JP5096865B2 - 光学フィルム、およびその製造方法 - Google Patents

光学フィルム、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5096865B2
JP5096865B2 JP2007269266A JP2007269266A JP5096865B2 JP 5096865 B2 JP5096865 B2 JP 5096865B2 JP 2007269266 A JP2007269266 A JP 2007269266A JP 2007269266 A JP2007269266 A JP 2007269266A JP 5096865 B2 JP5096865 B2 JP 5096865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
solvent
optical film
integer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007269266A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009080440A (ja
Inventor
敏行 飯田
智之 平山
裕 大森
美由紀 黒木
永恵 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007269266A priority Critical patent/JP5096865B2/ja
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to KR1020087032201A priority patent/KR101029227B1/ko
Priority to CN2008800007427A priority patent/CN101542339B/zh
Priority to US12/439,795 priority patent/US20100304110A1/en
Priority to PCT/JP2008/064993 priority patent/WO2009031417A1/ja
Priority to TW097132931A priority patent/TWI414832B/zh
Publication of JP2009080440A publication Critical patent/JP2009080440A/ja
Priority to US13/530,351 priority patent/US20120263871A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5096865B2 publication Critical patent/JP5096865B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/04Coating
    • C08J7/042Coating with two or more layers, where at least one layer of a composition contains a polymer binder
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • C08J2367/03Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds the dicarboxylic acids and dihydroxy compounds having the hydroxy and the carboxyl groups directly linked to aromatic rings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid

Description

本発明は、液晶表示装置の光学補償等に用いられる光学フィルム、および当該光学フィルムを含有する光学積層体、ならびにその製造方法に関する。また、本発明はこれらを製造するための樹脂溶液に関する。さらに、本発明は、これら光学フィルムおよび/または光学積層体を用いた偏光板ならびに、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に関する。
従来より、液晶表示装置の光学補償等を目的として、複屈折を有するポリマー材料が用いられている。このような光学補償材料としては、例えば、プラスチックフィルムを延伸する等して複屈折を付与したものが広く用いられている。また、近年、芳香族ポリイミドや、芳香族ポリエステルなどの、高複屈折発現性ポリマーを基材上に塗布した光学補償材料が開発されている(例えば特許文献1、2参照)。
このような芳香族ポリマーは、耐熱性や機械的強度に優れるという特徴を有する一方、有機溶媒に対する溶解性に乏しい傾向がある。そのため、芳香族ポリマーを主成分とする光学フィルムは、一般には、該ポリマーを、極性の大きい、すなわち溶解性の高い溶媒に溶解させて樹脂溶液とした後、該樹脂溶液を金属ドラムや金属ベルト、あるいは基材フィルム等の上に塗工し、乾燥させて製膜される。しかしながら、このような製膜方法では、該ポリマーを溶解できる溶媒の選択肢が限られるため、乾燥条件が制限されたり、高価な設備が必要となったりする場合があった。また、塗工に用いられる基材は溶媒に溶解しないことを要するため、使用可能な基材が制限されていた。このような観点から、トルエン等の極性が低い溶媒に可溶であり、かつ、光学補償材料として機能しうる複屈折発現性を備えるポリマーの開発が求められている。
WO94/24191国際公開パンフレット 特開2004−070329号公報
本発明は、溶解性の高い芳香族ポリマーを含有する光学フィルム、およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記光学フィルムを用いた光学積層体、偏光板、ならびに画像表示装置を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造のポリエステルを含有する光学フィルムによって上記課題を解決し得ることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するエステル系ポリマーを含有する光学フィルムに関する。

(A及びBは、それぞれ置換基を表し、a及びbは、対応するA及びBの置換数(0〜4までの整数)を表す。
A及びBは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。
Dは、共有結合、CH基、C(CH基、C(CZ基(ここで、Zはハロゲンである。)CO基、O原子、S原子、SO基、Si(CHCH基、及びN(CH)基からなる群から選択される少なくとも1種の原子又は基を表す。
R1は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
R2は、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
p1は0〜3までの整数を、p2は1〜3までの整数を表す。
nは2以上の整数を表す。)
本発明の光学フィルムにおいては、前記一般式(I)における、R1がメチル基であり、かつ、R2が炭素数2〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基であることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムにおいては、前記エステル系ポリマーが、化学構造中にハロゲン原子を有さない非ハロゲン化エステル系ポリマーであることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムにおいては、前記エステル系ポリマーが、トルエン又はキシレンに可溶であることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムにおいては、波長400nmにおける透過率が、90%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムは、厚みが20μm以下であることが好ましい。
さらに、本発明の光学フィルムは、フィルム厚み方向の屈折率(nz)が、フィルム面内の屈折率の最大値(nx)よりも小さいことが好ましい。
