JP5099759B2 - 生理用ナプキン - Google Patents
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Description
一方、特許文献1〜4に記載されている固定手段は、何れも、本体の身体に対する密着性を高める目的で本体自体に取り付けられるものであり、立体ギャザーを有する吸収性物品にこのような固定手段を採用しても、立体ギャザーの倒れ込みやズレ、ヨレ等の不都合の発生を防止することはできない。立体ギャザーの身体に対する追従性を高め、倒れ込み等の立体ギャザーに関する不都合の発生を効果的に防止し得る技術は、未だ提供されていない。
尚、本明細書において、「肌当接面側」は、ナプキン着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌当接面側」は、ナプキン着用時に下着側(着用者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、「長手方向」は、ナプキン又は各種部材の長手方向に沿う方向であり、「幅方向」は、長手方向と直交する方向である。
立体ギャザー10は、図3及び図4に示すように、本体5の肌当接面側に該本体5の長手方向に沿って起立する基壁部11と、該基壁部11の上端部11aに連接され、着用時に着用者の肌に当接する弾性伸縮部12とを含んで構成されている。弾性伸縮部12は、上端部11aの長手方向の全長に亘って連接されている。弾性伸縮部12には、本体5の長手方向に沿って側部弾性部材13が配されて弾性伸縮性が付与されている。立体ギャザー10(弾性伸縮部12)の伸縮方向は本体5の長手方向に一致している。側部弾性部材13は、少なくとも排泄部対向部Aに配されており、更に前方部C及び/又は後方部B側にも延びて配されていることが好ましい。
このように、第1実施形態においては、内方弾性伸縮部12A及び外方弾性伸縮部12Bは、両者が一体となって平面状に形成され、弾性伸縮部12と基壁部11とは、図4に示す如き立体ギャザー10の幅方向(本体5の幅方向)の断面視において、T字状を形成している。
また、内方弾性伸縮部12Aの長手方向に沿った自由端から外方弾性伸縮部12Bの長手方向に沿った自由端までの長さ、即ち、面状の弾性伸縮部12の幅は、フィット性及び立体ギャザー10を汚しにくくする点から、10〜50mmが好ましい。
第1実施形態においては、弾性伸縮部固定部15は、立体ギャザー10(弾性伸縮部12)の長手方向両端部に形成されており、これら両端部に挟まれた立体ギャザー10の長手方向内方部には形成されていない。この弾性伸縮部固定部15の形成領域は、本体5の長手方向両端部、具体的には、前方部Cの略全域及び後方部Bにおける本体5の長手方向後端5B寄りの領域に一致する。つまり、立体ギャザー10は、弾性伸縮部固定部15が形成されている本体5の長手方向両端部においては起立しておらず、弾性伸縮部固定部15が形成されていない、排泄部対向部A及び後方部Bの該排泄部対向部A寄りの領域においては、側部弾性部材13による収縮力によって起立している。また、弾性伸縮部12の収縮によって、本体5は、その長手方向の全体形状が、図2に示すように肌当接面側(表面シート2側)に凹状に湾曲している。
弾性伸縮部固定部15の長手方向(弾性伸縮部12の長手方向と平行な方向)の長さL1は、弾性伸縮部12の長手方向の全長に対して、好ましくは1〜40%、更に好ましくは20〜30%である。L1が弾性伸縮部12の全長との関係でこの範囲とされることで、ナプキン1の長手方向前後端部のフィット性が損なわれ難くなる。
尚、ナプキン1に該ナプキン1を下着に固定するための粘着部(前記本体粘着部、前記ウイング部粘着部)を配する場合、該粘着部は、弾性伸縮部固定部15の形成領域(図3中では符号L1で示される領域)及び該形成領域よりも本体長手方向外方に位置する領域には配されていないことが、立体ギャザー10の起立性や倒れこみ防止性を維持する観点から好ましい。
帯状部材20は、他の部材に接合されていない自由端部20aを有しており、該自由端部20aの非肌当接面側に、該帯状部材20を着用者の下着に固定する固定手段25が設けられている。尚、図1及び図3中の符号S(斜線部)は、弾性伸縮部12と帯状部材20との接合部を示している。
帯状部材20の長さ(長手方向の長さ)は、本体5のサイズやナプキン1と併用される下着のサイズ等により適宜調整することができ特に制限されないが、帯状部材20の自由端部20aを摘んで、弾性伸縮部材12との接合部Sに最も近い位置にある本体長手方向の端縁(前端5C又は後端5B)からナプキン長手方向外方に向けて引っ張った時に、該端縁から延出し得る長さが好ましく、好ましくは1〜10cmである。帯状部材20の厚みは、好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは1〜3mmである。
