以下、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の画像投影装置1の基本的な構成を示す構成図である。画像投影装置1は、光源9と、光源9から照射された光ビームを、リレーレンズ10を介して入射し、主走査方向(X方向)に走査する共振型の高速光スキャナ3と、高速光スキャナ3から走査された光ビームを、リレーレンズ10を介して入射し、副走査方向(Y方向)に走査する低速光スキャナ4と、走査された光ビームを投影面12に結像させる投影光学系11と、光源9、高速光スキャナ3及び低速光スキャナ4を駆動する信号処理部15から構成されている。
信号処理部15は、入力した画像信号に基づいて光源9から出射する光ビームを変調する画像変調部2と、高速光スキャナ3及び低速光スキャナ4を駆動するスキャナ駆動部5と、高速光スキャナ3の揺動状態を検出する揺動検出部6と、スキャナ駆動部5から高速光スキャナ3を駆動する駆動信号と、揺動検出部6から高速光スキャナ3の揺動状態を表す揺動信号との位相差を検出する位相比較部7とを備えている。
画像投影装置1は、次のように駆動する。光源9から発光した光ビームは、高速光スキャナ3により投影面12において主走査方向であるX方向に高速で走査され、低速光スキャナ4により投影面12において副走査方向であるY方向に低速で走査される。従って、投影面12においては、1本の光ビームによって投影像が描かれる。左上の走査開始点から右下の走査終了点までの期間が1フレームの期間である。通常、1フレームの期間、即ち、副走査方向に1回走査される期間に、主走査方向に数百回以上走査される。1フレーム期間は通常1/60secである。
高速光スキャナ3は、光を反射する反射面が共振型の揺動を行う。スキャナ駆動部5は、高速光スキャナ3の共振周波数に合致した周波数の第1駆動信号を与える。これにより、第1駆動信号の最小の消費エネルギーにより最大振幅の揺動を行うことができる。スキャナ駆動部5は、第1駆動信号の周波数を基準として、低速光スキャナ4に第2駆動信号を与える。低速光スキャナ4の反射面は、第2駆動信号の電位によりその揺動幅が決定される強制揺動を行う。スキャナ駆動部5は、第1駆動信号の周波数を基準として、投影面12のフレーム走査の走査開始点を決定するフレーム同期信号や、画像の描画の開始する描画開始点を決定する水平同期信号を生成し、画像変調部2に与える。画像変調部2は、フレーム同期信号及び水平同期信号と画像信号を入力して光源駆動信号を生成し、光源9の発光を制御する。
高速光スキャナ3は、共振点が経時的又は環境変化により変動する。その結果、高速光スキャナ3の共振周波数と第1駆動信号の周波数にずれが生ずる。高速光スキャナ3のQ値は非常に大きな値、例えば500〜1500を有するので、このずれが生ずると、高速光スキャナ3の反射面の振幅が減少し、第1駆動信号の電流が増加して消費電力が増大する。高速光スキャナ3の共振点からずれた周波数の第1駆動信号が与えられるので、振動体に与える機械的負荷も増大する。また、高速光スキャナ3の共振周波数と第1駆動信号の周波数との間にずれが生ずると、高速光スキャナ3の実際の揺動の位相と、高速光スキャナ3に与える第1駆動信号の位相との間にずれが発生する。
揺動検出部6は、高速光スキャナ3の実際の揺動状態を検出し、揺動信号を生成する。位相比較部7は、高速光スキャナ3に与える第1駆動信号の位相と、揺動検出部6が検出した高速光スキャナ3の揺動の位相との間の位相差を検出する。そして、この位相差が所定値を超えたことを契機として、スキャナ駆動部5は、高速光スキャナ3に与える第1駆動信号の周波数を変更する。この周波数の変更は、高速光スキャナ3の変化した共振周波数に近づくように変更する。つまり、高速光スキャナ3の共振点が、経時変化や環境変化に起因して変動したときに、変化した共振周波数に近づけるよう間歇的に修正しながら駆動する。これにより、複雑な回路を使用することなく、共振周波数と駆動周波数とを一致させ、消費電力を低減し、振動体に与える機械的負荷を低減させることができる。
図2は、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更したときに、高速光スキャナ3の振動の変化の様子を説明するための説明図である。図2(a)は、光スキャナの振動面の時間に対する変位を表し、図2(b)は、フレーム1の期間の投影面12における走査開始点P1から走査終了点P2まで光ビームを投影したとしたときの軌跡を表している。
図2(a)において、横軸は時間を表し、縦軸は光スキャナの変位(例えば角度)を表している。実線の変位D1は、高速光スキャナ3の反射面の変位を表し、第1駆動信号の周波数を変更する前の状態を表している。実線の変位D3は、低速光スキャナ4の反射面の変位を表している。破線の変位D2は、高速光スキャナ3に周波数が変更された駆動信号を与えたときの反射面変位の一例を表している。変位D3に示すように、低速光スキャナ4は、時刻t0から変位を開始し時刻t3でフレーム1を終了する。低速光スキャナ4は、時刻t3で変位を元に戻し、再び変位を増加させてフレーム2の走査を行う。高速光スキャナ3の反射面は連続的に揺動し、所定の変位幅で振動する。そして、高速光スキャナ3が時刻t1に達した時点から画像信号により変調された光ビームが照射され、投影面12に投影像が描画される。
