以下、本発明の翻訳依頼管理方法を用いた翻訳依頼管理システムの実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の翻訳依頼管理システムの概要について説明する。図1は、翻訳依頼管理システムで用いられる装置の構成を示す模式図であり、図2は、翻訳依頼及び翻訳結果利用における処理手順を示す模式図である。図1を参照して、翻訳依頼管理システムの概略構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態では、管理サーバ1、依頼者クライアント2、翻訳者クライアント3、二次利用者クライアント4、Webサーバ5がインターネット7に接続されている。
依頼者クライアント2は、翻訳を依頼する者である翻訳依頼者が使用する装置である。翻訳者クライアント3は、翻訳を行う者である翻訳者が使用する装置である。二次利用者クライアント4は、翻訳者によって翻訳された翻訳結果を利用する者(以下、二次利用者という)が使用する装置である。
管理サーバ1は、翻訳依頼の管理、翻訳依頼に伴う各種料金の請求や報酬の支払、翻訳結果の管理、翻訳結果の二次利用に伴う各種料金の請求や報酬の支払を行う装置である。管理サーバ1は、翻訳結果を記憶する翻訳結果データベース(DB)1551、及び、翻訳依頼に関する情報や翻訳結果の利用状況を記憶する依頼DB1531を備えている。Webサーバ5は、インターネット7に公開されるWebページ51を記憶している。また、管理サーバ1は、ネットワーク8を介してクレジット会社の管理コンピュータ6と接続している。ネットワーク8は、電話回線や光ファイバを用いて構築される専用のネットワークであってもよいし、インターネット7であってもよい。
次に、図2を参照して、翻訳依頼時の大まかな手順を説明する。図2において、実線の矢印で示されている処理が、翻訳依頼時に行われる処理である。まず、翻訳を依頼する翻訳依頼者(以下、単に依頼者という)は、依頼者クライアント2を操作して、管理サーバ1にアクセスし、翻訳依頼をするためのWebページ(翻訳依頼画面201、図14参照)を取得する。依頼者は、翻訳を依頼したいWebページのURIを指定して、翻訳を依頼する。すると、管理サーバ1は、翻訳料金を決定し、依頼者の確認を取った後、翻訳者へ翻訳を依頼する電子メールを送信する。
管理サーバ1は、依頼者に対して、Webページの翻訳に必要な料金である翻訳料金の請求を行う。本実施の形態では、管理サーバ1は、依頼者からの代金回収を依頼するためのデータを作成し、そのデータをクレジット会社の管理コンピュータ6へ送信する。管理サーバ1は、依頼者から翻訳料金の支払を受ける。実際には、クレジット会社が依頼者の契約銀行口座から翻訳料金を徴収し、管理サーバ1を管理する者に支払う。なお、翻訳料金は、例えば、後述する翻訳者への翻訳報酬の資金源として使用することができる。
翻訳者は、翻訳を行った後、管理サーバ1へ翻訳結果を提出する。本実施の形態では、翻訳者は、翻訳結果のデータをインターネット7を介して管理サーバ1へ送信する。管理サーバ1は、翻訳結果を受理すると、翻訳者が依頼に応じて行った翻訳に対する報酬である翻訳報酬を翻訳者に支払う。本実施の形態では、管理サーバ1は、翻訳者が届け出ている銀行口座へ翻訳報酬の金額を振り込む。
次に、図2を参照して、翻訳結果が他のユーザ(二次利用者)に利用された際の大まかな手順を説明する。図2において点線で示されている処理が、二次利用時に行われる処理である。まず、二次利用者は、二次利用者クライアント4を操作して、管理サーバ1へアクセスし、翻訳結果の提供を受ける。管理サーバ1は、二次利用者に対して、翻訳結果を利用するための料金である利用料金の請求を行う。本実施の形態では、管理サーバ1は、依頼者からの翻訳料金の徴収と同様に、クレジット会社を利用して利用料金を徴収する。つまり、管理サーバ1は、二次利用者からの代金回収の依頼のためのデータを作成し、クレジット会社の管理コンピュータ6へ送信する。そして、クレジット会社が二次利用者の契約銀行口座から利用料金を徴収し、管理サーバ1を管理する者に支払う。
本実施の形態では、翻訳結果が二次利用されると、管理サーバ1は、依頼者及び翻訳者へ報酬を支払う。この報酬の資金には、二次利用者から徴収された利用料金が当てられる。具体的には、管理サーバ1は、依頼者が負担した翻訳料金の一部を還元するために依頼者に対して支払われる報酬である還元報酬を算出し、依頼者が届け出ている銀行口座へ還元報酬を振り込む。また、管理サーバ1は、翻訳者が作成した翻訳結果の利用に関して翻訳者に支払われる報酬である二次的報酬を算出し、翻訳者が届け出ている銀行口座へ二次的報酬を支払う。
次に、図3乃至図6を参照して、管理サーバ1について説明する。図3は、管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。そして、図4は、管理サーバ1のHDD15に設けられている翻訳者情報記憶エリア151の構成を示す模式図であり、図5は、管理サーバ1のHDD15に設けられている依頼者情報記憶エリア152の構成を示す模式図であり、図6は、管理サーバ1のHDD15に設けられている依頼DB記憶エリア153の構成を示す模式図である。
まず、図3を参照して、管理サーバ1の電気的構成について説明する。図3に示すように、管理サーバ1は、管理サーバ1の制御を司るCPU10を備えている。CPU10には、各種のデータを一時的に記憶するRAM11と、BIOS等を記憶したROM12と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス14とが接続されている。I/Oインタフェイス14には、ハードディスク装置15が接続されている。ハードディスク装置15には、翻訳者情報記憶エリア151と、依頼者情報記憶エリア152と、依頼DB記憶エリア153と、原文記憶エリア154と、翻訳結果記憶エリア155と、プログラム記憶エリア156と、その他の情報記憶エリア157とが少なくとも設けられている。
翻訳者情報記憶エリア151には、翻訳者に関する情報が記憶されている。依頼者情報記憶エリア152には、依頼者に関する情報が記憶されている。依頼DB記憶エリア153には、依頼DB1531が記憶されている。原文記憶エリア154には、翻訳が依頼されたWebページの原文が記憶されている。翻訳結果記憶エリア155には、翻訳結果DB1551(図1参照)が記憶されている。プログラム記憶エリア156には、CPU10で実行されるプログラムが記憶されている。その他の情報記憶エリア157には、例えば、クライアント2,3,4のブラウザ画面に表示させる画面のフォームのような、管理サーバ1で使用されるその他の情報が記憶されている。
