JP5096215B2 - 射出成形用金型及びこれを用いた樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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この発明は射出成形用金型に関し、特にシートが埋設された樹脂成形品の製造に用いられる射出成形用金型及びシートがその樹脂成形品の製造方法に関するものである。
形状を保持するために、内部に芯材を埋設させた樹脂成形品がある。芯材は樹脂成形品の内部に完全に埋設されたり、一部露出して埋設されている。芯材には、それ自体に剛性のある材料が使用され、金属板や硬質樹脂板等が使用されている。このような樹脂成形品は、例えば樹脂の射出成形により製造され、その製造に用いられる射出成形用金型及びその製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。上記射出成形用金型は、固定型であるキャビティ型と、キャビティ型との分割面を有すると共に可動型であるコア型と、コア型の内部を型締め方向に移動可能なスライドコア型(コアピン)とを備えている。そして、ゲートが、埋設される芯材の両面に分かれて樹脂が流入するように、キャビティに配置された芯材の側方に設けられている。
この射出成形用金型を用いて、芯材が埋設された樹脂成形品が製造されている。先ず、型開きの状態で芯材を配置し、キャビティ型とコア型とで芯材の端部を挟持するようにして型締めする。次に、芯材が所定の位置を維持するようにスライドコア型をキャビティ内に前進移動させて芯材を保持する。尚、芯材には剛性があるため、所定の位置に安定して保持される。次に、上記ゲートからキャビティ内に樹脂を射出して、樹脂が芯材の両面に分かれて流入し、樹脂がキャビティ内にほぼ充填したときに、芯材を保持していたスライドコア型を後退移動させる。次に、樹脂を更に射出して、キャビティ内全てに樹脂が充填される。このような製造方法により、芯材が埋設された樹脂成形品が製造される。
特開平4−16316号公報
上記のような従来の射出成形用金型及びこれを用いた樹脂成形品の製造方法では、芯材の代わりにフィルム等のそれ自体に剛性のないシートを樹脂成形品に埋設させる場合に、シートを所定の形状・位置に維持させて、キャビティ内に樹脂を充填させることは困難である。キャビティの型面から浮いた状態でシートが保持されても、シート自体に剛性がないため、キャビティ内への樹脂の流入によって、シートにずれやしわが生じてしまう。又、シートを埋設して、シートの面に沿った面状の形状を有する樹脂成形品を製造することも困難である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、それ自体に剛性のないシートが所定の形状・位置に維持されながら埋設された樹脂成形品の製造に用いられる射出成形用金型及びこれを用いた樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、シートが埋設され、そのシートに沿った面状の広がりを有する樹脂成形品の製造に用いることができる射出成形用金型であって、樹脂成形品の一方面に対応する第1型面が形成されたキャビティ型と、キャビティ型との分割面が形成されたコア型と、コア型内を型締め方向に前進後退可能であり、樹脂成形品の他方面に対応する第2型面が形成されたスライドコア型と、第2型面に沿ってシートが配置され、型締め状態において、スライドコア型が前進した位置でシートと第1型面との間に形成される第1部分キャビティに、第1樹脂部を形成するように第1樹脂が射出される第1ゲートと、シートが第1樹脂部に固着してからスライドコア型を後退させて、スライドコア型が後退した位置でシートと第2型面との間に形成される第2部分キャビティに、第2樹脂部を形成するように第2樹脂が射出される第2ゲートとを備えたものである。
このように構成すると、シートが、第2型面の形状に維持されながら第1樹脂部と第2樹脂部との間に埋設される。
第2の発明は、第1の発明の構成において、第1ゲートは、第1型面のほぼ中央に設定されたものである。