変位D2は、時刻t1の時点で高速光スキャナ3に周波数が変更された駆動信号を与えたときの高速光スキャナ3の反射面の変位の一例である。駆動信号の周波数が変更されることにより揺動周期が不安定になる。図2(a)においては、フレーム2の時間t4まで、即ちtxの期間不安定な状態が持続し、以後安定した様子を示している。高速光スキャナ3の揺動周期が不安定になると、投影面12に描画される投影像に歪みが生じて画像品質が低下する。従って、周波数を変更する際には、揺動の乱れが持続する期間を所定の期間内に収まるようにする必要がある。
図2(b)において、図2(a)のフレーム1の期間に光ビームが走査される軌跡を表している。光ビームは、高速光スキャナ3により主走査方向、即ちX方向に走査され、低速光スキャナ4により副走査方向、即ちY方向に走査される。光ビームは、画像変調部2により光源9の発光タイミングが決定され、通常、有効領域8a内において投影像が投影されるように発光タイミングが定められる。図2(b)においては、理解を容易にするために、光源9を連続的に発光したとする場合の無効領域8b内に照射される軌跡も表示されている。実線B1が高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する前の安定投影状態を表し、実線B2が、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更した後の、投影像の状態を表している。駆動周波数の変更は描画開始点P3(図2(a)の時刻t1に対応する)の時点で駆動周波数を変更している。高速光スキャナ3の揺動に乱れが生ずると、主走査方向の光ビームの軌跡の長さや、軌跡の間隔が変動し、あるいは、副走査方向の長さ、即ち有効領域8aの上辺及び下辺により区画される画面の大きさが変動する。
高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更する場合に、駆動周波数の変化が大きいほど、揺動周期の乱れる時間txは長くなる。そして、時間txが長くなるほど、利用者には投影像の乱れが認識できるようになる。しかし、揺動周期の乱れが短い期間であれば、利用者には投影像の歪として観察されない。
そこで、位相比較部7において検出する第1駆動信号の位相と高速光スキャナ3の揺動の位相との間の位相差と、変更する周波数の変更幅との関係を予め求めておく。そして、位相比較部7が、周波数の変更により投影像の歪が略1フレームの期間持続する位相差を検出したときに、スキャナ駆動部5により第1駆動信号の周波数が変更されるようにすることができる。投影像の歪が略1フレームの期間以内とすることにより、利用者には画像の歪として認識し難いことと、信号処理部15の回路構成を簡単にすることができる。また、画像の歪を例えば0.5フレームの期間内に低減しようとすると、微細な位相差を検出しなければならず、信号処理部15の回路構成が複雑になり、ノイズ等による誤動作が生じやすくなる。従って、投影像の歪が持続する期間として、好ましくは略0.5フレーム〜略1フレームとする。これにより、利用者に視認し難く、また、位相差の検出が容易となる。
図3は、高速光スキャナ3の駆動周波数の変化量と、反射面の揺動が安定するまでの時間txとの関係を表す実験結果を示している。1フレームの期間を16.7msecとし、高速光スキャナ3の共振周波数は概ね3万Hzとしている。共振周波数が30,708Hzの高速光スキャナ3を、30,707Hzから30,708Hzの1Hz変化させたときは、時間txは6.2msecである。共振周波数が30,709Hzの高速光スキャナ3を、30,707Hzから30,709Hzの2Hz変化させたときは、時間txは18msecである。共振周波数が30,709Hzの高速光スキャナ3を、30,706Hzから30,709Hzの3Hz変化させたときは、時間txは36msecである。共振周波数が30,709Hzの高速光スキャナ3を、30,699Hzから30,709Hzの10Hz変化させたときは、時間txは40msecである。
図3に示す実験結果から、高速光スキャナ3の周波数を変更したときに、反射面の揺動の乱れが略1フレーム期間(約16.7msec)以内とするためには、周波数の変更量を2Hz程度とすればよいことが理解できる。また、反射面の揺動の乱れが略0.5フレーム期間(約8msec)とするためには、周波数の変化量を約1.5Hz程度とすればよい。従って、位相比較部7が、高速光スキャナ3の共振周波数が約1.5Hz〜2Hz程度のずれに対応する位相差を検出したときに、スキャナ駆動部5が第1駆動信号を約1.5Hz〜2Hz変化させるようにすればよい。
また、低速光スキャナ4の走査において、有効領域8aを走査する期間を第1走査期間Rxと、無効領域8bを走査する期間を第2走査期間Ryとして、スキャナ駆動部5が第1駆動信号の周波数を変化させるタイミングを、投影面12の無効領域8bを走査する第2走査期間Ryの期間中に行うようにする。例えば、位相比較部7により位相差が所定値を超えたことを検出したタイミングが、低速光スキャナ4が有効領域8aを走査する第1走査期間Rxである場合に、スキャナ駆動部5は、低速光スキャナ4が無効領域8bの第2走査期間Ryに入った直後に高速光スキャナ3の第1駆動信号の周波数を変更する。また、位相比較部7により位相差が所定値を超えたことを検出したタイミングが、低速光スキャナ4が無効領域8bの第2走査期間Ryであるときは、スキャナ駆動部5は、高速光スキャナ3の周波数を直ちに変更する。これにより、有効領域8aにおける投影像の歪を低減させることができる。
