JP5097734B2 - セグメントの接合構造および該セグメントを製造するための型枠 - Google Patents

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Description

本発明は、シールドトンネルの施工において、覆工用セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、セグメントリング内のセグメントどうしの接合を行えるようにしたセグメント間継手におけるセグメントの接合構造および該接合構造に用いるセグメントを製造するための型枠に関するものである。
従来、覆工用セグメントの内面に継手が現れないようにしてセグメントの内面平滑化を可能にしたものとして、セグメント間継手(セグメントリング内のセグメントどうしの継手)については、フック継手と呼ばれるものがある。
フック継手は、接合すべき両セグメントにおけるセグメントの継手面から突出し、先端部にトンネル軸方向に延びるフック状の係合部を有する雄継手と、継手面の内側に雄継手の係合部が嵌合するリップ溝状の係合部を有する雌継手とからなり、セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、雄継手のフック状の係合部が雌継手のリップ溝状の係合部に嵌合し、セグメントリング内のセグメントどうしの接合を行えるようにしたものである。
このようなフック継手の代表的な形態としては、例えば本願の出願人等による特許文献1〜4に記載されたものがある。
また、本願の発明者等による非特許文献1には、フック継手として、従来の加工に手間がかかり変形を生じやすい曲げ加工による継手に代え、製作が容易で製作誤差が小さく、変形が生じにくい継手として、フック継手の雄継手と雌継手の本体部分を鋼板と角型鋼材の溶接により製作できるようにしたものが開示されている。
なお、セグメントリングどうしのリング間継手については、ワンパスタイプの継手(例えば、特許文献5参照)などが、フック継手と併せて用いられることが多い。
特許第3025203号公報 特許第2971864号公報 特許第3442677号公報 特開2000−328889号公報 特開2005−307689号公報
船木暁啓他:「フック継手(セグメント継手)の開発 −軽荷重タイプ−」、土木学会第60回年次学術講演会、平成17年9月
セグメントリングを組んで行く場合、セグメントリングには地山からの土圧の他、種々の力が作用することで変形が生じ、またセグメントの製作誤差などもあるため、実際にはセグメント間にわずかな目開きが生ずることが多い。
このわずかな目開き自体は、シール材などで対処することで、気密性、水密性を保つことができるが、目開きにより継手面に埋め込まれる継手部材に引張力や曲げ力が作用し、目開きが大きい場合には継手部材が変形したり、継手部材を埋設したRCセグメントにひび割れなどが生ずる原因となる恐れがある。
また、セグメントを組み立てて行く際も、この種の継手構造では雄継手と雌継手の係合部にテーパーを設け、互いに引き寄せ合うように設計されているため、組み立ての段階から目開きが避けられない状況では、継手どうしを嵌合させる際に、係合部が噛み合ってしまい、セグメントを無理に押し込んで嵌合させることになり、作業性を損なう原因となっていた。
すなわち、従来のボルトボックスを設けたセグメント間継手においては、セグメントリングに生じる周方向の引張応力に対し、継手部のボルトを締め付けることでセグメントどうしを引き寄せるようにしていたが、フック継手においても同様に継手部でセグメントどうしを引き寄せるように設計されていた。
そのため、セグメントを無理に押し込むことで、継手部分に引張力や曲げ力が作用し、継手部材やセグメント本体に変形や損傷を与える恐れがあった。また、継手面には、通常、水密性を確保するためのシール材等が設置されるため、セグメントを無理に押し込むとシール材が損傷する恐れもある。
本願発明は、従来のフック継手における上述のような課題の解決を図ったものであり、フック継手の利点を損なうことなく、継手部分に無理な力がかからず、セグメント間の目開きなどによって、継手部材やセグメントの変形や損傷が生じにくく、かつ施工性に優れ、製作も容易なセグメントの接合構造および該セグメントの製造に適した型枠を提供することを目的としている。