I/Oインタフェイス14には、マウスコントローラ18と、ビデオコントローラ16と、キーコントローラ17と、通信装置19とが接続されている。マウスコントローラ18にはマウス181が接続されている。ビデオコントローラ16にはディスプレイ161が接続されている。キーコントローラ17にはキーボード171が接続されている。通信装置19はインターネット7及びネットワーク8に接続可能である。
次に、図4を参照して、翻訳者情報記憶エリア151について説明する。図4に示すように、翻訳者情報記憶エリア151には、番号欄、氏名欄、住所欄、振込口座欄、連絡先欄、言語欄が少なくとも設けられている。番号欄には、翻訳者を識別するための番号(翻訳者番号)が記憶される。氏名欄には翻訳者の氏名が記憶され、住所欄には、翻訳者の住所が記憶される。振込口座欄には、翻訳者へ支払われる翻訳報酬や二次的報酬が振り込まれる銀行口座の情報が記憶される。連絡先欄には、翻訳者への連絡先が記憶される。言語欄には、翻訳者が翻訳を行うことができる言語が記憶される。図4に示す例では、番号「T1」の翻訳者「伊藤花子」は、日本語と英語を理解しているので、日本語から英語への翻訳、英語から日本語への翻訳を行うことができることが示されている。
次に、図5を参照して、依頼者情報記憶エリア152について説明する。図5に示すように、依頼者情報記憶エリア152には、番号欄、氏名欄、住所欄、振込口座欄、連絡先欄が少なくとも設けられている。番号欄には、依頼者を識別するための番号(依頼者番号)が記憶される。氏名欄には依頼者の氏名が記憶され、住所欄には、依頼者の住所が記憶される。振込口座欄には、依頼者へ支払われる還元報酬が振り込まれる銀行口座の情報が記憶される。連絡先欄には、依頼者への連絡先が記憶される。
次に、図6を参照して、依頼DB記憶エリア153について説明する。図6に示すように、依頼DB記憶エリア153に記憶されている依頼DB1531には、依頼番号欄、依頼者番号欄、翻訳者番号欄、依頼URI欄、言語欄、原文URI欄、翻訳結果URI欄、翻訳料金欄、利用料金欄、利用回数欄、累計回数欄、他連絡先欄、依頼日欄、翻訳日欄が設けられている。
依頼番号欄には、1つの依頼を識別するための番号である依頼番号が記憶される。依頼者番号欄には、依頼を行った依頼者の依頼者番号が記憶される。翻訳者番号欄には、翻訳を行った翻訳者の翻訳者番号が記憶される。依頼URI欄には、翻訳が依頼されたWebページ(以下、「依頼コンテンツ」という)のURI(以下、「依頼URI」という)が記憶される。言語欄には、どの言語に翻訳する依頼であるかを示す値が記憶される。原文URI欄には、翻訳を行った際の原文を記憶している場所を示す情報(URI)が記憶される。翻訳結果URI欄には、翻訳結果が記憶されている場所を示す情報(URI)が記憶される。翻訳料金欄には、この翻訳に対して依頼者が支払う翻訳料金が記憶される。なお、本実施の形態では、翻訳者へ支払われる翻訳報酬は、翻訳料金と同額であるものとする。よって、この翻訳料金襴に記憶されている金額は、翻訳報酬も意味している。
利用料金欄には、二次利用の際に二次利用者に請求される利用料金が記憶される。利用回数欄には、所定期間中に翻訳結果が二次利用された回数が記憶される。本実施の形態では、所定期間は1ヶ月であるものとする。累計回数欄には、翻訳結果が登録されてから二次利用された回数の累計が記憶される。他連絡先欄には、翻訳が依頼された後、翻訳結果が登録されるまでの間、つまり翻訳中に、同じWebページに対して同じ言語への翻訳依頼がなされた際に、後から依頼をした依頼者の連絡先が記憶される。依頼日欄には、翻訳依頼が管理サーバ1で受け付けられた日付が記憶される。翻訳日欄には、翻訳結果が翻訳結果DB1551に登録された日が記憶される。
図6に示す例では、依頼番号「1」の翻訳依頼は、依頼URI「http/www.bbb.co.jp」のWebページに対する依頼者番号「R1」の依頼者からの依頼である。この依頼に対して、翻訳者番号「T2」の翻訳者により翻訳が行われている。翻訳が行われた時点での原文は、「http/www.bbb.co.jp/A1.html」に記憶されており、翻訳結果は、「http/www.bbb.co.jp/B1.html」に記憶されている。翻訳料金は50,000円であり、利用料金は500円である。今期間の利用回数は50回であり、翻訳結果が登録されてからの利用の累計回数は263回である。依頼日は2007年6月27日、翻訳日は2007年7月1日である。
次に、図7〜図9のフローチャートを参照して、翻訳依頼時に行われる翻訳依頼処理について説明する。図7は、翻訳依頼処理のフローチャートであり、図8は、翻訳依頼処理の中で実行される依頼実行処理のフローチャートである。図9は、翻訳依頼処理の中で実行される二次利用処理のフローチャートである。翻訳依頼処理は、管理サーバ1のCPU10により実行されている翻訳依頼管理プログラムが、依頼者クライアント2から翻訳依頼画面201(図14参照)の表示を要求するhttp要求を受信した際に行われる処理である。
図7に示すように、管理サーバ1のCPU10は、まず、翻訳依頼画面201を依頼者クライアント2へ表示させる(S1)。翻訳依頼画面201は、いわゆるブラウザソフトにより表示される表示ウィンドウの表示領域に表示される画面である。具体的には、依頼者クライアント2からのhttp要求に応じたレスポンスとして、翻訳依頼画面201を表示させるための情報が依頼者クライアント2へ送信される。図14に示すように、翻訳依頼画面201には、例えば、依頼者が翻訳を依頼したいWebページのURIを入力するURI入力欄、どの言語に翻訳するかを選択する言語リストボックス欄及びOKボタンが設けられている。
URIの入力の受付処理が行われる(S2)。翻訳依頼画面201に依頼者がURIを入力し、言語を選択してOKボタンを押すことにより、依頼者クライアント2から、入力されたURIを記載したhttp要求が送信される。管理サーバ1では、URI及び言語が、RAM11の依頼URI記憶エリア(図示外)及び言語記憶エリア(図示外)に記憶される。
次いで、受け付けられたURIのWebページを選択された言語(以下、「指定言語」という)に翻訳する依頼がすでにされているか否かの判断が行われる(S3)。依頼DB1531の依頼URI欄に依頼URIが記憶されており、言語欄に指定言語が記憶されているエントリがあれば、そのURIのWebページの翻訳は依頼済みであると判断される(S3:YES)。一方、依頼DB1531に、同じ依頼URI及び指定言語が記憶されているエントリがなければ、依頼はされていない(S3:NO)。そこで、翻訳報酬の算出処理が行われる(S4)。具体的には、所定のルールに基づいて依頼コンテンツの翻訳報酬が決定され、RAM11の所定の記憶エリアに記憶される。