また、高速光スキャナ3に与える第1駆動信号が変更されることを契機として、1フレームの期間、光スキャナにより投影される投影像が投影されないようにして、利用者に投影像に歪が生じたことが認識され難いようにすることができる。例えば、スキャナ駆動部5が第1駆動信号を変更したときに、画像変調部2に周波数変更の通知を行い、画像変調部2は、光源9の発光を1フレームの期間停止する。また、光ビームが投影面12の無効領域8bに照射されるのを防止するためのマスクを設け、スキャナ駆動部5が第1駆動信号を変更したときに、低速光スキャナ4に与える第2駆動信号の供給を1フレームの期間停止し、光ビームを当該マスクに照射して、利用者から視認できないようにする。
また、画像変調部2は、投影すべき画像データを記憶する画像メモリ部と、この画像メモリ部に記憶された画像データの解析を行う画像解析部を備えるようにする。位相比較部7により第1駆動信号の位相と揺動の位相との間の位相差が所定値を超えたことを検出する。すると、画像解析部は画像記憶に記憶された画像データの時間変化、或いは画像データの輝度情報を検出する。そして、画像データの時間変化が少ないことを検出したときに、或いは、投影像の輝度が低いことを検出したときに、スキャナ駆動部5に通知して、高速光スキャナ3の第1駆動信号の周波数を変更する。これにより、利用者に投影像の歪を認識し難くすることができる。
また、温度を検出する温度センサを設けて、光スキャナの周囲の温度が急激に変化したときに、スキャナ駆動部5は、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更するように構成することができる。周囲温度が急激に変化すると、高速光スキャナ3の共振点が変動する。そこで、予め、周囲温度の変化と変更する周波数との関係を定めておき、周囲温度に所定の温度変化があったときに、第1駆動信号の周波数を変更する。この構成により、急激に周囲温度が変化して、高速光スキャナ3の共振点が変動した場合でも、これに駆動周波数を追随させ、投影像の歪を低減することができる。
なお、光源9として、例えばレーザ発光ダイオードを使用することができる。高速光スキャナ3として、圧電体の振動を利用した光スキャナを使用することができる。低速光スキャナ4として、ガルバノミラーを使用することができる。投影面12は、画像投影装置1がプロジェクタである場合にはスクリーン面であり、画像投影装置1が網膜走査型の投影装置である場合には、網膜となる。揺動検出部6は、高速光スキャナ3の揺動軸近傍に設けた圧電体からの信号を入力して、揺動状態を検出しても良いし、高速光スキャナ3から走査された光をビームデテクタにより検出し、この検出信号を入力しても良い。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施形態1)
図4は、本発明の実施形態1に係る画像投影装置1を表す機能ブロック図である。同一の部分又は同一の機能の部分には同一の符号を付した。図4に示すように、画像投影装置1は、光源9と、光源9から照射された光ビームを主走査方向に走査する共振型の高速光スキャナ3と、高速光スキャナ3から走査された光ビームを副走査方向(Y方向)に走査する低速光スキャナ4と、これらを駆動する信号処理部15から構成されている。
信号処理部15は、入力した画像信号を処理する画像変調部2と、光スキャナに駆動信号を供給するスキャナ駆動部5と、高速光スキャナ3の揺動状態を検出して揺動信号を生成する揺動検出部6と、高速光スキャナ3を駆動する駆動信号の位相と揺動信号の位相とを比較して位相差を検出する位相比較部7と、温度センサ13から温度情報を入力して温度変化情報を生成する検出温度処理部14を備えている。画像変調部2は、画像信号から光源駆動信号を生成する画像信号処理部21と、光源駆動信号に基づいて光源9を駆動する光源ドライバ16と、入力した画像信号を画像データとして記憶する画像メモリ部20と、画像メモリ部20に記憶された画像データのデータ解析を行う画像解析部17とを備えている。スキャナ駆動部5は、スキャナの駆動信号を生成する駆動信号処理部22と、当該駆動信号に基づいて高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号と低速光スキャナ4を駆動する第2駆動信号を生成するスキャナドライバ23を備えている。
信号処理部15は、図示しない制御部の制御の元で駆動する。制御部は、CPU、RAM、ROM等を備えており、CPUがROMから読み出した制御プログラムをRAM上を利用して動作させて、信号処理部15の制御を行う。また、例えば画像解析部17や検出温度処理部14は、制御プログラムに組み込まれたソフトウエアにより構成されている。
駆動信号処理部22は、共振型の高速光スキャナ3を駆動するための共振周波数を有する第1駆動信号と低速光スキャナ4を駆動する第2駆動信号を生成し、スキャナドライバ23に供給する。スキャナドライバ23は、駆動信号のオフセットを設定し、及び、増幅して高速光スキャナ3及び低速光スキャナ4の夫々に増幅された第1駆動信号及び第2駆動信号を供給する。駆動信号処理部22は、フレーム同期信号及び水平同期信号を生成し、画像信号処理部21に供給する。画像信号処理部21は、入力した画像信号をフレーム同期信号及び水平同期信号に基づいて変調して光源駆動信号を生成する。光源ドライバ16は、光源駆動信号に基づいて光源9を駆動する。