このように構成すると、シートの中央から周縁に向かうように第1部分キャビティに樹脂が流入する。
第3の発明は、第1又は第2の発明の構成において、コア型及びスライドコア型の少なくとも1つには、樹脂成形品の端面に対応する第3型面が形成され、第2ゲートは、第3型面に設定されたものである。
このように構成すると、スライドコア型の第2型面よりに内方に第2ゲート接続される樹脂流路が形成されない。
第4の発明は、第1から第3のいずれかに記載の射出成形用金型を用いた、シートが埋設され、そのシートに沿った面状の広がりを有する樹脂成形品の製造方法であって、型開きした状態で第2型面に沿ってシートを配置する工程と、シートが配置されたスライドコア型を前進させた位置で型締めして、第1部分キャビティを形成する工程と、形成された第1部分キャビティに第1ゲートを介して第1樹脂を射出して第1樹脂部を形成する工程と、形成された第1樹脂部にシートが固着してからスライドコア型を後退させて、第2部分キャビティを形成する工程と、形成された第2部分キャビティに第2ゲートを介して第2樹脂を射出して第2樹脂部を形成し、その形成された第2樹脂部をシートに固着させる工程とを備えたものである。
このように構成すると、シートが、第2型面の形状に維持されながら第1樹脂部と第2樹脂部との間に埋設される。
第5の発明は、第4の発明の構成において、第1樹脂及び第2樹脂の少なくとも1つが、透明又は半透明である。
このように構成すると、樹脂成形品の外部からシートが可視化される。
第6の発明は、第4又は第5の発明の構成において、第1樹脂と第2樹脂とは同一の樹脂である。
このように構成すると、第1樹脂と第2樹脂とが互いに溶着して固着性が向上する。
以上説明したように、第1の発明は、シートが、第2型面の形状に維持されながら第1樹脂部と第2樹脂部との間に埋設される。そのため、それ自体に剛性のないシートが所定の形状・位置に維持されながら埋設された、シートに沿った面状の広がりを有する樹脂成形品を製造することができる。
第2の発明は、第1の発明の効果に加えて、シートの中央から周縁に向かうように第1部分キャビティに樹脂が流入するため、第1樹脂の射出によるシートのずれやしわを防止することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明の効果に加えて、スライドコア型の第2型面よりに内方に第2ゲート接続される樹脂流路が形成されないため、射出成形用金型の構造を簡単にすることができる。
第4の発明は、シートが、第2型面の形状に維持されながら第1樹脂部と第2樹脂部との間に埋設される。そのため、シートが所定の形状・位置に維持されながら埋設された、シートに沿った面状の広がりを有する樹脂成形品を製造することができる。
第5の発明は、第4の発明の効果に加えて、埋設されたシートが樹脂成形品の外部から可視化されるため、シートにデザインを施すことによって、様々なデザインの樹脂成形品を製造することができる。
第6の発明は、第4又は第5の発明の効果に加えて、第1樹脂と第2樹脂とが互いに溶着して固着性が向上するため、樹脂成形品の品質を向上させることができる。
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は、その(1)がこの発明の第1の実施の形態による射出成形用金型を用いて製造される椅子の外観斜視図であり、その(2)がその(1)で示したI−Iラインの断面図であり、その(3)が変形例を示したその(2)対応する断面図である。
図1の(1)を参照して、椅子10は、ほぼ長方形形状の平板が長手方向を折曲げ方向として中央部分で折り曲げられたような形状を有し、座部11と、座部11から一体的に立ち上がる背もたれ部12とから構成されている。この座部11及び背もたれ部12は、折曲げ方向に直交する方向において、内方に向かうに従って座面及び背もたれ面が僅かに沈むように緩やかな曲面状に形成されている。座部11及び背もたれ部12がこのように形成されると、座る人間の位置が内方に案内されるため、座る人間の位置を安定させることができる。又、背もたれ部12は、その上部が上方に向かうに従って僅かに幅が狭くなるように形成されている。