本願の請求項1に係る発明は、シールドトンネルを構成するセグメントリングにおけるセグメント間の接合を行う接合構造であって、接合すべきセグメントの一方のセグメントの継手面から突出し、先端部にトンネル軸方向に延びるフック状の係合部を有する雄継手と、他方のセグメントの継手面の内側に前記雄継手の係合部が係合する係合部を有する雌継手とからなり、セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、前記雄継手のフック状の係合部が前記雌継手の係合部と係合し、セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、前記雄継手のフック状の係合部が前記雌継手のリップ溝状の係合部に嵌合し、セグメントリング内のセグメントどうしの接合を行えるようにしたセグメントの接合構造において、前記雄継手は、平鋼板と、該平鋼板をセグメントに定着させるためのアンカー筋と、該平鋼板の前記セグメント継手面側の両面に溶接された矩形断面の鋼材からなる一対の係合用突条とからなり、前記雌継手は、対向する一対の平鋼板と、該平鋼板をセグメントに定着させるためのアンカー筋と、該平鋼板どうしの対向面のセグメント継手面側に溶接された矩形断面の鋼材からなる一対の係合用突条とからなり、前記セグメントの継手面どうしを密着させたとき、前記雄継手の係合部と前記雌継手の係合部どうしが対向する位置に所定幅の隙間が生ずるようにしたことを特徴とするものである。
目開きがなく設計通りに嵌合された場合、あるいは目開きが微小な場合、係合部に僅かな隙間が生ずることになるが、セグメントリングどうしのリング間の接合によって拘束される他、セグメントリングには外側から土圧が作用するため、特に問題はなく、仮にその状態から目開きが生ずる力が作用したとしても、その時点で雄継手と雌継手の係合面が当接して隙間の間隔以上の目開きを拘束することになる。
雄継手および雌継手の具体的な形態としては、平鋼板にアンカー筋および係合用突条を溶接するものの他、例えばアンカー筋の代わりに支圧板を設けるもの、溶接の代わりに曲げ加工により成形したもの、あるいは鋳物によるものなどがあり、特に限定されない。
また、フックの形状も特に限定されず、前述した特許文献1〜4、非特許文献1に記載されたものなどにもそのまま適用することができる。
請求項2は、請求項1に係るセグメントの接合構造において、前記所定幅の隙間が、2.0mm以下であることを特徴とするものである。
通常の範囲の目開きはごく僅かの量であり、隙間は、設計上、雄継手と雌継手の係合面が当接してできるだけ小さいことが望ましく、下限は0mmより大とする。
一方、土圧が作用しているセグメントリングにおいて、セグメントの精度として、2.0mmを超える目開きは、それ自体が問題であり、また、シール材の厚みで対処できない場合があるので、上限を2.0mmとした。
また、さらに好ましい範囲としては、前記所定幅の隙間は、0.5mm以上、1.5mm以下である。
セグメントの寸法誤差や、セグメントに対する雄継手や雌継手の取付け誤差、セグメントの施工誤差等を考慮した場合、一般的には隙間を0.5mm未満に設計しても実際のセグメントの組み立てにおいて隙間が生じない場合も考えられ、本発明の効果を有効に発揮させるためには、隙間を0.5mm以上とすることが好ましい。
また、セグメントを組み立てる際のシール材等の損傷防止や作業性に関しては隙間が大きい方が有利である反面、セグメント間の目開きを一定以下に抑える必要があることやセグメントをトンネル軸方向に押し出す際のガイド的な機能を考慮すると、隙間は1.5mm以下がより好ましい。
なお、この数値限定は、基本的には設計上の数値に対するものであり、実際に製作、施工されるセグメントにおいてはある程度のバラツキは避けられない。ただし、仮に一部のセグメント間において実際の隙間が0となる場合でも、従来の隙間を生じさせず、逆に引き寄せ合うようにする設計に基づいて製作した場合に比べると、総体として継手部に作用する力は小さく、その分、目開きが生じた場合における負担も小さくなる。