揺動検出部6は、高速光スキャナ3に取り付けた、又は高速光スキャナ3の近傍に設けた揺動センサから検出信号を入力し、検出信号の増幅及び整形を行って揺動信号を生成する。位相比較部7は、当該揺動信号と、高速光スキャナ3に与える第1駆動信号に基づく駆動信号を入力して位相を比較し、位相差が所定値を超えたか否かを判定し、周波数変更の通知を生成する。駆動信号処理部22又は/及び画像信号処理部21は、この周波数変更の通知に基づいて、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更する、低速光スキャナ4に与える第2駆動信号を変更する、画像解析部17の解析を開始する、或いは、画像信号処理部21により生成する光源駆動信号の供給を中断する。
図5は、本発明に係る画像投影装置1に使用する高速光スキャナ3の一実施形態を表す模式的な斜視図である。高速光スキャナ3は、光を反射する反射面が形成された反射部31と、この反射部31を両側から支持するバネ部32、32と、反射部31の周囲を取り囲む形状を有する固定枠35と、バネ部32と固定枠35との間を連結する2つの二股形状の梁部33、33と、2つの梁部33に設置された4つの圧電素子37a、37bとを備える光走査部30と、中央部が凹状に形成され、光走査部30の固定枠35と接合して光走査部30を保持する筐体39により構成されている。
固定枠35の表面には電極端子36が形成され、圧電素子37a、37bに形成されている図示しない電極と配線34により電気的に接続されている。梁部33の2つの圧電素子37a、37aに互いに逆相の交番電圧を印加することにより、2つの梁部33は交互に上下方向に曲げ振動を行う。この振動によりバネ部32には回転トルクが与えられ、反射部31はバネ部32を揺動軸Zとして揺動する。これにより、反射部31に入射した光ビームは、所定の周期で走査された光ビームに変換される。
また、2つの圧電素子37bを揺動センサとして使用することができる。反射部31が圧電素子37aの振動により揺動すると、2つの圧電素子37bは上下方向に屈曲振動を行う。圧電素子37bのこの屈曲振動により、電極端子36に電圧が発生する。この電圧は、反射部31の揺動に同期した周期を持つ。揺動検出部6は圧電素子37bにより生成されたこの電圧を入力し、増幅及び波形整形を行って揺動信号を生成する。
なお、上記実施例では揺動センサを圧電素子37bとしたが、これに限定されない。揺動センサとして、反射部31から走査された光ビームをビームデテクタ(以下BDという)とし、このBDの検出信号を揺動検出部6が入力して、高速光スキャナ3の揺動状態を検出しても良い。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。本実施形態2においては、高速光スキャナ3の駆動信号が変更されることを契機として、1フレームの期間投影像を投影しない場合である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図9において、横軸は時間軸であり、フレーム1〜フレーム4の期間を表している。最下段は、画像信号処理部21から光源9に、描画開始点P3から描画終了点P4の期間に供給される光源駆動信号の画像データD5を表す。その上段は、低速光スキャナ4の反射面の変位D3を表す。その上段は、高速光スキャナ3の反射面の揺動に伴う振幅の変位を表し、実線の変位D1が、高速光スキャナ3の周波数を変更する前であり、破線の変位D2が、周波数を変更した後の揺動周期が不安定な期間であり、実線D2’は周波数変更後の揺動周期が安定した期間である。最上段は、位相比較部7により検出された、揺動の位相と第1駆動信号の位相との間の位相差D4を表している。レベルF1が、位相差がない状態、即ち位相差0の状態であり、レベルF2が、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべきレベルである。レベルF2の位相差は、例えば、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したときに、その変更に伴う投影像の歪が、例えば略1フレームの期間持続する位相差である。なお、高速光スキャナ3の揺動周期が不安定な破線D2の期間の略1フレームは、位相差が不安定となる(破線D7により示す)。従って、この不安定な期間は、位相比較部7において予め周波数変更を通知しないように設定しておくことが望ましい。
高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、位相比較部7が、第1駆動信号と揺動信号との間の位相差D4がレベルF2に達したことを検出したときは(図9におけるP5のタイミング)、周波数変更の通知を駆動信号処理部22に与える。駆動信号処理部22は、次のフレーム3であって低速光スキャナ4の走査が無効領域8bを走査中に高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する。画像信号処理部21は、駆動信号処理部22から周波数を変更した旨の通知を受信したことを契機として、光源ドライバ16に光源9の発光を停止する光源駆動信号を与える。これにより、フレーム3の期間は、光ビームが投射されない。画像信号処理部21は、次にフレーム同期信号に同期して、画像データD5を含む光源駆動信号を光源ドライバ16に与えて、投影像の描画を再開する。
