固定極ユニットを備えるエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットを提供することを目的とする。
本発明に係る固定極ユニットは、ユニットケース内に組み込まれ、振動板保持体に張設された振動板と隙間をおいて対向配置され、前記振動板との間でコンデンサを構成する固定極ユニットであって、前記振動板との対向面側にエレクトレット材が貼り付けられた円板形の固定極と、この円板形の固定極が入り込む円形の開口部を有し、ユニットケース内の径方向の寸法を規定して前記円板形の固定極を所定の位置に固定する絶縁環と、この絶縁環の円形の開口部内に入り込んだ前記円板形の固定極が、前記絶縁環と同一高さの平面を成すように前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する固定手段と、を備え、前記円板形の固定極は、その外径が前記振動板保持体の内径以下の大きさであ前記固定手段は、前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に充填され硬化するペースト状の接合材料であり、前記絶縁環は、少なくとも前記円形の開口部を形成する内周壁面に金属めっきが施されており、前記接合材料は、クリームはんだであることを特徴とする。
本発明に係る固定極ユニットの製造方法は、ユニットケース内に組み込まれ、振動板保持体に張設された振動板と隙間をおいて対向配置され、前記振動板との間でコンデンサを構成する、前記振動板との対向面側にエレクトレット材が貼り付けられた円板形の固定極と、この円板形の固定極が入り込む円形の開口部を有し、ユニットケース内の径方向の寸法を規定して前記円板形の固定極を所定の位置に固定する絶縁環と、この絶縁環の円形の開口部内に入り込んだ前記円板形の固定極が、前記絶縁環と同一高さの平面を成すように前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する固定手段と、を備え、前記円板形の固定極は、その外径が前記振動板保持体の内径以下の大きさであり、前記固定手段は、前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に充填され硬化するペースト状の接合材料であり、前記絶縁環は、少なくとも前記円形の開口部を形成する内周壁面に金属めっきが施されており、前記接合材料は、クリームはんだである、ことを特徴とする固定極ユニットの製造方法であって、平坦な基台の上に前記絶縁環を配置する工程A、前記絶縁環の円形の開口部内に、エレクトレット材面を前記基台側に向けて前記円板形の固定極を配置する工程B、前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に、固定手段としてペースト状の接合材料を充填する工程C、前記円板形の固定極と前記絶縁環とを押え付けながら、前記ペースト状の接合材料を硬化させて前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する工程D、を少なくとも順に備えることを特徴とする。
本発明の固定極ユニットによれば、固定極の外径が振動板保持体の内径以下の大きさである。ゆえに、ストレー容量を減少させて有効静電容量を安定化させることによりコンデンサマイクロホンの感度向上に有効に寄与させることができる。
また、本発明の固定極ユニットは、絶縁環によって固定極が所定の位置に固定され、固定極と絶縁環とが、同一高さの平面を成すように固定手段によって一体化されている。ゆえに、そのクランプが容易であり、固定極の通気孔の穴数が多い大口径ユニットであっても、固定極上面へのエレクトレット材を貼り付け前後に関わらず容易に開口を形成することができる。しかも、本発明の固定極ユニットは、これをプリント基板と電気的に接続する導電スリーブによって押圧することができるので、固定極とプリント基板との電気的導通も容易である。
したがって、本発明の固定極ユニットによれば、ユニットケースの折り返し部による押圧力によってそれぞれの部材が位置決めされる構造をしたエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの構成部材としてそのユニットケース内に組み込むことが可能であり、固定極の開口の数が多い大口径ユニットに適用可能であり、マイクロホンユニットのストレー容量を減少させることができる。
本発明の固定極ユニットの製造方法は、平坦な基台の上に絶縁環を配置すると共に、この絶縁環の開口部内に固定極を配置し、この固定極が入り込んだ絶縁環の開口部との隙間にペースト状の接合材料を充填した後、固定極と絶縁環とを押え付けながら接合材料を硬化させて両者を一体化する。ゆえに、固定極の外径が振動板保持体の内径以下の大きさであり、固定極と絶縁環とが、同一高さの平面を成す固定極ユニットを容易に構成することができる。
