JP5097642B2 - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents

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本発明は走査形電子顕微鏡に関し、特に極低照射電圧かつ高分解能観察において信号の弁別機能を有する高効率検出系を有した走査形電子顕微鏡に関する。
走査形電子顕微鏡は電子源から放出された電子を加速し、静電レンズ、あるいは磁界形レンズで収束させ、細い電子ビーム(一次電子線)とし、この細い一次電子線を走査偏向器を用いて観察する試料上を走査し、照射した一次電子線によって試料から二次的に発生する信号を検出し、信号強度を一次電子ビーム走査と同期して記録することにより二次元の走査像を得る装置である。
一次電子線の照射によって試料からは広いエネルギー分布を持つ電子が発生する。試料に入射した一次電子線の一部は試料表面近傍の原子により弾性散乱される。これは反射電子(BSE,Back Scattered Electron)と呼ばれ、一次電子線と同じエネルギーを上限とする高いエネルギーを有する。反射電子は試料の組成により強度や散乱方向が変化するため、組成分布の観察に適している。
また、一次電子線の一部は試料内の原子と相互作用し、試料中の電子が運動エネルギーを得て試料から放射される。これは二次電子(SE,Secondary Electron)と呼ばれ、50eV以下、平均的には10eV程度までのエネルギーを有する。二次電子は試料深部からの脱出が困難であるため、試料表面の情報を主に持っていると考えられ、表面形状,試料電位分布の観察に適している。
近年、電子線照射による試料へのダメージ低減や最表面情報の取得を目的として、1kV以下の極低加速電圧での観察が重用されるようになってきている。
しかし、低加速電圧でレンズを通過する場合、電子線エネルギーのばらつきに起因する色収差によって分解能が低下する。従って磁界レンズに加えて一次電子線を減速する電界を重畳して一次電子線を収束する減速法(リターディング法とも称する)を用いることが多い。
減速法は、例えば試料を搭載する試料台に負電圧(リターディング電圧)を印加することにより光軸上に静電レンズを作成し、この静電レンズによって一次電子線を減速することで達成される。
この減速法では、一次電子線の減速に用いる静電レンズによって、試料から放射されるSE,BSEは逆に加速されるという特徴がある。
試料に負電圧を印加する減速法を用いた極低加速観察において、二次電子と反射電子を分離してSEM像を得る手法について、特許文献1,特許文献2に開示されている。
特許文献1には、試料と走査装置の間に偏向器を設け、二次電子と反射電子の軌道の分離位置に開口を設けるなどして両者を分離してSEM像を得る方法が開示されている。
特許文献2には、一次電子線の減速電界で加速された二次電子,反射電子を再度減速した上で、光軸と垂直方向に印加した電磁界で分離検出する方法が開示されている。
特開平11−67139号公報 WO99/46798号公報
上記文献に開示された技術によれば、試料に負電圧を印加する減速法を用いた極低加速観察においてSE/BSEを弁別して検出することが可能であるが以下のような問題がある。
特許文献1は半導体製造時のプロセス管理に用いる走査形電子顕微鏡を想定しており、コンタクトホールの観察やラインアンドスペースの線幅測長に関するものである。従って、試料からの二次電子,反射電子は半導体加工の形状に制限されるため、光軸方向の一定範囲(実施例では20度以内の例を図示)で試料から放射されると想定している。したがって、高アスペクト比の半導体の試料観察用途以外に使用する際には二次電子と反射電子の軌道が当該特許に記載されているように分離しないという問題がある。
また、特許文献2においてエネルギー差の少ない信号電子を弁別するためにはメッシュ使用が不可欠で、検出効率を犠牲にせざるを得ないという問題がある。
さらに近年では、減速法を用いた極低加速観察において、一次電子線の減速に用いる静電レンズの強度を強める、即ち試料台に印加する負電圧の大きさを大きくして観察したいというニーズがある。このような場合、光学条件の変更により、二次電子の軌道が変わり、検出器に入射しないという問題がある。上記特許文献1,2でもこの問題を解決できない。