次に、図1の(2)を参照して、座部11の断面は、シート13と、シート13の端面16を覆うようにしてシート13の一方面に積層された第1樹脂部14と、シート13の他方面に積層された第2樹脂部15とから構成されている。背もたれ部12も座部11と同一の断面に構成されている。椅子10は、シート13が埋設され、シート13に沿った面状の広がりを有する樹脂成形品の一例である。次に、図1の(3)を参照して、図1の(1)及び(2)で示した椅子10の変形例の座部11の断面であり、椅子10の左右両側の端面において、シート13の端面16を露出させるように構成されている。このように構成すれば、シート13の端面16をあえて露出させたデザインの椅子となる。尚、この発明において、樹脂成形品にシートが埋設されるとは、図1の(2)で示したように樹脂成形品の内部にシート13が全部埋設された状態だけでなく、図1の(3)で示したようにシート13の端面16が外部に露出した状態も含む。
次に、上記椅子10の製造に用いられる射出成形用金型20について説明する。
図2は、この発明の第1の実施の形態による射出成形用金型の概略構成を示した図であって、その(1)がキャビティ中央を切断した縦端面図であり、その(2)がキャビティ中央を切断した横端面図である。
図2の(1)及び(2)を参照して、射出成形用金型20は、直方体形状を有し、固定型であるキャビティ型21と、キャビティ型21との分割面25が形成されると共に可動型であるコア型22と、コア型22内を型締め方向に前進後退可能なスライドコア型23とを備えている。図2の(1)及び(2)で示した状態において、椅子10の外形に対応するキャビティ26が形成されている。このキャビティ26に対して、図の2点鎖線で示した位置にシート13が埋設される。
キャビティ型21は、分割面25のほぼ中央に、スライドコア型23の側部52が挿入されると共に椅子10の形状に合わせた凹部が形成されている。その凹部には、椅子10の座面及び背もたれ面の反対の面に対応する第1型面27が形成されている。第1型面27のほぼ中央には、椅子10の第1樹脂部14を形成する第1樹脂35が射出される第1ゲート30が設定されている。射出成形用金型20では、ホットランナー方式が採用され、キャビティ型21は、内部に、第1ゲート30に接続される第1バルブゲート31と、第1バルブゲート31に接続される第1樹脂流路32と、キャビティ26の下方近傍の分割面25に設定された第2バルブゲート41と、第2バルブゲート41に接続される第2樹脂流路42と、第1樹脂流路32及び第2樹脂流路42が合流して接続される共通樹脂流路50とを備え、外面に、共通樹脂流路50に接続される1つのノズルタッチ部51を備えている。
コア型22は、ほぼ中央に所定の方向からみた椅子10の形状に合わせて型締め方向に貫通した開口53が形成され、型締め方向を前後方向として、開口53の左右両側には、内面を連続させながらキャビティ型21側に突出したほぼ三角板形状の側部52を有している。開口53の下面には、前端から後端まで型締め方向に帯状に伸びる切欠きが形成されている。上記側部52の先端部分の内面が、椅子10の左右両側の端面に対応する第3型面54を構成している。又、開口53のキャビティ型21側の上辺部分が、椅子10の上側の端面に対応する第3型面55を構成し、下辺部分が、椅子10の下側の端面に対応する第3型面56を構成している。
スライドコア型23は、キャビティ型21側の面のほぼ中央から突出してコア型22の開口53の挿入される柱状の入子部24を有している。型締め方向からみた入子部24の外形は、入子部24の外周面が開口53の内周面に摺動するような形状に設定されている。図2の(1)の破線で示した、入子部24の下面に、型締め方向に帯状に伸びる帯状部61が形成されている。この帯状部61が開口53の下面に形成された切欠き内を摺動する。入子部24の先端は、キャビティ型21の凹部に挿入され、入子部24の先端面が、椅子10の座面及び背もたれ面に対応する第2型面28を構成する。又、帯状部61の上向き先端面が、椅子10の下側の端面に対応する第3型面56の中央部分を構成する。