翻訳報酬は、例えば、翻訳コンテンツの文字数や行数に基づいて決定すればよい。他にも、依頼コンテンツで記載されている内容の難易度や専門性に応じて、難易度の高いコンテンツや専門性の高いコンテンツは翻訳報酬を高く設定してもよい。なお、本実施の形態では、システム管理者は、翻訳者に支払う翻訳報酬と同額の料金を、翻訳料金として依頼者から徴収する。翻訳料金は、依頼者が支払う料金である。したがって、ここでは、翻訳報酬が算出されて決定されているが、翻訳料金も決定されていることになる。
依頼確認画面202(図15参照)が依頼者クライアント2で表示される(S41)。依頼確認画面202は、RAM11の所定の記憶エリアに記憶されている翻訳料金を少なくとも記載しており、この翻訳料金で翻訳依頼を行うか否かを依頼者に最終的に確認させるための画面である。図15に示すように、依頼確認画面202にはOKボタン及びキャンセルボタンが設けられている。依頼確認画面202には、翻訳料金の他、例えば、翻訳結果の予定納期、依頼者が還元報酬として得られる金額を記載してもよい。還元報酬が記載される場合、依頼者は、この情報を判断材料として、翻訳を依頼するか否かを判断できる。
次いで、確認結果の受付処理が行われる(S42)。依頼者クライアント2において依頼者によりOKボタンが選択されると、依頼を確定する旨の情報が管理サーバ1へ送信され、キャンセルボタンが選択されると、依頼をキャンセルする旨の情報が管理サーバ1へ送信される。管理サーバ1では、これらの情報がRAM11の所定の記憶エリアに記憶される。依頼者クライアント2において翻訳依頼を確定する選択がされたか否かの判断が行われる(S43)。OKボタンが押されており、依頼を確定する旨の情報を管理サーバ1が受信した場合には、依頼実行処理が行われる(S44、図8参照)。
依頼実行処理では、図8に示すように、まず、個人情報入力画面(図示外)が依頼者クライアント2で表示される(S51)。個人情報入力画面は、翻訳料金を徴収するための情報を依頼者に入力させるための画面である。個人情報入力画面には、依頼者番号入力欄、住所入力欄、振込口座入力欄、連絡先入力欄、氏名入力欄、クレジットカード種類選択欄、クレジットカード番号入力欄、クレジットカード期限入力欄、およびOKボタンが少なくとも設けられている。住所入力欄、振込口座入力欄及び連絡先入力欄は、依頼者として管理サーバ1に登録されていない人物が翻訳依頼を行う際に、依頼者として管理サーバ1に依頼者情報を登録するための入力欄である。すでに依頼者として登録されている依頼者は、依頼者番号のみを入力すればよい。
次いで、個人情報入力画面に入力された個人情報の受付処理が行われる(S52)。依頼者クライアント2において依頼者によりOKボタンが選択されると、各入力欄に入力された情報が管理サーバ1へ送信される。受信された情報は、RAM11の所定の記憶エリアに記憶される。依頼者番号が入力されていない場合には、依頼者情報記憶エリア152に記憶されている依頼者情報に、依頼者の情報が追加される。具体的には、依頼者番号が付与され、依頼者情報記憶エリア152の番号欄に記憶される。また、受信された住所、振込口座、氏名の情報が住所欄、振込口座欄、氏名欄にそれぞれ記憶される。そして、個人情報入力画面の依頼者番号入力欄に入力された依頼者番号、又は、付与された依頼者番号がRAM11の依頼者番号記憶エリア(図示外)に記憶される。
翻訳料金の請求処理が行われる(S53)。具体的には、個人情報入力画面で入力されたクレジットカード種類のクレジットカード会社の管理コンピュータ6に、クレジットカード番号、クレジットカード期限及び氏名のカードに対して、RAM11の翻訳料金記憶エリアに記憶されている金額を請求する情報が送信される。
依頼URIのWebページが取得され、原文記憶エリア154に記憶される(S54)。次いで、依頼DB1531にこの翻訳依頼のエントリが記憶される(S55)。具体的には、依頼番号が割り当てられて依頼番号欄に記憶される。依頼者番号欄にはRAM11の依頼者番号記憶エリアに記憶されている依頼者番号が記憶される。翻訳料金欄には、RAM11の翻訳料金記憶エリアに記憶されている金額が記憶される。原文URI欄には、S54で記憶された原文を示すURIが記憶される。RAM11の依頼URI記憶エリアに記憶されているURIが依頼URI欄に記憶される。RAM11の言語記憶エリアに記憶されている言語が言語欄に記憶される。利用料金が決定され、利用料金欄に利用料金が記憶される。
利用料金は、翻訳報酬や翻訳料金に応じて決定されてもよいし、依頼コンテンツの文字数や行数に応じて決定されてもよい。利用料金は、どのコンテンツでも一律の料金としてもよい。また、利用料金は、翻訳結果の文字数に応じて決定されてもよい。この場合には、利用料金は、この依頼DB1531へ依頼の情報を登録する際ではなく、後述する登録処理で翻訳結果を依頼DB1531へ登録する際に決定し、利用料金欄に記憶すればよい。さらに、本日日付が依頼日欄に記憶される。
翻訳者へ翻訳を依頼する依頼メールが送信される(S56)。具体的には、翻訳者情報記憶エリア151に記憶されている翻訳者のうち、依頼コンテンツの記載言語と指定言語との両方が言語欄に記憶されている翻訳者から一人の翻訳者が抽出される。依頼DB1531に、抽出された翻訳者の翻訳者番号が記憶されるとともに、その翻訳者の連絡先が読み出されて、電子メールの宛先とされる。依頼メールには、原文URI欄に記憶されている原文URI、及び依頼番号が少なくとも記載されている。依頼実行処理は終了して、翻訳依頼処理(図7参照)へ戻り、翻訳依頼処理も終了する。
依頼コンテンツの翻訳依頼がすでに行われていた場合について説明する。図7に示すように、依頼DB1531に同じ依頼URI及び指定言語のエントリがあり、依頼済みであった場合には(S3:YES)、依頼DB記憶エリア153の翻訳結果URI欄に翻訳結果URIが記憶されているか否かに基づき、翻訳が完了しているか否かの判断が行われる(S11)。翻訳結果URIが記憶されていなければ(S11:NO)、依頼コンテンツは翻訳中であるので、連絡先入力画面203(図16参照)が依頼者クライアント2で表示される(S12)。
連絡先入力画面203は、依頼者に対して、すでに他の者が、同一の言語での依頼コンテンツの翻訳を依頼済みであることを知らせ、翻訳が完了した際に通知する連絡先(メールアドレス)を入力させる画面である。図16に示すように、連絡先入力画面203には、連絡先入力欄及びOKボタンが設けられている。連絡先の受付処理が行われる(S13)。依頼者クライアント2において依頼者によりOKボタンが選択されると、連絡先入力欄に入力された連絡先が管理サーバ1へ送信される。受信された連絡先が、依頼DB1531の当該依頼の依頼番号の他連絡先欄に記憶される。そして、翻訳依頼処理は終了する。