この結果、投影面12にはフレーム3の期間、画像が投影されない。これにより、高速光スキャナ3の駆動周波数が変更された直後のフレーム3の期間は投影像が描画されないので、利用者には投影像の歪がほとんど視認することがない。なお、第1駆動信号の周波数変更のタイミングは、位相差D4がレベルF2に達した直後のフレームであっても、また、その後のフレームであってもよい。
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。本実施形態3においては、周波数変更が通知された後に、低速光スキャナ4の走査を1フレーム期間停止する場合である。同一の部分又は同一の機能を表す部分には同一の符号を付している。
図6において、横軸は時間軸であり、フレーム1〜フレーム4の期間を表している。最下段は、低速光スキャナ4の反射面の揺動に伴う変位D3を表している。中段は、高速光スキャナ3の反射面の揺動に伴う振幅の変位を表し、実線の変位D1が、高速光スキャナ3の周波数を変更する前であり、破線の変位D2が、周波数を変更した後の揺動周期が不安定な期間であり、実線D2’は周波数変更後の揺動周期が安定した期間である。上段は、位相比較部7により検出された、揺動振動の位相と高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の位相との間の位相差D4の変化を表している。上段の縦軸は位相差を表しており、レベルF1が第1駆動信号の位相と揺動振動の位相との間の位相差がない状態、即ち位相差が0のレベルの状態である。レベルF2は、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべきレベルである。レベルF2の位相差は、例えば、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したときに、その変更に伴う投影像の歪が、略1フレームの期間持続する位相差である。なお、高速光スキャナ3の揺動周期が不安定な期間である破線D2により示す略1フレームは、位相差が不安定となる(破線D7により示す)。従って、この不安定な期間は、位相比較部7において予め周波数変更を通知しないように設定しておくことが望ましい。
高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、位相比較部7が第1駆動信号と揺動信号との間の位相差D4がレベルF2に達したことを検出したときは、駆動信号処理部22に対して周波数変更の通知を与える。駆動信号処理部22は、次のフレーム3において、低速光スキャナ4の揺動を停止する。即ち、駆動信号処理部22は、低速光スキャナ4の光ビームの走査方向が、無効領域8bに退避する第2駆動信号を設定する。更に、駆動信号処理部22は、変位D2に示すように、低速光スキャナ4の第2走査期間中、即ち図2(b)に示す無効領域8bを走査する期間中に高速光スキャナ3を駆動する第2駆動信号の周波数を変更する。
これにより、投影面12の有効領域8aにはフレーム3の画像が投影されない。駆動信号処理部22は、フレーム4から低速光スキャナ4の揺動を再開する。高速光スキャナ3の駆動周波数を変更した直後の1フレームは有効領域8aに投影されないので、利用者は、投影像の歪がほとんど視認することがない。なお、第2駆動信号の周波数変更のタイミングは、位相差D4がレベルF2に達した直後のフレームであっても、また、その後のフレームであってもよいが、確実に動作させるのであれば、直後のフレームが望ましい。また、図8において説明するように、マスク部24を設けることにより無効領域8bにも光ビームが投影されないようにすることができる。また、図9において説明したように、低速光スキャナ4の揺動が停止している期間、光源9の発光を停止しても良い。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。本実施形態4においては、周波数変更の通知が生成された後に、低速光スキャナ4の走査が無効領域8bを走査する第2走査期間に入った直後に高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する場合である。同一の部分又は同一の機能を表す部分には同一の符号を付している。