また、本発明は、前記光学フィルムの製造に適した樹脂溶液に関する。本発明の樹脂溶液は、溶媒100重量部中トルエンを50重量部以上含有する溶媒に、前記エステル系ポリマーが溶解しているものであることが好ましい。
また、本発明は前記光学フィルムと、ポリマー基材とが密着積層されてなる光学積層体に関する。
さらに、本発明は、前記光学フィルム又は前記光学積層体と、偏光子とを含む偏光板に関する。
さらに、本発明は、前記光学フィルム、前記光学積層体、前記偏光板の少なくともいずれか1つを含む画像表示装置に関する。
また、本発明は、
前記一般式(I)で表されるエステル系ポリマーと、溶媒とを含む樹脂溶液を調製する工程、および
該樹脂溶液を、ポリマー基材の表面に塗布して、乾燥させ、該ポリマー基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、
を含む光学フィルムの製造方法に関する。
さらに、本発明は、
前記一般式(I)で表されるエステル系ポリマーと、溶媒とを含む樹脂溶液を調製する工程、および
該樹脂溶液を、ポリマー基材の表面に塗布して、乾燥させ、該ポリマー基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、
を含む光学積層体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、
前記一般式(I)で表されるエステル系ポリマーと、溶媒とを含む樹脂溶液を調製する工程、
該樹脂溶液を、基材の表面に塗布して、乾燥させ、該基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、および
該フィルムを別のポリマー基材に転写する工程、
を含む光学積層体の製造方法に関する。
前記光学フィルム、または前記光学積層体の製造方法においては、前記溶媒は、溶媒100重量部中トルエンを50重量部以上含有することが好ましい。
本発明の光学フィルムは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するエステル系ポリマーを含むことを特徴とする。
上記一般式(I)において、A及びBは、それぞれ置換基を表し、a及びbは、対応するA及びBの置換数(0〜4までの整数)を表す。A及びBは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。Dは、共有結合、CH基、C(CH基、C(CZ基(ここで、Zはハロゲンである。)CO基、O原子、S原子、SO基、Si(CHCH基、及びN(CH)基からなる群から選択される少なくとも1種の原子又は基を表す。R1は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。R2は、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。p1は0〜3までの整数を、p2は1〜3までの整数を表し、nは2以上の整数である。
前記A,B,R1,R2が無置換アリール基である場合、その無置換アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、ビナフチル基、トリフェニルフェニル基等が挙げられる。また、前記A,B,R1,R2が置換アリール基である場合、前記無置換アリール基の水素原子のうち1つ以上が、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、シリル基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、フェニル基に置換されたもの等が挙げられる。また、前記ハロゲン(Z)としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記一般式(I)においては、R1がメチル基であり、かつ、R2が炭素数2〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基であることが好ましく、R2がエチル基又はイソブチル基であることが特に好ましい。R1及び/又はR2のアルキル基の炭素数が多すぎると、複屈折の発現性が低下したり、耐熱性(ガラス転移温度)が低下したりする場合がある。また、例えば、R1、R2の両者がメチル基である場合のように、炭素数が少ない場合は、溶剤に対するポリマーの溶解性が低下し、トルエンやキシレン等の低極性溶媒を用いて製膜することが困難となる場合がある。このように、置換基の炭素数によって溶解性が異なる原因は定かではないが、R1およびR2に由来する立体障害によって、芳香族環同士のスタッキングが解消されるためであると推定される。
本発明においては、上記エステル系ポリマーは、環境負荷低減の観点から、化学構造中にハロゲン原子を有さない非ハロゲン化エステル系ポリマーであることが好ましい。従来、芳香族ポリマーには、溶剤に対する可溶性の付与等を目的として、ポリマー構造中にハロゲン原子が用いられることが多かったが、ハロゲン原子を有するポリマーは、燃焼時に低温で処理するとダイオキシン類を発生しやすい等、環境負荷が問題となる場合があった。それに対して、本発明の光学フィルムに用いられるエステル系ポリマーは、前述のごとく、R1およびR2に特定の組合せを適用することで、化学構造中にハロゲン原子を含まずとも、溶剤に対する高い溶解性を有し得る。
なお、上記エステル系ポリマーは、一般式(I)において、R1,R2,A,B,D,a,b,pが異なるモノマー単位を有するもの、すなわち、共重合体であってもよい。
また、溶剤に対する溶解性と複屈折発現性を両立する観点からは、上記一般式(I)において、Dが共有結合であり、p1=0、p2=1であること、すなわち、ポリマーが、下記一般式(II)で表される構造を有することが好ましい。中でも、下記一般式(III)で表される酸成分としてテレフタル酸誘導体を用いるものや、下記一般式(IV)で表されるテレフタル酸誘導体とイソフタル酸誘導体を用いた共重合体の構造を有することが好ましい。特に、汎用溶剤に対する溶解性の観点からは、下記一般式(IV)で表される構造を有する共重合体が好ましい。
なお、上記一般式(II)ないし(IV)において、Aa及びBbならびにR1およびR2は、前記一般式(I)と同様である。また、R3、R4はそれぞれ、R1、R2と同様であり、B’b’はBbと同様であり、n、l、mは、いずれも2以上の整数である。また、上記一般式(IV)においては、便宜上、ポリマーをブロック共重合体で表しているが、ポリマーのシーケンスは特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合のいずれでもよい。
上記一般式(IV)で表されるポリエステルにおいて、酸成分のうちテレフタル酸誘導体由来構造の含有率、すなわち、l/(l+m)の値は、0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。l/(l+m)の値が過度に小さいと、溶解性には優れるものの、耐熱性が不十分になったり、複屈折発現性に劣ったりする場合がある。
本発明の光学フィルムに用いられるエステル系ポリマーは、上記一般式(I)〜(IV)で表される構造を含んでいれば、他の繰り返し単位を含有してもよい。エステル系ポリマーにおける、上記一般式(I)〜(IV)の構造の含有量は、本発明の目的とするポリマーの溶解性および、複屈折発現性を保持し得る範囲であれば特に制限されないが、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
上記エステル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、3,000以上であることが好ましく、5,000〜1,000,000であることがより好ましく、10,000〜500,000であることがさらに好ましく、50,000〜350,000であることが最も好ましい。分子量が過度に小さいと、フィルム強度が不十分となったり、高温環境に曝された場合に光学特性が大きく変化する場合がある。また、分子量が過度に大きいと、溶剤に対する溶解性が低下する等、光学フィルムの生産性に劣る場合がある。なお、Mwは後述の実施例に記載の測定方法より求めることができる。
ポリマーのガラス転移温度は特に制限されないが、光学フィルムの耐熱性の観点からは、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。また、成型性や、延伸等の加工性の観点からは、ガラス転移温度は300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムに用いられるエステル系ポリマーの製造方法は特に制限されず、公知の方法を用い得る。一般には、対応するビスフェノール化合物とジカルボン酸化合物もしくはその誘導体から重縮合させて得られる。