本発明における雄継手と雌継手の基本構成は、背景技術の項で述べた非特許文献1記載の発明と同様であるが、曲げ加工による継手に比べ、継手部材の製作が容易で製作誤差が小さく、変形が生じにくいため、雄継手の係合部と雌継手の係合部どうしが対向する位置にわずかな隙間を設ける本願発明において、隙間の間隔を精度よく実現することができ、本願発明の効果をフルに発揮させることができる。
請求項は、請求項1または2に係るセグメントの接合構造において、前記雄継手の係合用突条と前記雌継手の係合用突条は、それぞれの軸線を互いに接合されるセグメントの継手面に対し所定角度傾斜させ、係合の際に相互の間隔が徐々に狭まるように構成してあることを特徴とするものである。
従来のフック継手などでは、セグメントを切羽側から坑口側へ向けてトンネル軸方向に押し出し、雄継手と雌継手とを嵌合させるとき、主として、雄継手と雌継手が徐々に引き寄せ合うようにするために雄継手と雌継手をセグメントの継手面に対し傾斜させている。
本願発明では、雄継手と雌継手との係合部間に所定幅の隙間が生ずるため、組み立て完了時の引き寄せ効果は期待していないが、セグメントの組み立て時において傾斜部分がガイド的な機能を発揮し、施工性を高めることができる。
請求項は、請求項1、2または3に係るセグメントの接合構造において、前記雄継手のアンカー筋は、前記平鋼板の両側部に溶接されており、前記雌継手のアンカー筋は、該雌継手を構成する前記一対の平鋼板それぞれの両側部に溶接されていることを特徴とするものである。
雄継手および雌継手は、セグメントの限られた厚さの中に配置する必要があるため、アンカー筋を平鋼板の両側に配置することで、継手部材としての厚みを抑え、十分なかぶりが確保でき、またアンカー筋を平鋼板の両側に対称配置することで、安定した定着効果が得られる。
請求項は、請求項1から4までのいずれか一つに記載のセグメントの接合構造において、前記雄継手の係止用突条の少なくとも一方の端部または前記雌継手の係合用突条の少なくとも一方の端部にテーパーが形成されていることを特徴とするものである。
セグメントを組み立てる際には、雄継手と雌継手が相対的にトンネル軸方向に移動することで嵌合するが、それぞれの係合用突条が嵌合し合う時点で、嵌合位置にある係合用突条の端部にテーパーを形成しておくことで、嵌合作業が容易となる。
請求項は、請求項1〜の何れかに記載のセグメントの接合構造に用いるセグメントを製造するための型枠であって、該型枠を構成する端板(堰板)の前記雄継手設置位置に、雄継手の突出を許容するための貫通孔を有し、該貫通孔の外側に前記雄継手の突出部を支持する支持部材と、該支持部材を前記端板に固定するための固定部材とが設置されており、前記支持部材と前記固定部材との間に、間隔調整材を挟み込めるようにし、前記間隔調整材の厚みを前記隙間の大きさに応じて選択することで、前記セグメントの継手面どうしを密着させたときの前記雄継手の係合部と前記雌継手の係合部どうしが対向する位置に生ずる隙間の幅を調整できるようにしたことを特徴とするものである。
支持部材と固定部材との間に挟み込む間隔調整材は、例えば0.5mm、1.0mm、1.5mmといった厚さの板状のものを用いることができ、それを設計に応じて選択的に使用することができる。なお、間隔調整材は、より細かい単位で多数の種類のものを用意したり、あるいは薄い間隔調整材を所定の厚さとなるように複数枚重ねて使用することもできるが、設計で隙間の幅が1種類に固定される場合は1種類のみ用意すればよい。
本願発明によれば、セグメントの組み立てにおいて、セグメントの継手面どうしを密着させたときに、設計上、雄継手の係合部と雌継手の係合部との間に所定幅の隙間が生ずるようにしてあるため、セグメント間の僅かな目開きに対しては、継手部分に無理な力が作用しない。
そのため、継手部材やセグメントの変形や損傷が生じにくい。
また、セグメントの組み立て時において、雄継手と雌継手との間に所定幅の隙間分だけ余裕があるため、施工性にも優れる。
雄継手および雌継手を本発明のような構成とすれば、曲げ加工による継手に比べ、継手部材の製作が容易で製作誤差が小さく、変形が生じにくいため、雄継手の係合部と雌継手の係合部どうしが対向する位置にわずかな隙間を設ける本願発明において、隙間の間隔を精度よく実現することができ、本願発明の効果をフルに発揮させることができる。