本体5に接合されている複数の帯状部材20は、各寸法(幅、長さ、厚み)が異なっていても良く、全て同じであっても良い。
前記1)の形態、即ち、帯状部材20が、起立する立体ギャザー10を構成する弾性伸縮部12に接合されている形態は、特に、立体ギャザー10の身体に対する追従性に優れており、身体が動いても立体ギャザー10が身体から離れずに密着する。
また、前記2)の形態、即ち、帯状部材20が、起立しない立体ギャザー10を構成する弾性伸縮部12に接合されている形態は、特に、本体5の長手方向前後端部の身体に対するフィット性に優れている。
また、前記3)の形態、即ち、前記1)及び前記2)の両方を具備する形態は、上述した特長がバランス良く備わっており、立体ギャザーの身体に対する密着性及びナプキンのフィット性の点で良好な結果が得られる。
第1実施形態においては、前記3)の形態が採用されており、弾性伸縮部12と帯状部材20との接合部Sは、弾性伸縮部固定部15と弾性伸縮部12が本体5に接合されていない領域における該弾性伸縮部12との境界を跨ぐように配されている。
また、接合部Sの長手方向の長さL2は、帯状部材20の長手方向の全長に対して、好ましくは5〜30%、更に好ましくは10〜20%の範囲にあることが、弾性伸縮部12の弾性挙動を阻害しない点で好ましい。尚、帯状部材20における接合部Sの位置は、第1実施形態のように、帯状部材20の長手方向一端(自由端部20aと反対側の端部の端)であることが好ましい。
接合部Sの幅は、通常、弾性伸縮部12及び帯状部材20のうち、相対的に幅狭の部材の幅に略等しく設定される。弾性伸縮部12と帯状部材20との接合(接合部Sの形成)は、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段を行なうことができる。接合においては、帯状部材20の内側縁(相対的に本体5の幅方向内方寄りにある側縁)が弾性伸縮部材12よりはみ出さず、且つ帯状部材20の外側縁(相対的に本体5の幅方向外方寄りにある側縁)が、弾性伸縮部材12の外側縁と等しいか、又は該外側縁を越える程度に接合されていることが、立体ギャザー10の倒れこみ防止の観点から好ましい。
尚、帯状部材20をナプキン着用者の肌に固定させる場合、固定手段25としては、粘着剤等が用いられ、また斯かる場合には、自由端部20aの肌当接面側に固定手段25を設けることが好ましい。また、固定手段25は、前記本体粘着部及びウイング部粘着部(図示せず)に比して粘着力が低いことが好ましい。具体的には、固定手段25は、T剥離法による下着生地への粘着力が10〜50%であることが、肌へのダメージを防ぐ観点から好ましい。
固定手段25は、帯状部材20の自由端から該帯状部材20の長手方向の全長の0〜10%に亘る領域に設けられることが好ましい。
表面シート2としては、例えば、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。裏面シート3としては、例えば、熱可塑性樹脂のフィルム(ポリエチレンフィルム等)や、該フィルムと不織布とのラミネート等の液不透過性又は撥水性のシートを用いることができ、水蒸気透過性を有するものを用いることもできる。
吸収体4としては、生理用ナプキン等の吸収性物品における吸収体として従来から用いられている各種材料を特に制限なく用いることができ、例えば、パルプ繊維を堆積させて得られた積繊層、パルプ繊維を原料とする不織布からなるものを用いることができる。吸収体4は吸収性ポリマーを含有していても良い。また、吸収体4は、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布等のシート材で被覆されていても良い。
立体ギャザー形成用シート14としては、生理用ナプキン等の吸収性物品における立体ギャザーを構成する材料として従来から用いられている材料を特に制限なく用いることができ、特に好ましくは疎水性不織布等の撥水性のシートが用いられる。
また、立体ギャザー10は、第1実施形態においては基壁部11と弾性伸縮部12とが一体的に形成されているが、基壁部11と弾性伸縮部12とを別々に製造し、それらを接合して形成することもできる。
また、帯状部材20を、本体5に接合されていない弾性伸縮部12に接合させることも、立体ギャザー10の身体に対する追従性の向上に有効であり、立体ギャザー10の身体に対する密着性が向上する。