依頼コンテンツの翻訳依頼がすでに行われており(S3:YES)、翻訳済みであった場合には(S11:YES)、過去の翻訳時の依頼コンテンツの内容から、現在の依頼コンテンツの内容に変更があったか否かの判断が行われる(S20)。ここでは、依頼URI欄に入力された依頼URIであり、かつ、翻訳結果欄に翻訳結果が記憶されているエントリが複数ある場合には、依頼日が最も新しいエントリが用いられる。利用するエントリの原文URI欄に記憶されている原文URIに記憶されている原文(過去の翻訳時の依頼コンテンツ)が取得され、依頼URIに記憶されている現在の依頼コンテンツと比較される。2つの内容に違いがなければ、過去に翻訳した時点から依頼コンテンツの内容に変更はない(S20:NO)。つまり、翻訳の必要はないので、依頼者は二次利用者となり、翻訳結果をこの時点で入手することができる。
そこで、二次利用処理が行われる(S21、図9参照)。図9に示すように、二次利用処理では、まず、利用確認画面204(図17参照)が依頼者クライアント2に表示される(S22)。利用確認画面204は、二次利用者に対して利用料金を提示し、この利用料金で翻訳結果を利用するか否かの入力を受け付けるものである。利用料金は、依頼DB1531の利用用金襴に記憶されている金額であり、前述したように、例えば、翻訳依頼が登録された際に記憶される(図8、S55)。
図17に示すように、利用確認画面204には、利用料金が記載されており、クレジットカードから利用料金を徴収するための種々の情報の入力欄、OKボタン及びキャンセルボタンが設けられている。クレジットカードのための入力欄は、番号入力欄、名義入力欄、期限入力欄、および種類選択欄である。二次利用者は、提示された利用料金で利用する場合には、クレジットカードのための入力欄にクレジットカードの情報を入力し、OKボタンを押下する。二次利用者は、利用しない場合には、キャンセルボタンを押下する。依頼者クライアント2は、押下されたボタンに応じた確認結果を管理サーバ1へ送信する。管理サーバ1では、依頼者クライアント2からの確認結果を受信する確認結果受付処理が行われる(S23)。
確認結果が翻訳結果の利用を確定するもの、つまりOKボタンの押下に応じて送信されたものである場合には(S24:YES)、利用料金の請求処理が行われる(S25)。具体的には、二次利用者から利用料金を徴収するための依頼データが、二次利用者の契約しているクレジットカード会社管理のコンピュータ6へ送信される。この依頼データには、二次利用者が番号入力欄、名義入力欄、期限入力欄、および種類選択欄に入力した情報、及び、請求料金(利用料金)が記載されている。
続いて、二次利用される翻訳結果の利用回数が更新される(S26)。具体的には、依頼DB1531の利用回数欄及び累計回数欄に、それぞれ1が加算される。翻訳結果が依頼者クライアント2に提示される(S27)。具体的には、依頼DB1531の翻訳結果URI欄に記憶されている翻訳結果URIの示す場所に記憶されている翻訳結果が、依頼者クライアント2において表示可能なデータに変換されて送信される。そして、図9に示す二次利用処理は終了し、図7に示す翻訳依頼処理に戻り、翻訳依頼処理も終了する。
S20において、過去の翻訳時の依頼コンテンツと、現在の依頼コンテンツとが異なり、過去の翻訳時からコンテンツに変更があったと判断された場合には(S20:YES)、過去の翻訳を用いるか、それとも新たに翻訳を行う依頼をするかを依頼者に選択させる処理が行われる。具体的には、再翻訳確認画面205(図18参照)が、依頼者クライアント2で表示される(S31)。再翻訳確認画面205は、2つのコンテンツの差異の割合および過去の翻訳の翻訳日時を依頼者に提示し、過去の翻訳を用いるか、それとも新たに翻訳を行う依頼をするかを指定させるものである。
図18に示すように、再翻訳確認画面205には、2つのコンテンツの差異の割合、過去の翻訳の翻訳日時、再翻訳依頼ボタン及び過去翻訳利用ボタンが設けられている。2つのコンテンツの差異は、例えば1文字ごとに一致を調べ、現在の依頼コンテンツの全文字のうち、過去の翻訳時の依頼コンテンツと一致しないとされた文字の割合を採用すればよい。また、例えば、行ごとに一致を調べ、現在の依頼コンテンツの全行のうち、過去の翻訳時の依頼コンテンツと一致しないとされた行の割合を差異の割合を採用してもよい。依頼者は、再翻訳を依頼する場合には再翻訳依頼ボタンを押下し、過去の翻訳結果を利用する場合には過去翻訳利用ボタンを押下する。依頼者クライアント2は、押下されたボタンに応じた確認結果を管理サーバ1へ送信する。管理サーバ1では、依頼者クライアント2からの確認結果を受信する確認結果受付処理が行われる(S32)。
確認結果が再翻訳を依頼するもの、つまり再翻訳依頼ボタンの押下に応じて送信されたものである場合には(S33:YES)、翻訳報酬の算出が行われた後(S34)、翻訳依頼を行うための処理が行われる(S41〜S44)。そして、図7に示す翻訳依頼処理は終了する。一方、確認結果が過去の翻訳結果を利用するもの、つまり過去翻訳利用ボタンの押下に応じて送信されたものである場合には(S33:NO)、依頼者を二次利用者として翻訳結果を利用するための二次利用処理が行われる(S21)。そして、図7に示す翻訳依頼処理は終了する。
以上のようにして、管理サーバ1が、依頼者クライアント2から翻訳依頼画面201(図14参照)の表示を要求するhttp要求を受信した際には、依頼者に翻訳したいコンテンツのURIを入力させ、その依頼URIを受信する(S2)。そして、依頼URIの示す依頼コンテンツの翻訳がすでに依頼されているが、まだ翻訳が完了していない場合には(S3:YES、S11:NO)、その旨を依頼者に提示する(S12)。依頼者が連絡先を登録すれば(S13)、翻訳結果が登録された際に翻訳完了の通知を受けることができる。よって、依頼者は、翻訳結果が登録されたか否かを確認する必要がなく、登録後すぐにそのことを知ることができる。
また、管理サーバ1は、依頼コンテンツの翻訳がすでになされている場合には(S3:YES、S11:YES)、翻訳時点から依頼コンテンツに変更があったか否かを判断し、変更がない場合には(S20:NO)、依頼者を二次利用者として扱い、利用料金を依頼者(二次利用者)に提示する(図9、S22)。管理サーバ1は、依頼者が利用料金の支払をするとして利用を確定させたら(S24:YES)、翻訳結果を提供する(S27)。よって、すでに翻訳結果があるものを何度も翻訳してしまうことがない。よって、二次利用者は、翻訳料金を負担することなく、利用料金の支払のみで翻訳結果を得ることができる。
また、管理サーバ1は、翻訳時点から依頼コンテンツに変更があった場合には(S20:YES)、依頼者に過去の翻訳結果を利用するか、再翻訳をするかを依頼者に指示させる(S31)。よって、依頼者は、すでに翻訳結果があっても、翻訳の時点から依頼コンテンツに変更があった場合には、過去の翻訳結果を利用するか、再翻訳を依頼するかを選択することができる。