一般に重縮合方法としては、脱酢酸による溶融重縮合法、脱フェノールによる溶融重縮合法、ジカルボン酸化合物を酸ジクロライドとして有機塩基を用いポリマーが可溶となる有機溶媒系で行う脱塩酸均一重合法、ジカルボン酸ジクロライドとビスフェノールをアルカリ水溶液と水非混和性有機溶媒の2相系で重合する界面重縮合法、ビスフェノール化合物とジカルボン酸をそのまま用い、縮合剤を用いて反応系中で活性中間体を生成させる直接重縮合法など種々知られている。なかでも、透明性や耐熱性、高分子量化の観点から、界面重縮合法により重合することが好ましい。
界面重縮合法によってエステル系ポリマーを重合する場合は、モノマー(ビスフェノールおよびジカルボン酸クロライド)、有機溶媒、アルカリ、触媒等が用いられる。
ジカルボン酸クロライドとしては、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、フタル酸クロライド、4,4’−ジフェニルジカルボン酸クロライド等の無置換芳香族酸ジクロライドや、これらに、前記一般式(I)における、A、Bの例として示した置換基等を有するもの等が挙げられる。
ビスフェノールとしては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等が挙げられる。
重合反応に用いる有機溶剤としては、特に制限はないが、水との混和性が低く、かつ、エステル系ポリマーを溶解するものが好ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶剤、あるいは、アニソール等を好適に用いることができる。また、これらの溶剤を2種以上混合して用いることもできる。
アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。アルカリ使用量としては、一般にビスフェノールモノマーの2〜5モル倍(1〜2.5モル当量)である。
触媒としては、相間移動触媒を用いることが好ましく、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルホスホニウムクロライドなどの第4級ホスニウム塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6等の)ポリエチレンオキサイド化合物などを用いることができる。中でも、反応後の触媒の除去等の取り扱い易さの点でテトラアルキルアンモニウムハライド類が好適に用いられる。また、その他、必要に応じて、酸化防止剤や、分子量調整剤などを任意に使用できる。
エステル系ポリマーの分子量を調整する方法としては、水酸基とカルボキシル基の官能基比を変えて重合する方法や、分子量調整剤として一官能の物質を重合時に添加する方法を挙げることができる。ここでいう分子量調整剤として用いられる一官能物質としては、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどの一価フェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどの一価酸クロライド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの一価のアルコール類などが挙げられる。また、重合反応後に一価酸クロライドを反応させることで末端フェノールの封止を行うことができる。末端封止を行うことでフェノールの酸化着色を抑制することが可能であり、好ましく使用できる。また、重合中に酸化防止剤を併用することもできる。
界面重縮合反応を用いる場合、重合反応後は水相および有機相の混合状態であり、ポリマー、有機溶媒、水以外に、触媒や残存モノマー等の不純物を含有する。一般にハロゲン溶剤を用いた界面重縮合を実施した場合、水溶性不純物を除去する方法として水相を分離、除去する分液操作を繰り返して水洗する方法が取られる。また、水洗後、必要に応じてアセトン、メタノールなどのポリマーの貧溶媒となる水混和性有機溶媒を用いて再沈殿を行う場合がある。水混和性有機溶媒を用いて再沈殿を行うことで脱水、脱溶媒ができ、粉体として取り出すことが可能となり、さらにビスフェノール化合物のような疎水性不純物も低減できる場合が多い。
ここでいうポリマーの貧溶媒である水非混和性有機溶媒としては、水との相溶性が低く、かつ、前記エステル系ポリマーを0.5重量%以上溶解しない溶媒を用いることが好ましい。また、加熱乾燥により容易に除去可能という観点において、沸点は120℃ 以下であることがより好ましい。このような溶媒の好ましい例としては、ポリマーの種類によって溶解性が異なるため一概には言えないが、シクロヘキサン、イソホロンなどの炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。
界面重縮合反応時のモノマー仕込み濃度、および後処理時のポリマー濃度は高い方が生産性に優れており好ましい。界面重縮合反応濃度は、水相および有機相も含めた反応後の総液量に対するポリマー量が1重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、5重量%以上であることがさらに好ましい。
反応温度は特に制限はないが、好ましくは、−5℃〜50℃、より好ましくは5℃〜35℃、特に好ましくは、10〜30℃の室温付近である。反応温度が上記の範囲であれば、反応中の粘度、温度のコントロールがしやすく、加水分解や酸化着色などの副反応も少なくなる。
また、副反応を抑制するために、重合反応に伴う発熱を考慮して、あらかじめ反応温度を低く設定しておくことも可能であり、反応進行を徐々に進めるためにアルカリ溶液やジカルボン酸ジクロライドを徐々に添加したり、溶液を滴下することもできる。このようなアルカリ溶液やジカルボン酸ジクロライドの添加方法は、10分以内など短時間で添加してもよいが、発熱を抑制するためには10分〜120分で添加することが好ましく、15〜90分で添加することがより好ましい。また、酸化着色を抑制する目的で、窒素などの不活性ガス雰囲気下で反応を進行させることが好ましい。
アルカリ溶液やジカルボン酸ジクロライドを添加した後の反応時間は、モノマーの種類やアルカリの使用量、あるいはアルカリの濃度にもよるため、一概には言えないが、一般に、反応時間は10分〜10時間であり、30分〜5時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましい。
このようにして得られたエステル系ポリマーは、界面重縮合反応を終了した後、分液、水洗を行い、そのまま樹脂溶液として用いても良く、貧溶媒を用いて粉体化して用いてもよい。また、環境負荷の観点から、本発明のポリエステルのポリエステルは、ハロゲン溶剤含有量が1000ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、50ppm以下であることが特に好ましい。特に、上記エステル系ポリマーは溶剤溶解性に優れ、ハロゲン系以外の溶剤にも可溶であることから、重合時にハロゲン系以外の溶剤(例えばトルエン、シクロヘキサノン、アニソール等)を用いることで、ポリマー中のハロゲン含有量を減少させることも可能である。
本発明の光学フィルムは、前記エステル系ポリマーを用いて、溶液からの塗工法や溶融押出法等の公知の方法により得ることができる。光学フィルムの平滑性や、光学特性の均一性、あるいは複屈折発現性の観点からは、溶液からの塗工法により製膜することが好ましい。
溶液からの塗工法によって製膜する場合、その工程は、前記エステル系ポリマーと、溶媒とを含む樹脂溶液を調整する工程、および、該樹脂溶液を基材の表面に塗布して、乾燥させ、基材上に密着積層されてフィルムを形成する工程を含む。
前記樹脂溶液の溶媒としては、前記エステル系ポリマーを溶解するものであれば特に制限されず、ポリマーの種類に応じて適宜決定できる。具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が挙げられる。これらの溶媒は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。また、前記エステル系ポリマーが溶解する範囲において貧溶媒を添加することもできる。