図7において、横軸は時間軸であり、フレーム1〜フレーム4の期間を表している。最下段は、低速光スキャナ4の反射面の揺動に伴う変位D3を表している。中段は、高速光スキャナ3の反射面の揺動に伴う振幅の変位を表し、実線の変位D1が、高速光スキャナ3の周波数を変更する前であり、破線の変位D2が、周波数を変更した後の揺動周期が不安定な期間であり、実線D2’は周波数変更後の揺動周期が安定した期間である。上段は、位相比較部7により検出された、揺動振動の位相と高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の位相との間の位相差D4の変化を表している。上段の縦軸は位相差を表しており、レベルF1が第1駆動信号の位相と揺動振動の位相との間の位相差がない状態、即ち位相差が0のレベルの状態である。レベルF2は、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべきレベルである。レベルF2の位相差は、例えば、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したときに、その変更に伴う投影像の歪が、略1フレームの期間持続する位相差である。なお、高速光スキャナ3の揺動周期が不安定な期間である破線D2により示す略1フレームは、位相差が不安定となる(破線D7により示す)。従って、この不安定な期間は、位相比較部7において予め周波数変更を通知しないように設定しておくことが望ましい。
高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、位相比較部7が第1駆動信号と揺動信号との間の位相差D4がレベルF2に達したことを検出したときは、駆動信号処理部22に対して周波数変更通知を与える。駆動信号処理部22は、次のフレーム3において、低速光スキャナ4の揺動を停止する。即ち、駆動信号処理部22は、低速光スキャナ4の光ビームの走査方向が、無効領域8bに退避する第2駆動信号を設定する。更に、駆動信号処理部22は、変位D2に示すように、低速光スキャナ4が第2走査期間に入った直後に高速光スキャナ3を駆動する第2駆動信号の周波数を変更する。これにより、高速光スキャナ3の揺動の不安定な期間の影響を短くすることができるので、投影像が歪む期間を短くすることができる。なお、図8において説明するように、マスク部24を設けることにより無効領域8bにも光ビームが投影されないようにすることができる。また、図9において説明したように、低速光スキャナ4の揺動が停止している期間、光源9の発光を停止しても良い。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5に係る画像投影装置1の投影部を表す模式的な斜視図である。本実施形態5においては、低速光スキャナ4の駆動を中断して退避したときに、光ビームが投影面12に投影されないようにした。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図8に示すように、投影光学系11と投影面12との間に光ビームを遮断するマスク部24a、24bを設けた。図6に示したように、フレーム3の期間中は、低速光スキャナ4は揺動を中断して退避する。低速光スキャナ4は、反射面から反射した光ビームが、投影面12の投影像が投影される有効領域8aの外側に照射される位置で退避する。そこで、低速光スキャナ4が無効領域8bの上辺側で退避する場合にはマスク部24aを、低速光スキャナ4が無効領域8bの下辺側で退避する場合にはマスク部24bを設け、光ビームを遮断する。これにより、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したフレーム3の期間に、光ビームは投影面12のどこにも投影されないので、投影像の品質低下を防止することができる。
なお、マスク部24a、24b以外は図1において説明した画像投影装置1の構成と同様なので、説明を省略する。また、マスク部24a、24bは、低速光スキャナ4と投影光学系11との間に設けてもよい。また、本実施形態5のようにマスク部24a、24bを設けることに代えて、画像信号処理部21が駆動信号処理部22から低速光スキャナ4の駆動停止通知を受けて、光源ドライバ16に対して光源駆動信号の供給を停止して、光源9から光ビームを照射しないようにしてもよい。
(実施形態6)
図10は、本発明の実施形態6に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。図9と異なる部分は、フレーム3の期間は投影像のぼかし処理が施された光源駆動信号が画像信号処理部21から光源ドライバ16に与えられる点である。その他の部分は図9と同様なので、説明を省略する。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
画像メモリ部20は、1フレーム又は複数フレーム分の画像データを記憶している。画像信号処理部21は外部から画像信号を受信すると、画像データに変換して画像メモリ部20に一旦記憶する。通常、画像信号処理部21は、この記憶された画像メモリ部20から画像データを読み出して、光源駆動信号に変換して光源ドライバ16に出力する。画像解析部17は、駆動信号処理部22から、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更した周波数変更の通知を受領する。すると、画像解析部17は、画像メモリ部20に記憶された画像データを読み出して、投影される投影像のぼかし処理を施す。例えば、描画される投影像の各ドットに対応する画像データと、これに隣接するドットに対応する画像データとを干渉させて、投影像の輪郭を不鮮明にする。或いは、最小単位画像の面積を拡大させる。