帯状部61の先端、即ち第3型面56の中央に、椅子10の第2樹脂部15を形成する第2樹脂45が射出される第2ゲート40が設定されている。この第2ゲート40とキャビティ型21に設定された第2バルブゲート41とを接続する第2樹脂流路の一部である連結部43が、コア型22の分割面25からスライドコア型23の表面に渡って形成されている。したがって、スライドコア型23の第2型面28より後方、即ち第2型面28より内方に第2ゲート40に接続される樹脂流路が全く形成されていない。そのため、スライドコア型23の構造が簡単になり、射出成形用金型20の構造を簡単にすることができる。
キャビティ型21及びスライドコア型23は、図示しない射出成形機のプラテンの各々に固定され、コア型22及びスライドコア型23は、図示しない駆動手段により図示しないタイバーに案内されながら、型締め方向に可動する。スライドコア型23は、コア型22に対して入子部24の外周面が開口53の内周面に摺動しながら可動する。コア型22及びスライドコア型23は、時間制御により所定の位置間を移動し、第1バルブゲート31及び第2バルブゲート41は、時間制御によりその開閉が行われる。
上記のように構成される射出成形用金型20では、第1樹脂と第2樹脂は同一の樹脂が使用され、図示しない射出成形機の1つのノズルをノズルタッチ部51に接触させて、第1樹脂35及び第2樹脂45をキャビティ型21に流入させる。第1樹脂は、第1バルブゲート31が開くことにより、共通樹脂流路50、第1樹脂流路32を介して第1ゲート30から射出される。第2樹脂45は、第2バルブゲート41が開くことにより、共通樹脂流路50、第2樹脂流路42を介して第2ゲート40から射出される。
次に射出成形用金型20を用いた椅子10の製造方法について説明する。
図1で示した椅子の製造工程のうち、図3は型開きしてシートを配置する工程を示した図であり、図4は型締めして第1樹脂部を形成する工程を示した図であり、図5はコアバックして第2樹脂部を形成する工程を示した図であり、図6は型開きして、成形された椅子を取り出す工程を示した図である。
図3を参照して、射出成形用金型20を型開きした状態で、入子部24の第2型面28に沿って所定の位置にシート13を配置する。シート13の位置決めについては後述する。
次に、図4を参照して、シート13が配置されたスライドコア型23を前進させた位置で型締めを行い、シートとキャビティ型21の第1型面27との間に第1部分キャビティ34を形成する。尚、シート13の周縁より外方に形成されている空間も第1部分キャビティ34に含まれる。このとき、第1バルブゲート31及び第2バルブゲート41は閉じた状態である。次に、第1バルブゲート31を開いて、第1部分キャビティ34に第1ゲート30を介して第1樹脂35を射出し、椅子10の第1樹脂部14を形成する。このとき、第1ゲートは第1型面のほぼ中央に設定されているため、第1ゲート30から射出される第1樹脂は、シート13の中央から周縁に向かって流れる。そのため、第1樹脂35の射出によるシート13のずれやしわを防止することができる。次に、第1部分キャビティ34に第1樹脂35が完全に充填された後に、第1バルブゲート31を閉じる。次に、第1樹脂部14にシートが固着して、第1樹脂部14が所定の硬さになるまで保圧する。この所定の硬さは、次に射出される第2樹脂45の圧力によって第1樹脂部14が変形しない程度の硬さである。
次に、図5を参照して、スライドコア型23、即ち入子部24を所定の位置まで後退させて、シート13とスライドコア型23の第2型面との間に第2部分キャビティ44を形成する。尚、シート13の周縁より外方に形成されている空間も第2部分キャビティ44に含まれる。このとき、第2ゲート40と第2バルブゲート41とが連結部を介して連通される。次に、第2バルブゲート41を開いて、第2部分キャビティ44に第2ゲート40を介して第2樹脂45を射出し、椅子10の第2樹脂部15を形成する。そして、第2樹脂部15にシート13が固着して、第2樹脂部15と第1樹脂部14とが一体化するまで保圧する。
次に、図6を参照して、型開きして椅子10を取り出す。更に、連結部43による不要なゲート部材57を切り離す。このようにして、シート13が埋設され、そのシート13に沿った面状の広がりを有する椅子10は製造される。