特に、環境負荷低減の観点から、溶剤として非ハロゲン系のものを用いることが好ましく、芳香族炭化水素類や、ケトン類、エステル類等を好適に用いることができ、中でもトルエン、キシレン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンを用いることが好ましく、トルエンを用いることが最も好ましい。また、これらの溶剤を含む混合溶媒も好適に用いることができる。混合溶媒を用いる場合は、溶媒100重量部中に前記溶媒を50重量部以上含有することが好ましく、80重量部以上含有することが好ましい。中でもトルエンを50重量部以上含有するものが好ましく、トルエンを80重量部以上含有するものがさらに好ましい。前記エステル系ポリマーは溶解性に優れているため、これら低極性の溶媒によって製膜することが可能である。また、溶媒100重量部中にトルエンを50重量部以上含有する溶剤において、トルエン以外の溶媒としては、前記エステル系ポリマー等の溶質の溶解性や乾燥速度を調製する目的で、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を用いることができる。
樹脂溶液の溶媒として極性溶媒と比して沸点が低いトルエンを用いることによって、後述の厚み方向の複屈折率(Δnxz=nx−nz)の高い光学フィルムを得ることができる。トルエンを用いることによって厚み方向の複屈折率が高くなる理由は定かではないが、光学フィルムの残存溶剤量が低減すること、あるいは、高沸点の溶剤に比して乾燥速度が大きく、分子の配向が促進されやすいこと等に起因すると推定される。
また、前記樹脂溶液は、光学フィルムの複屈折発現性や透明性が著しく低下しない範囲で、前記エステル系ポリマーとは異なる他の樹脂を含有してもよい。前記他の樹脂としては、例えば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
前記樹脂溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、劣化防止剤、紫外線防止剤、光学異方性調節剤、剥離促進剤、可塑剤、赤外吸収剤、フィラーなど)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。
前記エステル系ポリマー以外の樹脂や添加剤等を前記樹脂溶液に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、溶解性および複屈折発現性に優れる光学フィルムを得る観点においては、前記エステル系ポリマー100重量部に対して、0〜100重量部であることが好ましく、0〜50重量部であることがより好ましく、0〜25重量部であることがさらに好ましい。
樹脂溶液の調製方法は特に限定されず、公知の方法を用い得るが、例えば、前記溶媒を攪拌下に、粉末状、又はペレット状若しくはタブレット状等に成型した前記エステル系ポリマーを所望の濃度となるまで徐々に加えて溶解させる方法を用いることができる。分待ちのエステル系ポリマーを得る方法としては、重合反応終了後の反応溶液を貧溶媒に滴下、濾別、洗浄する方法や、得られた樹脂の塊を粉砕する方法等によって得ることができる。また、ペレタイザやタブレット成型機等によって、ペレットやタブレットを得ることができる。
前記樹脂溶液におけるポリマー濃度は、特に制限されないが、例えば、塗工に適した溶液粘度とするために、1〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。ここで、「塗工に適した溶液粘度」とは、塗工時にスジ状の塗工ムラ等の欠陥が生じない程度に流動性を有する粘度をいう。このような粘度は、塗工に用いる基材や塗工速度、塗工厚み等によって異なるため一概には規定できないが、一般に400mPa・秒以下であることが好ましく、300mPa・秒以下であることがより好ましい。特に、光学フィルムの厚みが20μmの場合は、スジ状の欠陥が生じやすい傾向があるため、溶液粘度が前記範囲であることが好ましい。また、樹脂溶液の粘度は1mPa・秒以上であることが好ましい。溶液粘度が過度に低いと、流動性が高すぎるために、光学フィルムを所望の厚みに調整することが困難となる傾向がある。なお、ここでいう溶液粘度とは、25℃での測定値をさす。
前記樹脂溶液を基材上に塗工し、適宜乾燥することによって光学フィルムが得られる。基材は、特に限定されないが、例えば、エンドレスベルトやドラムロール等の無端基材や、ポリマーフィルム等の有限長の基材を用いることができる。本発明の光学フィルムが、自己支持性を有する場合は、無端基材、有限長の基材のいずれをも用い得る。自己支持性を有するとは、基材から剥離した状態でもハンドリング可能なことであり、一般に15〜500μm程度、より好ましくは20〜300μm程度の厚みを有する場合をさす。フィルム厚みが前記範囲より大きい場合も自己支持性を有しているが、過度に厚みが大きいと、溶剤の乾燥に多大な時間とエネルギーを要したり、厚みの均一性が得にくい等、量産上の問題を生じる場合がある。
本発明の光学フィルムの厚みが前記範囲より小さい、すなわち、1〜20μm程度、あるいは、2〜15μmである場合には、基材として有限長の基材を用いることが好ましい。エンドレスベルトやドラムロール等の無端基材を用いる製法は、光学フィルムを基材から剥離して搬送することを要するため、一般には自己支持性のないフィルムの製造には適さない。このような場合は、基材としてガラス板や、ポリマーフィルム等の有限長の基材を用い、本発明の光学フィルムをコーティング膜として基材上に形成することができる。なお、本願明細書および特許請求の範囲において「光学フィルム」とは、自己支持性を有するフィルム、および、自己支持性を有さないコーティング膜のいずれをも包含する。
前記有限長の基材の中でも、ハンドリング性等の観点から、ポリマー基材が好適に用いられる。ポリマー基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、さらにイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等の透明ポリマーやこれらポリマーのブレンド物からなるポリマーフィルムが挙げられる。
上記ポリマー基材は、ポリマーフィルム単独であってもよいし、ポリマーフィルム上にアンカーコート層や帯電防止層等を設けたものであってもよい。さらには、コロナ処理やプラズマ処理、あるいはケン化処理等により、接着性を向上させたフィルムを用いることもできる。また、例えば特表平9−506837号公報等に記載されている反射型偏光板等の光学機能フィルムを基材として用いることもできる。
本発明においては、前記エステル系ポリマーが溶解性に優れ、トルエン等の低極性溶媒の溶液とできることから、一般的に耐溶剤性が低い、アクリル系やオレフィン系ポリマーを主成分とするフィルムも基材として使用可能である。
塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。また、塗工に際しては、必要に応じて、多層コーティングを採用することもできる。
次いで、前記基材に塗工された前記樹脂溶液を乾燥させて、前記基材上に光学フィルムを形成する。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥や加熱乾燥等が挙げられる。その条件は、溶剤の種類や、ポリマーの種類、ポリマー濃度等に応じて適宜決定できるが、例えば、温度は、通常、25℃〜300℃であり、50℃〜200℃であり、特に好ましくは60℃〜180℃である。なお、乾燥は、一定温度で行っても良いし、段階的に温度を上昇または下降させながら行っても良い。乾燥時間も特に制限されない。通常、固化時間は、10秒〜60分、好ましくは30秒〜30分である。また、光学フィルムが自己支持性を有する場合は、一旦支持体から剥離した後、さらに乾燥することもできる。
本発明の光学フィルムは、前述の通り、相対的に厚みが大きく自己支持性を有するフィルムおよび、相対的に厚みが小さく、自己支持性を有さないコーティング膜のいずれでもよいが、特に、前記エステル系化合物の複屈折発現性が高いことから、コーティング膜として好適に用いることができる。このようなコーティング膜は、前述の通り、基材上にエステル系ポリマーの樹脂溶液を塗工、乾燥することによって、光学フィルムと基材が密着積層された光学積層体とすることができる。
本発明の光学積層体について説明する。光学積層体を形成するための基材としては、透明性の高いものが好ましく、ガラスや、有限長の基材として前記したプラスチックフィルム等を用いることができる。また、基材の厚みは特に制限されないが、ハンドリング性の観点からは、10〜500μmであることが好ましい。
また、基材としては、前述のように、本発明の光学フィルムの塗工の支持体として用いた基材をそのまま用いることもできるが、光学フィルムの塗工の支持体とは別の基材を用いることもできる。