本願発明は、上記問題に鑑み、リターディング電圧を変化させた場合でも、効率よく二次電子を検出することができる走査電子顕微鏡を提供することにある。
上記の課題を達成するために、電子源と、該電子源から発生した一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記試料を搭載するステージと、一次電子線の照射により試料から発生した二次電子及び反射電子を検出する複数の検出器と、前記ステージに電圧を印加する電源と、を有する走査形電子顕微鏡において、当該電子顕微鏡は、少なくとも2つの変換電極、及び電界及び磁界を発生させる偏向器を備え、前記ステージに印加する負の電圧の大きさを大きくするとともに、前記偏向器が発生する電界の大きさを大きくし、前記試料から発生した二次電子が、前記変換電極のうち、試料側に近い第1の変換電極に設けられた穴を通過し、前記変換電極のうち、電子源側に近い第2の変換電極に衝突するように、前記電界の大きさを制御する走査電子顕微鏡を提供する。
また、電子源と、該電子源から発生した一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記試料を搭載するステージと、一次電子線の照射により試料から発生した二次電子及び反射電子を検出する複数の検出器と、前記ステージに電圧を印加する電源と、を有する走査形電子顕微鏡において、当該電子顕微鏡は、少なくとも2つの変換電極、及び電界及び磁界を発生させる偏向器を備え、前記変換電極のうち、試料側に近い第1の変換電極に設けられた穴の大きさが、一次電子線の開き角より大きく、前記変換電極のうち、電子源側に近い第2の変換電極に設けられた穴が、前記偏向器により偏向された二次電子の離軸量より小さいことを特徴とする走査電子顕微鏡を提供する。
上記構成によれば、リターディング電圧を変化させた場合でも二次電子を効率よく検出することができる。
また、極低照射電圧かつ高分解能で試料を観察する際、一次電子線の照射によって発生する二次信号のうち、二次電子と反射電子を分離して検出することが可能になる。
図1に本発明の一実施例の概略図を示す。対物レンズ4のレンズギャップが下方に向かって開放されている対物レンズ(セミインレンズ)を採用し、試料に負電圧を印加して対物レンズ−試料間で一次電子線を減速する減速法を併用した走査形電子顕微鏡において本発明の説明をする。
本例ではセミインレンズ型の対物レンズで構成された例を示したが、レンズの形状はセミインレンズ型に限らず発明の効果は同じである。
電子源1より発生した一次電子線2は、二段に配置された偏向器3a,3bによって走査され、対物レンズ4,減速電圧印加機構5によって試料6上に収束される。対物レンズは接地電位になっているため、一次電子線2は減速電圧印加機構5によって対物レンズと試料の間に発生した電界により減速されるため、試料に照射されるときには対物レンズを通過したときよりも低速になっている。一次電子線2の照射によって試料6からは二次電子20および反射電子21が発生する。
反射電子21は一次電子線が試料に照射される時のエネルギーとほぼ等しい。
本実施例では、照射電圧(Vi)を100eV、減速電圧印加機構5によって試料に印加する電圧(Vr、以下リターディング電圧と略する)を−1500Vとおいた場合について説明するが、照射電圧,リターディング電圧を変更しても発明の効果は同じである。
反射電子21は対物レンズと試料の間に発生した電界により加速されるため、対物レンズより上を通過する際は1600eVのエネルギーを持っていることになる。このとき、反射電子21の速度は、対物レンズと試料の間に発生した電界での加速によるビーム光軸方向の速度と、試料上で発生した時の速度との加算である。従って、ビーム光軸と垂直方向の速度成分は試料上で発生した時の速度のうちビーム光軸と垂直方向の速度成分を維持しているのみで、その最大値は100eV相当の速度である。
一方、そのときのビーム光軸と平行方向の速度成分はリターディング電圧に相当する速度であるので、速度加算による最大の開き角は本例では100/1500=0.067rad(3.8°程度)となる。反射電子21は電子源1方向に進行し、下部検出電極7に到達する。