画像解析部17は、ぼかし処理後の変換画像データを画像メモリ部20に格納する。画像信号処理部21は、駆動信号処理部22から、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更した周波数変更の通知を受信して、画像メモリ部20から変換画像データを読み出して、光源駆動信号を生成する。その結果、フレーム3では輪郭の不鮮明な投影像が投影されるので、利用者は、駆動周波数の変更により投影像に歪が生じても、その歪を認識し難い。特に、ぼかし処理を施したフレーム3の投影像と、通常の投影像が描画されるフレーム2及びフレーム3との間で、投影像の輝度変化或いは形状変化が少ないので、利用者には投影像の歪がほとんど認識することができない。また、このぼかし処理が施された投影像の描画を1フレーム期間とすれば、利用者は投影像の歪をほとんど認識することがない。
(実施形態7)
図11は、本発明の実施形態7に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。本実施形態7においては、位相比較部7が高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する周波数変更を通知した後に、画像解析部17が投影像の画像解析を行って、所定の条件を満たしたときに、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する駆動方式である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図11において、横軸は時間軸であり、フレーム1〜フレームn+1の期間を表している。最下段は、画像信号処理部21から光源9に与える光源駆動信号の画像データD5を表している。描画開始点P3から描画終了点P4の期間に投影信号が供給される。その上段は、低速光スキャナ4の反射面の変位D3を表す。その上段は、高速光スキャナ3の反射面の変位D1、D2及びD2’を表している。実線で表す変位D1が第1駆動信号の周波数を変更する前であり、破線の変位D2が周波数を変更した後の揺動周期が不安定な期間であり、実線D2’が揺動周期が安定した期間である。最上段は、位相比較部7により検出された、揺動の位相と第1駆動信号の位相との間の位相差D4を表している。レベルF1が、位相差がない状態、即ち位相差0の状態であり、レベルF2が、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべきレベルである。レベルF2の位相差は、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したときに、その変更に伴う投影像の歪が、例えば略1フレームの期間持続する位相差である。なお、高速光スキャナ3の揺動周期が不安定な破線D2の期間の略1フレームは、位相差が不安定となる(破線D7により示す)。従って、この不安定な期間は、位相比較部7において予め周波数変更を通知しないように設定しておくことが望ましい。
位相比較部7は、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、第1駆動信号と揺動信号との間の位相差D4がレベルF2に達したことを検出したときは、周波数変更通知を画像解析部17に通知する。画像解析部17は、画像メモリ部20に記憶された画像データの解析を行う。そして、画像解析部17は、画像データから輝度データを抽出し、フレームn(nは3以上の整数)における画像データの平均輝度が、所定値よりも低いことを解析したときに、周波数変更を通知する。駆動信号処理部22は、当該変更通知を受け取り、例えば、nフレームの描画終了点P7からフレームn+1の描画開始点P8の間に、高速光スキャナ3の周波数を変更する。これにより、利用者は、投影像の輝度が低いときに周波数が変更されるために、投影像の歪を認識し難くなる。
また、位相比較部7は、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、位相差D4がレベルF2に達したことを検出したときは、周波数変更通知を画像解析部17に通知する。画像解析部17は、画像メモリ部20に記憶された画像データを読み出し、当該画像データから、フレーム間の画像データの変化量が、所定量よりも小さいことを解析したときに、変更を通知する。駆動信号処理部22は、当該変更通知を受け取り、フレームn+1の無効領域8bの走査期間中に、高速光スキャナ3の周波数を変更する。これにより、利用者は、投影像の輝度変化が少ないので、投影像の歪を認識し難くなる。
(実施形態8)
図12は、本発明の実施形態8に係る画像投影装置1の駆動方式を説明するための説明図である。本実施形態8においては、周囲の温度変化が所定温度変化を超えたことを契機として、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更する場合である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図12において、横軸は時間軸であり、フレーム1〜フレーム4の期間を表している。最下段の変位D1は、低速光スキャナ4の揺動に伴う振幅を表している。中段の変位D1、D2及びD2’は、高速光スキャナ3の揺動に伴う振幅を表し、実線の変位D1が、高速光スキャナ3の周波数を変更する前であり、破線の変位D2が、周波数を変更した後の揺動周期が不安定な期間であり、実線D2’は周波数変更後の揺動周期が安定した期間である。