JP5098687B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に急発進時にタイヤ状態や路面状況により発生するトルクステア状態を低減する電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢(アシスト)する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を、減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図5に示して説明すると、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11からイグニション信号が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルク値Tと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいて、アシストマップ等を用いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPU(Micro Processor Unit)やMCU(Micro Controller Unit)も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図6のようになる。
図6を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルク値T及び車速センサ12で検出された車速Vは、電流指令値Irefを演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルク値T及び車速Vに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Irefを決定する。電流指令値Irefは減算部32に入力され、フィードックされているモータ電流値Imとの偏差I(Iref−Im)が演算され、その偏差が操舵動作の特性改善のためのPI制御部33に入力される。PI制御部33で特性改善された操舵補助指令値VrefがPWM制御部及びインバータで成るモータ駆動回路34に入力され、モータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器35で検出され、減算部32にフィードバックされる。
上述のような一般的な電動パワーステアリング装置において、車両を急発進するとタイヤ状態や路面状況によってトルクステアが発生する。トルクステアは、FF車両で左右のタイヤ状態や路面状況の違いがある状態で急激な駆動力がかかった場合、キングピン回りのモーメント差が発生することにより起こる現象で、転舵輪側から操舵ハンドルを回そうとするとハンドル取られが発生し、ドライバに不安感を与えて好ましくない。
このようなトルクステアの発生を防止する装置として、特開平9−207802号公報(特許文献1)に示されるものがある。特許文献1に記載の装置は、パワーアシストステアリング装置を有する車両におけるトルクステアを補償するための装置であり、トルクステアを表わす車両の作動特性を感知する特性感知手段と、運転者適用ステアリングトルクを感知する手段と、トルクステアを補償するために、感知した運転者適用ステアリングトルクに基づくと共に、トルクステアを表わす感知した作動特性に基づいてパワーアシストステアリング装置を制御する制御手段とを設けたものである。
また、特開2004−67040号公報(特許文献2)にも開示されており、特許文献2の装置は、左右輪の制駆動力を個別に制御する制駆動力制御手段を備えた車両用の電動パワーステアリング装置であって、操舵系に生じた操舵反力に基づいて当該操舵系に加えるアシストトルクを設定し、アシストトルクを、制駆動力制御手段によって制御された左右輪の制駆動力の差に応じて変更するものである。
更に特開2005−1481号公報(特許文献3)に開示されている装置は、操舵ハンドルの操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、補助操舵を行う電動パワーステアリング装置であって、車両の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、この車輪速度検出手段により検出された車輪速度から車体速度を算出する車速演算手段と、操舵トルク及び車速演算手段により算出された車体速度に応じて目標モータ電流を算出するアシスト制御手段と、車輪速度及び車体速度から左右の車輪のスリップ量を算出するスリップ演算手段と、このスリップ演算手段により算出された左右の車輪のスリップ量に応じて目標モータ電流を補正する補正手段とを設けたものである。