反射電子21の一部は下部検出電極7に衝突する。反射電子衝突のエネルギーによって、下部検出電極7の表面からは再発生した二次電子22が放出される。再発生した二次電子22は磁界偏向コイル10a,10bによってもたらされる磁界、及び静電偏向電極である多孔電極11aと対向電極11bによってもたらされる電界が重畳された電磁界により多孔電極11aの側に導かれる。多孔電極11aの外側に配した二次電子検出器12は前面に正の高電圧を印加してある。再発生した二次電子22は二次電子検出器12前面に印加した電圧に起因する電界によって多孔電極11aの穴を通過して加速され、二次電子検出器12に捕捉される。
このようにして、二次電子検出器12で反射電子21に起因する信号を検出する。二次電子検出器12で検出した信号や図示していないその他の検出器からの信号を信号処理手段13によって選択したり合成したりした上で表示装置15に表示する。
磁界偏向コイル10a,10b,多孔電極11aと対向電極11bでは一次電子線2の軌道に影響を与えずに再発生した二次電子22を検出器方向に導くよう、電界と磁界を直交して印加する(この直交電磁界による偏向器を以下ExBと略する)。一次電子線2軌道に影響を与えない直交電磁界の印加手法についてはたとえば前記引用文献1に詳細に記載されている。
多孔電極11aと対向電極11bとの間に±Ve(V)の電位差を与えて電界Exを発生させると、加速電圧Vaccにより速度Vzをもつ電子線104は静電気力およびローレンツ力F1=−e(Ex+Vz・By)を受ける。F1=0を満足するように電圧VeあるいはBy(電界Exと直交する磁界)を発生するコイル電流量を調節する。
このとき、反射電子21および二次電子20は、それぞれ角度
θb=Ex・L/Vacc (式1)
および
θs=Ex・L(1+√(Vr/Vacc))/(2Vr) (式2)
だけ偏向される。ここで、Lは電極長である。
一方、F1=0となるように静電気力とローレンツ力をバランスさせて制御するので、一次電子線2は偏向作用を受けずに直進する。すなわち、
F1=−e(Ex+Vz・By)=0 (式3)
を満たして制御すれば、一次電子線に影響を与えずにExBを動作させることができる。
本実施例における偏向角度を具体的な数値を代入して検討してみる。Vr=1500V,Vacc=Vr+Vi=1600V,Ex=500V/m,L=20mmとおくと、θb=0.063rad(3.6°程度),θs=0.0066rad(0.37°程度)である。
二次電子20のエネルギーは50eV以下で平均的には3eV程度といわれている。散乱強度分布はcosθに比例するとされている。θは試料表面と垂直となる線となす角である。二次電子20は対物レンズと試料の間に発生した電界により加速される。二次電子20は対物レンズより上方では1500eVから1550eV、平均的には1503eV程度のエネルギーである。このときの二次電子20の開き角は3/1500=0.002rad(0.11°程度)である。開き角0.002radは一次電子線2の開き角と同等以下であり、下部検出電極7の中央部に設けた一次電子線2通過用の穴は二次電子20の分布径より大きく設計される。従って、二次電子20は下部検出電極7に衝突することなく、さらに上方に進行する。
この際、ExBにより二次電子20は偏向される。偏向角は(式2)で計算でき、本例では0.0066radである。軌道中心がExBによって0.0066rad偏向された後、二次電子20は電子源1方向へと導かれる。二次電子20の大半は上部検出電極8に衝突する。
二次電子20は一次電子を減速した電界によって加速されており、上部検出電極8に衝突するときは1503eV程度のエネルギーを有している。従って、二次電子20衝突のエネルギーによって、上部検出電極8の表面からは再発生した二次電子23が放出される。二次電子検出器14は前面に正の高電圧を印加してある。再発生した二次電子23は二次電子検出器14前面に印加した電圧に起因する電界によって加速され、二次電子検出器14に捕捉される。このようにして、二次電子検出器14で二次電子20に起因する信号を検出する。
本実施例において二次電子20が上部検出電極8に衝突する割合について、具体的な数値を代入して検討してみる。先に偏向角を算出したときの前提に加えて、試料6から下部検出電極7までの距離を50mm,下部検出電極7から上部検出電極8までの距離を100mmとする。また、上部検出電極8の中央にあけた一次電子線2通過用の穴径を直径1mmとする。二次電子20の中心位置は、偏向角θ=0.0066radと、ExBの中心位置から上部検出電極8までの距離との積で与えられる距離だけ一次電子線2の光軸から離れている。すなわち本例においては一次電子線2の光軸から0.72mm離れている。また、二次電子20の分布範囲の半径は開き角0.002radと試料6から上部検出電極8までの距離150mmの積で計算される。すなわち、二次電子20は半径0.3mmの範囲内に分布するのみである。