さらに、依頼コンテンツの差異の割合が提示されるので、依頼者は、差異が小さければ過去の翻訳結果を利用すると判断したり、差異が大きければ再翻訳を依頼すると判断したりすることができる。依頼者は、すでに翻訳されているコンテンツに変更があっても、過去の翻訳を参照するので十分である場合には、翻訳依頼を中止することができるので、無駄な翻訳依頼を行い、翻訳料金を支払うことがない。また、すでに翻訳されているコンテンツを再度翻訳したい場合には、翻訳依頼を継続し、新たな翻訳結果を得ることもできる。よって、依頼者は、最新のコンテンツでの翻訳結果を得ることができる。
次に、図10のフローチャートを参照して、翻訳者が翻訳結果を管理サーバ1へ登録する翻訳結果登録処理について説明する。図10は、翻訳結果登録処理のフローチャートである。翻訳結果登録処理は、管理サーバ1のCPU10で実行されている翻訳依頼管理プログラムが、翻訳者クライアント3から翻訳結果登録画面206(図19参照)の表示を要求するhttp要求を受信した際に行われる処理である。
図10に示すように、まず、翻訳結果登録画面206が翻訳者クライアント3で表示される(S61)。翻訳結果登録画面206は、いわゆるブラウザソフトにより表示される表示ウィンドウの表示領域に表示される画面である。具体的には、翻訳者クライアント3からのhttp要求に応じたレスポンスとして、翻訳結果登録画面206を表示させるための情報が、翻訳者クライアント3へ送信される。
図19に示すように、翻訳結果登録画面206には、依頼番号を入力する依頼番号入力欄、翻訳結果のファイルを添付する翻訳結果ファイル添付欄、およびOKボタンが設けられている。依頼番号及び翻訳結果の受付処理が行われる(S62)。翻訳者が翻訳結果登録画面206に依頼番号を入力し、翻訳結果ファイル添付欄に翻訳結果ファイルを添付し、登録ボタンを押すことにより、翻訳者クライアント3から、入力された依頼番号及び添付ファイルを記載したhttp要求が送信される。管理サーバ1では、依頼番号及び添付ファイルがRAM11の所定の領域に記憶される。
翻訳結果が翻訳結果DB1551に記憶され、記憶された翻訳結果に対してURIが付与される(S63)。そして、依頼DB1531において、受信された依頼番号のエントリの翻訳結果URI欄に、S63で付与されたURIが記憶され、本日日付が翻訳日欄に記憶される(S64)。
依頼者へ翻訳が完了したことが通知される(S65)。具体的には、依頼DB1531の受信された依頼番号のエントリの依頼者番号が読み出され、その依頼者番号の連絡先が依頼者情報記憶エリア152から読み出される。そして、読み出された連絡先へ通知メールが送信される。依頼者への通知メールには、翻訳結果URIが少なくとも記載されている。その他、依頼URIや翻訳依頼番号が記載されていてもよい。
他連絡先に翻訳が完了したことが通知される(S66)。具体的には、依頼DB1531の他連絡先欄に記憶されている連絡先へ通知メールが送信される。他連絡先への通知メールには、依頼URIが少なくとも記載されている。他連絡先は、翻訳結果を得ようとした際に、目的の翻訳対象物に対して他人がすでに翻訳依頼をしており、かつ、その時点ではまだ翻訳が完了していなかったために、翻訳の完了を待っている者の連絡先である。よって、翻訳料金も利用料金もまだ支払われていない。そこで、依頼URIのみが提示され、そのURIのコンテンツの翻訳が完了したことのみが通知される。翻訳完了の連絡を依頼した人物は、翻訳結果の二次利用の依頼をし、翻訳利用料金を支払えば翻訳結果を利用することができる。
翻訳者に翻訳報酬が支払われる(S67)。具体的には、依頼DB1531の受信された依頼番号のエントリの翻訳者番号が読み出され、その翻訳者番号の振込口座が翻訳者情報記憶エリア151から読み出される。そして、読み出された振込口座に翻訳報酬を振り込む処理が行われる。振込み処理の後、翻訳結果登録処理は終了する。
以上のようにして、管理サーバ1は、翻訳者による翻訳者クライアント3からのアクセスに応じて翻訳結果登録画面206を翻訳者クライアント3へ表示させる(S61)。翻訳者が翻訳結果登録画面206に翻訳結果ファイルを添付することにより、翻訳結果が管理サーバ1へ届けられる(S62)。翻訳結果は、翻訳結果DB1551に登録される(S63,S64)。また、翻訳結果が翻訳結果DB1551に登録されると、依頼者及び他連絡先に通知される(S65,S66)。よって、依頼者は翻訳結果が登録されたか否かを確認する必要がなく、登録後すぐに翻訳結果が登録されたことを知ることができ、翻訳結果を得ることができる。また、翻訳結果が登録された際に通知を受ける依頼をした者も、登録後すぐに翻訳結果が登録されたことを知ることができる。
次に、図11乃至図12のフローチャートを参照して、月次処理について説明する。図11は、月次処理のフローチャートであり、図12は、月次処理の中で実行される翻訳者報酬処理のフローチャートであり、図13は、月次処理の中で実行される依頼者報酬処理のフローチャートである。月次処理は、管理サーバ1において、1ヶ月の所定の日(例えば、1日)に一か月分の二次的報酬及び還元報酬の支払いを行う処理である。
図11に示すように、月次処理では、まず、還元報酬処理が行われ(S71、図12参照)、次いで、二次的報酬処理が行われる(S72、図13参照)。そして、依頼DB1531の利用回数欄の値がゼロ(0)にクリアされる(S73)。そして、月次処理は終了する。
図12のフローチャートを参照して、還元報酬処理について説明する。まず、依頼者情報記憶エリア152から一人目の依頼者(1つ目のレコード)が読み出される(S81)。依頼者が読み出せたら(S82:YES)、RAM11に設けられている還元報酬記憶エリア(図示外)に、初期値のゼロ(0)が記憶される(S83)。依頼DB1531の1つめのエントリの翻訳結果URIが読み出される(S84)。翻訳結果URIが読み出せたら(S85:YES)、その依頼は二次利用が可能である。そこで、そのエントリの利用回数が取得され(S86)、利用料金が取得される(S87)。利用料金、利用回数、および依頼者配分率を乗じた値が、この時点で還元報酬記憶エリアに記憶されている値(還元報酬)に加算され、還元報酬記憶エリアに記憶される(S88)。本実施の形態では、依頼者配分率は、いずれの依頼者であっても15%とする。
処理はS84へ戻り、次のエントリの翻訳結果URIが読み出される(S84)。次の翻訳結果URIが読み出せたら(S85:YES)、利用回数が取得され(S86)、利用料金が取得され(S86)、還元報酬にそのエントリの報酬が加算される(S88)。そして、処理は再びS84へ戻る。