請求項に係る発明によれば、好ましくは2.0mm以下となる雄継手の係合部と雌継手の係合部どうしが対向する位置に生ずる隙間の幅を、正確に、効率良く調整することができる。
本発明の継手構造の要部を示したもので、(a)は雌継手と雄継手の嵌合状態を示す図、(b)は雌継手の下側半分を示す平面図、(c)は同じく正面図、(d)は雄継手の平面図、(e)は同じく正面図である。 (a)〜(c)は本発明の接合構造の他の実施形態における接合手順を示す説明図である。 (a)は本発明の継手構造に用いられるセグメントをトンネル内空側から見た平面図、(b)は正面図である((a)、(b)とも継手部分は透視図として示している)。 図3の実施形態における雄継手と雌継手の詳細を示したもので、(a)は雄継手の平面図、(b)はその右側面図、(c)はそのB部の拡大図、(d)は雌継手の平面図、(e)はその左側面図、(f)はそのE部拡大図、(g)、(h)はセグメント間継手の継手面が傾斜している場合の雄継手をトンネル軸方向から見た正面図、(i)、(j)はセグメント間継手の継手面が傾斜している場合の雌継手をトンネル軸方向から見た正面図である。 本発明で用いられるフック継手の他の例を示したもので、(a)は雌継手および雄継手のフック形状を曲げ加工により製作した場合の斜視図、(b)はアンカー筋の代わりに支圧板を用いた場合の嵌合状態を示す図(雌継手は仮想線)、(c)は定着用の支圧板を有する継手を鋳物により製作した場合の嵌合状態を示す図(雌継手は仮想線)である。 請求項に係る発明の一実施形態における要部を示したもので、(a)は雄継手の突出部の正面図、(b)はその水平断面図、(c)は同じく垂直断面図である。 本発明の接合構造において、セグメント間継手の継手面が傾斜している場合の性能を確認するための継手曲げ実験の実験方法の概要を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。 継手曲げ実験で載荷したモーメントと鉛直変位の関係を示したグラフである。 継手曲げ実験で載荷したモーメントと回転角の関係を示したグラフである。
図1は、本発明の継手構造の一実施形態における要部を示したもので、(a)は雌継手11と雄継手21の嵌合状態を示す図、(b)は雌継手11の下側半分を示す平面図、(c)は同じく正面図、(d)は雄継手21の平面図、(e)は同じく正面図である。
本実施形態において、雌継手11は、対向する一対の平鋼板12と、平鋼板12どうしの対向面に溶接された係合用突条13と、平鋼板12をセグメントのコンクリートに定着させるためのアンカー筋14とからなる。
係合用突条13は、この例では矩形断面の鋼材からなり、平鋼板12に対し、セグメントの継手面(セグメント間継手の継手面)寄りの位置に、継手面に対し所定角度傾斜させて溶接されている。符号15は溶接部分を示す。
また、この例で、アンカー筋14は平鋼板12の両側部に溶接されており、セグメントの厚さ方向における雌継手11の高さを低く抑え、かつバランスのよい配置としている。
本実施形態において、雄継手21は、平鋼板22と、平鋼板22の両面に溶接された一対の係合用突条23と、平鋼板22をセグメントのコンクリートに定着させるためのアンカー筋24とからなる。
係合用突条23は、雌継手11の係合用突条13と同様、矩形断面の鋼材からなり、平鋼板22に対し、セグメントの継手面(セグメント間継手)から突出した位置に、継手面に対し所定角度傾斜させて溶接されている。符号25は溶接部分を示す。
また、この例で、アンカー筋24は平鋼板22の両側部に溶接されており、セグメントの厚さ方向における雄継手21の高さを低く抑え、かつバランスのよい配置としている。
以上の構成において、雌継手11の一対の係合用突条13が、セグメントの継手面の内側に雄継手21の係合用突条23が嵌合するリップ溝状の係合部を形成し、シールドトンネルの施工において、セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、雄継手21のフック状の係合部を形成する雄継手21の係合用突条23が、雌継手11の係合用突条13が形成するリップ溝状の係合部に嵌合し、セグメントリング内におけるセグメントどうしの接合が行なわれる。