本発明の光学積層体の製造方法は、特に限定されず、種々の方法を用い得るが、その一実施態様として、前記エステル系ポリマーと、溶媒とを含む樹脂溶液を調製する工程、および該樹脂溶液を基材の表面に塗布して、乾燥させ、該基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程を含む。また、別の実施態様として、前記工程に加えて、さらに、基材上に密着積層された該光学フィルムを、別の基材に転写する工程を含むこともできる。
別の基材に転写するとは、ガラス板またはポリマー基材等を準備し、その上に接着剤等を塗布し、基材の接着剤塗布面と前記光学フィルムとを密着させ、塗工に用いた支持体を前記光学フィルムから剥離する方法(この操作を「転写」と呼ぶ)によって、光学積層体を形成することをさす。特に、耐溶剤性の低い基材上に本発明の光学フィルムを密着積層させて光学積層体を形成する場合は、一旦、耐溶剤性の高い支持体上に樹脂溶液を塗工、乾燥させて、光学フィルムを形成した後に、前記転写法によって光学積層体を形成する方法を好適に用いることができる。
光学積層体の基材として、塗工において支持体として用いた基材を用いる場合、別の基材に転写する場合のいずれにおいても、光学積層体に用いる基材は透明性が高いことが好ましく、例えば、全光線透過率が85%以上、好ましくは90%以上である。
このようにして得られた本発明の光学フィルムは、透明性が高いことが好ましい。具体的には、波長400nmにおける透過率が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。前記エステル系ポリマーを用いることによって、このような高い透明性が実現可能である。
本発明の光学フィルムは、面内の屈折率が最大となる方向、すなわち遅相軸方向の屈折率をnx、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx>nzであることが好ましい。また、波長550nmにおける厚み方向の複屈折率(Δnxz=nx−nz)は、0.01以上であることが好ましく、0.012〜0.07であることがより好ましく、0.015〜0.055であることがさらに好ましい。このような光学特性を有することにより、該光学フィルムは、液晶表示装置の光学補償等に用いることができる。
本発明の光学フィルムは、前記エステル系ポリマーを用いることによって、上記のような高い複屈折発現性を示し得る。そのため、後に実施例から明らかなように、厚みが20μm以下のコーティング膜でも、例えば1/2波長や1/4波長に相当する厚み方向位相差(Rth)を発現しうる。ここで、厚み方向位相差(Rth)とは、Δnxz×d(ただし、dは光学フィルムの厚みである)で表される。
本発明の光学フィルムは、前記厚み方向の複屈折以外に、塗工条件や延伸条件を調整することによって、種々の面内複屈折(Δnxy=nx−ny)を有するものとすることもできる。ここで、nyとは、面内の屈折率が最小となる方向、すなわち進相軸方向の屈折率である。
つぎに、本発明の偏光板について説明する。本発明の偏光板は、前記本発明の光学フィルムを含む光学補償機能付き偏光板である。このような偏光板は、前記光学フィルムと、偏光子とを有していれば、その構成は特に制限されない。例えば、図1に示すように、本発明の光学フィルム(R)、偏光子(P)および二つの透明保護フィルム(T)を有し、前記偏光子の両面に透明保護フィルム(T)がそれぞれ積層されており、一方の透明保護フィルムの表面にさらに前記光学フィルム(R)が積層された形態とすることができる。なお、前記光学フィルム(R)と基材(S)とを密着積層させた光学積層体(1)を用いる場合、光学フィルム(R)と基材(S)のいずれの表面が前記透明保護フィルムに面してもよいが、図2に示すように、本発明の光学フィルム(R)側が透明保護フィルム(T)に面していることが好ましい。
また、前記透明保護フィルムは、前記偏光子の両側に積層してもよいし、いずれか一方の面のみに積層してもよい。また、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護フィルムを使用しても、異なる種類の透明保護フィルムを使用してもよい。
また、本発明の偏光板の別の形態として、図3に示すように、本発明の光学フィルム(R)、偏光子(P)および透明保護フィルム(T)を有し、前記偏光子(P)の一方の表面に前記光学フィルム(R)が、前記偏光子の他方の表面に前記透明保護フィルム(T)が、それぞれ積層されたものとすることもできる。
なお、前記光学フィルム(R)と基材(S)とを密着積層させた光学積層体(1)を用いる場合、光学フィルム(R)と基材(S)のいずれの表面が前記偏光子(P)に面してもよいが、図4に示すように、基材(S)側が偏光子(P)に面するように配置することが好ましい。このような構成とすることによって、前記基材(S)を、光学補償層付き偏光板における透明保護フィルムとして兼用することができる。すなわち、前記偏光子(P)の両面に透明保護フィルム(T)を積層する代わりに、前記偏光子(P)の一方の面には透明保護フィルム(T)を積層し、他方の面には、前記基材(S)が面するように本発明の光学積層体(1)を積層することによって、光学積層体(1)の基材(S)が透明保護フィルムの役割も果たすのである。このため、より一層薄型化された偏光板を得ることが可能となる。
前記偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光層が好適である。これら偏光層の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設けるに際しては、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
本発明の光学フィルム、光学積層体、偏光板の用途は限定されないが、好ましくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル等の画像表示装置に好適に用いられる。これらの画像表示装置は、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等に用いられる。
特に、本発明の光学フィルムは、高い複屈折発現性を有していることから、液晶セルに起因する複屈折の補償や、画像表示装置を斜視した場合のコントラスト向上やカラーシフト低減等を目的とした光学補償フィルムとして、液晶表示装置に好適に用いることができる。
以下に、本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に示し実施例に制限されるものではない。なお、実施例および比較例の評価は、下記の方法によりおこなったものである。
(ガラス転移温度)
示差走査熱量計(セイコー(株)製 製品名「DSC−6200」)を用いて、JIS K 7121(:1987)(プラスチックの転移温度測定方法)に準じた方法により求めた。具体的には、3mgの粉末サンプルを、窒素雰囲気下(ガス流量;50ml/分)、昇温速度10℃/分で、室温から220℃まで上昇させた後、降温速度10℃/分で30℃まで降温させた(1回目の測定)。その後、昇温速度10℃/分で再度350℃まで上昇させた(2回目の測定)。2回目の測定で得られたデータを採用し、中間点をガラス転移温度とした。なお、熱量計は、標準物質(インジウム)を用いて温度補正を行った。
(分子量)
重量平均分子量(Mw)は、各試料を0.1%THF溶液に調製し、0.45μmメンブレンフィルターにてろ過した後、GPC本体として東ソー社製HLC−8820GPCを用い、検出器としてRI(GPC本体に内蔵)を用いて測定した。具体的には、カラム温度40℃、ポンプ流量0.35mL/分とし、データ処理は、あらかじめ分子量が既知の標準ポリスチレンの検量線を用いて、ポリスチレン換算分子量より分子量を得た。尚、使用カラムは、SuperHZM−M(径6.0mm×15cm)、SuperHZM−M(径6.0mm×15cm)およびSuperHZ2000(径6.0mm×15cm)を直列につないだものを用い、移動相としてはTHFを用いた。
(Δnxz)
王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA−WPR」を用いて、測定波長550で測定した。厚み方向複屈(Δnxz)は、正面レターデーションおよび、サンプルを40度の角度で傾けた際のレターデーション(R40)から、装置付属のプログラムにより計算した。