繰り返しS84〜S88の処理が実施され、全てのエントリについて、その依頼者に対する還元報酬が還元報酬記憶エリアに累積されたら、S84にて翻訳結果URIは読み出せず、翻訳結果URIはないと判断される(S85:NO)。そこで、還元報酬記憶エリアに記憶されている値(還元報酬)がゼロ(0)より大きいか否かの判断が行われる(S89)。還元報酬がゼロ(0)より大きくなければ(S89:NO)、その依頼者に還元報酬を振り込む必要はないので、S81へ戻り、次の依頼者の処理が行われる。また、還元報酬がゼロ(0)より大きければ(S89:YES)、その依頼者に還元報酬を支払う必要がある。そこで、依頼者情報記憶エリア152の振込口座欄が参照され、その口座に還元報酬記憶エリアに記憶されている値(還元報酬)を振り込む処理が行われる(S90)。そして、処理はS81へ戻り、次の依頼者の処理が行われる。
S81〜S90の処理が繰り返し実施され、依頼者情報記憶エリア152に記憶されている全ての依頼者の処理が終了したら(S82:NO)、図12に示す還元報酬処理は終了し、月次処理へ戻る。
図13のフローチャートを参照して、二次的報酬処理について説明する。まず、翻訳者情報記憶エリア151から一人目の翻訳者(1つ目のレコード)が読み出される(S91)。翻訳者が読み出せたら(S92:YES)、RAM11に設けられている二次的報酬記憶エリア(図示外)に初期値のゼロ(0)が記憶される(S93)。依頼DB1531の1つ目のエントリの翻訳結果URIが読み出される(S94)。翻訳結果URIが読み出せたら(S95:YES)、その依頼は二次利用が可能である。そこで、そのエントリの利用回数が取得され(S96)、利用料金が取得される(S97)。利用料金、利用回数、翻訳者配分率を乗じた値が、二次的報酬記憶エリアに記憶されている値(二次的報酬)に加算され、二次的報酬記憶エリアに記憶される(S98)。本実施の形態では、翻訳者配分率は、いずれの翻訳者であっても10%とする。
処理はS94へ戻り、次のエントリの翻訳結果URIが読み出される(S94)。次の翻訳結果URIが読み出せたら(S95:YES)、利用回数が取得され(S96)、利用料金が取得され(S96)、二次的報酬にそのエントリの報酬が加算される(S98)。そして、処理は再びS94へ戻る。
繰り返しS94〜S98の処理が実施され、全てのエントリについて、その翻訳者に対する二次的報酬が二次的報酬記憶エリアに累積されたら、S94にて翻訳結果URIは読み出せず、翻訳結果URIはないと判断される(S95:NO)。そこで、二次的報酬記憶エリアに記憶されている値(二次的報酬)がゼロ(0)であるか否かの判断が行われる(S99)。二次的報酬がゼロ(0)より大きくなければ(S99:NO)、その依頼者に二次的報酬を振り込む必要はないので、S91へ戻り、次の翻訳者の処理が行われる。また、二次的報酬がゼロ(0)より大きければ(S99:YES)、その翻訳者に二次的報酬を支払う必要がある。そこで、翻訳者情報記憶エリア151の振込口座欄が参照され、その口座に二次的報酬記憶エリアに記憶されている値(二次的報酬)を振り込む処理が行われる(S100)。そして、処理はS91へ戻り、次の翻訳者の処理が行われる。
S91〜S100の処理が繰り返し実施され、翻訳者情報記憶エリア151に記憶されている全ての翻訳者の処理が終了したら(S92:NO)、図13に示す二次的報酬処理は終了し、月次処理へ戻る。
以上のようにして、1ヶ月ごとに、その月に翻訳結果が利用された状況に応じて、依頼者に対する還元報酬、及び翻訳者に対する二次的報酬が算出され、依頼者及び翻訳者に支払われる。還元報酬及び二次的報酬は、利用料金により賄われるため、利用料金は還元報酬と二次的報酬とを合わせた金額よりも大きい金額である。なお、本実施の形態では、依頼者配分率は15%、翻訳者配分率は10%であり、残りの75%は翻訳依頼管理システムのシステム管理者の収入となる。このように、依頼者及び翻訳者は、翻訳結果が二次利用されると報酬を得ることができる。
本実施の形態では、依頼者は、自分が依頼した翻訳の翻訳結果が二次利用されると、還元報酬を得ることができる。よって、依頼者は、翻訳依頼時に支払った翻訳料金を、翻訳結果の利用に応じて回収することができる。さらに、二次利用が増えれば、翻訳料金以上の還元報酬を得ることができ、利益を生む場合もある。また、翻訳者は、翻訳結果登録時に翻訳報酬を受け取ることができる上、翻訳結果が二次利用されれば、さらに二次的報酬を得ることができる。これにより、翻訳依頼に係る依頼者の費用の負担が軽減される。
なお、上記実施の形態において、管理サーバ1のCPU10が図7に示す翻訳依頼処理で行う、翻訳依頼画面201の各種入力欄に入力された情報を受け付けるステップ(S2)が、本発明の「翻訳依頼受付ステップ」に相当する。そして、CPU10が図8に示す翻訳依頼実行処理で行う、翻訳者へ依頼メールを送信するステップ(S56)が本発明の「翻訳依頼ステップ」に相当する。CPU10が翻訳依頼処理で行う、翻訳報酬を算出するステップ(S4,S34)が本発明の「翻訳報酬決定ステップ」及び「翻訳料金決定ステップ」に相当する。CPU10が翻訳依頼実行処理で行う、翻訳料金を請求するステップ(S53)が本発明の「翻訳料金請求ステップ」に相当する。CPU10が図10に示す翻訳結果登録処理で行う、翻訳結果を受け付けるステップ(S62)が本発明の「翻訳結果受付ステップ」に相当し、翻訳結果を翻訳結果記憶エリア155に記憶するステップ(S62)が本発明の「翻訳結果記憶ステップ」に相当する。
CPU10が図12に示す還元報酬処理で行う、還元報酬を算出するステップ(S83〜S88)が本発明の「還元報酬決定ステップ」に相当する。CPU10が図13に示す二次的報酬処理で行う、二次的報酬を算出するステップ(S93〜S98)が本発明の「二次的報酬決定ステップ」に相当する。CPU10が図9に示す二次利用処理で行う、二次利用者へ利用料金を請求するステップ(S25)が本発明の「利用料金請求ステップ」に相当する。
そして、管理サーバ1の依頼DB記憶エリア153が本発明の「所在情報記憶手段」に該当し、原文記憶エリア154が本発明の「原文記憶手段」に該当する。CPU10が翻訳依頼処理で行う、翻訳が依頼済みであるか否かを判断するステップ(S3)が本発明の「過去依頼判断ステップ」に相当する。CPU10が翻訳依頼処理で行う、過去の翻訳時の依頼コンテンツの内容から、現在の依頼コンテンツの内容に変更があったか否かを判断するステップ(S20)が本発明の「変更判断ステップ」に相当する。CPU10が翻訳依頼処理で行う、再翻訳確認画面205に応じて依頼者クライアント2から送信される問合せ結果を受信するステップ(S32)が本発明の「継続指示受付ステップ」に相当する。CPU10が依頼実行処理で行う、原文を原文記憶エリア154に記憶するステップ(S54)が本発明の「原文記憶ステップ」に相当する。