上部検出電極8への二次電子20の衝突位置と一次電子線2通過用の穴の位置関係を図3に示す。二次電子の大半は、図3の3eV程度に収まるので、二次電子20はその大半が上部検出電極8へ衝突しており、電極上で二次電子23を再発生させ、二次電子20に起因する信号は二次電子検出器14で高効率に検出される。このように上部検出電極8の中央部に設けた一次電子線2通過用の穴径を二次電子の離軸量より小さく設計することで高効率な二次電子検出が可能となる。
反射電子21の一部も上部検出電極8に衝突し、同様に二次電子検出器14で反射電子21に起因する信号が検出されるが、その大半は二次電子20に起因する信号である。その理由として次の2点が挙げられる。
1点目は、二次電子20の発生量は反射電子21に比べて多いことである。
2点目は、反射電子21が上部検出電極8に到達した時点での反射電子21ビームの径は二次電子20ビームの径と比べて大きいため、到達前に下部検出電極7や鏡筒の内部構造物(図示せず)と衝突し、上部検出電極8まで届く割合は多くないことである。本例における数値代入では反射電子21の下部検出電極7上での分布の半径は3.3mm,上部検出電極8上での分布範囲の半径は10mmとなる。
二次電子検出器14で検出した信号や図示していないその他の検出器からの信号を信号処理手段13によって選択したり合成したりした上で表示装置15に表示する。
すなわち、上下二段に反射電極を設け、試料と上部反射電極との間に偏向器を設けることにより、二次電子と反射電子を弁別検出し、なおかつ高効率な二次電子検出ができる走査形電子顕微鏡を構成できる。
本実施例では反射電極と二次電子検出器の組み合わせで信号電子の情報を検出する例を示したが、この組み合わせに代えて、反射電極位置にシンチレータを設け、シンチレータ内の発光をライトガイドで光電増倍管に導く構成に変更しても同様の効果が期待できる。また、反射電極と二次電子検出器の組み合わせに代えて表面障壁の薄い半導体検出器によって信号電子を直接検出する構成に変更しても同様の効果が期待できる。
また、ExB検出器を下部検出電極7上で再発生した二次電子22の牽引用の偏向器としても用いたが、設置位置は試料6と上部検出電極8の間にあれば本発明を構成可能である。
図4はリターディング電圧に伴ってExBで発生させる電界を増加させる実施例に関する図である。
図1に示した実施例と同じ配置の電子顕微鏡において、リターディング電圧だけ−2500Vに変更すると、二次電子20は、一次電子線2の光軸から0.43mm離れた位置を中心とした半径0.18mmの範囲内に分布する。これは上部検出電極8の中央にあけた一次電子線2通過用の穴(直径1mm)の中にほとんど位置するため、二次電子20はほとんど上部検出電極8へ衝突しない。
図4左のカラム上図には、現行の制御方法に関する偏向電界と偏向磁界との関係が示されている。当該図では、リターディング電圧を大きくしたときに、ExBの偏向電極に印加される電圧を一定に維持した状態にて、偏向コイルによってもたらされる磁場と変化させた状態を示している。このとき、二次電子及び反射電子の変更角度を図4左のカラム下図に示す。この図からわかるように、偏向角度がリターディング電圧の上昇とともに変化している。つまり、二次電子が一次電子線通過用の穴を通過してしまい、上部検出電極に衝突しないこととなる。
すなわち、図1に示した実施例ではリターディング電圧を増大させる場合、二次電子検出効率の維持のために内部構造の寸法を見直す必要がある。本例は内部構造の寸法を見直すことなく、リターディング電圧を増大させても二次電子検出効率を維持するものである。
本例では、リターディング電圧の増大に対し二次電子20のExBによる偏向角θsを維持するようにExBを制御する。また同時に、一次電子線2の軌道に影響を与えない条件(式3)も満たすようにする制御条件を(式4,5)に示す。
Ex=θs・Vr/L (式4)
By=Ex/Vz (式5)
この制御条件に基づき、図1に示した実施例と同じ配置の電子顕微鏡を制御した場合のExBの電界強度と磁界強度を図4中央のカラム上図に示す。