したがって、本発明の固定極ユニットの製造方法によって製造された固定極ユニットは、ユニットケースの折り返し部による押圧力によってそれぞれの部材が位置決めされる構造をしたエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの構成部材としてそのユニットケース内に組み込むことが可能であり、固定極に形成される開口の数が多い大口径ユニットに適用するのに適した構造を有し、マイクロホンユニットのストレー容量を減少させることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の固定極ユニットは、エレクトレットコンデンサマイクロホンユニット(以下「マイクユニット」という)の構成部材としてそのユニットケース内に組み込まれ、振動板保持体に張設された振動板と隙間をおいて対向配置され、前記振動板との間でコンデンサを構成するものである。
図1は、本発明に係る固定極ユニットを示す縦断側面図である。また、図2は、固定極ユニットを構成する固定極の構造を説明する、(a)は平面図、(b)は図2(a)中のI−I線に沿う縦断側面図である。さらに、図3は、固定極ユニットを構成する絶縁環の構造を説明する、(a)は平面図、(b)は図3(a)中のII−II線に沿う縦断側面図である。
本実施形態の固定極ユニット10は、図1乃至図3に示すように、固定極15と、絶縁環32と、固定手段30とを備える。
固定極15は、図2に示すように、たとえば金属製の円板を基材とし、前記振動板との対向面側に、エレクトレット材31が貼り付けられてエレクトレットボードを構成している。この固定極15は、たとえばはんだ付けができる真鍮等の金属板をプレスで打ち抜くことで形成できる。一方、エレクトレット材31は、電極板としての固定極15の表面に、たとえば溶着等によって貼り付けられた高分子フィルムにより形成されている。高分子フィルムとしては、たとえば通常FEP(フロロエチレン・プロピレン)を挙げることが出来る。
また、固定極15には、多数の通気孔10a・・10aが設けられる。この通気孔10aは、予め通気孔が形成された固定極15にエレクトレット材31を貼り付けた後、この通気孔10aを塞いでいるエレクトレット材31をプレスで開口するものとしても良いし、通気孔が形成されていない固定極15にエレクトレット材31を貼り付けた後、プレス加工により固定極15の通気孔10aとエレクトレット材31の開口を同時に形成するものとしても良い。
絶縁環32は、図3に示すように、前記固定極15が入り込む開口部32aを有し、ユニットケース内の径方向の寸法を規定して前記固定極15を所定の位置に固定する。この絶縁環32には、たとえば回路基板用の材料であるPCB(Printed Circuit Board)材を用いることができる。
図3において、絶縁環32の一方の面には、内周域にランド状の第一の導体部33Aが設けられると共に、その他方の面には、内周域にランド状の第三の導体部34Aが設けられている。また、図3において、この絶縁環32の開口部32aを形成する内周壁面には、前記第一の導体部33Aと第二の導体部34Aを接続する金属めっき35が施されている。これにより、金属部材である固定極15と絶縁部材である絶縁環32とを、固定手段30として後述するクリームはんだを用いることで、接合することが可能になる。
また、絶縁環32の一方の面における外周域にランド状の第三の導体部33Bを設けると共に、その他方の面おける外周域にランド状の第四の導体部34Bを設けても良い。これにより、固定極ユニット10の全体的な高さを均一なものとし、対向する振動板との間において精度の高い平面性を確保することができる。なお、これら各導体部33A、33B,34A,34Bとしては、たとえば銅箔を挙げることができ、プリント配線基板(PCB)の製造手法によって上記各導体部を形成することができる。
固定手段30は、前記絶縁環32の開口部内に入り込んだ前記固定極15と、前記絶縁環22とが同一高さの平面を成すように、固定極15と絶縁環32とを一体化する。この固定手段30として、例えばペースト状の接合材料を用いることができる。より具体的には、絶縁環32の開口部32aと、この開口部32a内に配置された固定極15の外周面との間に生じているリング状の隙間に、ペースト状の接合材料を充填し、この接合材料を硬化させて固定極15と絶縁環32を一体化する。また、この接合材料としては、所謂クリームはんだを挙げることができる。これにより、固定極15と絶縁環32との僅かな隙間であっても容易に充填でき、加熱し、冷却してクリーム半田を硬化させることにより、絶縁環32と固定極15とを確実に接合することが可能になる。
以上のように構成された固定極ユニットは、ユニットケース内において、図4に示すように、スペーサの介在のもとに、振動板保持体に張設された振動板13と重ね合わせられる。絶縁32とともにユニット化された固定極15は、図4に示すように、その外縁部15aの径(外径)D1が振動板保持体12の内縁部12aの径(内径)D2以下の大きさ(D1<D2)である。これにより、コンデンサマイクロホンユニットとして組み立てられた状態では、固定極15の外縁部15aと振動板支持体12の内縁部12aとの間に重なり部が無くなり、ストレー容量の少ない効率の高いコンデンサマイクロホンユニット乃至はコンデンサマイクロホンを得ることができる。