なお、膜厚は、Sloan製 製品名「Dektak」を用い、ポリマー塗布前後のガラスの厚み差から求めた値を用いた。
(透過率)
日立製作所(株)製の分光光度計「U−4100」を用いて、波長400nmにおける透過率を測定した。
(溶解性試験)
各溶剤を入れたサンプル瓶に、ポリマーを少しずつ加え、溶解の程度を次の基準で目視により判断した。
◎=20重量%以上溶解、
○=10〜20重量%溶解、
△=溶解するが僅かに白濁、
×=不溶
(溶液粘度)
Brookfield製の粘度計 製品名「HBDV−I」を用い、測定温度:25℃、測定モード:低粘度用スピンドル、速度:20〜50rpmにて測定した。
(実施例1)
(エステル系ポリマーの合成)
攪拌装置を備えた反応容器中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン2.70g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.06gを1M水酸化ナトリウム溶液25mlに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド2.03gを30mlのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で90分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色のポリマー3.41g(収率92%)を得た。
(光学フィルムの作製)
得られたポリマー(0.1g)をシクロペンタノン(0.5g)に溶解させ、スピンコート法によってガラス上に塗布し、80℃で5分間乾燥した後、更に、130℃で30分乾燥させて光学フィルム(乾燥後の厚み=3.7μm)を作製した。
(実施例2)
(エステル系ポリマーの合成)
テレフタル酸クロライド2.03gに代えて、テレフタル酸クロライド1.83gとイソフタル酸クロライド0.20gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリマーの合成、洗浄、濾過、乾燥をおこない、白色のポリマー3.81g(収率95%)を得た。
(樹脂溶液の作製)
得られたポリマーを、固形分濃度が6、8、10重量%となるようにトルエンに溶解し、樹脂溶液を作製した。
(光学フィルムの作製)
上記の固形分濃度10重量%の樹脂溶液を用い、実施例1と同様にスピンコート法によってガラス上に塗布、乾燥させて、光学フィルム(乾燥後の厚み=3.7μm)を作製した。
(実施例3)
(樹脂溶液の作製)
トルエンに代えてシクロペンタノンを用いた以外は実施例2と同様にして、固形分濃度が6、8、10重量%の樹脂溶液を得た。
(光学フィルムの作製)
上記のシクロペンタノンを溶媒とする固形分濃度10重量%の樹脂溶液を用いた以外は実施例2と同様に光学フィルムを作製した。
(実施例4)
テレフタル酸クロライド2.03gに代えて、テレフタル酸クロライド1.52gとイソフタル酸クロライド0.51gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリマーの合成と光学フィルムの作製を行った。
(実施例5)
テレフタル酸クロライド2.03gに代えて、テレフタル酸クロライド1.02gとイソフタル酸クロライド1.02gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリマーの合成と光学フィルムの作製を行った。
(実施例6)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン2.70gに代えて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン2.42gを用い、テレフタル酸クロライド2.03gに代えて、テレフタル酸クロライド1.02gとイソフタル酸クロライド1.02gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリマーの合成と光学フィルムの作製を行った。
(比較例1)
攪拌装置を備えた反応容器中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称:ビスフェノールA) 2.28g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.06gを1M水酸化ナトリウム溶液25mlに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド1.83gとイソフタル酸クロライド0.20gを30mlのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で90分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色のポリマー3.26g(収率91%)を得た。
得られたポリマーを用いて、実施例1と同様の方法で、光学フィルムの作製を試みたが、樹脂が溶解性に乏しく、フィルムを作成することができなかった。
(比較例2)
テレフタル酸クロライド1.83gとイソフタル酸クロライド0.20gに代えて、テレフタル酸クロライド1.52gとイソフタル酸クロライド0.51gを用いた以外は、比較例1と同様の方法で、ポリマーを合成した。得られたポリマーを用いて、実施例1と同様の方法で、光学フィルムの作製を試みたが、樹脂が溶解性に乏しく、フィルムを作成することができなかった。
(比較例3)
テレフタル酸クロライド1.83gとイソフタル酸クロライド0.20gに代えて、テレフタル酸クロライド1.02gとイソフタル酸クロライド1.02gを用いた以外は、比較例1と同様の方法で、ポリマーを合成した。得られたポリマーを用いて、実施例1と同様の方法で光学フィルムの作製を行った。
実施例1〜6および比較例1〜3のポリエステル樹脂の構造、特性、ならびに、得られた光学フィルムの特性を表1に示す。また、実施例2および実施例3で得られた樹脂溶液の溶液粘度を固形分濃度に対してプロットしたものを図5に示す。
表中、l/mはエステル系コポリマーの各繰り返し単位のモル比を表し、R2およびR4は下式(V)における置換基を表す。また、i−Bu、Et、Meは、それぞれ、イソブチル基、エチル基、メチル基を表し、CPN、CHNは、それぞれ、シクロペンタノン、シクロヘキサノンを表す。
実施例1〜6で作製した光学フィルムは、いずれも高い透明性を示した。なお、実施例2を除いて、実施例においてはサンプル作製の簡単や、比較例との対比を目的として、基材としてガラス板、溶媒としてシクロペンタノンを使用したが、該光学フィルムに用いたエステル系ポリマーは、高溶解性を示すため、基材としてポリマー基材を用いたり、溶媒としてトルエンやキシレンを用いた場合でも製膜可能であり、上記実施例と同等の光学特性を有する光学フィルムを得ることができる。
さらに、図5から明らかなように、溶媒としてトルエンを用いることによって、エステル系ポリマーの固形分濃度が高くなっても樹脂溶液の粘度を低く保つことができる。また、実施例2と実施例3を比較すると、樹脂溶液の溶媒としてトルエンを用いた場合はシクロペンタノンを用いた場と比して、得られる光学フィルムのΔnxzが大きいことがわかる。
また、ビスフェノール成分として、R1、R2がともにメチル基であるビスフェノールAを用いた比較例1、2においては、エステル系ポリマーの溶解性が不十分であった。
本願発明の偏光板の構成断面の一例を示す概念図である。 本願発明の偏光板の構成断面の一例を示す概念図である。 本願発明の偏光板の構成断面の一例を示す概念図である。 本願発明の偏光板の構成断面の一例を示す概念図である。 実施例2および3で得られた樹脂溶液の粘度測定結果を表す。
符号の説明
P 偏光子
R 光学フィルム
T 透明保護フィルム
S 基材
1 光学積層体

Claims (11)

  1. 溶媒100重量部中に、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、及び、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上の溶媒を50重量部以上含有する溶媒に、下記一般式(I):
    (A及びBは、それぞれ置換基を表し、a及びbは、対応するA及びBの置換数(0〜4までの整数)を表す。
    A及びBは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。
    Dは、共有結合、CH 基、C(CH 基、C(CZ 基(ここで、Zはハロゲンである。)CO基、O原子、S原子、SO 基、Si(CH CH 基、及びN(CH )基からなる群から選択される少なくとも1種の原子又は基を表す。