ここで、従来のフック継手では、嵌合された係合部どうしが密着し、互いに引き寄せ合うのに対し、本発明の継手構造では、セグメントの継手面どうしが密着した状態で、この雄継手21の係合部(係合用突条23)と雌継手11の係合部(係合用突条13)どうしが対向する面に所定幅の隙間Pが生ずるようにしている。この隙間Pの幅は、課題を解決するための手段の項で述べた理由から、設計上、例えば1.0mmあるいは1.5mm程度とする。
この隙間Pがあることで、セグメント間に生ずる目開きに対しては、継手部分に無理な力が作用せず、継手部材やセグメントの変形や損傷が生じにくいという利点がある。また、セグメントの組み立て時において、雄継手と雌継手との間に隙間Pだけ余裕があるため、施工性にも優れる。
また、雄継手21の係合用突条23と雌継手11の係合用突条13は、それぞれの軸線を互いに接合されるセグメントの継手面に対し所定角度傾斜させてあることで、係合の際に相互の間隔が徐々に狭まるように構成してあり、嵌合の際にガイド的な機能を発揮し、施工がスムーズとなる。
図2(a)〜(c)は、本発明の接合構造の他の実施形態における接合手順を示したものである。この接合手順自体は、従来のフック継手の場合と同じであり、従来のフック継手との相違点は、セグメントの継手面どうしが密着した状態で、従来のフック継手では、設計上、雄継手と雌継手の係合部に隙間が生じないのに対し、本発明の継手構造では、隙間が生ずる点である。
図2(a)の状態からセグメント1のセグメント間継手面どうしを、トンネル周方向に近づけ、図2(b)の状態からトンネル軸方向にスライドさせることで、図2(c)の嵌合状態となる。図中、符号2は雄継手21を雌継手11のリップ溝状の係合部に誘導するためのセグメント1に形成した溝状の開口部であり、この例では図中、左側のセグメント1の切羽側の継手面(リング間継手面)と、図中、右側のセグメント1の坑口側の継手面(リング間継手面)まで開口している。なお、この実施形態のセグメント1は鉄筋コンクリート製である。
図3(a)は、本発明の継手構造に用いられるセグメント1をトンネル内空側から見た平面図、図3(b)は同じく正面図である。なお、図3(a)、(b)とも継手部分は透視図として示している。
図3は作図上、各継手を簡略化して示しているが、セグメント1どうしがトンネル軸方向に接合されるリング間継手面には、リング間継手としての雌継手31と雄継手41が埋め込まれ、セグメントリング周方向両端のセグメント間継手面には、それぞれ本発明の継手構造における雌継手11と雄継手21が埋め込まれ、シールドトンネルの施工において、セグメント1をトンネル軸方向へ移動させるだけで、トンネル軸方向とセグメントリング周方向の接合が同時に行われる。
なお、図3と後述する図4には、図1、図2の場合と異なり、雄継手21のアンカー筋24が平鋼板22の両側部ではなく、両面に分かれて溶接されている場合を示しているが、図1、図2と同様、アンカー筋24を平鋼板22の両側部に設けてもよく、むしろその方が、継手部材としての厚みを抑え、十分なかぶりを確保することができる。
また、図2の例では、雄継手21を雌継手11のリップ溝状の係合部に誘導するための開口部2が、リング間継手面まで開口しているのに対し、図3では開口部2がリング間継手面には開口せず、両端が閉じた窓状の開口部2となっている。これは、例えばセグメント間継手の使用位置やセグメント形状によって異なる。
図4は、図3の実施形態における雄継手21と雌継手11の詳細を示したもので、(a)は雄継手21の平面図、(b)はその右側面図、(c)はそのB部の拡大図、(d)は雌継手11の平面図、(e)はその左側面図、(f)はそのE部拡大図、(g)、(h)はセグメント間継手の継手面が傾斜している場合の雄継手21をトンネル軸方向から見た正面図、(i)、(j)はセグメント間継手の継手面が傾斜している場合の雌継手11をトンネル軸方向から見た正面図である。
拡大図である図4(c)および図4(f)に示されるように、雌継手11の係合用突条13の端部および雄継手21の係止用突条23の端部に、それぞれテーパー16、26を形成することで、嵌合がスムーズに行われるようにしている。