特開平9−207802号公報 特開2004−67040号公報 特開2005−1481号公報
上記特許文献1及び2の装置では、いずれもトルクステアの状態検出に駆動力トルクを感知する必要があり、駆動力トルクセンサの構造上システムの価格が高くなってしまう問題がある。
また、上記特許文献3の装置では、車輪速度からスリップ率を求め、左右輪のスリップ率の差からトルクステア状態と判定している。しかしながら、スリップ率の差のみからでは、ドライバが任意に操舵したことによって発生したものなのか、或いはトルクステアによって発生したものなのかを、的確に判断することができない問題がある。
本発明は上述のような事情からなされたものであり、本発明の目的は、左右輪の駆動トルクをモニタすることなく簡易且つ安価なシステム構成で、車両状態に応じて制御系を切替えることにより、トルクステアを打ち消すアシストトルクを操舵系に与えることで操舵の安定性を図った高性能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することによって車両のステアリング機構にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルクの微分値を求めるトルク微分制御部と、前記微分値にゲイン1又はゲインKd(>1)を与えるゲイン部と、前記操舵トルク、操舵角、車輪速、前記車速及びアクセル開度に基づいて前記車両の状態を推定する車両状態推定部と、前記車両状態推定部でトルクステアが検出されたときに前記ゲイン部を切替える切替部とを具備し、前記切替部の出力である電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記モータを駆動することによって達成される。
本発明の上記目的は、前記トルクステアが、前記操舵角と、左車輪速の変化率及び右車輪速の変化率の差の絶対値とに基づいて検出されるようになっていることにより、より効果的に達成される。
また、本発明は、操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することによって車両のステアリング機構にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルクの微分値を求めるトルク微分制御部と、前記微分値にゲイン1又はゲインKd(>1)を与える第1ゲイン部と、前記操舵トルク、操舵角、車輪速、前記車速及びアクセル開度に基づいて前記車両の状態を推定する車両状態推定部と、前記車両状態推定部の所定条件1によって前記第1ゲイン部を切替える第1切替部と、前記操舵角のダンピング値を求めるダンピング制御部と、前記ダンピング値にゲイン1又はゲインKd2(>1)を与える第2ゲイン部と、前記車両状態推定部の所定条件2によって前記第2ゲイン部を切替える第2切替部とを具備し、前記車両の状態に応じて、前記電流指令値1に前記第1切替部の出力を加算し、前記電流指令値1から前記第2切替部の出力を減算した電流指令値2により前記モータを駆動することにより達成され、前記所定条件1が、前記操舵角及び前記車輪速に基づいて設定されるトルクステアであることにより、或いは前記所定条件2が、前記操舵角の変化率及び前記操舵トルクの変化率に基づいて設定されることにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、左右輪の駆動トルクをモニタすることなく簡易且つ安価なシステム構成で、車両状態に応じて制御系を切替えることにより、トルクステアを打ち消すアシストトルクを操舵系に与えることで操舵の安定性を図ることができる。
なお、車輪速センサは近年の車両にはほとんど搭載されており、本制御のために新たに追加する必要はないので、コストアップになることもない。
本発明は、舵角センサの出力又は舵角推定より推定された舵角信号と左右車輪速の差とを比較することで、よりトルクステアと断定できる条件を付加している。更に、トルクステアの発生要件として急激なエンジン出力の上昇が挙げられることから、運転者のアクセル開度をモニタすることで、よりトルクステア状態であるかの判定精度を高めている。
トルクステア発生メカニズムの概要として第1に急発進(急加速)が挙げられ、これはアクセル開度の急激な変化Δαや車速Vの急激な変化ΔVを計測することで、およその予測が可能である。つまり、一般的にFF車両では、アクセルを急激に開ける動作は急激な駆動力を生み、トルクステアが発生するという考えに基づく。その結果、車速の急変、即ち急加速状態が発生する。もう少し状況を詳細に見ていくと、左右駆動力の差は車両が動き出した後の状態では、左右車輪速の差として見えるはずである。そこで、左右の車輪速の差“ω−ω”を計測することによって、トルクステアの状態と推測することができる。しかしながら、車輪速の差“ω−ω”という条件だけでは旋回中の条件とも見ることができるため、本発明では車輪速変化率の差