    R1は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    R2は、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    p1は0〜3までの整数を、p2は1〜3までの整数を表す。
    nは2以上の整数を表す。)
    で表される繰り返し単位を有するエステル系ポリマーが溶解している樹脂溶液を調製する工程、および
    該樹脂溶液を、ポリマー基材の表面に塗布して、乾燥させ、該ポリマー基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、
    を含む光学フィルムの製造方法。
  2. 溶媒100重量部中に、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、及び、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上の溶媒を50重量部以上含有する溶媒に、下記一般式(I):
    (A及びBは、それぞれ置換基を表し、a及びbは、対応するA及びBの置換数(0〜4までの整数)を表す。
    A及びBは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。
    Dは、共有結合、CH 基、C(CH 基、C(CZ 基(ここで、Zはハロゲンである。)CO基、O原子、S原子、SO 基、Si(CH CH 基、及びN(CH )基からなる群から選択される少なくとも1種の原子又は基を表す。
    R1は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    R2は、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    p1は0〜3までの整数を、p2は1〜3までの整数を表す。
    nは2以上の整数を表す。)
    で表される繰り返し単位を有するエステル系ポリマーが溶解している樹脂溶液を調製する工程、および
    該樹脂溶液を、ポリマー基材の表面に塗布して、乾燥させ、該ポリマー基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、
    を含む光学積層体の製造方法。
  3. 溶媒100重量部中に、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、及び、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上の溶媒を50重量部以上含有する溶媒に、下記一般式(I):
    (A及びBは、それぞれ置換基を表し、a及びbは、対応するA及びBの置換数(0〜4までの整数)を表す。
    A及びBは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは無置換アリール基を表す。
    Dは、共有結合、CH 基、C(CH 基、C(CZ 基(ここで、Zはハロゲンである。)CO基、O原子、S原子、SO 基、Si(CH CH 基、及びN(CH )基からなる群から選択される少なくとも1種の原子又は基を表す。
    R1は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    R2は、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。
    p1は0〜3までの整数を、p2は1〜3までの整数を表す。
    nは2以上の整数を表す。)
    で表される繰り返し単位を有するエステル系ポリマーが溶解している樹脂溶液を調製する工程、
    該樹脂溶液を、基材の表面に塗布して、乾燥させ、該基材上に密着積層されたフィルムを形成する工程、および
    該光学フィルムを別のポリマー基材に転写する工程、
    を含む光学積層体の製造方法。
  4. 前記一般式(I)における、R1がメチル基であり、かつ、R2が炭素数2〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記一般式(I)における、R1がメチル基であり、かつ、R2が炭素数2〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基である、請求項2又は3に記載の光学積層体の製造方法。
  6. 前記エステル系ポリマーが、化学構造中にハロゲン原子を有さない非ハロゲン化エステル系ポリマーである、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記エステル系ポリマーが、化学構造中にハロゲン原子を有さない非ハロゲン化エステル系ポリマーである、請求項2又は3に記載の光学積層体の製造方法。
  8. 前記エステル系ポリマーが、トルエン又はキシレンに可溶である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 前記エステル系ポリマーが、トルエン又はキシレンに可溶である、請求項2又は3に記載の光学積層体の製造方法。
  10. 溶媒が、溶媒100重量部中トルエンを50重量部以上含有する溶媒である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 溶媒が、溶媒100重量部中トルエンを50重量部以上含有する溶媒である、請求項2又は3に記載の光学積層体の製造方法。
JP2007269266A 2007-09-07 2007-10-16 光学フィルム、およびその製造方法 Active JP5096865B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007269266A JP5096865B2 (ja) 2007-09-07 2007-10-16 光学フィルム、およびその製造方法
CN2008800007427A CN101542339B (zh) 2007-09-07 2008-08-22 光学薄膜及其制造方法
US12/439,795 US20100304110A1 (en) 2007-09-07 2008-08-22 Optical film and method for production thereof
PCT/JP2008/064993 WO2009031417A1 (ja) 2007-09-07 2008-08-22 光学フィルム、およびその製造方法
KR1020087032201A KR101029227B1 (ko) 2007-09-07 2008-08-22 광학 필름 및 그 제조 방법
TW097132931A TWI414832B (zh) 2007-09-07 2008-08-28 An optical film and a method for manufacturing the same
US13/530,351 US20120263871A1 (en) 2007-09-07 2012-06-22 Optical film and method for production thereof

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007233068 2007-09-07
JP2007233068 2007-09-07
JP2007269266A JP5096865B2 (ja) 2007-09-07 2007-10-16 光学フィルム、およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009080440A JP2009080440A (ja) 2009-04-16
JP5096865B2 true JP5096865B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40655204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007269266A Active JP5096865B2 (ja) 2007-09-07 2007-10-16 光学フィルム、およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US20100304110A1 (ja)
JP (1) JP5096865B2 (ja)