CPU10が翻訳依頼処理で行う、依頼確認画面202を依頼者クライアント2へ表示させるステップ(S41)が本発明の「翻訳情報出力ステップ」に相当する。CPU10が翻訳依頼処理で行う、依頼確認画面202に応じて依頼者クライアント2から送信される問合せ結果を受信するステップ(S42)が本発明の「依頼画定受付ステップ」に相当する。また、上記実施の形態では、月次処理が行われ、次の月次処理が行われるまでの期間が「第一の所定期間」、「第二の所定期間」、「第三の所定期間」に該当する。
なお、本発明の翻訳依頼管理方法、翻訳依頼管理装置及び翻訳依頼管理プログラムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、上記の実施の形態に種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施の形態では、管理サーバ1のHDD15が翻訳結果記憶エリア155及び原文記憶エリア154を備えている。しかしながら、これらの記憶エリアは管理サーバ1に設けられていなくてもよい。例えば、インターネットあるいは他の専用ネットワークなどを通じて、直接又は他のサーバを通じて間接的に管理サーバ1がアクセスできる記憶媒体に、翻訳結果及び原文が記憶されていればよい。また、上記実施の形態では、還元報酬処理(図12参照)及び二次的報酬処理(図13)を1ヶ月ごとに行っているが、これらの処理を行う間隔は1ヶ月に限らない。これらの処理を、例えば、1日ごと、または1週間ごとに行ってもよい。また、それぞれの処理を同じタイミングや間隔で行う必要はない。
上記実施の形態では、依頼者から徴収される翻訳料金と、翻訳者へ支払われる翻訳報酬とが同じ金額とされており、翻訳報酬の資金源は翻訳料金である。また、利用料金の一部が、還元報酬及び二次的報酬の資金源とされ、残りはシステム管理者の利益とされている。しかしながら、各料金の関係はこれに限らない。例えば、翻訳料金を翻訳報酬よりも大きな金額とし、その差額をシステム管理者の収益としてもよい。また、翻訳料金を翻訳報酬よりも小さな金額として、その差額をシステム管理者が負担してもよい。この場合には、利用料金のうちシステム管理者の取り分の割合を大きくして、負担額の回収が早くなるようにしてもよい。
また、翻訳報酬に基づいて翻訳料金を決定するのではなく、翻訳料金を決定してから翻訳報酬を決定してもよい。翻訳料金の決定方法は、例えば、依頼者に指定させるという方法がある。この場合、依頼者が「この金額なら翻訳を依頼する」という金額を入力し、その金額を翻訳料金とすればよい。また、複数の依頼者に翻訳料金を指定させ、最も高額の翻訳料金を指定した依頼者を、最終的な依頼者に決定するというような入札を行ってもよい。また、利用料金の全部を還元報酬及び二次的報酬としてもよい。つまり、依頼者配分率と翻訳者配分率とを合算した割合を100%とすることができる。
上記実施の形態では、翻訳依頼管理システムにおける依頼コンテンツの著作権への対応については記載されていない。著作権への対応を考える場合、上記実施の形態では、管理サーバ1が翻訳により著作権を侵害するか否かの判断を行うのではなく、翻訳依頼管理ステムを提供する組織に属する人物(システム管理者)が行えばよい。具体的には、システム管理者は、コンテンツ内に著作権に関する記載(翻訳が許可されている旨の記載)があるか否かを確認したり、著作権者へ翻訳することの交渉を行ったりする。そして、翻訳が許可されていたり、翻訳の交渉が成立したりした場合にのみ、管理サーバ1は翻訳者へ翻訳依頼する。
例えば、図9に示す依頼実行処理のS56において、管理サーバ1は、翻訳者を決定し、依頼メールを送信する処理を行う前に、翻訳交渉成立可否入力画面(図示外)を表示し、その後の処理を待機させればよい。翻訳交渉成立入力画面には、「翻訳可」ボタン及び「翻訳不可」ボタンが設けられている。システム管理者が、「翻訳不可」ボタンを選択した場合、管理サーバ1は、依頼者へ、翻訳の交渉が成立しなかった旨を記載した電子メールを送信して通知し、依頼DBからデータを削除する。また、「翻訳可」ボタンが選択された場合、翻訳の交渉が成立したとして、S56の処理が行われる。
また、例えば、依頼DB1531に著作権交渉欄を設け、管理サーバ1は、S56の処理の前に、「交渉中」を示す値を記憶させて、S56の処理は行わずに依頼実行処理を終了させてもよい。この場合には、管理サーバ1は、著作権交渉が終了した後に、著作権交渉登録処理を実行してもよい。著作権交渉登録処理では、前述の翻訳交渉成立可否画面が表示され、システム管理者が交渉の結果を入力する。「翻訳不可」ボタンを選択された場合、管理サーバ1は、依頼者へ、翻訳の交渉が成立しなかった旨を記載した電子メールを送信して通知し、依頼DB1531からデータを削除する。また、「翻訳可」ボタンが選択された場合、管理サーバ1は、翻訳の交渉が成立したとして、翻訳者を決定し、依頼メールを送信する。
このように、人により著作権交渉をする場合、システム管理者に著作権交渉という作業負担が生じる。そこで、システム管理者へ翻訳料金や利用料金から配分される報酬を決定する配分率を高くしてもよい。
著作権者へも翻訳料金から所定の金額を支払うようにしてもよい。例えば、上記実施の形態では、システム管理者が75%を受け取っているが、その内の10%を著作権者へ支払うようにしてもよい。この場合、著作権交渉成立後に著作権者の口座への振込が行われる。また、著作権者へ利用料金から配分される報酬を支払うようにしてもよい。例えば、著作権者配分率を利用料金の10%、翻訳者配分率を利用料金の10%、依頼者配分率を利用料金の20%、残りの60%をシステム管理者の配分率とすることができる。
著作権者がコンテンツ中に著作権の扱いについて明示しており、システム管理者が著作権者と翻訳の交渉を行わなくてよい場合には、システム管理者の収益を減らすように設定してもよい。例えば、翻訳報酬にシステム管理者の収益を上乗せしている場合には、その上乗せ額を低くすればよい。また、利用料金の配分率を低くすればよい。
なお、著作権者がコンテンツ中に著作権の扱いを明示する方法としては、コンテンツがディスプレイに表示される際に利用条件を表示することが考えられる。この場合には、システム管理者が記述を解読し、翻訳の可否を判断すればよい。また、クリエイティブ・コモンズというプロジェクトで提唱されている著作物の利用条件の提示方法がある。この提示方法には、ネットワーク上に公開されているコンテンツがディスプレイに表示される際に利用条件をマークで表示する方法や、コンテンツのメタデータに利用条件を埋め込む方法がある。メタデータへは、決まった記述で利用条件に関する情報が埋め込まれているので、管理サーバ1は自動的にそのコンテンツを翻訳してよいか否かを判断することができる。よって、システム管理者の著作権者への翻訳の確認作業は大いに軽減される。