本実施例では、図4中央のカラム下図に示されるように、リターディング電圧を増大させても二次電子の偏向角度はほぼ一定であるため、二次電子検出効率を高いまま維持できる。図3ではリターディング電圧に比例して電界強度を制御する例を示したが、本偏向角度を下回らないよう、段階的にExBの電界強度を制御しても良い。さらに、図1に示した実施例に追記した変更についても同様の効果が期待できる。
図4右のカラム上図は一定以上のリターディング電圧の場合にExBで発生させる電界を増加させる実施例に関する図である。図4中央のカラム上図に示した実施例では、リターディング電圧が小さい場合、下部検出電極7で再発生した二次電子22を二次電子検出器12に導く電界強度が充分でない。従って、リターディング電圧があらかじめ決めた電圧以下の場合はExBの電界強度を一定に制御し、それ以上の場合は図4中央のカラム上図に示す実施例と同様に制御するものである。この制御条件に基づき、図1に示した実施例と同じ配置の電子顕微鏡を制御した場合のExBの電界強度と磁界強度を図4右のカラム上図に示す。
本実施例では、図4右のカラム下図に示されるように、電圧を変化させた領域では、リターディング電圧を増大させても二次電子の偏向角度はほぼ一定であるため、二次電子検出効率を高いまま維持できる。またリターディング電圧が低い場合でも、反射電子検出効率が低下しない利点がある。ExB電界強度の段階的な制御,検出器の構成など、図1に示した実施例に追記した変更例についても同様の効果が期待できる。
以上のように、本発明の実施例装置によれば、減速法を用いた極低照射電圧条件においても、信号の弁別機能を有する高効率検出系を持った走査形電子顕微鏡が構成できる。
本発明に係る走査形電子顕微鏡の構成例。 ExBによる二次電子20の偏向動作を示した図。 二次電子20の上部検出電極8への衝突範囲を示した図。 リターディング電圧に伴ってExBで発生させる電界を変化させる実施例。
符号の説明
1 電子源
2 一次電子線
3a,3b 偏向器
4 対物レンズ
5 減速電圧印加機構
6 試料
7 下部検出電極
8 上部検出電極
10a,10b 磁界偏向コイル
11a 多孔電極
11b 対向電極
12,14 二次電子検出器
13 信号処理手段
15 表示装置
20 二次電子
21 反射電子
22 試料からの反射電子起因で再発生した二次電子
23 試料からの二次電子起因で再発生した二次電子

Claims (4)

  1. 電子源と、
    該電子源から発生した一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、
    前記試料を搭載するステージと、
    一次電子線の照射により試料から発生した二次電子及び反射電子を検出する複数の検出器と、
    前記ステージに電圧を印加する電源と、
    を有する走査形電子顕微鏡において、
    当該電子顕微鏡は、少なくとも2つの変換電極、及び電界及び磁界を発生させる偏向器を備え、
    前記ステージに印加する負の電圧の大きさを大きくするとともに、前記偏向器が発生する電界の大きさを大きくし、
    前記試料から発生した二次電子が、前記変換電極のうち、試料側に近い第1の変換電極に設けられた穴を通過し、前記変換電極のうち、電子源側に近い第2の変換電極に衝突するように、前記電界の大きさを制御すること
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 請求項1の走査電子顕微鏡において、
    前記ステージに印加する負の電圧の大きさに応じて、前記偏向器が発生する電界の大きさを変化させない領域と変化させる領域を設けること
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
  3. 請求項1又は2の走査電子顕微鏡において、
    前記偏向器は、前記第2の変換電極より試料側に配置されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 請求項1において、
    前記偏向器が発生する磁場の大きさは、電場の大きさと所定の関係を保って変化されること
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
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