次に、本発明に係る固定極ユニットの製造方法について説明する。
図5は、本発明に係る固定極ユニットの製造方法の一例を簡略的に示す製造工程図である。
まず、図5(a)に示すように、平坦な基台50の上に絶縁環32を配置する。基台50としては、たとえばガラス板を挙げることができる。
次に、図5(b)に示すように、前記絶縁環32の開口部32a内に、エレクトレット材31形成面を前記基台50側に向けて固定極15を配置する。
引き続き、図5(c)に示すように、固定極15が入り込んだ前記絶縁環32の開口部32aと固定極15の外周面との隙間3aに、固定手段としてペースト状の接合材料30を充填する。この接合材料としては、たとえばクリームはんだを用いる。ここで、図5(c)において点線サークルAで示す部分を、図6に拡大して示す。図6において、接合材料30は、固定極15の外周面と絶縁環32の内周壁面に施した金属めっき35との間に形成された隙間部3aに充填されている。
その後、図5(d)に示すように、前記固定極15と前記絶縁環32とを加圧して押え付けながら、前記クリームはんだを加熱し、冷却することで硬化させ、前記固定極15と前記絶縁環32とをはんだ付けして一体化する。
そして、基台50を外し、プレス加工により固定極15の通気孔10aとエレクトレット材31の開口を同時に形成することで、固定極ユニット10を得ることができる。なお、前述したとおり、予め通気孔10aが形成された固定極15を用い、エレクトレット材31を貼り付けた後、絶縁環32とともにユニット化する前に、またはユニット化後に、上記通気孔10aを塞いでいるエレクトレット材31をプレスで開口するものとしても良い。
以上のように構成された固定極ユニット10は、ユニットケース内に組み込まれ、図7に示すようなマイクユニット1を構成する。
図7は、固定極ユニットを組み込んだマイクユニットを示す縦断側面図である。
図7において、マイクユニット1は、有底の円筒形のユニットケース11内に以下の各部品を収容して構成されている。このユニットケース11は、ユニット内部に音声を導き入れるための複数の孔11aを有している。ユニットケース11内には、リング状の振動板保持体12の一端面に、その外周縁部が固着されることで張設された振動板13が配置されている。
また、前記振動板保持体12に対し、リング状の部材であるスペーサ14を介して固定極ユニット10が、エレクトレット材31の形成面が振動板13と対向するように配置されている。前記振動板13と前記固定極ユニット10との間には、スペーサ14の厚さに相当する隙間が形成されており、振動板13と固定極ユニット10で一種のコンデンサを構成している。そして、振動板13が、前記孔11aから導き入れられる音声にしたがって振動するのに伴い、前記コンデンサの静電容量が変化し、静電容量の変化が音声信号として出力されるようになっている。
固定極ユニット10は、ユニットケース11内の径方向の寸法を規定する絶縁スリーブ16によって所定の位置に固定されている。また、絶縁スリーブ16の内周面には、導電材料で構成された導電スリーブ17が内接して配置されている。導電スリーブ17の後端面部は、円板状のプリント基板19上に形成されている回路パターン(不図示)に接触し、プリント基板19の後端面周縁部には、ユニットケース11の開放端縁部の折り返し部11bが当たっている。この折り返し部11bが、プリント基板19を前方(図7において上方向)に向わせる押圧力を生じさせ、これの押圧力によって導電スリーブ17が図7において上方に押されると共に固定極ユニット10が上方に押される。さらに、スペーサ14を介して振動板保持体12がユニットケース11の底面に押し付けられ、これらの部材のユニットケース11内におけるそれぞれの位置が決められ、固定されている。
導電スリーブ17は、固定極ユニット10とプリント基板19を電気的に接続している。また、前記プリント基板19には、インピーダンス変換器を構成する電界効果型トランジスタ(以下「FET」という)18が配置されている。このFET18の端子の一部は、プリント基板19の所定の回路パターンにはんだ付け等によって接続されている。
このように固定極ユニット10や振動板13を含む各部材は、ユニットケース11内に組み込まれ、エレクトレットコンデンサマイクロホンのマイクユニット1を構成している。
このように本発明に係る固定極ユニットは、固定極の外径が振動板保持体の内径以下の大きさであって、マイクロホン部のストレー容量を減少させることができる。また、固定極と絶縁環とが、同一高さの平面を成す平板状であるので、そのクランプが容易であり、固定極の通気孔の穴数が多い大口径ユニットであっても容易に開口を形成することができる。しかも、図示の実施例にかかる固定極ユニットは、プリント基板と電気的に接続する導電スリーブによって押圧されるものであるので、固定極とプリント基板との電気的導通が容易に成されるものである。