また、図4の実施形態は、セグメント間継手の継手面が傾斜している場合を想定しており、そのため、雌継手11および雄継手21の平鋼板12、22をセグメントの曲率に近づくように中間で曲げ加工してある。
また、図中、符号17は雌継手11の一対の平鋼板12どうしをつないでいるつなぎ材であり、平鋼板12どうしの間隔を一定の間隔に保持している。
図5は、本発明で用いられるフック継手の他の例を示したものである。
図5(a)は雌継手11および雄継手21のフック形状を曲げ加工により製作した場合を示したものである。すなわち、雌継手11については鋼板12aの一端を溝状に曲げ加工して係合部13aを形成したものを2枚重ね合わせ、重ね合わせた2枚の鋼板12aの両側部にアンカー筋14を溶接している。
一方、雄継手21についても鋼板22aの一端をフック状に曲げ加工して係合部23aを形成したものを2枚重ね合わせ、重ね合わせた2枚の鋼板22aの両側部にアンカー筋24を溶接している。
このフック継手としての基本形態は、背景技術の項で述べた特許文献1記載のものと同じである。ただし、本発明では、嵌合状態において、雄継手21の係合部23aと雌継手11の係合部13aどうしが対向する位置に所定幅の隙間Pが生ずるようにしている。
図5(b)は図1の実施形態におけるアンカー筋の代わりに支圧板24bを用いた場合の嵌合状態を示したものである。なお、雌継手11は仮想線で示している。
この例では、支圧板24bを平鋼板22bの端部に溶接し(溶接部18)、セグメントのコンクリートに定着されるようにしている。この場合も隙間Pが生ずるようにする。
図5(c)は、図5(b)の実施形態に対し、係合用突条23cおよび支圧板24cを含めた雄継手21全体を鋳物により一体成形した場合である。雌継手11は仮想線で示しているが、雌継手11も鋳物とすることができる。なお、雌継手11と雄継手の一方を鋳物、他方を鋳物以外とすることも可能である。その他、本発明において、フック継手自体の形態は特に限定されない。
図6は、請求項に係る発明の一実施形態における要部を示したもので、(a)は雄継手の突出部の正面図、(b)はその水平断面図、(c)は同じく垂直断面図である。
符号51は型枠の端板を示し、セグメントの製造にあたり、コンクリート中に埋め込まれる雄継手21の設置位置に、雄継手21の突出を許容するための貫通孔52を設けてある。
この貫通孔52の外側には、雄継手21の突出部を支持する支持部材53と、この支持部材53を端板51に固定するための固定部材54とがボルト55により取り付けられている。
支持部材53は、この例では背面側から4本のボルト56により固定部材54と接合されているが、支持部材53と固定部材54との間に、板状の間隔調整材57を挟み込むようにしてあり、この間隔調整材57の厚みを、前述した雄継手21の係合用突条23と、雌継手11の係合用突条13(図1参照)どうしの隙間Pの大きさに応じて選択することで、所定幅の隙間Pが生ずるように、型枠中の雄継手21の位置を調整し、保持することができる。
次に、本発明の接合構造において、セグメント間継手の継手面が傾斜している場合の性能を確認するために行った継手曲げ実験について説明する。
図7は、実験方法の概要を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。実験に用いたセグメントはB型セグメントとK型セグメントであり、載荷される支点中央に継手が位置するように、B型セグメントをカットした。雄継手の係合部と雌継手の係合部との間の隙間は1.5mmに設定した。
継手で接合された円弧状の供試体は、横向きに寝かせ、図7(a)に示されるように2点で水平方向に載荷し、継手部にモーメントを与えた。支持スパンは2073mm、載荷スパンは600mmとした。
また、継手面が傾斜しているため(軸方向にテーパー288mm)、載荷すると軸方向に動くことが予想されたので、リング面に添接板(図示省略)を設けて移動を防止した。継手の形態は、前述した図4(g)〜(j)に示したものである。
荷重はロードセルで計測し、セグメントの変位は12箇所に取り付けた変位計により、継手目開きは6箇所に取り付けたπゲージにより、2つの雄継手および2つの雌継手のひずみは、それぞれ4点に取り付けたひずみゲージにより計測した。