また、帯状部材20を、弾性伸縮部固定部15に接合させることは、特に、本体5の長手方向前後部の身体に対するフィット性の向上に有効である。
また、弾性伸縮部12が、図4に示す如く面状に形成されていることは、着用感の向上に特に有効である。
即ち、第3実施形態においては、一対の立体ギャザー10,10の長手方向一端側(本体5の長手方向前端5C側)及び他端側(本体5の長手方向後端5B側)それぞれにおいて、一方の立体ギャザー10(弾性伸縮部12)に接合されている帯状部材20と、他方の立体ギャザー10(弾性伸縮部12)に接合されている帯状部材20とが合流し、本体5の長手方向外方に向かって凸のU字状湾曲部21と、該U字状湾曲部21の頂部21aから本体5の長手方向外方に向かって延びる一の直線状部22とを形成しており、該直線状部22が自由端部20aを有している。U字状湾曲部21の頂部21aは、本体5の幅方向中央に位置している。
また、2本の帯状部材20,20が、本体5の長手方向外方に向かって凸のU字状湾曲部21を形成するように合流していることにより、2本の帯状部材が湾曲せずに合流する場合に比して、装着時に簡便であるという効果が奏される。
例えば、弾性伸縮部12は、前記実施形態のように面状に形成されているものに制限されず、図8に示すように、面状に形成されていなくても良い。図8に示す立体ギャザー10においては、弾性伸縮部12は、基壁部11の上端部11aから水平方向への張り出し幅が実質的に無いに等しく(張り出し幅2mm以下)、ナプキン1の平面視において面状に形成されていない。
また、帯状部材20を着用者の下着に固定する固定手段25としては、下着のウエスト開口部の開口周縁部(ウエスト開口部の最上部)に係合可能なフック材を用いることができる。該フック材は、帯状部材20を適宜折り曲げるなどして帯状部材20自体から形成しても良く、帯状部材20とは別体のフック状部材を帯状部材20に取り付けて形成しても良い。
また、前記実施形態では、本発明の吸収性物品の適用例の一つとして生理用ナプキンを挙げたが、例えばパンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品にも適用できる。
また、図6に示す第2実施形態において、弾性伸縮部12は、図6とは逆に、ナプキン1の幅方向内方に張り出していても良い。即ち、弾性伸縮部12は、基壁部11の上端部11aからナプキン1の幅方向内方に略水平に張り出す内方弾性伸縮部のみから構成されていても良い。
前述した各構成は、適宜組み合わせることができる。
5 本体
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
10 立体ギャザー
11 基壁部
11a 基壁部の上端部
12 弾性伸縮部
13 側部弾性部材
14 立体ギャザー形成用シート
15 弾性伸縮部固定部
20 帯状部材
20a 帯状部材の自由端部
25 固定手段
S 弾性伸縮部と帯状部材との接合部
A 排泄部対向部
B 後方部
C 前方部
Claims (3)
- 液保持性の吸収体を有する縦長の本体を備え、該本体の長手方向に沿う左右両側部に一対の立体ギャザーが設けられている生理用ナプキンであって、
前記立体ギャザーは、前記本体の肌当接面側に該本体の長手方向に沿って起立する基壁部と、該基壁部の上端部に連接され、着用時に着用者の肌に当接する弾性伸縮部とを含んで構成され、且つ該弾性伸縮部が該本体に接合されている弾性伸縮部固定部を有しており、
前記立体ギャザーの長手方向一端側及び他端側それぞれの、前記本体に接合されていない前記弾性伸縮部及び前記弾性伸縮部固定部の両方に、該立体ギャザーの長手方向に延びる帯状部材が、前記吸収体の上方にて接合されており、該帯状部材は、他の部材に接合されていない自由端部を有しており、該自由端部に、該帯状部材を着用者の下着又は肌に固定する固定手段が設けられている生理用ナプキン。 - 前記自由端部を摘んで前記帯状部材を前記本体の長手方向外方に引っ張った時に、該自由端部が該本体の長手方向の端縁より外方に位置する請求項1記載の生理用ナプキン。
- 対の前記立体ギャザーの長手方向一端側及び他端側それぞれにおいて、一方の立体ギャザーに接合されている前記帯状部材と他方の立体ギャザーに接合されている前記帯状部材とが合流し、前記本体の長手方向外方に向かって凸のU字状湾曲部と、該U字状湾曲部の頂部から該本体の長手方向外方に向かって延びる一の直線状部とを形成しており、該直線状部が、前記自由端部を有している請求項1又は2記載の生理用ナプキン。
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