“Δω−Δω”を計測し、これがある一定以上でトルクステアが発生する条件とする。因みに、車速0[kph]が初期状態である。
次に、トルクステア状態と推定された場合の電動パワーステアリング制御の動作について説明する。
トルクステアが発生した場合、ステアリングの動きとしては大きく分けて2通り挙げられる。1つは手放し時のハンドル舵角の動き、もう1つは保舵中のトルク変化である。即ち、運転者はトルク又は舵角の変化によって、トルクステアが発生している状態に気が付くことになる。そこで、電動パワーステアリング制御としては、トルクステア状態という状況のみにおいて、トルク変化を打ち消す方向又は舵角変化を打ち消す方向にアシストすれば良いことになる。更に、操向ハンドルを動き難くすることで、運転者はトルクステアを認知し難い状況になることを考えると、摩擦補償などの機能はマスクし、積極的に粘性摩擦(ダンピング制御)を付加することで、トルクステアの影響を低減することができる。つまり、運転者が保舵していない(手放し)状態では、ハンドルが動くということで、運転者はトルクステアが発生していることを認知するので、トルクステアが発生していると判断された場合は、ハンドルが動かないように制御する。
本発明は以上の前提の基になされたものであり、以下に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を示しており、コントロールユニット100には操舵トルクTh、操舵角θ、右車輪速ω及び左車輪速ω、車速V及びアクセル開度αが入力され、コントロールユニット100はモータ200を駆動制御する。コントロールユニット100は、操舵トルクTh、操舵角θ及び車速Vを入力して電流指令値Iref1を算出するトルク制御部110と、操舵トルクTh、操舵角θ、車輪速ω、車速V及びアクセル開度αを入力して運転者による操舵トルクThの単位時間当たりの変化率ΔTh、操舵角θの単位時間当たりの変化率Δθ、車輪速ωの単位時間当たりの変化率Δω、車速Vの単位時間当たりの変化率ΔV及びアクセル開度αの単位時間当たりの変化率Δαを求める信号処理部130と、操舵トルクThの変化率ΔTh、操舵角θの変化率Δθ、車輪速ωの変化率Δω、車速VのΔV及びアクセル開度αの変化率Δαに基づいて車両状態(トルクステア)を推定する車両状態推定部140と、車両状態推定部140で推定された車両状態に基づいて制御指令値Iref2を演算する制御指令値演算部150と、電流指令値Iref1及び制御指令値Iref2を加算部101で加算して求められた制御指令値Iref3に基づいてモータ200を駆動制御する電流制御部120とを具備している。
車両状態推定部140はトルクステアを推定するが、例えばアクセル開度αの変化率Δαが小さい場合はアクセルを緩やかに踏み込む状態であるので、トルクステアは発生し難い。一方、アクセル開度αの変化率Δαが大きい場合、運転者がラフなアクセルワークをしている状況であり、エンジン出力が急激にタイヤに伝達されることになり、FF車ではエンジンレイアウトの都合上、ドライブシャフトが非常に長くて捩じり剛性の差があり、このためタイヤに伝達される駆動トルクが異なる要因となり、トルクステアが発生する。
また、トルクステアが発生して車両状態推定部140で検出された場合、制御指令値演算部150は所定の機能の制御ゲインを切替える。制御ゲインはトルクステアを低減できる値を予め試験的に求めたものであり、運転者が保舵している条件又は手を放している条件の2通りを想定して制御ゲインを切替える。保舵条件ではトルクステアの影響がトルクの変化(ハンドル取られ)となって運転者に伝わるので、トルクステアが発生したと判定された場合には、検出されたトルク微分値(トルク変化率)とトルクステア発生時用の制御ゲインとの乗算値が電流指令値Iref2となる。手放しと判定された場合には、トルク微分値を基にトルクステアによる影響を補償することはできないので、操舵角θの動き、即ち舵角速度とトルクステア発生時用の制御ゲインとの乗算値が電流指令値Iref2となる。
このような構成において、その動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