次に、スライドコア型23の第2型面28にシート13を配置するときの位置決めについて説明する。
図7は、その(1)が図2で示した椅子の製造に使用されたシートの外形を示した平面図であり、その(2)が変形例を示したその(1)に対応する平面図であり、その(3)が更に他の変形例を示したシートの外形を示した縦断面図である。
図7の(1)を参照して、シート13は、外周縁が全周にわたって、二点鎖線で示した椅子10の外形より内側となるように設定されている。このシート13下端の中央を帯状部61の第3型面56に当接させながら、シート13上下端を入子部24の第2型面28の上下端に整列させて位置決めを行い、入子部にシート13を保持させる。
図7の(2)を参照して、シート13は、上下端が椅子10の外形より内側となるように設定され、両側端は椅子10の外形と一致させるように設定されている。そして、シート13の両側端の中央、即ち椅子の折れ曲がり部に相当する部分から外方に延びるように鍔部59が形成されている。鍔部59は、シート13を入子部24に設置して型締めしたときに、キャビティ26からはみ出てキャビティ型21とコア型22の側部52とに挟まれる大きさに設定されている。コア型22には、孔60に挿通される図示しない係止ピンが形成され、孔60をその係止ピンに挿通させ、シート13の位置決めを行い、入子部24及びコア型22にシート13を保持させる。このようにシート13を保持させると、第1ゲート30に近い部分が保持された状態で、第1ゲート30から第1樹脂35が射出される。保持された部分からシート13の上下端に向かって第1樹脂35が流れるため、第1樹脂35の流入によるシート13のずれやしわを効果的に防止することができる。
図7の(3)を参照して、シート13は、入子部24の第2型面28の形状に合わせて成形されている。具体的には、シート13の中央部分を折り曲げ、上下端を入子部24の側面に沿うように更に折り曲げる。このように、シート13を配置する部分、即ち入子部の形状に合わせてシート13を配置前に形成しておけば、シート13の配置位置が一定となるため、シート13の位置決めが容易となる。又、シート13の上下端の折曲げ部が入子部24を上下双方から挟み込むため、シート13が効果的に保持される。
次に、シート13、第1樹脂及び第2樹脂の種類について説明する。
シート13は、アクリルフィルム、PCフィルム、ABSフィルム、PETフィルム等の樹脂フィルムが使用される。それらの樹脂フィルムに図柄層が形成されてもよい。図柄層は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等によりフィルム上に印刷される。図柄層は、装飾目的に応じて、フィルムの全面に形成されたり、部分的に形成されたりする。第1樹脂や第2樹脂と同一の種類の樹脂からなる樹脂フィルムを使用すれば、第1樹脂部や第2樹脂部にシート13が溶着して固着し易くなる。又、必要に応じて樹脂フィルムに接着層が形成されてもよい。接着層が形成されれば、第1樹脂及び第2樹脂と樹脂フィルムとが接着し、樹脂成形品の一体性を向上させることができる。尚、シート13は、樹脂フィルムに代えて、シート状のものであれば、紙、金属等樹脂以外の材料から構成されてもよい。
第1樹脂及び第2樹脂は、製造する樹脂成形品に適した特性を有するものが使用される。例えば、ABS、アクリル、PS、AS、PC、PVC、PP、PET等である。第1樹脂及び第2樹脂に、透明又は半透明の樹脂を使用することにより、シート13自体やシートに形成された図柄層を樹脂成形品の外部から視認することができる。この発明において、半透明の樹脂とは、透明の樹脂を除いて、樹脂成形品に埋設されたシート13を樹脂成形品の外部から視認することができる状態の樹脂である。尚、第1樹脂や第2樹脂と同種の樹脂からなる樹脂フィルムを使用すれば、樹脂成形品の成形時に、第1樹脂や第2樹脂と樹脂フィルムとを溶着して固着させ易くすることができる。