上記実施の形態では、利用料金は固定値であるが、利用回数に応じて変更されてもよい。例えば、利用回数が所定回数以上となったら利用料金を値上げして利益増加を図ったり、所定回数以上となったら利用料金を値下げしてさらなる利用回数の増加を図ったりしてもよい。この場合、翻訳結果が登録されてから利用料金を変更する時点までが、「第一の所定期間」に相当する。また、利用回数のみで利用料金を変更するのではなく、例えば1ヶ月、1週間等の所定期間を「第一の所定期間」とし、第一の所定期間ごとの利用回数に応じて利用料金を決定してもよい。この場合、所定期間中の利用回数が、第一の幅の回数であれば第一の利用料金、第二の幅の回数であれば第二の利用料金としてもよい。
また、利用回数でなく、利用料金の合計額に応じて、利用料金を変更してもよい。例えば、利用金額の合計額が所定金額以上となったら、利用料金を値下げしたり、値上げしたりしてもよい。この場合、翻訳結果が登録されてから利用料金を変更する時点までが、「第一の所定期間」に相当する。また、例えば1ヶ月、1週間等の所定期間を「第一の所定期間」とし、第一の所定期間ごとの利用料金の合計額が第一の幅の金額であれば第一の利用料金、第二の幅の金額であれば第二の利用料金としてもよい。また、利用回数と利用料金の合計額との両方を鑑みて利用料金を決定してもよい。また、二次利用者のユーザ管理を行い、ユーザごとに利用料金を設定するようにしてもよい。このように、翻訳結果の二次利用による利用料金の収入状態を把握して利用料金を決定できる。
依頼者配分率は、上記実施の形態では一律であるが、利用回数に応じて依頼者配分率も変更してもよい。例えば、利用回数が所定回数以上となったら依頼者配分率や翻訳者配分率を上げ、より多くの利益の分配を図ってもよい。この場合、翻訳結果が登録されてから配分率を変更する時点までが、「第三の所定期間」に相当する。この場合、さらに依頼者の負担は軽減される。第三の所定期間の利用回数が所定回数以上となったら依頼者配分率を下げ、システム管理者の利益をより多く確保してもよい。この場合、翻訳者に支払った翻訳料金の回収も進んでいるので、依頼者配分率を下げて依頼者への還元報酬を安くしても、依頼者の負担が増大することはない。
また、利用回数のみで配分率を変更するのでなく、例えば1ヶ月、1週間等の所定期間を「第三の所定期間」とし、第三の所定期間ごとの利用回数に応じて依頼者配分率を決定してもよい。この場合、第三の所定期間中の利用回数が、第一の幅の回数であれば第一の割合、第二の幅の回数であれば第二の割合とするというような決定をしてもよい。また、利用回数でなく、第三の所定期間中の利用料金の合計額に応じて依頼者配分率を決定してもよい。例えば、利用金額の合計額が所定金額以上となったら、割合を値下げしたり、値上げしたりしてもよい。
また、例えば1ヶ月、1週間等の所定期間を「第三の所定期間」とし、第三の所定期間ごとの利用料金の合計額が第一の幅の金額であれば第一の割合、第二の幅の金額であれば第二の割合とするというような決定をしてもよい。また、利用回数と利用料金の合計額との両方を鑑みて依頼者配分率を決定してもよい。また、依頼者ごとに依頼者配分率を設定するようにしてもよい。なお、依頼者配分率だけでなく、翻訳者配分率も、依頼者配分率のように所定期間の利用回数や利用料金の合計金額に基づいて変更してもよい。このように、翻訳結果の二次利用による収入状態に応じて、還元報酬や二次的報酬を決定するための割合を変更できる。
上記実施の形態では、1ヶ月ごとに実施される月次処理において還元報酬が決定される。より具体的には、前回月次処理を行ってから今回の月次処理を行うまでの期間中の利用回数に利用料金を乗じた金額の合計金額に依頼者配分率を乗じることにより、還元報酬が決定される。この場合、前回月次処理を行ってから今回の月次処理を行うまでの期間が、「第二の所定期間」に相当する。しかしながら、依頼者配分率を乗じる金額は、月次処理と月次処理の間の期間の利用料金の合計金額に限らない。還元報酬を決定する処理が1日ごと、1週間ごとである場合には、それぞれ1日、1週間の利用者料金の合計金額に依頼者配分率を乗ずればよい。
また、還元報酬を決定し、支払うタイミングは1日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごとといった定期的なタイミングでなくともよい。この場合には、前回、還元報酬を決定してから、次の還元報酬の決定までの期間が、「第二の所定期間」に相当する。ただし、初回は、翻訳結果が登録されてから最初に還元報酬を決定するまでの期間が「第二の所定期間」となる。なお、依頼者配分率を変更する場合に、還元報酬の算出基準とされる期間(第二の所定期間)と、依頼者配分率の決定基準とされる期間(第三の所定期間)とが異なっていてもよい。例えば、月次処理において還元報酬を決定する際に、依頼者配分率を乗ずる金額は、前回の月次処理から現在までの利用金額の合計金額とし、依頼者配分率は、1週間前から現在までの利用料金の合計金額に基づいて決定してもよい。
上記実施の形態では、1つの翻訳依頼に対して、一人の翻訳者に翻訳が依頼され、1つの翻訳結果が翻訳結果DB1551に登録されている。しかしながら、複数の翻訳者に翻訳が依頼されてもよい。この場合には、例えば、最も早く翻訳依頼を翻訳結果DB1551に登録した翻訳者の翻訳結果を用いてもよい。所定期間内に提出された翻訳結果を、翻訳依頼管理システムの管理者がチェックして、最も優れた翻訳結果を翻訳結果DB1551に登録してもよい。
翻訳結果DB1551に複数の翻訳結果を登録してもよい。この場合には、例えば、二次利用者に翻訳結果を提供する前に、翻訳結果の一部を提示し、二次利用者がそれを参照してどの翻訳結果を利用するかを選択させてもよい。このように二次利用者に選択させると、より良い翻訳結果がより利用される。そのため、翻訳者は、より良い翻訳結果を作成することによって、より多くの二次的報酬が見込めるようになり、翻訳者が競争してより質の高い翻訳を提供し、翻訳レベルが向上することになる。
上記実施の形態では、クレジットカード会社を通じて翻訳料金や利用料金が請求されるが、料金の請求、徴収方法はクレジット会社を利用するものに限らず、その他の金融機関や金融システムを利用してもよい。また、料金や報酬として、現金でなくポイントを用いてもよい。この場合、管理サーバ1で各ユーザのポイントを管理し、ユーザは、翻訳料金をポイントで支払ったり、翻訳報酬をポイントで取得したりすることができる。
上記実施の形態では、過去の翻訳時の依頼コンテンツの内容から、現在の依頼コンテンツの内容に変更があった場合に(図7、S20:YES)、依頼者が再翻訳を依頼すると(S33:YES)、翻訳依頼時のコンテンツの翻訳が翻訳者に依頼される(S56)。しかしながら、過去に翻訳されているコンテンツを再翻訳する場合には、コンテンツの全部を翻訳するのではなく、変更部分のみの再翻訳を依頼してもよい。この場合には、コンテンツの全部の翻訳依頼する場合よりも翻訳料金や翻訳報酬を安く決定してもよい。