したがって、本発明に係る固定極ユニットを備えることにより、検出感度を高めたエレクトレットコンデンサマイクロホンユニット、及びエレクトレットコンデンサマイクロホンを提供することができる。
本発明に係る固定極ユニットの実施例を示す縦断側面図である。 本発明に係る固定極ユニットを構成する固定極の例を示す、(a)は平面図、(b)は(a)中のI−I線に沿う縦断側面図である。 本発明に係る固定極ユニットを構成する絶縁環の例を示す、(a)は平面図、(b)は(a)中のII−II線に沿う縦断側面図である。 本発明に係る固定極ユニットの実施例を振動板ユニットとともに示す縦断側面図である。 本発明に係る固定極ユニットの製造方法の一例を簡略的に示す製造工程図である。 本発明に係る固定極ユニットの実施例の一部を拡大して示す縦断側面図である。 本発明に係る固定極ユニットを組み込んだエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの例を示す縦断側面図である。 エレクトレットコンデンサマイクロホンユニットの従来例を示す縦断側面図である。 従来のエレクトレットコンデンサマイクロホンにおける固定極の例を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 エレクトレットコンデンサマイクロホンユニット
10 固定極ユニット
11 ユニットケース
12 振動板保持体
13 振動板
14 スペーサ
15 固定極
16 絶縁スリーブ
17 導電スリーブ
18 電界効果型トランジスタ(FET)
19 プリント回路基板
31 エレクトレット材
32 絶縁環

Claims (3)

  1. ユニットケース内に組み込まれ、
    振動板保持体に張設された振動板と隙間をおいて対向配置され、前記振動板との間でコンデンサを構成する固定極ユニットであって、
    前記振動板との対向面側にエレクトレット材が貼り付けられた円板形の固定極と、
    この円板形の固定極が入り込む円形の開口部を有し、ユニットケース内の径方向の寸法を規定して前記円板形の固定極を所定の位置に固定する絶縁環と、
    この絶縁環の円形の開口部内に入り込んだ前記円板形の固定極が、前記絶縁環と同一高さの平面を成すように前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する固定手段と、
    を備え、
    前記円板形の固定極は、その外径が前記振動板保持体の内径以下の大きさであ
    前記固定手段は、前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に充填され硬化するペースト状の接合材料であり、
    前記絶縁環は、少なくとも前記円形の開口部を形成する内周壁面に金属めっきが施されており、前記接合材料は、クリームはんだである、
    ことを特徴とする固定極ユニット。
  2. 請求項1に記載の固定極ユニットを備えることを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホンユニット。
  3. ユニットケース内に組み込まれ、振動板保持体に張設された振動板と隙間をおいて対向配置され、前記振動板との間でコンデンサを構成する、前記振動板との対向面側にエレクトレット材が貼り付けられた円板形の固定極と、
    この円板形の固定極が入り込む円形の開口部を有し、ユニットケース内の径方向の寸法を規定して前記円板形の固定極を所定の位置に固定する絶縁環と、
    この絶縁環の円形の開口部内に入り込んだ前記円板形の固定極が、前記絶縁環と同一高さの平面を成すように前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する固定手段と、
    を備え、
    前記円板形の固定極は、その外径が前記振動板保持体の内径以下の大きさであり、
    前記固定手段は、前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に充填され硬化するペースト状の接合材料であり、
    前記絶縁環は、少なくとも前記円形の開口部を形成する内周壁面に金属めっきが施されており、前記接合材料は、クリームはんだである、
    ことを特徴とする固定極ユニットの製造方法であって、
    平坦な基台の上に前記絶縁環を配置する工程A、
    前記絶縁環の円形の開口部内に、エレクトレット材面を前記基台側に向けて前記円板形の固定極を配置する工程B、
    前記円板形の固定極が入り込んだ前記絶縁環の円形の開口部との隙間に、固定手段としてペースト状の接合材料を充填する工程C、
    前記円板形の固定極と前記絶縁環とを押え付けながら、前記ペースト状の接合材料を硬化させて前記円板形の固定極と前記絶縁環とを一体化する工程D、
    を少なくとも順に備えることを特徴とする固定極ユニットの製造方法。
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