以上から上記のように構成される射出成形用金型20を用いた椅子10の製造方法では、シート13が第2型面28の形状に維持されながら、第1樹脂部14と第2樹脂部15との間に埋設される。そのため、それ自体に剛性のないシート13が所定の形状・位置に維持されながら埋設された、シート13に沿った面状の広がりを有する椅子10を製造することができる。又、第1樹脂35及び第2樹脂45に透明又は半透明の樹脂を使用すれば、埋設されたシート13が椅子10の外部から可視化される。そのため、シート13にデザインを施すことによって、様々なデザインの椅子10を製造することができる。更に、熱を放出・吸収したり、電磁波を遮断したりする等の機能を発揮するシート13を埋設すれば、その機能を有する椅子10を製造することができる。第1樹脂35と第2樹脂45は同一の樹脂であり、第1の樹脂35と第2樹脂45とが互いに溶着して固着性が向上するため、椅子10の品質を向上させることができる。
図8は、この発明の第2の実施の形態による射出成形用金型の概略構成を示した図であって、キャビティ中央を切断した縦端面図である。先の第1の実施の形態の図2の(1)に対応した図である。基本的な構成は第1の実施の形態による射出成形用金型20と共通するので、異なる点を説明する。
図8を参照して、第1の実施の形態による射出成形用金型20では、第1樹脂流路32と第2樹脂流路42とが共通樹脂流路50から分岐して形成されていたが、第2の実施の形態による射出成形用金型70では、第1樹脂流路32と第2樹脂流路42とが互いに独立して形成されている。図示しない射出成形機の2つのノズルを、別々のノズルタッチ部51に接触させて、第1樹脂35と第2樹脂45とを別々のノズルからキャビティ型21に流入させる。第1の樹脂は、第1バルブゲート31が開くことにより、第1樹脂流路32を介して第1ゲート30から射出される。第2樹脂45は、第2バルブゲート41が開くことにより、第2樹脂流路42を介して第2ゲート40から射出される。
上記のように構成される射出成形用金型70を用いた椅子10の製造方法では、第1樹脂35と第2樹脂45とを異なる樹脂とすることができるため、第1樹脂部14と第2樹脂部15との物性やデザインが異なる椅子10を製造することができる。例えば、第1樹脂部14を不透明として、第2樹脂部15を透明とすれば、座面及び背もたれ面側からだけシート13が見える椅子10とすることができる。第1樹脂部14に椅子10の保形性を確保するための樹脂を使用して、第2樹脂部15に弾力性のある樹脂を使用すれば、座りごこちを配慮した椅子10とすることができる。
尚、上記の各実施の形態では、樹脂成形品として椅子について説明しているが、樹脂成形品が、シートが埋設され、そのシートに沿った面状の広がりを有する形状を含んでいれば、他の樹脂成形品であってもよい。
又、上記の各実施の形態では、椅子の山側が第1ゲート側になるように構成されているが椅子の谷側が第1ゲート側になるように構成されてもよい。射出成形用金型に対する椅子の配置は、縦横逆でもよく、型締め方向の軸を中心に回転させたいずれの向きでもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第1ゲートが第1型面のほぼ中心に設定されているが、第1型面の範囲であれば、いずれの位置に設定されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第2ゲートが第3型面に形成されているが、第2部分キャビティに第2樹脂が射出されれば、第2型面に形成されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第2ゲートが椅子の下側の端面に対応する第3型面に形成されているが、椅子の上側、左右両側の端面に対応する第3型面にに形成されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、第1ゲート及び第2ゲートが各々1つずつ設定されているが、第1ゲート及び第2ゲートが各々複数設定されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、剛性のないシートが使用されているが、第2型面に沿って配置することができれば、剛性のあるシートが使用されてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、射出成形金型はホットランナー方式が採用されているが、第1ゲート及び第2ゲートから時機をずらして樹脂が射出されれば、コールドランナー方式が採用されてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、第1樹脂と第2樹脂とが異なる樹脂が使用されているが、同一の樹脂が使用されてもよい。