図8は、モーメント(縦軸)と鉛直変位(横軸)の関係を示したグラフであり、設計モーメント7.8kN・mの前後では、モーメントと鉛直変位の関係がほぼ直線となっており、クラック発生時のモーメントが16.9kN・mであり、セグメントの継手性能としては問題ないことが確認された。
図9は、モーメント(縦軸)と回転角(rad)の関係を示ししたグラフである。本実験の供試体は、継手面が傾斜し、雄継手および雌継手を構成する平鋼板を中間で曲げ加工してある場合であり、条件的に厳しくなっているが、目開きと関連する回転角についても実用上、全く問題がないことが確認された。
1…セグメント、2…開口部、
11…雌継手、12…平鋼板、13…係合用突条、14…アンカー筋、15…溶接、16…テーパー、17…つなぎ材、
21…雄継手、22…平鋼板、23…係合用突条、24…アンカー筋、25…溶接、26…テーパー、
31…雌継手(リング間継手)、41…雄継手(リング間継手)、
51…端板、52…貫通孔、53…支持部材、54…固定部材、55…ボルト、56…ボルト、57…間隔調整材

Claims (6)

  1. シールドトンネルを構成するセグメントリングにおけるセグメント間の接合を行う接合構造であって、接合すべきセグメントの一方のセグメントの継手面から突出し、先端部にトンネル軸方向に延びるフック状の係合部を有する雄継手と、他方のセグメントの継手面の内側に前記雄継手の係合部が係合する係合部を有する雌継手とからなり、セグメントをトンネル軸方向へ移動させることで、前記雄継手のフック状の係合部が前記雌継手の係合部と係合し、セグメントリング内のセグメントどうしの接合を行えるようにしたセグメントの接合構造において、前記雄継手は、平鋼板と、該平鋼板をセグメントに定着させるためのアンカー筋と、該平鋼板の前記セグメント継手面側の両面に溶接された矩形断面の鋼材からなる一対の係合用突条とからなり、前記雌継手は、対向する一対の平鋼板と、該平鋼板をセグメントに定着させるためのアンカー筋と、該平鋼板どうしの対向面のセグメント継手面側に溶接された矩形断面の鋼材からなる一対の係合用突条とからなり、前記セグメントの継手面どうしを密着させたとき、前記雄継手の係合部と前記雌継手の係合部どうしが対向する位置に所定幅の隙間が生ずるようにしたことを特徴とするセグメントの接合構造。
  2. 前記所定幅の隙間が、2.0mm以下であることを特徴とする請求項1記載のセグメントの接合構造。
  3. 前記雄継手の係合用突条と前記雌継手の係合用突条は、それぞれの軸線を互いに接合されるセグメントの継手面に対し所定角度傾斜させ、係合の際に相互の間隔が徐々に狭まるように構成してあることを特徴とする請求項1または2記載のセグメントの接合構造。
  4. 前記雄継手のアンカー筋は、前記平鋼板の両側部に溶接されており、前記雌継手のアンカー筋は、該雌継手を構成する前記一対の平鋼板それぞれの両側部に溶接されていることを特徴とする請求項1、2または3記載のセグメントの接合構造。
  5. 前記雄継手の係止用突条の少なくとも一方の端部または前記雌継手の係合用突条の少なくとも一方の端部にテーパーが形成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のセグメントの接合構造。
  6. 請求項1〜の何れかに記載のセグメントの接合構造に用いるセグメントを製造するための型枠であって、該型枠を構成する端板の前記雄継手設置位置に、雄継手の突出を許容するための貫通孔を有し、該貫通孔の外側に前記雄継手の突出部を支持する支持部材と、該支持部材を前記端板に固定するための固定部材とが設置されており、前記支持部材と前記固定部材との間に、間隔調整材を挟み込めるようにし、前記間隔調整材の厚みを前記隙間の大きさに応じて選択することで、前記セグメントの継手面どうしを密着させたときの前記雄継手の係合部と前記雌継手の係合部どうしが対向する位置に生ずる隙間の幅を調整できるようにしたことを特徴とする型枠。
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