その上段は位相比較部7により検出された揺動の位相と第1駆動信号の位相との間に位相差D4を表している。レベルF1が、位相差がない状態、即ち位相差0の状態であり、レベルF2が、高速光スキャナ3の共振点が経時変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべきレベルである。最上段の温度差D6は、検出温度処理部14により検出された温度差D6を表している。レベルE1が所定期間において周囲の温度が変化しない状態、即ち温度変化が0°の状態である。レベルE2は、周囲の温度が変化し、高速光スキャナ3を駆動する第1駆動信号の周波数を変更すべき温度変化のレベルである。レベルE2の温度差は、例えば、高速光スキャナ3の駆動周波数を変更したときに、その変更に伴う投影像の歪が、略1フレームの期間持続する温度差である。
周囲温度が変化し、検出温度処理部14が第1駆動信号と揺動信号との間の温度差D6がレベルE2に達したことを検出したときは、駆動信号処理部22に対して周波数変更通知を与える。駆動信号処理部22は、変位D2に示すように、フレーム3の初期に高速光スキャナ3を駆動する第2駆動信号の周波数を変更する。
これにより、周囲温度が急激に変化し、高速光スキャナ3の共振点が変化した場合でも、間歇的に駆動信号を周波数を共振点に合わせるように変化させるので、高速光スキャナ3の消費電力を低減し、高速光スキャナ3に対して機械的負荷の増加を抑制することができる。なお、高速光スキャナ3の揺動周期が不安定な破線D2の期間の略1フレームは、位相差が不安定となる(破線D7により示す)。従って、この不安定な期間は、位相比較部7において予め周波数変更を通知しないように設定しておくことが望ましい。
以上、実施形態2から実施形態8において、本発明の画像投影装置1の駆動方式について説明してきたが、これら各駆動方式を組み合わせることができることは明らかであり、これらを組み合わせた駆動方式も、本発明に含まれる。また、以上説明した実施形態において、周波数の変更を、位相差D4がレベルF2に達した後に、低速光スキャナ4が無効領域8bを走査する第2走査期間に行う例について説明してきた。これに代えて、補正をできるだけ有効に行う点で必ずしも好ましくは無いが、位相差D4がレベルF2に達した後に、低速光スキャナ4が有効領域8aを走査する第1走査期間であって、高速光スキャナ3の走査が無効領域8bの走査を行っている期間に、周波数の変更を行うようにし、これに同期させて、光源9からの発光を略1フレーム中止すればよい。また、以上の説明において、周波数の変化と位相の変化はある程度対応しているので、位相がどの方向にずれるかに対応して、周波数を増やす補正か、減らす補正かを決めるようにすることは、もちろんである。
(実施形態9)
図13は、本発明の実施形態9に係る画像投影装置1の模式的な構成図を表す。本実施形態9においては、網膜走査型の画像投影装置である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図13に示すように、画像投影装置1は利用者の眼球58の網膜60上に映像を直接結像する。青色の光を発光するBレーザ47、緑色の光を発光するGレーザ48及び赤色に光を発光するRレーザ49から出射した映像光はコリメート光学系50により平行光となり、ダイクロイックミラー51により合成され、結合光学系52により集光されて光ファイバー59内に入射される。光ファイバー59から出射した映像光は第2のコリメート光学系53を介して高速光スキャナ3のミラー部67に照射される。ミラー部67は第1駆動信号により駆動されて揺動し、反射光を主走査方向に走査する。主走査方向に走査された映像光は第1のリレー光学系55を介してガルバノミラーからなる低速光スキャナ4に照射される。ガルバノミラーは磁界により鏡面が揺動して反射光を副走査方向に走査する。ガルバノミラーから反射した映像光は第2のリレー光学系を構成する第1レンズ63a及び第2レンズ63bを介して眼球58の網膜60の上に結像される。なお、光束が全て瞳孔の中心を通るように構成されているが、各光束が瞳孔内に収まるように収束させる構成であってもよい。ビームデテクタ(BD)40は、高速光スキャナ3から走査される光を検出して、ミラー部67の揺動状態を検出する。
信号処理部15は、映像信号を入力して青(B)色、緑(G)色及び赤(R)色に対応する光源駆動信号を光源ドライバとしてのBレーザ駆動回路44、Gレーザ駆動回路45及びRレーザ駆動回路46のそれぞれに出力する。Bレーザ47はBレーザ駆動回路44からの駆動信号に基づいて光強度が変調されたB色のレーザ光を出射する。Gレーザ48及びRレーザ49も同様に各画像信号に基づいて光強度が変調された各色のレーザ光を出射する。信号処理部15は画像信号に同期した第1駆動信号及び第2駆動信号を高速光スキャナ3及び低速光スキャナ4に出力する。ミラー部67は、第1駆動信号により主走査方向に揺動する。低速光スキャナ4の反射面は、第2駆動信号により副走査方向に揺動する。この場合の揺動はミラー部67の共振振動に基づく。
信号処理部15は、実施形態1において説明したと同様なので、説明を省略する。なお、本実施例10において、揺動センサとしてBD40を用いている。揺動検出部6はこのBD40から信号を受信して、揺動信号を生成する。