KR (1) KR101029227B1 (ja)
CN (1) CN101542339B (ja)
TW (1) TWI414832B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5197062B2 (ja) * 2008-02-20 2013-05-15 日東電工株式会社 複屈折フィルムおよび偏光素子
JP5383299B2 (ja) * 2009-04-16 2014-01-08 日東電工株式会社 光学フィルム、およびその製造方法
JP2011065142A (ja) * 2009-08-15 2011-03-31 Nitto Denko Corp 液晶パネルおよび液晶表示装置
JP5612953B2 (ja) 2010-04-12 2014-10-22 日東電工株式会社 粒子、粒子分散液、粒子分散樹脂組成物および樹脂成形体
CN102844273B (zh) 2010-04-12 2016-03-02 日东电工株式会社 离子传导性有机无机复合粒子、含有粒子的树脂组合物以及离子传导性成型体
JP6319867B2 (ja) * 2013-04-02 2018-05-09 日東電工株式会社 ポリアリレート系樹脂の製造方法
JP6376849B2 (ja) 2014-06-05 2018-08-22 日東電工株式会社 位相差フィルムの製造方法および積層偏光板の製造方法
JP6418929B2 (ja) 2014-12-08 2018-11-07 日東電工株式会社 位相差フィルムの製造方法および積層偏光板の製造方法
JP6887759B2 (ja) * 2016-05-17 2021-06-16 日東電工株式会社 光学積層体、ならびに該光学積層体を用いた光学フィルム片の製造方法
JP2024002560A (ja) 2022-06-24 2024-01-11 日東電工株式会社 位相差フィルムの製造方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3433756A1 (de) * 1984-09-14 1986-03-27 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Hochmolekulare polyester, ihre herstellung und verwendung
JPH01201607A (ja) * 1988-02-08 1989-08-14 Fuji Photo Film Co Ltd 位相差フイルムの製造方法
JP3218049B2 (ja) * 1991-02-08 2001-10-15 鐘淵化学工業株式会社 複屈折性を有する透明フィルムの製造方法
JPH06174923A (ja) * 1992-12-10 1994-06-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 位相差フィルム
JP3443202B2 (ja) * 1994-09-12 2003-09-02 帝人株式会社 ポリアリレート系樹脂溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP2003082078A (ja) * 2001-06-29 2003-03-19 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル樹脂およびそれを用いた電子写真感光体
WO2003062875A1 (fr) * 2002-01-23 2003-07-31 Nitto Denko Corporation Film optique, plaque de polarisation multicouche, affichage a cristaux liquides les comprenant, et affichage a emission spontanee
TW200404842A (en) * 2002-07-30 2004-04-01 Nitto Denko Corp Optical film and manufacturing method thereof
EP1387210A1 (en) * 2002-08-02 2004-02-04 Eastman Kodak Company Compensator layer and liquid crystal cell with such a layer
US20040021815A1 (en) * 2002-08-02 2004-02-05 Eastman Kodak Company Liquid crystal cell with compensator layer and process
JP3701022B2 (ja) * 2002-12-19 2005-09-28 日東電工株式会社 複屈折性光学フィルムの製造方法、前記製造方法により得られたフィルム、それを用いた楕円偏光板およびそれらを用いた液晶表示装置
JP4246621B2 (ja) 2003-12-26 2009-04-02 三菱化学株式会社 電子写真感光体
JP2008513833A (ja) * 2004-09-22 2008-05-01 エルジー・ケム・リミテッド Lcdの光視野角確保のために使用するポリアリーレート光学補償フィルム及びその製造方法
US20060068128A1 (en) * 2004-09-30 2006-03-30 Eastman Kodak Company Optical films and process for making them
JP4618675B2 (ja) * 2005-02-08 2011-01-26 日東電工株式会社 位相差フィルム、偏光素子、液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2007065575A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Jsr Corp 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置
TWI275882B (en) * 2005-09-19 2007-03-11 Optimax Tech Corp Method for fabricating optical films
JP4943696B2 (ja) * 2005-11-24 2012-05-30 日東電工株式会社 液晶パネルおよびそれを用いた画像表示装置
JP4927690B2 (ja) * 2007-11-27 2012-05-09 日東電工株式会社 光学フィルム、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101542339A (zh) 2009-09-23
JP2009080440A (ja) 2009-04-16
TWI414832B (zh) 2013-11-11
US20100304110A1 (en) 2010-12-02
CN101542339B (zh) 2011-03-30
KR101029227B1 (ko) 2011-04-18
KR20090052306A (ko) 2009-05-25
US20120263871A1 (en) 2012-10-18
TW200944847A (en) 2009-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5096865B2 (ja) 光学フィルム、およびその製造方法
JP4757347B1 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2009086604A (ja) 光学フィルム、およびその製造方法
JP4927690B2 (ja) 光学フィルム、及びその製造方法
JP5352875B2 (ja) 複屈折性フィルム、偏光板、及び画像表示装置
JP5383299B2 (ja) 光学フィルム、およびその製造方法
JP2012128144A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP5197062B2 (ja) 複屈折フィルムおよび偏光素子
JP5004354B2 (ja) 複屈折フィルムおよび偏光素子
JP2009114425A (ja) コーティング液および光学フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5096865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250