先ず、運転者が急速なアクセル操作をしていないかを判定するために、アクセル開度Δαが所定値αよりも大きいか否かを判定し(ステップS1)、アクセル開度Δαが所定値α以下の場合には処理中止とし、アクセル開度Δαが所定値αよりも大きい場合には更に、運転者の操舵角θによる車輪速ωの差であるかを下記(1)式に従って判定する(ステップS2)。

sin(2θ/a)=4L/E・(ω−ω)/(ω+ω) ・・・(1)
ただし、aは係数、Lは車両のホイールベース、Eは車両のトレッド幅である。

(1)式が成立するのは、実際の状況においてタイヤにスリップが生じていないことが挙げられ、成立しない場合にはスリップが生じている可能性がある。
よって、上記(1)式が成立する場合は操舵による車輪速差と判定して処理を中止し、上記(1)式が成立しない場合には更に、左右車輪速の変化率Δω及びΔωの差を求めることで、トルクステアが発生しているかを判定する(ステップS3)。即ち、左車輪速の変化率Δωと右車輪速の変化率Δωの差の絶対値|Δω−Δω|が所定値ωよりも大きいか否かを判定し、差の絶対値|Δω−Δω|が所定値ωよりも小さい場合には、左右車輪速の変化率の差が小さくてトルクステアになる可能性が低いので、処理の中止とする。
一方、上記ステップS3において、左右車輪速の変化率の差の絶対値|Δω−Δω|が所定値ω以上の場合には、操舵角θの変化率Δθは所定値θよりも小さく、操舵トルクThの変化率ΔThが所定値Thよりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。操舵角θの変化率Δθが所定値θよりも小さく、かつ操舵トルクThが所定値Thよりも大きい場合には、操舵角θの変化がなく(Δθ≒0)、操舵トルクThの変化が発生していることになるので、保舵状態でトルクステアの影響を受けていると判定してトルク微分制御の処理となる。操舵角θの変化率Δθが所定値θ以上であったり、或いは操舵トルクThの変化率ΔThが所定値Th以下の場合には、手放し時のトルクステアの可能性がるため、操舵角θの変化率Δθが所定値θよりも大きく、かつ操舵トルクThの変化率ΔThが所定値Thよりも小さいかを判定し(ステップS5)、両方の条件を満たした場合には、操舵トルクThの変化がなく、操舵角θが動いている状況、つまり手放し状態であるので、トルクステアの影響を受けていると判断してダンピング制御の処理となり、両方の条件を満たしていない場合には処理中止となる。
ここにおいて、トルク微分制御処理は図3に示す構成によって実行され、ダンピング制御処理は図4に示す構成によって実行される。なお、図3及び図4は図1に対応しており、図1のトルク制御部110は、図3に示すようにトルク制御部111及びトルク微分制御部112で構成されるか、或いは図4に示すようにトルク制御部111及びダンピング制御部113で構成されるので、図1のトルク制御部110をトルク制御部111、トルク微分制御部112及びダンピング制御部113で構成し、トルク微分制御及びダンピング制御の両方の処理を行うようにしても良い。
先ず図3に示すトルク微分制御の処理について説明する。トルク制御部110内のトルク微分制御部112は操舵トルクThを微分演算し、単位時間当たりの変化率ΔThとして扱い、トルク変化を抑える方、つまりトルク変化率ΔThが小さくなる方向にアシストの電流指令値を演算する。トルク微分制御部112からのトルク変化率ΔThはゲイン部151(ゲイン=1)及び152(ゲインKd1>1)に入力され、ゲイン部151の出力(=ΔTh)は切替部153の接点a1に入力され、ゲイン部152の出力(=ΔTh×Kd1)は切替部153の接点b1に入力される。切替部153の接点a1及びb1は車両状態推定部140からの切替信号SW1によって切替えられ、トルクステアが検出された場合に切替信号SW1は接点b1とし、切替部153からの出力である電流指令値Iref2が加算部101に加算入力される。
このような構成において、トルクステアが発生していない通常時には切替信号SW1は切替部153の接点をa1とし、トルク変化率ΔThをそのまま電流指令値Irefとしている。そして、車両状態推定部140でトルクステアが検出されると、切替信号SW1によって切替部153の接点を“a1”から“b1”に切替え、ゲイン部152からのΔTh×Kd1を電流指令値Iref2として出力する。保舵している状況では、トルクステアの発生は急激なトルク変化として現れ、トルク変化率が大きくなり、通常は操舵の切り始めや切り戻し時に感じる静摩擦を補償するために使用され、操舵感のバランスをとるため必要以上に大きな値ではなくても、トルクステア発生時には積極的にトルク変化率を抑える必要があるので、通常時には接点a1でゲインを“1”にして処理し、トルクステア時には接点b1でゲインをKd1(>1)にして処理している。