その(1)がこの発明の第1の実施の形態による射出成形用金型を用いて製造される椅子の外観斜視図であり、その(2)がその(1)で示したI−Iラインの断面図であり、その(3)が変形例を示したその(2)に対応する断面図である。 この発明の第1の実施の形態による射出成形用金型の概略構成を示した図であって、その(1)がキャビティ中央を切断した縦端面図であり、その(2)がキャビティ中央を切断した横端面図である。 図1で示した椅子の製造工程のうち、型開きしてシートを配置する工程を示した図である。 図1で示した椅子の製造工程のうち、型締めして第1樹脂部を形成する工程を示した図である。 図1で示した椅子の製造工程のうち、コアバックして第2樹脂部を形成する工程を示した図である。 図1で示した椅子の製造工程のうち、型開きして、成形された椅子を取り出す工程を示した図である。 その(1)が図2で示した椅子の製造に使用されたシートの外形を示した平面図であり、その(2)が変形例を示したその(1)に対応する平面図であり、その(3)が更に他の変形例を示したシートの外形を示した縦断面図である。 この発明の第2の実施の形態による射出成形用金型の概略構成を示した図であって、キャビティ中央を切断した縦端面図である。
符号の説明
10 椅子
13 シート
14 第1樹脂部
15 第2樹脂部
20,70 射出成形用金型
21 キャビティ型
22 コア型
23 スライドコア型
25 分割面
27 第1型面
28 第2型面
30 第1ゲート
34 第1部分キャビティ
35 第1樹脂
40 第2ゲート
44 第2部分キャビティ
45 第2樹脂
54,55,56 第3型面

Claims (1)

  1. シートが埋設され、そのシートに沿った面状の広がりを有する椅子の製造方法であって、
    前記椅子の一方面に対応する第1型面が形成されたキャビティ型と、
    前記キャビティ型との分割面が形成されたコア型と、
    前記コア型内を型締め方向に前進後退可能であり、前記椅子の他方面に対応する第2型面が形成されたスライドコア型と、
    前記キャビティ型の内部に形成された第1樹脂が流れる第1樹脂流路と、
    前記キャビティ型の内部に形成された第2樹脂が流れる第2樹脂流路と、
    前記第2型面に沿って前記シートが配置され、型締め状態において、前記スライドコア型が前進した位置で前記シートと前記第1型面との間に形成される第1部分キャビティに、第1樹脂部を形成するように前記第1樹脂が射出される、前記第1型面のほぼ中央に設定された第1ゲートと、
    前記シートが前記第1樹脂部に固着してから前記スライドコア型を後退させて、前記スライドコア型が後退した位置で前記シートと前記第2型面との間に形成される第2部分キャビティに、第2樹脂部を形成するように前記第2樹脂が射出される第2ゲートと
    型締め状態において、前記スライドコア型が後退したときに、前記第2ゲートと前記第2樹脂流路を連通させる連結部とを有する射出成形用金型を用いて、
    型開きした状態で前記第2型面に沿って前記シートを配置する工程と、
    前記シートが配置された前記スライドコア型を前進させた位置で型締めして、前記第1部分キャビティを形成する工程と
    前記形成された第1部分キャビティに前記第1ゲートを介して透明又は半透明である第1樹脂を射出して第1樹脂部を形成する工程と、
    前記形成された第1樹脂部に前記シートが固着してから前記スライドコア型を後退させて、前記第2部分キャビティを形成する工程と、
    前記形成された第2部分キャビティに前記第2ゲートを介して透明又は半透明である第2樹脂を射出して第2樹脂部を形成し、その形成された第2樹脂部を前記シートに固着させる工程とを備えた、椅子の製造方法。
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