次に図4に示すダンピング制御の処理について説明する。トルク制御部110内のダンピング制御部113は操舵角θ(又は操舵角速度、モータ角速度)を入力し、ダンピング制御部113でダンピング係数を乗算されたダンピング信号Dsはゲイン部151(ゲイン=1)及び152(ゲインKd2>1)に入力され、ゲイン部151の出力(=Ds)は切替部153の接点a2に入力され、ゲイン部152の出力(=Ds×Kd2)は切替部153の接点b2に入力される。切替部153の接点a2及びb2は車両状態推定部140からの切替信号SW2によって切替えられ、前述の図2における要件を具備したときに切替信号SW2は接点b2とし、切替部153からの出力である電流指令値Iref2が加減算部101に減算入力される。
このような構成において、電流指令値Iref2をトルク制御部111で求められた電流指令値Iref1から減算することにより、モータアシストにブレーキをかけることができ、車両のヨーの運動に対して操舵系にダンピングを持たせることで収れん性を確保することができる。
本発明の基本構成例を示すブロック構成図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 本発明のトルク微分制御の構成例を示すブロック構成図である。 本発明のダンピング制御の構成例を示すブロック構成図である。 一般的な電動パワーステアリング装置の構成例を示す図である。 コントロールユニットの一例を示すブロック構成図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
14 バッテリ
20、200 モータ
30 コントロールユニット
31 電流指令値演算部
32 減算部
33 PI制御部
34 モータ駆動回路
100 コントロールユニット
110、111 トルク制御部
112 トルク微分制御部
113 ダンピング制御部
120 電流制御部
130 信号処理部
140 車両状態推定部
150 制御指令値演算部
151、152 ゲイン部
153 切替部

Claims (5)

  1. 操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することによって車両のステアリング機構にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記操舵トルクの微分値を求めるトルク微分制御部と、前記微分値にゲイン1又はゲインKd(>1)を与えるゲイン部と、前記操舵トルク、操舵角、車輪速、前記車速及びアクセル開度に基づいて前記車両の状態を推定する車両状態推定部と、前記車両状態推定部でトルクステアが検出されたときに前記ゲイン部を切替える切替部とを具備し、
    前記切替部の出力である電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記トルクステアが、前記操舵角と、左車輪速の変化率及び右車輪速の変化率の差の絶対値とに基づいて検出されるようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することによって車両のステアリング機構にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記操舵トルクの微分値を求めるトルク微分制御部と、前記微分値にゲイン1又はゲインKd(>1)を与える第1ゲイン部と、前記操舵トルク、操舵角、車輪速、前記車速及びアクセル開度に基づいて前記車両の状態を推定する車両状態推定部と、前記車両状態推定部の所定条件1によって前記第1ゲイン部を切替える第1切替部と、前記操舵角のダンピング値を求めるダンピング制御部と、前記ダンピング値にゲイン1又はゲインKd2(>1)を与える第2ゲイン部と、前記車両状態推定部の所定条件2によって前記第2ゲイン部を切替える第2切替部とを具備し、
    前記車両の状態に応じて、前記電流指令値1に前記第1切替部の出力を加算し、前記電流指令値1から前記第2切替部の出力を減算した電流指令値2により前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記所定条件1が、前記操舵角及び前記車輪速に基づいて設定されるトルクステアである請求項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記所定条件2が、前記操舵角の変化率及び前記操舵トルクの変化率に基づいて設定される請求項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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